JP3394016B2 - 二重管構造を有する切粉、部品などの搬送装置 - Google Patents

二重管構造を有する切粉、部品などの搬送装置

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JP3394016B2
JP3394016B2 JP2000076506A JP2000076506A JP3394016B2 JP 3394016 B2 JP3394016 B2 JP 3394016B2 JP 2000076506 A JP2000076506 A JP 2000076506A JP 2000076506 A JP2000076506 A JP 2000076506A JP 3394016 B2 JP3394016 B2 JP 3394016B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削機械などによ
って生成される磁性金属切粉や、磁性金属の加工、組立
て部品などの各種部品類を磁石を利用して系外に搬送す
る搬送装置、特に搬送管内部に、磁石を備える中子を空
気圧で往復運動させ、該搬送管の外表面を切粉、部品な
どの搬送路として用いる搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の搬送装置において、管内
部の中子を空気圧で往復移動させるには、両管端に各々
空気の供給口を設けて交互に空気送入を切り替える方式
が一般的である。そのため、従来の切粉や、部品などの
搬送装置は、管の後端部と先端部(通常は切粉などを吸
着するために作業をする部分)の両方に空気供給口があ
り、両方の空気供給口から電磁弁位置まで露出して到達
する外部空気配管を備えている。しかし乍ら、従来の切
粉や、部品などの搬送装置における、上記のような構造
は、悪環境下での空気供給部の腐食や破損の虞れがあ
り、また、露出する外部空気配管が吸着搬送作業に対す
る障害となるなどの問題を抱えていた。
【0003】また、前記問題点を解決する手法として、
本発明の発明者等は、特願平11−340641号にお
いて、管内部に同心状に内管を挿入して、該内管を管先
端部への空気供給管として利用することを提案している
が、それは直線方向への搬送を目的とするものであっ
て、直管内部に中子の中心を摺動自在に貫通して内管を
同軸状に配置し、この内管を管先端部への空気供給路と
して使用すると共に中子摺動軸としても使用するように
し、中子が直管と内管との間の空間を移動するようにし
ており、これを曲線搬送を行なう切粉や部品などの搬送
装置に適用することは内外管の加工製作上難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述したよう
な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処
は、悪環境下での空気配管の腐食や破損の虞れが少な
く、空気配管による搬送作業に対する障害もなく、直線
移動のみならず曲線移動にも対応が容易な空気供給構造
を備えた構造簡単な切粉、部品などの搬送装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の切粉、部品などの搬送装置では、請求項1
記載のように、搬送管内部に、磁石を備える中子を空気
圧で往復運動させ、上記中子の磁石により搬送管の外表
面に吸着せしめた切粉又は部品などを中子の移動に伴っ
て搬送管の外表面を搬送路として搬送する切粉、部品な
どの搬送装置において、搬送管をアウター管とインナー
管の二重管構造として両管の間に間隙を設け、当該間隙
とインナー管の内部空腔を搬送管の後端において空気供
給源に連絡すると共に先端においては相互に連絡せし
め、インナー管の内側を中子の移動経路として使用し、
アウター管とインナー管の間の間隙をインナー管先端部
への空気の送入通路及び排気通路として使用するように
したものである。尚、本発明において、切粉とは切削機
械などによって生成される磁性金属切粉であり、部品と
はあらゆる産業分野における加工、組立て部品などの各
種部品類を総称し、全体が磁性金属で構成されているも
のは勿論、少なくとも一部が磁性金属で出来たものをも
包含する。
【0006】上記インナー管は、請求項2に記載するよ
うに、可撓性を有し、偏平が少なく、且つ内面が滑らか
な樹脂系材料製の管で構成することが望ましい。
【0007】また、請求項3に記載するように、アウタ
ー管を剛性体とし、インナー管を可撓性が有り、偏平が
少なく、且つ内面が滑らかな樹脂系材料製の管とするこ
とも出来る。
【0008】また、請求項4に記載するように、インナ
ー管を可撓性が有り、偏平が少なく、且つ内面が滑らか
な樹脂系材料製の管とし、アウター管を可撓性があって
偏平が少ない樹脂系材料製の管若しくは金属系又は樹脂
系のフレキシブル管とすることも出来る。
【0009】また、請求項5に記載するように、請求項
1乃至請求項4のいずれかに記載の切粉、部品などの搬
送装置において、搬送管は後端部をアウター管後端に設
けられたフランジと、このフランジに取付けられるリン
グ状の外部空気供給金具と、外部空気供給金具内に嵌め
込み装着される内部空気供給金具とからなる継手で構成
して、上記外部空気供給金具の内周面と内部空気供給金
具の外周面との間にインナー管の端部を挟み込むと共に
内部空気供給金具とインナー管との間を内部空気供給金
具の外周面に装着したパッキンまたはOリングによりシ
ールし、先端部をアウター管先端に設けられたフランジ
と、このフランジにシール部材を介して取付けられる栓
部材とで構成して、栓部材とインナー管外周面との間に
前記間隙に連絡する環状の空洞を設け、この空洞に対応
する部位においてインナー管に当該管の内部空腔とアウ
ター管とインナー管の間隙を連通せしめる通気孔を設
け、且つ栓部材には中子の搬送管先端側への移動をイン
ナー管に開設した通気孔の手前で停止せしめるストッパ
ーを設けたものである。
【0010】
【発明の作用】前記のように構成した請求項1の切粉、
部品などの搬送装置にあっては、搬送管を二重構造の管
とし、インナー管の内側を中子の移動経路として、アウ
ター管とインナー管の間の隙間を管先端への空気の送入
通路及び排気通路として利用することにより、空気供給
部を管の後端部にのみまとめて設けることを可能にす
る。
【0011】また、請求項2の切粉、部品などの搬送装
置にあっては、インナー管を可撓性が有り、偏平が少な
く、且つ内面が滑らかな樹脂系材料製の管により構成し
たことにより、インナー管はアウター管の曲がりへ倣う
ための可撓性が確保され、且つ湾曲部分の扁平率が低減
される。また中子の摺動が円滑に行われるインナー管内
面が得られ、アウター管の加工時等に生じる管の変形部
の影響も受け難い。
【0012】請求項3の切粉、部品などの搬送装置にあ
っては、剛性体からなるアウター管が搬送路を一定の形
状で維持する。また、硬いアウター管を曲げ変形加工す
る場合に生じる管内壁の偏平や変形は、可撓性を有し、
偏平が少なく、且つ内面が円滑な樹脂系材料製管からな
るインナー管により、中子の摺動往復運動に影響を及ぼ
さない。
【0013】請求項4の切粉、部品などの搬送装置にあ
っては、搬送管は自在に変形可能となる。また、アウタ
ー管を金属系又は樹脂系のフレキシブル管とするときに
は、使用目的や使用経路に応じて曲げを付加することに
より、自在に屈曲せしめた所望の搬送経路の形成が可能
で、しかもその経路を略固定して確保することも可能に
なる。
【0014】請求項5の切粉、部品などの搬送装置にあ
っては、搬送管後端部では、インナー管は外部空気供給
金具の内周面と、この外部空気供給金具に嵌め込み装着
される内部空気供給金具の外周面とによって挟まれ、な
おかつ、内部空気供給金具の外周面に装着したパッキン
又はOリングにより内部空気供給金具との間をシールさ
れるので、インナー管内部へ供給される空気がインナー
管とアウター管の間隙により構成される空気の送入路へ
逆流することが防止される。また、搬送管先端部では、
栓部材とインナー管外周面との間に前記間隙に連絡する
環状の空洞が設けられる一方、インナー管の内部空腔と
アウター管とインナー管の間隙とを連絡する通気孔は、
上記空洞に対応する部位においてインナー管に設けられ
るため、インナー管の内部空腔とアウター管とインナー
管の間隙との空気の流動がスムーズに行われる。しか
も、栓部材に設けたストッパーが、中子の搬送管先端側
への移動を前記通気孔の手前で停止せしめることによ
り、中子による通気孔の閉塞を防止し、インナー管の内
部空腔とアウター管とインナー管の間隙との空気の流動
を確実に保障すると共に、空気の送入が搬送管の後端側
からの直接送入から上記間隙を利用する先端側への送入
に切替えられた際の、搬送管後端側への中子の移動を確
実に保障する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
に基づいて説明する。図は、本発明を実施した切粉、部
品などの搬送装置を示している。図において、Aは搬送
管で、アウター管1と、当該アウター管1内に適当な間
隙2を設けて略同軸に配置したインナー管3とからなる
二重管構造に構成してあり、アウター管1とインナー管
3との間の間隙2及びインナー管3の内部空腔4は、搬
送管A先端において栓部材5により封止されている。ま
た、搬送管Aの後端は空気供給部となっており、該部に
は外部空気配管6が継手7を介して接続されている。
【0016】上記継手7は、搬送管Aの後端側において
アウター管1の端部に設けられたフランジ71と、このフ
ランジ71に取付けられるリング状の外部空気供給金具72
と、外部空気供給金具72内に嵌め込まれる内部空気供給
金具73とで構成されており、外部空気供給金具72と内部
空気供給金具73とは、前者72の内周面と後者73の外周面
との間に、それらの内端から軸方向中途部にかけてイン
ナー管3の肉厚にほぼ相当する隙間74を有し、この隙間
74にアウター管1の開口端から延出させたインナー管3
の端部を挟み込んでいる。また、外部空気供給金具72内
に嵌め込まれた内部空気供給金具73の外周面には、Oリ
ング溝75を設けてOリング76を装着してあり、これによ
り内部空気供給金具73とインナー管3の接触面部分がシ
ールされている。更に、外部空気供給金具72と内部空気
供給金具73との接触面及び前記フランジ71と外部空気供
給金具72との接触面もOリング77,77'によりシールされ
る。
【0017】上記外部空気供給金具72には、アウター管
1とインナー管3の間隙2を搬送管A外に連通せしめる
外部空気用の通路78が形成され、内部空気供給金具73に
はインナー管3の空腔4を搬送管A外に連通せしめる内
部空気用の通路79が形成されており、外部空気用の通路
78に外部空気配管6の外部空気供給管61が、内部空気用
の通路79に同内部空気供給管62が夫々接続されている。
この外部空気供給管61と内部空気供給管62とは、流路切
替用電磁弁63を介して同一の空気供給源64に連絡され
る。
【0018】また、前記栓部材5は、搬送管A先端にお
いてアウター管1の端部に設けたフランジ11に取付け固
定されており、この栓部材5の内面にはインナー管3の
外径にほぼ相当する径を有する凹部51がインナー管3と
同軸に形成され、当該凹部51にアウター管1の開口端か
ら延出させたインナー管3の端部が嵌合している。そし
て、栓部材5の上記凹部51は、入口部分がそれより奥側
より若干大径に形成されて、アウター管1とインナー管
3の間隙2に連通する環状の空洞52を構成しており、こ
の空洞52に対応する部分において上記インナー管3に
は、上記アウター管1とインナー管3の間隙2とインナ
ー管3の内部空腔4を連通する通気孔21が周方向に複数
穿設されている。尚、上記フランジと栓部材の接触部
は、両者間に介装したOリング又はシールパッキンなど
のシール材53によりシールされている。
【0019】一方、前記アウター管1とインナー管3
は、いずれも非磁性材料管により構成されており、イン
ナー管3の空腔4内には、磁石81とピストン82を備える
中子8が、当該管3内を軸方向に往復摺動可能に収めら
れている。中子8は、図1、図2に示すように並列に並
べられた例えば複数の円盤形磁石81とこれら複数の磁石
81を両側から挟むインナー管3内径とほぼ同径の一対の
ピストン82からなり、ピストン82の周面には、インナー
管3内面との間のシールを完全にするためにシールパッ
キン84を装着してある。上記シールパッキン84は、Oリ
ングに代えることも可能であるが、インナー管3内径に
ばらつきなどがあると気密性が低下する虞れがあるの
で、気密性を上げるために例えば図2に拡大して示すよ
うな大略L字形、倒U字形等の異形断面を有するシール
パッキンを用いることが望ましい。
【0020】中子は、搬送管Aが湾曲部や屈曲部を有さ
ない直管により構成されている場合には、構成部品が一
体の固まりとして固定された構造とすることも可能であ
るが、搬送管Aが図示のように湾曲部や屈曲部を有する
場合には、図2に示すように変形の自由度を持った構造
とするのが好適である。
【0021】斯様に構成された切粉搬送装置では、空気
供給源64から供給される空気が流路切替用電磁弁63の切
替操作により、内部空気供給金具73側と外部空気供給金
具側72とに切替えて供給され、内部空気供給金具73側に
供給された空気は、内部空気用の通路79を通ってインナ
ー管3の内部空腔4に搬送管A後端側から直接送入さ
れ、外部空気供給金具72側に供給された空気は、外部空
気用の通路78を通ってアウター管1とインナー管3との
間の間隙2に送入され、この間隙2を経由して通気孔21
からインナー管3の内部空腔4に搬送管の先端側から送
り込まれる。この空気供給時において、前記内部空気供
給金具73の外周面に装着したOリング76は、インナー管
3内部へ供給された空気の当該管3外側への逆流を確実
に防止し、栓部材5に設けたインナー管3外周の空洞52
は、アウター管1とインナー管3の間隙2を通って供給
される空気がインナー管3外周面を周方向に旋回しなが
ら通気孔21まで円滑に移動するのに有効に作用する。
【0022】アウター管1とインナー管3との間の間隙
2を通って搬送管A先端側からインナー管3の内部空腔
4に送入される空気は、中子8を搬送管A先端側から後
方へ押圧して後端側に移動させる。この際中子8と搬送
管Aの後端との間にある空気は内部空気用の通路79を排
気通路として搬送管Aから排出される。また、後端側か
らインナー管3の内部空腔4に直接送入される空気は、
中子8を搬送管A後端側から前方へ押圧して先端側に移
動させる。そしてこの際には中子8と搬送管A先端との
間の空気が、アウター管1とインナー管3との間の間隙
2を排気通路として外部空気用の通路78から搬送管A外
へ排出される。
【0023】従って、搬送管Aの先端側を例えば切粉生
成部若しくは堆積部などに配置した状態で、流路切替用
電磁弁63を切替操作して、空気を搬送管Aにその先端側
及び後端側から周期的に切替えて供給すれば、中子8の
磁石81の磁力によりアウター管1表面に吸着される切粉
aは、アウター管1の外表面を搬送路として搬送管Aの
先端側から後端側へ運搬される。アウター管1外表面に
は、その後端から中子8の長さにほぼ相当する程度の距
離を置いた位置に掻き板12が鍔状に設けられており、ア
ウター管1の外表面に沿って運搬されてきた切粉aはこ
の掻き板12部において磁石81と分離されアウター管1外
表面から剥離落下して回収される。つまり、この場合、
中子8の一往復において、先端側から後端側への移動が
切粉搬送のための運転になり、後端側から先端側への移
動は中子8が作業開始点へ戻るための回送運転となる。
【0024】尚、中子8が搬送管Aの先端側へ移動した
とき、中子8が空洞52や通気孔21への空気流入を妨げな
い位置で移動を停止せしめるために、前記栓部材5には
先端側への中子8の移動範囲を規制するストッパー54が
設けられている。
【0025】前記アウター管1とインナー管3は、双方
を例えばステンレスやアルミのような剛性材で形成して
も良いが、このような剛性体からなる管は曲げ変形の場
合の偏平や変形が著しいので、図示のように搬送管に湾
曲部若しくは屈曲部を設けるような場合には、前記のよ
うにシールパッキン84を装着したピストン82を有する中
子8を安定して摺動させることは困難である。そこで、
搬送管Aが湾曲部若しくは屈曲部を有するような場合に
は、少なくともインナー管3を可撓性を有し、曲げ変形
の場合の偏平や変形が少なく、且つ内面が滑らかな樹脂
系材料製の管とすることが望ましい。樹脂系材料として
は、例えばフッ素樹脂が好適である。インナー管3を上
記のような樹脂系材料製の管とすることにより、インナ
ー管3はアウター管1の曲がりに倣う可撓性を確保し、
且つ湾曲部・屈曲部の偏平率を低減させ、中子8の引っ
掛かりを少なくし、搬送管Aが湾曲部若しくは屈曲部を
有する場合であっても中子8の摺動が円滑に行なわれる
ことが可能になる。
【0026】一方、アウター管1は、搬送管Aが湾曲部
若しくは屈曲部を有するような場合であっても、剛性を
有する材料製の管とすることが可能であるし、インナー
管3と同様の樹脂製管又はフレキシブル管とすることも
出来る。インナー管3を前記樹脂系材料製の可撓性管と
する場合であっても、アウター管1を剛性を有する材料
製の管で構成するときには、固定した搬送路を形成する
ことが容易になる。アウター管1とインナー管3を共に
可撓性を有する管とすれば、搬送経路が自在に変形し、
アウター管1を樹脂製管又はフレキシブル管とした場合
には、使用目的や使用する位置、方向に合わせてオペレ
ーターが自在に搬送経路を変更して所望の経路をほぼ固
定して確保することが出来る。これにより一台の搬送装
置を切粉や部品類の搬送以外にも多種多様な材料の搬送
に供することが可能になる。アウター管1を構成するフ
レキシブル管としては、樹脂製であっても金属性であっ
ても良く、例えば湯沸器等に多用される金属製のフレキ
シブルホース等が好適である。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので下記
するような効果を奏する。 請求項1について;搬送管を二重構造の管とし、インナ
ー管の内側を中子の移動経路として、また、アウター管
とインナー管の間の隙間を管先端への空気供給路として
夫々使用するようにしたので、管後端部にまとめて2個
所の空気接続口を設けるだけでよくなり、管先端部の構
造が簡単化することや、同じく管先端部における外部へ
露出する空気配管が不要になるなど、切粉搬送の用途に
最適な装置構造を実現することが出来、従来技術が有し
ていた、外部空気配管が悪環境下で腐食や破損したり、
搬送作業に対する障害になる等の問題を解消することが
出来る。
【0028】請求項2について;管内に中子を摺動させ
るシリンダーなどでは、一般的に管材質はステンレスや
アルミ等の剛性体が用いられ、このような剛性体からな
る管は曲げ変形の場合の偏平や変形が著しいので、シー
ルパッキンやOリングを装着したピストンを有する中子
を安定して摺動させることは困難であるが、本発明はイ
ンナー管に可撓性を有し、偏平が少なく、内面が滑らか
な樹脂系材料を使用したことで、剛性体で構成されるこ
とが多いアウター管の加工時に生じる管の変形に伴う通
過障害を受けることがなく、しかもインナー管はアウタ
ー管の曲がりへ倣うための可撓性が確保され、かつ湾曲
部分の扁平率が低減して中子の引っ掛かりが少なくなる
と共に円滑な管内面を得ることが出来るので、中子の滑
らかで安定した往復移動を実現することが出来る。
【0029】請求項3について;アウター管を剛性体と
し、かつインナー管を請求項2に記載する樹脂系材料製
の管で構成したので、請求項1及び請求項2の効果に加
えて、任意の搬送経路を一定の形に保持する効果を有す
る。即ち、剛性体の管のみにより一定の固定した搬送路
を形成する場合には、剛性体の曲げ加工時の偏平や変形
のため、気密性を有するピストン部を有する中子の安定
的な摺動は困難であり、一方、曲げ部での偏平や変形が
少ない樹脂系の材料のみにより管を構成する場合には、
管の変形特性のために固定した搬送経路を維持形成する
事が困難となって、支柱で支えるなどの手段により搬送
経路を維持形成しなければならないが、本発明によれ
ば、アウター管が搬送路を一定の形状に維持し、インナ
ー管が硬いアウター管を曲げ変形加工する場合に生じる
管内壁の偏平や変形の問題を解消して中子の安定した摺
動往復運動を可能にするため、支柱等で支える必要がな
く、それゆえ支柱等で支える場合において支持金具など
が掻き板と同様に作用して切粉剥離落下を引き起こす搬
送障害も当然ない。このことは工業的には、アウター管
外径よりやや大きい程度の狭い空間や、障害物に囲まれ
た曲がりくねった3次元空間を、自在に交わしながら中
子が移動することを可能とするので、切粉搬送のみでな
く極めて多岐に渡る磁性金属材料の搬送コンベアーとし
ての用途を実現させうるものである。
【0030】請求項4について;アウター管及びインナ
ー管がともに可撓性を有するので、搬送管は自在に変形
可能である。そのため、例えば流体内の磁性金属片を回
収除去する用途の場合、流体内で搬送管が自由に揺動す
ることで、金属片の吸着量を増加せしめることができ
る。また、アウター管を湯沸かし器などに多用されてい
る金属または樹脂系のフレキシブルホースで構成すれ
ば、使用目的や使用する位置、方向に合わせて自在にオ
ペレーターが搬送経路を変更することが可能で、しかも
所望の経路を略固定して確保することができるので、一
台の搬送装置により多種多様な材料の搬送に供する事が
可能である。このように自由自在に搬送経路を変更でき
る磁石を用いたコンベアーは未だ存在しないので、本発
明によれば、今までに類を見ない全く新規な搬送装置の
提供が可能になり、例えば宇宙空間や深海での部品など
の遠隔自在搬送などへの応用の可能性が拓ける。
【0031】請求項5について;搬送管の後端部をアウ
ター管に設けられたフランジと、このフランジに取付け
られるリング状の外部空気供給金具と、外部空気供給金
具内に嵌め込み装着される内部空気供給金具とからなる
継手で構成して、上記外部空気供給金具の内周面と内部
空気供給金具の外周面との間にインナー管の端部を挟
み、内部空気供給金具とインナー管との間を内部空気供
給金具の外周面に装着したOリングによりシールするよ
うにしたので、特別なシール治具を用いずに継手部分の
効果的な空気漏れ防止を達成することができ、構造の簡
単化を図ることが出来ると共に組立てや保守作業の容易
性が向上する。一方、搬送管の先端部をアウター管先端
に設けられたフランジと、このフランジに取付けられる
栓部材とで構成して、栓部材とインナー管外周面との間
に前記間隙に連絡する環状の空洞を設け、この空洞部に
対応する部位においてインナー管にインナー管の内部空
腔とアウター管とインナー管の間隙を連通せしめる通気
孔を当該管の周方向に複数設けたので、上記間隙を通っ
て供給される空気がインナー管外周面を周方向に旋回し
ながら通気孔まで円滑に移動することができ、インナー
管の内部空腔とアウター管とインナー管の間隙との間の
空気の流動がスムーズに行われる。更に、栓部材には中
子の搬送管先端側への移動をインナー管に開設した通気
孔の手前で停止せしめるストッパーが設けられているの
で、中子がその搬送管先端側への移動時に通気孔を塞い
でインナー管の内部空腔とアウター管とインナー管の間
隙との空気の流動を阻害する恐れもなく、空気の送入側
が後端側から先端側に切り替わった際に、中子が前端に
空気圧を受けられずに搬送管後端側へ戻らなくなってし
まうような恐れもない。また、栓部材はフランジに取付
けられ、両者間のシールを両者間に介装するシール部材
により行なうようにしたので、搬送管先端部のシールが
簡単な構造で確実に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す説明図で、切粉搬送
のための運転時の状態を示しており、要部を拡大した断
面図であらわしている。
【図2】中子が作業開始点へ戻るための回送運転時の状
態を示す断面図で、ピストンのシールパッキンを一部拡
大して示している。
【符号の説明】
A:搬送管 1:アウター管 2:アウター管とインナー管の間隙 3:インナー管 4:インナー管の内部空腔 7:継手 8:中子 11:フランジ 21:通気孔 52:空洞 53:シール部材 54:ストッパー 64:流路切替用電磁弁 71:フランジ 72:外部空気供給金具 73:内部空気供給金具 76:Oリング 81:磁石 a:切粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−44057(JP,A) 実開 平1−88626(JP,U) 実開 昭63−77923(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65G 54/00 - 54/02 B65G 51/04 - 51/46 B23Q 11/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送管内部に、磁石を備える中子を空気圧
    で往復運動させ、上記中子の磁石により搬送管の外表面
    に吸着せしめた切粉又は部品などを中子の移動に伴って
    搬送管の外表面を搬送路として搬送する切粉、部品など
    の搬送装置において、搬送管をアウター管とインナー管
    の二重管構造として両管の間に間隙を設け、当該間隙と
    インナー管の内部空腔を搬送管の後端において空気供給
    源に連絡すると共に先端においては相互に連絡せしめ、
    インナー管の内側を中子の移動経路として使用し、アウ
    ター管とインナー管の間の間隙をインナー管先端部への
    空気の送入通路及び排気通路として使用することを特徴
    とする切粉、部品などの搬送装置。
  2. 【請求項2】インナー管が、可撓性を有し、偏平が少な
    く且つ内面が滑らかな樹脂系材料製の管で構成されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の切粉、部品などの搬送装
    置。
  3. 【請求項3】アウター管が剛性体からなり、インナー管
    が可撓性を有し、偏平が少なく且つ内面が滑らかな樹脂
    系材料製の管からなることを特徴とする請求項1記載の
    切粉、部品などの搬送装置。
  4. 【請求項4】インナー管が、可撓性を有し、偏平が少な
    く且つ内面が滑らかな樹脂系材料製の管からなり、アウ
    ター管が可撓性を有し、偏平が少ない樹脂系材料製の管
    若しくは金属系又は樹脂系のフレキシブル管からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の切粉、部品などの搬送装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    切粉・部品などの搬送装置において、搬送管は後端部を
    アウター管後端に設けられたフランジと、このフランジ
    に取付けられるリング状の外部空気供給金具と、外部空
    気供給金具内に嵌め込み装着される内部空気供給金具と
    からなる継手で構成して、上記外部空気供給金具の内周
    面と内部空気供給金具の外周面との間にインナー管の端
    部を挟み込むと共に内部空気供給金具とインナー管との
    間を内部空気供給金具の外周面に装着したパッキンまた
    はOリングによりシールし、先端部をアウター管先端に
    設けられたフランジと、このフランジにシール部材を介
    して取付けられる栓部材とで構成して、栓部材とインナ
    ー管外周面との間に前記間隙に連絡する環状の空洞を設
    け、この空洞に対応する部位においてインナー管に当該
    管の内部空腔とアウター管とインナー管の間隙を連通せ
    しめる通気孔を設け、且つ栓部材には中子の搬送管先端
    側への移動をインナー管に開設した通気孔の手前で停止
    せしめるストッパーを設けたことを特徴とする切粉、部
    品などの搬送装置。
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