JP3401961B2 - アキュムレータ及びその冷媒流出配管の返油穴特性の決定方法 - Google Patents

アキュムレータ及びその冷媒流出配管の返油穴特性の決定方法

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JP3401961B2
JP3401961B2 JP29133094A JP29133094A JP3401961B2 JP 3401961 B2 JP3401961 B2 JP 3401961B2 JP 29133094 A JP29133094 A JP 29133094A JP 29133094 A JP29133094 A JP 29133094A JP 3401961 B2 JP3401961 B2 JP 3401961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気調和装置に用い
られるアキュムレータ及びその冷媒流出配管の返油穴特
性の決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、例えば特開平5−196327
号公報に示された従来のアキュムレータを示す断面図で
あり、図において、1は容器本体、2はU字管(流出配
管)、2aはガス冷媒吸込口、3は吸入管(流入配
管)、4はオイルピックアップ穴(返油穴)、6はアキ
ュムレータ内の冷媒と油の混合液(以下混合液)であ
る。流出配管2は通常製造メーカー内で標準化された外
径と肉厚の配管を使用している。また返油穴4の穴径
は、圧縮機12(事項で説明)への返油特性によっての
み決定しており、その加工方法は流出配管本体に直接必
要径のキリにて穴加工している。
【0003】図8は、空気調和装置の一般的な冷凍サイ
クルを示す図であり、11はアキュムレータ、12は圧
縮機、13は凝縮器、14は膨張弁、15は蒸発器であ
る。
【0004】図9は、一般的な冷凍サイクルのモリエル
線図を示す図であり、図に示すスーパーヒートが、圧縮
機12に吸引される冷媒の状態を左右する。
【0005】図10は返油穴4部分の断面モデル図であ
り、hは水頭損失、vは返油穴を通過する流体の流速、
dは返油穴の直径、lは流出配管肉厚であり、これらを
用いて返油穴部分の流動状態の理論式は、下記のように
与えられる。 h=拡大縮小損失+摩擦損失 =ζ×(v2 /2g)+λ×(l/d)×(v2 /2g) (1) 但し、ζは損失係数、νは動粘性係数、gは重力加速
度、λは摩擦係数、Reはレイノルズ数であり、水頭損
失は管路における損失水頭の基本式から導かれる拡大縮
小損失と円管内の流れにおける摩擦損失の基本式から導
かれる摩擦損失との和として与えられる。流れを層流で
あると仮定するとλ=64/Re=64/(v×d/
ν)となりゆえに、 h=ζ×(v2 /2g)+(64ν/vd)×(l/d)×(v2 /2g) =(ζ/2g)×v 2 +(ζ/2g)×(64νl/ζd 2 )×v(2) となり、これを変形して、 v2 +(64νl/ζd2 )×v−(2gh/ζ)=0 (3) となり、従って流速v及び流量Gは次のようになる。
【0006】
【数1】
【0007】 G=(π/4)d2 ×v (5)
【0008】次に動作について説明する。図8におい
て、冷媒と油は圧縮機12から吐出され、凝縮器13、
膨張弁14、蒸発器15を通りアキュムレータ11に流
入する。冷媒と油は、上記アキュムレータ11の流入配
管3を通り流入するが、上記スーパーヒートがとれる場
合は、混合液は油とガス冷媒の混合状態となり、ガス冷
媒は上記吸入口2aより、油は上記返油穴4より圧縮機
12へ流出配管2を通り吸引される。また上記スーパー
ヒートがとれない場合は、混合液は油と液冷媒・ガス冷
媒(2相流)の混合状態となり、ガス冷媒は上記吸入口
2aより吸引されるが、上記返油穴4からは、油と液冷
媒の混合液が圧縮機12へ吸引される。また、返油穴4
はキリ穴のため、流出配管内部には穴加工時のバリが発
生し、流出配管形状によりそのバリは除去できず、実際
の流出配管肉厚はその素管肉厚よりも厚くなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のアキュムレータ
は以上のように構成されており、混合液が液冷媒を含む
場合に返油穴4から油と液冷媒の混合液が圧縮機12へ
流入する(以下、返油穴4から液冷媒が圧縮機12へ流
入することを液バックと称する)ので、圧縮機12には
返油穴4から流入してくる液冷媒によってその軸受け部
分(図示せず)等が洗浄され焼き付かない程度の液バッ
ク耐力が必要であるが、液バック耐力を上げようとする
と圧縮機内部の構造が複雑化・コストアップになり、ま
た圧縮機製造のための設備投資額が膨大になる等の問題
があった。また、スーパーヒート制御の空気調和装置の
場合、液バックによる圧縮機の損傷が発生しないように
充分の配慮が要求され、設備工事・機種選定・冷凍サイ
クルの運転調整等が困難であるなどの問題があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、必要な返油量を確保しつつ、容
易にかつ確実に液バック量を圧縮機の液バック耐力以内
とすること及び液バック量を小さくすることにより圧縮
機の要求液バック耐力を下げ圧縮機内部の構造を単純化
できるアキュムレータを得ることを目的としており、さ
らに、上記目的のためにアキュムレータの冷媒流出配管
の返油穴の穴径と肉厚の決定方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るアキュム
レータは、密閉された容器と、該容器に接続された冷媒
流入配管と、返油穴部を有する冷媒流出配管とを備えた
アキュムレータにおいて、上記返油穴部の返油穴を圧縮
機の液バック耐力で規制される所定の穴径以下とし、か
つ、返油穴の肉厚を圧縮機への返油特性によって規制さ
れる所定の肉厚以下で、上記冷媒流出配管の肉厚より薄
い肉厚としたものである。
【0012】また、返油穴部を冷媒流出配管の一部を薄
くして形成したものである。
【0013】また、返油穴部を冷媒流出配管に設けた拡
大穴部と、該拡大穴部を覆う返油穴を備えた蓋部とによ
り形成したものである。
【0014】また、蓋部が返油穴を備えた薄板であるよ
うにしたものである。
【0015】また、蓋部が返油穴を備えた薄板を内蔵し
た管状体としたものである。
【0016】また、蓋部が拡大穴部とは反対側の端部に
返油穴を備えた管状体としたものである。
【0017】また、圧縮機の液バック耐力から上限の返
油穴径を見出し、上記上限の返油穴径の返油穴に関し
て、圧縮機への返油特性から上限の肉厚を見出し、返油
穴の穴径を上記上限の穴径以下として、肉厚を上記上限
の肉厚以下とするアキュムレータの冷媒流出配管の返油
穴の穴径と肉厚を決定するようにしたものである。
【0018】
【作用】この発明のアキュムレータは、上記返油穴を返
油特性による穴径ばかりでなく、圧縮機の液バック耐力
も考慮し、薄肉化したものである。つまり上記理論式
(4)、(5)より返油穴4を通過する流体(液バック
時は油と液冷媒の混合液)の流量はその流体の粘性の影
響を受けるが、その最大の理由は流出配管の返油穴の肉
厚であるので、流体の粘度の大きいものほど流体の流量
に対する返油穴の肉厚依存度が大きくなると考えられ
る。上記理論を利用し実際の冷凍サイクルにおける液バ
ック時の油戻りを考えると、液冷媒と油の各々の粘度特
性(動粘度)の違い、即ち、油の動粘度の方が格段に大
きいことにより、圧縮機の液バック耐力の見地から決定
した返油穴直径では返油性能が得られない(返油穴が小
さくて油返りが悪い)場合でも、返油穴部分の肉厚をオ
リフィスに近づける(極力薄くなる)ことで、返油穴を
通過する液冷媒の流量はさほど変化させずに油の流量の
み増加させ返油効率をアップさせることができる。
【0019】すなわち、この発明では、返油穴の穴径を
圧縮機の液バック耐力で規制される所定の穴径以下とし
て、かつ、返油穴の肉厚を圧縮機への返油特性によって
規制される所定の肉厚以下で、冷媒流出配管の肉厚より
薄い肉厚としているので、肉厚を薄くすることにより、
従来と同量の返油量を得るのに、返油穴の穴径を従来よ
り小さくでき、従来に比べて、返油量に対する液バック
量の割合を減小させ返油効率をアップできる。また、流
量が返油穴の肉厚依存度が小さい液冷媒が圧縮機に戻る
量は確実に圧縮機の液バック耐力以内となり、また、流
量が返油穴の肉厚が薄くなると大きくなるという返油穴
肉厚依存度の大きい油の圧縮機への返油量は確実に必要
量が確保できる。
【0020】また、返油穴部を冷媒流出配管の一部を薄
くして形成したので、返油穴部の形成に特別の付加部材
を必要とせず、製作が容易であり、製作コストの低減が
図れる。
【0021】また、返油穴部を冷媒流出配管に設けた拡
大穴部と、該拡大穴部を覆う返油穴を備えた蓋部とによ
り形成したので、冷媒流出配管は従来から使用されてい
るものを使用でき、従来の冷媒流出配管の強度等の特性
は維持でき、また、冷媒流出配管とは別部材に返油穴の
穴加工を行うので、精密な穴加工が容易となる。
【0022】また、蓋部が返油穴を備えた薄板であるよ
うにしたので、返油穴の穴加工をした薄板で拡大穴部を
覆うだけでよく製作が容易となる。
【0023】また、蓋部が返油穴を備えた薄板を内蔵し
た管状体としたので、返油穴を備えた薄板を平面状に保
て、使用時に薄板の変動による穴径変化が防止できる。
【0024】また、蓋部が拡大穴部とは反対側の端部に
返油穴を備えた管状体としたので、蓋部が一体成形で製
作でき、また、成形後の返油穴の肉厚を所定の値になる
ように成形でき、精度の向上、コスト低減が図れる。
【0025】また、圧縮機の液バック耐力から上限の返
油穴径を見出し、圧縮機への返油特性から上限の肉厚を
見出し、返油穴の穴径を上記上限の穴径以下とし、肉厚
を上記上限の肉厚以下として返油穴の穴径と肉厚を決定
しているので、返油効率をアップでき、また、容易にか
つ確実に、圧縮機への必要量の返油ができるとともに液
バック量が液バック耐力以内とできる返油穴の穴径と肉
厚を決定できる。
【0026】
【実施例】
実施例1.この発明を具体的な返油穴径及び肉厚を用い
て前記図10の返油穴モデルにより説明する。液冷媒及
び油の返油穴肉厚の影響をみるため、まず、返油穴の肉
厚が限りなく薄いオリフィスとした場合の流速、流量を
算出すると、上記理論式(2)、(4)、(5)は、そ
れぞれ、 h=ζ×(v2 /2g) (6)
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】となり、(7)、(8)式より流速、流量
は液面高さhにのみ依存し、粘性とは無関係となる。次
に、下記の具体的条件設定により、上記理論式(4)、
(7)より返油穴の流速を算出する。アキュムレータ内
流体温度 −40°Cとする 返油穴径 d=0.002(m) 返油穴面積 S=(π/4)d2 =3.14×10
-6(m2 ) 重力加速度 g=9.8(m/s2 ) 損失係数 ζ=0.5 動粘度(油) ν=320(cst)=3.2×10
-4(m2 /s) 動粘度(液冷媒)ν=0.24×10-6(m2 /s) とすれば、 (1)オリフィスの場合(肉厚を考慮しない場合) 上記(7)式より流速は次の如くなる。
【0030】
【数4】
【0031】(2)肉厚を考慮した場合 返油穴流出液が油100%、返油穴肉厚l=0.00
14(m)の場合 上記(4)式より流速は次の如くなる。
【0032】
【数5】
【0033】返油穴流出液が油100%、返油穴肉厚
l=0.0007(m)の場合 上記(4)式より流速は次の如くなる。
【0034】
【数6】
【0035】返油穴流出液が液冷媒100%、返油穴
肉厚l=0.0014(m)の場合 上記(4)式より流速は次の如くなる。
【0036】
【数7】
【0037】上記流速V1〜V4をグラフ化したものを
図1に示す。V1とV4の比較より動粘度の小さい液冷
媒の流速はその動粘度の影響が少ないため肉厚の違いに
よる差はほとんど見られない。しかし、V1、V2とV
3の比較から判るように、動粘度の大きい油の流速は動
粘度の影響が大きく、肉厚の違いによる差が大きい。V
2とV3の比較から流出配管の返油穴の肉厚によって
(1.4mmと0.7mm)薄いほうが約2倍の流速を
持つ。したがって、圧縮機の液バック耐力の見地から所
定の返油穴径を決め、その径を有する冷媒流出配管の返
油穴の肉厚を圧縮機への返油特性を満足する所定の肉厚
まで薄くすれば、返油穴を通過する液冷媒の流量はさほ
ど変化させずに油の流量のみ増加させ返油効率をアップ
させることができることがわかる。但し、ここでいう圧
縮機への返油特性とは、圧縮機から冷凍サイクルへの流
出油量は圧縮機へ返油するのが原則であり、この返油
は、アキュムレータを介して行われるものの他に冷凍サ
イクル途中の油分離器からアキュムレータを介さず返油
されるもの等もあり、冷凍サイクルによりそれぞれの返
油量も含めて決まっていることを意味する。従って、上
記構成により容易に、かつ、確実に、必要な返油量を確
保しつつ、液バック量を圧縮機の液バック耐力以内とす
ることができる。また、上記の返油穴の所定の肉厚を一
層薄くすることにより、油の流量のみを増加させること
ができ、その分返油穴の穴径を小さくでき、液バック量
を減小させ、圧縮機の液バック耐力を低下させることが
できる。さらに、返油穴の肉厚を冷媒流出配管の肉厚よ
り薄くすることにより、従来の冷媒流出配管の強度特性
等は保持できる。
【0038】実施例2.図2は、この発明の一実施例に
よるアキュムレータの断面図である。図2において図7
と同一符号は従来技術で説明したものと同一または相当
部分を示すので説明を省略する。5は返油穴4を有する
返油穴部であり、返油穴4部分の断面図A−Aにおい
て、点線で示すのが従来の流出配管の外壁面であり、冷
媒流出配管に削り加工を施して薄肉化している。記号
t’が従来の冷媒流出配管肉厚、tが今回の発明による
返油穴の肉厚である。
【0039】返油穴4の穴径及び肉厚は次のようにして
決定し、製作した。通常の標準化された配管で圧縮機の
液バック耐力から上限の返油穴径を見出し、上記上限の
返油穴径の返油穴に関して、圧縮機への返油特性から上
限の肉厚を見出し、上記上限の肉厚となるまで冷媒流出
配管に削り加工を施し、上記肉厚部に上記上限の穴径と
なるように穴加工を行った。なお、上記返油穴の穴径及
び肉厚の決定において、上記上限の肉厚よりさらに薄く
し、その分穴径を小さくして、冷媒液の液バック量を減
らすようにしてもよい。
【0040】本実施例によれば、実施例1に記載の作
用、効果の他に、返油穴部を冷媒流出配管の一部を薄く
するだけでよく、特別の付加部材を必要とせず製作が容
易であり、製作コストの低減が図れる。
【0041】実施例3.図3は、この発明の別の実施例
によるアキュムレータの断面図である。図3において前
記と同一符号は前記と同一または相当部分を示す。7
は、冷媒流出配管に設けた拡大穴部であり、返油穴4の
穴径よりは充分大きなものであり、油と液冷媒の流入抵
抗となるなどの影響のない程度の大きさとしている。8
は、蓋部であり、返油穴4を備えた薄板10から成り、
拡大穴部7を塞ぐように覆っている。返油穴4の穴径及
び肉厚の決定は、実施例2と同じであるが、本実施例で
は、上記決定肉厚の薄板10を使用した。
【0042】本実施例によれば、実施例1に記載の作
用、効果の他に、冷媒流出配管2とは別部材である薄板
10に返油穴4を設けるので精密な穴加工が容易とな
り、また、返油穴部5を返油穴加工をした薄板10で拡
大穴部7を覆うだけでよく製作が容易である。
【0043】実施例4.図4は、この発明のさらに別の
実施例によるアキュムレータの断面図である。図4にお
いて前記と同一符号は前記と同一または相当部分を示
す。9は管状体であり、内部に返油穴4を備えた薄板1
0を有し、これらで蓋部8を形成して、冷媒流出配管2
に設けた拡大穴部7を覆っている。返油穴4の穴径及び
肉厚の決定は、実施例2と同じであるが、本実施例で
は、上記決定肉厚の薄板10を使用した。
【0044】本実施例によれば、実施例1に記載の作
用、効果の他に、精密な返油穴4の穴加工ができ、か
つ、返油穴4を備えた薄板10を平面状に保て、使用時
に薄板の変形による穴径変化が防止できる。
【0045】実施例5.図5は、この発明のさらに別の
実施例によるアキュムレータの断面図である。図5にお
いて、前記と同一符号は前記と同一または相当部分を示
す。図5において、返油穴4を備えた薄板10は管状体
9の拡大穴部7とは反対側の端部に設けている。上記管
状体9と返油穴4を備えた薄板10とで、蓋部8を構成
し、拡大穴部7を覆っている。返油穴4の穴径及び肉厚
の決定は、実施例2と同じであるが、本実施例では、上
記決定肉厚となるように成形により形成した。
【0046】本実施例によれば、実施例1に記載の作用
・効果の他に、精密な穴加工ができ、また、使用時の穴
径変化が防止でき、かつ、蓋部が一体成形で製作でき、
成形後の返油穴の肉厚を所定の値になるように成形で
き、精度の向上及びコスト低減が図れる。
【0047】なお、実施例2乃至実施例5に記載の返油
穴4の穴径及び肉厚の決定方法によれば、図6に示すよ
うに、冷媒流出配管2全体の配管厚さを薄くして本願発
明を実施することも可能であり、このようにすることに
より、図6の返油穴4部分の断面図A−Aにおいて、
t’で示す従来の冷媒流出配管の肉厚をtで示すように
配管厚の薄いものを選択するだけでよいので、冷媒流出
配管の製作が極めて容易となる。
【0048】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】返油穴を所定の穴径以下とし、かつ、返油
穴を所定の肉厚以下で、冷媒流出配管の肉厚より薄い肉
厚とする構成によれば、容易にかつ確実に必要な返油量
が確保できるとともに、液バック量を圧縮機の液バック
耐力以内とでき、従って、空気調和機の機種選定、設備
工事及び運転調整等が容易となる。また、返油穴を所定
の肉厚より薄くすることにより、返油穴を所定の穴径よ
り小さくできるので、従来に比べて返油量に対する液バ
ック量の割合を減少でき、必要量の返油量を確保しつ
つ、液バック量を少くできるので、圧縮機の液バック耐
力を減少でき、圧縮機内部の構造を単純化でき、コスト
の低減を図れる。さらに、冷媒流出配管の肉厚より返油
穴の肉厚を薄くしているので、冷媒流出配管の厚さは従
来通りの厚さとでき、冷媒流出配管の強度特性等は維持
できる。
【0050】また、返油穴部を冷媒流出配管の一部を薄
くして形成する構成によれば返油穴部の形成に特別の付
加部材を必要とせず、製作が容易であり、製作コストの
低減が図れる。
【0051】また、返油穴部を冷媒流出配管に設けた拡
大穴部と、該穴部を覆う返油穴を備えた蓋部とにより形
成する構成によれば、冷媒流出配管は従来から使用され
ているものを使用でき、従来の冷媒流出配管の強度等の
特性は保持でき、また、冷媒流出配管とは別部材に返油
穴の穴加工を行うので、精密な穴加工が容易となる。
【0052】また、蓋部が返油穴を備えた薄板であるよ
うにする構成によれば、返油穴の穴加工をした薄板で拡
大穴部を覆うだけでよく製作が容易となる。
【0053】また、蓋部が返油穴を備えた薄板を内蔵し
た管状体とする構成によれば、返油穴を備えた薄板を平
面状に保て、使用時に薄板の変動による穴径変化が防止
でき、確実に必要返油量が確保できるとともに、液バッ
ク量を液バック耐力以下とできる。
【0054】また、蓋部が拡大穴部とは反対側の端部に
返油穴を備えた管状体とする構成によれば、蓋部が一体
成形で製作でき、また、成形後の返油穴の肉厚を所定の
値になるように成形でき、精度の向上、コスト低減が図
れる。
【0055】また、圧縮機の液バック耐力から上限の返
油穴径を見出し、圧縮機への返油特性から上限の肉厚を
見出し、返油穴の穴径を上記上限の穴径以下とし、肉厚
を上記上限の肉厚以下として返油穴の穴径と肉厚を決定
する構成によれば、返油効率をアップでき、また、容易
にかつ確実に、圧縮機λの必要量の返油ができるととも
に液バック量が液バック耐力以内とできる返油穴の穴径
と肉厚を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による水頭損失hと流速
Vの関係を表す図である。
【図2】 この発明の実施例2によるアキュムレータを
示す断面図である。
【図3】 この発明の実施例3によるアキュムレータを
示す断面図である。
【図4】 この発明の実施例4によるアキュムレータを
示す断面図である。
【図5】 この発明の実施例5によるアキュムレータを
示す断面図である。
【図6】 この発明の別の一実施例によるアキュムレー
タを示す断面図である。
【図7】 従来のアキュムレータを示す断面図である。
【図8】 一般的な冷凍サイクルを示す図である。
【図9】 一般的な冷凍サイクルのモリエル線図であ
る。
【図10】 返油穴部分の断面図である。
【符号の説明】
1 容器、2 冷媒流出配管、3 冷媒流入配管、4
返油穴、5 返油穴部、7 拡大穴部、8 蓋部、9
管状体、10 薄板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幸田 利秀 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平5−93558(JP,A) 特開 平5−263963(JP,A) 特開 平2−372663(JP,A) 特開 平3−236568(JP,A) 特開 平3−96668(JP,A) 特開 平2−154946(JP,A) 実開 昭60−184497(JP,U) 実開 平4−53169(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 43/00 F25B 43/02 G01F 1/42 F25B 1/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉された容器と、該容器に接続された
    冷媒流入配管と、返油穴部を有する冷媒流出配管とを備
    えたアキュムレータにおいて、上記返油穴部の返油穴を
    圧縮機の液バック耐力で規制される所定の穴径以下と
    し、かつ、返油穴の肉厚を圧縮機への返油特性によって
    規制される所定の肉厚以下で、上記冷媒流出配管の肉厚
    より薄い肉厚としたことを特徴とするアキュムレータ。
  2. 【請求項2】 返油穴部を冷媒流出配管の一部を薄くし
    て形成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    のアキュムレータ。
  3. 【請求項3】 返油穴部を冷媒流出配管に設けた拡大穴
    部と、該拡大穴部を覆う返油穴を備えた蓋部とにより形
    成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のア
    キュムレータ。
  4. 【請求項4】 蓋部が返油穴を備えた薄板であることを
    特徴とする特許請求の範囲第3項記載のアキュムレー
    タ。
  5. 【請求項5】 蓋部が返油穴を備えた薄板を内蔵した管
    状体であることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載
    のアキュムレータ。
  6. 【請求項6】 蓋部が拡大穴部とは反対側の端部に返油
    穴を備えた管状体であることを特徴とする特許請求の範
    囲第3項記載のアキュムレータ。
  7. 【請求項7】 密閉された容器と、該容器に接続された
    冷媒流入配管と、返油穴を有する冷媒流出配管とを備え
    たアキュムレータにおいて、圧縮機の液バック耐力から
    上限の返油穴径を見出し、上記上限の返油穴径の返油穴
    に関して、圧縮機への返油特性から上限の肉厚を見出
    し、返油穴の穴径を上記上限の穴径以下とし、肉厚を上
    記上限の肉厚以下とするアキュムレータの冷媒流出配管
    の返油穴の穴径と肉厚の決定方法。
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