JP3403280B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3403280B2
JP3403280B2 JP27789595A JP27789595A JP3403280B2 JP 3403280 B2 JP3403280 B2 JP 3403280B2 JP 27789595 A JP27789595 A JP 27789595A JP 27789595 A JP27789595 A JP 27789595A JP 3403280 B2 JP3403280 B2 JP 3403280B2
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晶子 有好
基裕 山原
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2413/00Indexing scheme related to G02F1/13363, i.e. to birefringent elements, e.g. for optical compensation, characterised by the number, position, orientation or value of the compensation plates
    • G02F2413/10Indexing scheme related to G02F1/13363, i.e. to birefringent elements, e.g. for optical compensation, characterised by the number, position, orientation or value of the compensation plates with refractive index ellipsoid inclined, or tilted, relative to the LC-layer surface O plate

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示画面の視角特
性を改善するために用いられる位相差板を備えた液晶表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ネマティック液晶表示素子を
用いた液晶表示装置は、時計や電卓などの数値セグメン
ト型表示装置に広く用いられており、液晶表示素子の透
光性基板には薄膜トランジスタなどの能動素子が、液晶
に電圧を印加する画素電極を選択駆動するスイッチング
手段として形成され、さらに赤色、緑色、青色などのカ
ラーフィルタ層がカラー表示手段として設けられてお
り、液晶のツイスト角に応じて(a)ネマティック液晶
分子を90゜ねじれ配向させたアクティブ駆動型ツイス
トネマティック(Twisted Nematic、以下「TN」と略称
する)液晶表示方式と、(b)ネマティック液晶分子の
ツイスト角を90゜以上とすることによって透過率−液
晶印加電圧特性の鋭い急峻性を利用したマルチプレック
ス駆動型スーパーツイストネマティック(Super Twisted
Nematic、以下「STN」と略称する)液晶表示方式な
どが知られている。
【0003】後者の(b)マルチプレックス駆動型ST
N液晶表示方式は、特有の色付きが存在するため、白黒
表示を行うには、光学的補償板を配置する方式が有力で
あると考えられており、光学的補償板に応じて、(b−
1)表示用液晶セルと逆方向のツイスト角でねじれ配向
させた液晶セルを用いた二層型のダブルスーパーツイス
トネマティック(Double Super Twisted Nematic)液晶
表示方式と、(b−2)光学的異方性を有するフィルム
を配置したフィルム付加型液晶表示方式とに大別され、
軽量性、低コストの観点から、(b−2)フィルム付加
型液晶表示方式が有力であると考えられている。
【0004】一方、前者の(a)アクティブ駆動型TN
液晶表示方式は、(a−1)一対の偏光板の偏光方向を
相互に平行に配置して、液晶層に電圧を印加しいない状
態(オフ状態)で黒色を表示するノーマリブラック方式
と、(a−2)偏光方向を相互に直交するように配置し
て、オフ状態で白色を表示するノーマリホワイト方式の
2種類に大別され、表示コントラスト、色再現性、表示
の視角依存性の観点からノーマリホワイト方式が有力で
あると考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
TN液晶表示装置において、液晶分子に屈折率異方性が
存在し、また上下の電極基板に対して液晶分子が傾斜し
て配向しているため、観察する視角によって表示画像の
コントラストが変化して、視角依存性が大きくなるとい
う課題がある。特に、図3や図17の液晶表示素子の平
面図で示すように、画面法線方向から正視角方向に視角
を傾けていくと、ある角度以上で表示画像が着色する現
象(以下、「着色現象」という)や、白黒が反転する現
象(以下、「反転現象」という)が発生する。また、反
視角方向に視角を傾けてゆくと、急激にコントラストが
低下する。
【0006】そこで、このような視角依存性を改善する
ために、図8の斜視図で示すような、屈折率楕円体の1
つの主屈折率の方向が表面の法線方向に対して平行な位
相差板を液晶層と偏光板の間に介在させることによっ
て、光の位相を補償することが考えられているが、この
ような位相差板を用いても正視角方向の反転現象を改善
するには限界があるという課題がある。
【0007】また、主屈折率na,nb,ncを有し、
これらの関係が、na=nc>nbである位相差板、す
なわち光軸が1本である位相差板を用いた液晶表示装置
において、上述した課題を解消するようにした例が、た
とえば特開平6ー75116号公報に開示されているけ
れども、当該公報では上記位相差板とは光学的性質が異
なる主屈折率の関係がna≠nc>nbである位相差
板、すなわち光軸が2本である位相差板を用いた液晶表
示装置において上述した課題を解消することは述べられ
ていない。
【0008】本発明の目的は、前述した課題を解決する
ため、表示画像の視角に依存して生ずるコントラスト変
化、着色現象、反転現象を解消することができる位相差
板を用いることによって高品質の画像を表示することが
できる液晶表示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の偏光板
間に、互いに対向する表面に透明電極および配向膜を有
する一対の基板部材間に液晶層を介在して構成される液
晶表示素子が配置され、当該液晶表示素子と少なくとも
いずれか一方の偏光板との間に、位相差板が少なくとも
1枚配置され、前記位相差板は、第1および第2フィル
ムを積層して構成され、前記第1および第2フィルムは
共に平板状であり、それぞれ、平板表面内に平行な主屈
折率naを有し、平板表面内の主屈折率naの方向に直
交し、かつ平板表面に垂直な平面に沿って、主屈折率n
aを軸とする時計回り方向または反時計回り方向に、平
板表面から角θ傾斜した方向に、主屈折率nc(na≠
nc)を有し、前記平面に沿って、主屈折率naを軸と
する前記主屈折率ncと同じ時計回り方向または反時計
回り方向に、平板表面の法線方向から角θ傾斜した方向
に、前記主屈折率na,ncよりも小さい主屈折率nb
を有し、各フィルムの主屈折率nbの傾斜方向がなす角
は、約90°に選ばれており、前記位相差板の第1フィ
ルムが偏光板側に、第2フィルムが液晶表示素子側に配
置され、第1フィルムの主屈折率nbの傾斜方向と、液
晶表示素子の当該位相差板に近接する配向膜とは異なる
配向膜の配向処理方向とが、ほぼ平行かつ同じ方向に配
置され、第2フィルムの主屈折率nbの傾斜方向と、液
晶表示素子の当該位相差板に近接する配向膜の配向処理
方向とが、ほぼ平行かつ反対方向に配置されることを特
徴とする液晶表示装置である。
【0010】本発明に従えば、液晶表示素子と少なくと
もいずれか一方の偏光板との間に、位相差板が少なくと
も1枚配置されて液晶表示装置が構成される。すなわ
ち、位相差板の配置場所は、液晶表示素子と一方の偏光
板との間だけでもよく、あるいは液晶表示素子と両方の
偏光板との間でもよい。
【0011】位相差板は、第1および第2フィルムを積
層して構成されている。第1および第2フィルムは共に
平板状であり、それぞれ、平板表面内に平行な主屈折率
naを有し、平板表面内の主屈折率naの方向に直交
し、かつ平板表面に垂直な平面に沿って、主屈折率na
を軸とする時計回り方向または反時計回り方向に、平板
表面から角θ傾斜した方向に、主屈折率nc(na≠n
c)を有し、前記平面に沿って、主屈折率naを軸とす
る前記主屈折率ncと同じ時計回り方向または反時計回
り方向に、平板表面の法線方向から角θ傾斜した方向
に、前記主屈折率na,ncよりも小さい主屈折率nb
を有する2軸性位相差フィルムである。そして、各フィ
ルムの主屈折率nbの傾斜方向がなす角は、約90°に
選ばれている。
【0012】さらに、位相差板は、第1フィルムが偏光
板側に、第2フィルムが液晶表示素子側になるように配
置される。さらに、第1フィルムの主屈折率nbの傾斜
方向と、液晶表示素子の当該位相差板に近接する配向膜
とは異なる配向膜の配向処理方向とが、ほぼ平行かつ同
じ方向に配置され、第2フィルムの主屈折率nbの傾斜
方向と、液晶表示素子の当該位相差板に近接する配向膜
の配向処理方向とが、ほぼ平行かつ反対方向となるよう
に配置される。
【0013】上述したような2軸性位相差フィルムは、
直線偏光の光が液晶などの複屈折性を有する部材を通過
して正常光と異常光が発生した場合に、複屈折性を有す
る部材の片側または両側に配置することによって、視角
に応じて生ずる正常光と異常光との位相差変化を補償し
て、視角の広い範囲に亘って直線偏光に変換することが
可能である。このような2軸性位相差フィルムを2枚積
層して位相差板を構成することによって、正視角方向の
位相差変化の補償に加え、反視角方向および左右方向の
位相差変化も確実に補償することができる。したがっ
て、上述したような2つの2軸性位相差フィルムを積層
して構成される位相差板を、液晶表示素子と少なくとも
いずれか一方の偏光板との間に配置することによって、
視角変化に伴う着色現象や反転処理を解消することがで
き、視角依存性が少ない液晶表示装置が得られる。
【0014】また本発明は、前記角θが、20°≦θ≦
70°の範囲に選ばれることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、主屈折率nb,ncの前
記角θが、20°≦θ≦70°の条件を具備することに
よって、前記平板表面の法線方向から正視角方向への0
°から60°の範囲の視角変化および反視角方向への0
°から60°の範囲の視角変化に対して、正常光と異常
光との位相差変化を補償することが可能となる。これ
は、主屈折率nb,ncの前記角θが、20°≦θ≦7
0°の条件を具備する2軸性位相差フィルムを1枚用い
ることによって、前記平板表面の法線方向からたとえば
正視角方向への0°から60°の範囲の視角変化に対し
て、正常光と異常光との位相差変化を補償することが可
能であるので、2枚の2軸性位相差フィルムを積層する
ことによって、2つの方向、すなわち正視角方向および
反視角方向の両方について位相差変化を補償できるから
である。これによって、特に正視角方向および反視角方
向について、視角変化に伴う着色現象や反転処理を解消
することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある位相差板1の斜視図である。位相差板1は、屈折率
楕円体の3つの主屈折率na,nb,ncを有し、延伸
された高分子化合物、たとえばポリカーボネート、ポリ
エステルなどの光学的異方性を有する材料が厚さdの平
板状に形成されて構成される。位相差板1の表面1sを
x−y平面とする直交座標系xyzを定義して、屈折率
楕円体の3つの主屈折率na,nb,ncの位置関係を
説明する。主屈折率naの方向(進相軸)は、y軸方向
と平行、すなわち位相差板1の表面1sに平行に設定さ
れる。主屈折率ncの方向は、前記主屈折率naの方向
に直交(x軸に平行)し、かつ表面1sに垂直な平面1
4に沿って、主屈折率naを軸とする矢印20で示す反
時計回り方向に、表面1sから角θ傾斜した方向に設定
される。主屈折率nbの方向は、前記平面14に沿っ
て、主屈折率naを軸とする主屈折率ncと同じ矢印2
0で示す反時計回り方向に、表面1sの法線方向(z
軸)から角θ傾斜した方向に設定される。また、主屈折
率na,nb,ncは、na≠nc>nbの関係を有す
る。本形態では、nc>na>nbの関係を有する。な
お、主屈折率na,ncを逆にしても構わない。
【0021】図2は、前記位相差板1を用いた液晶表示
装置2の分解断面図である。互いに対向する表面に少な
くとも、ITO(インジウム錫酸化物)などから成る透
明電極層8,9およびポリイミド、ポリビニルアルコー
ルなどから成る配向膜10,11がそれぞれ形成された
ガラス基板6,7で実現される一対の基板部材16,1
7の間に、ネマティック液晶などから成る液晶層12を
配置して、樹脂などから成る封止部材13で基板部材1
6,17を封止することによって、液晶表示素子5が構
成される。液晶表示素子5は、一対の偏光板3,4間に
配置され、液晶表示素子5と偏光板3との間に図1に示
す位相差板1が介在されて、図2に示す順序で積層され
ることによって、液晶表示装置2が構成される。
【0022】配向膜10,11の各表面は、介在する液
晶分子が約90°のねじれ配向するように、予めラビン
グ処理などの配向処理が施されており、図3の平面図に
示すように、ガラス基板6上の配向膜10のラビング方
向は矢印21の方向であり、ガラス基板7上の配向膜1
1のラビング方向は、矢印21とは直交する矢印22の
方向に処理されている。
【0023】図4は、図2に示す液晶表示装置2の分解
斜視図である。偏光板3の透過軸23と偏光板4の透過
軸24とが互いに直交するように配置されているととも
に、偏光板4の透過軸24と、液晶表示素子5の配向膜
10のラビング方向21と、位相差板1の主屈折率na
の方向である進相軸25とが互いに平行となるように設
定される。また、偏光板3の透過軸23と、液晶表示素
子5の配向膜11のラビング方向22とが互いに平行と
なるように設定されている。したがって、液晶表示素子
5の液晶層12に電圧を印加しないとき、液晶表示装置
2が光を透過して白色表示を行う方式、いわゆるノーマ
リホワイト表示方式で構成されている。なお、位相差板
1は、偏光板3,4のうちの少なくともいずれか一方の
偏光板と、液晶表示素子5との間に介在していれば位相
補償が可能となり、偏光板4と液晶表示素子5との間に
介在しても構わず、また両方の間に介在しても構わず、
さらに2枚以上で構成しても構わない。
【0024】次に、こうして得られる液晶表示装置2の
具体的な実施例とその視角依存性を測定した結果とを説
明する。図5は、液晶表示装置2の視角依存性の測定系
を示す概略斜視図である。液晶表示装置2を構成する液
晶表示素子5のガラス基板6と位相差板1とが接触する
接触面26を直交座標系xyzの基準面x−yに設定し
て、接触面26の法線方向27に対して角度ψだけ傾斜
した、座標原点から所定距離の位置に、一定の立体受光
角を有する受光素子71を配置して、偏光板4側から波
長550nmの単色光を入射する。なお、受光素子71
の出力は、増幅器72で所定のレベルに増幅され、波形
メモリやレコーダなどの記録手段73によって記録され
る。
【0025】(実施例1)図2の液晶表示装置2におい
て、液晶層12として屈折率異方性Δnが0.08であ
るネマティック液晶材料を用い、液晶層12の厚さを
4.5μmに設定するとともに、位相差板1として、ポ
リカーボネート、ポリエステルなどの高分子化合物を延
伸したもので、主屈折率ncと主屈折率naとの差およ
び位相差板1の厚さdの積(nc−na)×dを意味す
る第1のリタデーション(retardation)値が20nm
で、主屈折率ncと主屈折率nbとの差および位相差板
1の厚さdの積(nc−nb)×dを意味する第2のリ
タデーション値が135nmであり、na≠nc>nb
の関係を有する二軸性のもので、図1に示される角θが
40゜のものを用いている。
【0026】このような液晶表示装置2を図5に示す測
定系に設置して、受光素子71が一定の角度ψで固定さ
れた場合に、液晶表示素子5への印加電圧に対する受光
素子71の出力レベルを測定し、その結果を図6の透過
率−液晶印加電圧特性のグラフとして示す。図6におい
て、ラインL1は角度ψ=0°の場合、ラインL2は角
度ψ=30°の場合、ラインL3は角度ψ=45°の場
合をそれぞれ示している。この結果から、液晶印加電圧
を0Vから徐々に上げていくと4.5V付近までに透過
率が0%に下がり、さらに液晶印加電圧を上げても透過
率があまり再上昇しないことが理解される。さらに、液
晶印加電圧が約1V付近での透過率が、ラインL1,L
2,L3において大差なく、視角依存性が改善されてい
ることが理解される。
【0027】(比較例1)図7の液晶表示装置32は、
図4の液晶表示装置2の位相差板1に代わって位相差板
31が用いられること以外は、液晶表示装置2と同様に
構成される。液晶層12として屈折率異方性Δnが0.
08であるネマティック液晶材料を用い、液晶層12の
厚さを4.5μmに設定するとともに、図1に示した位
相差板1に代わって、図8に示す従来技術の位相差板3
1を用いている。位相差板31は、ポリカーボネートな
どの高分子化合物を延伸したもので、第1のリタデーシ
ョン値(nc−na)×dが20nmで、第2のリタデ
ーション値(nc−nb)×dが135nmであり、n
a≠nc>nbの関係を有する二軸性で、主屈折率n
a,nb,ncの方向がy,z,x軸方向とそれぞれ平
行、すなわち前記角θが0゜である。
【0028】このような液晶表示装置32を、実施例1
と同様に図5に示す測定系に設置して、受光素子71が
一定の角度ψで固定された場合に、液晶印加電圧に対す
る受光素子71の出力レベルを測定し、その結果を図9
の透過率−液晶印加電圧特性のグラフとして示す。ライ
ンL4は角度ψ=0°の場合、ラインL5は角度ψ=3
0°の場合、ラインL6は角度ψ=45°の場合をそれ
ぞれ示している。この結果から、液晶印加電圧を0Vか
ら徐々に上げていくと、ラインL5は3.2V付近で透
過率がほぼ0%に下がるが、さらに液晶印加電圧を上げ
ていくと僅かに上昇する傾向があり、ラインL6は、透
過率が完全に0%にならずに再上昇していることが理解
される。さらに液晶印加電圧が1V付近での透過率が、
角度ψ=0°から大きくなるにつれて低下している。し
たがって、実施例1の液晶表示装置2は比較例1の液晶
表示装置32と比べて視角依存性がかなり改善されてい
ることが理解される。
【0029】(実施例2)図10の液晶表示装置2a
は、図4の液晶表示装置2の位相差板1に代わって位相
差板1a,1bが用いられること以外は、液晶表示装置
2と同様に構成される。液晶層12として屈折率異方性
Δnが0.08であるネマティック液晶材料を用い、液
晶層12の厚さを4.5μmに設定するとともに、位相
差板1に代わって当該位相差板1と同様にして構成され
る2枚の位相差板1a,1bを液晶表示素子5と偏光板
3との間に介在している。位相差板1a,1bとして共
に、ポリカーボネート、ポリエステルなどの高分子化合
物を延伸したもので、第1のリタデーション値(nc−
na)×dが210nmで、第2のリタデーション値が
(nc−nb)×dが350nmであり、na≠nc>
nbの関係を有する二軸性で、前記角θが20゜のもの
を用いている。ただし、位相差板1aの主屈折率nb,
ncの角θは、図1の矢印20で示す反時計回り方向と
は反対の時計回り方向に傾斜しており、位相差板1bの
主屈折率nb,ncの角θは、図1の矢印20で示す反
時計回り方向に傾斜している。位相差板1aは、当該位
相差板1aの主屈折率naの方向である進相軸25a
と、ガラス基板6上の配向膜10のラビング方向21と
が平行になるようにして、偏光板3側に配置される。位
相差板1bは、当該位相差板1bの主屈折率naの方向
である進相軸25bと、ガラス基板7上の配向膜11の
ラビング方向22とが平行になるようにして、液晶表示
素子5側に配置される。
【0030】このような液晶表示装置2aを、図5に示
す測定系に設置して、受光素子71が一定の角度ψで固
定された場合に、液晶表示素子5への液晶印加電圧に対
する受光素子71の出力レベルを測定し、その結果を図
11の透過率−液晶印加電圧特性のグラフとして示す。
ラインL7は角度ψ=0°の場合、ラインL8は角度ψ
=30°の場合、ラインL9は角度ψ=45°の場合を
それぞれ示している。この結果から、液晶印加電圧を0
Vから徐々に上げていくと、4.5V付近までに透過率
が0%に下がり、さらに液晶印加電圧を上げても透過率
が再上昇しないことが理解される。さらに、液晶印加電
圧が約1V付近での透過率が、ラインL7,L8,L9
において大差なく、視角依存性が改善されていることが
理解される。
【0031】(比較例2)図12の液晶表示装置34a
は、図4の液晶表示装置2の位相差板1の代わって位相
差板31a,31bが用いられる以外は液晶表示装置2
と同様にして構成される。液晶層12として屈折率異方
性Δnが0.08であるネマティック液晶層を用い、液
晶層12の厚さを4.5μmに設定するとともに、図1
に示した位相差板1に代わって、図8に示す位相差板3
1と同様にして構成される2枚の位相差板31a,31
bを液晶表示素子5と偏光板3との間に介在している。
位相差板31a,31bとしては共に、ポリカーボネー
トなどの高分子化合物を延伸したもので、第1のリタデ
ーション値(nc−na)×dが210nmで、第2の
リタデーション値(nc−nb)×dが350nmであ
り、na≠nc>nbの関係を有する二軸性のものを用
いている。位相差板31aは、当該位相差板31aの主
屈折率naの方向である進相軸33aと、ガラス基板6
上の配向膜10のラビング方向21とが平行になるよう
にして、偏光板3側に配置される。位相差板31bは、
当該位相差板31bの主屈折率naの方向である進相軸
33bと、ガラス基板7上の配向膜11のラビング方向
22とが平行になるようにして、液晶表示素子5側に配
置される。
【0032】このような液晶表示装置34aを、図5に
示す測定系に設置して、受光素子71が一定の角度ψで
固定された場合に、液晶印加電圧に対する受光素子71
の出力レベルを測定し、その結果を図13の透過率−液
晶印加電圧特性のグラフとして示す。ラインL10は角
度ψ=0°の場合、ラインL11は角度ψ=30°の場
合、ラインL12は角度ψ=45°の場合をそれぞれ示
している。この結果から、液晶印加電圧を0Vから徐々
に上げていくと、ラインL11は2.9V付近で透過率
がほぼ0%に下がるが、さらに液晶印加電圧を上げてい
くと僅かに上昇する傾向にあり、ラインL12は透過率
が2.8V付近でほぼ0%になるが、さらに上げていく
と再上昇し、その上昇幅は実施例2の液晶表示装置2a
と比べて大きいことが理解される。さらに、液晶印加電
圧が1V付近での透過率が、角度ψ=0°から大きくな
るにつれて低下している。したがって実施例2の液晶表
示装置2aは、比較例2の液晶表示装置34aと比べて
視角依存性が若干改善されていることが理解される。
【0033】なお、実施例1,2では、位相差板材料と
して延伸された高分子化合物を用いる例を説明したが、
ポリカーボネートやポリエステルなどの液晶性高分子を
用いて、分子を傾斜するように配向させたものも用いて
も構わない。
【0034】図14は、本発明の実施の他の形態である
位相差板41の斜視図である。位相差板41は、屈折率
楕円体の3つの主屈折率na,nb,ncを有し、延伸
された高分子化合物、たとえばポリカーボネート、ポリ
エステルなどの光学的異方性を有する材料が厚さdの平
板状に形成されて構成される。前記位相差板1と同様
に、位相差板41の表面41aをx−y平面とする直交
座標系xyzを定義して、屈折率楕円体の3つの主屈折
率na,nb,ncの位置関係を説明する。主屈折率n
aの方向(進相軸)は、y軸方向と平行、すなわち位相
差板41の表面41sに平行に設定される。主屈折率n
cの方向は、前記主屈折率naの方向に直交(x軸に平
行)し、かつ表面41sに垂直な平面55に沿って、主
屈折率naを軸とする矢印59で示す時計回り方向に、
表面41sから角θ傾斜した方向に設定される。主屈折
率nbの方向は、平面55に沿って、主屈折率naを軸
とする前記主屈折率ncと同じ矢印60で示す時計回り
方向に、表面41sの法線方向(z軸)から角θ傾斜し
た方向に設定される。また、主屈折率na,nb,nc
は、na≠nc>nbの関係を有する。本形態では、n
c>na>nbの関係を有する。
【0035】図15は、本発明のさらに他の形態である
第1フィルム41aと第2フィルム41bとを積層して
構成される位相差板42の斜視図である。位相差板42
を構成する第1および第2フィルム41a,41bは共
に、図14に示される位相差板41で実現される。第1
フィルム41aの主屈折率nbの傾斜方向61aと、第
2フィルム41bの主屈折率nbの傾斜方向61bと
は、約90゜をなすようにして積層される。
【0036】なお、主屈折率nbの傾斜方向とは、主屈
折率nbに対してz軸方向から、光を投影したときに得
られる射影方向である。たとえば図1において主屈折率
nbの傾斜方向は、矢印15で示される方向である。ま
た図14において主屈折率nbの傾斜方向は、矢印56
で示される方向である。主屈折率ncについても同様
に、x軸方向から光を投影したときに得られる射影方向
が傾斜方向である。
【0037】図16は、位相差板42を用いた液晶表示
装置54の分解断面図である。互いに対向する表面に少
なくとも、ITO(インジウム錫酸化物)などから成る
透明電極層48,49およびポリイミド、ポリビニルア
ルコールなどから成る配向膜50,51がそれぞれ形成
されたガラス基板46,47で実現される一対の基板部
材57,58の間に、ネマティック液晶などから成る液
晶層52を配置して、樹脂などから成る封止部材53で
基板部材57,58を封止することによって、液晶表示
素子45が構成される。液晶表示素子45は、一対の偏
光板43,44間に配置され、液晶表示素子45と偏光
板43との間に図15に示す位相差板42が介在され
て、図16に示す順序で積層されることによって、液晶
表示装置54が構成される。位相差板42の第1フィル
ム41aは偏光板43側に、第2フィルム41bは液晶
表示素子45側にそれぞれ配置される。
【0038】配向膜51,51の各表面は、介在する液
晶分子が約90°のねじれ配向するように、予めラビン
グ処理などの配向処理が施されており、図17の平面図
に示すように、ガラス基板46上の配向膜50のラビン
グ方向は矢印62の方向に、ガラス基板47上の配向膜
51のラビング方向は矢印62とは直交する矢印63の
方向に処理されている。
【0039】図18は、図16に示す液晶表示装置54
の分解斜視図である。偏光板43の透過軸64と偏光板
44の透過軸65とが互いに直交するように配置されて
いるとともに、偏光板44の透過軸65と、液晶表示素
子45の配向膜50のラビング方向62と、第2フィル
ム41bの主屈折率nbの傾斜方向61bとが互いに平
行、かつ液晶表示素子45の配向膜50のラビング方向
62と、第2フィルム41bの主屈折率nbの傾斜方向
61bとが反対方向となるように設定される。偏光板4
3の透過軸64と、液晶表示素子45の配向膜51のラ
ビング方向63と、第1フィルム41aの主屈折率nb
の傾斜方向61aとが互いに平行、かつ液晶表示素子4
5の配向膜51のラビング方向63と、第1フィルム4
1aの主屈折率nbの傾斜方向61aとが同じ方向とな
るように設定されている。したがって、液晶表示素子4
5の液晶層52に電圧を印加しないときに、液晶表示装
置54が光を透過して白色表示を行う方式、いわゆるノ
ーマリホワイト表示方式で構成されている。
【0040】なお、位相差板42は少なくともいずれか
一方の偏光板43,44と液晶表示素子45との間に少
なくとも一枚介在していれば位相補償が可能となり、偏
光板44と液晶表示素子45との間に介在しても構わ
ず、両方の間に介在しても構わない。
【0041】次に、こうして得られる液晶表示装置54
の具体的実施例とその視角依存性を測定した結果を説明
する。視角依存性は、図5に示す測定系を用いて前述し
たのと同様にして測定し、測定方向は正視角方向、右方
向、反視角方向および左方向の4方向とした。
【0042】(実施例3)図16の液晶表示装置54に
おいて、液晶層52として屈折率異方性Δnが0.08
であるネマティック液晶材料を用い、液晶52の厚さを
4.5μmに設定するとともに、位相差板42を構成す
る第1および第2フィルム41a,41bとして共に、
ポリスチレンなどの高分子化合物を延伸したものであっ
て、第1のリタデーション値(nc−na)×dが40
nmで、第2のリタデーション値(nc−nb)×dが
120nmであり、na≠nc>nbの関係を有する二
軸性で、図14に示す前記角θが20゜のものを用い
た。
【0043】このような液晶表示装置54を図5に示す
測定系に設置して、受光素子71が一定の角度ψで固定
された場合に、液晶表示素子45への印加電圧に対する
受光素子71の出力レベルを測定し、その結果を図19
の透過率−液晶印加電圧特性のグラフとして示す。ライ
ンL21は角度ψ=0゜の場合の特性曲線を示す。また
ラインL22〜L25は、正視角方向、右方向、反視角
方向および左方向に角度ψ=30゜傾けた位置から見た
ときの特性曲線をそれぞれ示す。
【0044】この結果から、印加電圧が3.5Vから
5.5Vで、透過率がほとんどフラットであることが確
認される。その上、電圧の印加時の透過率は、真上から
見たときと、視角を傾けたときとであまり変化していな
いことが確認される。またラインL23,L25によっ
て示される特性は、真上から見たときの印加電圧−透過
率特性とほとんど変わらず、左右の非対称性もほとんど
ないことが確認される。さらにラインL24において、
電圧印加時の透過率がかなり落ちており、黒表示ができ
て、反視角方向における特性が改善されていることが確
認される。
【0045】(比較例3)図20の液晶表示装置80
は、図18の液晶表示装置54の位相差板42に代わっ
て位相差板82が用いられる以外は、液晶表示装置54
と同様にして構成される。液晶層52として屈折率異方
性Δnが0.08であるネマティック液晶材料を用い、
液晶52の厚さを4.5μmに設定するとともに、図1
5に示した位相差板42に代わって、図21に示す位相
差板81と同様にして構成される2枚の第1フィルム8
1aと第2フィルム81bとを積層して成る位相差板8
2を用いている。位相差板82を構成する第1および第
2フィルム81a,81bである位相差板81は、ポリ
スチレンなどの高分子化合物を延伸したものであって、
第1のリタデーション値(nc−na)×dが40nm
で、第2のリタデーション値(nc−nb)×dが12
0nmであり、na≠nc>nbの関係を有する二軸性
で、主屈折率na,nb,ncの方向はy軸、z軸およ
びx軸とそれぞれ平行に形成されている。第1フィルム
81aが偏光板43側に、第2フィルム81bが液晶表
示素子45側にそれぞれ配置される。第1の位相差板8
1aの主屈折率ncの方向83aはガラス基板47上の
配向膜51のラビング方向63と平行に、第2の位相差
板81bの主屈折率ncの方向83bはガラス基板46
上の配向膜50のラビング方向62と平行にそれぞれ配
置されている。
【0046】図22は、液晶表示装置80の印加電圧−
透過率特性を示すグラフである。液晶表示装置80を真
上から見たときの特性曲線がラインL26で示されてお
り、正視角方向、右方向、反視角方向および左方向にψ
=30゜傾けた位置から見たときの特性曲線が、それぞ
れラインL27〜L30で示されている。ラインL27
において、印加電圧が2.7Vで一度下がった透過率は
3.0Vから再上昇しており、反転現象が生じることが
確認される。その上、電圧の印加時の透過率は視角を傾
けると低下していることが確認される。またラインL2
8,L30は、図19のラインL23,L25に比べ
て、やや左右が非対称であることが確認される。さらに
ラインL29において、電圧印加時の透過率が落切れて
いないことが確認された。
【0047】したがって、図18に示す液晶表示装置5
4の視角特性は、図20に示す従来の液晶表示装置80
の視角特性に比べてかなり改善されていることが分か
る。なお、位相差板42を構成するフィルム41a,4
1bとしては、液晶性高分子を傾斜配向させたものや高
分子フィルムをローリングさせたものでもよい。ローリ
ングとは、上下ローラの間にフィルムを通すことであ
る。
【0048】液晶表示装置54,80および位相差板を
用いないTN型の液晶表示装置の正視角方向と反視角方
向のコントラスト比を以下の表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例4)図23は、液晶表示装置85
を示す分解断面図である。液晶表示装置85は、図18
の液晶表示装置54の位相差板42に代わって位相差板
41が用いられる以外は、液晶表示装置54と同様にし
て構成される。液晶層52として屈折率異方性Δnが
0.08であるネマティック液晶材料を用い、液晶層5
2の厚さを4.5μmに設定するとともに、図15に示
した位相差板42に代わって、図14に示す位相差板4
1を用いている。ただし位相差板41は、ポリスチレン
などの高分子化合物を延伸したものであって、第1のリ
タデーション値(nc−na)×dが100nmで、第
2のリタデーション値(nc−nb)×dが120nm
であり、na≠nc>nbの関係を有する二軸性で、前
記角θが45゜のものを用いている。
【0051】図24は、液晶表示装置85の構成を示す
分解斜視図である。液晶表示装置85の偏光板43,4
4の透過軸64,65はガラス基板46,47上の配向
膜50,51のラビング方向62,63とそれぞれ直交
するように配置され、位相差板41の主屈折率nbの傾
斜方向87はガラス基板46の配向膜50のラビング方
向62と平行かつ反対方向となるように配置される。し
たがって、液晶表示装置85は電圧の無印加時において
光を透過して白色表示を行ういわゆるノーマリホワイト
表示を行う。
【0052】図25は、液晶表示装置85の印加電圧−
透過率特性を示すグラフである。液晶表示装置85の真
上、すなわちψ=0゜から見たときの特性曲線がライン
L31で示されている。また、液晶表示装置85の正視
角方向および反視角方向にψ=30゜傾けた位置から見
たときの特性曲線がそれぞれラインL32,L33で示
されている。ラインL32において、印加電圧が3.5
Vから5.5Vで、透過率がほとんどフラットであるこ
とが確認される。その上、電圧印加時の透過率が、真上
から見たときと視角を傾けたときとであまり変化してい
ないことが確認される。またラインL33において、電
圧印加時の透過率がかなり落ちており、黒表示ができ
て、反視角方向の特性が改善されていることが確認され
る。
【0053】(比較例4)図26は、液晶表示装置88
を示す分解斜視図である。液晶表示装置88は、図24
の液晶表示装置85の位相差板41に代わって位相差板
81が用いられる以外は、液晶表示装置85と同様にし
て構成される。液晶層52として屈折率異方性Δnが
0.08であるネマティック液晶材料を用い、液晶層5
2の厚さを4.5μmに設定するとともに、図14に示
す位相差板41の代わりに図21に示す位相差板81を
用いている。ただし位相差板81としては、ポリスチレ
ンなどの高分子化合物を延伸したものであって、第1の
リタデーション値(nc−na)×dが100nmで、
第2のリタデーション値(nc−nb)×dが120n
mであり、na≠nc>nbの関係を有する二軸性のも
のを用いている。位相差板81の主屈折率ncの方向9
0は、ガラス基板46の配向膜50のラビング方向62
と平行に配置される。
【0054】図27は、液晶表示装置88の印加電圧−
透過率特性を示すグラフである。液晶表示装置88を真
上から見たときの特性曲線がラインL34で示され、正
視角方向および反視角方向にψ=30゜傾けた位置から
見たときの特性曲線がそれぞれラインL35,L36で
示されている。ラインL35において、印加電圧が2.
7Vで一度下がった透過率が3.0Vから再上昇してお
り、反転現象が生じることが確認される。その上、電圧
の印加時の透過率は視角を傾けると低下していることが
確認される。またラインL36において、電圧印加時の
透過率は落ちきれていないことが確認された。
【0055】したがって、図24に示す液晶表示装置8
5の視角特性は、図26に示す従来の液晶表示装置88
の視角特性に比べてかなり改善されていることが分か
る。
【0056】液晶表示装置85,88および位相差板を
用いないTN型の液晶表示装置の正視角方向と反視角方
向のコントラスト比を下記の表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】(実施例5)図28は、液晶表示装置93
を示す分解断面図である。液晶表示装置93は、図16
の液晶表示装置54の位相差板42に代わって、図14
に示す位相差板41と同様にしてそれぞれ実現される位
相差板91a,91bが用いられる以外は、液晶表示装
置54と同様にして構成される。液晶層52として屈折
率異方性Δnが0.08であるネマティック液晶材料を
用い、液晶層52の厚さを4.5μmに設定するととも
に、図15に示した位相差板42に代わって用いられる
位相差板91a,91bとしては、ポリスチレンなどの
高分子化合物を延伸したものであって、第1のリタデー
ション値(nc−na)×dが25nmで、第2のリタ
デーション値(nc−nb)×dが90nmであり、n
a≠nc>nbの関係を有する二軸性で、前記角θが3
0゜のものをそれぞれ用いている。一方の位相差板91
aは液晶表示素子45と偏光板43との間に、他方の位
相差板91bは液晶表示素子45と偏光板44との間に
それぞれ配置される。
【0059】図29は、液晶表示装置93の構成を示す
分解斜視図である。液晶表示装置93の偏光板43,4
4の透過軸64,65はガラス基板46,47上の配向
膜50,51のラビング方向62,63とそれぞれ直交
するように配置され、位相差板91aの主屈折率nbの
傾斜方向92aはガラス基板46の配向膜50のラビン
グ方向62と平行かつ反対方向となるように配置され
る。位相差板91bの主屈折率nbの傾斜方向92bは
ガラス基板47の配向膜51のラビング方向63と平行
かつ反対方向となるように配置される。したがって、液
晶表示装置93は電圧の無印加時において光を透過して
白色表示を行ういわゆるノーマリホワイト表示を行う。
【0060】図30は、液晶表示装置93の印加電圧−
透過率特性を示すグラフである。液晶表示装置93の真
上、すなわちψ=0゜から見たときの特性曲線がライン
L41で示されている。また、液晶表示装置93の正視
角方向、右方向、反視角方向および左方向にψ=30゜
傾けた位置から見たときの特性曲線がそれぞれラインL
42〜L45で示されている。
【0061】印加電圧が3.5Vから5.5Vで、透過
率がほとんどフラットであることが確認される。その
上、電圧印加時の透過率が、真上から見たときと視角を
傾けたときとであまり変化していないことが確認され
る。またラインL43,L45において、真上から見た
ときの印加電圧−透過率特性がほとんど変化せず、左右
の非対称性のほとんどないことが確認される。さらにラ
インL44において、電圧印加時の透過率がかなり落ち
ており、黒表示ができ、反視角方向の特性が改善されて
いることが確認される。
【0062】(比較例5)図31は液晶表示装置98を
示す分解斜視図である。液晶表示装置98は、液晶表示
装置93の位相差板91a,91bに代わって、位相差
板96a,96bが用いられる以外は、液晶表示装置9
3とと同様にして構成される。液晶層52として屈折率
異方性Δnが0.08であるネマティック液晶材料を用
い、液晶層52の厚さを4.5μmに設定するととも
に、図21に示す位相差板81と同様にしてそれぞれ実
現される位相差板96a,96bを用いている。ただし
位相差板96a,96bとしては、ポリスチレンなどの
高分子化合物を延伸したものであって、第1のリタデー
ション値(nc−na)×dが25nmで、第2のリタ
デーション値(nc−nb)×dが90nmであり、n
a≠nc>nbの関係を有する二軸性のものを用いてい
る。一方の位相差板96aは液晶表示素子45と偏光板
43との間に、他方の位相差板96bは液晶表示素子4
5と偏光板44との間にそれぞれ配置される。液晶表示
装置98の偏光板43,44の透過軸64,65はガラ
ス基板46,47上の配向膜50,51のラビング方向
62,63とそれぞれ直交するように配置され、位相差
板96aの主屈折率ncの方向97aはガラス基板46
の配向膜50のラビング方向62と平行に配置される。
位相差板96bの主屈折率ncの方向97bはガラス基
板47の配向膜51のラビング方向63と平行に配置さ
れる。
【0063】図32は、液晶表示装置98の印加電圧−
透過率特性を示すグラフである。液晶表示装置98を真
上から見たときの特性曲線がラインL46で示され、正
視角方向、右方向、反視角方向および左方向にψ=30
゜傾けた位置から見たときの特性曲線がそれぞれライン
L47〜L50で示されている。ラインL47におい
て、印加電圧が2.7Vで一度下がった透過率が3.0
Vから再上昇しており、反転現象が生じることが確認さ
れる。その上、電圧の印加時の透過率は視角を傾けると
低下していることが確認される。またラインL48,L
50は、図30のラインL43,L45と比べて、やや
左右が非対称であることが確認される。さらにラインL
49において、電圧印加時の透過率が落ちきれていない
ことが確認された。
【0064】したがって、図29に示す液晶表示装置9
3の視角特性は、図31に示す従来の液晶表示装置98
の視角特性に比べてかなり改善されていることが分か
る。
【0065】液晶表示装置93,98および位相差板を
用いないTN型の液晶表示装置の正視角方向と反視角方
向のコントラスト比を下記の表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、2軸性位
相差フィルムを2枚積層して位相差板を構成することに
よって、正視角方向の位相差変化の補償に加え、反視角
方向および左右方向の位相差変化も確実に補償すること
ができるので、このような2つの2軸性位相差フィルム
を積層して構成される位相差板を、液晶表示素子と少な
くともいずれか一方の偏光板との間に配置することによ
って、視角変化に伴う着色現象や反転処理を解消するこ
とができ、視角依存性が少ない液晶表示装置が得られ
る。
【0068】また本発明によれば、特に正視角方向およ
び反視角方向について、視角変化に伴う着色現象や反転
処理を解消することができ、視角依存性が少ない液晶表
示装置が得られる。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である位相差板1の斜視
図である。
【図2】前記位相差板1を用いた液晶表示装置2の分解
断面図である。
【図3】液晶表示素子5のラビング方向および正視角方
向を示す概略図である。
【図4】図2に示す液晶表示装置2の分解斜視図であ
る。
【図5】液晶表示装置の視角依存性の測定系を示す概略
斜視図である。
【図6】実施例1における液晶表示装置2の透過率−液
晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図7】従来の位相差板31を用いた液晶表示装置32
の構成を示す分解斜視図である。
【図8】位相差板31の主屈折率na,nb,ncを示
す斜視図である。
【図9】比較例1における液晶表示装置32の透過率−
液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図10】実施例2における液晶表示装置2aの構成を
示す分解斜視図である。
【図11】実施例2における液晶表示装置2aの透過率
−液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図12】比較例2における液晶表示装置34aの構成
を示す分解斜視図である。
【図13】比較例2における液晶表示装置34aの透過
率−液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図14】本発明の実施の他の形態である位相差板41
の斜視図である。
【図15】第1および第2フィルム41a,41bから
成る位相差板42の斜視図である。
【図16】前記位相差板42を用いた液晶表示装置54
の分解断面図である。
【図17】液晶表示素子45のラビング方向および正視
角方向を示す概略図である。
【図18】図16に示す液晶表示装置54の分解斜視図
である。
【図19】実施例3における液晶表示装置54の透過率
−液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図20】従来の位相差板82を用いた液晶表示装置8
0の構成を示す分解斜視図である。
【図21】位相差板81の主屈折率na,nb,ncを
示す斜視図である。
【図22】比較例3における液晶表示装置80の透過率
−液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図23】実施例4における液晶表示装置85の構成を
示す分解断面図である。
【図24】実施例4における液晶表示装置85の構成を
示す分解斜視図である。
【図25】実施例4における液晶表示装置85の透過率
−液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図26】比較例4の液晶表示装置88の構成を示す分
解斜視図である。
【図27】比較例4の液晶表示装置88透過率−液晶印
加電圧特性を示すグラフである。
【図28】実施例5の液晶表示装置93の構成を示す分
解断面図である。
【図29】実施例5の液晶表示装置93の構成を示す分
解斜視図である。
【図30】実施例5における液晶表示装置93の透過率
−液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【図31】比較例5における液晶表示装置98の構成を
示す分解斜視図である。
【図32】比較例5における液晶表示装置98の透過率
−液晶印加電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1a,1b,41,42,91a,91b 位相差
板 2,2a,54,85,93 液晶表示装置 3,4,43,44 偏光板 5,45 液晶表示素子 6,7,46,47 ガラス基板 8,9,48,49 透明電極層 10,11,50,51 配向膜 12,52 液晶層 15,56,61a,61b,87,92a,92b
主屈折率nbの傾斜方向 16,17,57,58 基板部材 21,22,62,63 ラビング方向 23,24,64,65 透過軸方向 25,25a,25b 主屈折率naの方向 41a 第1フィルム 41b 第2フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水嶋 繁光 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−338913(JP,A) 特開 平8−146221(JP,A) 特開 平6−75116(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 - 1/141 G02B 5/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の偏光板間に、互いに対向する表面
    に透明電極および配向膜を有する一対の基板部材間に液
    晶層を介在して構成される液晶表示素子が配置され、当
    該液晶表示素子と少なくともいずれか一方の偏光板との
    間に、位相差板が少なくとも1枚配置され、 前記位相差板は、第1および第2フィルムを積層して構
    成され、 前記第1および第2フィルムは共に平板状であり、それ
    ぞれ、 平板表面内に平行な主屈折率naを有し、 平板表面内の主屈折率naの方向に直交し、かつ平板表
    面に垂直な平面に沿って、主屈折率naを軸とする時計
    回り方向または反時計回り方向に、平板表面から角θ傾
    斜した方向に、主屈折率nc(na≠nc)を有し、 前記平面に沿って、主屈折率naを軸とする前記主屈折
    率ncと同じ時計回り方向または反時計回り方向に、平
    板表面の法線方向から角θ傾斜した方向に、前記主屈折
    率na,ncよりも小さい主屈折率nbを有し、 各フィルムの主屈折率nbの傾斜方向がなす角は、約9
    0°に選ばれており、 前記位相差板の第1フィルムが偏光板側に、第2フィル
    ムが液晶表示素子側に配置され、 第1フィルムの主屈折率nbの傾斜方向と、液晶表示素
    子の当該位相差板に近接する配向膜とは異なる配向膜の
    配向処理方向とが、ほぼ平行かつ同じ方向に配置され、 第2フィルムの主屈折率nbの傾斜方向と、液晶表示素
    子の当該位相差板に近接する配向膜の配向処理方向と
    が、ほぼ平行かつ反対方向に配置されることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記角θが、20°≦θ≦70°の範囲
    に選ばれることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装
    置。
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