JP3392345B2 - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents
飛行時間型質量分析装置Info
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Description
が飛行する時間(Time Of Flight:TOFと略する)を
測定してイオンの質量を決定する飛行時間型(TOF)
質量分析装置に係り、特に、イオンの検出感度を損なう
ことなく、分解能を向上することが可能な、TOF質量
分析装置に関する。
とを利用し、TOFを測定してイオンの質量を決定する
TOF質量分析装置が知られている。
ら検出器まで、イオンを単に直線的に飛行させるもので
あり、その分解能は、イオン源から検出器までの直線距
離で決まる。
上させるためには、イオンの飛行距離を長くとる必要が
あり、必然的に装置が大型化する。
は、装置の大きさには現実的な制限がある。又、長い飛
行距離をとると、必然的に検出器が遠くなり、イオン源
から検出器を見込む立体角が小さくなるので、イオンビ
ームの発散による計数率のロスが生じる。その結果、検
出器に到達するイオンの量が少なくなり、装置の感度も
低下してしまう。
は、装置の感度、分解能共に妥協せざるを得なかった。
又、更なる分解能の向上のために、飛行距離を延長する
場合には、イオン源から検出器までの距離を長くする必
要があり、装置の機械的な改造が必要であった。
くなされたもので、イオンの検出感度を損なうことな
く、分解能を向上することを課題とする。
オンが飛行する時間を測定してイオンの質量を決定する
TOF質量分析装置において、前記イオンがレーストラ
ック型のリング状軌道、略長方形の周回軌道ないしは扇
形電場が長円状に配置された周回軌道を飛行するように
して、前記課題を解決したものである。
記リング状軌道ないしは周回軌道を飛行するようにした
ものである。
射電極に印加するパルス電圧のタイミングにより、電気
的に制御するようにしたものである。
例示する如く、イオンのレーストラック型のリング状軌
道、略長方形の周回軌道ないしは扇形電場が長円状に配
置された周回軌道10を構成するための、例えば6個の
トロイダル型扇形電場12、14、16、18、20、
22と、イオン源24から出射され、入射軌道26を進
行するイオンの進行方向を変えて前記周回軌道10に載
せるための偏向電極28と、該偏向電極28によって進
行方向が曲げられたイオンを、前記周回軌道10に所定
タイミングで導入するための入射電極30と、前記周回
軌道10から所定タイミングでイオンを取り出して、検
出器34の方向に導くための出射電極32とを備え、前
記イオンが前記リング状軌道ないしは周回軌道10を所
定回数だけ周回飛行するようにしたものである。
電場が長円状に配置されていたが、扇形電場の数や配置
や形式は、図1の例に限定されず、例えば周回軌道が略
長方形となるように配置することも可能である。又、ト
ロイダル型扇形電場を、円筒扇形電場と静電四重極
(Q)レンズの組合せに置き換えても良い。
トロイダル型扇形電場を用いて、レーストラック型のリ
ング状のイオン軌道を持つように設計されているので、
イオンは、同一軌道上を何回も周回させることができ
る。イオンの飛行距離は、1周の軌道長さの周回数倍に
なるので、装置を大型化することなく、長い飛行距離を
とることができる。
を延長する場合においても、装置の機械的な改造の必要
がなく、イオンの周回数を増加させるだけで対応が可能
である。イオンの周回数は、例えば入射電極30と出射
電極32に印加するパルス電圧のタイミングを制御する
ことで、電気的に制御可能である。
向上を実現するために、時間に関する次の三重収束性を
満足させることが望ましい。
道に対し水平方向に傾きをもって入射したイオンが、リ
ングを半周した時点で、中心軌道を通るイオンと同一の
飛行時間を持つ。
道に対し水平方向にずれた位置に入射したイオンが、リ
ングを半周した時点で、中心軌道を通るイオンと同一の
飛行時間を持つ。
エネルギを持つイオンが、リングを半周した時点で、中
心軌道を通るイオンと同一の飛行時間を持つ。
ンビームの発散による計数率のロスを防ぐために、空間
に関する次の三重収束性を満足させることが望ましい。
道に対し水平方向に傾きをもって入射したイオンが、リ
ングを半周した時点で、中心軌道上に戻る。
に対し垂直方向に傾きをもって入射したイオンが、リン
グを半周した時点で、中心軌道上に戻る。
エネルギを持つイオンが、リングを半周した時点で、中
心軌道上に戻る。
より設計される。
施形態を詳細に説明する。
イダル型扇形電場12〜22、イオン源24、偏向電極
28、入射電極30、出射電極32及び検出器34を備
えたTOF質量分析装置において、図2に示す如く、更
に、前記入射軌道26、入射電極30、出射電極32及
び検出器34とは反対側に配設された入射軌道46、入
射電極50、出射電極52及び検出器54と、出射電極
32、52で取り出されたイオンを電子に変換して検出
器34、54の方向に導く変換ダイノード36、56
と、を備えたものである。
A、該一次イオンガン24Aに所用電圧を加えるイオン
ガン電源24B、試料ターゲット24C、該試料ターゲ
ット24Cにおいて一次イオン衝撃で生成された試料イ
オンを加速するイオン加速電極24D、及び、該イオン
加速電極24Dに加速電圧を印加するためのイオン加速
電源24Eで構成される、いわゆる2次イオン源と、イ
オンチョッパ24Fと、該イオンチョッパ24Fに所定
のパルス状電圧を印加するイオンチョッパ電源24Gと
を含んで構成されている。
が接続されている。
いずれか一方に所定のパルス状電圧を印加するための、
共通化された入射電極電源31が接続されている。
6、18、20、22には、それぞれ、所定電圧を印加
するためのトロイダル電源13、15、17、19、2
1、23が接続されている。
いずれか一方に所定のパルス状電圧を印加するための、
共通化された出射電極電源33が接続されている。
倍管とされ、共通化されたMCP電源38と、TOF測
定回路40が接続されている。
通化されたダイノード電源42が接続されている。
は、一定の電圧で加速され、偏向電極28に向かう。該
偏向電極28によりレーストラック型のリング状の周回
軌道10に導かれたイオンは、その入射と同期して動作
するようにされた入射電極30又は50により、周回軌
道10に載せられる。例えば6組のトロイダル型扇形電
場12、14、16、18、20、22によりリング状
の周回軌道10を周回するイオンは、トロイダル型扇形
電場の収束作用により、半周した時点で、飛行時間のず
れが完全に補正され、又、中心軌道に戻されるので、1
周した時点においても、飛行時間のずれはなく、再び同
一地点に戻る。イオンは、2回目以降の周回において
も、同一の軌道をとるため、発散することなく、6組の
トロイダル型扇形電場12、14、16、18、20、
22を通過して周回を続けることができる。目的の回数
だけ周回したイオンは、出射電極32又は52を動作さ
せて、周回軌道10から取り出され、検出器34又は5
4に導かれ、電気信号に変換される。
から、検出器34又は54に到達するまでの時間を、T
OF測定回路40で測定する。イオン源24の加速電圧
がV、イオンの飛行距離がLで、飛行時間がTと測定さ
れた場合、イオンの電荷当りの質量mは、次式で求めら
れる。
電場を用いているため、時間に関する三重の収束作用が
あり、分解能が向上する。又、トロイダル型扇形電場
は、空間に関する三重の収束作用を持つため、イオンビ
ームの発散が防止され、検出感度を損なうことがない。
なお、イオンを周回させる手段はトロイダル型扇形電場
に限定されず、例えば、円筒扇形電場と静電四重極
(Q)レンズに置き換えても、同様の作用・効果があ
る。
側にイオン源、偏向電極、入射電極、出射電極、検出器
を配置しているので、共通の周回軌道を効率良く利用で
きる。なお、図1に示した例のように、一方側のみにこ
れらを設けたり、あるいは、入射設備を一方側に配置
し、出射設備を他方側に配置することも可能である。
一般的なTOF質量分析装置に適用されていたが、本発
明の適用対象はこれに限定されず、原子物理学や原子核
物理学における荷電粒子分析器一般や、イオン注入器
等、ビームを用いた工学機器にも同様に適用できること
は明らかである。
周回するため、装置を大型化することなく、長い飛行距
離をとることができ、分解能が向上する。又、飛行距離
を延長する場合でも、周回数を増やすだけでよく、装置
の機械的な改造の必要がない。
形電場 24…イオン源 26、46…入射軌道 28…偏向電極 30、50…入射電極 32、52…出射電極 34、54…検出器 36、56…変換ダイノード 40…TOF測定回路
Claims (5)
- 【請求項1】所定距離をイオンが飛行する時間を測定し
てイオンの質量を決定する飛行時間型質量分析装置にお
いて、 前記イオンが、レーストラック型のリング状軌道、略長
方形の周回軌道ないしは扇形電場が長円状に配置された
周回軌道を飛行するようにされていることを特徴とする
飛行時間型質量分析装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の飛行時間型質量分析装置
において、前記イオンが、扇形電場を用いて、前記リン
グ状軌道ないしは周回軌道を飛行するようにされている
ことを特徴とする飛行時間型質量分析装置。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の飛行時間型質量分
析装置において、前記イオンの周回数が、入射電極と出
射電極に印加するパルス電圧のタイミングにより、電気
的に制御されていることを特徴とする飛行時間型質量分
析装置。 - 【請求項4】所定距離をイオンが飛行する時間を測定し
てイオンの質量を決定する飛行時間型質量分析装置にお
いて、 イオンのレーストラック型のリング状軌道、略長方形の
周回軌道ないしは扇形電場が長円状に配置された周回軌
道を構成するための扇形電場と、 前記周回軌道にイオンを導入するための入射電極と、 前記周回軌道からイオンを取り出すための出射電極とを
備え、 前記イオンが前記リング状軌道ないしは周回軌道を飛行
するようにしたことを特徴とする飛行時間型質量分析装
置。 - 【請求項5】請求項2又は4において、前記扇形電場が
トロイダル型扇形電場であることを特徴とする飛行時間
型質量分析装置。
Priority Applications (1)
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JP09711498A JP3392345B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 飛行時間型質量分析装置 |
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JP09711498A Expired - Fee Related JP3392345B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 飛行時間型質量分析装置 |
Country Status (1)
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1998
- 1998-04-09 JP JP09711498A patent/JP3392345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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