JP3398636B2 - 直交周波数分割多重方式受信機の初期周波数同期装置及びその方法 - Google Patents

直交周波数分割多重方式受信機の初期周波数同期装置及びその方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直交周波数分割多
重方式(OFDM)受信機に係り、具体的には、直交周
波数分割多重方式受信機における初期周波数同期装置及
びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、従来の直交周波数分割多重方式
(Orthogonal Frequency Div
ision Multiplexing、以下、OFD
M)受信機の構造を示すブロック図である。図1を参照
すると、従来のOFDM受信機は、OFDM復調部10
及び、初期周波数同期部12を備える。前記OFDM復
調部10は、RF受信部101、A/D(アナログ/デ
ジタル)変換部102、I/Q分離部103、周波数オ
フセット補正部104、高速フーリエ変換部(以下、F
FT部)105及び、ビタビデコーダ106を備える。
前記初期周波数同期部12は、レジスター121、複素
データ掛け算器122、逆高速フーリエ変換部(以下、
IFFT部)123、最大値検出器124、カウンター
125及び、基準シンボル発生部126を備える。
【0003】以下、上記のような受信機の動作について
述べる。先ず、RF受信部101は、RF電波を受信し
てRF信号を出力する。A/D変換部102は、RF信
号の量子化を行う。I/Q分離部103は、量子化され
たRF信号からI(in−phase)信号とQ(qu
adrature)信号とを分離する。周波数オフセッ
ト補正部104は、周波数オフセットを補正する。FF
T部105は、周波数オフセット補正された信号を入力
して高速フーリエ変換処理することにより復調を行う。
ビタビデコーダ106は、復調された信号をデコードす
る。
【0004】一方、復調されたシンボルは、初期周波数
同期部12のレジスター121に格納されてから、受信
シンボルXとして出力される。基準シンボル発生器12
6から出力される基準シンボル(reference
symbol)はZとする。受信されたシンボルがw分
のフレーム同期のオフセットを有する場合、X及びZの
k番目の信号をそれぞれXk及びZkとしたとき、
【数4】 の関係が成立つ。複素データ掛け算器122は、Xk
共役値にZkの共役値を掛ける。複素データ掛け算器1
22から出力された信号は、IFFT部123にて逆高
速フーリエ変換処理され、結果として信号hn
【数5】 が出力される。
【0005】送信信号Zkに対して周波数オフセットの
整数倍Δfiが含まれた受信信号Xkは、
【数6】 のように表現可能なことから、上記数5の式は、
【数7】 のように表すことができる。上記数7の式の結果は、時
間領域において両信号のコンボルーションを求める過程
と同様であり、該結果値hnはチャネルインパルス応答
(Channel Impulse Respons
e:CIR)である。
【0006】このように、周波数領域における基準シン
ボルを知っているOFDMシステムにおいては、伝送さ
れる基準シンボルを使ってCIRを求めることができ
る。ここで、もし送信信号Zkがkに対して相関関係の
ない、例えば、PN信号列(Pseudo Noise
Sequence)である場合、上記数7の式の結果
は周波数オフセットΔfiが0のときに限って最大のピ
ーク値が存在し、そうでない場合には極めて低い値をも
つ雑音性の値の羅列が生じることが解る。この関係を用
い、初期周波数同期部12は受信信号をΔfiに対して
シフトさせ、最大値検出器124は上記数7の式から最
大のピーク値を検出する。カウンター125は、最大の
ピーク値が発生するシフト量Δfiを求める。シフト量
Δfiは検出しようとする周波数オフセットの整数倍に
該当するオフセット値F0となる。この関係は、
【数8】 のように表すことができる。ここで、Zは基準シンボル
を表し、XRは受信された基準シンボルXのk番目の副
搬送波Xkを周波数領域にてΔfiだけシフトさせたシン
ボル
【数9】 を表す。
【0007】前記のような従来のOFDM受信機におけ
る初期周波数同期方法は、理論からも、実際からも、チ
ャネルの環境やフレーム同期のオフセットによらずほと
んどの場合に精度良い周波数オフセットを推定すること
ができる。しかし、前記方法は計算量が多すぎるという
短所がある。その結果、与えられた短時間内に精度良い
周波数オフセットを推定すべく、極めて複雑なIFFT
モジュールを採択しなければならない問題があった。し
かも応答時間が長いことから、時間遅延が過度に生じる
という問題もあった。
【0008】次に、この問題を解決するために提案され
た従来の他の初期周波数同期方法について述べる。先
に、相関値及び遅延相関帯域幅について詳細に述べてお
く。受信信号の周波数オフセットの影響をみるため、受
信信号のk番目の副搬送波の周波数をfk+foffと仮定
する。ここで、fkは副搬送波の周波数であり、foff
実際の周波数オフセットである。周波数オフセットは、
副搬送波周波数間隔の倍数を単位として表される。一般
に、周波数オフセットは、副搬送波周波数間隔の整数倍
に該当するオフセットと、小数倍に該当するオフセット
とに分けられて個々に処理される。そこで、fk+foff
のそれぞれの項を次のように定義することができる。
【数10】 ここで、Δfは、副搬送波の周波数オフセットを副搬送
波周波数間隔の倍数として表した数であり、さらにΔf
は、整数であるΔfiと、−1/2<Δff<1/2の条
件を満たす小数との合計にて表される。この条件下で、
n番目のシンボルの受信シンボルは以下の通りである。
但し、数式展開の便利のため、雑音は存在しないと仮定
した。
【数11】 ここで、Cn..kは周波数領域におけるn番目のシンボル
のk番目の伝送シンボルを表し、NはOFDM副搬送波
の総数を表す。
【0009】一方、周波数オフセットの内、整数倍の周
波数オフセットが0の場合(Δfi=0)、復調信号C
^′n,pは以下のように表すことができる。
【数12】
【0010】上記式の最後行に示されたように、復調信
号C^′n.pは整数kに応じて計算される。従って、小
数倍の周波数オフセットが0であれば(Δff=0)、
復調信号C^′n.pはk=pの周波数でのみ出力が存在
し、他の周波数では出力が0となる。すなわち、周波数
間の直交性が保たれる。しかし、周波数オフセットが0
でなければ(Δff≠0)、k=pの周波数においても
復調信号C^′n.pの大きさが減少するだけでなく、他
の周波数においても0でない復調信号C^′n.pの出力
が発生することになる。この現象は、副搬送波間の干渉
を起こし、チャネル間干渉(Inter Channe
l Interference:ICI)の要因とな
る。次に、下記数13の式により、上記数11の式の受
信信号から復調信号C^′n.pを得る。
【数13】
【0011】この結果は、副搬送波周波数の整数倍に該
当する周波数オフセットをΔfiとしたとき、復調され
るべき信号が−Δfi分シフトされて復調されることを
表す。ここで、上記数13の式は離散フーリエ変換(D
FT:Discrete Fourier Trans
form)の過程を含んでおり、シフトされた復調は循
環的シフトを通じて行われる。
【0012】従って、従来の他の初期周波数同期方法に
よると、周知の基準シンボル及び受信信号をシンボル期
間だけ循環的にシフトさせながら相関値をとり、相関値
が最大となるシフト量を周波数オフセットの整数倍に該
当する量に決める。この関係式は以下の通りである。
【数14】
【0013】ここで、((k+d))Nはモジューロ−
N(modulo−N)加算演算を表し、X(k)は離散フー
リエ変換処理後のk番目の受信信号を表し、Z(k)は
k番目の位相基準信号を表す。また、X(k)及びZ
(k)は両方とも周波数領域における信号である。とこ
ろが、この方法は、フレーム同期がなされてない限り、
周波数オフセットの補正ができない問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みて成されたものであり、その目的は、少ない回数の計
算により安定した周波数同期が行えるような直交周波数
分割多重方式受信機の初期周波数同期装置を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、前記装置により具現さ
れる初期周波数同期方法を提供することである。本発明
のさらに他の目的は、少ない回数の計算により安定した
周波数同期が行えるような直交周波数分割多重方式受信
機を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記諸目的を成し遂げる
ために、本発明に係る直交周波数分割多重方式受信機の
初期周波数同期装置は、復調されたシンボルX(k)を
受信して所定のシフト量dだけ循環的にシフトさせ、シ
フトされたシンボルX(k+d)を出力するバッファ
と、基準シンボルZ(k)を発生する基準シンボル発生
部と、シフト量dをカウントするカウンターと、シフト
されたシンボルX(k+d)及び基準シンボルZ(k)
を入力して、Nを副搬送波の総数、所定のシフト量dは
−2/Nと2/Nとの間に該当するとしたとき、K個の
分割帯域に対して部分相関値として
【数15】 を計算する部分相関値計算部と、前記部分相関値が最大
となるシフト量dを求めて、推定された初期周波数オフ
セット値として出力する最大値検出部とを含むことを特
徴とする。
【0016】さらに、前記分割帯域の個数Kは、フレー
ム同期に保障できる時間同期オフセットをToffとした
とき、2×Toff以内に設定されることが好ましい。
【0017】さらに、前記他の目的を成し遂げるため
に、本発明に係る直交周波数分割多重方式受信機の初期
周波数同期方法は、(a)復調されたシンボルX(k)
を受信するステップと、(b)復調されたシンボルX
(k)を所定のシフト量dだけ循環的にシフトさせ、シ
フトされたシンボルX(k+d)を出力するステップ
と、(c)基準シンボルZ(k)を発生するステップ
と、(d)シフト量dをカウントするステップと、
(e)シフトされたシンボルX(k+d)及び基準シン
ボルZ(k)を入力して、Nを副搬送波の総数、所定の
シフト量dは−2/Nと2/Nとの間に該当するとした
とき、K個の分割帯域に対し部分相関値として
【数16】 を計算するステップと、(f)前記部分相関値が最大と
なるシフト量dを求めて、推定された初期周波数オフセ
ットとして出力するステップとを含むことを特徴とす
る。
【0018】さらに、前記さらに他の目的を成し遂げる
ために、本発明に係る直交周波数分割多重方式受信機
は、復調されたシンボルX(k)を受信して所定のシフ
ト量dだけ循環的にシフトさせ、シフトされたシンボル
X(k+d)を出力するバッファと、基準シンボルZ
(k)を発生する基準シンボル発生部と、シフト量dを
カウントするカウンターと、シフトされたシンボルX
(k+d)及び基準シンボルZ(k)を入力して、Nを
副搬送波の総数、所定のシフト量dは−2/Nと2/N
との間に該当するとしたとき、K個の分割帯域に対し部
分相関値として
【数17】 を計算する部分相関値計算部と、前記部分相関値が最大
となるシフト量dを求めて、推定された初期周波数オフ
セットとして出力する最大値検出部とを含むことを特徴
とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面に基づき、
本発明による直交周波数分割多重方式受信機における初
期周波数同期装置及び該方法の好適な実施形態について
詳細に説明する。
【0020】本発明の実施形態による初期周波数同期装
置は、直交周波数分割多重方式を用いるデジタル音声放
送(Digital Audio Broadcast
ing:DAB)システムに適用された場合に該当す
る。この場合において、受信信号と位相基準信号との遅
延相関帯域幅について述べる。一般に、チャネルの相関
帯域幅とは、あるチャネルが‘平らな’、すなわち、全
てのスペクトル要素に対し、近似的に同じ利得及び位相
差を持つように通過させるチャネルと見なせる、統計的
に測定された周波数帯域を言う。言い換えれば、ある帯
域内において任意の相異なる2つの周波数成分が互いに
強い相関関係をもつ周波数帯域をチャネルの相関帯域と
いう。チャネルの相関帯域をBcとしたとき、Bcより周
波数間隔が遠く離れた2つの正弦波信号はチャネルにお
いて相異なる影響を受ける。従って、この2つの正弦波
信号間には、相関関係が保障できないことを意味する。
【0021】時間領域において遅延関係のある同じ両信
号を離散フーリエ変換処理し、変換された両信号に対し
て周波数領域において相互相関値を求めるとき、両信号
の相互相関関係が保たれる周波数区間が存在する。この
周波数区間は、遅延相関帯域幅と定義される。この関係
を、前述したチャネルの相関帯域と同じ概念から説明す
ると、遅延相関帯域幅に該当する周波数帯域内において
両信号は常時互いに強い相関関係を持つ。
【0022】直交周波数分割多重方式システムにおいて
時間領域信号をz(t)とし、z(t)のToff分のフ
レーム同期のオフセットをもつ遅延到着された信号をz
(t+Toff)とする。また、信号z(t)を離散フー
リエ変換処理した周波数領域の信号をZ(k)としたと
き、信号z(t+Toff)を離散フーリエ変換した周波
数領域の信号は、
【数18】 のように表すことができる。ここで、数式展開の便宜の
ため、雑音及び周波数オフセットはないと仮定した。ま
た、Nは副搬送波の総数を表す。
【0023】一方、遅延相関帯域幅は、前述したよう
に、任意の周波数帯域内において両信号が常時互いに強
い相関関係をもつ帯域として定義する。すなわち、任意
の周波数帯域B内において両信号Z(k)及び
【数19】 の相互相関値が常時臨界値以上である最大の帯域大きさ
Bが遅延相関帯域幅である。この関係は、
【数20】 のように表される。ここで、Tcは臨界値であり、Nは
副搬送波の総数である。
【0024】もし、OFDM信号において|Z(k)|
=1を満たすなら、上記数20の式の左辺は、
【数21】 のように整理される。この条件は、DABシステムの場
合に該当する。
【0025】上記式は積分区間の開始位置mが含まれて
いて、フレーム同期のオフセットT offと積分区間Kと
の関係が不明である。従って、先ず、上記数21の式が
積分区間の開始位置mに独立した式として整理可能であ
り、結果式は、
【数22】 の通りである。
【0026】また、上記数22の式を上記数10の式に
適用すると、フレーム同期のオフセットの変化による遅
延相関帯域幅は、
【数23】 のように求めることができる。上記数23の式の左辺で
は、最大帯域Bに対して原シンボルZ(t)と遅延され
たシンボルz(t+Toff)との相互相関値を求める。
すなわち、遅延相関帯域幅は、上記式のように、時間同
期のオフセットToffをもつ信号と原信号との相関値が
常時臨界値Tcより大きい値をもつ最大帯域Bを意味す
る。
【0027】図2は、コンピュータシミュレーションを
通じて得た結果を示すグラフである。前記グラフには、
時間同期オフセットを持つ信号と原信号との時間同期オ
フセット量による遅延相関帯域幅との関係が示してあ
る。図2を参照すれば、帯域幅を副搬送波間隔の倍数に
て表現しており、チャネルの全体帯域は1024とし
た。さらに、相関帯域幅臨界値をそれぞれ0.2、0.
5、0.9及び0.99に設定したとき、時間同期オフ
セットのない場合から、時間同期オフセットのある場合
の遅延相関帯域幅を100.0サンプルまでに対して求
めた。グラフから明らかなように、相関帯域幅臨界値を
上げるほど、遅延相関帯域幅は狭くなる。
【0028】また、図2においては、時間遅延要素が相
関帯域幅と逆数関係にあることを参考するため、時間遅
延要素である時間同期オフセットToffと相関帯域幅と
の関係を示した。前記関係は、グラフでBW/2Toff
として参照される。BW/2Toffとして参照された関
係を調べると、時間同期オフセットによる帯域幅の変化
が相関帯域幅臨界値Tcを0.5としたときの帯域幅の
変化と似ている。従って、本発明においては、遅延相関
帯域幅を
【数24】 に近似化して用いる。
【0029】一方、数14の式において位相基準信号Z
(k)の逆高速フーリエ変換された信号z(t)を基準
信号とし、信号X(k)の逆高速フーリエ変換された信
号T offをΔt分の時間遅延、すなわち、フレーム同期
のオフセットを持つと仮定する。この場合、前述した関
係により、フレーム同期のオフセットΔtと周波数軸遅
延相関帯域と逆数の関係が成立つ。この関係は、フレー
ム同期のオフセットが大きいほど、周波数軸遅延相関帯
域幅は縮まることを意味する。
【0030】本発明による初期周波数同期方法は、基本
的に基準信号間の相関値を用いた初期周波数同期に基づ
く。この方法によると、相互相関値を求めるとき、積分
区間は時間同期のオフセットを持つ受信シンボル及び基
準シンボルにより得られる遅延相関帯域幅より小さく設
定する。すなわち、シフトされた受信シンボル及び基準
シンボルに対する相互相関値を求めるとき、積分区間を
両信号の遅延相関帯域幅以内に縮めて多数の小ブロック
に分けた積分区間に対して部分相関値を得た後、平均ま
たは合計を取る。これにより、受信シンボルと基準シン
ボルとの間におけるフレーム同期のずれにより生じる無
相関帯域が排除され、結果として相互相関関数値が常時
意味を持つことになる。従って、フレーム同期で保障で
きる時間同期のオフセット範囲内においては、初期周波
数同期が比較的に精度よく行われる。この原理が本発明
による初期周波数同期装置及び方法に適用される。
【0031】図3は、本発明の実施形態による初期周波
数同期装置を備えた直交周波数分割多重方式受信機の構
造の一例を示すブロック図である。図3を参照すると、
前記OFDM受信機は、OFDM復調部30及び、周波
数同期部32を備える。OFDM復調部30は、RF受
信部301、A/D変換部302、I/Q分離部30
3、周波数オフセット補正部304、FFT部305及
び、ビタビデコーダ306を備える。周波数同期部32
は、レジスター321、部分相関値計算器322、最大
値検出器324、カウンター325及び、基準シンボル
発生部326を備える。
【0032】このような装置には、本発明による直交周
波数分割多重方式受信機の初期周波数同期方法が具現さ
れる。図4は、本発明の実施形態による直交周波数分割
多重方式受信機の初期周波数同期方法の主な段階を示す
フローチャートである。
【0033】図4を参照すると、本発明による初期周波
数同期方法は、積分区間Kを2×T off以内で決定する
(ステップ40)。次に、復調されたシンボルを受信し
て所定のシフト量dだけ循環的にシフトさせることによ
り、シフトされた受信シンボルX(k+d)を出力する
(ステップ42)。次に、基準シンボルZ(k)を発生
し(ステップ44)、シフト量dをカウントしつつ、シ
フトされた受信信号X(k+d)及び基準信号Z(k)
を入力して、K個の分割帯域に対して部分相関値として
【数25】 を計算する(ステップ46)。続けて、前記部分相関値
が最大となるシフト量dを推定された初期周波数オフセ
ット値として出力する(ステップ48)。
【0034】さらに、図3に基づいて上記のように具現
された本発明の実施形態による初期周波数同期装置の動
作を説明する。レジスタ321は、復調されたシンボル
データX(k)を入力して所定のシフト量dだけ循環的
にシフトさせ、シフトされたシンボルデータX(k+
d)を出力する。カウンター324は、シフト量dをカ
ウントする。基準シンボル発生部325は、基準シンボ
ルZ(k)を発生する。部分相関値計算部322は、受
信信号X(k)及び基準シンボルZ(k)を入力して、
Nを副搬送波の総数、所定のシフト量dは−2/Nと2
/Nとの間に該当するとしたとき、K個の分割帯域に対
して部分相関値として
【数26】 を計算する。最大値検出部323は、前記部分相関値が
最大となるシフト量dを求めて出力する。
【0035】結果として、本発明による初期周波数同期
装置においては、
【数27】 のアルゴリズムが用いられる。ここで、Nは副搬送波の
総数であり、Kは相互相関関数積分区間を分けた個数で
ある。すなわち、1つの積分区間はN/K個の副搬送波
帯域に該当する。また、分けられた個々の帯域を分割帯
域BWSとしたとき、K個だけ分割された1つの分割帯
域の大きさは、BWS=1/K×BW(BWはチャネル
の全帯域)に該当する。
【0036】本発明による方法及び装置により初期周波
数オフセットの検出が正常に行われるかどうかを確認す
るため、シミュレーションを行った。図5の(A)及び
図5の(B)は、そのシミュレーション結果を示すグラ
フである。また、比較のため、図6の(A)及び図6の
(B)には、従来の初期周波数オフセットの検出方法に
よるシミュレーション結果を示した。シミュレーション
実験の条件は、信号対雑音比SNRが5dBのガウシア
ンチャネル、副搬送波の総数は1024、周波数オフセ
ットは副搬送波の総数の−62.4倍に与えた。図5の
(A)及び図6の(A)は、フレーム同期のオフセット
が0.0の場合に該当するシミュレーション結果を表
し、図5の(B)及び図6の(B)は、フレーム同期の
オフセットが10.0の場合に該当するシミュレーショ
ン結果を表す。従来の初期周波数同期方法による初期周
波数オフセット検出シミュレーションは、ガウシアンチ
ャネルにおいて全体帯域に対する相関関数を適用した。
また、本発明による初期周波数同期方法に対する初期周
波数オフセット検出シミュレーションにおいては、分割
帯域の個数を32に使用している。そして、この分割帯
域に対する相関値の合計を求めた。図中、横軸は周波数
を、縦軸は相関値をそれぞれ表す。このとき、与えられ
た周波数オフセットが−62.4であるから、横軸−6
2の位置にて最大のピークが発生する場合、初期周波数
オフセットの検出が精度よく行われたことを意味する。
【0037】図5の(A)及び図5の(B)を参照する
と、本発明による初期周波数同期方法に対するシミュレ
ーション結果は、図5の(A)の時間同期のオフセット
がない場合、すなわち、時間同期のオフセットが0.0
の場合だけでなく、図5の(B)の時間同期オフセット
のある場合、すなわち、時間同期のオフセットが10.
0の場合でも、与えられた周波数オフセットに該当する
横軸−62の位置にて最大値が発生するので、初期周波
数オフセットの検出が比較的に精度良く行われることを
確認することができる。但し、本発明による初期周波数
同期方法は、時間同期のオフセットが分割帯域数の1/
2以内であることが好ましい。
【0038】これに対し、図6の(A)及び図6の
(B)を参照すると、従来の初期周波数オフセットの検
出方法によると、フレーム同期のオフセットがない場
合、すなわち、フレーム同期のオフセットが0.0の場
合には、図6の(A)に示すように、精度良い初期周波
数オフセットの検出が可能であるが、時間同期のオフセ
ットがある場合には、すなわち、時間同期のオフセット
が10.0の場合には、図6の(B)に示されたよう
に、与えられた周波数同期オフセットに該当する横軸−
62の位置にていずれのピークも現われず、結果とし
て、初期周波数オフセットの検出ができないことが解
る。
【0039】また、図7の(A)乃至図7の(D)は、
本発明による初期周波数同期方法におけるオフセット検
出の正確度を説明するため、フレーム同期のオフセット
範囲による理論的な正確度及びシミュレーションによる
正確度とを比較して示すグラフである。シミュレーショ
ン条件として、チャネルは信号対雑音比SNRが5dB
であるガウシアンチャネルに該当し、−50〜+50サ
ンプルの時間同期のオフセットサンプル区間を適用し
た。また、周波数オフセットは、−510〜510の任
意の値に該当する。
【0040】図面においては、本発明の初期周波数同期
方法により周波数オフセットを精度良く検出可能な理論
的な区間と、シミュレーションを通じて得た区間とを比
較して示した。理論的な区間は太い実線に示し、シミュ
レーションを通じて得た区間は細い実線にて示した。ま
た、シミュレーションにおいては、副搬送波の総数をそ
れぞれ1024及び2048に対して適用した。また保
護区間の大きさは128サンプルである。シミュレーシ
ョンにおいては、ある1つの時間同期のオフセットに対
して任意の周波数オフセットを毎度100回ずつ適用し
て周波数オフセットを精度良く獲得する確率を求めた。
【0041】図7の(A)乃至図7の(D)を参照すれ
ば、本発明による方法が理論的に提示したK個だけ分割
された1つの分割帯域の大きさBWS=1/K×BWを
相関関数の積分区間として用いる場合、副搬送波の倍数
にて表した時間同期のオフセットが±K/2以内の場
合、常時初期周波数オフセットの検出が可能であること
を表す。図7の(A)は、分割帯域BWS=1/8×B
Wの場合であり、図7の(B)は、分割帯域BWS=1
/16×BWの場合であり、図7の(C)は、分割帯域
BWS=1/32×BWの場合であり、図7の(D)
は、分割帯域BWS=1/64×BWの場合である。し
たがって、本発明による方法の性能を評価するためのシ
ミュレーション実験結果をみると、積分区間を分割して
相関値を求める本発明の方法が、積分区間を分割しない
場合に比べフレーム同期で保障できる時間同期のオフセ
ットに対しては初期周波数オフセットを精度良く検出で
きることが解る。
【0042】以上のような本発明に係る方法によると、
N本の副搬送波を用いる直交周波数分割多重方式システ
ムにおいて、複素掛け算の計算量を基準とするとき、本
発明による方法における計算量はN2に比例する。しか
し、チャネルの単位応答を用いた従来の方法はN×(N
+(N/2)×log2N)に比例する計算量が必要と
なる。したがって、本発明による方法は、初期フレーム
同期アルゴリズムのオフセット範囲以内で従来の方法と
同様に安定的に動作しつつ、(N2/2)×log2Nの
追加的な計算量を減らせる。この減った計算量は、従来
の方法の計算量と比較して1024個の副搬送波を用い
る場合1/6倍、そして2048個の副搬送波を用いる
場合1/11倍分の計算量だけを必要とする。また減少
された計算量は、副搬送波の個数に該当するN番の逆フ
ーリエ変換過程を除去した結果と同一である。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による直交周
波数分割多重方式受信機の初期周波数同期方法及び装置
は、少量の計算により安定した周波数同期が行えるよう
にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の直交周波数分割多重方式受信機の構造の
一例を示すブロック図である。
【図2】本発明による初期周波数同期装置及び方法を説
明するためにフレーム同期オフセットがある遅延信号と
原信号とのフレーム同期オフセットに対する遅延相関帯
域幅の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態による初期周波数同期装置を
備えた直交周波数分割多重方式受信機の構造を示すブロ
ック図である。
【図4】本発明の実施形態による初期周波数同期方法の
主な段階を示すフローチャートである。
【図5】本発明による初期周波数オフセットの検出方法
によるシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】従来の初期周波数オフセットの検出方法による
シミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】本発明による初期周波数同期方法のオフセット
検出の正確度を説明するためにフレーム同期オフセット
範囲による理論的な正確度及びシミュレーションによる
正確度を比較して示すグラフである。
【符号の説明】
30 OFDM復調部 32 周波数同期部 322 部分相関値計算部 323 最大値検出部 324 カウンター 325 基準シンボル発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朴 ▲キョン▼信 大韓民国京畿道水原市勧善区勧善洞1265 番地有元普成アパート601棟901号 (72)発明者 朴 賢▲チョル▼ 大韓民国京畿道安山市本五2洞880番地 漢陽アパート21棟405号 (56)参考文献 特開 平11−308194(JP,A) 米国特許5450456(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交周波数分割多重方式(OFDM)受
    信機の周波数同期部内に具備されて初期周波数同期を行
    う初期周波数同期装置であって、 復調されたシンボルX(k)を受信して所定のシフト量
    dだけ循環的にシフトさせ、シフトされたシンボルX
    (k+d)を出力するバッファと、 基準シンボルZ(k)を発生する基準シンボル発生部
    と、 シフト量dをカウントするカウンターと、 シフトされたシンボルX(k+d)及び基準シンボルZ
    (k)を入力して、Nを副搬送波の総数、所定のシフト
    量dは−2/Nと2/Nとの間に該当するとしたとき、
    K個の分割帯域に対して部分相関値として 【数1】 を計算する部分相関値計算部と、 前記部分相関値が最大となるシフト量dを求めて、推定
    された初期周波数オフセット値として出力する最大値検
    出部とを含み、 前記分割帯域の個数Kは、フレーム同期に保障できる時
    間同期オフセットをT off としたとき、2×T off 以内に
    設定される ことを特徴とする直交周波数分割多重方式受
    信機の初期周波数同期装置。
  2. 【請求項2】 直交周波数分割多重方式復調及び周波数
    同期を行う直交周波数分割多重方式受信機において初期
    周波数同期を行う方法であって、 (a)復調されたシンボルX(k)を受信するステップ
    と、 (b)復調されたシンボルX(k)を所定のシフト量d
    だけ循環的にシフトさせ、シフトされたシンボルX(k
    +d)を出力するステップと、 (c)基準シンボルZ(k)を発生するステップと、 (d)シフト量dをカウントするステップと、 (e)シフトされたシンボルX(k+d)及び基準シン
    ボルZ(k)を入力して、Nを副搬送波の総数、所定の
    シフト量dは−2/Nと2/Nとの間に該当するとした
    とき、K個の分割帯域に対し部分相関値として 【数2】 を計算するステップと、 (f)前記部分相関値が最大となるシフト量dを求め
    て、推定された初期周波数オフセットとして出力するス
    テップとを含み、 前記分割帯域の個数Kは、フレーム同期に保障できる時
    間同期オフセットをT off としたとき、2×T off 以内に
    設定される ことを特徴とする直交周波数分割多重方式受
    信機の初期周波数同期方法。
  3. 【請求項3】 直交周波数分割多重方式受信機におい
    て、 復調されたシンボルX(k)を受信して所定のシフト量
    dだけ循環的にシフトさせ、シフトされたシンボルX
    (k+d)を出力するバッファと、 基準シンボルZ(k)を発生する基準シンボル発生部
    と、 シフト量dをカウントするカウンターと、 シフトされたシンボルX(k+d)及び基準シンボルZ
    (k)を入力して、Nを副搬送波の総数、所定のシフト
    量dは−2/Nと2/Nとの間に該当するとしたとき、
    K個の分割帯域に対し部分相関値として 【数3】 を計算する部分相関値計算部と、 前記部分相関値が最大となるシフト量dを求めて、推定
    された初期周波数オフセットとして出力する最大値検出
    部とを含み、 前記分割帯域の個数Kは、フレーム同期に保障できる時
    間同期オフセットをT off とするとき、2×T off 以内に
    設定される ことを特徴とする直交周波数分割多重方式受
    信機。
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