JP3403329B2 - 筒状ワーク用高周波加熱コイル - Google Patents

筒状ワーク用高周波加熱コイル

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JP3403329B2
JP3403329B2 JP07661898A JP7661898A JP3403329B2 JP 3403329 B2 JP3403329 B2 JP 3403329B2 JP 07661898 A JP07661898 A JP 07661898A JP 7661898 A JP7661898 A JP 7661898A JP 3403329 B2 JP3403329 B2 JP 3403329B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒状ワークの内周
面に形成された複数の溝を加熱する高周波加熱コイルに
関する。
【0002】
【従来の技術】図11に示すような内周面に3本の溝W
Aが形成されたトリポート型等速ジョイントのハウジン
グWでは、3本の溝WAの少なくとも両側面に高周波焼
入を施す必要がある。この高周波焼入のために、図11
に示すような高周波加熱コイル700が用いられてい
る。なお、図11は従来の筒状ワーク用高周波加熱コイ
ル700を前記ハウジングWに挿入した状態を示す概略
的断面図である。
【0003】この高周波加熱コイル700は、溝WAの
形状に対応しており、移動可能に嵌め込まれる3つの加
熱導体部710と、これらの加熱導体部710を直列に
接続する2つの接続導体部720と、図外の高周波電源
と加熱導体部710とを接続する一対の給電導体730
とを有している。
【0004】この高周波加熱コイル700は、固定され
たワークであるトリポート型等速ジョイントのハウジン
グWの内側に挿入され、図外の上下動機構によって溝W
Aの下側から上側に向かって移動させられる。この際
に、溝WAが加熱されるのである。加熱された溝WA
は、高周波加熱コイル700に併設された図示しない冷
却ジャケットから冷却液が噴射されることで、高周波焼
入が施されて所定の硬化層が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この高
周波加熱コイルは、加熱導体部710が1ターンである
のでインダクタンスが小さいため、大電流が必要である
結果、寿命が短いという問題があった。特に、硬化層を
深く形成しようとすると、より高い温度に加熱する必要
があるため、より大電流が必要となり、短寿命となって
いた。
【0006】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、従来のものより深い硬化層を形成することができ、
しかも長寿命の筒状ワーク用高周波加熱コイルを提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る筒状ワーク
用高周波加熱コイルは、筒状ワークの内周面に形成され
た複数の溝を移動加熱する高周波加熱コイルであって、
前記溝に移動可能に嵌まり込む複数の加熱導体部と、こ
れらの加熱導体部を高周波電源に対して直列に接続する
接続導体部とを具備しており、前記加熱導体部は、前記
溝の形状に対応させて屈曲形成された角パイプであっ
て、上側の1段目加熱部とこれに接続される下側の2段
目加熱部とを有し、両加熱部を重ねて配置した2ターン
に形成されており、1段目加熱導体のワーク軸芯方向の
厚さ寸法が2段目加熱導体のワーク軸芯方向の厚さ寸法
に比べて小さく設定されている。
【0008】また、請求項2に係る筒状ワーク用高周波
加熱コイルにおいては、加熱導体部に関して、1段目加
熱導体のワーク軸芯方向の厚さ寸法を2段目加熱導体の
ワーク軸芯方向の厚さ寸法に比べて小さく設定する代わ
りに、1段目加熱導体と溝との間のギャップの方が、2
段目加熱導体と溝との間のギャップより小さく設定され
ている
【0009】さらに、請求項3に係る筒状ワーク用高周
波加熱コイルにおいては、接続導体部に関して、加熱導
体部に各々接続された同軸部と、この同軸部を相互に接
続する中間接続部とを具備しており、前記同軸部は、2
段目加熱部の終端に接続された内側接続部材と、1段目
加熱部の始端に接続された外側接続部材とを有し、内側
接続部材が外側接続部材に形成された貫通穴に挿入され
た構造となっている
【0010】請求項4に係る筒状ワーク用高周波加熱コ
イルにおいては、筒状ワークがその内周面に3本の溝が
形成されたトリポート型等速ジョイントのハウジングで
ある。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
に係る筒状ワーク用高周波加熱コイルの概略的斜視図、
図2は本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用高
周波加熱コイルの概略的平面図、図3は図2の概略的B
−B線断面図、図4は図2の概略的A−A線断面図、図
5は本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用高周
波加熱コイルの加熱導体部の概略的斜視図、図6は本発
明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用高周波加熱コ
イルの接続導体部の同軸部の概略的斜視図、図7は本発
明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用高周波加熱コ
イルを用いた高周波加熱コイル体の概略的斜視図、図8
は本発明の第2の実施の形態に係る筒状ワーク用高周波
加熱コイルの加熱導体部と溝との関係を示す概略的断面
図、図9は本発明の第3の実施の形態に係る筒状ワーク
用高周波加熱コイルの加熱導体部と溝との関係を示す概
略的断面図、図10は本発明の第2及び第3の実施の形
態に係る筒状ワーク用高周波加熱コイルを用いた場合の
溝の温度を示すグラフである。
【0013】本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワー
ク用高周波加熱コイルは、筒状ワークであるトリポート
型等速ジョイントのハウジングWの内周面に形成された
3本の溝WA(図11参照)を加熱する高周波加熱コイ
ルであって、前記溝WAに移動可能に嵌まり込む3つの
加熱導体部100A、100B、100Cと、これらの
加熱導体部100A、100B、100Cを図外の高周
波電源に対して直列に接続する接続導体部200とを備
えており、前記加熱導体部100A、100B、100
Cは、2ターンに形成されている。
【0014】また、この筒状ワーク用高周波加熱コイル
は、高周波電源からの一対のリード(図示省略) に接続
される。
【0015】3つの加熱導体部100A、100B、1
00Cは、形状が同一なので、代表として加熱導体部1
00Aを挙げる。加熱導体部100Aは、銅製の角パイ
プを溝WAの形状に対応させて折曲形成したものであ
り、1段目加熱部110Aと2段目加熱部120Aとが
重ねて配置された状態で連結されて2ターンになってい
る。
【0016】前記1段目加熱部110Aは図1において
上側の加熱部であり、2段目加熱部120Aは図1にお
いて下側の加熱部である。これらの1段目加熱部110
A、2段目加熱部120Aは、図5に示すように接続さ
れている。すなわち、1段目加熱部110Aの一端は接
続導体部200に接続される1段目始端部111Aであ
って筒状ワーク用高周波加熱コイルの中心側に向かって
突出されており、他端は2段目加熱部120Aに接続さ
れる1段目終端部112Aであって下側に向かって垂設
されている。一方、前記2段目加熱部120Aは、一端
が前記1段目終端部112Aに接続される2段目始端部
122Aであって、他端が接続導体部200に接続され
る2段目終端部121Aとなっている。
【0017】ここで、1段目加熱部110Aと2段目加
熱部120Aとが溝WAに向かい合う部分の厚さ寸法t
1、t2は等しくなっている。また、1段目加熱部11
0Aと溝WAとのギャップと、2段目加熱部120Aと
溝WAとのギャップとは、等しく設定されている。な
お、1段目加熱部110Aと2段目加熱部120Aとの
間には、短絡を防止するために絶縁板を挟み込んでもよ
い。
【0018】また、接続導体部200は、各加熱導体部
100A、100B、100Cに接続される3つの同軸
部210A、210B、210Cと、この同軸部210
A、210B、210Cを相互に接続する3組の中間接
続部220A、220B、220Cとに大別される。
【0019】前記同軸部210A、210B、210C
は、すべて同一構造であるので、代表として同軸部21
0Aの構造を説明する。同軸部210Aは、加熱導体部
100Aの2段目終端部121Aに接続される内側接続
部材211Aと、加熱導体部100Aの1段目始端部1
11Aに接続される外側接続部材212Aとを有してい
る。
【0020】前記内側接続部材211Aは、単なる銅製
の丸パイプである。一方、外側接続部材212Aは、図
6に示すように、内側接続部材211Aより幅広の縦長
の角材であり、内側接続部材211Aを内部に挿入する
断面視円形の丸形貫通孔213Aと、この丸形貫通孔2
13Aと平行な断面視略矩形状の角形貫通孔214Aと
が平行に開設されている。丸形貫通孔213Aが開設さ
れた部分は、角形貫通孔214Aが開設された部分より
短く設定されている。このため、外側接続部材212A
は、横長の凸を横向きにしたような形状に形成されてい
る。
【0021】前記外側接続部材212Aの角形貫通孔2
14Aの上端部には、1段目始端部111Aが嵌まり込
むための切欠部215Aが形成されている。また、前記
丸形貫通孔213Aの内径は、内側接続部材211Aの
外形より若干大きく設定されている。従って、丸形貫通
孔213Aと内側接続部材211Aとの間に絶縁性の樹
脂を充填させることができるので、外側接続部材212
Aと内側接続部材211Aとは導通しないようになって
いる。
【0022】一方、内側接続部材211Aは、前記角形
貫通孔214Aの長さより、加熱導体部100Aの1段
目加熱部110Aの厚さ寸法分だけ短く設定されてい
る。
【0023】なお、残余の2組の同軸部210B、21
0Cは、上述した同軸部210Aと同様の構成となって
いる。
【0024】前記3組の中間接続部220A、220
B、220Cのうち、同軸部210Aと同軸部210B
とを接続する中間接続部220Bと、同軸部210Bと
同軸部210Cとを接続する中間接続部220Cとは同
一のものであるが、同軸部210Aと同軸部210Cと
を前記リードと接続する中間接続部220Aは若干異な
った構成になっている。
【0025】そこでまず、中間接続部220Bについて
説明する。この中間接続部220Bは、上述したよう
に、同軸部210Aと同軸部210Bとを接続するもの
であって、一対のL形部材221B、222Bと、この
L形部材221B、222Bが接続される一対の台座部
材223B、224Bと、この台座部材223B、22
4Bを接続するI形部材225Bとを有している。
【0026】前記一対のL形部材221B、222B
は、角形の銅製パイプから構成されている。一方のL形
部材221Bは、前記同軸部材210Aの内側接続部材
211Aの下端に接続される。また、他方のL形部材2
22Bは、同軸部材210Bの外側接続部材212Bの
角形貫通孔 (図示省略) の下端に接続される。この際、
各L形部材221B、222Bは向きが逆になるように
する。
【0027】このようなL形部材221B、222B
は、それぞれ台座部223B、224Bの上面に載置し
た形で接続される。さらに、一対の台座部223B、2
24Bは、1つのI形部材225Bを上面に載置した形
で接続される。このようにして、中間接続部220B
は、同軸部210Aと同軸部210Bとを接続する。
【0028】中間接続部220Cは、上述した中間接続
部220Bと同様にして同軸部210Bと同軸部210
Cとを接続する。
【0029】一方、中間接続部220Aは、I形接続部
225Bがない点で中間接続部220Bと相違する。す
なわち、この中間接続部220Aは、一対のL形部材2
21A、222Aと、このL形部材221A、222A
が接続される一対の台座部材223A、224Aとを有
しているのである。
【0030】一方のL形部材221Aは、同軸部210
Cの内側接続部材211Cの下端に接続される。また、
他方のL形部材222Aは、同軸部210Aの外側接続
部材212Aの角形貫通孔214Aの下端に接続され
る。さらに、L形部材221A、222Aは、それぞれ
台座部223A、224Aの上面に載置した形で接続さ
れる。この台座部223A、224Aには、それぞれリ
ードが載置した形で接続される。
【0031】このように構成された筒状ワーク用高周波
加熱コイルは、一方のリード→中間接続部材220Aの
一部である台座部224A→中間接続部220Aの一部
であるL形部材222A→同軸部210Aの外側接続部
材212A→加熱導体部100A→同軸部210Aの内
側接続部材211A→中間接続部220B(L形部材2
21B→台座部223B→I形部材225B→台座部2
24B→L形部材222B)→同軸部210Bの外側接
続部材212B→加熱導体部100B→同軸部210B
の内側接続部材211B→中間接続部220C(L形部
材221C→台座部223C→I形部材225C→台座
部224C→L形部材222C)→同軸部210Cの外
側接続部材212C→加熱導体部100C→同軸部21
0Cの内側接続部材211C→中間接続部材220Aの
一部であるL形部材221A→中間接続部材220Aの
一部である台座部223A→他方のリード、の順及びそ
の逆で高周波電流が流れる。
【0032】かかる筒状ワーク用高周波加熱コイルは、
自身の過熱を防止するため、内部に冷却液を循環させる
冷却系統を有している。
【0033】例えば、加熱導体部100Aであれば、L
形部材222Aの内部の空間と、外側接続部材212A
の角形貫通孔214Aと、加熱導体部100Aの内部の
空間と、内側接続部材211Aと、L形部材221Bの
内部の空間とが連通しているので、ここに冷却液を循環
させることによって筒状ワーク用高周波加熱コイルを冷
却することができる。
【0034】他の加熱導体部100B、100Cも同様
な冷却系統を有しているので、この筒状ワーク用高周波
加熱コイルには独立した3つの冷却系統が存在している
ことになる。
【0035】この筒状ワーク用高周波加熱コイルには、
加熱されたワークであるハウジングWを冷却する冷却液
を噴射する冷却ジャケット600が併設されて、図7に
示す高周波加熱コイル体1000となる。なお、図7に
おける640は、筒状ワーク用高周波加熱コイルが固定
されるベース板である。
【0036】前記冷却ジャケット600は、加熱導体部
100A、100B、100Cの下側に併設されて溝W
Aに冷却液を噴射する3つの溝用冷却ジャケット610
A、610B、610Cを有している。
【0037】前記溝用冷却ジャケット610A、610
B、610Cには、溝WAに向かい合うようにそれぞれ
スリット611A、611B、611Cが開設されてい
る。このスリット611A、611B、611Cから冷
却液を噴射するのである。また、当該溝用冷却ジャケッ
ト610A、610B、610Cの下方には、この溝用
冷却ジャケット610A、610B、610Cに冷却液
を供給するための冷却液供給パイプ612A、612
B、612C(ただし、冷却液供給パイプ612Cは図
7にはあらわれていない。)が設けられている。この冷
却液供給パイプ612A、612B、612Cは、前記
ベース板640を貫通している。
【0038】また、この筒状ワーク用高周波加熱コイル
体1000の最も上側には、絶縁性を有する板材630
が取り付けられている。この板材630は、加熱導体部
100A、100B、100Cに対応した形状をしてお
り、中央には開口631が開設されている。この開口6
31は、筒状ワーク用高周波加熱コイル体1000が最
も上部にまで移動した場合に、加熱導体部100A、1
00B、100Cと向かい合っている部分に冷却液を噴
射する際の空気抜きのためのものである。すなわち、筒
状ワーク用高周波加熱コイル体1000が最も上部にま
で移動した状態では、スリット611A、611B、6
11Cから噴射される冷却液の量を増量し、加熱導体部
100A、100B、100Cと前記下部へWAとの間
で冷却液を盛り上がらせ、この冷却液によって加熱導体
部100A、100B、100Cと向かい合っている部
分を冷却するのであるが、この際、ハウジングWの頭頂
部と筒状ワーク用高周波加熱コイル体1000との間の
空間から空気を抜くことで、冷却液の盛り上がりを助長
するのである。
【0039】次に、このように構成された筒状ワーク用
高周波加熱コイル体1000によるハウジングWの溝W
Aの高周波焼入について説明する。この筒状ワーク用高
周波加熱コイル体1000は、高周波焼入装置の図示し
ない上下動機構によって上下動させられる。まず、開放
側を下向きにした状態でハウジングWに対して下側から
筒状ワーク用高周波加熱コイルを挿入する。この時、筒
状ワーク用高周波加熱コイルには高周波電流が供給され
ているので、溝WAは、下側から上側に向かって順次加
熱される。
【0040】ここで、加熱導体部100A、100B、
100Cは、2ターンに形成されているため、1ターン
の従来のこの種の筒状ワーク用高周波加熱コイルよりイ
ンダクタンスが大きくなっているので、同じ電力でも小
電流でよくなっている。
【0041】また、この時、冷却系統には冷却液が循環
させられているので、筒状ワーク用高周波加熱コイルの
過熱は未然に防止されている。
【0042】この筒状ワーク用高周波加熱コイルの加熱
導体部100A、100B、100Cの下側に併設され
た3つの溝用冷却ジャケット610A、610B、61
0Cのスリット611A、611B、611Cから冷却
液を噴射して、溝WAの加熱された部分を冷却して高周
波焼入を施す。
【0043】筒状ワーク用高周波加熱コイルが最も上側
まで移動したならば、高周波電流の供給を停止する。ま
た、前記スリット611A、611B、611Cからの
冷却液の噴射量を増大させて、冷却液を溝用冷却ジャケ
ット610A、610B、610CとハウジングWの内
周面に形成された溝WAとの間で冷却液を盛り上がらせ
る。これによって、前記加熱導体部100A、100
B、100Cと対向している部分の冷却を行う。この
際、前記開口631から筒状ワーク用高周波加熱コイル
体1000とハウジングWの頭頂部との間の空間の空気
が抜けるので、冷却液の盛り上がりによる冷却はスムー
ズに行われる。
【0044】これで、溝WAに高周波焼入が施され、そ
の結果、溝WAに硬化層が形成される。その後、筒状ワ
ーク用高周波加熱コイル体1000を下降させてハウジ
ングWから抜き出し、次のハウジングWの高周波焼入に
備える。
【0045】上述した実施の形態に係る筒状ワーク用高
周波加熱コイルでは、加熱導体部100A、100B、
100Cを構成する1段目加熱部110A、110B、
110Cと2段目加熱部120A、120B、120C
とは同じ厚さ寸法であり、ハウジングWの溝WAとの間
のギャップは等しく設定されていた。
【0046】これに対して、1段目加熱部110Aと、
110B、110Cの厚さ寸法t1と、2段目加熱部1
20A、120B、120Cとの厚さ寸法t2とを図8
に示すように、t1<t2とすることによって次のよう
な効果が得られる。すなわち、1段目加熱部110A、
110B、110Cの厚さ寸法T1の方が小さいため、
図10に示すように、1段目加熱部110A、110
B、110Cによって溝WAの温度が急上昇し、2段目
加熱部120A、120B、120Cで急上昇した温度
を保つのである。なお、この場合、溝WAと1段目加熱
部110Aと、110B、110Cとの間のギャップg
と、溝WAと2段目加熱部120A、120B、120
Cとの間のギャップgは等しく設定されている。
【0047】このようにすることで、より深い硬化層を
形成することができる。すなわち、1ターンの従来の筒
状ワーク用高周波加熱コイルであれば、深い硬化層を形
成しようとするれば、より加熱温度を上昇させなければ
ならずオーバーヒートのおそれがあるため、あまり深い
硬化層を形成することはできなかったのである。
【0048】また、前記厚さ寸法t1と、前記厚さ寸法
t2とを等しくした場合であっても、図9に示すよう
に、1段目加熱部110A、110B、110Cと溝W
Aとのギャップg1と、2段目加熱部120A、120
B、120Cと溝WAとのギャップg2とを図9に示す
ように、g1<g2とすることによっても同様の効果を
得ることができる。
【0049】なお、上述した実施の形態では、ハウジン
グWを固定して筒状ワーク用高周波加熱コイルを移動さ
せたが、逆に筒状ワーク用高周波加熱コイルを固定して
おいて、ハウジングWを移動させてもよい。また、ハウ
ジングWと筒状ワーク用高周波加熱コイルとの両者を移
動させてもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る筒状ワーク用高
周波加熱コイルは、筒状ワークの内周面に形成された複
数の溝を移動加熱する高周波加熱コイルにおいて、前記
溝に移動可能に嵌まり込む複数の加熱導体部と、これら
の加熱導体部を高周波電源に対して直列に接続する接続
導体部とを具備しており、前記加熱導体部は、前記溝の
形状に対応させて屈曲形成された角パイプであって、上
側の1段目加熱部とこれに接続される下側の2段目加熱
部とを有し、両加熱部を重ねて配置した2ターンに形成
されている。
【0051】このため、この筒状ワーク用高周波加熱コ
イルによる場合には、加熱導体部が1ターンの従来のも
のより、インダクタンスが大きくなっているので、同じ
電力でも小電流でよくなっている。このため、加熱のロ
スが少なくなって加熱効率が高くなる。これは、筒状ワ
ーク用高周波加熱コイル自身の過熱が少なくなることを
意味するので、筒状ワーク用高周波加熱コイルを冷却す
る冷却液の循環量を少なくすることができるとともに、
より長寿命の筒状ワーク用高周波加熱コイルとすること
ができる。また、ワークをより加熱することが可能とな
るので、より深い硬化層を形成することができるのであ
る。
【0052】また、加熱導体部に関して、1段目加熱導
体のワーク軸芯方向の厚さ寸法が2段目加熱導体のワー
ク軸芯方向の厚さ寸法に比べて小さく設定されている。
【0053】このため、1段目加熱部によって溝の温度
が急上昇し、2段目加熱部で急上昇した温度を保つこと
ができる。1ターンの従来の筒状ワーク用高周波加熱コ
イルであれば、深い硬化層を形成しようとするれば、よ
り加熱温度を上昇させなければならずオーバーヒートの
おそれがあるため、あまり深い硬化層を形成することは
できなかったのであるが、このように構成することによ
って、オーバーヒートのおそれなく、より深い硬化層を
形成することができるようになった。
【0054】本発明の請求項2に係る筒状ワーク用高周
波加熱コイルは、加熱導体部に関して、1段目加熱導体
のワーク軸芯方向の厚さ寸法を2段目加熱導体のワーク
軸芯方向の厚さ寸法に比べて小さく設定する代わりに、
1段目加熱導体と溝との間のギャップの方が、2段目加
熱導体と溝との間のギャップより小さく設定されてい
。これによっても、上述した請求項に係る筒状ワー
ク用高周波加熱コイルと同様に、オーバーヒートのおそ
れなく、より深い硬化層を形成することができるように
なる。
【0055】本発明の請求項3に係る筒状ワーク用高周
波加熱コイルは、接続導体部に関して、加熱導体部に各
々接続された同軸部と、この同軸部を相互に接続する中
間接続部とを具備しており、前記同軸部は、2段目加熱
部の終端に接続された内側接続部材と、1段目加熱部の
始端に接続された外側接続部材とを有し、内側接続部材
が外側接続部材に形成された貫通穴に挿入されて、内側
接続部材と外側接続部材とが同軸に形成されている
【0056】接続部が同軸ではなく単に平行に形成され
ていた従来の筒状ワーク用高周波加熱コイルでは、平行
な一対の接続部の間でループ回路が形成されていたが、
本発明に係る筒状ワーク用高周波加熱コイルでは、前記
ループ回路がなくなったため、ロスが減少するととも
に、平行な一対の接続部に起因した硬化層への悪影響が
無くなり、加熱導体部のみによって硬化層が形成される
ため、硬化層の制御が容易になるという効果がある。
【0057】なお、この筒状ワーク用高周波加熱コイル
は、より高い精度での硬化層の制御が要求される内周面
に3本の溝が形成されたトリポート型等速ジョイントの
ハウジングに好適なものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用
高周波加熱コイルの概略的斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用
高周波加熱コイルの概略的平面図である。
【図3】図2の概略的B−B線断面図である。
【図4】図2の概略的A−A線断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用
高周波加熱コイルの加熱導体部の概略的斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用
高周波加熱コイルの接続導体部の同軸部の概略的斜視図
である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る筒状ワーク用
高周波加熱コイルを用いた高周波加熱コイル体の概略的
斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る筒状ワーク用
高周波加熱コイルの加熱導体部と溝との関係を示す概略
的断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る筒状ワーク用
高周波加熱コイルの加熱導体部と溝との関係を示す概略
的断面図である。
【図10】本発明の第2及び第3の実施の形態に係る筒
状ワーク用高周波加熱コイルを用いた場合の溝の温度を
示すグラフである。
【図11】従来の筒状ワーク用高周波加熱コイル700
を前記ハウジングWに挿入した状態を示す概略的断面図
である。
【符号の説明】
100A、100B、100C 加熱導体部 110A、110B、110C 1段目加熱部 120A、120B、120C 2段目加熱部 210A、210B、210C 同軸部 W ハウジング(筒状ワーク) WA 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05B 6/10 371 H05B 6/10 371 6/44 6/44 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/10,6/36 - 6/44 C21D 1/10,1/42,9/40 F27D 11/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状ワークの内周面に形成された複数の
    溝を移動加熱する高周波加熱コイルにおいて、前記溝に
    移動可能に嵌まり込む複数の加熱導体部と、これらの加
    熱導体部を高周波電源に対して直列に接続する接続導体
    部とを具備しており、前記加熱導体部は、前記溝の形状
    に対応させて屈曲形成された角パイプであって、上側の
    1段目加熱部とこれに接続される下側の2段目加熱部と
    を有し、両加熱部を重ねて配置した2ターンに形成され
    ており、1段目加熱導体のワーク軸芯方向の厚さ寸法が
    2段目加熱導体のワーク軸芯方向の厚さ寸法に比べて小
    さく設定されていることを特徴とする筒状ワーク用高周
    波加熱コイル。
  2. 【請求項2】 前記加熱導体部は、1段目加熱導体のワ
    ーク軸芯方向の厚さ寸法を2段目加熱導体のワーク軸芯
    方向の厚さ寸法に比べて小さく設定する代わりに、1段
    目加熱導体と溝との間のギャップの方が、2段目加熱導
    体と溝との間のギャップより小さく設定されていること
    を特徴とする請求項1記載の筒状ワーク用高周波加熱コ
    イル。
  3. 【請求項3】 前記接続導体部は、前記加熱導体部に各
    々接続された同軸部と、この同軸部を相互に接続する中
    間接続部とを具備しており、前記同軸部は、2段目加熱
    部の終端に接続された内側接続部材と、1段目加熱部の
    始端に接続された外側接続部材とを有し、内側接続部材
    が外側接続部材に形成された貫通穴に挿入されて、内側
    接続部材と外側接続部材とが同軸に形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の筒状ワーク用高周波
    加熱コイル。
  4. 【請求項4】 前記筒状ワークは、内周面に3本の溝が
    形成されたトリポート型等速ジョイントのハウジングで
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載の筒状ワ
    ーク用高周波加熱コイル。
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