JP3399008B2 - 電子銃 - Google Patents
電子銃Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム放射を行う
電子銃に係り、特に小型化を実現できるようにした電子
銃に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来から、マイクロ波、ミリ波等を扱う
電子管に組み込まれる電子銃として、一般に傍熱型陰極
方式のものが使用されている。このような電子銃は、図
４に示すように、筒形状の陰極支持体１で支持された熱
電子放出性能の高い円盤形状の陰極２、その陰極２を加
熱するためのヒータ３、陰極２から放射された電子ビー
ムＡを集束・制御する筒形状の集束電極（制御電極）
４、その電子ビームＡを加速する加速電極５等を具備す
る。 【０００３】この電子銃では、陰極２に対して集束電極
４が同電位に、加速電極５が正の電位にバイアスされて
使用されるのが通常であるが、小型のマイクロ波用の場
合には、陰極２と集束電極４との間に電位差を設けて、
電子ビームの量を調整することも行われている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な構造の電子銃では、陰極２、ヒータ３、集束電極４、
加速電極５等の多数の電極に個別に電圧を印加する構造
となるため、その各々の端子を設ける必要があり、また
特別の陰極支持体１も必要であり、小型化の大きな制約
になっている。 【０００５】また、各電極の形状や構造が筒形状等のよ
うに複雑であり、小型化する際の製造、組立等の工程に
高い精度が要求され、この点でも小型化が困難である。 【０００６】本発明の目的は、上記した点を解決して小
型化が極めて簡単に実現できるようにした電子銃を提供
することである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、電子放出を行
う陰極、該陰極から出た電子ビームを制御する制御電
極、上記電子ビームを加速する加速電極を具備し、上記
陰極を上記制御電極に対して絶縁体を介して支持し、上
記制御電極を陰極支持体として兼用させた電子銃であっ
て、上記制御電極を、電子通路の下側部分を挟むように
離間した１対の第１制御電極と、上記電子通路の上側部
分を挟むように離間した１対の第２制御電極とから構成
し、上記絶縁体を、上記電子通路の下側部分を挟むよう
に離間した１対の第１絶縁体と、上記電子通路の上側部
分を挟むように離間した１対の第２絶縁体とから構成
し、上記加速電極を、上記電子通路を挟むように離間し
た１対の加速電極から構成し、誘電体基板面上に上記１
対の第１制御電極を設け、上記各第１制御電極上に上記
１対の第１絶縁体を介して上記各第１絶縁体上にまたが
るように上記陰極を設け、上記陰極の上面に上記１対の
第２絶縁体を介して上記１対の第２制御電極を設け、上
記誘電体基板上面に上記１対の加速電極を設けた。 【０００８】 【作用】本発明では、従来では電子の飛翔方向に沿って
個別的に並んで配置されていた陰極支持体、陰極、制御
電極について、制御電極を陰極支持体と兼用させ、しか
も陰極と制御電極を絶縁物を介して一体化することによ
り、小型化を可能にしている。 【０００９】 【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
１はその一実施例の電子銃の斜視図、第２図は平面図、
第３図は背面図である。１０は酸化アルミニウム（アル
ミナ）等からなる誘電体基板、１１はその誘電体基板１
０上に電子通路Ｂを形成できる間隙を隔てて設けた１対
の導電性の第１集束電極、１２はその各集束電極１１の
上面に設けた１対の第１絶縁体、１３はその各絶縁体１
２の上面に設けた陰極である。この陰極１３は１対の第
１絶縁体１２の間に渡り浮いているように形成されてい
る。この陰極１３の電子通路Ｂに浮いた部分は、ヘアピ
ン形状に電子放射方向に先鋭に形成された電子放射部１
３ａとなっている。１４は上記した１対の第１絶縁体１
２とで陰極１３の両端を挟持するように設けた１対の第
２絶縁体、１５はその各第２絶縁体１４の上面に設けた
１対の導電性の第２集束電極である。１６は１対の導電
性の加速電極であり、電子通路Ｂを挟むように１対の第
１集束電極１１から離れた位置の誘電体基板１０上に設
けられている。 【００１０】上記１対の第１、第２集束電極１１、１
５、および加速電極１６等はアルミニウム等の導電物質
の蒸着、メッキ、ＣＶＤ等の手法により形成し、フォト
リソグラフィとエッチングによりパターン形成する。或
いは、アルミニウム等の導電物質の超微粒子高速噴射に
よってパターン形成する。１対の第１、第２絶縁体１
２、１４はアルミナ等の絶縁材料を使用して上記と同様
の手法により形成する。陰極１３は熱電子放射が良好で
耐熱性の高い、モリブデン、タングステン等の通常の熱
電子放射用陰極に使用されるような材料により上記と同
様な手法によりパターン形成するが、第１及び第２絶縁
体１２、１４の間で挟持されない部分、つまり架け渡さ
れる電子放射部１３ａはその下面を開放させる必要があ
るので、この部分は犠牲層を形成してその上に陰極１３
を形成し、その後にその犠牲層をエッチング等で除去す
ることで実現できる。 【００１１】なお、陰極１３、第１、第２集束電極１
１、１５、加速電極１６等の端子引出部は次のようにし
て形成する。まず、下層の集束電極１１については基板
１０上に導電物質を蒸着その他で被着して形成する。陰
極１３は下層の集束電極１１の側面に絶縁物質を介在し
て導電物質を被着させ、基板１０から引き出すことで形
成する。上層の集束電極１５は陰極１３の側面に絶縁物
質を介在して導電物質を被着させ下層の集束電極１１に
接続する。加速電極１６の端子引出し部分は基板１０上
に導電物質を蒸着その他で形成する。 【００１２】この実施例の電子銃では、陰極１３に通電
することにより、その陰極１３が加熱され、電子を放射
する。そして、第１、第２集束電極１１、１５が同時に
陰極支持体として機能する。従って、特別な陰極支持体
は不要となる。陰極に対してこの集束電極１１、１５を
同電位又は負の電位にバイアスすると、陰極１３から射
出した電子ビームＡが上下の集束電極１１、１５によっ
て集束され、正の電位でバイアスされた加速電極１６の
方向に吸引される。このとき、集束電極１１、１５に印
加するバイアス値、つまりつまり陰極１３との間の電位
差を変化させると電子ビーム量が変化する。 【００１３】このように、この実施例の電子銃は、従来
では電子の飛翔方向に沿って陰極支持体、陰極、集束電
極が個別的に並んで配置されていたものを、集束電極を
陰極支持体と兼用させ、しかも陰極と集束電極を絶縁体
を介して一体化しているので、小型化が可能となる。更
に、基板１０の上面に、半導体装置の製造手法と同様の
蒸着、メッキ、ＣＶＤ、フォトエッチング、超微粒子の
高速噴射吹き付け等の手法で形成できるので、この小型
化は更に発展させることができ、超小型化も可能とな
る。 【００１４】この実施例の電子銃によれば、加速電極１
６の先端側（陰極１３と反対側）に別の導電路を蒸着、
印刷、超微粒子噴射等で形成することで、超小型の増幅
管（進行波管等）を実現することもできる。 【００１５】 【発明の効果】以上から本発明によれば、制御電極を陰
極支持体と兼用させ、しかも陰極と制御電極を絶縁物を
介して一体化しているので、電子銃の小型化を容易に実
現できるという利点がある。
電子銃に係り、特に小型化を実現できるようにした電子
銃に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来から、マイクロ波、ミリ波等を扱う
電子管に組み込まれる電子銃として、一般に傍熱型陰極
方式のものが使用されている。このような電子銃は、図
４に示すように、筒形状の陰極支持体１で支持された熱
電子放出性能の高い円盤形状の陰極２、その陰極２を加
熱するためのヒータ３、陰極２から放射された電子ビー
ムＡを集束・制御する筒形状の集束電極（制御電極）
４、その電子ビームＡを加速する加速電極５等を具備す
る。 【０００３】この電子銃では、陰極２に対して集束電極
４が同電位に、加速電極５が正の電位にバイアスされて
使用されるのが通常であるが、小型のマイクロ波用の場
合には、陰極２と集束電極４との間に電位差を設けて、
電子ビームの量を調整することも行われている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な構造の電子銃では、陰極２、ヒータ３、集束電極４、
加速電極５等の多数の電極に個別に電圧を印加する構造
となるため、その各々の端子を設ける必要があり、また
特別の陰極支持体１も必要であり、小型化の大きな制約
になっている。 【０００５】また、各電極の形状や構造が筒形状等のよ
うに複雑であり、小型化する際の製造、組立等の工程に
高い精度が要求され、この点でも小型化が困難である。 【０００６】本発明の目的は、上記した点を解決して小
型化が極めて簡単に実現できるようにした電子銃を提供
することである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、電子放出を行
う陰極、該陰極から出た電子ビームを制御する制御電
極、上記電子ビームを加速する加速電極を具備し、上記
陰極を上記制御電極に対して絶縁体を介して支持し、上
記制御電極を陰極支持体として兼用させた電子銃であっ
て、上記制御電極を、電子通路の下側部分を挟むように
離間した１対の第１制御電極と、上記電子通路の上側部
分を挟むように離間した１対の第２制御電極とから構成
し、上記絶縁体を、上記電子通路の下側部分を挟むよう
に離間した１対の第１絶縁体と、上記電子通路の上側部
分を挟むように離間した１対の第２絶縁体とから構成
し、上記加速電極を、上記電子通路を挟むように離間し
た１対の加速電極から構成し、誘電体基板面上に上記１
対の第１制御電極を設け、上記各第１制御電極上に上記
１対の第１絶縁体を介して上記各第１絶縁体上にまたが
るように上記陰極を設け、上記陰極の上面に上記１対の
第２絶縁体を介して上記１対の第２制御電極を設け、上
記誘電体基板上面に上記１対の加速電極を設けた。 【０００８】 【作用】本発明では、従来では電子の飛翔方向に沿って
個別的に並んで配置されていた陰極支持体、陰極、制御
電極について、制御電極を陰極支持体と兼用させ、しか
も陰極と制御電極を絶縁物を介して一体化することによ
り、小型化を可能にしている。 【０００９】 【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
１はその一実施例の電子銃の斜視図、第２図は平面図、
第３図は背面図である。１０は酸化アルミニウム（アル
ミナ）等からなる誘電体基板、１１はその誘電体基板１
０上に電子通路Ｂを形成できる間隙を隔てて設けた１対
の導電性の第１集束電極、１２はその各集束電極１１の
上面に設けた１対の第１絶縁体、１３はその各絶縁体１
２の上面に設けた陰極である。この陰極１３は１対の第
１絶縁体１２の間に渡り浮いているように形成されてい
る。この陰極１３の電子通路Ｂに浮いた部分は、ヘアピ
ン形状に電子放射方向に先鋭に形成された電子放射部１
３ａとなっている。１４は上記した１対の第１絶縁体１
２とで陰極１３の両端を挟持するように設けた１対の第
２絶縁体、１５はその各第２絶縁体１４の上面に設けた
１対の導電性の第２集束電極である。１６は１対の導電
性の加速電極であり、電子通路Ｂを挟むように１対の第
１集束電極１１から離れた位置の誘電体基板１０上に設
けられている。 【００１０】上記１対の第１、第２集束電極１１、１
５、および加速電極１６等はアルミニウム等の導電物質
の蒸着、メッキ、ＣＶＤ等の手法により形成し、フォト
リソグラフィとエッチングによりパターン形成する。或
いは、アルミニウム等の導電物質の超微粒子高速噴射に
よってパターン形成する。１対の第１、第２絶縁体１
２、１４はアルミナ等の絶縁材料を使用して上記と同様
の手法により形成する。陰極１３は熱電子放射が良好で
耐熱性の高い、モリブデン、タングステン等の通常の熱
電子放射用陰極に使用されるような材料により上記と同
様な手法によりパターン形成するが、第１及び第２絶縁
体１２、１４の間で挟持されない部分、つまり架け渡さ
れる電子放射部１３ａはその下面を開放させる必要があ
るので、この部分は犠牲層を形成してその上に陰極１３
を形成し、その後にその犠牲層をエッチング等で除去す
ることで実現できる。 【００１１】なお、陰極１３、第１、第２集束電極１
１、１５、加速電極１６等の端子引出部は次のようにし
て形成する。まず、下層の集束電極１１については基板
１０上に導電物質を蒸着その他で被着して形成する。陰
極１３は下層の集束電極１１の側面に絶縁物質を介在し
て導電物質を被着させ、基板１０から引き出すことで形
成する。上層の集束電極１５は陰極１３の側面に絶縁物
質を介在して導電物質を被着させ下層の集束電極１１に
接続する。加速電極１６の端子引出し部分は基板１０上
に導電物質を蒸着その他で形成する。 【００１２】この実施例の電子銃では、陰極１３に通電
することにより、その陰極１３が加熱され、電子を放射
する。そして、第１、第２集束電極１１、１５が同時に
陰極支持体として機能する。従って、特別な陰極支持体
は不要となる。陰極に対してこの集束電極１１、１５を
同電位又は負の電位にバイアスすると、陰極１３から射
出した電子ビームＡが上下の集束電極１１、１５によっ
て集束され、正の電位でバイアスされた加速電極１６の
方向に吸引される。このとき、集束電極１１、１５に印
加するバイアス値、つまりつまり陰極１３との間の電位
差を変化させると電子ビーム量が変化する。 【００１３】このように、この実施例の電子銃は、従来
では電子の飛翔方向に沿って陰極支持体、陰極、集束電
極が個別的に並んで配置されていたものを、集束電極を
陰極支持体と兼用させ、しかも陰極と集束電極を絶縁体
を介して一体化しているので、小型化が可能となる。更
に、基板１０の上面に、半導体装置の製造手法と同様の
蒸着、メッキ、ＣＶＤ、フォトエッチング、超微粒子の
高速噴射吹き付け等の手法で形成できるので、この小型
化は更に発展させることができ、超小型化も可能とな
る。 【００１４】この実施例の電子銃によれば、加速電極１
６の先端側（陰極１３と反対側）に別の導電路を蒸着、
印刷、超微粒子噴射等で形成することで、超小型の増幅
管（進行波管等）を実現することもできる。 【００１５】 【発明の効果】以上から本発明によれば、制御電極を陰
極支持体と兼用させ、しかも陰極と制御電極を絶縁物を
介して一体化しているので、電子銃の小型化を容易に実
現できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例の電子銃の斜視図である。
【図２】 同電子銃の平面図である。
【図３】 同電子銃の背面図である。
【図４】 従来の電子銃の断面図である。
【符号の説明】
１０：誘電体基板、１１：１対の第１陰極支持体、１
２：１対の第１絶縁体、１３：陰極、１４：１対の第２
絶縁体、１５：１対の第２陰極支持体、１６：１対の加
速電極。
２：１対の第１絶縁体、１３：陰極、１４：１対の第２
絶縁体、１５：１対の第２陰極支持体、１６：１対の加
速電極。
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
H01J 23/06
H01J 1/18
H01J 1/30
H01J 3/02
H01J 37/073
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】電子放出を行う陰極、該陰極から出た電子
ビームを制御する制御電極、上記電子ビームを加速する
加速電極を具備し、上記陰極を上記制御電極に対して絶
縁体を介して支持し、上記制御電極を陰極支持体として
兼用させた電子銃であって、 上記制御電極を、電子通路の下側部分を挟むように離間
した１対の第１制御電極と、上記電子通路の上側部分を
挟むように離間した１対の第２制御電極とから構成し、
上記絶縁体を、上記電子通路の下側部分を挟むように離
間した１対の第１絶縁体と、上記電子通路の上側部分を
挟むように離間した１対の第２絶縁体とから構成し、上
記加速電極を、上記電子通路を挟むように離間した１対
の加速電極から構成し、 誘電体基板面上に上記１対の第１制御電極を設け、上記
各第１制御電極上に上記１対の第１絶縁体を介して上記
各第１絶縁体上にまたがるように上記陰極を設け、上記
陰極の上面に上記１対の第２絶縁体を介して上記１対の
第２制御電極を設け、上記誘電体基板上面に上記１対の
加速電極を設けた、 ことを特徴とする 電子銃。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5472193A JP3399008B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 電子銃 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5472193A JP3399008B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 電子銃 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06243791A JPH06243791A (ja) | 1994-09-02 |
| JP3399008B2 true JP3399008B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=12978672
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5472193A Expired - Fee Related JP3399008B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 電子銃 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3399008B2 (ja) |
-
1993
- 1993-02-19 JP JP5472193A patent/JP3399008B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06243791A (ja) | 1994-09-02 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030121 |
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| R250 | Receipt of annual fees |
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