JP3397283B2 - 高靱性極厚高張力鋼材及びその製造方法 - Google Patents

高靱性極厚高張力鋼材及びその製造方法

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JP3397283B2 JP21004896A JP21004896A JP3397283B2 JP 3397283 B2 JP3397283 B2 JP 3397283B2 JP 21004896 A JP21004896 A JP 21004896A JP 21004896 A JP21004896 A JP 21004896A JP 3397283 B2 JP3397283 B2 JP 3397283B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板厚高い靱性と降
伏強さを同時に具備した引張強さ950N/mm2以上の
極厚(板厚75mm超、特に100mm以上に好適な)高張
力鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、原子力発電所建設が極めて困難に
なりつつある反面、電力需要は伸びる一方であり特に夏
期ピーク時の消費量は極めて高い。このような情勢の中
で火力や水力発電所建設は産業界の急務であり、特に急
激な電力使用量変動の調整用発電に不可欠な大型揚水発
電にかかる期待は大きい。特に、高い落差のペンストッ
クを有した大型揚水発電の建設は急務であり、これにと
もなう高水圧に耐える鋼板も必要である。なかんづく、
非常に大きな水圧を受ける分岐部の補剛板には高強度且
つ厚手の鋼板の開発が必須である。現状ではこの用途に
引張強さ780N/mm2 級の厚手鋼板(例えば160m
m)が使用されているが、将来の超高落差水圧鉄管に使
用するとすれば厚さ200mmを大幅に超え、あまりに極
厚化してしまうことになり、加工性、溶接施工性、運搬
コストなどの点から工業的限界がある。このため、強度
上昇により板厚の増大を抑制しつつ構造物の安全性を確
保することが考えられている。
【0003】したがって、産業界においては、板厚75
mm以上の極厚で、板厚中心部において引張強さ950N
/mm2 以上且つ靱性を具備した鋼板が必要とされてお
り、その開発が電力安定需給の是非をになうと言っても
過言ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる目的に使用され
る引張強さ950N/mm2 以上の厚手高張力鋼として開
示された技術は少なく、たとえばNb無添加B鋼として
特公平1−20210号公報に記載されている鋼材があ
る。しかし、左記の鋼材は、極厚鋼板の特に板厚中心部
に必要不可欠な旧オーステナイト粒界への有効B偏析に
基づく組織制御がなされておらず、本発明は、このよう
な事情に鑑み考案されたもので、板厚全厚にわたり高い
靱性と降伏強さを同時に具備した引張強さ950N/mm
2 以上級の、極厚(板厚75mm超、特に100mm以上に
好適な)高張力鋼材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)〜(5)のとおりである。 (1)重量比で、C:0.07〜0.2%,Si:0.
05〜0.5%,Mn:0.6〜1.5%,Cu:0.
1〜1%,Ni:1〜5%,Nb:0.01〜0.05
%,sol.Al:0.01〜0.1%,B:0.00
03〜0.003%,N:0.006%以下と残部Fe
及び不可避不純物を含有し、少なくとも板厚中心部でオ
ーステナイト平均粒径d(μm)、オーステナイト粒径
分布ばらつきΔdからなるBSP=(10000×
〔B〕−0.4×d)×(〔Al〕/2〔N〕)×(d
/Δd)が、 100≦BSP≦300 〔但し、〔Al〕,〔B〕,〔N〕は、Al,B,Nの
含有量(重量%)〕を満足する鋼からなる引張強さ95
0N/mm2 以上の高靱性極厚高張力鋼材。 (2)上記(1)記載の鋼に、さらに、Cr:0.2〜
1%,Mo:0.2〜1%,V:0.01〜0.1%、
の板厚中心部強度改善元素群の1種又は2種以上を含有
せしめたことを特徴とする引張強さ950N/mm2 以上
の高靱性極厚高張力鋼材。 (3)上記(1)もしくは(2)記載の鋼に、さらに、
Ti:0.01〜0.05%を含有することを特徴とす
る引張強さ950N/mm2 以上の高靱性極厚高張力鋼
材。 (4)上記(1),(2)もしくは(3)記載の鋼組成
に、Ca:0.001〜0.01%,REM:0.01
〜0.05%の1種または2種を含有せしめた鋼である
ことを特徴とする引張強さ950N/mm2 以上の高靱性
極厚高張力鋼材。 (5)上記(1),(2),(3)もしくは(4)記載
の鋳片または鋼片を、1000〜1200℃に加熱後熱
間圧延を施し板厚75mm以上の鋼板となし、その後下記
式を満足するT℃に加熱後焼入れし、次いでAc1点以下
の温度で焼もどすことを特徴とする引張強さ950N/
mm2 以上の高靱性極厚高張力鋼材の製造方法。
【0006】−400℃≦T−{7500/(3−log
(Nb×C0.9 ))}≦−320℃ 本発明の基本的な技術思想は、焼入れ性が高い鋼におい
て、焼入れ再加熱時のオーステナイト粒を十分に再結晶
させてほぼ六角形状の整細粒として鋼中の数ppm オーダ
ーの固溶Bをこのオーステナイト粒界上に偏析させるた
め、加熱時の固溶B確保及び再結晶進行度を表すB偏析
パラメーターを定義し、板厚中心部まで均一な強度と靱
性を有する極厚鋼板を得ることにある。
【0007】さらに、本発明者らは、Nb添加鋼の極厚
材の板厚中心部を含め、オーステナイト粒界へのBの有
効偏析の支配因子を詳細に検討した結果、オーステナ
イト粒が十分に再結晶されてほぼ六角形状でサイズがそ
ろった径分布となったとき、各オーステナイト粒界が大
傾角粒界となって再加熱焼入れ時に固溶Bを該粒界中に
有効に取り込み、Cの拡散を抑えて結果的に高い焼入れ
性を発揮できること、B,Al及びN含有量、旧オー
ステナイト平均粒径d(μm)及びオーステナイト粒径
分布ばらつきΔdで決まる旧オーステナイト粒界へのB
偏析パラメーター、BSP=(10000×〔B〕−
0.4×d)×(〔Al〕/2〔N〕)×(d/Δd)
が、100≦BSP≦300を満足するとき、図1に示
すように上記の効果が最大限に発揮されることを明ら
かにした。ここで、図1(a)に示すように、オーステ
ナイト平均粒径dと板厚中心部の−60℃での衝撃吸収
エネルギーvE−60の間には明確な相関性が無いが、
図1(b)に示すようにBSPとvE−60には相関性
があり、BSPが100未満では焼入れ性が低く、一
方、BSPが300を超える場合、鋼の靱性が著しく低
下する。オーステナイト粒は例えばピクリン酸水溶液、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ溶液及びしゅう酸水
溶液の混合溶液を用いて現出させる。図2は、オーステ
ナイト粒の模式図である。オーステナイト平均粒径d
は、光学顕微鏡500倍観察で10視野を任意に抽出し
さらに各視野から隣接し合う50個のオーステナイト粒
を抽出し、各々の粒径についてJIS G 0551の
オーステナイト結晶粒度試験法の標準図と比較して粒度
番号を決定し、これより各粒を円形と仮定して直径から
オーステナイト平均粒径dを算出した。このようにして
測定した計500個のオーステナイト粒径の頻度分布を
作成して平均粒径を決定し、さらにこの平均値まわりに
全粒径の50%がおさまる範囲の上下限値と平均値との
偏差の大きい方をΔdとした。
【0008】次に、本発明の限定理由を説明する。C
は、焼入れ性の確保と析出強化主要元素として重要であ
り、最低0.07%を必要とするが、0.2%を越える
添加により靱性及び溶接性が低下する。よってCの添加
範囲は0.07〜0.2%である。Siは、脱酸材とし
て重要であるばかりでなく焼入れ性の点から不可欠であ
り、最低0.05%を必要とするが、0.5%を越える
添加により靱性と溶接性を低下させ、且つ溶接継手ボン
ド部組織を粗くしかつ島状マルテンサイト組織を現出さ
せてこの部位の靱性を著しく低下させる。したがってS
iの添加範囲は0.05〜0.5%とする。
【0009】Mnは、Sを固定して熱間加工時の粒界割
れを防止する効果と焼入れ性の点から重要な元素であり
最低0.6%を必要とするが、1.5%を越える添加に
より、靱性を低下させ且つ熱間加工時の粒界へのCu偏
析を助長する。したがってMnの添加範囲は0.6〜
1.5%とする。Cuは析出強化による強度確保上必要
不可欠な元素であり最低0.1%を必要とするが、1%
を越える添加により溶接性及び靱性を低下させ且つ熱間
加工時の粒界への偏析割れを引き起こす。したがってC
uの添加範囲は0.1〜1%とする。
【0010】Niは焼入れ性とマトリックスの靱性確保
上不可欠の重要元素であり、本発明の板厚75mm以上
(特に100mm以上)の極厚鋼板においては最低1%を
必要とするが、5%を越える添加により溶接性と熱間加
工性を著しく低下させるうえ、Ac1点を著しく低下させ
て焼もどし温度上限を下げ、結果的に靱性を低下させ
る。したがって、Niの添加範囲は1〜5%とする。
【0011】Nbは、本発明中の重要な元素である。N
bは添加されることによって、炭窒化物として析出して
析出強化及び結晶粒の細粒化に有効であるため最低0.
01%を必要とするが、0.05%を超えると析出物の
粗大化が顕著化し、母材及び溶接継手靱性を低下させ
る。したがって、Nbの添加範囲は0.01〜0.05
%である。
【0012】Alは脱酸材として重要であるばかりでな
く、Nを固定して固溶Bを確保し焼入れ時にオーステナ
イト粒界に偏析したBがフェライトの生成を抑制して焼
入れ性を高める効果を助ける。この重要な目的のためs
ol.Al状態で最低0.01%を必要とするが、過剰
の添加は粗大AlNの析出をまねき靱性を著しく損うの
でその上限は0.1%である。したがって、sol.A
lの範囲は0.01〜0.1%である。
【0013】Bは、オーステナイト粒界に偏析してフェ
ライトの生成を抑制することによって焼入れ性を確保す
る最も重要な元素であり、最低0.0003%が必要で
あるが、0.003%を超える添加によって粗大窒化物
を形成し靱性を低下させるうえ、かえって焼入れ性をも
低下させる。したがってBの添加範囲は0.0003〜
0.003%である。
【0014】NはAlおよびBの効果を安定に作用させ
るために0.006%以下にしなければならない。これ
以上であると焼入れ性を低下させ、且つ靱性全般にも悪
影響を及ぼす。Cr,Mo,Vは、焼入れ時にフェライ
トの生成を抑制するとともにCu析出相との相互作用に
より焼もどし時に析出物形成し板厚中心部の強度上昇を
もたらす。
【0015】Crは焼入れ性確保上不可欠の元素であり
最低0.2%を必要とするが、1%を越える添加により
粗大炭化物を析出させ、靱性と溶接性を著しく低下させ
る。したがって、Crの添加範囲は0.2〜1%とす
る。Moは、析出強化と固溶強化による強化効果及び焼
入れ性確保の点から最低0.2%の添加を必要とする
が、1%を越える添加により粗大炭化物を析出させて靱
性を低下させるほか、溶接性と熱間加工性をも著しく低
下させる。したがって、Moの添加範囲は0.2〜1%
とする。
【0016】Vは、焼入れ性向上のほか、翼状V炭窒化
物等の炭窒化物の析出強化による強化効果の点から最低
0.01%を必要とするが、0.1%を超える添加は炭
窒化物の粗大化をまねき、かえって母材及び溶接継手の
靱性を低下させる。したがって、Vの添加範囲は0.0
1〜0.1%である。TiはAlと同じく、Nを固定し
て固溶Bを確保し焼入れ時にオーステナイト粒界に偏析
したBがフェライトの生成を抑制して焼入れ性を高める
効果を助ける。この目的のためには最低0.01%を必
要とするが、過剰の添加は粗大TiNの析出をまねき母
材及び溶接継手の靱性を著しく損うのでその上限は0.
05%である。したがって、Tiの添加範囲は0.01
〜0.05%である。
【0017】Ca及びREMは、介在物の形態及び分散
制御に極めて有効で靱性向上に寄与する。この効果のた
めにはCaは0.001%以上、REMは0.01%以
上の添加を必要とするが、Caでは0.01%、REM
では0.05%を超える添加で靱性をかえって低下させ
る。よってCaの添加範囲は0.001〜0.01%、
REMの添加範囲は0.01〜0.05%とする。
【0018】一方、鋼中のP,Sは焼もどし時にオース
テナイト粒界に偏析して靱性を著しく低下させるため、
ともに0.015%以下が好ましい。次に、鋼板製造条
件について説明する。スラブ加熱温度は、極厚鋼板中の
欠陥圧着のための圧延圧下しろを大きくとるためには1
000℃以上が望ましく、一方1200℃超では圧延後
の結晶粒が粗大化するため加熱温度上限は1200℃が
望ましい。圧延後の冷却時に水冷を行っても良く、ま
た、圧延後の冷却は空冷及び水冷ともに300℃以下ま
で行うことが望ましいが、300℃以上において加熱を
行ってもかまわない。焼もどし後の冷却も空冷、水冷い
ずれでもかまわない。
【0019】焼入れ時の加熱温度T(℃)は、本発明中
の重要要素である。すなわち、オーステナイト粒の異常
成長を抑えるNbCの溶解阻止のため、NbCの溶解温
度より十分に低くなければならない。一方、Bの有効偏
析を得るためにはオーステナイト粒の再結晶が十分に起
こる温度を確保することが望ましい。以上の点を詳細に
検討した結果、図3(b)に示すように、 −400℃≦T−{7500/(3−log (Nb×C0.9 ))}≦−320℃ …(1)式 の温度範囲が望ましいことがわかた。焼入れ回数は1回
で良いが、更に靱性の板厚方向の均一化を図るために2
回以上の焼入れを行なってもかまわない。2回目以降の
加熱温度Tも前記(1)式を満足し、かつ先の加熱温度
より低目にすることが好ましい。
【0020】本願発明によれば、板厚又は肉厚200mm
程度であっても、母材の板厚(肉厚)中心部〜表層部に
わたって母材と継手の性能の良好な引張強さ950N/
mm2以上の極厚高張力鋼材が得られる。また、板厚又は
肉厚が75〜200mmの鋼材を更に冷間、温間(好まし
くはAc1点以下)で加工したものであっても本願発明を
逸脱するものではない。
【0021】
【発明の実施の形態及び実施例】表1〜表4に示す成分
範囲の鋼を溶製し、これらの鋼を各温度に再加熱後、熱
間圧延で板厚75〜200mmまで圧延した後、種々の温
度で焼入れた後630℃で焼もどして供試鋼板とした。
表5〜表8のB偏析パラメーター(BSP)は下記のd
とΔd測定より求めた。
【0022】オーステナイト粒はピクリン酸水溶液、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ溶液及びしゅう酸水溶
液の混合溶液を用いて現出させた。オーステナイト平均
粒径dは、光学顕微鏡500倍観察で10視野を任意に
抽出しさらに各視野から隣接し合う50個のオーステナ
イト粒を抽出し、各々の粒径についてJIS G 05
51のオーステナイト結晶粒度試験法の標準図と比較し
て粒度番号を決定し、これより各粒を円形と仮定して直
径からオーステナイト平均粒径dを算出した。このよう
にして測定した計500個のオーステナイト粒径の頻度
分布を作成して平均粒径を決定し、さらにこの平均値ま
わりに全粒径の50%がおさまる範囲の上下限値と平均
値との偏差の大きい方をΔdとした。
【0023】製造した各鋼板の鋼板表層部(表面下7m
m)及び板厚中心部の各々圧延方向から採取した試験片
を用いて室温引張試験、また主圧延方向に対して垂直な
方向から衝撃試験片を採取し−60℃での衝撃吸収エネ
ルギー(vE−60)を測定した。さらに、サブマージ
・アーク溶接にて入熱4.8KJ/mmで鋼板の突合せ継手
を製作後、鋼板板厚1/4の部位で且つボンド線から2
mm溶接熱影響部に入った部位にノッチを入れた衝撃試験
片を採取し、0℃での衝撃吸収エネルギー(vE0)を
測定した。表5〜表8に以上の試験結果を示す。
【0024】なお、引張試験はJIS Z 2201
4号試験片を用い、JIS Z 2204に準拠して行
った。また、衝撃試験は、JIS Z 2202 4号
試験片を用い、JIS Z 2242に準拠して行なっ
た。表1〜表8に示す鋼のうちNo. 1〜No. 25は本発
明実施例であり、No. 26〜No. 52は本発明の範囲外
の比較例である。
【0025】比較例No. 26及びNo. 27は、BSPが
本発明の下限を下回るため表層部強度及び板厚中心部の
強度・靱性が低い。比較例No. 28及びNo. 29は、B
SPが本発明の上限を上回るため表層部靱性及び板厚中
心部の靱性が低い。比較例No. 30は、Cが本発明の下
限を下回るため表層部強度及び板厚中心部の強度・靱性
が低い。
【0026】比較例No. 31は、Cが本発明の上限を上
回るため表層部靱性及び板厚中心部の靱性が低い。比較
例No. 32は、Siが本発明の下限を下回るため表層部
強度及び板厚中心部の強度・靱性が低い。比較例No. 3
3は、Siが本発明の上限を上回るため表層部、板厚中
心部及び溶接継手の靱性が低い。
【0027】比較例No. 34は、Mnが本発明の下限を
下回るため表層部強度及び板厚中心部の強度・靱性が低
い。比較例No. 35は、Mnが本発明の上限を上回るた
め表層部、板厚中心部及び溶接継手の靱性が低い。比較
例No. 36は、Cuが本発明の下限を下回るため表層部
及び板厚中心部の強度が低い。
【0028】比較例No. 37は、Cuが本発明の上限を
上回るため表層部、板厚中心部及び溶接継手の靱性が低
い。比較例No. 38は、Niが本発明の下限を下回るた
め表層部及び板厚中心部の強度・靱性及び溶接継手の靱
性が低い。比較例No. 39は、Niが本発明の上限を上
回るため表層部及び板厚中心部の靱性が低い。
【0029】比較例No. 40は、Crが本発明の上限を
上回るため表層部、板厚中心部及び溶接継手の靱性が低
い。比較例No. 41は、Moが本発明の上限を上回るた
め表層部、板厚中心部及び溶接継手の靱性が低い。比較
例No. 42は、Moが本発明の上限を上回るため表層
部、板厚中心部及び溶接継手の靱性が低い。
【0030】比較例No. 43は、Nbが本発明の下限を
下回るため表層部及び板厚中心部の強度・靱性が低い。
比較例No. 44は、Vが本発明の上限を上回るため表層
部及び板厚中心部の靱性及び溶接継手の靱性が低い。比
較例No. 45は、Alが本発明の下限を下回るため表層
部及び板厚中心部の強度・靱性が低い。
【0031】比較例No. 46は、Alが本発明の上限を
上回るため表層部及び板厚中心部の靱性及び溶接継手の
靱性が低い。比較例No. 47は、Bが本発明の下限を下
回るため表層部及び板厚中心部の強度・靱性が低い。比
較例No. 48は、Bが本発明の上限を上回るため表層部
及び板厚中心部の靱性及び溶接継手の靱性が低い。
【0032】比較例No. 49は、Nが本発明の上限を上
回るため表層部及び板厚中心部の強度・靱性及び溶接継
手の靱性が低い。比較例No. 50は、Tiが本発明の上
限を上回るため表層部、板厚中心部及び溶接継手の靱性
が低い。比較例No. 51及びNo. 52は、それぞれ、C
a及びREMが本発明の上限を上回るため表層部、板厚
中心部及び溶接継手の靱性が低い。
【0033】これらに対し、本発明実施例No. 1〜No.
25は、鋼板全般及びその溶接継手にわたって強度と靱
性のバランスが申し分ない特性を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【発明の効果】本発明により、板厚中心部においても強
度と靱性バランスが優れた引張強さ950N/mm2 以上
の極厚高張力鋼板の供給が可能となり産業界に与える効
果は極めて大きいと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、C:0.112%,Si:0.09
%,Mn:1.02%,Cu:0.42%,Ni:3.
58%,Cr:0.56%,Mo:0.58%,V:
0.035%,Nb:0.012%,Al:0.052
%,N:0.0025%,B:0.0011%の鋼の板
厚中心部における、(a)オーステナイト平均粒径dと
vE−60、及び(b)BSPとvE−60の関係を示
すグラフである。
【図2】図2は、オーステナイト結晶粒界と平均粒径d
との関係を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の成分範囲の鋼について焼入れ
温度Tを変化させた場合の板厚中心部における、(a)
焼入れ温度TとvE−60、及び(b)T−{7500
/(3−log (Nb×C0.9 ))}とvE−60の関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−136624(JP,A) 特開 平3−232923(JP,A) 特開 昭60−21326(JP,A) 特開 平7−118741(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C:0.07〜0.2%, Si:0.05〜0.5%, Mn:0.6〜1.5%, Cu:0.1〜1%, Ni:1〜5%, Nb:0.01〜0.05%, sol.Al:0.01〜0.1%, B:0.0003〜0.003%, N:0.006%以下、 と残部Fe及び不可避不純物を含有し、少なくとも板厚
    中心部でオーステナイト平均粒径d(μm)、オーステ
    ナイト粒径分布ばらつきΔdからなるBSP=(100
    00×〔B〕−0.4×d)×(〔Al〕/2〔N〕)
    ×(d/Δd)が、 100≦BSP≦300 〔但し、〔Al〕,〔B〕,〔N〕は、Al,B,Nの
    含有量(重量%)〕を満足する鋼からなる引張強さ95
    0N/mm2 以上の高靱性極厚高張力鋼材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼に、さらに、 Cr:0.2〜1%, Mo:0.2〜1%, V:0.01〜0.1%, の板厚中心部強度改善元素群の1種又は2種以上を含有
    せしめたことを特徴とする引張強さ950N/mm2 以上
    の高靱性極厚高張力鋼材。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2記載の鋼に、さら
    に、 Ti:0.01〜0.05% を含有することを特徴とする引張強さ950N/mm2
    上の高靱性極厚高張力鋼材。
  4. 【請求項4】 請求項1,2もしくは3記載の鋼組成
    に、 Ca:0.001〜0.01%, REM:0.01〜0.05% の1種または2種を含有せしめた鋼であることを特徴と
    する引張強さ950N/mm2 以上の高靱性極厚高張力鋼
    材。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3もしくは4記載の鋳片
    または鋼片を、1000〜1200℃に加熱後熱間圧延
    を施し板厚75mm以上の鋼板となし、その後下記式を満
    足するT℃に加熱後焼入れし、次いでAc1点以下の温度
    で焼もどすことを特徴とする引張強さ950N/mm2
    上の高靱性極厚高張力鋼材の製造方法。 −400℃≦T−{7500/(3−log (Nb×C
    0.9 ))}≦−320℃
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