JP3390480B2 - 多糖類の分解方法とその生産物 - Google Patents
多糖類の分解方法とその生産物Info
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- C12N9/24—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
- C12N9/2402—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多糖類の分解方法および
その生成物に関する。詳しくは、酵素活性により多糖類
ゲラン系化合物の主鎖構造を特異的に開裂する新規化合
物、これを用いて多糖類の溶液粘度を低減させる方法お
よびこの方法により生成する油田用セメント添加剤等と
して有用な分解産物に関する。
その生成物に関する。詳しくは、酵素活性により多糖類
ゲラン系化合物の主鎖構造を特異的に開裂する新規化合
物、これを用いて多糖類の溶液粘度を低減させる方法お
よびこの方法により生成する油田用セメント添加剤等と
して有用な分解産物に関する。
【0002】
【従来の技術】ウェラン(welan)あるいはS−1
30は、グラム陰性菌の一種であるアルカリゲネス属
(Alcaligenes)(米国特許番号4,34
2,866号参照)によって培養基上に分泌されるカル
ボハイドレートポリマーである。換言すると、一般式
(I):
30は、グラム陰性菌の一種であるアルカリゲネス属
(Alcaligenes)(米国特許番号4,34
2,866号参照)によって培養基上に分泌されるカル
ボハイドレートポリマーである。換言すると、一般式
(I):
【0003】
【化11】
(式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;さら
にX残基の近くにはポリマーの還元末端がある)で表さ
れるサブユニット主鎖構造を有する多糖系の一化合物で
ある。本明細書においては、この一般式(I)で表され
る構造を「主鎖」という場合がある。主鎖につく側鎖と
しては種々なものが挙げられる。
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;さら
にX残基の近くにはポリマーの還元末端がある)で表さ
れるサブユニット主鎖構造を有する多糖系の一化合物で
ある。本明細書においては、この一般式(I)で表され
る構造を「主鎖」という場合がある。主鎖につく側鎖と
しては種々なものが挙げられる。
【0004】この多糖系の代表的な化合物は一般式(I
I):
I):
【0005】
【化12】
(式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;Z は
α- L- Rha-(1→6)- α- L- Rha,α- L-
Man,α- L- RhaまたはGlcであり;wはβ-
D- Glc-(1→6)-α- D- Glcまたはα- L- R
haであり;下つき添字vおよびyは0,0.5または
1であり、さらに主鎖のX残基の近くにはポリマーの還
元末端がある)で表される繰り返し構造を持っている。
本明細書で使用する「主鎖」という表現は一般式(II)
で表される構造からw鎖とz鎖を除いた部分、つまりw
とzとが0である構造を指す。
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;Z は
α- L- Rha-(1→6)- α- L- Rha,α- L-
Man,α- L- RhaまたはGlcであり;wはβ-
D- Glc-(1→6)-α- D- Glcまたはα- L- R
haであり;下つき添字vおよびyは0,0.5または
1であり、さらに主鎖のX残基の近くにはポリマーの還
元末端がある)で表される繰り返し構造を持っている。
本明細書で使用する「主鎖」という表現は一般式(II)
で表される構造からw鎖とz鎖を除いた部分、つまりw
とzとが0である構造を指す。
【0006】この多糖系化合物では、種々の位置でアシ
ル化されているものもある。しかしながら、多糖類は慣
用法により化学的に脱アシル化を行ってアシル基をとり
除くことができる。例えば、ゲラン(gellan)
は、シュードモナス エローデア属(Pseudomo
nas elodea)(ATCC 31461)によ
って培養基に分泌されるカルボハイドレートポリマーで
ある。ゲランはウエランと同じカルボハイドレート主鎖
(すなわち、X=Rha)を持っているが、側鎖の糖質
がなく(すなわち、v=0,y=0)、またグルコース
残基1はグリセレートによって完全に置換されている。
ゲランのサブユニット構造もアシル化されているが、そ
の位置はまだ分かっていない。ゲランを化学的に脱アシ
ル化すると、カチオンの存在下で透明なゲルとなるポリ
マーを生成する。この加工型ゲランはゲルライトTM(G
elriteTM)と言う商標名で市販されており、微生
物や植物を培養する際の寒天代用品として用いられてい
る。
ル化されているものもある。しかしながら、多糖類は慣
用法により化学的に脱アシル化を行ってアシル基をとり
除くことができる。例えば、ゲラン(gellan)
は、シュードモナス エローデア属(Pseudomo
nas elodea)(ATCC 31461)によ
って培養基に分泌されるカルボハイドレートポリマーで
ある。ゲランはウエランと同じカルボハイドレート主鎖
(すなわち、X=Rha)を持っているが、側鎖の糖質
がなく(すなわち、v=0,y=0)、またグルコース
残基1はグリセレートによって完全に置換されている。
ゲランのサブユニット構造もアシル化されているが、そ
の位置はまだ分かっていない。ゲランを化学的に脱アシ
ル化すると、カチオンの存在下で透明なゲルとなるポリ
マーを生成する。この加工型ゲランはゲルライトTM(G
elriteTM)と言う商標名で市販されており、微生
物や植物を培養する際の寒天代用品として用いられてい
る。
【0007】微生物由来の多糖類のうち、ゲラン系には
主鎖構造が極めてよく似ている、ないしは同一の、少な
くとも七つの相異なるポリマーがある(これらの構造を
単純化して表5に示す)。この系のうち、知られている
ものとしては、ゲラン(多糖S−60とも呼ばれてい
る)、ウエラン(welan)(S−130),S−8
8,ラムザン(rhamsan)(S−194),S−
657,S−198およびNW11がある。いずれも、
ゲルを生成する特性を持つか、高い粘度の水溶液となる
かのどちらかであり、産業上の利用性がある。しかしな
がら、新たに遊離された多糖類を評価して新ポリマーが
多糖類ゲラン系化合物であるか、否かを同定することは
困難なであり、かつ時間がかかることでもある。
主鎖構造が極めてよく似ている、ないしは同一の、少な
くとも七つの相異なるポリマーがある(これらの構造を
単純化して表5に示す)。この系のうち、知られている
ものとしては、ゲラン(多糖S−60とも呼ばれてい
る)、ウエラン(welan)(S−130),S−8
8,ラムザン(rhamsan)(S−194),S−
657,S−198およびNW11がある。いずれも、
ゲルを生成する特性を持つか、高い粘度の水溶液となる
かのどちらかであり、産業上の利用性がある。しかしな
がら、新たに遊離された多糖類を評価して新ポリマーが
多糖類ゲラン系化合物であるか、否かを同定することは
困難なであり、かつ時間がかかることでもある。
【0008】ウエランは一般式(III)(Jansen,
P.−E., Lidndberg,B., Widm
alm, G.,および Sandford, P.
A.,1985; Carbohydrate Res
each 139: 217−223):
P.−E., Lidndberg,B., Widm
alm, G.,および Sandford, P.
A.,1985; Carbohydrate Res
each 139: 217−223):
【0009】
【化13】
(式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり;Rhaはラムノース、Manはマンノースであ
る)で表される繰り返し構造を有する。
であり;Rhaはラムノース、Manはマンノースであ
る)で表される繰り返し構造を有する。
【0010】上記で示す通り、単一体のマンノースまた
はラムノース糖質のどちらかからなる側鎖が、グルコー
ス残基「2」の位置で四糖主鎖サブユニットに結合して
いる。このポリマーは負に帯電しているが、ポリマー主
鎖中のグルクロン酸残基のためポルトランドセメントと
相溶する。ウエランの強い懸濁特性を利用して、セメン
ト中に閉じ込められる空気を減らしたり、水分の喪失を
コントロールするためのセメント添加剤として提案され
てきた(米国特許番号第4,963,668号および第
5,004,506号参照)。しかしながら、ある種の
適用分野では、自然物由来のポリマーはセメントに高い
粘度を付与するので好ましくないとされている。
はラムノース糖質のどちらかからなる側鎖が、グルコー
ス残基「2」の位置で四糖主鎖サブユニットに結合して
いる。このポリマーは負に帯電しているが、ポリマー主
鎖中のグルクロン酸残基のためポルトランドセメントと
相溶する。ウエランの強い懸濁特性を利用して、セメン
ト中に閉じ込められる空気を減らしたり、水分の喪失を
コントロールするためのセメント添加剤として提案され
てきた(米国特許番号第4,963,668号および第
5,004,506号参照)。しかしながら、ある種の
適用分野では、自然物由来のポリマーはセメントに高い
粘度を付与するので好ましくないとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】米国特許番号第4,9
63,668号および第5,004,506号では、ウ
エランを化学的に開裂して粘度を低下させる方法が開示
されている。しかしながら、この方法で開裂すると、ポ
リマー鎖と糖質部分が無統制に分解するため、均一性を
欠く化学組成物ができる。この方法はフェントン試薬を
用いる非特異的な酸化反応を利用するものである。この
特許では必要な薬品(特に、過酸化水素)の使用量節減
のため、最初にプロテアーゼで培養液を処理することを
勧めている。さらに、発酵培養液を(約30℃の発酵温
度から)約60℃に加熱し、先ず必須触媒である硫酸鉄
(II)(0.05%)とエチレンジアミン4酢酸(E
DTA)(キレート化剤、0.1%)を配合する。続い
て、1ないし3時間かけて過酸化水素を添加し、最終濃
度を0.15ないし0.25%とする。培養液の粘度が
約80ないし100cpにまで下がったら、培養液を約
27℃まで冷却し、水酸化カリウムで中和する。ウエラ
ンはイソプロピルアルコールで沈澱させて回収する。
63,668号および第5,004,506号では、ウ
エランを化学的に開裂して粘度を低下させる方法が開示
されている。しかしながら、この方法で開裂すると、ポ
リマー鎖と糖質部分が無統制に分解するため、均一性を
欠く化学組成物ができる。この方法はフェントン試薬を
用いる非特異的な酸化反応を利用するものである。この
特許では必要な薬品(特に、過酸化水素)の使用量節減
のため、最初にプロテアーゼで培養液を処理することを
勧めている。さらに、発酵培養液を(約30℃の発酵温
度から)約60℃に加熱し、先ず必須触媒である硫酸鉄
(II)(0.05%)とエチレンジアミン4酢酸(E
DTA)(キレート化剤、0.1%)を配合する。続い
て、1ないし3時間かけて過酸化水素を添加し、最終濃
度を0.15ないし0.25%とする。培養液の粘度が
約80ないし100cpにまで下がったら、培養液を約
27℃まで冷却し、水酸化カリウムで中和する。ウエラ
ンはイソプロピルアルコールで沈澱させて回収する。
【0012】各種ウエラン溶液は高濃度の塩と高温に対
して安定である。油井の完成作業の際水圧破砕の沈澱防
止剤に高粘度の液体を使うところから、油田でこの安定
性を持つウエランを使用する可能性はある(Bair
d, J.K., P.A.Sandford, I.
W. Cottrell, 1983, Bio/te
chnology:778−783参照)。しかしなが
ら、油井が完成した後では、液体の粘度を下げて、油
や、ガスの流れを促進する必要があるが、これまでの述
べた従来技術の方法では、ウエランによってこれを達成
することは困難であり、および/または不経済でもあ
る。
して安定である。油井の完成作業の際水圧破砕の沈澱防
止剤に高粘度の液体を使うところから、油田でこの安定
性を持つウエランを使用する可能性はある(Bair
d, J.K., P.A.Sandford, I.
W. Cottrell, 1983, Bio/te
chnology:778−783参照)。しかしなが
ら、油井が完成した後では、液体の粘度を下げて、油
や、ガスの流れを促進する必要があるが、これまでの述
べた従来技術の方法では、ウエランによってこれを達成
することは困難であり、および/または不経済でもあ
る。
【0013】キサンタンガムを水圧破砕に使用すること
はこれまでに知られている。キサンタンガムの粘度を下
げる特異的な酵素が存在し、これらの酵素を使ってキサ
ンタンガム含有破砕液の粘度を下げることが提案されて
いる(Cadmus, M.C.およびM.E. Sl
odki, 1985; Developmentsi
n Industrial Microbiology
26:281−289)。
はこれまでに知られている。キサンタンガムの粘度を下
げる特異的な酵素が存在し、これらの酵素を使ってキサ
ンタンガム含有破砕液の粘度を下げることが提案されて
いる(Cadmus, M.C.およびM.E. Sl
odki, 1985; Developmentsi
n Industrial Microbiology
26:281−289)。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酵素活性
によって上記一般式(I)で表される構造を持つ多糖類
ゲラン系化合物の主鎖構造を特異的に開裂する新規化合
物およびこの化合物を有用な形態に精製濃縮する方法を
見いだした。また、本発明の化合物を用いてこれら多糖
類の溶液粘度を低減させる方法、ならびにこの方法によ
り生成できる低粘度の分解産物を見いだした。この低分
子量組成物は、例えば油田に用いて、セメント添加剤等
として有用である。その使用方法はこれまでに述べてき
た、例えばキサンタンのような多糖類と同一である。
によって上記一般式(I)で表される構造を持つ多糖類
ゲラン系化合物の主鎖構造を特異的に開裂する新規化合
物およびこの化合物を有用な形態に精製濃縮する方法を
見いだした。また、本発明の化合物を用いてこれら多糖
類の溶液粘度を低減させる方法、ならびにこの方法によ
り生成できる低粘度の分解産物を見いだした。この低分
子量組成物は、例えば油田に用いて、セメント添加剤等
として有用である。その使用方法はこれまでに述べてき
た、例えばキサンタンのような多糖類と同一である。
【0015】本発明の上記化合物は、本発明の選別方法
により生物学的に純粋なバチルス属細菌を得、一般式
(I)の構造を持つ多糖の存在下の深部培養条件により
この細菌に化合物を産生させ、この化合物を発酵培養液
から分離することにより生産される。さらにまた、本発
明者らは、本発明の化合物を用いて一般式(I)の構造
を持つ多糖類を迅速かつ特異的に検出する方法を見いだ
した。本発明によって行う酵素開裂は、特定のカルボハ
イドレート結合に高い選択性を持っている。したがっ
て、本発明の開裂工程では、従来技術の化学処理では必
要とされてきた環境に悪影響を与える、および/または
取扱が難しい危険薬品添加に伴う複雑性がないし、その
必要性すらもない。さらに、生成物中にこれら危険薬品
の残基が残ることがなくしたがって、例えば発酵温度と
同じ、比較的低温でこの工程を実施することができる。
また、分解の範囲を限ることによりポリマーの大きさを
容易にコントロールすることもできる。
により生物学的に純粋なバチルス属細菌を得、一般式
(I)の構造を持つ多糖の存在下の深部培養条件により
この細菌に化合物を産生させ、この化合物を発酵培養液
から分離することにより生産される。さらにまた、本発
明者らは、本発明の化合物を用いて一般式(I)の構造
を持つ多糖類を迅速かつ特異的に検出する方法を見いだ
した。本発明によって行う酵素開裂は、特定のカルボハ
イドレート結合に高い選択性を持っている。したがっ
て、本発明の開裂工程では、従来技術の化学処理では必
要とされてきた環境に悪影響を与える、および/または
取扱が難しい危険薬品添加に伴う複雑性がないし、その
必要性すらもない。さらに、生成物中にこれら危険薬品
の残基が残ることがなくしたがって、例えば発酵温度と
同じ、比較的低温でこの工程を実施することができる。
また、分解の範囲を限ることによりポリマーの大きさを
容易にコントロールすることもできる。
【0016】本発明の選別方法においては、天然に存在
する細菌の採集源、例えば土壌、樹葉、樹皮、植物など
を処理することにより、含有されている細菌が一般式
(I)の構造を持つ多糖類を利用できるようになるまで
濃縮される。これは、上記の採集物、例えば土壌サンプ
ルの場合には、一般式(I)の構造を持つ多糖類が主炭
素源または唯一の炭素源である培地によって培養される
ことにより達成される。本明細書で用いる「主炭素源」
という表現は、一般式(I)で表される主鎖構造を持つ
多糖類を利用することができない細菌を維持するかもし
れない他の炭素源を実質的に排除することによって、上
記の多糖が存在していることを意味する。
する細菌の採集源、例えば土壌、樹葉、樹皮、植物など
を処理することにより、含有されている細菌が一般式
(I)の構造を持つ多糖類を利用できるようになるまで
濃縮される。これは、上記の採集物、例えば土壌サンプ
ルの場合には、一般式(I)の構造を持つ多糖類が主炭
素源または唯一の炭素源である培地によって培養される
ことにより達成される。本明細書で用いる「主炭素源」
という表現は、一般式(I)で表される主鎖構造を持つ
多糖類を利用することができない細菌を維持するかもし
れない他の炭素源を実質的に排除することによって、上
記の多糖が存在していることを意味する。
【0017】実際は、市販の多糖源の多くは、例えば炭
素源として利用可能な細菌屑などの汚染物質を含有し、
純粋ではない。その結果、濃縮工程後に折角濃縮した採
集細菌をあらためて、実質的に汚染されていない、構造
(I)を持つ多糖を主炭素源として含む培地(ゲル)で
培養して精製しなければならない。炭素源としては、細
胞屑ばかりでなく、側鎖、すなわち主鎖に結合している
カルボハイドレート鎖もないものが好ましい。エンド型
分解(endolytical)作用を持つ、つまりポ
リマーの主鎖を攻撃する細菌を培養増殖することを所望
しているのだから、エンド型分解作用を持たない細菌を
維持する可能性がある側基を避けることが好適である。
典型的なこの種材料としては、側鎖がなく、一般式
(I)の主鎖構造を持つゲルライトTMが挙げられる。
素源として利用可能な細菌屑などの汚染物質を含有し、
純粋ではない。その結果、濃縮工程後に折角濃縮した採
集細菌をあらためて、実質的に汚染されていない、構造
(I)を持つ多糖を主炭素源として含む培地(ゲル)で
培養して精製しなければならない。炭素源としては、細
胞屑ばかりでなく、側鎖、すなわち主鎖に結合している
カルボハイドレート鎖もないものが好ましい。エンド型
分解(endolytical)作用を持つ、つまりポ
リマーの主鎖を攻撃する細菌を培養増殖することを所望
しているのだから、エンド型分解作用を持たない細菌を
維持する可能性がある側基を避けることが好適である。
典型的なこの種材料としては、側鎖がなく、一般式
(I)の主鎖構造を持つゲルライトTMが挙げられる。
【0018】一般には、濃縮した採集細菌を一般式
(I)の構造を持つ、好ましくは側鎖がない、つまりy
=0,v=0である多糖を含むゲル培地で培養する。こ
れらの条件により増殖し、ゲルに窪みを形成していた
り、穴が開いているのが肉眼で観察されるコロニーを選
別して、例えば培養を反復するなどさらに精製を続ける
か、あるいはそのまま使用する。細菌がゲルを溶解した
り、ゲルを断片に開裂することはエンド型分解(end
olytic digestion)を示す指標である
ので穴が開くのを観察することは重要である。
(I)の構造を持つ、好ましくは側鎖がない、つまりy
=0,v=0である多糖を含むゲル培地で培養する。こ
れらの条件により増殖し、ゲルに窪みを形成していた
り、穴が開いているのが肉眼で観察されるコロニーを選
別して、例えば培養を反復するなどさらに精製を続ける
か、あるいはそのまま使用する。細菌がゲルを溶解した
り、ゲルを断片に開裂することはエンド型分解(end
olytic digestion)を示す指標である
ので穴が開くのを観察することは重要である。
【0019】一般式(I)の構造に側鎖がある化合物を
分解しようとするときには、さらにもう一つのスクリー
ニング工程を追加実施する。この工程では、細菌を選別
し、特定の多糖を培地の主炭素源とし、この特定の多糖
の存在下で深部液体培養を行う。生成物の粘度をモニタ
ーして、細菌が所望の内溶特性を持つ生成物を産生して
いることを判定することができる。比較的に大きく、速
く粘度が低下する際には、エンド型分解による開裂が進
行していると判断するのが合理的である。反面、粘度が
長時間にわたって比較的ゆっくりと漸減して行くのは、
主鎖の両端でエキソ型分解による開裂(exolyti
c cleavage)が起きていることを示してい
る。
分解しようとするときには、さらにもう一つのスクリー
ニング工程を追加実施する。この工程では、細菌を選別
し、特定の多糖を培地の主炭素源とし、この特定の多糖
の存在下で深部液体培養を行う。生成物の粘度をモニタ
ーして、細菌が所望の内溶特性を持つ生成物を産生して
いることを判定することができる。比較的に大きく、速
く粘度が低下する際には、エンド型分解による開裂が進
行していると判断するのが合理的である。反面、粘度が
長時間にわたって比較的ゆっくりと漸減して行くのは、
主鎖の両端でエキソ型分解による開裂(exolyti
c cleavage)が起きていることを示してい
る。
【0020】したがって、本発明の化合物は、この構造
決定因子があるのか、ないのかを判定するための多糖類
の迅速なスクリーニングの簡便な手段となる。単純に多
糖類と本発明の化合物とを開裂条件に暴露し、生成物混
合体の粘度低下試験を行えば良い。
決定因子があるのか、ないのかを判定するための多糖類
の迅速なスクリーニングの簡便な手段となる。単純に多
糖類と本発明の化合物とを開裂条件に暴露し、生成物混
合体の粘度低下試験を行えば良い。
【0021】さらに詳しくは、対象ポリマーから粘性の
水溶液が調製される。ポリマーの濃度を調整して、水と
の相対粘度が高いが、粘度計、例えば#18スピンドル
付きB型(ブルックフィールド型)LVTDV−II粘
度計で簡単に測定できる粘度、例えば約100cpとな
るようにする。この水溶液は適当な緩衝液(例えば、
0.01ないし0.02Mリン酸ナトリウム緩衝液、約
pH7)で処理しても良い。このポリマー溶液は純粋で
ある必要はなく、すなわち細菌屑や、対象ポリマー以外
の、粘度とは余り関係がない、小ポリマー構造を含んで
いても良い。また、細菌増殖防止用薬品としてアジ化ナ
トリウム0.01%を含有させることもできる。
水溶液が調製される。ポリマーの濃度を調整して、水と
の相対粘度が高いが、粘度計、例えば#18スピンドル
付きB型(ブルックフィールド型)LVTDV−II粘
度計で簡単に測定できる粘度、例えば約100cpとな
るようにする。この水溶液は適当な緩衝液(例えば、
0.01ないし0.02Mリン酸ナトリウム緩衝液、約
pH7)で処理しても良い。このポリマー溶液は純粋で
ある必要はなく、すなわち細菌屑や、対象ポリマー以外
の、粘度とは余り関係がない、小ポリマー構造を含んで
いても良い。また、細菌増殖防止用薬品としてアジ化ナ
トリウム0.01%を含有させることもできる。
【0022】このポリマー溶液に対して、溶液の粘度を
大きく減少させない範囲の容積比で(例えば、10分の
1容量)本発明の化合物の水溶液を添加配合する。一般
に、分解温度は20ないし30℃である。ウエラン溶液
は手ごろな正のコントロールになり得るし、キサンタン
溶液は負のコントロールとして使うことができる。未知
のポリマーが本発明の化合物で分解される場合、このポ
リマーは、ゲランに似た主鎖構造を持つことを示すこと
となる。この未知のポリマーには、主鎖のグルコース残
基2の位置で側鎖が置換されている場合、置換されてい
ない場合、さらには主鎖サブユニット構造の四番目の位
置(一般式(I)のX残基)にラムノースがある場合、
あるいはマンノーがある場合があることは言うまでもな
い。この方法によれば、不純物質の小量(1グラム以
下)のサンプルがありさえすれば、迅速にして簡単に、
しかも経済的にスクリーニングを行うことができる。
大きく減少させない範囲の容積比で(例えば、10分の
1容量)本発明の化合物の水溶液を添加配合する。一般
に、分解温度は20ないし30℃である。ウエラン溶液
は手ごろな正のコントロールになり得るし、キサンタン
溶液は負のコントロールとして使うことができる。未知
のポリマーが本発明の化合物で分解される場合、このポ
リマーは、ゲランに似た主鎖構造を持つことを示すこと
となる。この未知のポリマーには、主鎖のグルコース残
基2の位置で側鎖が置換されている場合、置換されてい
ない場合、さらには主鎖サブユニット構造の四番目の位
置(一般式(I)のX残基)にラムノースがある場合、
あるいはマンノーがある場合があることは言うまでもな
い。この方法によれば、不純物質の小量(1グラム以
下)のサンプルがありさえすれば、迅速にして簡単に、
しかも経済的にスクリーニングを行うことができる。
【0023】
【実施例】本発明を次の実施例により説明する。
【0024】実施例1:純粋細菌、B29の選別方法
実験1A−濃縮
米国カルフォルニア州サンデエゴ郡パロマー山(Pal
omar Moun−tain, San Diego
County,CA)所在の家庭洗濯汚水流出口から
1ヤード以内の箇所より湿った土壌を採集した。湿気を
帯びた土壌約10容量に対して1容量のウエラン溶液
(0.2%w/v)を添加した。20−24℃で4日間
保持したのち、土壌約5gを脱イオン水(DI)25m
lに再懸濁し、1000×G,3分間の遠心分離により
固体成分を取り除いた。上澄み液を7000×Gで8分
間遠心分離し、微生物を濃縮してペレットとし、このペ
レットをDI 1mlに再懸濁した。この微生物懸濁液
から0.01mlサンプルをとり、主炭素源としてのウ
エランおよびP2塩、(NH4 )2 SO4 ,1000×
の微量鉱物(後述)を含有する寒天培地にこのサンプル
を塗布した。さらに、ウエランを含むP2塩培地約20
mlに微生物懸濁液を接種し、125ml容量の振とう
フラスコ中に置いた。
omar Moun−tain, San Diego
County,CA)所在の家庭洗濯汚水流出口から
1ヤード以内の箇所より湿った土壌を採集した。湿気を
帯びた土壌約10容量に対して1容量のウエラン溶液
(0.2%w/v)を添加した。20−24℃で4日間
保持したのち、土壌約5gを脱イオン水(DI)25m
lに再懸濁し、1000×G,3分間の遠心分離により
固体成分を取り除いた。上澄み液を7000×Gで8分
間遠心分離し、微生物を濃縮してペレットとし、このペ
レットをDI 1mlに再懸濁した。この微生物懸濁液
から0.01mlサンプルをとり、主炭素源としてのウ
エランおよびP2塩、(NH4 )2 SO4 ,1000×
の微量鉱物(後述)を含有する寒天培地にこのサンプル
を塗布した。さらに、ウエランを含むP2塩培地約20
mlに微生物懸濁液を接種し、125ml容量の振とう
フラスコ中に置いた。
【0025】市販のウエランには、産生菌の屑が含有さ
れており、これが栄養源としての役割を果たし、さらに
は寒天も平板上では補助的な炭素源となる。 P2塩の組成 (NH4 )2 HPO4 1 g K2 HPO4 2 g NaCl 0.5 g MgSO4 −7H2 O 0.05g DIを加えて1リットルとする。 pHは7.6に調整 1000×微量鉱物 ZnSO4 −7H2 O 0.5 g FeSO4 −7H2 O 0.5 g CuSO4 −5H2 O 0.02g NaMoO4 −2H2 O 0.02g DIを加えて100mlとする。 ウエラン/P2塩培地 ウエラン 2.5 g (NH4 )2 SO4 1.0 g 1000×微量鉱物 1ml P2塩を加えて1リットルとする。 (平板培養用寒天15gを加える)
れており、これが栄養源としての役割を果たし、さらに
は寒天も平板上では補助的な炭素源となる。 P2塩の組成 (NH4 )2 HPO4 1 g K2 HPO4 2 g NaCl 0.5 g MgSO4 −7H2 O 0.05g DIを加えて1リットルとする。 pHは7.6に調整 1000×微量鉱物 ZnSO4 −7H2 O 0.5 g FeSO4 −7H2 O 0.5 g CuSO4 −5H2 O 0.02g NaMoO4 −2H2 O 0.02g DIを加えて100mlとする。 ウエラン/P2塩培地 ウエラン 2.5 g (NH4 )2 SO4 1.0 g 1000×微量鉱物 1ml P2塩を加えて1リットルとする。 (平板培養用寒天15gを加える)
【0026】28℃で3日間インキュベートしたのち、
ウエラン/P2平板上で数種のコロニーが観察され、い
くつかの細菌が炭素源としてウエランを使用しているこ
とが分かった。代表的なコロニーを拾い上げ、新しいウ
エラン平板に移したところ、再び増殖を始めた。
ウエラン/P2平板上で数種のコロニーが観察され、い
くつかの細菌が炭素源としてウエランを使用しているこ
とが分かった。代表的なコロニーを拾い上げ、新しいウ
エラン平板に移したところ、再び増殖を始めた。
【0027】寒天なしのウエラン/P2培地により28
℃で6日間振とうしたのち、再増殖させたウエラン/P
2液体培養物の粘度をスピンドル 18付きB型(ブル
ックフィールド型)LVTDV−II粘度計を用いて、
25℃、6rpmで測定し、次の結果を得た。 細菌なし 41cp 土壌細菌あり 6cp 上記の結果はウエランを分解できる微生物が土壌サンプ
ル中に存在していたことを示している。
℃で6日間振とうしたのち、再増殖させたウエラン/P
2液体培養物の粘度をスピンドル 18付きB型(ブル
ックフィールド型)LVTDV−II粘度計を用いて、
25℃、6rpmで測定し、次の結果を得た。 細菌なし 41cp 土壌細菌あり 6cp 上記の結果はウエランを分解できる微生物が土壌サンプ
ル中に存在していたことを示している。
【0028】実験1B:ゲルライトTMスクリーニング
ウエランをエンド型分解できる微生物をスクリーニング
する目的で、ウエラン/P2平板上の各コロニーおよび
ウエラン/P2液体培養物のサンプルを、化学処理を行
ったゲランを含有する平板に塗布した。この処理ゲラン
は市販の「ゲルライトTM」(Schweizerhal
l, Inc.製,3001 Hadley Rd.,
South Plainfield, NJ)で、グリ
セレート置換基とアセチル置換基がなく、カチオンの存
在下でゲルとなり、微生物用固形培地の寒天代用品であ
る。ゲルライトTMは透明なゲルを生成し、ウエランに較
べて、汚染源となる炭素、窒素物質の含有量が低い。し
たがって、ゲルライトTMは主炭素源としてばかりではな
く、寒天の存在下あるいは市販のウエラン中で見られる
ような汚染性炭素源の存在下での平板培養基の凝固剤と
しても使用することができる。以下、ゲルライトTM固形
培地およびゲルライトTM/ウエラン固形培地について説
明する。
する目的で、ウエラン/P2平板上の各コロニーおよび
ウエラン/P2液体培養物のサンプルを、化学処理を行
ったゲランを含有する平板に塗布した。この処理ゲラン
は市販の「ゲルライトTM」(Schweizerhal
l, Inc.製,3001 Hadley Rd.,
South Plainfield, NJ)で、グリ
セレート置換基とアセチル置換基がなく、カチオンの存
在下でゲルとなり、微生物用固形培地の寒天代用品であ
る。ゲルライトTMは透明なゲルを生成し、ウエランに較
べて、汚染源となる炭素、窒素物質の含有量が低い。し
たがって、ゲルライトTMは主炭素源としてばかりではな
く、寒天の存在下あるいは市販のウエラン中で見られる
ような汚染性炭素源の存在下での平板培養基の凝固剤と
しても使用することができる。以下、ゲルライトTM固形
培地およびゲルライトTM/ウエラン固形培地について説
明する。
【0029】ウエランを主たる炭素源とする溶液中で増
殖できる性能とゲルライトTM平板培地に肉眼で見える窪
みを形成する性能を基準として微生物を選別した。ウエ
ラン含有平板培地で増殖させた微生物分離物一個をゲル
ライトTMおよびゲルライトTM/ウエランおのおのの平板
培地で精製した。この分離物はゲルライトTMおよびゲル
ライトTM/ウエランおのおのの平板培地表面に穴を開け
る性能を持っていた。
殖できる性能とゲルライトTM平板培地に肉眼で見える窪
みを形成する性能を基準として微生物を選別した。ウエ
ラン含有平板培地で増殖させた微生物分離物一個をゲル
ライトTMおよびゲルライトTM/ウエランおのおのの平板
培地で精製した。この分離物はゲルライトTMおよびゲル
ライトTM/ウエランおのおのの平板培地表面に穴を開け
る性能を持っていた。
【0030】次の実験操作により、この微生物分離物は
純粋培養物と同等にウエラン溶液の粘度を低減させたこ
とが証明された。
純粋培養物と同等にウエラン溶液の粘度を低減させたこ
とが証明された。
【0031】すなわち、この実験において、ウエラン培
地20mlに対してゲルライトTM平板培地で増殖させた
微生物コロニー一個の接種を行った。寒天なしウエラン
/P2培地により、28℃で振とう(250rpm)し
ながら6日間インキュベートしたところ、溶液の粘度が
約80%低減し、アルコールで析出できるウエランの質
量は80%減少した。この結果から、この純粋微生物に
ついてさらに特性の決定を続けることとし、名称を細菌
種B29とした。この細菌は1992年2月4日、米国
メリーランド州ロックビル市アメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクション(American Type
Culture Collection, Rockv
ille, Mary− land)に寄託した。寄託
番号はATCC 55294であった。これは、特許手
続きを目的とする微生物寄託の国際承認に関するブダペ
スト条約の規定にしたがって寄託されたものであって、
寄託物質の一般利用は制限されるが、寄託物質に対する
特許付与と同時にこの制限はすべて解除される。この解
除は取り消し不能である。
地20mlに対してゲルライトTM平板培地で増殖させた
微生物コロニー一個の接種を行った。寒天なしウエラン
/P2培地により、28℃で振とう(250rpm)し
ながら6日間インキュベートしたところ、溶液の粘度が
約80%低減し、アルコールで析出できるウエランの質
量は80%減少した。この結果から、この純粋微生物に
ついてさらに特性の決定を続けることとし、名称を細菌
種B29とした。この細菌は1992年2月4日、米国
メリーランド州ロックビル市アメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクション(American Type
Culture Collection, Rockv
ille, Mary− land)に寄託した。寄託
番号はATCC 55294であった。これは、特許手
続きを目的とする微生物寄託の国際承認に関するブダペ
スト条約の規定にしたがって寄託されたものであって、
寄託物質の一般利用は制限されるが、寄託物質に対する
特許付与と同時にこの制限はすべて解除される。この解
除は取り消し不能である。
【0032】ゲルライトTM平板培地:
ゲルライトTM 10 g
MgSO4 −7H2 O 1 g
(NH4 )2 SO4 2 g
NaCl 1 g
0.02Mリン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.0)
1000×微量鉱物 1ml
DIを加えて1リットルにする。
ゲルライトTM/ウエラン平板培地:ゲルライトTM平板培
地1リットルにウエラン1gを配合
地1リットルにウエラン1gを配合
【0033】実施例2: 微生物純粋培養物、菌種B2
9,の同定 同定標準試験および試験結果を下記に表として示す。標
準試験は、「Color Atlas and Tex
tbook of Diagnostic Micro
biology, E.M. Konemanet a
l. eds.,J.B. Lippincott C
ompany,Philadelphia, 198
8; Bergey’s Manual of Sys
tematic Bacteriology, N.
R. Krieg ed.,Willaims and
Wilkens, Baltimore,198
4.」の記載に従った。
9,の同定 同定標準試験および試験結果を下記に表として示す。標
準試験は、「Color Atlas and Tex
tbook of Diagnostic Micro
biology, E.M. Konemanet a
l. eds.,J.B. Lippincott C
ompany,Philadelphia, 198
8; Bergey’s Manual of Sys
tematic Bacteriology, N.
R. Krieg ed.,Willaims and
Wilkens, Baltimore,198
4.」の記載に従った。
【0034】コロニーの形態:ルリア(Luria)培
養液平板培地:2−3mm円形;薄ピンク色の中央部が
持ち上がっていて、寒天に接着している;粘着性であ
る。ゲルライトTM平板培地:上記の通り、ただし窪みを
つくる;常に、接着性、粘着性がある。 顕微鏡観察: 細胞: ルリア培養液(長さ=3×幅)中に存在;単一
体または両端が連結した対を作る;杆状体。 胞子: 卵形;胞子嚢が膨張している;末端近く。 クリグラー(Kligler)鉄寒天培地: 斜面培養部酸性呈示;穿刺培養部変化なし;気体変化な
し;チオ硫酸塩からH2 Sを発生せず;斜面培養部のグ
ルコースとラクトースは使用された;好気条件の増殖の
み。 その他の試験: メチルレッド/フォゲスープロスカウエル反応: −/− カタラーゼ: − オキシダーゼ: ボーダーラインないしは遅延 インドール: − リシンデカルボキシラーゼ: − アルギニンジヒドロラーゼ: − オルチニンデカルボキシラーゼ: − TCBS平板培地による増殖: − マッコンキー寒天(MacConkey’agar)による増殖: + ルリア培養液+6%NaClによる増殖: − ルリア培養液+KCN(0.0075%w/v)による増殖: − ルリア培養液+アンピシリン(30μg/ml)による増殖: + ルリア培養液+バンコマイシン(20μg/ml)による増殖: − ルリア培養液+ポリミキシン(10μg/ml)による増殖: + 3%w/vKOH中での粘性: − アルブチン加水分解: − エスクリン加水分解: + エラスチン加水分解: − ゼラチン 加水分解: + デンプン 加水分解: + カゼイン 加水分解: + 炭素源の利用: 化合物 増殖 酸の生産 アラビノース + + フルクトース +(薄い) + ガラクトース + + グルコース + + ラクトース + + マルトース + + マンノース + + ラフィノース + + ラムノース +(薄い) + サリシン + + スクロース + + リシン − アルギニン − オルニチン − ヒスチジン − クエン酸塩 +(薄い)
養液平板培地:2−3mm円形;薄ピンク色の中央部が
持ち上がっていて、寒天に接着している;粘着性であ
る。ゲルライトTM平板培地:上記の通り、ただし窪みを
つくる;常に、接着性、粘着性がある。 顕微鏡観察: 細胞: ルリア培養液(長さ=3×幅)中に存在;単一
体または両端が連結した対を作る;杆状体。 胞子: 卵形;胞子嚢が膨張している;末端近く。 クリグラー(Kligler)鉄寒天培地: 斜面培養部酸性呈示;穿刺培養部変化なし;気体変化な
し;チオ硫酸塩からH2 Sを発生せず;斜面培養部のグ
ルコースとラクトースは使用された;好気条件の増殖の
み。 その他の試験: メチルレッド/フォゲスープロスカウエル反応: −/− カタラーゼ: − オキシダーゼ: ボーダーラインないしは遅延 インドール: − リシンデカルボキシラーゼ: − アルギニンジヒドロラーゼ: − オルチニンデカルボキシラーゼ: − TCBS平板培地による増殖: − マッコンキー寒天(MacConkey’agar)による増殖: + ルリア培養液+6%NaClによる増殖: − ルリア培養液+KCN(0.0075%w/v)による増殖: − ルリア培養液+アンピシリン(30μg/ml)による増殖: + ルリア培養液+バンコマイシン(20μg/ml)による増殖: − ルリア培養液+ポリミキシン(10μg/ml)による増殖: + 3%w/vKOH中での粘性: − アルブチン加水分解: − エスクリン加水分解: + エラスチン加水分解: − ゼラチン 加水分解: + デンプン 加水分解: + カゼイン 加水分解: + 炭素源の利用: 化合物 増殖 酸の生産 アラビノース + + フルクトース +(薄い) + ガラクトース + + グルコース + + ラクトース + + マルトース + + マンノース + + ラフィノース + + ラムノース +(薄い) + サリシン + + スクロース + + リシン − アルギニン − オルニチン − ヒスチジン − クエン酸塩 +(薄い)
【0035】これらの試験結果では、生物学的に純粋に
培養された分離菌であるB29は、グラム陽性、好気性
で胞子を生成する細菌、したがってバチルス属であるこ
とを示している。1984年版のバーギーズ・マニュア
ル(Bergey’s Manual)収載のバチルス
属と照合すると、B29菌はこのうちの短バチルス(B
acillus brevis)に酷似しているが、短
バチルスは普通アラビノースから酸を産生しない点で異
なるので、B29をバチルス属として分類した。
培養された分離菌であるB29は、グラム陽性、好気性
で胞子を生成する細菌、したがってバチルス属であるこ
とを示している。1984年版のバーギーズ・マニュア
ル(Bergey’s Manual)収載のバチルス
属と照合すると、B29菌はこのうちの短バチルス(B
acillus brevis)に酷似しているが、短
バチルスは普通アラビノースから酸を産生しない点で異
なるので、B29をバチルス属として分類した。
【0036】実施例3:細胞外ウエラン分解活性の蓄積
の誘導 ウエラン分解活性の合成分泌について、ウエランが特異
的に誘導する役割を果たすのか、否かの検討を行うた
め、一つはウエラン含有し、他はキサンタンを含有する
二種の液体培地にB29細菌を接種した。ウエランと同
様に、キサンタンも負に帯電している、高粘度のカルボ
ハイドレートポリマーであるが、糖質結合を持たない点
でウエランと異なる。これら二つの培地にはともに、前
述した硫酸アンモニウム0.4%(w/v),塩化ナト
リウム0.2%(w/v),塩化マグネシウム0.2%
(w/v),上記1x微量鉱物を含み、この上にウエラ
ンまたはキサンタンのどちらかを0.25%(w/v)
を含有させた。28℃で振とうしながら4日間インキュ
ベートしたのち、フラスコを振って流れ抵抗を観察した
結果、どちらの培地でも粘度が低下しているのが認めら
れた。培養物を遠心分離して細菌を取り除き、アジ化ナ
トリウムを加えて最終濃度を0.01%(w/v)と
し、残存細菌の代謝を防止した。透明となった上澄み液
と、オートクレーブ処理を行ったウエランの無菌溶液と
合わせインキュベートして、ウエラン分解化合物を検出
した。
の誘導 ウエラン分解活性の合成分泌について、ウエランが特異
的に誘導する役割を果たすのか、否かの検討を行うた
め、一つはウエラン含有し、他はキサンタンを含有する
二種の液体培地にB29細菌を接種した。ウエランと同
様に、キサンタンも負に帯電している、高粘度のカルボ
ハイドレートポリマーであるが、糖質結合を持たない点
でウエランと異なる。これら二つの培地にはともに、前
述した硫酸アンモニウム0.4%(w/v),塩化ナト
リウム0.2%(w/v),塩化マグネシウム0.2%
(w/v),上記1x微量鉱物を含み、この上にウエラ
ンまたはキサンタンのどちらかを0.25%(w/v)
を含有させた。28℃で振とうしながら4日間インキュ
ベートしたのち、フラスコを振って流れ抵抗を観察した
結果、どちらの培地でも粘度が低下しているのが認めら
れた。培養物を遠心分離して細菌を取り除き、アジ化ナ
トリウムを加えて最終濃度を0.01%(w/v)と
し、残存細菌の代謝を防止した。透明となった上澄み液
と、オートクレーブ処理を行ったウエランの無菌溶液と
合わせインキュベートして、ウエラン分解化合物を検出
した。
【0037】表1で示す通り、ウエランによるB29増
殖に由来する上澄み液は酵素活性を持ち、ウエランの粘
度を急速に低下させた。B29細菌は主炭素源としてキ
サンタンを含有する培地でも増殖したが、この培地の上
澄み液はウエランを分解しなかった。この結果では、B
29細菌が産生するウエラン分解化合物は、ウエランに
よって特異的に誘導されるものであることを示してい
る。
殖に由来する上澄み液は酵素活性を持ち、ウエランの粘
度を急速に低下させた。B29細菌は主炭素源としてキ
サンタンを含有する培地でも増殖したが、この培地の上
澄み液はウエランを分解しなかった。この結果では、B
29細菌が産生するウエラン分解化合物は、ウエランに
よって特異的に誘導されるものであることを示してい
る。
【0038】
【表1】
【0039】実施例4:ウエラン分解化合物の精製濃縮
プロテイン精製濃縮の慣用法により、上記ウエラン分解
化合物を精製濃縮した。すなわち、純粋のB29菌をウ
エラン0.125%(w/v)を含有するM9最小塩培
地に接種し、バッフルつき500mlフラスコ中で28
℃により振とうしながら4日間増殖させた。
化合物を精製濃縮した。すなわち、純粋のB29菌をウ
エラン0.125%(w/v)を含有するM9最小塩培
地に接種し、バッフルつき500mlフラスコ中で28
℃により振とうしながら4日間増殖させた。
【0040】M9最小塩培地の組成(1リットル当り)
は次の通り。 Na2 HPO4 6 g KH2 PO4 3 g NaCl 0.5g NH4 Cl 1 g
は次の通り。 Na2 HPO4 6 g KH2 PO4 3 g NaCl 0.5g NH4 Cl 1 g
【0041】上記をオートクレーブ処理したのち、Ca
Cl2 の0.01M溶液10mlおよびMgSO4 −7
H2 Oの1M溶液1mlを加える。
Cl2 の0.01M溶液10mlおよびMgSO4 −7
H2 Oの1M溶液1mlを加える。
【0042】培養液を遠心分離(11,000×G,1
0分間)し、No.1ワットマン濾紙により濾過して細
胞および残屑を取り除いた。このようにして得た細胞の
ない抽出液からサンプル(20ml)5個をとり、その
おのおのに異なる量の硫酸アンモニウムを添加して化合
物を沈澱させた。硫酸アンモニウムは約30分掛けてゆ
っくりと、室温で0ないし86%の範囲内で飽和する最
終量となるまで添加した。各サンプルを室温で10分間
保持したのち次の操作に進んだ。溶液を11,000×
Gで遠心分離して、上澄み液中の可溶のプロテインと沈
澱中の不溶のプロテインとを分離した。沈澱したプロテ
インは5mlのDIに再懸濁し、沈澱物と上澄み液とを
別々に分子量分別基準6,000ないし8,000ダル
トンの多孔質セルローズエステル透析バッグに入れ、D
Iに対して透析した。
0分間)し、No.1ワットマン濾紙により濾過して細
胞および残屑を取り除いた。このようにして得た細胞の
ない抽出液からサンプル(20ml)5個をとり、その
おのおのに異なる量の硫酸アンモニウムを添加して化合
物を沈澱させた。硫酸アンモニウムは約30分掛けてゆ
っくりと、室温で0ないし86%の範囲内で飽和する最
終量となるまで添加した。各サンプルを室温で10分間
保持したのち次の操作に進んだ。溶液を11,000×
Gで遠心分離して、上澄み液中の可溶のプロテインと沈
澱中の不溶のプロテインとを分離した。沈澱したプロテ
インは5mlのDIに再懸濁し、沈澱物と上澄み液とを
別々に分子量分別基準6,000ないし8,000ダル
トンの多孔質セルローズエステル透析バッグに入れ、D
Iに対して透析した。
【0043】ウエラン溶液(pH7の20mMリン酸ナ
トリウム緩衝液中0.625mg/ml)分解後ちの粘
度を測定することにより酵素活性を判定した。時間を関
数として粘度をプロットしたのち、傾斜の絶対値として
比酵素活性を計算した。結果を表2に示す。
トリウム緩衝液中0.625mg/ml)分解後ちの粘
度を測定することにより酵素活性を判定した。時間を関
数として粘度をプロットしたのち、傾斜の絶対値として
比酵素活性を計算した。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】これらの試験結果を見ると、ほどんとの化
合物は約61%飽和している硫酸アンモニウムには沈澱
し、34%飽和している硫酸アンモニウムには溶解して
いたことが分かる。これらの試験結果に基き、先ず無細
胞の培養液に硫酸アンモニウムを34%飽和するまで添
加し、沈澱した物質を遠心分離により除いて捨てること
により化合物を精製した。続いて、上澄み液中で硫酸ア
ンモニウムを50%飽和させ、その際に生じた沈澱物を
遠心分離により回収した。この第2回目の沈澱物は再溶
解の上透析、化合物を精製濃縮して、例えば実施例6に
おいて使用した。34%飽和の硫酸アンモニウムからの
第1回目の沈澱物には完全な化合物は少量しか含まれて
いなかったが、硫酸アンモニウムが55%飽和していた
第2回目の沈澱物には大量の化合物が含有されていた。
合物は約61%飽和している硫酸アンモニウムには沈澱
し、34%飽和している硫酸アンモニウムには溶解して
いたことが分かる。これらの試験結果に基き、先ず無細
胞の培養液に硫酸アンモニウムを34%飽和するまで添
加し、沈澱した物質を遠心分離により除いて捨てること
により化合物を精製した。続いて、上澄み液中で硫酸ア
ンモニウムを50%飽和させ、その際に生じた沈澱物を
遠心分離により回収した。この第2回目の沈澱物は再溶
解の上透析、化合物を精製濃縮して、例えば実施例6に
おいて使用した。34%飽和の硫酸アンモニウムからの
第1回目の沈澱物には完全な化合物は少量しか含まれて
いなかったが、硫酸アンモニウムが55%飽和していた
第2回目の沈澱物には大量の化合物が含有されていた。
【0046】実施例5:本発明の化合物はエンドグリカ
ナーゼ(Endoglycanase)である 本発明の化合物を用いてウエランを分解し、特定時間毎
に分解混合物のサンプルを検査して粘度および存在して
いる還元性糖質の量を測定する実験を行った。この実験
においては、実施例4で精製濃縮した化合物を用いて溶
液中のウエランを分解した。分解混合物にはウエラン
(最終濃度0.06%w/v)、本発明の化合物の溶液
(最終容量25%)およびpH7の0.013Mリン酸
ナトリウム緩衝液が含まれていた。特定時間毎にサンプ
ル(0.5ml)を採集し、サンプルにイソプロピルア
ルコール(IPA)の最終濃度が約66%(v/v)に
なるまでIPAを増分添加して、高分子量のウエランを
沈澱させ、遠心分離によりこれを取り除いた。分解中に
遊離した沈澱しない低分子量のウエランはIPAを蒸発
させて回収した。サンプル中の還元性糖質の量は、「S
tarch andIts Derivatives,
1968, J.A. Radley, pp.432
−433」に記載されている定量法を用いて測定した。
結果は表3に示す。表でみられる通り、分解後期に至る
まで検出できるような還元性糖質の遊離を認めなかっ
た。しかしながら、分解開始後比較的に早い時期からウ
エランの粘度が低減していた。このように粘度が急速に
喪失し、同時に還元性糖質の遊離が遅いこと、さらには
エキソ型分解酵素が分解早期に還元性糖質を放出するこ
とを考え合わせると、本発明の化合物はエンドグリカナ
ーゼ(endoglycanase)であることが分か
る。
ナーゼ(Endoglycanase)である 本発明の化合物を用いてウエランを分解し、特定時間毎
に分解混合物のサンプルを検査して粘度および存在して
いる還元性糖質の量を測定する実験を行った。この実験
においては、実施例4で精製濃縮した化合物を用いて溶
液中のウエランを分解した。分解混合物にはウエラン
(最終濃度0.06%w/v)、本発明の化合物の溶液
(最終容量25%)およびpH7の0.013Mリン酸
ナトリウム緩衝液が含まれていた。特定時間毎にサンプ
ル(0.5ml)を採集し、サンプルにイソプロピルア
ルコール(IPA)の最終濃度が約66%(v/v)に
なるまでIPAを増分添加して、高分子量のウエランを
沈澱させ、遠心分離によりこれを取り除いた。分解中に
遊離した沈澱しない低分子量のウエランはIPAを蒸発
させて回収した。サンプル中の還元性糖質の量は、「S
tarch andIts Derivatives,
1968, J.A. Radley, pp.432
−433」に記載されている定量法を用いて測定した。
結果は表3に示す。表でみられる通り、分解後期に至る
まで検出できるような還元性糖質の遊離を認めなかっ
た。しかしながら、分解開始後比較的に早い時期からウ
エランの粘度が低減していた。このように粘度が急速に
喪失し、同時に還元性糖質の遊離が遅いこと、さらには
エキソ型分解酵素が分解早期に還元性糖質を放出するこ
とを考え合わせると、本発明の化合物はエンドグリカナ
ーゼ(endoglycanase)であることが分か
る。
【0047】
【表3】
【0048】実施例6:ゲルライトTMゲルに対する酵素
活性 実施例4で調製された精製化合物はゲルライトTMゲルを
速やかに分解する性能を持っていた。プラスチック皿で
凝固させたゲルライトTMゲルの表面に、精製化合物一滴
(直径約8mm,化合物0.01ml含有)を滴下した
ところ、28℃で30分以内にゲルの表面に直径約8m
m,深さ0.5mmの穴が形成された。分解はさらに2
4時間続き、ゲルの穴の深さ、大きさともに増加して、
直径約12mm,深さ3−4mmとなった。
活性 実施例4で調製された精製化合物はゲルライトTMゲルを
速やかに分解する性能を持っていた。プラスチック皿で
凝固させたゲルライトTMゲルの表面に、精製化合物一滴
(直径約8mm,化合物0.01ml含有)を滴下した
ところ、28℃で30分以内にゲルの表面に直径約8m
m,深さ0.5mmの穴が形成された。分解はさらに2
4時間続き、ゲルの穴の深さ、大きさともに増加して、
直径約12mm,深さ3−4mmとなった。
【0049】実施例7:本発明の化合物を用いる低粘度
ウエランの調製 B29菌の液体培地(実施例4で調製したもの)を同量
のDIで希釈して無細胞の未精製液を調製した。この5
%(w/v)酵素溶液中でアジ化ナトリウムを添加して
微生物の増殖を防止しながら市販の粗製ウエラン(乾燥
粉)を水和させた。この溶液は粘性が高く、常にプリン
状の半固体でビーカーから注ぐことができなかった。分
解は28℃で行い、分解終了時にはウエラン溶液1ml
当り400以下の生存可能な細胞が含有されていた。適
時、分解混合液からサンプル(2g)を採集し、DIで
10倍に希釈(最終重量20gまで)して粘度を測定し
た。その後、実施例5と同様にして、このサンプルにI
PAを加えてウエランを沈澱させた。沈澱物は遠心分離
により回収し、乾燥により恒量としたのち、分解の進行
中に沈澱できるウエランの量を測定した。表4に示すよ
うに、ウエラン溶液の粘度は数日間にわたって低下し、
低粘度ウエラン溶液を生成した。これらの結果は、未精
製化合物であっても濃縮されたウエラン溶液を分解する
性能を有し、かつ上記の条件下では少なくとも7日間の
インキュベート期間中活性を保持することができること
を示している。
ウエランの調製 B29菌の液体培地(実施例4で調製したもの)を同量
のDIで希釈して無細胞の未精製液を調製した。この5
%(w/v)酵素溶液中でアジ化ナトリウムを添加して
微生物の増殖を防止しながら市販の粗製ウエラン(乾燥
粉)を水和させた。この溶液は粘性が高く、常にプリン
状の半固体でビーカーから注ぐことができなかった。分
解は28℃で行い、分解終了時にはウエラン溶液1ml
当り400以下の生存可能な細胞が含有されていた。適
時、分解混合液からサンプル(2g)を採集し、DIで
10倍に希釈(最終重量20gまで)して粘度を測定し
た。その後、実施例5と同様にして、このサンプルにI
PAを加えてウエランを沈澱させた。沈澱物は遠心分離
により回収し、乾燥により恒量としたのち、分解の進行
中に沈澱できるウエランの量を測定した。表4に示すよ
うに、ウエラン溶液の粘度は数日間にわたって低下し、
低粘度ウエラン溶液を生成した。これらの結果は、未精
製化合物であっても濃縮されたウエラン溶液を分解する
性能を有し、かつ上記の条件下では少なくとも7日間の
インキュベート期間中活性を保持することができること
を示している。
【0050】上記のデータはさらに、本発明の化合物の
エンド型分解作用をも確認している。分解過程において
高分子量ウエランの質量がゆっくりと減少して行ったの
に対して、粘度は急速に低下した。このことは内溶によ
る分解を意味し、IPAに沈澱するポリマーのエキソ型
分解において、粘度の低下が遥かに遅く、質量減少と平
行しているのと較べ対照的である。
エンド型分解作用をも確認している。分解過程において
高分子量ウエランの質量がゆっくりと減少して行ったの
に対して、粘度は急速に低下した。このことは内溶によ
る分解を意味し、IPAに沈澱するポリマーのエキソ型
分解において、粘度の低下が遥かに遅く、質量減少と平
行しているのと較べ対照的である。
【0051】
【表4】
【0052】実施例8:共通の主鎖構造を有する各種多
糖に対する本発明の化合物の酵素活性 各種の1次構造を有する多糖類の溶液を調製した。これ
らの内には、構造的に関連がある「ゲラン系」ポリマー
(ゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,ラムザン,S−8
8およびS−198)含有するものと、構造的に関連が
ないポリマー(B−1973,K−54およびキサンタ
ン)を含有するものがあった。さらに、多糖1個(S−
7)を調製した。
糖に対する本発明の化合物の酵素活性 各種の1次構造を有する多糖類の溶液を調製した。これ
らの内には、構造的に関連がある「ゲラン系」ポリマー
(ゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,ラムザン,S−8
8およびS−198)含有するものと、構造的に関連が
ないポリマー(B−1973,K−54およびキサンタ
ン)を含有するものがあった。さらに、多糖1個(S−
7)を調製した。
【0053】適当な産生菌を増殖させて、粗製多糖類
(ゲラン,ラムザン,S−88,S−7,S−198,
S−1973,K−54)を調製した。細菌はすべて、
液体培地(約50mlをバッフルつき約250ml容量
のフラスコに置いて)、室温により振とう(約200r
pm)させながら、ポリマーの蓄積速度次第で3日ない
し7日間増殖した。培養物は3容積のIPAに沈澱さ
せ、沈澱物は(マニュアル操作によるスプーリング、あ
るいは遠心分離によって)回収、余剰のIPAは沈澱物
からプレスによって搾りだし、ポリマーはDIに溶解し
た。
(ゲラン,ラムザン,S−88,S−7,S−198,
S−1973,K−54)を調製した。細菌はすべて、
液体培地(約50mlをバッフルつき約250ml容量
のフラスコに置いて)、室温により振とう(約200r
pm)させながら、ポリマーの蓄積速度次第で3日ない
し7日間増殖した。培養物は3容積のIPAに沈澱さ
せ、沈澱物は(マニュアル操作によるスプーリング、あ
るいは遠心分離によって)回収、余剰のIPAは沈澱物
からプレスによって搾りだし、ポリマーはDIに溶解し
た。
【0054】ゲルライトTMのサンプルはシュワイツアー
ホール(Schweizerhall)社から、ウエラ
ンおよびキサンタンはケルコ(Kelco)社から入手
した。多糖溶液の初期粘度は、#18スピンドルつきB
型(ブルックフィールド型)LVTDV−II粘度計を
用いて、室温、6rpmで測定した。充分なポリマーを
試験溶液に加えて、初期粘度が70cp(K−54の場
合)ないし14cp(S−198の場合)の範囲内にな
るようにした。実施例4の記載と同様にして精製化合物
を調製し、その0.2mlを多糖おのおの8mlと配合
した。
ホール(Schweizerhall)社から、ウエラ
ンおよびキサンタンはケルコ(Kelco)社から入手
した。多糖溶液の初期粘度は、#18スピンドルつきB
型(ブルックフィールド型)LVTDV−II粘度計を
用いて、室温、6rpmで測定した。充分なポリマーを
試験溶液に加えて、初期粘度が70cp(K−54の場
合)ないし14cp(S−198の場合)の範囲内にな
るようにした。実施例4の記載と同様にして精製化合物
を調製し、その0.2mlを多糖おのおの8mlと配合
した。
【0055】
ポリマー ATCC番号 増殖培地
ゲラン 31461 YMP培地+3%スクロース
ラムザン 31961 YMP培地+3%スクロース
S−88 31554 YMP培地+3%スクロース
S−7 21423 YMP培地+2%スクロース
S−198 31853 YMP培地+3%スクロース
B−1973 19584 CM培地
K−54 12658 CM培地
YMP 培地
リットル当り
バクト(Bacto)酵母エキス 3g
麦芽エキス 3g
バクトペプトン 5g
バクト寒天 20g
[デイフコ・マニュアル(Difco Manual)の通り]
CM 培地
トリプトン 1 %
酵母エキス 0.2%
カサミノ酸 0.2%
(casamino acids)
グルコース 0.5%
P2塩
【0056】第1組、第2組のサンプルを22−24℃
で4日間および24時間分解し、その後上記の操作によ
りサンプルおのおのの粘度を測定した。二組の分解結果
を表5に示す。
で4日間および24時間分解し、その後上記の操作によ
りサンプルおのおのの粘度を測定した。二組の分解結果
を表5に示す。
【0057】簡略に述べると、酵素は関連性を持つゲラ
ン系ポリマーのうち、ゲルライトTM,ウエラン,S−1
98およびS−88を分解したが、B−1973,K−
54またはキサンタンを分解しなかった。
ン系ポリマーのうち、ゲルライトTM,ウエラン,S−1
98およびS−88を分解したが、B−1973,K−
54またはキサンタンを分解しなかった。
【0058】実施例6で証明されたように、本発明の化
合物はゲルライトTMゲルを液化するなどゲルライトTMタ
イプのゲランを分解した。ところが、産生菌が分泌した
天然タイプのゲランは分解しない。ゲルライトTMは、ゲ
ランを化学処理してサブユニットおのおののグルコース
1と連結しているグリセライトを除くことによって調製
される(Kuo,M.−S.,およびA.J. Mor
t, 1986,Carbo−hydrate Res
earch 156, 173−187)。本発明の化
合物は、グルコース1残基が置換されないゲランサブユ
ニット構造を持つ多糖類をエンド型分解により開裂す
る。このようにして、この化合物は天然のゲランは分解
しないが、化学処理をされたゲルライトTMは分解する。
同様に、ラムザンもグルコース1の残基が2個のグルコ
ース残基からなる側鎖によって置換されているため、本
発明の化合物に耐性を示す。
合物はゲルライトTMゲルを液化するなどゲルライトTMタ
イプのゲランを分解した。ところが、産生菌が分泌した
天然タイプのゲランは分解しない。ゲルライトTMは、ゲ
ランを化学処理してサブユニットおのおののグルコース
1と連結しているグリセライトを除くことによって調製
される(Kuo,M.−S.,およびA.J. Mor
t, 1986,Carbo−hydrate Res
earch 156, 173−187)。本発明の化
合物は、グルコース1残基が置換されないゲランサブユ
ニット構造を持つ多糖類をエンド型分解により開裂す
る。このようにして、この化合物は天然のゲランは分解
しないが、化学処理をされたゲルライトTMは分解する。
同様に、ラムザンもグルコース1の残基が2個のグルコ
ース残基からなる側鎖によって置換されているため、本
発明の化合物に耐性を示す。
【0059】
【表5】
【0060】多糖S−198の分解速度が中間型である
のが観察された。S−198の構造(Chowdhur
y, T.A., B. Lindberg, U.
Lindquist,および J. Baird, 1
987, Carbohydrate Researc
h 161, 127−132)は、平均的にはサブユ
ニット構造のグルコース1残基がラムノースによって半
分置換されていると報告されていた。したがって、S−
198は2番目の主鎖サブユニット毎に側鎖が置換され
ている単一体の多糖構造であり得るし、また枝分かれし
ていないゲライト状の多糖と上記報告のS−198のよ
うな構造を持つ完全に置換されたポリマーの、二つの異
なる構造の混合体でもあり得る。
のが観察された。S−198の構造(Chowdhur
y, T.A., B. Lindberg, U.
Lindquist,および J. Baird, 1
987, Carbohydrate Researc
h 161, 127−132)は、平均的にはサブユ
ニット構造のグルコース1残基がラムノースによって半
分置換されていると報告されていた。したがって、S−
198は2番目の主鎖サブユニット毎に側鎖が置換され
ている単一体の多糖構造であり得るし、また枝分かれし
ていないゲライト状の多糖と上記報告のS−198のよ
うな構造を持つ完全に置換されたポリマーの、二つの異
なる構造の混合体でもあり得る。
【0061】しかしながら、本発明の化合物を使用した
ところ、後者の可能性がないことが分かった。S−19
8は充分な時間内に本発明の化合物によって分解され、
実質的にS−198溶液は粘性すべてを喪失し、ポリマ
ー鎖すべてが本発明の化合物による分解を受け易いこと
を示していた。S−198の分解速度が遅いのは、サブ
ユニット構造のグルコース1残基が部分的に置換されて
いる単一型ポリマーであるためと考えられる。これらの
結果から、本発明の化合物を使って二つの多糖構造、つ
まり二つのポリマー構造の混合体であるのか、あるいは
部分的に置換された単一型ポリマーであるのかを判定す
ることができる。
ところ、後者の可能性がないことが分かった。S−19
8は充分な時間内に本発明の化合物によって分解され、
実質的にS−198溶液は粘性すべてを喪失し、ポリマ
ー鎖すべてが本発明の化合物による分解を受け易いこと
を示していた。S−198の分解速度が遅いのは、サブ
ユニット構造のグルコース1残基が部分的に置換されて
いる単一型ポリマーであるためと考えられる。これらの
結果から、本発明の化合物を使って二つの多糖構造、つ
まり二つのポリマー構造の混合体であるのか、あるいは
部分的に置換された単一型ポリマーであるのかを判定す
ることができる。
【0062】米国特許第3,960,832号の報告に
よると、S−7の組成はグルコース(73%),ラムノ
ース(16%)およびグルクロン酸(11%)である。
この糖質組成は、別に報告されている(米国特許第4,
401,760号)ラムザンの組成がグルコース(73
−77%),ラムノース(20−21%)およびグルク
ロン酸(9%)であるのに類似している。多糖S−7は
本発明の化合物によって分解され、したがってゲラン系
であることが分かった。この系には、側鎖の位置が違っ
ているだけの多糖が対を作っているものがある。例え
ば、S−88はサブユニット構造のグルコース2に単糖
ラムノース側鎖があり、一方S−198では単糖ラムノ
ースがグルコース1に連結している。同様に、S−7と
S−194も構造的に関連している対をなすものと考え
られる。S−194ではサブユニット構造のグルコース
1に二つのグルコース残基からなる側鎖が連結してお
り、S−7ではその同じ側鎖がグルコース2に連結して
いると考えられるからである。これらの結果は、本発明
の化合物の酵素活性がゲラン系内の多糖類サブセットに
特異的であることを示している。
よると、S−7の組成はグルコース(73%),ラムノ
ース(16%)およびグルクロン酸(11%)である。
この糖質組成は、別に報告されている(米国特許第4,
401,760号)ラムザンの組成がグルコース(73
−77%),ラムノース(20−21%)およびグルク
ロン酸(9%)であるのに類似している。多糖S−7は
本発明の化合物によって分解され、したがってゲラン系
であることが分かった。この系には、側鎖の位置が違っ
ているだけの多糖が対を作っているものがある。例え
ば、S−88はサブユニット構造のグルコース2に単糖
ラムノース側鎖があり、一方S−198では単糖ラムノ
ースがグルコース1に連結している。同様に、S−7と
S−194も構造的に関連している対をなすものと考え
られる。S−194ではサブユニット構造のグルコース
1に二つのグルコース残基からなる側鎖が連結してお
り、S−7ではその同じ側鎖がグルコース2に連結して
いると考えられるからである。これらの結果は、本発明
の化合物の酵素活性がゲラン系内の多糖類サブセットに
特異的であることを示している。
【0063】実施例9:第1回サンプル採集から約6ヶ
月を経過したのち、実施例1で記述した場所から土壌サ
ンプルを採集した。土壌サンプル(約25g)3個を、
濃縮を目的としてウエランを含有するもの、キサンタン
を含有するもの、あるいは多糖類を含有していないも
の、おのおの0.25%水溶液5mlと共にインキュベ
ートした。インキュベートは室温で5日間継続した。各
サンプルから約10ml容量のアリコートをとり、DI
20mlを加え、その懸濁液を28℃で振とうしなが
ら2時間インキュベートした。これらのサンプルから遠
心分離により土壌成分を取り除き、上澄み液をワットマ
ン濾紙で濾過した。さらに、この透明となった上澄み液
を希釈し、細菌の概算総数の予測を目的として栄養の高
い培地(YM培地)により、またゲルライトTM上で増殖
ができる細菌数の予測を目的としてゲルライトTM平板に
より平板培養した。さらに、ゲルライトTM平板上で「窪
みを形成する」コロニー数を把握すれば、ゲルライトTM
を内溶により分解することができる細菌の数が分かる。
試験結果を表6に示す。
月を経過したのち、実施例1で記述した場所から土壌サ
ンプルを採集した。土壌サンプル(約25g)3個を、
濃縮を目的としてウエランを含有するもの、キサンタン
を含有するもの、あるいは多糖類を含有していないも
の、おのおの0.25%水溶液5mlと共にインキュベ
ートした。インキュベートは室温で5日間継続した。各
サンプルから約10ml容量のアリコートをとり、DI
20mlを加え、その懸濁液を28℃で振とうしなが
ら2時間インキュベートした。これらのサンプルから遠
心分離により土壌成分を取り除き、上澄み液をワットマ
ン濾紙で濾過した。さらに、この透明となった上澄み液
を希釈し、細菌の概算総数の予測を目的として栄養の高
い培地(YM培地)により、またゲルライトTM上で増殖
ができる細菌数の予測を目的としてゲルライトTM平板に
より平板培養した。さらに、ゲルライトTM平板上で「窪
みを形成する」コロニー数を把握すれば、ゲルライトTM
を内溶により分解することができる細菌の数が分かる。
試験結果を表6に示す。
【0064】土壌サンプルをウエランで濃縮するとゲル
ライトTM上に無数のコロニーが形成される。土壌から回
収できる細菌総数の約7%がウエラン濃縮サンプルによ
るゲルライトTM分解細菌であるが、関連性がない多糖で
あるキサンタンガムで濃縮した土壌サンプルの場合で
は、細菌総数の僅か約2万分の1(0.005%)しか
この活性を示さなかった。また、ゲルライトTM平板上で
増殖したほどんとの細菌コロニーがゲル表面に窪みを形
成したが、表面で増殖したコロニー総数の約30%が窪
みを作らなかった。おそらく、これらのコロニーは外溶
による分解によりゲルライトTMから糖質を取り入れるこ
とはできるが、エンド型分解作用が限られているか、あ
るいは全くこれを持たない細菌であるからであろう。
ライトTM上に無数のコロニーが形成される。土壌から回
収できる細菌総数の約7%がウエラン濃縮サンプルによ
るゲルライトTM分解細菌であるが、関連性がない多糖で
あるキサンタンガムで濃縮した土壌サンプルの場合で
は、細菌総数の僅か約2万分の1(0.005%)しか
この活性を示さなかった。また、ゲルライトTM平板上で
増殖したほどんとの細菌コロニーがゲル表面に窪みを形
成したが、表面で増殖したコロニー総数の約30%が窪
みを作らなかった。おそらく、これらのコロニーは外溶
による分解によりゲルライトTMから糖質を取り入れるこ
とはできるが、エンド型分解作用が限られているか、あ
るいは全くこれを持たない細菌であるからであろう。
【0065】
【表6】
【0066】実施例10:本発明の細胞外ウェラン分解
化合物の産生と精製を目的とする追加実験を行った。こ
の実験では、P2塩とウェラン0.25%を入れた三角
フラスコにより30℃、120時間振とうしながらB2
9菌を増殖した。培養液(1875ml)は遠心分離
(10,000×G、15分間)して細胞を除いた後、
アジ化ナトリウムを濃度が0.01%となるように添加
した。
化合物の産生と精製を目的とする追加実験を行った。こ
の実験では、P2塩とウェラン0.25%を入れた三角
フラスコにより30℃、120時間振とうしながらB2
9菌を増殖した。培養液(1875ml)は遠心分離
(10,000×G、15分間)して細胞を除いた後、
アジ化ナトリウムを濃度が0.01%となるように添加
した。
【0067】34%飽和するまで固形硫酸アンモニウム
を加え、混合物を4℃で30分放置した。10,000
×Gで15分間遠心分離を行って沈澱物を取り除いた。
上澄み液に固形硫酸アンモニウムを添加して64%飽和
させた。
を加え、混合物を4℃で30分放置した。10,000
×Gで15分間遠心分離を行って沈澱物を取り除いた。
上澄み液に固形硫酸アンモニウムを添加して64%飽和
させた。
【0068】さらに、上澄み液を4℃で30分間インキ
ュベートした後、10,000×Gで15分間遠心分離
を行って化合物を沈澱させた。この様にして得た、活性
を持つペレットを脱イオン水中に再懸濁し、4℃で一晩
水で透析した。不溶物は10,000×Gで15分間遠
心分離を行って取り除いた。その後、可溶分画にNaC
lを加えて25mMとし、予めシグマ社のDEAEセフ
ァロースCLー6Bを含有させた陰イオン交換クロマト
グラフィーカラムにこれを入れてさらに精製した。カラ
ム温度は室温であった。
ュベートした後、10,000×Gで15分間遠心分離
を行って化合物を沈澱させた。この様にして得た、活性
を持つペレットを脱イオン水中に再懸濁し、4℃で一晩
水で透析した。不溶物は10,000×Gで15分間遠
心分離を行って取り除いた。その後、可溶分画にNaC
lを加えて25mMとし、予めシグマ社のDEAEセフ
ァロースCLー6Bを含有させた陰イオン交換クロマト
グラフィーカラムにこれを入れてさらに精製した。カラ
ム温度は室温であった。
【0069】上記プロテインは、先ず20mMトリス塩
酸−50mMNaCl(pH7.6)で洗うことにより
溶離させた後、NaCl緩衝液により500mMまで勾
配溶離させた(with a gradient of buffered NaCl to 5
00mMl)。
酸−50mMNaCl(pH7.6)で洗うことにより
溶離させた後、NaCl緩衝液により500mMまで勾
配溶離させた(with a gradient of buffered NaCl to 5
00mMl)。
【0070】別にサンプル一個をとり、20mMトリス
塩酸−1MNaCl(pH7.6)液中にオクチルーセ
ファロース(シグマ社)を溶解させたものを含有するカ
ラムにこのサンプルを入れて、疎水相互作用クロマトグ
ラフィーを実施した後、NaCl緩衝液によりプロテイ
ンを0Mまで勾配溶離させた。
塩酸−1MNaCl(pH7.6)液中にオクチルーセ
ファロース(シグマ社)を溶解させたものを含有するカ
ラムにこのサンプルを入れて、疎水相互作用クロマトグ
ラフィーを実施した後、NaCl緩衝液によりプロテイ
ンを0Mまで勾配溶離させた。
【0071】さらにもう一個のサンプルを濃縮し、セフ
ァクリル(Sephacryl)400ーHR(シグマ
社)を20mMトリス塩酸−150mMNaCl(pH
7.6)液中に溶解したものを含有するカラムにこの濃
縮サンプルを入れて、ゲル濾過クロマトグラフィーを行
った。そして、プロテインをこの液体により溶離させ
た。各分画のサンプルをゲルライトTMプレート上にスポ
ットすることによって酵素の溶出を検出し、活性分画を
プールした。また、50mMモプス(MOPS)緩衝液
(pH7.5)を間断なく再循環させ、この中に非変性
の1.4%アガロースゲルを浸して電気泳動を行うこと
により、上記とは別のプロテインからも酵素化合物を分
離した。本発明の酵素が陽極に向かって動く速度はウシ
血清アルブミンとほどんと同等であった。これとは対照
的に、卵白リゾチームは陰極に向かって移動した。ゲル
の片は切断の上、50mMモプス緩衝液(pH7.5)
中に拡散させることによりプロテインを溶離した。
ァクリル(Sephacryl)400ーHR(シグマ
社)を20mMトリス塩酸−150mMNaCl(pH
7.6)液中に溶解したものを含有するカラムにこの濃
縮サンプルを入れて、ゲル濾過クロマトグラフィーを行
った。そして、プロテインをこの液体により溶離させ
た。各分画のサンプルをゲルライトTMプレート上にスポ
ットすることによって酵素の溶出を検出し、活性分画を
プールした。また、50mMモプス(MOPS)緩衝液
(pH7.5)を間断なく再循環させ、この中に非変性
の1.4%アガロースゲルを浸して電気泳動を行うこと
により、上記とは別のプロテインからも酵素化合物を分
離した。本発明の酵素が陽極に向かって動く速度はウシ
血清アルブミンとほどんと同等であった。これとは対照
的に、卵白リゾチームは陰極に向かって移動した。ゲル
の片は切断の上、50mMモプス緩衝液(pH7.5)
中に拡散させることによりプロテインを溶離した。
【0072】ウェランを培地に加えて本発明の酵素の合
成を刺激すると、多糖産生菌からの細菌プロテインと細
胞残屑も増加する。その結果、培地に分泌された酵素が
汚染プロテインと混合した。しかしながら、精製前、精
製後の酵素の性質を調べると、同一であることが分かっ
た。表7に精製の結果を示す。第一段階で、高濃度の硫
酸アンモニウムによって沈澱させることにより培養液か
ら酵素を約100倍に濃縮する。これにより、プロテイ
ンの約半分を除去し、酵素活性の約半分を回収すること
が出来る。
成を刺激すると、多糖産生菌からの細菌プロテインと細
胞残屑も増加する。その結果、培地に分泌された酵素が
汚染プロテインと混合した。しかしながら、精製前、精
製後の酵素の性質を調べると、同一であることが分かっ
た。表7に精製の結果を示す。第一段階で、高濃度の硫
酸アンモニウムによって沈澱させることにより培養液か
ら酵素を約100倍に濃縮する。これにより、プロテイ
ンの約半分を除去し、酵素活性の約半分を回収すること
が出来る。
【0073】
【表7】
【0074】われわれは、酵素活性が中性pH領域では
酸性プロテインとして動作することを発見した。変生し
ないアガロースゲルによる電気泳動において、等電点
4.8のウシ血清アルブミンと同様な動き方をするから
である。
酸性プロテインとして動作することを発見した。変生し
ないアガロースゲルによる電気泳動において、等電点
4.8のウシ血清アルブミンと同様な動き方をするから
である。
【0075】この特性を利用する精製第二段階として、
DEAE−セファロースによるイオン交換クロマトグラ
フィーにより、NaClの量を増して行きながら溶離を
行った。280nmで吸収するものの約半分はマトリッ
クスに結合することがなく、1/4は500mM以上の
NaCl緩衝液で溶離した。溶離液の1/4には、投入
した多糖類、おそらくは培地からのウェラン残屑が含ま
れていた。酵素活性は、200ないし300mMのNa
Cl緩衝液でシングルピークとして溶離した。活性を持
つ分画のプールには、投入されたプロテインの約1/
4、酵素活性の約3/4が含まれていた。変性SDSー
ポリアクリルアミドゲル電気泳動によりプロテインを分
離し、クーマシーブリリアントブルーR250で染色し
たところ、約110,000±10,000ダルトン
(Dalton)の顕著なポリペプチドバンド1本と、
他に弱いバンド約6個が認められた。
DEAE−セファロースによるイオン交換クロマトグラ
フィーにより、NaClの量を増して行きながら溶離を
行った。280nmで吸収するものの約半分はマトリッ
クスに結合することがなく、1/4は500mM以上の
NaCl緩衝液で溶離した。溶離液の1/4には、投入
した多糖類、おそらくは培地からのウェラン残屑が含ま
れていた。酵素活性は、200ないし300mMのNa
Cl緩衝液でシングルピークとして溶離した。活性を持
つ分画のプールには、投入されたプロテインの約1/
4、酵素活性の約3/4が含まれていた。変性SDSー
ポリアクリルアミドゲル電気泳動によりプロテインを分
離し、クーマシーブリリアントブルーR250で染色し
たところ、約110,000±10,000ダルトン
(Dalton)の顕著なポリペプチドバンド1本と、
他に弱いバンド約6個が認められた。
【0076】弱いポリペプチド種のうち若干のものは、
セファクリル(Sephacryl)400HRによる
ゲル濾過または疎水相互作用クロマトグラフィーにより
除去することが出来た。DEAEプールのサンプルをp
H7.5のアガロースにより電気泳動し、プロテインを
薄く切って50mMモプス(pH7.5)で溶離させ
た。その後、本発明の酵素活性の、特にオクチルーセフ
ァロースからの回収が低調となったが、活性分画をゲル
ライトゲル中で検出の上測定し、SDSポリアクリルア
ミドゲルにより分析した。活性を持つポリペプチドは1
10,000ダルトン種に一致していた。
セファクリル(Sephacryl)400HRによる
ゲル濾過または疎水相互作用クロマトグラフィーにより
除去することが出来た。DEAEプールのサンプルをp
H7.5のアガロースにより電気泳動し、プロテインを
薄く切って50mMモプス(pH7.5)で溶離させ
た。その後、本発明の酵素活性の、特にオクチルーセフ
ァロースからの回収が低調となったが、活性分画をゲル
ライトゲル中で検出の上測定し、SDSポリアクリルア
ミドゲルにより分析した。活性を持つポリペプチドは1
10,000ダルトン種に一致していた。
【0077】DEAEプールの一部およびアガロースゲ
ルについて、さらに電気泳動を行ったところ、約11
0,000±10,000ダルトンのポリペプチド一種
のみが本発明の酵素活性を持つことが認められた。
ルについて、さらに電気泳動を行ったところ、約11
0,000±10,000ダルトンのポリペプチド一種
のみが本発明の酵素活性を持つことが認められた。
【0078】さらに、各種の緩衝液を用いて一連の試験
を行い、本発明の酵素の至適pH範囲又は本発明の酵素
活性を測定した。さらに、本発明の酵素の、不活性化温
度と至適反応温度も測定した。試験結果によると、本発
明の酵素の最も有用なpH範囲は約4.5ないし9、好
ましくは6.5ないし8、最も好ましくは7.2ないし
7.8である。本発明の酵素は、温度が10ないし60
℃の時活性が最も高いので、この温度範囲で使用するこ
とが最も望ましい。好ましくは、温度範囲30ないし5
0℃で使用する。30℃以下では活性が落ち、50℃以
上では酵素は熱のため活性を失ってしまうからである。
を行い、本発明の酵素の至適pH範囲又は本発明の酵素
活性を測定した。さらに、本発明の酵素の、不活性化温
度と至適反応温度も測定した。試験結果によると、本発
明の酵素の最も有用なpH範囲は約4.5ないし9、好
ましくは6.5ないし8、最も好ましくは7.2ないし
7.8である。本発明の酵素は、温度が10ないし60
℃の時活性が最も高いので、この温度範囲で使用するこ
とが最も望ましい。好ましくは、温度範囲30ないし5
0℃で使用する。30℃以下では活性が落ち、50℃以
上では酵素は熱のため活性を失ってしまうからである。
【0079】本発明の酵素によるウェラン加水分解の至
適pHを各種緩衝液を用いて測定する実験を行った。実
験結果を表8に示す。この実験においてはウェランとし
て0.1%溶液を、また本発明の酵素としてはDEAE
プール分画を使用した。使用緩衝液は酢酸、クエン酸、
リン酸、モプスおよびトリスであった。緩衝液の最終濃
度は50mMであった。温度ジャケット付き#18スピ
ンドルとB型LVTDV−II粘度計による粘度を基準
として活性を測定した。
適pHを各種緩衝液を用いて測定する実験を行った。実
験結果を表8に示す。この実験においてはウェランとし
て0.1%溶液を、また本発明の酵素としてはDEAE
プール分画を使用した。使用緩衝液は酢酸、クエン酸、
リン酸、モプスおよびトリスであった。緩衝液の最終濃
度は50mMであった。温度ジャケット付き#18スピ
ンドルとB型LVTDV−II粘度計による粘度を基準
として活性を測定した。
【0080】
【表8】
【0081】本発明の酵素を所定温度で処理した後初期
反応速度と結果を測定した。結果は表9に示す。
反応速度と結果を測定した。結果は表9に示す。
【0082】
【表9】
【0083】さらに、本発明の酵素の至適反応温度を測
定した。結果は表10に示す。これら最後の二表の実験
では、緩衝液として50mMモプス(pH7.5)を、
また基質としては0.1%ウェランを使用した。
定した。結果は表10に示す。これら最後の二表の実験
では、緩衝液として50mMモプス(pH7.5)を、
また基質としては0.1%ウェランを使用した。
【0084】
【表10】
【0085】さらに、本発明の酵素が各種多糖を分解す
る機能を測定する試験を行った。先ず、ゲラン関連多糖
類の溶液を作り、初期粘度を測定した。その後、本発明
の酵素(DEAE分画)0.05ないし0.2mlと多
糖溶液8mlを混合した。使用した多糖類は、ゲラン、
脱アセチル化ゲラン、ウェラン、ラムザン、脱アセチル
化ラムザン、S−88,S−198,脱アセチル化S−
198,NW−11およびS−7であった。また、B−
1973,K−54およびキサンタン(ケルトロール;
Keltrol)など、関連性がない構造を持つ多糖類
についても試験を行った。温度平衡後初期粘度を測定し
て、本発明の酵素と多糖溶液とを混合した。粘度の変化
は40℃で時間を関数にしてモニターを行った。結果を
表11に示す。
る機能を測定する試験を行った。先ず、ゲラン関連多糖
類の溶液を作り、初期粘度を測定した。その後、本発明
の酵素(DEAE分画)0.05ないし0.2mlと多
糖溶液8mlを混合した。使用した多糖類は、ゲラン、
脱アセチル化ゲラン、ウェラン、ラムザン、脱アセチル
化ラムザン、S−88,S−198,脱アセチル化S−
198,NW−11およびS−7であった。また、B−
1973,K−54およびキサンタン(ケルトロール;
Keltrol)など、関連性がない構造を持つ多糖類
についても試験を行った。温度平衡後初期粘度を測定し
て、本発明の酵素と多糖溶液とを混合した。粘度の変化
は40℃で時間を関数にしてモニターを行った。結果を
表11に示す。
【0086】
【表11】
【0087】表で見る通り、本発明の酵素はウェラン、
ゲラン、S−198、S−7およびS−88に対して活
性を持っているが、ラムザン、NW−11、B−197
3、K−54およびキサンタンには本質的に効果がな
い。また、本発明の酵素は化学的に脱アセチル化させた
ゲラン、ラムザンおよびS−198に対して、天然の多
糖類と本質的に同程度の活性を持っている(資料省
略)。
ゲラン、S−198、S−7およびS−88に対して活
性を持っているが、ラムザン、NW−11、B−197
3、K−54およびキサンタンには本質的に効果がな
い。また、本発明の酵素は化学的に脱アセチル化させた
ゲラン、ラムザンおよびS−198に対して、天然の多
糖類と本質的に同程度の活性を持っている(資料省
略)。
【0088】
【発明の効果】本発明の新規化合物による多糖類の分解
工程においては、従来の技術では必要であった環境汚染
薬品や危険薬品の添加が必要でなく、またこれらこれら
薬品の残基が分解産物に残ることがない。したがって、
この工程は、例えば発酵温度と同じ、比較的低温で実施
することができる。また、本発明の新規化合物により、
多糖類を油田の水圧破砕等に使用することができ、また
分解産物は油田用セメント添加剤等として有用である。
工程においては、従来の技術では必要であった環境汚染
薬品や危険薬品の添加が必要でなく、またこれらこれら
薬品の残基が分解産物に残ることがない。したがって、
この工程は、例えば発酵温度と同じ、比較的低温で実施
することができる。また、本発明の新規化合物により、
多糖類を油田の水圧破砕等に使用することができ、また
分解産物は油田用セメント添加剤等として有用である。
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フロントページの続き
(72)発明者 リンダ・ピー・ソーン
アメリカ合衆国、92121 カリフォルニ
ア、サン・ディエゴ、ラスク・ブールバ
ード 6650、スイート ビー‐102 シ
ンエツ バイオ インコーポレイティッ
ド内
(72)発明者 リチャード・ダブリュー・アーメントロ
ート
アメリカ合衆国、92121 カリフォルニ
ア、サン・ディエゴ、ラスク・ブールバ
ード 6650、スイート ビー‐102 シ
ンエツ バイオ インコーポレイティッ
ド内
(72)発明者 トーマス・ジェイ・ポロック
アメリカ合衆国、92121 カリフォルニ
ア、サン・ディエゴ、ラスク・ブールバ
ード 6650、スイート ビー‐102 シ
ンエツ バイオ インコーポレイティッ
ド内
(72)発明者 マーシャ・ジェイ・ミコライチャック
アメリカ合衆国、92121 カリフォルニ
ア、サン・ディエゴ、ラスク・ブールバ
ード 6650、スイート ビー‐102 シ
ンエツ バイオ インコーポレイティッ
ド内
(56)参考文献 特開 平3−49662(JP,A)
米国特許4963668(US,A)
米国特許5004506(US,A)
MIKOLAJCZAK M.J.,
Applied and Enviro
nmental Microbiolo
gy,1994,Vol.60,No.2,
p.402−407
CASIDA L.E.Jr.,Ca
nadian Journal of
Microbiology,1989,Vo
l.35,No.5,p.559−564
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C12N 9/24
C12P 19/14
CA(STN)
JICSTファイル(JOIS)
PubMed
BIOSIS/WPI(DIALOG)
Claims (21)
- 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;さら
に主鎖のX残基の近くにはポリマーの還元末端がある)
で表されるサブユニット主鎖構造を持つ多糖類であっ
て、ゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,S−198,S
−7,S−88,脱アセチル化したゲラン,および脱ア
セチル化したS−198よりなる群から選ばれる多糖に
対して、至適pH4.5〜9でエンド型分解酵素活性を
有し、分子量110,000±10,000ダルトンで
あり、ATCC寄託番号55294のバチルス属B29株の
細菌に由来する化合物。 - 【請求項2】 一般式(II): 【化2】 (式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;zは
α- L- Rha-(1→6)-α- L- Rha,α- L- M
an,α- L-Rha,またはGlcであり;Wはβ-
D- Glc-(1→6)-α- D- Glcまたはα- L- R
haであり;下つき添字vおよびyは0,0.5または
1であり、さらに主鎖のX残基の近くにはポリマーの還
元末端がある)で表される繰り返しサブユニット構造を
持つ多糖類であって、ゲラン,ゲルライトTM,ウエラ
ン,S−198,S−7,S−88,脱アセチル化した
ゲラン,および脱アセチル化したS−198よりなる群
から選ばれる多糖に対して、至適pH4.5〜9でエン
ド型分解酵素活性を有し、分子量110,000±1
0,000ダルトンであり、ATCC寄託番号55294の
バチルス属B29株の細菌に由来する化合物。 - 【請求項3】 請求項1に記載の化合物の製造方法にお
いて、イ)天然に存在する細菌を採集して、これを一般
式: 【化3】 (式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;さら
に、主炭素源として主鎖のX残基の近くにポリマーの還
元末端がある)で表されるサブユニット主鎖構造を持つ
多糖を含む培地よって増殖条件に暴露する工程;ロ)工
程イ)の条件によってに増殖した細胞コロニーを選別す
る工程;ハ)選別したコロニーを主炭素源として一般式
(I)で表される構造を持つ多糖を含むゲル培地により
平板増殖条件に暴露する工程;ニ)工程ハ)からゲルに
窪みを形成する細菌を選別する工程;ホ)工程ニ)によ
って選別された細菌を充分量の多糖を含む増殖培地によ
る培養条件に暴露し、この細菌によって請求項1に記載
の化合物を生産する工程;からなる方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、工程
ハ)において用いる多糖が脱アシル化されたゲランであ
る方法。 - 【請求項5】 請求項3に記載の方法において、さらに
工程ホ)から無菌の化合物含有培養液を採取することよ
りなる方法。 - 【請求項6】 請求項3に記載の方法において、上記無
菌の培養液を硫酸アンモニウムで処理することにより、
化合物を濃縮精製する方法。 - 【請求項7】 請求項3に記載の方法において、多糖が
ゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,S−198,S−
7,S−88,脱アセチル化したゲラン,および脱アセ
チル化したS−198よりなる群から選ばれるものであ
る方法。 - 【請求項8】 上澄み培養液に、本発明にかかる酵素を
沈澱させるに十分な量の硫酸アンモニウムを加え、該酵
素を精製するために得られる沈澱を陰イオン−イオン交
換にかける請求項3の方法。 - 【請求項9】 一般式: 【化4】 (式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;さら
に主鎖のX残基の近くにはポリマーの還元末端がある)
で表されるサブユニット主鎖構造を持つ多糖であって、
ゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,S−198,S−
7,S−88,脱アセチル化したゲラン,および脱アセ
チル化したS−198よりなる群から選ばれる多糖を至
適pH4.5〜9で分解し、分子量110,000±1
0,000ダルトンの酵素を産生する、ATCC寄託番号5
5294のバチルス属B29株の細菌の生物学的に純粋
な培養物。 - 【請求項10】 請求項9に記載の培養物において、ゲ
ラン,ゲルライトTM,ウエラン,S−198,S−7,
S−88,脱アセチル化したゲラン,および脱アセチル
化したS−198よりなる群から選ばれる多糖を炭素源
として使用することができる培養物。 - 【請求項11】 一般式(I): 【化5】 (式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;さら
に主鎖のX残基の近くにはポリマーの還元末端がある)
で表されるサブユニット主鎖構造を持つ多糖であって、
ゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,S−198,S−
7,S−88,脱アセチル化したゲラン,および脱アセ
チル化したS−198よりなる群から選ばれる多糖を炭
素源として利用することができる細菌の生物学的に純粋
な培養物であって、かつイ)天然に存在する細菌を採集
して、これを一般式: 【化6】 (式中、主炭素源として主鎖のRha残基の近くにポリ
マーの還元末端がある)で表されるサブユニット主鎖構
造を持つ多糖を含む培地による増殖条件に暴露する工
程;ロ)工程イ)の条件により増殖した細胞コロニーを
選別する工程;ハ)工程ロ)で選別したコロニーを一般
式(I)で表される構造を持つ多糖を主炭素源とするゲ
ル培地による平板増殖条件に暴露する工程;ニ)工程
ハ)からゲルに窪みを形成するATCC寄託番号55294
のバチルス属B29株の細菌を選別する工程;によって
得られる上記の培養物。 - 【請求項12】 請求項11に記載の培養物において、
工程ハ)において用いる多糖が脱アセチル化されたゲラ
ンである培養物。 - 【請求項13】 工程ハ)のゲル培地が構造式(I)を
持つ多糖類から成る請求項11の培養物。 - 【請求項14】 工程ハ)のゲル培地が脱アセチル化し
たゲランから成る請求項11の培養物。 - 【請求項15】 請求項11に記載の培養物において、
多糖がゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,S−198,
S−7,S−88,脱アセチル化したゲラン,および脱
アセチル化したS−198よりなる群から選ばれるもの
である培養物。 - 【請求項16】 ATCC寄託番号55294のバチル
ス属B29株の細菌。 - 【請求項17】一般式: 【化8】 (式中、Glcはグルコース、GlcAはグルクロン酸
であり、XはRhaまたはManの何れでもよく、但し
Rhaはラムノース、Manはマンノースであり;さら
に、主鎖のX残基の近くにポリマーの還元末端がある)
で表されるサブユニット主鎖構造を持つ多糖を処理し
て、該多糖の水溶液の粘度を低下させる方法において、
酵素として有効である量の請求項1に記載の化合物の存
在下で上記多糖を分解条件に暴露することよりなる方
法。 - 【請求項18】 請求項17に記載の方法において、分
解温度が約25℃ないし30℃の範囲内にある方法。 - 【請求項19】 請求項17に記載の方法において、分
解の実施時間が30分ないし14日間の範囲にある方
法。 - 【請求項20】 請求項17に記載の方法において、粘
度の低下量が原粘度の50%ないし99.5%である方
法。 - 【請求項21】 請求項17に記載の方法において、多
糖がゲラン,ゲルライトTM,ウエラン,S−198,S
−7,S−88,脱アセチル化したゲラン,および脱ア
セチル化したS−198よりなる群から選ばれるもので
ある方法。
Applications Claiming Priority (4)
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