JP3398838B2 - 白蟻の防除方法 - Google Patents

白蟻の防除方法

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JP3398838B2 JP25573198A JP25573198A JP3398838B2 JP 3398838 B2 JP3398838 B2 JP 3398838B2 JP 25573198 A JP25573198 A JP 25573198A JP 25573198 A JP25573198 A JP 25573198A JP 3398838 B2 JP3398838 B2 JP 3398838B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、白蟻の防除方法に
関し、より詳しくは、薬剤を極力使用せずもしくは全く
使用せずに、半永久的に白蟻を防除することのできる
蟻防除方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来行われている白蟻防除対策には、防
蟻薬剤の建物への注入・塗布処理や、土壌への散布処理
があり、白蟻駆除剤には有機リン系やピレスロイド類等
の薬剤が用いられている。一方、近年、人体や環境への
影響を考慮して、より低毒性の薬剤を使用すること、薬
剤の使用を必要最小限にとどめること、さらには薬剤を
使用しない防除方法を採ることが求められつつある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、薬剤の毒性
を抑え、使用量を制限すると、薬効やその持続性が低下
する。また、白蟻被害が多発する地域では、何度も薬剤
を使用するうちに白蟻が薬剤に慣れてしまい、薬剤処理
そのものが意味をなさなくなる場合がある。これらのこ
とは、薬剤のみによって白蟻を防除する方法に、自ずと
限界があることを示唆している。本発明はそのような実
情に鑑みてなされたもので、薬剤を極力使用せずもしく
は全く使用せずに、半永久的に白蟻を防除することので
きる白蟻防除方法の提供を目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、白蟻
用餌部を備えた人工白蟻巣を建造物付近の地盤に埋設し
て建造物付近に生息する白蟻を人工白蟻巣に誘導して集
め、人工白蟻巣内に集まった白蟻を定期的に処分する
蟻の防除方法であって、前記建造物が地下埋設管であ
り、先端に巣採取器が設けられた押し込みロッドを地下
埋設管の入孔から挿入して白蟻の巣を採取することによ
り白蟻の生息を確認し、次いで先端に薬剤噴射ノズルが
設けられた押し込みロッドを入孔から挿入して薬剤を白
蟻の巣に噴射して白蟻を駆除し、次いで先端に超音波セ
ンサが設けられた押し込みロッドを入孔から挿入して白
蟻が駆除されたかどうか確認し、白蟻が完全に駆除され
ていることを確認後、地下埋設管上方の地盤に人工白蟻
巣を埋設し、定期的に人工白蟻巣を取り出して内部の白
蟻を処理することを特徴とする白蟻の防除方法である。 【0005】この発明を提供することにより、上記課題
を悉く解決する。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図面
を参照しつつ説明する。図1は、白蟻防除方法の第1実
施形態を示すフローチャートである。図2は、この白蟻
防除方法で用いられる人工白蟻巣の配置状態を示す平面
図である。図1に示すように、白蟻防除方法の第1実施
形態は、建造物付近の地盤に人工白蟻巣を埋設し(工程
1)、人工白蟻巣に集まった白蟻を処分する(工程
2)、というものである。 【0007】人工白蟻巣埋設工程(工程1)は、建造物
(T)(図2参照)付近の白蟻を集めるための工程であ
る。この人工白蟻巣埋設工程(工程1)では、白蟻用餌
部を備えた人工白蟻巣(1)(図2参照)が建造物
(T)付近の地盤に埋設される。本発明における建造物
(T)とは、白蟻の被害を受け得る各種構造物のことを
指し、例えば地下室や地下埋設管、建築物の基礎等のこ
とを指す。建造物(T)が地下室や地下埋設管の場合
(図6(a)参照)、人工白蟻巣(1)は通常その上方
地盤に埋設される。建造物(1)が建築物の基礎の場合
(図2参照)、基礎の周辺地盤に埋設される。人工白蟻
巣(1)は、白蟻用餌部を備えたものであるから白蟻が
好んで寄り付き、建造物(T)付近に生息する白蟻を集
中的に集めることができる。 【0008】白蟻処分工程(工程2)は、人工白蟻巣
(1)に集まった白蟻を処分する工程である。この白蟻
処分工程(工程2)では、人工白蟻巣(1)を地盤中か
ら取り出した後、人工白蟻巣(1)内の白蟻を処分す
る。白蟻の処分方法は、特に限定されるものではない
が、例えば、人工白蟻巣(1)を分解して白蟻のみを焼
却処分する方法や、人工白蟻巣(1)とともに白蟻を焼
却処分する方法等を挙げることができる。 【0009】人工白蟻巣(1)に建造物(T)付近の白
蟻を集め、集まった白蟻を処分することにより、建造物
(T)付近の白蟻集団すなわちコロニーの活動を低下さ
せ、建造物(T)自体に白蟻が寄り付くのを防止するこ
とができる。従って、建造物(T)に白蟻の被害が及ぶ
のを防止することができる。また、建造物(T)に既に
白蟻の被害が現れている場合には、それ以上被害が拡大
するのを防止することができる。 【0010】なお、1年のうち白蟻が最も活発に活動・
繁殖する時期は5〜7月であるため、5月初め頃に人工
白蟻巣(1)を埋設し、7月終わり頃に人工白蟻巣
(1)を地中から取り出して白蟻を処分するのが好まし
い。この場合、建造物(T)付近の白蟻を人工白蟻巣
(1)に集中的に集めて繁殖させ、その繁殖した白蟻を
一網打尽的に処理することができるから、白蟻防除の効
率が最もよい。また、人工白蟻巣(1)を取り出した孔
には新しい人工白蟻巣(1)を再度埋設し、翌年の7月
終わり頃に再度取り出して白蟻を処理し、このパターン
を毎年繰り返すのが好ましい。これは実験的に出された
結果であり、一度活動力が大幅に低下したコロニーで
は、毎年1回ずつ人工白蟻巣(1)を取り出して白蟻を
処理している限り、白蟻の活動力は増加しないという実
験結果に基づくものである。 【0011】なお、この取替えパターンを採用する場
合、放置期間中に白蟻が増加した場合に備えて、人工白
蟻巣(1)内に白蟻の増加を感知する超音波センサ(1
1)(図7参照)を設け、その検出結果を地上で確認で
きるようにしておくことが望ましい。この超音波センサ
(11)は、白蟻が部材を食害するときに出す超音波を
検出し、その検出結果に応じて白蟻の活動を判断するた
めのものである。これにより、人工白蟻巣(1)を放置
する1年の間に白蟻が増加しても、人工白蟻巣(1)を
取り出すことなくその増加状況を把握し、即座に対応す
ることができる。すなわち、白蟻の増加が認められた時
点で即座に人工白蟻巣(1)を取り出し、白蟻を処理す
ることができる。 【0012】図3は、白蟻防除方法の第2実施形態を示
すフローチャートである。図4は、この白蟻防除方法で
用いられる人工白蟻巣およびモニタ杭の配置状態を示す
平面図である。図3に示すように、白蟻防除方法の第2
実施形態は、建造物付近の地盤に人工白蟻巣を埋設する
と同時に、建造物付近の地盤にモニタ杭を複数本打設し
(工程1)、人工白蟻巣に集まった白蟻を処分する(工
程2)、というものである。 【0013】第2実施形態が第1実施形態と異なる点
は、建造物(T)付近の地盤に人工白蟻巣(1)を埋設
すると同時に、建造物(T)付近の地盤にモニタ杭
(2)を打設する点である。 【0014】モニタ杭(2)(図4参照)は、建造物
(T)付近における白蟻の活動範囲をモニタリングする
ためのものである。このモニタ杭(2)は、白蟻が食害
可能な部材からなる。従って、打設したモニタ杭(2)
を引き抜いて検査したとき、モニタ杭(2)が食害され
ていれば、白蟻がその打設箇所で活動していると判断で
きる。このモニタリングは、人工白蟻巣(1)をどの位
置に埋設するのが適当であるかの判断や、人工白蟻巣
(1)を埋設したことにより白蟻の活動範囲がどのよう
に変化したかの判断を行う場合等になされる。人工白蟻
巣(1)の位置決めに際しては、モニタ杭(2)を複数
本打設して数カ月後に抜取り検査を行う。そして、食害
が少ない打設箇所は白蟻の活動が不活発であると判断で
きるので、そこに人工白蟻巣(1)が埋設されている場
合は撤去し、食害が多い打設箇所へ移動させることがで
きる。なお、この例では、モニタ杭(2)の打設を人工
白蟻巣(1)の埋設と同時に行っているが、人工白蟻巣
(1)の埋設前にモニタ杭(2)を打設し、白蟻の活動
範囲を確認した上で人工白蟻巣(1)を埋設するように
すれば、人工白蟻巣(1)の移動作業を特に行う必要が
なくなる。 【0015】モニタ杭(2)の材質は、白蟻が食害可能
なものであれば特に限定されないが、例えば木材が用い
られ、中でも赤松材が用いられることが好ましい。これ
は、白蟻が木材の中でも特に赤松材を好むからである。
従って、モニタ杭(2)に赤松材を用いることにより、
白蟻が少ししか活動していない場合でもモニタ杭(2)
が確実に食害され、モニタリングの精度を上げることが
できる。 【0016】なお、モニタ杭(2)の打設箇所は建造物
(T)付近であればよく、その相互間隔や配列状態等は
特に限定されるものではないが、図4に示すように、建
造物(T)に沿って複数列に打設されることが好まし
い。モニタ杭(2)を建造物(T)に沿って複数列に打
設することにより、建造物(T)付近の地盤を満遍なく
モニタリングすることができ、白蟻の活動範囲を的確に
把握することができる。なお、その時のモニタ杭(2)
同士の間隔は2m程度に設定されることが好ましい。こ
れは実験的に出された値であるが、この程度の間隔とさ
れる場合、少ないモニタ杭(2)で正確なモニタリング
を行うことができる。 【0017】図5は、白蟻防除方法の第3実施形態を示
すフローチャートである。図5に示すように、白蟻防除
方法の第3実施形態は、建造物内に生息する白蟻を薬剤
を用いて駆除し(工程1)、建造物付近の地盤に人工白
蟻巣を埋設し(工程2)、人工白蟻巣に集まった白蟻を
処分する(工程3)、というものである。 【0018】第3実施形態が第1実施形態と異なる点
は、人工白蟻巣埋設前に、建造物内に生息する白蟻を薬
剤を用いて駆除する点である。 【0019】薬剤は、白蟻を駆除できるものであれば特
に限定されないが、できるだけ人体や環境に影響を及ぼ
さないものであることが望ましい。そのような薬剤とし
ては、例えばトーヨーレントレク(商品名,ケミプロ化
成株式会社製)、スミチオン(商品名,住友化学工業株
式会社製)等を挙げることができる。人工白蟻巣(1)
(図6参照)埋設前に、建造物(T)(図6参照)内に
生息する白蟻を薬剤を用いて駆除することで、建造物
(T)内に白蟻がいなくなる。ここで、建造物(T)付
近の地盤に人工白蟻巣(1)を埋設すれば、建造物
(T)付近に生息する白蟻は人工白蟻巣(1)に集めら
れるから、建造物(T)内で白蟻は繁殖しない。すなわ
ち、あらかじめ建造物(T)内の白蟻を駆除しておくこ
とで、それ以降、建造物(T)に白蟻被害が発生するの
を完全に防止することができる。 【0020】図6は、図5に示す白蟻防除方法の一例を
具体的かつ経時的に示す図である。この例では、建造物
(T)が地下埋設管で、その中にケーブル(K)を設け
た場合を示している。この例では、先端に巣採集器
(8)が設けられた押し込みロッド(11)と、先端に
薬剤噴射ノズル(9)が設けられた押し込みロッド(1
2)と、先端に超音波センサ(10)が設けられた押し
込みロッド(13)を用いる。 【0021】まず、図6(a)に示すように、押し込み
ロッド(11)を人孔(H)から挿入して白蟻の巣(本
物)(14)を採取し、白蟻の生息を確認する。次い
で、図6(b)に示すように、押し込みロッド(12)
を人孔(H)から挿入し、薬剤噴射ノズル(9)から薬
剤を白蟻の巣に噴射して、白蟻を駆除する。次いで、図
6(c)に示すように、押し込みロッド(13)を人孔
(H)から挿入し、白蟻が駆除されたかどうかを超音波
センサ(10)で確認する。そして、白蟻が完全に駆除
されていることを確認後、図6(d)に示すように、建
造物(T)上方の地盤に人工白蟻巣(1)を埋設する。
後は、定期的に人工白蟻巣(1)を取り出して内部の白
蟻を処理すればよい。 【0022】次に、人工白蟻巣の構造について説明す
る。本発明に係る人工白蟻巣(1)は、図7に示すよう
に、柱状餌部(3)と、保温用断熱部(4)と、蓋体
(5)と、容器(6)と、雨除け蓋(7)とを備えてな
るものである。 【0023】柱状餌部(3)は、白蟻の餌となる部材
(以下、餌部材と称する)(3a)から構成されてい
る。餌部材(3a)は、白蟻が好んで食べるものであれ
ば特に限定されるものではないが、通常は木材が用いら
れ、その中でも特に白蟻が好むものとして赤松材が好適
に用いられる。餌部材(3a)の形状は特に限定される
ものではないが、白蟻が地表面から200mm乃至10
00mm程度下の範囲で最もよく活動・繁殖するという
生態に基づき、通常は長さ500〜700mm程度、厚
み30〜50mmにカットしたものが用いられ、より好
ましくは長さ600mm程度、厚み40mm程度であ
る。長さが700mmより長いと、巣全体が長くなって
巣の交換時に不便であり、長さが500mmより短い
と、巣全体が短くなって白蟻を寄せつける能力が低下す
る。 【0024】柱状餌部(3)は、このような餌部材(3
a)を柱状に束ねて構成される。柱状餌部(3)の形状
は特に限定されるものではなく、円柱状、四角柱状等と
することができるが、通常は円柱状に形成される。その
場合の直径も特に限定されないが、通常は150〜30
0mm程度とされる。直径が300mmより大きいと、
巣全体が大きくなって巣を交換する際に不便であり、直
径が150mmより小さいと、柱状餌部(2)が小さく
なって白蟻を寄せつける能力が低下する。なお、人工白
蟻巣を一度交換すると、上記したようにコロニーの活動
が低下し、新しく埋設された人工白蟻巣に集まる白蟻の
数は減少する。従って、人工白蟻巣を最初に埋設する際
には、柱状餌部(3)の直径を大きく設定しておき、人
工白蟻巣を新しいものに交換する際には、その柱状餌部
(3)の直径を前回よりも小さく設定してもよい。この
場合、餌部材(3a)の使用量を抑えることができ、経
済的である。 【0025】保温用断熱部(4)は、柱状餌部(3)を
白蟻が好む温度および湿度に保つものである。この保温
用断熱部(4)は、柱状餌部(3)の側面を覆うように
設けられる。保温用断熱部(4)の材質は、特に限定さ
れるものではないが、安価かつ軽量である発泡スチロー
ルが、通常は用いられる。また、発泡スチロールは白蟻
の餌にもなるので、柱状餌部(3)とともに白蟻を寄せ
つける材料となる。また、保温用断熱部(4)は、柱状
餌部(3)の側面を囲み得るならばその形態は問わない
が、図7に示すように、複数本の棒状部材(4a)から
構成し、それら棒状部材(4a)で柱状餌部(3)の側
面を囲むようにしてもよく、また、円筒状部材として構
成し、その内周面で柱状餌部(3)を囲むようにしても
よい。また、可撓性シート材として構成し、それを柱状
餌部(3)の側面に巻き付けるようにしてもよい。 【0026】また、保温用断熱部(4)の厚みは特に限
定されるものではないが、通常は30〜60mm程度と
される。この厚みが60mmより大きいと、巣全体が大
きくなって巣の交換作業が不便となり、厚みが30mm
より小さいと、保温性および保湿性に劣り、白蟻を寄せ
つける能力が低下する。なお、このようにしてなる保温
用断熱部(4)は、通常、粗目のワイヤ籠(図示せず)
に入れられる。これにより、保温用断熱部(4)の形状
をしっかりと保持することができ、白蟻に食害されて
も、ばらける恐れがない。 【0027】蓋体(5)は、柱状餌部(3)および保温
用断熱部(4)の上端面を覆い、柱状餌部(3)を白蟻
が好む温度および湿度に保つものである。蓋体(5)の
材質は、特に限定されるものではないが、安価かつ軽量
である発泡スチロールが、通常は用いられる。また、発
泡スチロールは白蟻の餌にもなるので、柱状餌部(3)
とともに白蟻を寄せつける材料となる。また、蓋体
(5)は、柱状餌部(3)および保温用断熱部(4)の
上端面を覆い得るならばその形態は問わないが、通常は
保温用断熱部(4)の輪郭より大きい輪郭とされる。蓋
体(5)の高さは、特に限定されるものではないが、柱
状餌部(3)および保温用断熱部(4)上に載置された
状態で、通常は50mm以上地面から突出するように設
定される。蓋体(5)を地面からある程度突出させるこ
とにより、その突出された部分を持って上方へ引き抜く
ことができ、柱状餌部(3)を容易に露出させて交換す
ることができる。柱状餌部(3)および保温用断熱部
(4)の位置は、特に限定されるものではないが、通
常、その上端面が地表面から200mm程度下に位置す
るように配置される。これは、上述したように、白蟻が
この程度より深い位置で繁殖することが多いからであ
る。 【0028】容器(6)は、柱状餌部(3)および保温
用断熱部(4)を収容するためのものであり、地盤を鉛
直下向きに掘削した孔(以下、掘削孔と称する)に挿入
される。また、容器(6)は、掘削孔の崩壊を防ぐ土留
め部材でもある。容器(6)の材質は、特に限定される
ものではないが、白蟻に食害されないものであることが
好ましい。これは、容器(6)を土留め部材として半永
久的に機能させるためである。そのような部材として
は、例えば塩化ビニル樹脂を挙げることができる。容器
(6)の形状は、特に限定されるものではないが、少な
くとも白蟻侵入口が形成されるとともに、柱状餌部
(3)および保温用断熱部(4)を取り出すための取り
出し口を備えている必要がある。そのような形状として
は、例えば筒体を挙げることができ、中でも円筒体が好
適に用いられる。これは、筒体の成形が比較的容易であ
り、特に円筒体は土圧に対する強度が高いためである。
なお、容器(6)の側面には、複数の貫通孔が形成され
ていることが好ましい。この場合、その貫通孔から白蟻
が出入りすることができ、白蟻を容易に寄せつけること
ができる。容器(6)は、保温用断熱部(4)を収容で
きる大きさであればよく、通常、その内径は保温用断熱
部(4)の外径程度とされる。 【0029】雨除け蓋(7)は、柱状餌部(3)および
保温用断熱部(4)に雨水が浸入するのを防止するもの
である。白蟻は、湿気を好むが水そのものは嫌うため、
雨除け蓋(7)を設けることにより、柱状餌部(3)お
よび保温用断熱部(4)内に雨水等が浸入せず、柱状餌
部(3)および保温用断熱部(4)内を白蟻にとって好
ましい状態とすることができる。なお、雨除け蓋(7)
の材質は、耐候性を有するものであればよい。また、そ
の大きさは、容器(6)を覆いうる程度であればよい。 【0030】次に、人工白蟻巣(1)の作用について説
明する。白蟻は、餌の下方から接近し、餌の下部から食
べ始めて次第に上方へ食害範囲を広げる性質をもってい
る。人工白蟻巣(1)は、掘削孔の中に埋設される。人
工白蟻巣(1)は、柱状餌部(3)の下端面が露出した
構造になっているため、掘削孔の底面に柱状餌部(3)
の下端面が接触する。また柱状餌部(3)は、人工白蟻
巣(1)の内部に位置している。従って、白蟻は人工白
蟻巣(1)の下端部から侵入し、その下端部から上方に
伸びる柱状餌部(3)を順次食べていくことができる。
また、人工白蟻巣(1)は、柱状餌部(3)の上方およ
び側方が保温用断熱部(4)によって囲まれた構造であ
るため、柱状餌部(3)は、その温度と湿度を白蟻の好
む状態に保つことができる。このため、人工白蟻巣
(1)は、白蟻が容易に集まりやすい構造のものとな
り、建造物(T)付近の白蟻を集中的に集めることがで
きる。従って、人工白蟻巣(1)が埋設された地盤付近
の建造物には、白蟻が接近せず、白蟻による被害を防止
することができる。 【0031】また、人工白蟻巣(1)のうち、保温用断
熱部(4)および柱状餌部(3)は、白蟻がある程度繁
殖したときに掘削孔から引き抜かれ、新しいものと交換
される。蓋体(5)は、地表面からある程度突出して設
けられているので、掘削孔から容易に引き抜くことがで
きる。また、掘削孔は容器(6)によりその形状をしっ
かりと保持されているので、保温用断熱部(4)および
柱状餌部(3)を容易に引き抜くことができる。従っ
て、保温用断熱部(4)および柱状餌部(3)の交換作
業を速やかに行うことができる。なお、保温用断熱部
(4)があまり食害されていない場合には、柱状餌部
(3)のみを交換することもできる。交換された古い部
材には、白蟻が多数巣くっているので、その部材ととも
に白蟻を焼却処分すればよい。 【0032】なお、図7に示すように、人工白蟻巣
(1)内に1個または複数個の超音波センサ(11)を
取り付け、超音波センサ(11)からの情報を地上で確
認できるようにしてもよい。この場合、白蟻防除方法の
ところでも述べたように、人工白蟻巣(1)内における
白蟻の増加を、人工白蟻巣(1)を取り出すことなくモ
ニタリングすることができる。従って、柱状餌部(3)
の状態を把握するために、逐一柱状餌部(3)を引き抜
いて見る必要がなく、非常に便利である。 【0033】 【発明の効果】請求項1の発明は、白蟻用餌部を備えた
人工白蟻巣を建造物付近の地盤に埋設して建造物付近に
生息する白蟻を人工白蟻巣に誘導して集め、人工白蟻巣
内に集まった白蟻を定期的に処分する白蟻の防除方法で
あって、前記建造物が地下埋設管であり、先端に巣採取
器が設けられた押し込みロッドを地下埋設管の入孔から
挿入して白蟻の巣を採取することにより白蟻の生息を確
認し、次いで先端に薬剤噴射ノズルが設けられた押し込
みロッドを入孔から挿入して薬剤を白蟻の巣に噴射して
白蟻を駆除し、次いで先端に超音波センサが設けられた
押し込みロッドを入孔から挿入して白蟻が駆除されたか
どうか確認し、白蟻が完全に駆除されていることを確認
後、地下埋設管上方の地盤に人工白蟻巣を埋設し、定期
的に人工白蟻巣を取り出して内部の白蟻を処理すること
を特徴とする白蟻の防除方法であるから、以下の効果を
奏する。すなわち、人工白蟻巣に建造物付近の白蟻を誘
導して集め、集まった白蟻を定期的に処分することによ
り、建造物付近の白蟻集団すなわちコロニーの活動を低
下させ、建造物自体に白蟻が寄り付くのを防止すること
ができる。従って、建造物に白蟻の被害が及ぶのを防止
することができる。また、建造物に既に白蟻の被害が現
れている場合には、それ以上被害が拡大するのを防止す
ることができる。また、人工白蟻巣埋設前に、建造物内
の白蟻を薬剤を用いて駆除することで、建造物内には白
蟻がいなくなる。その後、建造物付近の地盤に人工白蟻
巣を埋設すれば、建造物付近に生息する白蟻は人工白蟻
巣に集められるから、建造物内に白蟻は半永久的に存在
しなくなる。つまり、あらかじめ建造物内の白蟻を駆除
しておくことで、それ以降、建造物に白蟻被害が発生す
るのを完全に防止することができる。 【0034】 【0035】 【0036】 【0037】 【0038】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る白蟻防除方法の第1実施形態を示
すフローチャートである。 【図2】第1実施形態で用いられる人工白蟻巣の配置状
態を示す平面図である。 【図3】本発明に係る白蟻防除方法の第2実施形態を示
すフローチャートである。 【図4】第2実施形態で用いられる人工白蟻巣およびモ
ニタ杭の配置状態を示す平面図である。 【図5】本発明に係る白蟻防除方法の第3実施形態を示
すフローチャートである。 【図6】第3実施形態の一例を具体的かつ経時的に示す
図である。 【図7】本発明に係る人工白蟻巣を示す一部断面図であ
る。 【符号の説明】 1・・・・・人工白蟻巣 2・・・・・モニタ杭 3・・・・・柱状餌部 3a・・・・・餌部材 4・・・・・保温用断熱部 5・・・・・蓋体 6・・・・・容器 11・・・・・超音波センサ T・・・・・建造物

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 白蟻用餌部を備えた人工白蟻巣を建造物
    付近の地盤に埋設して建造物付近に生息する白蟻を人工
    白蟻巣に誘導して集め、人工白蟻巣内に集まった白蟻を
    定期的に処分する白蟻の防除方法であって、前記建造物
    が地下埋設管であり、先端に巣採取器が設けられた押し
    込みロッドを地下埋設管の入孔から挿入して白蟻の巣を
    採取することにより白蟻の生息を確認し、次いで先端に
    薬剤噴射ノズルが設けられた押し込みロッドを入孔から
    挿入して薬剤を白蟻の巣に噴射して白蟻を駆除し、次い
    で先端に超音波センサが設けられた押し込みロッドを入
    孔から挿入して白蟻が駆除されたかどうか確認し、白蟻
    が完全に駆除されていることを確認後、地下埋設管上方
    の地盤に人工白蟻巣を埋設し、定期的に人工白蟻巣を取
    り出して内部の白蟻を処理することを特徴とする白蟻の
    防除方法。
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