JP3395804B2 - 多硫化ナトリウムを組成する多硫化硫黄の分析方法 - Google Patents

多硫化ナトリウムを組成する多硫化硫黄の分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多硫化ナトリウム蒸解
プロセスに使用する蒸解薬液の多硫化ナトリウムのイオ
ンを組成する多硫化硫黄(ポリサルファイド・サルファ
ーとも称し、Na2SX における(x-1)Sに相当する。)を分
析する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木材資源の有効活用として、化学パルプ
の高収率化は重要な課題であり、この化学パルプの主流
をなすクラフトパルプの高収率化の技術の一つとして多
硫化ナトリウム蒸解プロセスがある。多硫化ナトリウム
蒸解プロセスに於ける蒸解薬液は、硫化ナトリウムを含
むアルカリ性水溶液、いわゆる白液を活性炭等の触媒の
存在下に空気等の分子状酸素により酸化することにより
製造される(特開昭61―25954、特開昭53―9
2981)。
【0003】多硫化ナトリウム蒸解プロセス蒸解薬液の
調製方法を概説すると、蒸解白液として回収し、循環す
る薬液中の硫化ナトリウムの約6割を接触酸素酸化し、
その7割を多硫化ナトリウムに変え、不足する硫黄を加
え、多硫化ナトリウム蒸解薬液として調製し、使用する
ことが骨子であり、その接触酸素酸化の際に、薬液中の
硫化ナトリウムの一部が蒸解に無効であるチオ硫酸ナト
リウムにまで変化するが、多硫化硫黄として不足する硫
黄の添加量に見合う収率向上が期待できる技術である。
【0004】蒸解に無効であるチオ硫酸ナトリウムは、
蒸解白液中の硫化ナトリウムが活性炭等の触媒と接触
し、その際に、過酸化副生成物である亜硫酸ナトリウム
が副生し、この副生亜硫酸ナトリウムが薬液中に含まれ
る硫化ナトリウム又は多硫化ナトリウムと反応してチオ
硫酸ナトリウムに変化し、生成するものと考えられてい
る。従って、多硫化ナトリウム蒸解薬液を調製する際に
は、亜硫酸ナトリウムの副生を出来得る限り抑制するこ
とが、多硫化ナトリウム蒸解薬液を調製し管理する上で
は重要なこととなる。
【0005】このようにして得られた多硫化ナトリウム
蒸解液の分析法としては、いくつかの方法が知られてい
る。例えば、 (1)クラフト蒸解薬液の白液中の硫化ナトリウム及び
水酸化ナトリウムの定量分析に常用する酸滴定法は、多
硫化ナトリウム蒸解液の分析に応用すると、フェノール
フタレン指示薬では多硫化ナトリウム蒸解液中に存在す
る多硫化ナトリウム(Na2SX)が滴定されず、硫化ナトリ
ウム(Na2S) のみが滴定される。そして、更に、メチル
オレンジ指示薬により酸滴定を継続すると、多硫化ナト
リウムは硫化ナトリウムに解離して滴定されるため、正
確な値が得られない。
【0006】(2)多硫化ナトリウム蒸解液にホルマリ
ンを加えて酸滴定を行う方法は、水素イオン濃度(pH
値)が酸性の範囲において、これらの蒸解液中に存在す
るチオ硫酸ナトリウムが、添加したホルマリンと反応
し、アルカリとして挙動するため、フェノールフタレン
の滴定終点からメチルオレンジの滴定終点へ移行する際
に分析誤差を生じ、正確な値が得られない。
【0007】(3)水銀化合物を使用し電位差滴定を行
う二段階の分析方法(Mead ChemicalSystems Technical
Bulletin)では、式[化01]に表示する試料中の多硫
化ナトリウム(Na2Sx)に亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を加
え、組成する多硫化硫黄のみをチオ硫酸ナトリウム(Na2
S2O3) に変え、生成する硫化ナトリウム(Na2S)を塩化水
銀(HgCl2) を用いて電位差滴定を行い、硫化ナトリウム
として算出する。
【0008】
【化01】
【0009】他方、多硫化ナトリウムを組成する多硫化
硫黄(PS-S)は[化02]に表示するナトリウムアマルガ
ム還元法によって硫化ナトリウム(Na2S) に還元し、塩
化水銀(HgCl2)を用いて電位差滴定を行い、硫化ナトリ
ウムとして算出する。
【0010】
【化02】
【0011】そして、前者の硫化ナトリウム分を差し引
いて、多硫化硫黄を算出する方法である。この方法で
は、多硫化硫黄は測定できるが、還元操作において多硫
化硫黄のみを還元することは困難であり、多硫化硫黄を
精度よく測定する際の障害となる。
【0012】(4)多硫化ナトリウムの多硫化硫黄を吸
光度法により測定する方法は、多硫化硫黄を組成する元
素硫黄の波長370ナノメーターにおける吸光度を測定
することにより算出できるが、その検量線の作成が、ナ
トリウムアマルガム還元法で組成する多硫化硫黄を硫化
ナトリウムに還元して塩化水銀で電位差滴定することが
基礎になつているため、基本的には、前掲(3)と同じ
困難性が内在し、又、この方法は吸光度がアルカリ濃度
及び希釈後の放置時間により変化することが欠点として
挙げられている。
【0013】(5)多硫化ナトリウムを組成する各成分
イオンには、一般に、[化03]で表わすイオン等が存
在するといわれている。
【化03】
【0014】これらの組成する各成分別のイオンを分離
定量するため、多硫化ナトリウムを組成する各成分イオ
ンを含む水溶液にアルキル化剤を作用させ、多硫化ナト
リウムを組成する各成分イオンを対応するジアルキル多
硫化物に変えた後、これらの化合物を高速液体クロマト
グラフの分析試料として分離定量をおこなう多硫化ナト
リウムを組成する各成分イオン毎の分析方法(特願平4
―178728)が知られているが、多硫化ナトリウム
蒸解薬液等の有効性は多硫化ナトリウムを組成する多硫
化硫黄の総量に依存すること、及び、分析に時間を要す
ることから、研究目的以外の実用的な分析方法としては
満足ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上、述べた通り、従
来の分析法は分析に時間を要すること、又は、多硫化ナ
トリウムを組成する多硫化硫黄の各イオン成分が不安定
なため、その処理手順により誤差を生ずることから、迅
速に、実用的な精度で測定することが困難であつた。
【0016】本発明は、上記の実情に鑑み、多硫化ナト
リウムのイオンを組成する多硫化硫黄を、先ず安定した
状態で分離し定量することができるチオ硫酸イオンに変
えることに着目し、不安定な多硫化ナトリウムを組成す
る多硫化硫黄を安定化し、従来の方法に比較して、迅速
に、実用的な精度で、分析し算出する分析方法、特にク
ロマトグラフィー(クロマトグラフ法)等の機器分析を
提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく種々の検討を重ねた結果、多硫化ナトリウ
ムのイオンを含む水溶液の多硫化ナトリウムを組成する
多硫化硫黄の分析方法について、次の知見を得るに至っ
た。
【0018】(1)多硫化ナトリウム蒸解薬液の多硫化
ナトリウムを組成する多硫化硫黄が亜硫酸イオンと選択
的に反応し、チオ硫酸イオンとして安定に存在するこ
と。
【0019】(2)多硫化ナトリウム蒸解薬液に亜硫酸
イオンを作用させる前後の硫黄重量換算チオ硫酸イオン
の差(増分)の1/2量が、多硫化ナトリウムを組成す
る多硫化硫黄に相当し、薬液中の他の成分の影響を受け
ることなく、又は、相殺し、多硫化ナトリウムを組成す
る多硫化硫黄の実用的な分析値を与えること、又は、亜
硫酸イオンを作用させた後の未反応の亜硫酸イオン量を
分析し、作用させた亜硫酸イオン量から未反応の亜硫酸
イオン量を減じることにより、同じく多硫化ナトリウム
を組成する多硫化硫黄の実用的な分析値を与えること。
【0020】(3)多硫化ナトリウム蒸解薬液を組成す
る多硫化ナトリウムは、徐々にチオ硫酸ナトリウムに変
化することが認められるが、50℃以上で1〜1.5時
間、好ましくは70℃で0.5〜1時間の分析時間内で
は実用上の有意差が認められないこと。
【0021】(4)多硫化ナトリウム蒸解薬液に亜硫酸
イオンを作用させた後の薬液を組成する亜硫酸ナトリウ
ム及びチオ硫酸ナトリウム等の試薬類は50℃以上で1
〜1.5時間、好ましくは70℃で0.5〜1時間の分
析時間内では安定に存在すること。
【0022】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものであり、「多硫化ナトリウム蒸解薬液の多硫化ナ
トリウムのイオンを含むアルカリ性水溶液に、亜硫酸イ
オンを作用させ、多硫化ナトリウムのイオンを組成する
多硫化硫黄をチオ硫酸イオンに変えた後、これらのチオ
硫酸イオン及び/又は亜硫酸イオンを含む液を分析試料
として、チオ硫酸イオン又は亜硫酸イオンを分析し、得
られたチオ硫酸イオンの増加量又は亜硫酸イオンの減少
量を基に多硫化硫黄の量を算出することを特徴とする多
硫化ナトリウム蒸解薬液中の多硫化硫黄の分析方法及び
チオ硫酸イオン又は亜硫酸イオンを分析する方法が、機
器分析である方法及び機器分析がクロマトグラフィーで
ある方法及びクロマトグラフィーが、イオンクロマトグ
ラフィー、イオン交換クロマトグラフィー又はイオンペ
アー試薬を使用する逆相分配クロマトグラフィーである
ことを特徴とする方法、並びに(1)多硫化ナトリウム
蒸解薬液に含まれるチオ硫酸イオンを分析し、(2)一
方多硫化ナトリウム蒸解薬液に亜硫酸イオンを作用さ
せ、この薬液中の多硫化ナトリウムを組成する多硫化硫
黄をチオ硫酸イオンに変えた後、このチオ硫酸イオンを
分析し、(1)に対する(2)のチオ硫酸イオンの増加
量を基に多硫化硫黄の量を算出することを特徴とする前
記記載の方法、並びに(I)多硫化ナトリウム蒸解薬液
に含まれるチオ硫酸イオンを分析するクロマトグラフィ
ーのカラム、及び(II)この多硫化ナトリウム蒸解薬液
に亜硫酸イオンを作用させ、増加したチオ硫酸イオンを
分析するクロマトグラフィーのカラムを組み合わせ、
(I)のカラム及び(II)のカラムを使用してチオ硫酸
イオンを分析して得られたそれぞれのチオ硫酸イオンの
量から多硫化ナトリウムを組成する多硫化硫黄の量を計
算機を使用して、自動的に算出することを特徴とする前
記記載の方法に使用する分析システム、並びに分析試料
中の亜硫酸イオンを分析し、作用させた亜硫酸イオンの
量から、分析試料中の亜硫酸イオンの量を減じ、その減
少量に相当する多硫化硫黄の量を算出することを特徴と
する前記記載の方法。」に存する。
【0023】本発明に係る多硫化ナトリウムを組成する
多硫化硫黄の実用的な分析手段は次の通りである。本発
明の第1の工程は、蒸解白液の酸化工程の温度、酸素流
通量等の必要な管理を行う一連の管理計器として、特
に、多硫化ナトリウム蒸解薬液を組成する亜硫酸ナトリ
ウムの副生を出来る限り抑制し、硫化ナトリウムの多硫
化ナトリウムへの転換を管理する機器分析装置、例えば
クロマトグラフ分析装置において、多硫化ナトリウム蒸
解薬液を組成するチオ硫酸イオンを分析する前段の定量
工程。
【0024】本発明の第2の工程は、前段の定量分析を
行つた該多硫化ナトリウム蒸解薬液に亜硫酸イオンを作
用させ、蒸解薬液中の多硫化硫黄をチオ硫酸イオンに変
えた後、これらの反応後の該蒸解薬液中のチオ硫酸イオ
ン又は残余の亜硫酸イオンを分析する後段の定量工程で
あり、本発明は両工程の組合せからなる。なお、分析頻
度によっては前後の工程を1セットの機器分析装置、例
えばクロマトグラフ分析装置で兼ねることも可能であ
る。
【0025】本発明の第3の工程は、通常のクロマトグ
ラフ用のデータ処理装置で算出した前後の工程のチオ硫
酸イオン分析値を[化04]に従い、又は残余の亜硫酸
イオンの分析値を[化05]に従い演算作表処理を行
い、多硫化硫黄の量を算出するシステムからなる工程と
の組合せからなる。尚、[化04]及び[化05]は硫
黄に換算した重量を単位とする。
【0026】
【化04】
【0027】
【化05】
【0028】以下、本発明を具体的に説明する。 <分析の対象>本発明に係る分析方法は、硫化ナトリウ
ムを含むアルカリ性水溶液、いわゆる蒸解白液、を、例
えば、活性炭等の触媒の存在下に空気等の分子状酸素に
より酸化し、又は、硫化ナトリウムを含むアルカリ性水
溶液に硫黄分を溶解して調製する、多硫化ナトリウム蒸
解薬液の分析を対象とする。
【0029】<分析操作>本発明に係る分析方法におい
て、多硫化ナトリウム蒸解薬液を採取し、脱酸素水で希
釈後、前段のクロマトグラフィー等の機器分析による分
析を行い、チオ硫酸ナトリウムの定量を行う。定量後、
該分析を行つたカラムには亜硫酸ナトリウムの希釈溶液
を一定量流通して洗浄する。平行して採取した実液を希
釈し、これに所定量の亜硫酸イオン、一般には亜硫酸ナ
トリウム等の亜硫酸塩を加え、所定温度、例えば70℃
で、所要時間、例えば1時間、不活性ガス雰囲気下に反
応させる。反応後の溶液について後段のクロマトグラフ
ィー等の機器分析による分析を行い、それぞれチオ硫酸
ナトリウムの定量を行う。
【0030】又は、反応後の溶液中に残存する亜硫酸イ
オン(亜硫酸ナトリウム等の塩)の量を、これらの無機
イオンを分析しうる分析法によって定量する。亜硫酸イ
オンの減量によって、多硫化硫黄量を分析する場合に
は、亜硫酸イオンを作用させる前の試料中に亜硫酸イオ
ンが存在すると、分析誤差になるので、事前に亜硫酸イ
オンの量を定量することにより、分析精度を上げること
ができる。
【0031】多硫化ナトリウム蒸解薬液に、亜硫酸イオ
ンを作用させる反応条件は、分析時間も考慮して以下の
通りである。即ち、亜硫酸イオンとして作用させる化合
物としては、作用する溶液中で亜硫酸イオンを生成する
ものであればなんでもよいが、一般に亜硫酸塩が用いら
れ、通常亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸
アルカリ金属塩が用いられる。その使用量は、一般には
多硫化硫黄に対して等モル倍以上、通常2モル倍以上、
好ましくは3モル倍以上、特に好ましくは3.5モル倍
以上、10モル倍以下、好ましくは9モル倍以下が用い
られる。作用させる亜硫酸イオンの量が少ないと反応時
間が長くなり、又亜硫酸イオンの量が多すぎると分析精
度が低くなる恐れがある。
【0032】反応温度は、通常50°C以上、好ましく
は70°C以上、90°C以下である。
【0033】反応時間は、作用させる亜硫酸イオンの量
及び反応温度にもよるが、亜硫酸イオンが作用する多硫
化硫黄に対して3モル倍以上で、反応温度が50°C以
上、特に70°C以上であれば、1〜1.5時間でほと
んど反応を完結させることができる。
【0034】本発明において使用される分析法とは、チ
オ硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫化物イオン等の本発明
の方法に係る無機イオンを定量しうる分析法であれば採
用することができる。特に工業的に応用する本発明の目
的からすれば、機器分析を使用するのが好ましい。例え
ば、これらの無機イオンを分析しうる公知の機器分析と
しては、イオンクロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー又はイオンペアー(イオン対)試薬を使用
する逆相分配クロマトグラフィー(以下、逆相イオンペ
アークロマトグラフィーと略す。)(いずれも検出器と
しては、電気伝導度又はUV分光検出器を使用すること
ができる。)等のクロマトグラフィーが挙げられ、その
他、キャピラリー等速電気泳動分析(検出器としては、
電位勾配又はUV分光検出器)(例えば、株式会社島津
製作所製、「島津細管式等速電気泳動分析装置Appl
ication Data Digest No.1及
びT.Yagi,K.Kojima and T.Ha
ruki;J.Chromatog.,292,293
(1984)参照)、又は(キャピラリー)電気泳動分
析(検出器は、UV分光検出器等)[日本ミリポリア・
リミテッド社ウォーターズクロマトグラフィー事業部発
行、刊行物「Capillary Ion Analy
sis(CIATM)キャピラリー電気泳動によるイオン
(陰イオン、陽イオン、遷移金属、希土類)の分離」参
照]等の電気泳動分析等が挙げられる。有利にはクロマ
トグラフィーが用いられる。
【0035】逆相イオンペアークロマトグラフィーにお
いて使用されるイオンペアー試薬としては、燐酸テトラ
−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルア
ンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキ
サイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド等の
オニウム化合物が挙げられる。
【0036】<試料の多硫化硫黄の定量>本発明に係る
試料のクロマトグラフィーによるチオ硫酸イオン又は亜
硫酸イオンの定量分析は、例えば、陰イオンを分離でき
るカラムとその陰イオンを検出する手段等を備えたイオ
ンクロマトグラフ又は逆相イオンペアークロマトグラフ
等のクロマトグラフ装置を用いることによって行われ
る。
【0037】クロマトグラフィーによるチオ硫酸イオン
及び亜硫酸イオン等の定量分析において、例えばイオン
クロマトグラフィーによる分析は次の条件で行われる。 (1)高速液体クロマトグラフ分析装置は日本分光製8
00シリーズを用意し、(2)分離カラムはTSK−g
el/IC−Anion−PW(東ソー商品名)直径
4.6ミリメートル、長さ50ミリメートル、2本を直
列に使用し、(3)分離カラムの温度は45.0℃と
し、(4)検出器にはUV検出器を使用し、(5)検出
波長を225ナノメートルに設定し、(6)移動相には
4ミリモル(1リットル中0.7グラム)のリン酸水素
二カリウム水溶液を用意し、(7)流速は約1.2ミリ
リットル/分に設定し、(8)サンプル及び洗浄液はそ
れぞれ10マイクロリットルを注入する。
【0038】次に、例えば逆相イオンペアークロマトグ
ラフィーによるチオ硫酸イオン及び亜硫酸イオン等の定
量分析は次の条件で行われる。 (1)高速液体クロマトグラフ分析装置は、日本分光製
800シリーズを用意し、(2)分離カラムはカプセル
パック−ODS(粒径5μm)(資生堂商品名)直径
4.6ミリメートル、長さ150ミリメートル乃至25
0ミリメートルを使用し、(3)分離カラムの温度は4
0.0°Cとし、(4)検出器にはUV検出器を使用
し、(5)検出波長を225ナノメートルに設定し、
(6)移動相には、水850ミリリットルとアセトニト
リル150ミリリットルの混合溶液に0.5モル濃度の
燐酸テトラ−n−ブチルアンモニウム溶液10ミリリッ
トルと燐酸水素二ナトリウムを1グラム溶かし、燐酸で
pHを8.0に調整したものを用意し、(7)流速は
1.0ミリリットル/分に設定し、(8)サンプル及び
洗浄液はそれぞれ2.0乃至5.0マイクロリットルを
注入する。
【0039】<多硫化硫黄の算出> (1)チオ硫酸イオンを分析して算出する場合には、多
硫化ナトリウム蒸解薬液に含まれるチオ硫酸イオンを分
析するカラムと、この多硫化ナトリウム蒸解薬液に亜硫
酸イオンを作用させて増加したチオ硫酸イオンを分析す
るカラムとを用意し、それらのカラムによって定量した
チオ硫酸イオンの差から[化04]式に基づいて、多硫
化硫黄の量を求めることができる。
【0040】(2)上記(1)において、亜硫酸イオン
を作用させた後の残存する亜硫酸イオンを分析するカラ
ムを用意し定量した亜硫酸イオンの残量から、反応した
亜硫酸イオン量(同モル数のチオ硫酸イオンが生成す
る。)、即ち多硫化硫黄の量を[化05]式に基づいて
求めることができる。 これら(1)及び(2)の計算は、好ましくは計算機等
を使用して自動的に算出するシステムを用いることがで
きる。
【0041】<カラムの洗浄>又、多硫化硫黄の量を測
定する場合、多硫化ナトリウム蒸解薬液に含まれるチオ
硫酸イオンを分析した後(前段の分析)に、多硫化ナト
リウム蒸解薬液に亜硫酸イオンを作用させて増加したチ
オ硫酸イオンを分析(後段の分析)する場合、カラムに
残留する多硫化物イオンが亜硫酸イオンと反応しチオ硫
酸イオンとして溶出し、チオ硫酸イオンが余分に測定さ
れることを防ぐために、多硫化ナトリウム蒸解薬液に含
まれるチオ硫酸イオンを分析した後(前段の分析)は、
亜硫酸イオンを含む溶液をクロマトグラフ装置に注入し
たり、亜硫酸イオンを含む溶液をキャリアーとしてカラ
ムに流して、多硫化物イオンをチオ硫酸イオンに変えて
カラムから溶出させた後、後段の分析である亜硫酸イオ
ンを作用させて増加したチオ硫酸イオンを測定すること
が好ましい。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 「実施例1」 <多硫化ナトリウム蒸解薬液の標品の調製>窒素置換し
た100ミリリットルのメスフラスコに、硫化ナトリウ
ムの結晶(Na2S・9H2O)3.535グラム及び硫
黄粉末0.438グラムを加え、密栓後、温度60〜7
0℃に加温反応させ、多硫化ナトリウム(Na2Sx)
とした後、脱酸素水を約50ミリリットル加えて希釈し
た。これにチオ硫酸ナトリウム(Na223・5H
2O)0.929グラム及び水酸化ナトリウム(NaO
H)10.04グラムを脱酸素水約40ミリリットルに
溶解した溶液を加え、更に脱酸素水を加えて100ミリ
リットルの定容とした。ここに調製した多硫化ナトリウ
ム蒸解薬液の標品を分析試料[標品1]とする。
【0043】同様の操作により、硫化ナトリウムの結晶
3.318グラム、硫黄粉末0.218グラム及び水酸
化ナトリウム10.08グラムから調製した100ミリ
リットルの多硫化ナトリウム蒸解薬液の標品を分析試料
[標品2]とする。
【0044】<多硫化ナトリウム蒸解薬液/前段の分析
サンプルの調製>窒素置換した100ミリリットルの三
個のメスフラスコに、脱酸素した水95ミリリットルを
入れ、前出の[標品1]、[標品2]及び採取した多硫
化ナトリウム蒸解薬液の実液、各1ミリリットルを各別
に加え、これに脱酸素した水を加えて100ミリリット
ルの定容とした。ここに調製した三個の多硫化ナトリウ
ム蒸解薬液を前段の分析サンプルとする。
【0045】<多硫化ナトリウム蒸解薬液/後段の分析
サンプルの調製>同様の操作により、[標品1]、[標
品2]及び採取した多硫化ナトリウム蒸解薬液の実液、
各1ミリリットルを各別に加え100ミリリットルの定
容に調製した三個の各メスフラスコに、亜硫酸ナトリウ
ム0.115グラムを加えて溶解し、不活性ガス雰囲気
下に、加熱し、70℃に昇温し、その温度において1時
間保持した。温度保持による反応が完結した三個の多硫
化ナトリウム蒸解薬液を後段の分析サンプルとする。
【0046】<分析操作>前出の多硫化ナトリウム蒸解
薬液/各三個の前段の分析サンプル及び後段の分析サン
プルを高速液体クロマトグラフ分析装置にそれぞれ10
マイクロリットルを注入する。分析操作において、前後
の工程を1セットのイオンクロマトグラフ装置で兼ねる
場合には、前段の分析サンプルを注入し、クロマトグラ
ムチャートの作表後、カラムに亜硫酸ナトリウムの希釈
溶液(1リットル中1グラム)を10マイクロリットル
注入して洗浄する。尚、分析条件は以下の通りである。 <分析条件> (1)高速液体クロマトグラフ分析装置は日本分光製8
00シリーズ (2)分離カラムはTSK−gel/IC−Anion
−PW(東ソー商品名)直径4.6ミリメートル、長さ
50ミリメートル、2本直列 (3)分離カラムの温度は45°C (4)検出器はUV検出器 (5)検出波長は225ナノメートル (6)移動相は4ミリモルの燐酸水素二カリウム水溶液 (7)流速は1.2ミリリットル/分 (8)サンプル注入量は10マイクロリットル
【0047】<クロマトグラムチャートの作表>本発明
に係る方法で、標品試料[標品1]について作表した各
前後段のクロマトグラムチャ−トを[図1]及び[図
2]に示した。得られたクロマトグラムチャートのピー
ク面積から各前後段の分析サンプルのチオ硫酸ナトリウ
ムの量を算出し、これらの値から[化04]に示した算
式に従って、標品1、2及び多硫化ナトリウム蒸解薬液
の実液における多硫化ナトリウムを組成する多硫化硫黄
の量を求めた。
【0048】本発明に係る方法で、多硫化ナトリウム蒸
解薬液の標品試料[標品1]及び[標品2]について分
析した結果(チャート上に表れる硫化ナトリウムを含
む)をそれぞれ[表01]及び[表02]に示した。ま
た、比較例として標品試料[標品1]の多硫化硫黄につ
いて水銀化合物を使用した電位差滴定分析法による分析
結果を[表01]に合わせて表示した。
【0049】本発明に係る方法で、実際にパルプ工場で
用いられる多硫化ナトリウム蒸解薬液から採取した多硫
化ナトリウム蒸解薬液の実液試料[分析実液]について
分析した結果(チャート上に表れる硫化ナトリウムを含
む)を、また、比較例として水銀化合物を使用した電位
差滴定分析法の分析結果を[表03]に合わせて表示し
た。
【0050】
【表01】
【0051】
【表02】
【0052】
【表03】
【0053】「実施例2」 <多硫化ナトリウム蒸解薬液の標品の調製>窒素置換し
た50ミリリットルのメスフラスコに、硫化ナトリウム
の結晶(Na2S・9H2O)2.264グラム及び硫黄
粉末0.303グラムを加え、密栓後、温度60〜70
°Cに加温し、多硫化ナトリウム(Na2Sx)とした
後、脱酸素水を約20ミリリットル加えて希釈した。こ
れにチオ硫酸ナトリウム(Na223・5H2O)0.
775グラム及び水酸化ナトリウム(NaOH)5.5
グラムを脱酸素水約25ミリリットルに溶解した溶液を
加え、更に脱酸素水を加えて50ミリリットルの定容と
した。これを多硫化ナトリウム蒸解薬液の[標品3]と
した。
【0054】<多硫化ナトリウム蒸解薬液/前段の分析
サンプルの調製>窒素置換した50ミリリットルのメス
フラスコに、脱酸素した水を約45ミリリットルを入
れ、前出の[標品3]を0.5ミリリットル加え、これ
に脱酸素した水を加えて50ミリリットルの定容とし
た。これを多硫化ナトリウム蒸解薬液の前段の分析サン
プルとした。
【0055】<多硫化ナトリウム蒸解薬液/後段の分析
サンプルの調製>同様の操作により、[標品3]を0.
5ミリリットル加えて50ミリリットルの定容に調製し
たメスフラスコに、亜硫酸ナトリウム0.10グラムを
加えて溶解し、不活性ガス雰囲気下で加熱し、70°C
に昇温し、その温度において1時間保持した。これを後
段のサンプルとした。
【0056】<分析操作>前出の前段の分析サンプルの
2.0マイクロリットルを、以下に示す条件のクロマト
グラフ分析装置に注入して、チオ硫酸イオンの定量を行
った。次に、亜硫酸ナトリウム水溶液をクロマトグラフ
分析装置に注入してカラム内に残留する多硫化物イオン
をチオ硫酸イオンとして洗い流した。その後、後段の分
析サンプルの2.0マイクロリットルを注入してチオ硫
酸イオンと硫化物イオンを定量した。
【0057】<分析条件> (1)高速液体クロマトグラフ分析装置は日本分光製8
00シリーズ (2)分離カラムはカプセルパック(資生堂商品名)−
ODS(粒径5μm)直径4.6ミリメートル、長さ1
50ミリメートル (3)分離カラムの温度は40°C (4)検出器はUV検出器 (5)検出波長は225ナノメートル (6)移動相は、水850ミリリットルとアセトニトリ
ル150ミリリットルの混合溶液に、燐酸テトラ−n−
ブチルアンモニウム0.5モル濃度の溶液を10ミリリ
ットルと燐酸水素二ナトリウムを1グラム溶かし、燐酸
でpHを8.0に調整したもの (7)流速は1.0ミリリットル/分 (8)サンプル注入量は2.0マイクロリットル
【0058】<クロマトグラムチャートの作表>前出の
分析操作により、標品試料[標品3]について作表され
た前段及び後段のクロマトチャートを、[図3]及び
[図4]に示した。このクロマトチャートのピーク面積
から前段及び後段の分析サンプルのチオ硫酸ナトリウム
の量を算出し、これらの値から[化04]に示した算式
に従って標品3の多硫化ナトリウムを組成する多硫化硫
黄の量を求めた。本発明に係る方法で、多硫化ナトリウ
ム蒸解薬液の標品試料[標品3]について分析した結果
(チャート上に表れる硫化ナトリウムを含む。)を[表
04]に示した。
【0059】
【表04】 「実施例3」 <多硫化ナトリウム蒸解薬液の標品の調製>窒素置換し
た50ミリリットルのメスフラスコに、硫化ナトリウム
の結晶(Na2S・9H2O)2.502グラム及び硫黄
粉末0.318グラムを加え、密栓後、温度60〜70
°Cに加温反応させ、多硫化ナトリウム(Na2Sx)
とした後、脱酸素水を約20ミリリットル加えて希釈し
た。これにチオ硫酸ナトリウム(Na223・5H
2O)0.773グラム及び水酸化ナトリウム(NaO
H)5.41グラムを脱酸素水約25ミリリットルに溶
解した溶液を加え、更に脱酸素水を加えて50ミリリッ
トルの定容とした。これを多硫化ナトリウム蒸解薬液の
[標品4]とした。各試薬の量を変えた以外は、同様に
操作することにより、[表05]に示した通りの[標品
5]、[標品6]及び[標品7]を調製した。
【0060】
【表05】
【0061】<多硫化ナトリウム蒸解薬液/前段の分析
サンプルの調製>窒素置換した100ミリリットルのメ
スフラスコに、脱酸素した水を約90ミリリットルを入
れ、前出の[標品4]乃至[標品7]のそれぞれを各1
ミリリットル加え、これに脱酸素した水を加えて100
ミリリットルの定容とした。これを多硫化ナトリウム蒸
解薬液の前段の分析サンプルとした。
【0062】<多硫化ナトリウム蒸解薬液/後段の分析
サンプルの調製>窒素置換した100ミリリットルのメ
スフラスコに、亜硫酸ナトリウム水溶液(6.49mg
/ml)を10ミリリットル入れ、脱酸素水を約80ミ
リリットル加えて希釈した。この溶液に、[標品4]乃
至[標品7]の多硫化ナトリウム蒸解薬液各1ミリリッ
トルを加え、更に脱酸素水を加えて、100ミリリット
ルの定容とした後、これらの各溶液を約70°Cに昇温
し、その温度において1.5時間加熱処理を行った。加
熱処理後(多硫化硫黄の黄色が消失するのを確認す
る。)、溶液を室温に冷却しこれを後段のサンプルとし
た。
【0063】<分析操作>前出の前段の分析サンプルの
5マイクロリットルを、以下に示す条件のクロマトグラ
フ分析装置に注入して、チオ硫酸イオン及び亜硫酸イオ
ンの定量を行った。次に、亜硫酸ナトリウム水溶液をク
ロマトグラフ分析装置に注入してカラム内に残留する多
硫化物イオンをチオ硫酸イオンとして洗い流した。その
後、後段の分析サンプルの5マイクロリットルを注入し
てチオ硫酸イオン、硫化物イオンおよび亜硫酸イオンを
定量した。
【0064】<分析条件> (1)高速液体クロマトグラフ分析装置は島津製作所製 (2)分離カラムはカプセルパックODS(5μm)
(資生堂商品名)直径4.6ミリメートル、長さ250
ミリメートル (3)分離カラムの温度は40°C (4)検出器はUV検出器 (5)検出波長は225ナノメートル (6)移動相は、水850ミリリットルとアセトニトリ
ル150ミリリットルの混合溶液に、燐酸テトラ−n−
ブチルアンモニウム0.5モル濃度の溶液を10ミリリ
ットルと燐酸水素二ナトリウムを1グラム溶かし、燐酸
でpHを8.0に調整したもの (7)流速は1.0ミリリットル/分 (8)サンプル注入量は5.0マイクロリットル
【0065】<クロマトグラムチャートの作表>前出の
分析操作により、標品試料[標品4]乃至[標品7]に
ついて作表された前段及び後段のクロマトチャートのピ
ーク面積から各前段及び後段の分析サンプルのチオ硫酸
ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムの量を算出し、これら
の値から[化04]および[化05]に示した算式に従
って標品4乃至標品7の多硫化ナトリウムを組成する多
硫化硫黄の量を求めた。本発明に係る方法で、多硫化ナ
トリウム蒸解薬液の標品試料[標品4]乃至[標品7]
について分析した結果(チャート上に表れる硫化ナトリ
ウムを含む。)を[標品4]は[表06]、[標品5]
は[表07]、[標品6]は[表08]及び[標品7]
は[表09]にそれぞれ示した。
【0066】
【表06】
【0067】
【表07】
【0068】
【表08】
【0069】
【表09】
【0070】これらの結果から明らかなように、多硫化
ナトリウム蒸解薬液の標品試料の分析結果は調製時の薬
品濃度とは多少異なるが硫黄収支においてはよく一致し
ている。また多硫化ナトリウム蒸解薬液の調製時の組成
及びその後の経時変化の傾向をよく表わしている。そし
て、比較例として、電位差滴定法で求めた値は高すぎる
多硫化硫黄の値を示しており、本発明に係る分析法によ
る多硫化硫黄の分析値がより正しいことがわかる。また
多硫化硫黄の分析値と合わせて硫化ナトリウムとチオ硫
酸ナトリウムの分析値を参照することにより、多硫化ナ
トリウム蒸解薬液の製造における転化率や選択率の知見
を容易に得ることができる。
【0071】
【発明の効果】本発明に係る方法によれば、多硫化ナト
リウム蒸解薬液のモデル調製液又は実液、いわゆるオレ
ンジリカー、から採取した試料を、例えばクロマトグラ
フィー等の機器分析を用いて、安定した分析を行うこと
により、多硫化ナトリウム蒸解薬液を組成する多硫化硫
黄を、迅速に、且つ、実用的な精度で算出し定量するこ
とができる。さらに、本発明に係る方法によれば、基準
となる前段の工程のチオ硫酸ナトリウム、後段の工程の
硫化ナトリウム等のイオン濃度から、蒸解白液を酸化し
て多硫化ナトリウム蒸解薬液を製造する前工程の操作条
件及びこれを管理するための有用な情報を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図01】[実施例1]における標品試料[標品1]の
前段の分析サンプルに対応するイオンクロマトグラフの
クロマトグラムを示すチャートである。
【図02】[実施例1]における標品試料[標品1]の
後段の分析サンプルに対応するイオンクロマトグラフの
クロマトグラムを示すチャートである。
【図03】[実施例2]における標品試料[標品3]の
前段の分析サンプルに対応するクロマトグラフのクロマ
トグラムを示すチャートである。
【図04】[実施例2]における標品試料[標品3]の
後段の分析サンプルに対応するクロマトグラフのクロマ
トグラムを示すチャートである。
【符号の説明】
1 S2-のピーク 2 SO3 2-のピーク 3 S23 2-のピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−27095(JP,A) 特開 平4−343784(JP,A) 特開 平4−9758(JP,A) 特開 平4−148862(JP,A) 特開 平3−199943(JP,A) J.CHROMATOGR.,1992 年,602,219−225 Pulp.Pap.Can,1982年, 83,40−44 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/06 G01N 30/88

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多硫化ナトリウム蒸解薬液の多硫化ナト
    リウムのイオンを含むアルカリ性水溶液に、亜硫酸イオ
    ンを作用させ、多硫化ナトリウムのイオンを組成する多
    硫化硫黄をチオ硫酸イオンに変えた後、これらのチオ硫
    酸イオン及び/又は亜硫酸イオンを含む液を分析試料と
    して、チオ硫酸イオン又は亜硫酸イオンを分析し、得ら
    れたチオ硫酸イオンの増加量又は作用させた亜硫酸イオ
    ンの減少量を基に多硫化硫黄の量を算出することを特徴
    とする多硫化ナトリウム蒸解薬液中の多硫化硫黄の分析
    方法。
  2. 【請求項2】 チオ硫酸イオン又は亜硫酸イオンを分析
    する方法が、機器分析である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 機器分析がクロマトグラフィーである請
    求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 クロマトグラフィーが、イオンクロマト
    グラフィー、イオン交換クロマトグラフィー又はイオン
    ペアー試薬を使用する逆相分配クロマトグラフィーであ
    ることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 (1)多硫化ナトリウム蒸解薬液に含ま
    れるチオ硫酸イオンを分析し、(2)一方多硫化ナトリ
    ウム蒸解薬液に亜硫酸イオンを作用させ、この薬液中の
    多硫化ナトリウムを組成する多硫化硫黄をチオ硫酸イオ
    ンに変えた後、このチオ硫酸イオンを分析し、(1)に
    対する(2)のチオ硫酸イオンの増加量を基に多硫化硫
    黄の量を算出することを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか記載の方法。
  6. 【請求項6】 (I)多硫化ナトリウム蒸解薬液に含ま
    れるチオ硫酸イオンを分析するクロマトグラフィーのカ
    ラム、及び(II)この多硫化ナトリウム蒸解薬液に亜硫
    酸イオンを作用させ、増加したチオ硫酸イオンを分析す
    るクロマトグラフィーのカラムを組み合わせ、(I)の
    カラム及び(II)のカラムを使用してチオ硫酸イオンを
    分析して得られたそれぞれのチオ硫酸イオンの量から多
    硫化ナトリウムを組成する多硫化硫黄の量を計算機を使
    用して、自動的に算出することを特徴とする3乃至5記
    載のいずれかの方法に使用する分析システム。
  7. 【請求項7】 分析試料中の亜硫酸イオンを分析し、作
    用させた亜硫酸イオンの量から、分析試料中の亜硫酸イ
    オンの量を減じ、その減少量に相当する多硫化硫黄の量
    を算出することを特徴とする請求項1乃至4に記載のい
    ずれかの方法。
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