JP3397653B2 - 空気浄化フィルタ及び清浄装置 - Google Patents

空気浄化フィルタ及び清浄装置

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JP3397653B2
JP3397653B2 JP26778497A JP26778497A JP3397653B2 JP 3397653 B2 JP3397653 B2 JP 3397653B2 JP 26778497 A JP26778497 A JP 26778497A JP 26778497 A JP26778497 A JP 26778497A JP 3397653 B2 JP3397653 B2 JP 3397653B2
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,半導体素子(L
SI)や液晶ディスプレイ(LCD)の製造時に,品質
低下の原因となる空気雰囲気中のガス状有機不純物を除
去する機能を有する空気浄化フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】今日,半導体やLCDパネル等の製造に
清浄装置が広く利用されている。例えばベアウェハから
1MDRAMチップを製造するまでに至る半導体製造ラ
インは約200程度の工程を含んでおり,また,素ガラ
スから9.4型TFTに至るLCDパネル製造ラインは
約80程度の工程を含んでいる。これらの製造ラインに
おいて,ウェハやガラス基板を各プロセスに常に連続的
に流すことは困難である。例えば,TFT−LCDの製
造ラインでは,前工程で回路が一通り形成された半製品
基板は,後工程に移送されるまでに数時間〜数十時間を
搬送容器(キャリア)内又は保管庫(ストッカ)内に
て,清浄装置雰囲気に曝しながら待機させている。
【0003】このように,半導体基板やLCD基板を通
常の清浄装置雰囲気中に長時間放置すると,それらの表
面には清浄装置雰囲気由来の有機物が付着する。そし
て,半導体基板であるシリコンウェハに有機物が付着し
た場合には,次のような不都合を生じる。即ち,有機物
が付着した状態でウェハ表面に絶縁酸化膜(SiO2
を形成すると,有機物中の炭素成分が絶縁酸化膜(Si
2)中に取り込まれることにより,絶縁酸化膜の絶縁
耐圧が大幅に低下したり,リーク電流も大幅に増大す
る。また,シリコンウェハ表面への有機物の吸着によ
り,レジスト膜の密着性が悪くなり,露光・エッチング
不良を起こし,正確なパターン形成ができなくなる恐れ
がある。加えて,ウェハの表面抵抗率が上昇してウェハ
の帯電が生じやすくなり,気中に浮遊している微粒子が
ウェハ表面に静電吸着しやすくなってより絶縁破壊が起
きやすくなる。更に,清浄装置雰囲気中に含まれた有機
不純物によって,露光装置などの光学系レンズやミラー
等に曇りによる光学効率の低下を生じてしまう。これ
は,清浄装置雰囲気中に含まれた有機不純物が光学機器
の紫外線により光化学反応を起こしその生成物が表面に
付着するいわゆる光CVD反応である。また,雰囲気由
来の有機物がLCD基板であるガラス基板に付着した状
態でその表面上に薄膜トランジスタ(TFT)用のアモ
ルファスシリコン(a−Si)を成膜した場合は,ガラ
ス基板とa−Si膜の密着不良を生じてしまう。このよ
うに,清浄装置雰囲気由来の有機物は,半導体素子やL
CDの製造に悪影響を及ぼす。
【0004】一方,基板の表面に付着した有機物を,例
えば紫外線/オゾン洗浄などの洗浄技術によって除去す
ることも可能である。しかし,基板一枚当たりの洗浄時
間は数分間も要し,頻繁に洗浄することは生産性の低下
を招く。このように,特に最近では,金属不純物やパー
ティクルによる基板の汚染に加えて,清浄装置雰囲気中
に存在する有機不純物が半導体製造に及ぼす影響が問題
視されている。例えば,米国のSEMATECHが19
95年5月31日に発表したTechnology T
ransfer #95052812A−TR「For
ecast of Airborne Molecul
ar Contamination Limits f
or the 0.25 Micron High P
erformance Logic Process」
には,表1に示すように,ウェハ表面の有機物汚染制御
レベル(表面汚染の許容値)が記載されている。この記載
によると,1998年には前工程で5×1013炭素原子
個数/cm2,後工程で1×1015炭素原子個数/cm2
の制御が必要とされている。
【0005】
【表1】
【0006】そこで従来より,清浄装置雰囲気中に含ま
れるガス状有機不純物を除去するための装置として,活
性炭を用いてガス状の有機不純物を吸着して除去するケ
ミカルフィルタが使用されている。そして,活性炭を用
いたケミカルフィルタの最も簡素な形式として,所定の
ケースなどに粒状活性炭を詰め込んだ構成の充填筒が知
られている。また,その他の形式として,繊維状活性炭
を低融点ポリエステルやポリエステル不織布の有機バイ
ンダと複合してフェルト形状にした構成のケミカルフィ
ルタや,粒状活性炭をウレタンフォームや不織布に接着
剤で強固に付着させたブロック形状およびシート形状の
ケミカルフィルタも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えば,天井面が清浄
空気の吹き出し面となっているクリーンルームの場合に
ついていえば,天井に取り付けられている粒子除去用フ
ィルタの上流側にケミカルフィルタを配置することが,
クリーンルームの空気雰囲気中のガス状有機不純物を除
去するために極めて有効な手段である。しかし,活性炭
は消防法において指定された可燃物であり,火気には厳
重な注意が必要である。このため,防災上の観点から,
活性炭を使用したケミカルフィルタは天井に配置し難
い。
【0008】また,LSIやLCDの製造に利用される
清浄装置は,通常,温度23〜25℃,相対湿度(45
±10)%の雰囲気に保たれる。しかし,活性炭は弱い
疎水性であるから,ガス状有機不純物のみならず空気中
の水分も相当に吸着する。しかも活性炭は,相対湿度が
少し増加するだけで空気中の水分吸着量も急激に増加す
る。例えば,水分をほとんど吸着していない未使用の活
性炭を内部が乾燥雰囲気の容器に保管しておき,その活
性炭をいきなり温度23〜25℃,相対湿度50%のク
リーンルーム雰囲気に曝すと,活性炭が吸着飽和に達す
るまで空気中の水分を多量に吸着することになってしま
う。このため,清浄装置への給気側に未使用の活性炭を
添着したケミカルフィルタを取り付けた場合は,ケミカ
ルフィルタの上流側において所定の相対湿度に調節して
も,ケミカルフィルタに使用されている活性炭が空気中
の水分を多量に吸着するので,清浄装置内の相対湿度が
所定の値よりも低くなってしまう。湿度の低下は静電気
の発生を容易にし,LSIやLCDの製造に支障をきた
す。この問題を解決するためには,活性炭を添着したケ
ミカルフィルタの製造業者は,このケミカルフィルタの
出荷先である顧客のクリーンルーム雰囲気の温湿度を出
荷前に調査し,その温湿度に見合った水分をわざとケミ
カルフィルタの活性炭に吸着させ,密封梱包の上出荷す
るという面倒な作業をする必要がある。
【0009】そして,充填筒形式の従来のケミカルフィ
ルタは,有機物の吸着効率は高いが,圧力損失(通気抵
抗)が高いという欠点を有する。一方,フェルト形状や
シート形状の従来のケミカルフィルタは優れた通気性が
あり,吸着効率も充填筒とさほど劣らない。しかし,そ
れらの多くは,元々居住環境の有害ガスや悪臭を除去す
るために開発され,そのままケミカルフィルタに転用し
たものである。その性能仕様は居住環境の分野に合わせ
てあるため,半導体素子(LSI)や液晶ディスプレイ
(LCD)の製造時の基板表面汚染の原因となる極微量
のガス状有機不純物を除去する空気浄化フィルタとして
利用するためには性能仕様上の無理があった。つまり,
濾材(例えば,不織布,有機バインダなど)や,活性炭
をシートに付着させている接着剤(例えば,ネオプレン
系樹脂,ウレタン系樹脂,エポキシ系樹脂,シリコン系
樹脂など)や,濾材を周囲のフレームに固着するために
用いるシール材(例えばネオプレンゴムやシリコンゴム
等)などから発生したガス状有機不純物がケミカルフィ
ルタ通過後の空気中に含まれてしまい,半導体の製造に
悪影響を与える可能性がある。さらに,これらフェルト
形状やシート形状のケミカルフィルタは,クリーンルー
ム雰囲気中に含まれるppbオーダの極微量有機不純物
を一旦は除去しておきながら,再びケミカルフィルタ自
身から発生したガス状有機不純物を通過空気中に混入さ
せてしまう。
【0010】この種の基板表面汚染防止のためのケミカ
ルフィルタに転用可能なフィルタとして特開昭61−1
03518号や特開平3−98611号に示されるもの
がある。前者は悪臭除去用に開発され,粉末活性炭とエ
マルジョン型接着剤と固体酸を含む水溶液をウレタンフ
ォームからなる基材に含浸させた後に乾燥させたフィル
タであるが,エマルジョン型接着剤として示される合成
ゴムラテックスやその他の水分散系の有機接着剤から,
また基材であるウレタンフォーム自体からもガス状有機
物の脱離が生じる。また,後者は健康被害をもたらす有
害ガスや悪臭の除去用に開発され,吸着剤に有機バイン
ダを併用することを必須要件とするが,この有機バイン
ダとしてポリエチレンその他の有機物が示され,フィル
タ自身からのガス状有機物の脱離が免れない。
【0011】従って本発明の目的は,防災に優れ,かつ
湿度の低下が無く,しかも基板などの有機物汚染を防止
できる高度清浄空間で利用可能な空気浄化フィルタを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに,本発明にあっては,合成ゼオライトを備えた通気
性を有する第1のフィルタ部の上流側又は下流側に隣接
させて,ガス状有機不純物を吸着する性質を有し,かつ
前記合成ゼオライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔
径を有する無機吸着剤を備えた通気性を有する第2のフ
ィルタ部を配置した空気浄化フィルタであって,前記第
1のフィルタ部が,支持体の表面に合成ゼオライトを固
着させた構成であり,前記第2のフィルタ部が,支持体
の表面に前記無機吸着剤を固着させた構成であり,前記
合成ゼオライトの有効細孔径が7オングストローム以上
であり,かつ前記第2のフィルタ部の無機吸着剤におい
て,15〜300オングストロームの範囲に分布する細
孔の総容積が重量当たり0.2cc/g以上であるか,
又は該無機吸着剤の細孔の比表面積が100m /g以
上であることを特徴とする。この空気浄化フィルタは,
可燃物である活性炭を使用していないので防災に優れて
いる。この請求項1の空気浄化フィルタによれば,高度
清浄装置内において循環している空気中のガス状有機不
純物を,湿度を低下させることなく除去することが可能
となる。
【0013】この場合,前記第1のフィルタ部が,前記
合成ゼオライトを分散させた懸濁液に支持体を含浸させ
た後に乾燥することで支持体表面に合成ゼオライトを固
着させた構成であり,前記第2のフィルタ部が,前記無
機吸着剤を分散させた懸濁液に支持体を含浸させた後に
乾燥することで支持体表面に無機吸着剤を固着させた構
成である。
【0014】また,前記第1のフィルタ部が,合成ゼオ
ライトの粉末で形成したペレットを支持体に固着させた
構成であり,前記第2のフィルタ部が,前記無機吸着剤
の粉末で形成したペレットを支持体に固着させた構成で
あっても良い。
【0015】更に,通気性を有する支持体を,該支持体
の通気方向と交差するを境にして2つの領域に分割
し,一方の領域において支持体の表面に合成ゼオライト
もしくは合成ゼオライトの粉末で形成したペレットを固
着させて第1のフィルタ部を形成し,他方の領域におい
て支持体の表面に無機吸着剤もしくは無機吸着剤の粉末
で形成したペレットを固着させて第2のフィルタ部を形
成した構成とすることもできる。
【0016】また,前記支持体の表面に合成ゼオライト
もしくは合成ゼオライトの粉末で形成したペレットを固
着させるに際し,及び/又は,前記支持体の表面に無機
吸着剤もしくは無機吸着剤の粉末で形成したペレットを
固着させるに際し,タルク,カオリン鉱物,ベントナイ
ト,珪酸ソーダ,シリカ又はアルミナの少なくとも1種
からなる固着補助剤を使用することが好ましい。
【0017】前記第2のフィルタ部の無機吸着剤は,例
えばけいそう土,シリカ,アルミナ,シリカとアルミナ
の混合物,珪酸アルミニウム,活性アルミナ,多孔質ガ
ラス,リボン状構造の含水珪酸マグネシウム質粘土鉱
物,活性白土,活性ベントナイトの少なくとも1種から
なっていても良い。
【0018】
【0019】前記支持体は,ハニカム構造体とすること
ができる。この場合,前記ハニカム構造体は,無機繊維
を必須成分とする構造体であることが好ましい。なお,
本明細書において,ハニカム構造体とは,いわゆる蜂の
巣構造の他,断面が格子状,波形状などであって空気が
構造体の要素となるセルを通過し得る構造であっても良
い。本発明では支持体はハニカム構造体に特定されな
い。ロックウールなどの三次元網目構造体もまた支持体
として好適に利用できる。この場合には後述するよう
に,網目構造の平面方向のみならず奥行き方向にも本発
明の吸着剤である合成ゼオライト又は無機吸着剤を固着
させる。
【0020】また本発明にあっては,合成ゼオライトを
備えた通気性を有する第1のフィルタ部の上流側又は下
流側に隣接させて,ガス状有機不純物を吸着する性質を
有し,かつ前記合成ゼオライトの有効細孔径よりも大き
な有効細孔径を有する無機吸着剤を備えた通気性を有す
る第2のフィルタ部を配置した空気浄化フィルタであっ
て,前記合成ゼオライトのペレットをケーシング内に充
填して前記第1のフィルタ部を構成し,前記無機吸着剤
のペレットを別のケーシング内に充填して前記第2のフ
ィルタ部を構成し,前記合成ゼオライトの有効細孔径が
7オングストローム以上であり,かつ前記第2のフィル
タ部の無機吸着剤において,15〜300オングストロ
ームの範囲に分布する細孔の総容積が重量当たり0.2
cc/g以上であるか,又は該無機吸着剤の細孔の比表
面積が100m /g以上であることを特徴とする。
【0021】更に,前記合成ゼオライトは撥水性である
ことが好ましい。この場合,前記合成ゼオライトのシリ
カ/アルミナ比が20以上である。 また,第1のフィル
タ部を上流側に配置し,第2のフィルタ部を下流側に配
置することが好ましい。 また,本発明の空気浄化フィル
タを,HEPAフィルタと共に,天井に取付けてなる清
浄装置が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照しながら本
発明の好ましい実施の形態にかかる空気浄化フィルタに
ついて詳細に説明する。
【0023】図1は,本発明の実施の形態にかかる空気
浄化フィルタ11の斜視であり,(a),(b)は,分
解図と組立図をそれぞれ示している。この空気浄化フィ
ルタ11は,図1(a)に示すように,通過空気中のガ
ス状有機不純物を除去するための合成ゼオライトを含ん
だ第1のフィルタ部11aと,この第1のフィルタ部1
1aの合成ゼオライトでは除去できないガス状有機不純
物を除去するための,前記合成ゼオライトの有効細孔径
よりも大きな有効細孔径を有する無機吸着剤を備えた通
気性を有する第2のフィルタ部11bを備えている。図
1(b)に示すように,これら第1のフィルタ部11a
と第2のフィルタ部11bを互いに隣接するように重
ね,ガス状有機不純物の発生の少ないフッ素樹脂系パッ
キン39を間に挟んで,フランジ34をねじ止めするこ
とによって両者を連結する。こうして連結された空気浄
化フィルタ11の上流側と下流側には,図示しないダク
トなどへの接続フランジ20が形成されている。なお,
これら第1,2のフィルタ部11a,11bは,いずれ
も可燃物を含まない素材のみで構成され,かつガス状有
機物を発生しない素材のみで構成されている。
【0024】図2は,これら第1,2のフィルタ部11
a,11bの概略的な分解組立図である。第1,2のフ
ィルタ部11a,11bはいずれも同様の構成を有し,
隣接する波形シート30の間に,凹凸のない薄板シート
31を挟んだ構成のハニカム構造体32の表面全体に,
第1のフィルタ部11aでは合成ゼオライトが,第2の
フィルタ部11bでは該合成ゼオライトの有効細孔径よ
りも大きな有効細孔径を有する無機吸着剤がそれぞれ固
着されている。後述するように,合成ゼオライトの有効
細孔径は,7オングストローム以上であることが好まし
い。また,後述するように,無機吸着剤は,けいそう
土,シリカ,アルミナ,シリカとアルミナの混合物,珪
酸アルミニウム,活性アルミナ,多孔質ガラス,リボン
状構造の含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物,活性白土,
活性ベントナイトの少なくとも1種からなることが好ま
しい。参考までに,これらの無機吸着剤の細孔物性を表
2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】図2に示すように,第1,2のフィルタ部
11a,11bは,いずれも処理空気の流通方向(図2
中,白抜き矢印33で示す方向)に開口するようにアル
ミニウム製の外枠35a,35b,35c,35dを筒
状に組み立て,その内部空間に,ハニカム構造体32を
配置することにより構成される。そして,第1のフィル
タ部11aでは,ハニカム構造体32の表面に合成ゼオ
ライトを固着し,第2のフィルタ部11bでは,ハニカ
ム構造体32の表面に該合成ゼオライトの有効細孔径よ
りも大きな有効細孔径を有する無機吸着剤を固着した構
成になっている。
【0027】空気浄化フィルタ11の外形および寸法
は,設置空間に合わせて任意に設計変更することができ
る。また,合成ゼオライトを含む第1のフィルタ部11
aと,前述の無機吸着剤を含む第2のフィルタ部11b
は空気浄化フィルタ11の通気方向に対してどちらを上
流側に配置してもよい。
【0028】ここで,第1,2のフィルタ部11a,1
1bの製造方法の一例を簡単に説明する。無機繊維(セ
ラミック繊維,ガラス繊維,シリカ繊維,アルミナ繊維
等)と有機材料(パルプ,溶融ビニロンの混合物)と珪
酸カルシウムの3つの材料を1:1:1の等重量で配合
し,湿式抄紙法により約0.3mmの厚みに抄造する。
なお,珪酸カルシウムの代わりに,珪酸マグネシウムを
主成分とするセピオライト,アタパルジャイト等の粘土
鉱物を使用してもよい。この抄造シートをコルゲータに
よって波形加工し,出来上がった波形シート30を薄板
シート31に接着剤で接着して,図2に示すようなハニ
カム構造体32に成形する。このハニカム構造体32
を,電気炉に入れて,400℃,1時間の熱処理を行
い,有機質成分を全て除去し,ハニカム構造体32を多
孔性とする。つぎに第1のフィルタ部11aでは,合成
ゼオライトの粉末(数μm)と無機バインダ(シリカゾ
ル,アルミナゾル,珪酸ソーダ等)を分散させた懸濁液
に,また第2のフィルタ部11bでは,該合成ゼオライ
トの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を有する無機吸
着剤(けいそう土,シリカ,アルミナ,シリカとアルミ
ナの混合物,珪酸アルミニウム,活性アルミナ,多孔質
ガラス,リボン状構造の含水珪酸マグネシウム質粘土鉱
物,活性白土,活性ベントナイトの少なくとも1種から
なる)の粉末(数μm)と無機バインダ(シリカゾル,
アルミナゾル,珪酸ソーダ等)を分散させた懸濁液に,
多孔性ハニカム構造体32を数分間浸した後,300
℃,1時間の熱処理で乾燥して,第1,2のフィルタ部
11a,11bをそれぞれ得ることができる。ただし,
シリカゾルやアルミナゾルは単分散のナノメータから数
十ナノメータの一次粒子を含む懸濁液であるが,支持体
の表面に固着して乾燥した状態では,一次粒子が集合し
た三次元凝集体であるシリカゲルやアルミナゲルに変化
する。したがって,シリカゾルやアルミナゾルの無機バ
インダのみの懸濁液に多孔性ハニカム構造体32を浸し
た後に乾燥しても,シリカゲルやアルミナゲルがハニカ
ム構造体32の表面に固着された第2のフィルタ部11
bを得ることができる。
【0029】これら第1,2のフィルタ部11a,11
bによって構成される空気浄化フィルタ11は,構成材
料に可燃物を含まないし,空気浄化フィルタが熱処理さ
れる際に構成材料に含まれていた表面汚染の原因となる
ガス状有機不純物成分が全て脱離・除去されるため,空
気浄化フィルタ自身からガス状有機不純物を発生するこ
ともない。
【0030】図3は,これら第1,2のフィルタ部11
a,11bの別の連結の状態を示すための,空気浄化フ
ィルタ11の概略的な分解組立図である。この図3に示
す空気浄化フィルタ11は,図2で説明したものよりも
長いアルミニウム製の外枠35a,35b,35c,3
5dを筒状に組み立て,その内部空間に,合成ゼオライ
トを表面に固着したハニカム構造体32aと,該合成ゼ
オライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を有する
無機吸着剤を表面に固着したハニカム構造体32bの両
方を配置することにより構成される。この場合,ハニカ
ム構造体32a,32bは互いに密着して配置されてい
てもよいし,ハニカム構造体32a,32bが共通の筒
状のアルミニウム製の外枠35a,35b,35c,3
5dの内部空間において,互いに離れた状態で配置され
ていてもよい。図3では,ハニカム構造体32aと外枠
35a〜dで第1のフィルタ部11aが形成され,ハニ
カム構造体32bと外枠35a〜dで第2のフィルタ部
11bが形成される。
【0031】図4は,他の実施の形態にかかる空気浄化
フィルタ11の構成を示す斜視図である。この実施の形
態では,通気性有する支持体であるハニカム構造体80
を,その通気方向83と交差する境界面を境にして2つ
の領域に分割し,一方の領域においてハニカム構造体8
0の表面に合成ゼオライトもしくは合成ゼオライトの粉
末で形成したペレットを固着させて第1のフィルタ部を
形成し,他方の領域においてハニカム構造体80の表面
に無機吸着剤もしくは無機吸着剤の粉末で形成したペレ
ットを固着させて第2のフィルタ部を形成している。こ
の実施の形態では,分割されていない一体化したハニカ
ム構造体80の通気方向83に対する上流側81の略半
分を前記合成ゼオライトを分散させた懸濁液に含浸させ
た後に乾燥して,ハニカム構造体80の上流側81の表
面に合成ゼオライトの無機材料層を形成し,さらにハニ
カム構造体80の通気方向83に対する下流側82の残
りの略半分を該合成ゼオライトの有効細孔径よりも大き
な有効細孔径を有する無機吸着剤(けいそう土,シリ
カ,アルミナ,シリカとアルミナの混合物,珪酸アルミ
ニウム,活性アルミナ,多孔質ガラス,リボン状構造の
含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物,活性白土,活性ベン
トナイトの少なくとも1種からなる)を分散させた懸濁
液に含浸させた後に乾燥して下流側82の表面に該無機
吸着剤の無機材料層を形成したものである。合成ゼオラ
イトの無機材料層と前記無機吸着剤の無機材料層は,上
流側81と下流側82の境界付近で互いに重なってもよ
いし,また,上流側81と下流側82の境界付近には,
合成ゼオライトの無機材料層と前記無機吸着剤の無機材
料層のいずれも形成されないハニカム構造体80の元々
の下地が剥き出しになっていてもかまわない。このハニ
カム構造体80を,図3と同様に,筒状のアルミニウム
製の外枠で囲めば,本発明による空気浄化フィルタ11
が形成される。外枠で囲まれたハニカム構造体80の上
流側81の部分が第1のフィルタ部11aに相当し,外
枠で囲まれたハニカム構造体80の下流側82の部分が
第2のフィルタ部11bに相当する。この例において
も,合成ゼオライトを含む第1のフィルタ部11aと前
記無機吸着剤を含む第2のフィルタ部11bは空気浄化
フィルタ11の通気方向に対してどちらを上流側に配置
してもよい。
【0032】次に,第1,2のフィルタ部11a,11
bの他の製造方法の一例を簡単に説明する。ハニカム構
造体32を製作するまでは,先に説明した製造方法例と
同じである。前述の例では,多孔性となったハニカム構
造体32に合成ゼオライトの粉末(数μm)又は前記無
機吸着剤の粉末(数μm)を含浸させたが,本例では,
ハニカム構造体32にペレットに加工した粒状の合成ゼ
オライト又は粒状の前記無機吸着剤を接着剤で付着させ
る。図5は,本例における製造方法の空気浄化フィルタ
11の断面部分拡大図である。波形シート30と薄板シ
ート31の表面全体に隙間なく粒状の合成ゼオライト3
6a又は粒状の前記無機吸着剤36bを不燃性接着剤で
固着する。そして,このハニカム構造体32を,電気炉
に入れて,接着剤の耐熱温度以下の100℃で2時間の
熱処理を行い,接着剤に含まれる表面汚染の原因となる
ガス状有機不純物成分を全て脱離・除去することによ
り,空気浄化フィルタ11を製造する。処理空気は図5
に示す疑似半月形の断面形状をした筒状の空間37を通
過することになる。なお,図6に示すように,山形シー
ト38と薄板シート31を組み合わせて構成したハニカ
ム構造体32の表面全体に隙間なく粒状の合成ゼオライ
ト36a又は粒状の前記無機吸着剤36bを不燃性接着
剤で固着することにより,空気浄化フィルタ11を製造
しても良い。この図6の場合は,処理空気は三角形の断
面形状をした筒状の空間40通過することになる。
【0033】図7(a)(b)は,いずれもケーシング
を用いて構成した本発明の他の実施の形態にかかる空気
浄化フィルタ70を示し,(a)は(b)のA−A断
面,(b)は(a)のB−B断面である。この実施の形
態にかかる空気浄化フィルタ70では,図示のように,
合成ゼオライトのペレット71aを,内外側面に多数の
通気口73を有する中空円筒形状のケーシング72aに
充填して第1のフィルタ部70aを形成し,前記無機吸
着剤のペレット71bを,同様に内外側面に多数の通気
口73を有する中空円筒形状のケーシング72bに充填
して第2のフィルタ部70bを形成している。ただし,
ケーシング72aの下面とケーシング72bの上面は塞
がれているので,処理空気はケーシング72aの内側か
ら外側に向かって流入する際に,ケーシング72a内の
ペレット71aの充填層を通過する。つぎに,処理空気
は,ケーシング72aの外側円筒と外筒74に挟まれた
空間を通過して,ケーシング72bの外側円筒からペレ
ット71bの充填層に流入する。その後,ケーシング7
2bの内側に流入し,フィルタ70の下方に流出する。
なお,処理空気の流通方向は図7(b)において,矢印
75で示した。なお,図7においては,第1のフィルタ
部70aを上流側に配置し,第2のフィルタ部70bを
下流側に配置したが,この順序を逆にしたものも本発明
の実施の形態である。
【0034】合成ゼオライトや前記無機吸着剤の粉末を
無機バインダと混合して造粒したペレットを支持体に固
着する場合,該粉末と該無機バインダの混合物に例えば
市水を混ぜて粘土状とし,0.3〜0.8mm程度のペ
レットに造粒機にて造粒する。これを予め無機系かつ不
燃性の接着剤を付着させた支持体に高速空気を利用して
吹き付けることで図5,6に示したような本発明のフィ
ルタを製作できる。支持体としては必ずしもハニカム構
造に限らず,ロックウール等の三次元網目構造体を例示
できる。後者では被処理空気が網目構造体を横切って通
過するため,空気抵抗は大きいが,前記合成ゼオライト
や前記無機吸着剤のペレットとの接触機会はハニカム構
造体よりもむしろ多くなる。
【0035】このようにして製造される空気浄化フィル
タ11や70は,構成材料に可燃物を含まないため,空
気浄化フィルタ11や70をクリーンルームやクリーン
ベンチの天井面に取り付けた場合,可燃物である活性炭
をベースとした従来のケミカルフィルタを天井面に取り
付けた場合と比較して,防災上の安全性は著しく高ま
る。
【0036】半導体の製造などを行う高度清浄装置にお
いて発生する,基板表面汚染の原因となる有機物は,シ
ーラントから発生する有機物シロキサン,建材中の難燃
剤から発生するリン酸エステル,建材中の可塑剤から発
生するフタレート,レジスト密着剤から発生するHMD
S,カセット酸化防止剤から発生するBHTなどの高沸
点・高分子の有機化合物に限られる。これらの有機物の
発生源はクリーンルームなどといった高度清浄装置の構
成部材もしくは高度清浄装置内部に存在する製造に利用
する種々の物品であり,取り入れ外気に由来するものは
あまりない。したがって,空気浄化フィルタ11や70
の役割は,主として高度清浄装置内部で発生する表面汚
染の原因となる高沸点・高分子の有機化合物を循環空気
中から除去し,高度清浄装置内部のこれら有機物濃度を
低減することである。
【0037】
【実施例】次に,以上に説明した本発明の実施の形態に
かかる空気浄化フィルタの作用効果を,実施例によって
説明する。
【0038】まず,従来のケミカルフィルタが有する
「ガス状有機不純物がケミカルフィルタ内部から発生す
る。」という問題点を具体的に検証する。粒状活性炭と
繊維状活性炭をそれぞれ使用した市販のケミカルフィル
タ2種とイオン交換繊維を使用したケミカルフィルタの
それぞれにより処理したクリーンルームエアと,クリー
ンルーム中の空気を液体窒素で冷却し不純物を凝縮除去
した後のドライエアの計4つの雰囲気中で,酸化膜付き
シリコンウェハ表面の接触角の経時変化を測定した結果
を図8に示した。表面に超純水を滴下して測定される接
触角は,表面の有機物汚染の程度を簡便に評価する方法
である。洗浄直後の有機物汚染のない酸化膜付きシリコ
ンウェハやガラスの表面は水に馴染みやすい性質,つま
り親水性であり,接触角は小さい。ところが,有機物で
汚染されたそれらの表面は水をはじく性質,つまり疎水
性であり,接触角は大きくなる。例えば,クリーンルー
ム雰囲気中に放置されたガラス基板表面を対象に,超純
水滴下による接触角の測定値と,X線光電子分光法(X
PS:X−ray Photoelectron Sp
ectroscopy)により測定した有機物表面汚染
は,図9に示すような相関関係があることが知られてい
る。酸化膜付きシリコンウェハの表面についても,接触
角と有機物表面汚染の間にはほぼ同様の相関関係があ
る。このように,基板表面における水の接触角の大きさ
と有機物表面汚染の間には極めて強い相関がある。
【0039】図8の結果からつぎのことが分かる。イオ
ン交換繊維は本来水溶性無機不純物を吸着除去するため
のものであり,有機物を吸着できず,逆にガス状有機物
を発生する。1日放置で約10゜の接触角の増加が見ら
れる。一方,ドライエア雰囲気中には,ガス状有機物は
ほとんど含まれないから接触角は増加しない。本来有機
物表面汚染を防止するはずの活性炭フィルタ2種は,1
日放置で約10゜の接触角の増加となり,表面汚染防止
効果はほとんどない結果を示した。活性炭を利用した2
種のケミカルフィルタに効果が見られない理由として,
有機バインダ,接着剤,シール剤等の表面有機汚染物質
がケミカルフィルタの構成部材に含まれるため,折角の
活性炭吸着効果が自身の構成部材脱ガスにより打ち消さ
れてしまったためである。一方,充填筒を使用した場合
には,充填筒の容器などを金属製などとすればこのよう
な心配はないが,充填筒は圧力損失(通気抵抗)が高い
という欠点を有することは前述したとおりである。
【0040】次に,先に図2で説明した本発明の空気浄
化フィルタ11を実際に製作した。第1のフィルタ部1
1aは,ハニカム構造体に細孔径が8オングストローム
の合成ゼオライトを固着させた構成である。第2のフィ
ルタ部11bは,ハニカム構造体に数μmの粉末状の酸
処理モンモリナイト(活性白土)を固着させた構成であ
る。なお,モンモリナイトとはフランスのモンモリオン
で産出したAl4Si8(OH)4 nH20なる化学組成
の粘土鉱物に付けられた名称であり,モンモリナイトを
酸処理すると,細孔径が15〜300オングストローム
の細孔容積が約0.37cc/g,比表面積が約300
2/g程度となる。細孔容積全体に占める細孔径が4
0オングストローム〜600オングストロームの範囲の
細孔容積の割合は22%もあり,酸処理モンモリナイト
(活性白土)は,細孔径8オングストロームの合成ゼオラ
イトでは吸着できない分子の大きさが8オングストロー
ムよりも大きいBHTやシロキサンを活性白土の細孔内
に物理吸着することができる。
【0041】ここで,クリーンルームやクリーンベンチ
等の清浄装置内の基板表面から検出される有機汚染物の
うちで最も量が多い種類はDOPとDBPである。これ
らは塩化ビニル素材に大量に含まれており,分子径は6
オングストローム〜8オングストロームの範囲にある。
したがって,合成ゼオライトの細孔径を7オングストロ
ーム以上にすれば,基板表面の有機物汚染の原因となる
大部分のガス状有機物は第1のフィルタ部11aで除去
できることになる。しかし,分子の大きさが8オングス
トロームよりも大きいBHTやシロキサンも清浄装置内
の基板表面からある程度は検出され,これらは第1のフ
ィルタ部11aでは除去できず,第2のフィルタ部11
bで除去される。
【0042】本実施例による第1,2のフィルタ部11
a,11bはいずれも,図1に示したように,隣接する
波形シートの間に凹凸のない薄板シートを挟んだ構造を
有する。フィルタの通気方向の厚みは10cm,通気風
速は0.6m/s,フィルタに通気する処理空気が接触
するフィルタ単位体積当たりのシート総表面積は300
0m2/m3であった。
【0043】第1のフィルタ部11aのハニカム構造体
は,有効細孔径が8オングストローム,大きさが3μm
の撥水性の合成ゼオライトの粉末を,無機バインダとし
てのカオリン鉱物の3μmの粉末およびシリカゾルと共
に分散させたスラリーに前述の多孔性ハニカム構造体を
浸した後,乾燥して製作した。無機バインダとしては,
カオリン鉱物とシリカゾルの混合物以外に,タルク,ベ
ントナイト,珪酸ソーダ,シリカ又はアルミナなどを用
いてもよい。つぎに,第2のフィルタ部11bのハニカ
ム構造体は,有効細孔径が主として20オングストロー
ム〜1000オングストロームに分布する活性白土の3
μmの粉末を,無機バインダとしてのシリカゾルと共に
分散させたスラリーに,前述の多孔性ハニカム構造体を
浸した後,乾燥して製作した。なお,活性白土のガス状
有機不純物の物理吸着能力は活性炭と比較して遜色な
い。
【0044】前記第1のフィルタ部11aの合成ゼオラ
イトの無機材料層の厚みは100μm,その重量組成比
は,合成ゼオライト:カオリナイト:シリカ=70%:
25%:5%,さらに空気浄化フィルタ11bの活性白
土の無機材料層の厚みは10μmで,その重量組成比
は,活性白土:シリカ=87%:13%であった。第
1,2のフィルタ部11a,11bのいずれについて
も,フィルタ全体の密度は約250g/リットル,その
うち無機材料層が占める密度は第1のフィルタ部11a
では約90g/リットル(フィルタ全体の約36%),第
2のフィルタ部11bでは約9g/リットル(フィルタ
全体の約3.6%)であった。第1のフィルタ部11a
が備えている合成ゼオライトの量に比べて,第2のフィ
ルタ部11bが備えている活性白土の無機吸着剤の量を
約1/10と少なくしたのはつぎの理由による。後述す
るように,合成ゼオライトは相対湿度変化に対する水分
吸脱着が少ないため,活性炭に比べて清浄装置内雰囲気
の湿度コントロールに影響を与えない。しかし,活性白
土のような無機吸着剤は親水性であり,活性炭並みの水
分吸脱着量があるため,その使用量を少なくしたい。さ
らに,清浄装置内の基板表面から検出される有機汚染物
のうちで最も量が多い種類はDOPとDBPである。こ
れらは合成ゼオライトを備えた第1のフィルタ部11a
で除去できる。一方,第1のフィルタ部11aで除去で
きず第2のフィルタ部11bで除去するBHTやD5
(5量体のシロキサン)の空気中濃度はDOPやDBP
の濃度と比較すると,かなり少なく,シリコンウェハ表
面からの検出量も少ない。従って,第2のフィルタ部1
1bが備える活性白土の無機吸着剤の量も第1のフィル
タ部11aの合成ゼオライトと比較して少なくてすむ。
【0045】図10に示すように,前記本発明による空
気浄化フィルタ11を,ファン93とHEPAフィルタ
94と共に,クリーンルーム90内に置かれた保管庫9
1の天井に取り付けた。ファン95でクリーンルーム9
0内雰囲気から流入口96を通して保管庫91内にクリ
ーンルームエア99を取り込み,同空気浄化フィルタ1
1で処理したクリーンルームエアで満たされた処理室9
7の雰囲気中に,洗浄直後の有機物汚染のない酸化膜付
きシリコンウェハ基板92を3日間だけ放置して接触角
を測定した。同雰囲気内3日間放置後の接触角の測定
(洗浄→3日間放置→接触角測定→洗浄→3日間放置→
接触角測定→・・・・)を15日ごとに繰り返し,空気
浄化フィルタ11の吸着性能の経時劣化を測定した。な
お,前記保管庫91はガス状有機不純物の発生のない素
材を使用して構成されており,その内部,特に処理室9
7においては保管庫自身が原因となるガス状有機不純物
の発生はない。
【0046】処理室97内の空気は,図10中の矢印で
示した流れ方向に沿って,グレーティング101を通過
して床下部102からレタン通路103を経て天井部1
04に戻る。前記保管庫91内の循環空気流量を20m
3/minとし,この循環空気98を処理するために,
空気浄化フィルタ11の構成要素である第1のフィルタ
部11aに含まれる合成ゼオライトの使用量は2kg,
同構成要素である第2のフィルタ部11bに含まれる活
性白土の使用量は0.2kgとした。クリーンルームエ
ア99の取り入れ量は,循環空気98の流量の4%の
0.8m3/minとした。この取り入れ量に見合った
空気量が流出口100から排出される。保管庫全体の内
容積は12m3であり,1時間当たりの換気回数は10
0回であった。
【0047】また比較のため,図10の保管庫91にお
いて,合成ゼオライトを備えた第1のフィルタ部11a
のみを残し,活性白土を備えた第2のフィルタ部11b
は取り外した場合についても,洗浄した酸化膜付きシリ
コンウェハ基板を3日間放置して接触角を測定し,この
接触角測定を15日ごとに繰り返した。さらに,本発明
にかかる第1のフィルタ部11aと第2のフィルタ部1
1bを一切設けない場合,即ちクリーンルームエア中に
含まれるガス状有機不純物が除去されずに保管庫内にそ
のまま流入する場合についても同様の測定を行った。
【0048】なお,洗浄直後の酸化膜付きシリコンウェ
ハ表面の接触角は3°であった。3日間曝された酸化膜
付きシリコンウェハ表面の接触角が6°以下に保たれて
いることがガス状有機不純物汚染によるデバイスの品質
低下を防止するための保管庫雰囲気に求められる必要条
件であると仮定する。
【0049】図11に測定結果を示す。保管庫91が,
本発明に従う空気浄化フィルタ11を備えた場合と,第
1のフィルタ部11aのみを備えた場合と,ガス状有機
不純物が除去されない場合の,3つの場合について,保
管庫91内雰囲気に曝された酸化膜付きシリコンウェハ
表面の接触角の経時変化を比較したものである。
【0050】ガス状有機不純物が除去されない保管庫内
雰囲気に曝された酸化膜付きシリコンウェハ表面の接触
角は,3日間放置によって26°〜30°も増加する。
本発明に従う空気浄化フィルタ11を備えた高度清浄装
置については,使用開始直後(経過時間0日)の状態に
おいて,3日間放置後の酸化膜付きシリコンウェハの接
触角は4°以下に保たれた。しかし,通気時間の増加と
共に空気浄化フィルタ11の吸着性能は低下し,空気浄
化フィルタ通過後の空気中に含まれるガス状有機不純物
の濃度も増加する。つまり,空気浄化フィルタ11への
通気時間の増加と共に,下流側の処理済み空気に一定時
間曝された酸化膜付きシリコンウェハ表面の接触角も増
加することになる。空気浄化フィルタ11を通過後の空
気に3日間曝された酸化膜付きシリコンウェハ表面の接
触角が6°に達するまでの空気浄化フィルタ11の使用
時間は約8ヶ月であることがわかる。一方,空気浄化フ
ィルタ11を構成する第1のフィルタ部11aと第2の
フィルタ部11bのうち,第1のフィルタ部11aのみ
を備え第2のフィルタ部11bを欠いた高度清浄装置に
ついては,使用開始直後(経過時間0日)の状態におい
て,3日間放置後の酸化膜付きシリコンウェハの接触角
はすでに5°を越えていた。しかも合成ゼオライトを備
えた第1のフィルタ部11aを通過後の空気に3日間曝
された酸化膜付きシリコンウェハ表面の接触角が6°に
達するまでの第1のフィルタ部11aの使用時間はわず
か2ヶ月であることがわかる。
【0051】この理由をさらに詳しく調べるために,図
12に示すように,図10に使用した本発明の空気浄化
フィルタ11(第1,2のフィルタ部11a,11bか
ら構成される)を保管庫91’のクリーンルームエア9
9の取り入れ口96に取り付けた場合と,第1のフィル
タ部11aのみを同取り入れ口96に取り付けた場合の
それぞれについて,基板表面の汚染の原因となる4種の
ガス状有機不純物DOP,DBP,BHT,D5(5量
体のシロキサン)に対する基板表面の汚染防止効果を測
定し,2つの場合を比較した。図12では,図10と異
なり,処理室97内の空気は,図12中の矢印で示した
流れ方向に沿って,グレーティング101を通過して床
下部102からそのまま流出口100から排出される。
つまり,図12は図10の循環経路が閉鎖された場合に
相当し,保管庫内の空気は循環せずに,一方向に流れ
る。DOP,DBPの濃度はそれぞれ数十ppt,BH
T,D5はそれぞれ数pptであった。
【0052】図12のクリーンルーム90の雰囲気中と
保管庫91’内の雰囲気中のそれぞれに,洗浄直後の清
浄な酸化膜付きシリコンウェハ92を4時間だけ放置し
た後,シリコンウェハ表面のDOP,DBP,BHT,
D5による有機物表面汚染量を測定して比較し,有機物
表面汚染の防止効果を評価した。その結果を表3に示
す。
【0053】
【表3】
【0054】有機物表面汚染量の評価には,4インチの
p型シリコンウェハを用いた。ウェハ表面に付着した有
機物の分析・測定には,昇温ガス脱離装置とガスクロマ
トグラフ質量分析装置を組み合わせて用いた。また,ガ
スクロマトグラフに基づいて次のようにして表面汚染防
止率を求めた。
【0055】 表面汚染防止率 = (1−(B/A))×100 (%) A:クリーンルーム雰囲気中のウェハ表面から検出され
た汚染有機物質のピークの面積 B:保管庫雰囲気中のウェハ表面から検出された汚染有
機物質のピークの面積
【0056】表3から明かなことは,4種のガス状有機
汚染物DOP,DBP,BHT,D5のうち,DOP,
DBPの分子の大きさはいずれも8オングストロームよ
りも小さいため,有効細孔径が8オングストロームの合
成ゼオライトを備えた第1のフィルタ部11aによりほ
ぼ完全に除去された。しかし,BHT,D5の分子の大
きさはいずれも8オングストロームよりも大きいため,
有効細孔径が8オングストロームの合成ゼオライトを備
えた第1のフィルタ部11aでは除去されず,有効細孔
径が主として20オングストローム〜1000オングス
トロームに分布した活性白土を備えた第2のフィルタ部
11bによりほぼ完全に除去された。つまり,本発明の
空気浄化フィルタ11のように,合成ゼオライトを備え
た第1のフィルタ部11aと,該第1のフィルタ部11
aの上流側又は下流側に配されたガス状有機不純物を吸
着する性質を有し,かつ該合成ゼオライトの有効細孔径
よりも大きな有効細孔径を有する無機吸着剤を備えた第
2のフィルタ部11bの両方を使用して,クリーンルー
ムのような高度清浄装置雰囲気由来による有機物表面汚
染を完全に防止でき,合成ゼオライトを備えた第1のフ
ィルタ部11aのみの使用では,合成ゼオライトの細孔
径よりも大きな分子は吸着できないため,高度清浄装置
雰囲気由来による有機物表面汚染を完全に防止すること
はできない。このことは図11の測定結果でも明らかで
あった。
【0057】つぎに,本発明で撥水性合成ゼオライト,
好ましくは有効細孔径が7オングストローム以上のもの
を選択した理由を説明する。
【0058】クリーンルームやクリーンベンチにおいて
有機物表面汚染の原因となる有機物について先に説明し
たが,クリーンルームやクリーンベンチの空気雰囲気中
においてハンドリングされるシリコンウェハには多少の
差はあっても表面に自然酸化膜が形成されており,した
がってそのウェハ表面は親水性である。また,同空気雰
囲気中においてハンドリングされるガラス基板も,ガラ
ス自体の物性により親水性であることはよく知られてい
る。このような自然酸化膜が形成されたシリコンウェハ
やガラス基板の親水性表面を汚染する空気雰囲気由来の
有機物は,親水性表面とよく馴染む親水基を有している
はずである。事実として,先に説明した表面汚染の原因
となる有機物は,炭素の二重結合やベンゼン環の化学構
造を有する高沸点・高分子の疎水性有機物であり疎水基
を有しているが,同時にこれらの有機物は清浄な親水性
表面の汚染原因となる親水基も有している。しかし,シ
リコンウェハやガラス基板の親水性の清浄表面が一旦こ
れらの有機物で汚染されると,汚染された表面部分は付
着有機物と同じ疎水性に変化する。疎水性に変化した表
面には前記疎水性有機物の疎水基が容易に結合するか
ら,有機物表面汚染が急速に進行して有機物の多分子層
が形成される。
【0059】表面汚染の原因となる有機物は高沸点・高
分子の疎水性であり,疎水基を有していることから,こ
の疎水基と親和性があるという理由で撥水性ゼオライト
の選択が好ましい。しかし次善の選択として,これらの
表面汚染の原因となる有機物は親水基も同時に保有して
いるため,親水基と親和性がある親水性ゼオライトも利
用可能となる。ただし,撥水性ゼオライトを利用した場
合には,空気中の水分吸着量が活性炭や親水性ゼオライ
トに比べて少ないため,ゼオライト多孔質構造が有する
本来のガス状有機物の吸着容量が水分吸着によって目減
りすることがない。したがって,有機物の吸着素材とし
て撥水性ゼオライトを利用した場合,その寿命は同様の
多孔質構造を有する活性炭や親水性ゼオライトよりも長
くなる。一方,多孔質構造を有する活性炭や親水性ゼオ
ライトでは,空気中の水分吸着量が多いため,多孔質構
造本来の吸着容量が水分吸着によって大きく目減りして
しまい,水分吸着分を除いた残りの吸着容量分だけが有
機物の吸着に関与するため,その寿命も撥水性ゼオライ
トよりも短くなる。
【0060】ゼオライトの基本構成要素はシリカ(Si
2)とアルミナ(Al23)であるが,その含有重量
比SiO2/Al23を大きくしていくと,吸着特性は
親水性から疎水性へと大きく変化する。親水性ゼオライ
トではシリカ/アルミナ比は2〜5程度であり,撥水性
ゼオライトではシリカ/アルミナ比は20から無限大で
ある。先ほど,撥水性ゼオライトは親水性ゼオライトよ
りも有機物の吸着素材としての寿命が長いと述べた。し
かし,撥水性ゼオライトは親水性ゼオライトを原料とし
て酸処理による脱アルミニウム処理とその後の加熱乾燥
という工程を経て製造されるため,親水性ゼオライトよ
りも価格が高い。また,ゼオライトそのものの最大の用
途は洗剤用ビルダーであり,親水性ゼオライトが使用さ
れる。国内ではゼオライトの全需要の90%以上を洗剤
用ビルダーが占めている。ゼオライトの需要の伸びは,
海外(発展途上国)における無リン洗剤の需要増に支えら
れていることから,親水性ゼオライトには量産によるコ
ストダウンが容易であるのに対して,撥水性ゼオライト
のコストダウンは難しい。したがって,親水性ゼオライ
トの寿命が撥水性ゼオライトよりも短いからといって,
その対費用効果も親水性が撥水性よりも劣るということ
にはならない。ケミカルフィルタとしてのイニシャルコ
スト(濾材やケーシングを含む機器としてのケミカルフ
ィルタ全体の値段)と,ケミカルフィルタ濾材の寿命の
長さによって決まる交換頻度から割り出したランニング
コスト(交換濾材の値段)から,撥水性ゼオライトがよ
いか親水性ゼオライトがよいか総合的に判断すべきであ
る。
【0061】しかし,技術的な見地からは,吸着寿命が
長いという点において,撥水性ゼオライトの方が親水性
ゼオライトよりもより優れている。
【0062】つぎに,合成ゼオライトの水の吸着特性に
ついて説明する。細孔径が8オングストロームの撥水性
合成ゼオライトと細孔径が10オングストロームの親水
性合成ゼオライトと活性炭について,25℃の雰囲気に
おいて測定した水の吸着等温線図を図13に示した。活
性炭に関しては,相対湿度が少し増加するだけで空気中
の水分吸着飽和量も急激に増加する。例えば,水分をほ
とんど吸着していない未使用の活性炭添着ケミカルフィ
ルタを相対湿度20%の雰囲気の容器内に保管してお
き,このケミカルフィルタを使用するため保管容器から
取り出していきなり相対湿度50%のクリーンルーム雰
囲気に曝されると,活性炭が空気中の水分を吸着飽和に
達するまで多量に吸着することになってしまう。相対湿
度20%(水分吸着飽和量0.046cc/g)と50
%(水分吸着飽和量0.12cc/g)における活性炭
の水分吸着飽和量の差は0.074cc/gにもなる。
一方,細孔径が8オングストロームの撥水性合成ゼオラ
イトは相対湿度20%(水分吸着飽和量0.026cc
/g)と50%(水分吸着飽和量0.034cc/g)
における水分吸着飽和量の差はわずか0.008cc/
gである。さらに,細孔径が10オングストロームの親
水性合成ゼオライトでは,相対湿度20%の水分吸着飽
和量は0.262cc/gとかなり多いが,相対湿度が
20%から50%に変化しても,水分吸着飽和量の増加
は0.02cc/gに過ぎず,活性炭の場合の増加量の
27%に過ぎない。
【0063】図13からも理解できるように,相対湿度
が20%以上の雰囲気で保管されていた未使用の合成ゼ
オライトを備えた空気浄化フィルタを相対湿度50%の
クリーンルーム雰囲気において使用を開始した場合,そ
の上流側において所定の相対湿度に調節しても,この空
気浄化フィルタに使用されている合成ゼオライトは,そ
れが疎水性か親水性であるかを問わず,空気中の水分を
ほとんど吸着しないので,ケミカルフィルタを備えた清
浄装置内の相対湿度が所定の値よりも低くなるという活
性炭を含んだケミカルフィルタの不具合はない。
【0064】活性炭を添着したケミカルフィルタのよう
に,使用先の雰囲気の温湿度を出荷前に調査し,その温
湿度に見合った水分をわざとケミカルフィルタの活性炭
に吸着又は脱着させて密封梱包の上出荷するという面倒
な作業は必要ない。なぜなら,相対湿度が20%以下の
雰囲気は通常の作業環境ではありえない超乾燥状態であ
り,通常の作業環境では数10%が普通であるから,合
成ゼオライトを備えた空気浄化フィルタには,活性炭を
添着したケミカルフィルタのように水分をわざわざ出荷
前に吸脱着する必要はなく,そのまま梱包して出荷でき
る。
【0065】また,細孔径6オングストロームの親水性
および疎水性ゼオライト,細孔径8オングストロームの
親水性および疎水性ゼオライト,椰子殻を出発原料とす
る天然物系活性炭,石油ピッチを出発原料とする合成物
系活性炭の6種の吸着剤を対象に,クリーンルーム雰囲
気中(23℃,40%RH)に含まれる表面汚染の原因
となる微量有機物の吸着性能を比較した。それぞれの吸
着剤0.04gを断面積0.15cm2のカラムに充填
し,クリーンルームエアを3リットル/min通気し
た。実験条件を表4に示す。吸着剤通過後の3リットル
/minの空気は,容器自身からガス状有機不純物の発
生のない容積1リットルの容器の流入口に入り,流出口
から出ていく。この容器内に洗浄直後の有機物汚染のな
い酸化膜付きシリコンウェハ基板を20時間だけ放置し
て接触角を測定した。洗浄→20時間放置→接触角測定
→洗浄→20時間放置→接触角測定→・・・・)を連続
して繰り返し,各種吸着剤の吸着性能の経時劣化を測定
した。
【0066】
【表4】
【0067】 各種吸着剤に対する接触角の変化を図1
4に示す。なお,ウェハ表面の洗浄直後の接触角の測定
値は約3°であった。図14において,曲線40は,洗
浄直後の有機物汚染のない酸化膜付きシリコンウェハを
吸着剤に通気する前のクリーンルームエアに曝した場合
であり,曲線41は,細孔径6オングストロームの親水
性ゼオライトを備えた吸着剤に通気後のクリーンルーム
エアに曝した場合であり,曲線42は,細孔径8オング
ストロームの親水性ゼオライトを備えた吸着剤に通気後
のクリーンルームエアに曝した場合であり,曲線45
は,細孔径6オングストロームの疎水性ゼオライトを備
えた吸着剤に通気後のクリーンルームエアに曝した場合
であり,曲線46は,細孔径8オングストロームの疎水
性ゼオライトを備えた吸着剤に通気後のクリーンルーム
エアに曝した場合であり,曲線43は,天然物系活性炭
を主成分とする吸着剤に通気後のクリーンルームエアに
曝した場合であり,曲線44は,合成物系活性炭を主成
分とする吸着剤に通気後のクリーンルームエアに曝した
場合である。
【0068】図14からつぎのようなことがわかる。 1.吸着性能は,曲線46(細孔径8オングストローム
の疎水性ゼオライト)>曲線42(細孔径8オングスト
ロームの親水性ゼオライト)>曲線43(天然物系活性
炭)>曲線45(細孔径6オングストロームの疎水性ゼ
オライト)>曲線41(細孔径6オングストロームの親
水性ゼオライト)>曲線44(合成物系活性炭)の順で
ある。特に合成物系活性炭が悪い。 2.細孔径6オングストロームの親水性ゼオライト(曲
線41)は通気時間が30時間を越えるあたりから,ま
た細孔径6オングストロームの疎水性ゼオライト(曲線
45)と天然物系活性炭(曲線43)は通気時間が50
時間を越えるあたりからそれぞれ吸着性能の低下が始ま
る。 3.細孔径8オングストロームの親水性ゼオライト(曲
線42)は通気時間が120時間まで,また細孔径8オ
ングストロームの疎水性ゼオライト(曲線46)と合成
物系活性炭(曲線44)は通気時間が200時間まで吸
着性能は低下しない。 4.吸着性能が低下しない使用初期において,細孔径6
オングストロームの親水性ゼオライト(曲線41)と細
孔径8オングストロームの親水性ゼオライト(曲線4
2)を比較すると,細孔径6オングストロームの親水性
ゼオライト(曲線41)が3゜→7.8゜の変化に対し
て,細孔径8オングストロームの親水性ゼオライト(曲
線42)は3゜→3.5゜の変化であった。同じく,吸
着性能が低下しない使用初期において,細孔径6オング
ストロームの疎水性ゼオライト(曲線45)と細孔径8
オングストロームの疎水性ゼオライト(曲線46)を比
較すると,細孔径6オングストロームの疎水性ゼオライ
ト(曲線45)が3゜→6.4゜の変化に対して,細孔
径8オングストロームの疎水性ゼオライト(曲線46)
は3゜→3.1゜の変化であった。細孔径8オングスト
ロームの親水性および疎水性ゼオライトはクリーンルー
ム雰囲気中に含まれる表面汚染の原因となる微量有機物
をほぼ完全に吸着除去できるのに対して,細孔径6オン
グストロームの親水性および疎水性ゼオライトは吸着除
去できずに通過してしまう表面汚染の原因となる微量有
機物があるということがわかる。 5.細孔径8オングストロームの親水性および疎水性ゼ
オライト(曲線42と46),および天然物系活性炭
(曲線43)の吸着性能は,細孔径6オングストローム
の親水性および疎水性ゼオライト(曲線41と45),
および合成物系活性炭(曲線44)の吸着性能よりもは
るかに良い。ゼオライトは,細孔径よりも大きな分子を
吸着することはできない。従って,細孔径8オングスト
ロームの親水性および疎水性ゼオライト(曲線42と4
6)でクリーンルーム雰囲気中に含まれる表面汚染の原
因となる微量有機物をほぼ完全に吸着除去できたという
ことは,図12の実験で対象としたクリーンルーム雰囲
気中に含まれていた表面汚染の原因となる大半の微量有
機物の分子サイズが8オングストローム以下であるとい
うことを示す。一方,細孔径6オングストロームの親水
性および疎水性ゼオライトは合成物系活性炭と比較する
とほぼ満足できる吸着性能があるものの,わずかに吸着
除去できずに通過する表面汚染の原因となる微量有機物
があり,この通過した微量有機物の分子サイズは6オン
グストローム以上8オングストローム以下であったとい
うことを示す。
【0069】以上,本発明の好適な実施例について,L
SIやLCDの製造プロセス全般の高度清浄装置(いわ
ゆるクリーンルーム)に関して説明したが,本発明はか
かる実施例に限定されない。ミニエンバイロメントと称
する局所的な高度清浄装置やクリーンベンチやクリーン
チャンバや清浄な製品を保管するための各種ストッカな
ど様々な規模の高度清浄装置,空気浄化フィルタの処理
可能風量,循環風量と外気取り入れ空気量の割合,高度
清浄装置内部からのガス状有機不純物の発生の有無など
の処理環境に応じて多様な実施例が考えられる。
【0070】例えば,300mm直径シリコンウェハを
使用して256MbitDRAMや1GbitDRAM
の半導体製造が1999年頃から始まろうとしている。
このような半導体製造装置では,ウェハを該装置内のチ
ャンバに導入した後,反応プロセスを開始するまでの
間,不活性ガス供給装置から窒素やアルゴンの不活性ガ
スを送気して該チャンバ内に充満させる。この不活性ガ
スは極めて高純度の仕様であり,不活性ガス自体がウェ
ハの表面汚染を起こすことはない。しかし,不活性ガス
の供給をオンオフするために,不活性ガス供給装置とチ
ャンバの間にはバルブが設けられ,このバルブの構成素
材からウェハ表面汚染の原因となるガス状有機物が発生
する。本発明による空気浄化フィルタをバルブとチャン
バの間のガス流路に設けることによって,該空気浄化フ
ィルタは自身からのガス状有機汚染物を発生することな
く,バルブから発生する種々のガス状有機汚染物を除去
することで,ウェハの表面汚染の防止と品質向上に役立
った。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば,以下のような効果を奏
する。 (1)清浄装置で取り扱う基板表面の汚染を防止するに
あたり,雰囲気中に含まれる基板表面汚染の原因となる
ガス状有機不純物を吸着・除去したことによって,半導
体やLCDの製造などに好適な基板表面の汚染の原因と
なるガス状有機不純物が除去された清浄空気を作り出す
ことができた。また,半導体やLCDの製造において,
この清浄空気を,基板表面が暴露される清浄装置の雰囲
気として利用することで,基板表面の有機物汚染を防止
することができた。 (2)(1)において,ガス状有機不純物を吸着・除去
するための吸着剤として合成ゼオライトを,またガス状
有機不純物を吸着・除去するための吸着剤として該合成
ゼオライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を有す
る各種無機物を適宜に選択し,組み合わせることによっ
て,構成材料に可燃物を含まない空気浄化フィルタを提
供することができ,この空気浄化フィルタを用いて構築
された清浄装置は,従来の活性炭吸着剤やイオン交換繊
維の空気浄化フィルタを用いて構築された清浄装置に比
べて防災上,優れていた。また,基板表面汚染の原因と
なるガス状有機物を発生しない素材のみから構成される
空気浄化フィルタを提供することができ,この空気浄化
フィルタを用いて構築された清浄装置は,従来の活性炭
吸着剤やイオン交換繊維の空気浄化フィルタを用いて構
築された清浄装置に比べて,基板表面の有機物汚染をよ
り完全に防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる空気浄化フィルタ
の斜視であり,(a)は分解図,(b)は組立図をそれ
ぞれ示している。
【図2】第1,2のフィルタ部の概略的な分解組立図で
ある。
【図3】他の実施の形態にかかる空気浄化フィルタの分
解図である。
【図4】他の実施の形態にかかる空気浄化フィルタの説
明図である。
【図5】波形シートと薄板シートを積層した空気浄化フ
ィルタの部分拡大図である。
【図6】山形シートと薄板シートを積層した空気浄化フ
ィルタの部分拡大図である。
【図7】ケーシングを用いて構成した本発明の他の実施
の形態にかかる空気浄化フィルタを示し,(a)は
(b)のA−A断面,(b)は(a)のB−B断面であ
る。
【図8】ケミカルフィルタによる処理空気に曝されたウ
ェハ表面の接触角の経時変化を示すグラフである。
【図9】接触角と炭素付着量の関係を示すグラフであ
る。
【図10】本発明による空気浄化フィルタをクリーンル
ーム内に置かれた保管庫の天井に取り付けた実施例の説
明図である。
【図11】本発明による空気浄化フィルタの効果を示す
グラフである。
【図12】本発明による空気浄化フィルタをクリーンル
ーム内に置かれた保管庫のクリーニングルームエアの取
り入れ口に取り付けた別の実施例の説明図である。
【図13】合成ゼオライトと活性炭への水の吸着等温線
図である。
【図14】各種の吸着剤の表面汚染の原因となる微量有
機物の吸着性能を比較したグラフである。
【符号の説明】
11 空気浄化フィルタ 11a 第1のフィルタ部 11b 第2のフィルタ部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 20/12 B01J 20/12 Z 20/14 20/14 20/18 20/18 Z 20/32 20/32 Z (56)参考文献 特開 平7−8752(JP,A) 特開 昭56−37019(JP,A) 特開 平7−98134(JP,A) 特開 平4−104835(JP,A) 特表 昭60−501495(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成ゼオライトを備えた通気性を有する
    第1のフィルタ部の上流側又は下流側に隣接させて,ガ
    ス状有機不純物を吸着する性質を有し,かつ前記合成ゼ
    オライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を有する
    無機吸着剤を備えた通気性を有する第2のフィルタ部を
    配置した空気浄化フィルタであって, 前記第1のフィルタ部が,支持体の表面に合成ゼオライ
    トを固着させた構成であり,前記第2のフィルタ部が,
    支持体の表面に前記無機吸着剤を固着させた構成であ
    り, 前記合成ゼオライトの有効細孔径が7オングストローム
    以上であり,かつ前記第2のフィルタ部の無機吸着剤に
    おいて,15〜300オングストロームの範囲に分布す
    る細孔の総容積が重量当たり0.2cc/g以上である
    か,又は該無機吸着剤の細孔の比表面積が100m
    g以上であることを特徴とする空気浄化フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第1のフィルタ部が,前記合成ゼオ
    ライトを分散させた懸濁液に支持体を含浸させた後に乾
    燥することで支持体表面に合成ゼオライトを固着させた
    構成であり,前記第2のフィルタ部が,前記無機吸着剤
    を分散させた懸濁液に支持体を含浸させた後に乾燥する
    ことで支持体表面に無機吸着剤を固着させた構成である
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気浄化フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記第1のフィルタ部が,合成ゼオライ
    トの粉末で形成したペレットを支持体に固着させた構成
    であり,前記第2のフィルタ部が,前記無機吸着剤の粉
    末で形成したペレットを支持体に固着させた構成である
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気浄化フィルタ。
  4. 【請求項4】 通気性を有する支持体を,該支持体の通
    気方向と交差する面を境にして2つの領域に分割し,一
    方の領域において支持体の表面に合成ゼオライトもしく
    は合成ゼオライトの粉末で形成したペレットを固着させ
    て第1のフィルタ部を形成し,他方の領域において支持
    体の表面に無機吸着剤もしくは無機吸着剤の粉末で形成
    したペレットを固着させて第2のフィルタ部を形成した
    ことを特徴とする請求項1,2又は3のいずれかに記載
    の空気浄化フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記支持体が,ハニカム構造体であり,
    該前記ハニカム構造 体が,無機繊維を必須成分とする構
    造体であることを特徴とする請求項1,2,3又は4の
    いずれかに記載の空気浄化フィルタ。
  6. 【請求項6】 合成ゼオライトを備えた通気性を有する
    第1のフィルタ部の上流側又は下流側に隣接させて,ガ
    ス状有機不純物を吸着する性質を有し,かつ前記合成ゼ
    オライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を有する
    無機吸着剤を備えた通気性を有する第2のフィルタ部を
    配置した空気浄化フィルタであって, 前記合成ゼオライトのペレットをケーシング内に充填し
    て前記第1のフィルタ部を構成し,前記無機吸着剤のペ
    レットを別のケーシング内に充填して前記第2のフィル
    タ部を構成し, 前記合成ゼオライトの有効細孔径が7オングストローム
    以上であり,かつ前記第2のフィルタ部の無機吸着剤に
    おいて,15〜300オングストロームの範囲に分布す
    る細孔の総容積が重量当たり0.2cc/g以上である
    か,又は該無機吸着剤の細孔の比表面積が100m
    g以上であることを特徴とする空気浄化フィルタ。
  7. 【請求項7】 第1のフィルタ部を上流側に配置し,第
    2のフィルタ部を下流側に配置したことを特徴とする請
    求項1,2,3,4,5又は6のいずかに記載の空気浄
    化フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記合成ゼオライトのシリカ/アルミナ
    比が20以上であることを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6又は7のいずれかに記載の空気浄化フィ
    ルタ。
  9. 【請求項9】 前記第2のフィルタ部の無機吸着剤が,
    けいそう土,シリカ,アルミナ,シリカとアルミナの混
    合物,珪酸アルミニウム,活性アルミナ,多孔質ガラ
    ス,リボン状構造の含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物,
    活性白土,活性ベントナイトの少なくとも1種からなる
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又
    は8のいずれかに記載の空気浄化フィルタ。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8又は9のいずれかに記載の空気浄化フィルタを,HE
    PAフィルタと共に,天井に取付けてなる清浄装置。
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