JP3394132B2 - ティンフリー鋼板上の金属クロム付着量測定方法 - Google Patents
ティンフリー鋼板上の金属クロム付着量測定方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ティンフリー鋼板
上の金属クロム付着量測定方法に関する。 【０００２】 【従来の技術】一般に、ティンフリー鋼板上の金属クロ
ムの付着量を測定する場合は、図３に示すような装置を
用いた電解法で行われている。すなわち、この図におい
て、１はティンフリー鋼板の試料Ｓを収納する電解槽
で、Ag線電極２およびカーボン電極３が挿着される。４
は電解液を充填した容器で、ガス吹き込み細管５を介し
てN2ガスを吹き込み、コック６を開けることにより、電
解液供給細管７を介して内部の電解液を電解槽１に供給
することができる。なお、８はコック９を取り付けたエ
ア抜き細管である。 【０００３】10は電解槽１内の試料Ｓを押さえる試料押
さえで、その一方の面には通電接点11が設けられる。12
は試料押さえ10を介して通電接点11に通電する定電流装
置、13は電流計、14は記録計である。そして、電解液を
満たした電解槽１に試料Ｓを浸漬した後、通電接点11を
試料Ｓの表面に接触させて、定電流装置12から通電す
る。そのときの電解電流をＩ（Ａ）、溶解時間をｔ（mi
n)とすると、金属クロムの付着量Ｍ（mg）は、ファラデ
ーの法則を適用した下記(1) 式で求めることができる。 【０００４】 【数１】 【０００５】ここで、Ｄ；測定試料面積（m2）である。
なお、一般に、試料Ｓであるティンフリー鋼板は、図４
(a) に示すように、地鉄層Ｓ1 の上に金属クロム層Ｓ2
がさらにその外側の最表層には酸化クロム層Ｓ 3 が形成
されており、通電接点11の試料Ｓの表面との接触は、図
４(b) に示すように、試料最表層の酸化クロム層Ｓ3 で
ある。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来法では、通電接点11は試料最表層の酸化クロ
ム層Ｓ3 と接触するため、記録計14での記録は図５に示
すように、不導体である酸化クロム層Ｓ3 を介して通電
していた影響等が現れて、電解終点付近（Ａ部）でハン
チングが生じてその電解終点を明確に読み取れないとい
う問題があった。 【０００７】本発明は、上記のような従来技術の有する
課題を解決したティンフリー鋼板上の金属クロム付着量
測定方法を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意実験・検討を行った結果、下記表１に
示すように、酸化クロム付着量が増加するに従い、電解
終点でハンチング発生頻度が増加してその読み取りが不
明確になる回数が増えることを見出し、この知見を基に
本発明を完成させるに至った。 【０００９】 【表１】 【００１０】すなわち、本発明は、ティンフリー鋼板上
の金属クロムを電解し、電解時間と電気量との関係にフ
ァラデーの法則を適用することにより、試料中の金属ク
ロム付着量を測定する方法において、試料に通電するた
めの通電接点の先端を、試料の最表層の酸化クロム層の
下にある金属クロム層に直接接触させるようにしたこと
を特徴とするティンフリー鋼板上の金属クロム付着量測
定方法である。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態について、図面を参照して説明する。図１は、本発明
の要部を拡大して示す側断面図であり、従来例と同一の
部材には同一の符号を付している。この図に示すよう
に、本発明の通電接点11Ａはその先端が尖って構成され
ており、試料Ｓの金属クロム層Ｓ2 に直接接触させるこ
とができる。これによって、定電流装置12から通電接点
11Ａに通電された電流は、不導体である酸化クロム層Ｓ
3 に流れることなく、直接金属クロム層Ｓ2 に達するよ
うになる。そして、図２に示すように、電解終点Ｐを明
確に判定することができるから、溶解時間ｔPを正確に
測定することができる。 【００１２】 【実施例】本発明法を用いてティンフリー鋼板の金属ク
ロム含有量を測定したときのハンチング発生率を表２に
示した。なお、比較のために、従来法での測定結果をも
同表に併せて示した。 【００１３】 【表２】 【００１４】この表から明らかなように、ハンチング発
生率が従来法では約2.3 ％であるのに対し、本発明法で
は皆無であり、その効果が大であることがわかる。 【００１５】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属クロ
ム付着量測定方法では、その通電接点を試料の測定対象
である金属クロム層に直接接するようにしたので、電解
終点を明確に判定することが可能になり、これによっ
て、測定精度や測定効率の向上に大いに寄与する。
上の金属クロム付着量測定方法に関する。 【０００２】 【従来の技術】一般に、ティンフリー鋼板上の金属クロ
ムの付着量を測定する場合は、図３に示すような装置を
用いた電解法で行われている。すなわち、この図におい
て、１はティンフリー鋼板の試料Ｓを収納する電解槽
で、Ag線電極２およびカーボン電極３が挿着される。４
は電解液を充填した容器で、ガス吹き込み細管５を介し
てN2ガスを吹き込み、コック６を開けることにより、電
解液供給細管７を介して内部の電解液を電解槽１に供給
することができる。なお、８はコック９を取り付けたエ
ア抜き細管である。 【０００３】10は電解槽１内の試料Ｓを押さえる試料押
さえで、その一方の面には通電接点11が設けられる。12
は試料押さえ10を介して通電接点11に通電する定電流装
置、13は電流計、14は記録計である。そして、電解液を
満たした電解槽１に試料Ｓを浸漬した後、通電接点11を
試料Ｓの表面に接触させて、定電流装置12から通電す
る。そのときの電解電流をＩ（Ａ）、溶解時間をｔ（mi
n)とすると、金属クロムの付着量Ｍ（mg）は、ファラデ
ーの法則を適用した下記(1) 式で求めることができる。 【０００４】 【数１】 【０００５】ここで、Ｄ；測定試料面積（m2）である。
なお、一般に、試料Ｓであるティンフリー鋼板は、図４
(a) に示すように、地鉄層Ｓ1 の上に金属クロム層Ｓ2
がさらにその外側の最表層には酸化クロム層Ｓ 3 が形成
されており、通電接点11の試料Ｓの表面との接触は、図
４(b) に示すように、試料最表層の酸化クロム層Ｓ3 で
ある。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来法では、通電接点11は試料最表層の酸化クロ
ム層Ｓ3 と接触するため、記録計14での記録は図５に示
すように、不導体である酸化クロム層Ｓ3 を介して通電
していた影響等が現れて、電解終点付近（Ａ部）でハン
チングが生じてその電解終点を明確に読み取れないとい
う問題があった。 【０００７】本発明は、上記のような従来技術の有する
課題を解決したティンフリー鋼板上の金属クロム付着量
測定方法を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意実験・検討を行った結果、下記表１に
示すように、酸化クロム付着量が増加するに従い、電解
終点でハンチング発生頻度が増加してその読み取りが不
明確になる回数が増えることを見出し、この知見を基に
本発明を完成させるに至った。 【０００９】 【表１】 【００１０】すなわち、本発明は、ティンフリー鋼板上
の金属クロムを電解し、電解時間と電気量との関係にフ
ァラデーの法則を適用することにより、試料中の金属ク
ロム付着量を測定する方法において、試料に通電するた
めの通電接点の先端を、試料の最表層の酸化クロム層の
下にある金属クロム層に直接接触させるようにしたこと
を特徴とするティンフリー鋼板上の金属クロム付着量測
定方法である。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態について、図面を参照して説明する。図１は、本発明
の要部を拡大して示す側断面図であり、従来例と同一の
部材には同一の符号を付している。この図に示すよう
に、本発明の通電接点11Ａはその先端が尖って構成され
ており、試料Ｓの金属クロム層Ｓ2 に直接接触させるこ
とができる。これによって、定電流装置12から通電接点
11Ａに通電された電流は、不導体である酸化クロム層Ｓ
3 に流れることなく、直接金属クロム層Ｓ2 に達するよ
うになる。そして、図２に示すように、電解終点Ｐを明
確に判定することができるから、溶解時間ｔPを正確に
測定することができる。 【００１２】 【実施例】本発明法を用いてティンフリー鋼板の金属ク
ロム含有量を測定したときのハンチング発生率を表２に
示した。なお、比較のために、従来法での測定結果をも
同表に併せて示した。 【００１３】 【表２】 【００１４】この表から明らかなように、ハンチング発
生率が従来法では約2.3 ％であるのに対し、本発明法で
は皆無であり、その効果が大であることがわかる。 【００１５】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属クロ
ム付着量測定方法では、その通電接点を試料の測定対象
である金属クロム層に直接接するようにしたので、電解
終点を明確に判定することが可能になり、これによっ
て、測定精度や測定効率の向上に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の要部を拡大して示す側断面図である。
【図２】本発明を適用したときの電位の推移を示す特性
図である。 【図３】従来の金属クロム量測定装置の構成を示す概要
図である。 【図４】(a) はティンフリー鋼板を拡大して示す側断面
図、(b) は試料と通電接点との関係の説明図である。 【図５】従来法での電位の推移を示す特性図である。 【符号の説明】 １ 電解槽 ２ Ag線電極 ３ カーボン電極 ４ 容器 ５ ガス吹き込み細管 ６，９ コック ７ 電解液供給細管 ８ エア抜き細管 10 試料押さえ 11Ａ 通電接点 12 定電流装置 13 電流計 14 記録計 Ｓ 試料 Ｓ1 地鉄層 Ｓ2 金属クロム層 Ｓ3 酸化クロム層
図である。 【図３】従来の金属クロム量測定装置の構成を示す概要
図である。 【図４】(a) はティンフリー鋼板を拡大して示す側断面
図、(b) は試料と通電接点との関係の説明図である。 【図５】従来法での電位の推移を示す特性図である。 【符号の説明】 １ 電解槽 ２ Ag線電極 ３ カーボン電極 ４ 容器 ５ ガス吹き込み細管 ６，９ コック ７ 電解液供給細管 ８ エア抜き細管 10 試料押さえ 11Ａ 通電接点 12 定電流装置 13 電流計 14 記録計 Ｓ 試料 Ｓ1 地鉄層 Ｓ2 金属クロム層 Ｓ3 酸化クロム層
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平５−288715（ＪＰ，Ａ)
特開 昭57−168153（ＪＰ，Ａ)
特開 平６−116699（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
G01N 27/42
G01N 27/416
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 ティンフリー鋼板上の金属クロムを電解
し、電解時間と電気量との関係にファラデーの法則を適
用することにより、試料中の金属クロム付着量を測定す
る方法において、 試料に通電するための通電接点の先端を、試料の最表層
の酸化クロム層の下にある金属クロム層に直接接触させ
るようにしたことを特徴とするティンフリー鋼板上の金
属クロム付着量測定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04872196A JP3394132B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | ティンフリー鋼板上の金属クロム付着量測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04872196A JP3394132B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | ティンフリー鋼板上の金属クロム付着量測定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09243595A JPH09243595A (ja) | 1997-09-19 |
| JP3394132B2 true JP3394132B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=12811168
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04872196A Expired - Fee Related JP3394132B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | ティンフリー鋼板上の金属クロム付着量測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3394132B2 (ja) |
-
1996
- 1996-03-06 JP JP04872196A patent/JP3394132B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09243595A (ja) | 1997-09-19 |
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