JP3398666B2 - 電磁波導波管及びその結合構造 - Google Patents

電磁波導波管及びその結合構造

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JP3398666B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波を伝播させ
る電磁波導波管及び2つの電磁波導波管の結合構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】所定の長さの電磁波導波管を複数組み合
わせて構成される導波管回路が従来から用いられてい
る。このような導波管回路は、例えば図6に示すような
ECRプラズマ装置で用いられている。このECRプラ
ズマ装置は、プラズマが生成されるプラズマ室151
と、このプラズマ室151に連通した試料室152とを
有している。試料室152内には試料153及び試料台
154が収容される。また、試料室152には真空排気
装置155とガス導入部156とが接続されている。ま
た、電磁コイル157がプラズマ室151の周囲に配設
され、さらにマイクロ波電源158が複数の大気導波管
120と複数の真空導波管110とを相互に結合して構
成された導波管回路を介してプラズマ室151に接続さ
れている。ここに、大気導波管120及び真空導波管1
10は、管内圧力をそれぞれ大気圧で又は減圧して使用
する電磁波導波管の一形態であり、大気導波管120と
真空導波管110との間には、真空封止マイクロ波導入
窓136を介在させている。
【0003】このECRプラズマ装置の動作については
参考文献(「スパッタ型ECRプラズマ付着による導電
膜の形成」、小野他、アイオニクス第20巻第9号、P
P45〜52(1994))に詳しいが、ここでその概
略を説明する。まず、真空排気装置155により試料室
152、及びこれに連通しているプラズマ室151、真
空導波管110を10-5Pa台の高真空に排気する。続
いて、ガス導入部156から適量のガスを導入し、10
-2Pa台(例えば5〜9×10-2Pa)の圧力に調整す
る。その後、電磁コイル157に電流を流し、電子サイ
クロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance:EC
R)条件の磁場(磁束密度:875Gauss)をプラ
ズマ室151の内部に与える。続いて、マイクロ波電源
158からマイクロ波(周波数:2.45GHz)を大
気導波管120、真空封止マイクロ波導入窓136、真
空導波管110を介してプラズマ室151に導入する。
プラズマ室151ではECR条件によりガスを電離させ
てイオンを生成し、このイオンを試料室152内の試料
153上に導いて、表面加工を行う。高密度のイオン生
成と低エネルギーイオンの反応支援効果により、低損傷
の加工が可能となる。
【0004】大気導波管120については結合フランジ
を含めて参考文献(マイクロ波技術、阿部太郎著、東京
大学出版会、PP45〜79(1988))に詳しく、
JISで規格化されている。一方、真空導波管110に
ついては、電磁波を伝播させる導波管本体はJ1Sの規
格に沿っているが、他の真空導波管と結合する結合部は
導波管でもあるが真空容器でもあり、明確な規格はな
い。したがって、設計者の経験に基づいて設計、製作さ
れることが多い。経験的には真空容器としての設計が優
先される。
【0005】図7は、従来の真空導波管の結合構造を示
す断面図である。また、図8は、この真空導波管の結合
構造の一部を拡大して示す拡大断面図である。図7に示
すように、真空導波管110A,110Bは、それぞれ
の導波管本体111A,111Bの端部にフランジ11
2A,112Bを有している。フランジ112A,11
2Bの接続側の端面をフランジ面と呼ぶ。一方の真空導
波管110Aのフランジ面には、その全周にわたりOリ
ング溝115が形成されている。このOリング溝115
により、フランジのOリング溝115よりも管内側に環
状の突起116が形成される。Oリング溝115にOリ
ング131を装填した状態で、一方の真空導波管110
Aのフランジ面に他方の真空導波管110Bのフランジ
面を接触させ、ボルト132をきつく締める。これによ
り、Oリング131の弾性を活かして、外部の大気がフ
ランジ面の隙間から高真空の管内に流入することを防止
できる。
【0006】一般に、真空維持のためのOリング溝11
5については参考文献(真空ハンドブック、日本真空技
術(株)編、オーム社、PP55〜56(平成12
年))に詳しく、J1S規格により決められている。特
に、Oリング131が高真空の管内に引き込まれること
を防ぐため、突起116は安全をみてフランジ面と同一
の高さに設計される。したがって、設計どおりに作成さ
れれば、一方の真空導波管110Aの突起116が他方
の真空導波管110Bのフランジ面と密着する構造とな
る。しかし、突起116は真空排気たまり防止の観点か
ら比較的薄く加工されるので、突起116の上面の平滑
度は良好でないのが通例であり、図8に示すようにフラ
ンジ面を合わせて結合したときに不規則、不連続の微小
間隙119が生じ易い。
【0007】図9は、一般の導波管内壁における高周波
電流の流れを模式的に示す斜視図である。図中、160
は電流路、Pは導波管の結合部を示している。マイクロ
波のような電磁波を導波管内に供給すると、管内波長λ
で変化する交番電流が内壁面に流れる。この交番電流と
対応して管内には交番の磁場と電場が発生し、電磁波の
伝播が起きる。2つの導波管を結合した場合、これらが
理想的に密着していれば、図9に示すような電流路16
0が完全に確保され、大きな問題は生じない。しかし、
結合部に図8に示したような微小間隙119ができる
と、ここで電流路160が切断される。これはマクロに
は接続抵抗の増大、ミクロには接触結合されている部分
への電流集中をもたらす。この結果、結合部において電
流集中によるジュール加熱又は微小異常放電が発生し、
伝播するマイクロ波の損失、さらにOリング131の損
傷が引き起こされ、真空の維持そのものが不可能となる
恐れがある。
【0008】図10は、従来の真空導波管と大気導波管
との結合構造を示す断面図である。図7に示した構造を
有する真空導波管110Aと大気導波管120との間に
は、真空導波管110A内の真空を維持するため、誘電
体からなる真空封止マイクロ波導入窓136を介在させ
ている。しかし、図6に示したECRプラズマ装置で
は、真空側でプラズマが拡散してくるので、長時間の使
用により僅かであるが加工材料などがマイクロ波導入窓
136の表面に付着し汚染層139ができる。真空導波
管110Aの突起116上面とマイクロ波導入窓136
表面とが電気的に接触状態となっているので、真空導波
管110Aの内壁面を流れる電流が直接マイクロ波導入
窓136表面の汚染層139に流入し、汚染層139が
異常に加熱される。この結果、マイクロ波導入窓136
の破損又はOリング131の損傷により、真空度の急激
な劣化がもたらされる恐れがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の電磁波導波管では、管内圧力を減圧し真空導波管11
0として使用する場合、その結合部において真空封止と
の兼ね合いで微小間隙119ができ、接触結合されてい
る部分に電流集中による局所加熱が生じ易かった。ま
た、真空導波管110と大気導波管120との結合部で
は、両者の間に介在する真空封止マイクロ波導入窓13
6の表面にできる汚染層139に真空導波管110の壁
面電流流入し、汚染層139が異常に加熱されること
があった。このため、伝播するマイクロ波の損失、異常
加熱、マイクロ波導入窓136の破損、Oリング131
の損傷による真空の破壊など、信頼性を必要とする装置
の性能が大きく損なわれるという問題があった。本発明
は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その
目的は、信頼性高く電磁波を伝播させる電磁波導波管及
びその結合構造を実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の電磁波導波管の結合構造は、第1の
電磁波導波管のフランジ面に全周にわたり軸線方向にの
み開口し真空封止用の封止部材が充填される溝を形成
し、この溝に封止部材を装填した状態で、第1の電磁波
導波管のフランジ面と第2の電磁波導波管のフランジ面
とを結合させたときに、第1の電磁波導波管のフランジ
に溝の管内側の溝壁と管内壁とを両壁として溝の幅よ
り狭い幅で形成された環状の突起と第2の電磁波導波管
のフランジ面との間に全周にわたり間隙を有することを
特徴とする。これにより、第1及び第2の電磁波導波管
の内壁面を流れる電流は、両者の結合部では溝の周りを
迂回し、両者が全周にわたり接触結合するフランジ面を
通って流れることになる。よって、第1及び第2の電磁
波導波管の結合部において局所的に電流集中が起こるこ
とはない。
【0011】また、本発明の電磁波導波管の結合構造
は、第1の電磁波導波管のフランジ面に全周にわたり軸
線方向にのみ開口し真空封止用の封止部材が充填される
溝を形成し、この溝に封止部材を装填するとともに、第
2の電磁波導波管のフランジ面に管径より大径の凹部を
形成し、この凹部内に誘電体板を装填した状態で、第1
の電磁波導波管のフランジ面と第2の電磁波導波管のフ
ランジ面とを結合させたときに、第1の電磁波導波管の
フランジ面に溝の管内側の溝壁と管内壁とを両壁として
溝の幅より狭い幅で形成された環状の突起と誘電体板の
表面との間に全周にわたり間隙を有することを特徴とす
る。これにより、仮に誘電体板の表面に汚染層ができて
いても、その汚染層に第1及び第2の電磁波導波管の内
壁面を流れる電流が流入して加熱することはない。
【0012】これらの電磁波導波管の結合構造におい
て、第1の電磁波導波管のフランジ面と第2の電磁波導
波管のフランジ面との間に、導電性を有するガスケット
が挿入されていてもよい。これにより、フランジ面に傷
や変形などができたときでも、他の導波管のフランジ面
との間に間隙を作らずに締結することができる。
【0013】また、本発明の電磁波導波管は、フランジ
の接続側の端面(フランジ面)に全周にわたり軸線方向
にのみ開口し真空封止用の封止部材が充填される溝が形
成された電磁波導波管であって、溝の管内側の溝壁と管
内壁とを両壁として溝の幅より狭い幅で形成された環状
の突起の高さが、全周にわたり端面より低いことを特徴
とする。このような構成とすることにより、上述した電
磁波導波管の結合構造を実現することができる。ここ
で、突起を、溝の深さの1/2より高くしてもよい。こ
れにより、電磁波導波管の管内圧力が減圧されている場
合に、溝に挿入された封止部材が管内に引き込まれるこ
とを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
電磁波導波管及びその結合構造の実施の形態について詳
細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形
態である真空導波管の構成を示す図である。この図に示
されている真空導波管10Aは、導波管本体11Aの管
内が電磁波を伝播させる導波路となる。図1(b)に示
すように、導波管本体11Aの端部には、外側に張り出
したフランジ12Aが設けられている。このフランジ1
2Aの接続側の端面をフランジ面13Aと呼ぶ。導波管
本体11A及びフランジ12Aからなる真空導波管10
Aは、SUS304で形成されているものとする。
【0015】図1(a)に示すように、フランジ面13
Aには、導波路開口14Aに沿って全周にわたり軸線方
向のみに開口するOリング溝15Aが形成されている。
Oリング溝15Aの深さ、言い換えれば図1(c)に示
すOリング溝15Aの底面を基準にしたフランジ面13
Aの高さH13は、JIS規格の3mmとする。Oリング
溝15Aにより、フランジ面13AのOリング溝15A
よりも導波路側に環状の突起16Aが形成される。突起
16Aの厚さは0.5mmとする。また、突起16A
は、図1(b)に示すように、全周にわたりフランジ面
13Aより低い高さに設計される。図1(c)に示すよ
うに、Oリング溝15Aの底面を基準とした突起16A
の高さをH16とすると、突起16Aとフランジ面13A
との高さの差はh=H13−H16となる。hは0.1mm
程度でよいが、突起16Aの上面を平滑に加工する際の
誤差を考慮すると、実際には0.3mm程度以上必要で
ある。ここでは、hを0.5〜1mmの範囲の一定の寸
法とする。なお、図1(a)に示すように、フランジ1
2Aの外周部には、ボルトを通すための挿通孔17Aが
複数形成されている。
【0016】次に、図2を参照して、図1に示した真空
導波管(第1の電磁波導波管)10Aと他の真空導波管
(第2の電磁波導波管)10Bとを結合させる手順を説
明する。まず真空導波管10AのOリング溝15Aに封
止部材としてOリング31を装填する。Oリング31
は、弾性を有する絶縁材料で形成され、その太さがOリ
ング溝15Aの深さよりもやや大きいものが使用され
る。ここではOリング31としてJIS−V85(太さ
4mm、バイトン)を使用する。
【0017】次いで、真空導波管10Bの平坦なフラン
ジ面に真空導波管10Aのフランジ面を接触させる。こ
の状態で、真空導波管10Aのフランジ12Aに形成さ
れた挿通孔17Aから真空導波管10Bのフランジ12
Bに形成されたネジ穴17Bにボルト32を通し、この
ボルト32をきつく締める。このようにして2つの真空
導波管10A,10Bを締結すると、上述したように真
空導波管10Aでは突起16Aの高さがフランジ面13
Aよりhだけ低いので、真空導波管10Bの平坦なフラ
ンジ面(以下、対向フランジ面と呼ぶ)との間に、図2
に示すように全周にわたり間隔が0.5〜1mmの範囲
の一定寸法の間隙33ができる。
【0018】このような結合構造を有する導波管の管内
圧力を減圧した状態で、導波管にマイクロ波を供給した
場合について説明する。まず、Oリング溝15Aの深さ
(フランジ面13Aの高さH13)が3mmであるのに対
して、突起16Aの高さH16が2〜2.5mmであるの
で、導波管の外部が大気圧であり管内が高真空であって
も、Oリング溝15Aに装填されたOリング31が管内
に引き込まれることはない。よって、Oリング31の弾
性を活かして、外部の大気がフランジ面の隙間から高真
空の管内に流入することを防止できる。また、Oリング
31の真空側は間隙33を通して良く排気されるので、
良質の真空環境維持にも適している。なお、Oリング3
1の引き込み防止の観点から言えば、突起16Aの高さ
16はOリング溝15Aの深さ(フランジ面13Aの高
さH13)の1/2より高ければよい。したがって、突起
16Aとフランジ面13Aとの高さの差hはフランジ面
13Aの高さH13の1/2未満であればよい。
【0019】一方、真空導波管10Aの突起16Aと真
空導波管10Bの対向フランジ面との間には全周にわた
り間隙33が存在するので、両者が直接接触することは
ない。このため、真空導波管10A,10Bの内壁面を
流れる電流は、両者の結合部では図2に示すようにOリ
ング溝15Aの周りを迂回し、両者のフランジ面を通っ
て流れることになる。真空導波管10Aのフランジ面1
3Aと真空導波管10Bのフランジ面とは全周にわたり
接触結合しているので、両者の結合部において局所的に
電流集中が起こることはない。
【0020】また、間隙33の間隔は0.5〜1mmと
広く、突起16Aと対向フランジ面との間にできるキャ
パシタンスは小さいので、例えば10-2Pa台の圧力下
で1kWのマイクロ波を供給しても、突起16Aと対向
フランジ面との間で微小異常放電は起こらない。したが
って、電流集中による局所加熱と微小異常放電とがもた
らすマイクロ波の損失を低減できる。また、Oリング3
1の受ける損傷が抑制されるので、導波管内の真空を長
時間維持することが可能となる。
【0021】実際に図2に示した結合構造を有する導波
管を、図6に示したようなECRプラズマ装置の真空導
波管に適用した。ここでは真空導波管10Aを、導波路
内寸96×27mmの2.45GHz用TE01モード
とした。真空導波管10Aの形成材料と各部の寸法等は
上述したのと同じである。ECRプラズマ装置におい
て、Arガスを15sccmの流量で導入し、圧力を8
×10-2Paに維持した。この状態で、2.45GHz
のマイクロ波1kWを投入して連続動作させた。従来で
あれば、このような条件下で数時間程度動作させただけ
で、2つの真空導波管110A,110Bの結合部が高
温になることがあったが、本実施の形態では数100時
間以上動作させても、2つの真空導波管10A,10B
の結合部が異常に加熱されることなく、極めて安定的に
運転することができた。
【0022】(第2の実施の形態)図3は、本発明の第
2の実施の形態である導波管の結合構造を示す断面図で
ある。この図には、図2と同一部分又は相当部分に同一
符号が付されている。本実施の形態では、真空導波管1
0Aのフランジ面と真空導波管10Bのフランジ面との
間に、ガスケット34が挿入されている。ガスケット3
4としては、フランジ12A,12Bの形成材料である
SUS材よりも柔らかい導電性材料、例えば厚さ0.1
mmのCu箔などが用いられる。
【0023】ガスケット34は次のようにして装着され
る。すなわち、真空導波管10AのOリング溝15Aに
Oリング31を装填し、フランジ面13Aの外周部分す
なわちOリング溝15Aより外側の部分にガスケット3
4を配置する。そして、真空導波管10Aのフランジ面
13Aにガスケット34を介して他の真空導波管10B
のフランジ面を対向配置し、両者をボルト32で締結す
る。これにより図3に示すような結合構造が得られる。
【0024】フランジ12A,12Bの形成材料である
SUS材は固いので、長期の反復使用などにより傷や変
形ができたときに、これらによる間隙をボルトの締結力
のみで無くして締結するのは非常に難しく、マイクロ波
の漏洩や異常加熱の原因となる場合があった。これに対
し、本実施の形態では、ボルト32を極端に強く締めな
くても、SUS材より柔らかいCu箔からなるガスケッ
ト34によりフランジ12A,12Bの間にできる間隙
を埋め、マイクロ波の漏洩や異常加熱の発生を抑制する
ことができる。なお、Cuは良導体であるから、Cu泊
からなるガスケット34により真空導波管10A,10
Bの結合部で電流の流れが阻害されることはない。
【0025】実際に図3に示した結合構造を有する導波
管を、図6に示したようなECRプラズマ装置の真空導
波管に適用した。動作条件は第1の実施の形態と同じで
ある。図3に示した結合構造では、ボルト32を強く締
める必要がないので長期間繰り返し使用してもフランジ
12A,12Bに大きな変形は生じず、また真空導波管
10A,10Bを締結する度にガスケット34を交換す
れば初期の性能を維持できるので、極めて経済的であっ
た。
【0026】(第3の実施の形態)図4は、本発明の第
3の実施の形態である導波管の結合構造を示す断面図で
ある。この図には、図1に示した構造を有する真空導波
管(第1の電磁波導波管)10Aと大気導波管(第2の
電磁波導波管)20とが真空封止マイクロ波導入窓36
を介して結合された構造が示されており、図2,図3と
同一部分又は相当部分に同一符号が付されている。
【0027】大気導波管20のフランジ面には、導波路
開口の径(すなわち管径)より大径の凹部25が形成さ
れている。この凹部25にマイクロ波導入窓36を装填
する。マイクロ波導入窓36は、真空導波管10A内の
真空を維持しつつマイクロ波の導入を可能とするもの
で、石英などからなる誘電体板が用いられる。ここでは
寸法105×36×10mmの石英板がマイクロ波導入
窓36として用いられるものとする。石英は良好な誘電
体で誘電損が非常に小さいので、マイクロ波が通過して
もマイクロ波の損失や異常な加熱は生じない。
【0028】また、真空導波管10AのOリング溝15
AにOリング31を装填し、フランジ面13Aの外周部
分にガスケット34を配置した状態で、真空導波管10
Aのフランジ12Aと大気導波管20のフランジ22と
をボルト32で締結する。真空導波管10Aでは突起1
6Aの高さがフランジ面13Aよりhだけ低いので、マ
イクロ波導入窓36の平坦な表面との間には、図4に示
すように全周にわたり間隔が0.5〜1mmの範囲の一
定寸法の間隙37ができ、両者が電気的に接触状態とな
ることはない。このため、仮にマイクロ波導入窓36の
真空導波管10A側表面に汚染層ができていても、その
汚染層に真空導波管10Aの内壁面を流れる電流が流入
し、汚染層が加熱されることを防止できる。したがっ
て、汚染層の加熱により引き起こされるマイクロ波導入
窓36の破損又はOリング31の損傷を抑制し、真空度
を維持できる。
【0029】このため、マイクロ波導入窓36の汚染層
そのものの吸収によるマイクロ波損失に応じてマイクロ
波導入窓36を交換すればよいので、動作時間の大幅な
改善を実現できる。また、マイクロ波導入窓36の真空
導波管10A側表面にはOリング31のみが接触する構
造となるので、締結時の損傷防止や使用時の加熱膨張に
よる応力の開放にも極めて効果がある。
【0030】(第4の実施の形態)図5は、本発明の第
4の実施の形態である導波管の結合構造を示す断面図で
ある。この図には、2つの真空導波管(第1,第2の電
磁波導波管)10C,10Dの結合構造が示されてお
り、図2,図3と同一部分又は相当部分に同一符号が付
されている。
【0031】フランジ面にOリング溝15Cが形成され
ている真空導波管10Cでは、突起16Cはフランジ面
と同一の高さに設計されている。しかし、この真空導波
管10Cの結合対象である真空導波管10Dのフランジ
面には、真空導波管10Cの突起16Cと対向する領域
が後退して切り欠き部18が形成されている。この切り
欠き部18の高さは、第1の実施の形態で示した突起1
6Aとフランジ面13Aとの高さの差hと同程度でよ
い。したがって、2つの真空導波管10C,10Dのフ
ランジ面を対向させて両者をボルト32で締結すると、
真空導波管10Cの突起16Cと真空導波管10Dの対
向面との間に間隙38ができる。このようにして間隙3
8を形成しても、第1の実施の形態と同様の効果が得ら
れる。
【0032】以上では、本発明をECRプラズマ装置に
適用した場合について言及したが、本発明はECRプラ
ズマ装置以外の電子装置用薄膜加工装置や、通信装置、
食品加工装置などにも適用できる。また、本発明の第1
〜第4の実施の形態で挙げた導波管及びその結合構造の
形成材料及び寸法は一例にすぎず、本発明はこれに限定
されない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電磁波導
波管の結合構造は、第1の電磁波導波管のフランジ面
溝の管内側の溝壁と管内壁とを両壁として溝の幅より狭
い幅で形成された環状の突起と第2の電磁波導波管のフ
ランジ面との間に全周にわたり間隙を有している。これ
により、第1及び第2の電磁波導波管の内壁面を流れる
電流は、両者の結合部では溝の周りを迂回し、両者が全
周にわたり接触結合するフランジ面を通って流れること
になる。よって、第1及び第2の電磁波導波管の結合部
において電流集中は起こらないので、電流集中による局
所加熱がもたらすマイクロ波の損失及び封止部材の損傷
が抑制される。したがって、信頼性高く、長時間安定し
て動作させることができる。
【0034】また、本発明の電磁波導波管の結合構造
、第1の電磁波導波管のフランジ面に溝の管内側の溝
壁と管内壁とを両壁として溝の幅より狭い幅で形成され
た環状の突起と誘電体板の表面との間に全周にわたり間
隙を有している。これにより、仮に誘電体板の表面に汚
染層ができていても、その汚染層に第1及び第2の電磁
波導波管の内壁面を流れる電流が流入して加熱すること
を防止できる。よって、汚染層の加熱による誘電体板の
破損又は封止部材の損傷を抑制して、動作時間の大幅な
改善を実現できる。
【0035】また、本発明の電磁波導波管は、溝の管内
側の溝壁と管内壁とを両壁として溝の幅より狭い幅で
成された環状の突起の高さが、全周にわたり端面より低
くなっている。このような構成の電磁波導波管を用いる
ことにより、上述した電磁波導波管の結合構造を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態である真空導波管
の構成を示す図である。この図において、(a)はフラ
ンジ面の平面図、(b)は(a)におけるIb−Ib′線方
向の断面図、(c)は(b)に示された断面の要部を拡
大して示す拡大断面図である。
【図2】 図1に示した真空導波管と他の真空導波管と
の結合構造を示す断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態である導波管の結
合構造を示す断面図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態である導波管の結
合構造を示す断面図である。
【図5】 本発明の第4の実施の形態である導波管の結
合構造を示す断面図である。
【図6】 一般的なECRプラズマ装置の構成を示す断
面図である。
【図7】 従来の真空導波管の結合構造を示す断面図で
ある。
【図8】 図7に示した真空導波管の結合構造の一部を
拡大して示す拡大断面図である。
【図9】 一般の導波管内壁における高周波電流の流れ
を模式的に示す斜視図である。
【図10】 従来の真空導波管と大気導波管との結合構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
10A〜10D…真空導波管、11A,11B,21…
導波管本体、12A,12B,22…フランジ、13A
…フランジ面、14A…導波路開口、15A,15C…
Oリング溝、16A,16C…突起、17A…挿通孔、
17B…ネジ穴、18…切り欠き部、20…大気導波
管、25…凹部、31…Oリング、32…ボルト、3
3,37,38…間隙、34…ガスケット、36…真空
封止マイクロ波導入窓、151…プラズマ室、152…
試料室、153…試料、154…試料台、155…真空
排気装置、156…ガス導入部、157…電磁コイル、
158…マイクロ波電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥留川 洋一 東京都三鷹市下連雀四丁目16番30号 エ ヌ・ティ・ティ・アフティ株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−224101(JP,A) 特開 昭53−136940(JP,A) 特開 昭58−47301(JP,A) 実開 平3−28801(JP,U) 実開 昭62−155501(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/04 H01P 1/08 H05B 6/70

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電磁波導波管のフランジ面に全周
    にわたり軸線方向にのみ開口し真空封止用の封止部材が
    充填される溝を形成し、この溝に前記封止部材を装填し
    た状態で、前記第1の電磁波導波管のフランジ面と第2
    の電磁波導波管のフランジ面とを結合させた電磁波導波
    管の結合構造において 記第1の電磁波導波管のフランジ面に前記溝の管内側
    の溝壁と管内壁とを両壁として前記溝の幅より狭い幅で
    形成された環状の突起と前記第2の電磁波導波管のフラ
    ンジ面との間に全周にわたり間隙を有することを特徴と
    する電磁波導波管の結合構造。
  2. 【請求項2】 第1の電磁波導波管のフランジ面に全周
    にわたり軸線方向にのみ開口し真空封止用の封止部材が
    充填される溝を形成し、この溝に前記封止部材を装填す
    るとともに、第2の電磁波導波管のフランジ面に管径よ
    り大径の凹部を形成し、この凹部内に誘電体板を装填し
    た状態で、前記第1の電磁波導波管のフランジ面と第2
    の電磁波導波管のフランジ面とを結合させた電磁波導波
    管の結合構造において 記第1の電磁波導波管のフランジ面に前記溝の管内側
    の溝壁と管内壁とを両壁として前記溝の幅より狭い幅で
    形成された環状の突起と前記誘電体板の表面との間に全
    周にわたり間隙を有することを特徴とする電磁波導波管
    の結合構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電磁波導波管の結
    合構造において、 前記第1の電磁波導波管のフランジ面と前記第2の電磁
    波導波管のフランジ面との間に、導電性を有するガスケ
    ットが挿入されていることを特徴とする電磁波導波管の
    結合構造。
  4. 【請求項4】 管内に電磁波を伝播させる導波管本体の
    端部にフランジを有し、このフランジの接続側の端面に
    全周にわたり軸線方向にのみ開口し真空封止用の封止部
    材が充填される溝が形成された電磁波導波管において、 前記溝の管内側の溝壁と管内壁とを両壁として前記溝の
    幅より狭い幅で形成された環状の突起の高さは、全周に
    わたり前記端面より低いことを特徴とする電磁波導波
    管。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電磁波導波管において、 前記突起は、前記溝の深さの1/2より高いことを特徴
    とする電磁波導波管。
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