JP3390416B2 - エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤

Info

Publication number
JP3390416B2
JP3390416B2 JP2000279468A JP2000279468A JP3390416B2 JP 3390416 B2 JP3390416 B2 JP 3390416B2 JP 2000279468 A JP2000279468 A JP 2000279468A JP 2000279468 A JP2000279468 A JP 2000279468A JP 3390416 B2 JP3390416 B2 JP 3390416B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
curing agent
compound
low temperature
type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000279468A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002088137A (ja
Inventor
好弘 土屋
啓介 泊谷
勝敏 白石
Original Assignee
三和化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三和化学工業株式会社 filed Critical 三和化学工業株式会社
Priority to JP2000279468A priority Critical patent/JP3390416B2/ja
Publication of JP2002088137A publication Critical patent/JP2002088137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3390416B2 publication Critical patent/JP3390416B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ樹脂用低温
硬化型潜在性硬化剤、その製造方法、前記硬化剤を用い
て得られるエポキシ樹脂及び前記硬化剤に含まれる化合
物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂用潜在性硬化剤は、エポキ
シ樹脂との反応性を抑えてあり、貯蔵安定性を有する。
潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド、アミンアダ
クト系、三級アミン末端基とした尿素−アミン縮合系、
イミダゾール系が知られているが、これらの硬化剤は1
00℃以上の比較的高温域での硬化性を有するものであ
った。しかしながら、熱のかけられないプラスチック基
材も増えており、低温硬化性を有する潜在性硬化剤が望
まれていた。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い貯蔵安
定性(潜在性)を有し、かつ低温硬化性を有するエポキ
シ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤を提供することを目的
とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、特定の化合物にエポキシ樹脂を付加させた
エポキシ樹脂付加物が優れた潜在性及び低温硬化性を有
することを見いだした。本発明は係る知見に基づいてな
されたものである。すなわち、本発明は、下記式で示さ
れる化合物(A): (式中、R1は炭素数2〜18の直鎖又は分岐したアル
キル基であり、R2、R3、R4及びR5は同一又は異なっ
て、水素、炭素数1〜17の直鎖又は分岐したアルキル
基又は芳香族基であり、nは1〜4の整数であり、mは
1〜4の整数である。)と、少なくとも2つのエポキシ
基を有するエポキシ樹脂(B)とのエポキシ樹脂付加物
(C)を含むことを特徴とする、エポキシ樹脂用低温硬
化型潜在性硬化剤を提供する。更に本発明は、本発明の
硬化剤の製造方法、本発明の硬化剤を用いて得られるエ
ポキシ樹脂及び本発明の硬化剤の製造に使用可能な化合
物を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明における化合物(A)は下
記式: で示される。R1は炭素数2〜18の直鎖又は分岐した
アルキル基であり、好ましくは4〜12の直鎖又は分岐
したアルキル基、例えばブチル基、イソブチル基、ヘキ
シル基、オクチル基、n−ノニル基であり、特に好まし
くはn−ノニル基である。R2、R3、R4及びR5は同一
又は異なって、水素、炭素数1〜17の直鎖又は分岐し
たアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又は芳
香族基、例えばフェニル基、ベンジル基であり、好まし
くはR2及びR3並びにR4及びR5の組み合わせが水素及
び炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキル基、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基の組み合わせであり、特に
好ましくは水素及びメチル基の組み合わせである。R2
及びR3並びにR4及びR5の組み合わせが水素及び炭素
数1〜4の直鎖又は分岐したアルキル基の組み合わせで
ある場合、アルキル基は同一又は異なっていてもよく、
イミダゾール環の2、4又は5位、好ましくは2又は4
位、特に好ましくは2位に結合している。mは1〜4の
整数であり、好ましくは1〜2の整数であり、特に好ま
しくは1である。nは1〜4の整数であり、好ましくは
1〜2の整数であり、特に好ましくは1である。特に好
ましいのは、下記式で示される化合物である。
【0005】化合物(A)は、通常のマンニッヒ反応、
例えば英国特許第1428835号明細書に記載の反応
にしたがい、イミダゾール及びアルキルフェノールをア
ルデヒドの存在下で加熱することにより製造することが
できる。ここで使用されるイミダゾールとしては、2−
メチルイミダゾールや、4−メチルイミダゾール、2−
メチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等が挙げられる。好ましくは2−メチル
イミダゾールや、4−メチルイミダゾール、2−メチル
−4−エチルイミダゾールであり、特に好ましくは2−
メチルイミダゾールである。アルキルフェノールとして
は、クレゾールや、p−イソプロピルフェノール、p−
tert−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェ
ノール、p−tert−アミルフェノール、p−ter
t−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシル
フェノールが挙げられる。好ましくはノニルフェノール
や、ドデシルフェノールであり、特に好ましくはノニル
フェノールである。アルデヒドとしては、ホルムアルデ
ヒドや、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グ
リオキサールアルデヒド、スクシンアルデヒドが挙げら
れる。好ましくはホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、グリオキサールアルデヒドであり、特に好ましくは
ホルムアルデヒドである。反応温度は一般に80〜25
0℃であり、好ましくは100〜200℃であり、特に
好ましくは120〜180℃である。反応の効率を高め
るために、生成する水を回収することが好ましい。
【0006】本発明のエポキシ樹脂用低温硬化型潜在性
硬化剤は、化合物(A)にエポキシ樹脂(B)を付加さ
せることにより製造される。化合物(A)にエポキシ樹
脂(B)を付加する方法としては、例えば、(1)化合
物(A)の溶液を形成する工程、及び、(2)得られた
溶液に液状エポキシ樹脂(B)を添加して、該化合物
(A)にエポキシ樹脂(B)を付加する工程、が含まれ
る。化合物(A)に付加するエポキシ樹脂(B)とは、
分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する樹脂であ
る。エポキシ樹脂はモノマー、オリゴマー、ポリマーの
いずれの形態であってもよいが、その重量平均分子量は
一般に100〜5000、好ましくは200〜300
0、特に好ましくは300〜1000の範囲にある。エ
ポキシ樹脂(B)としては、グリシジルエーテル型や、
グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂環型、
グリシジルイミン型、ポリオレフィンオキシド型、シク
ロオレフィン型、エポキシアセタール型、ポリグリシジ
ルアクリレート型、複素環型及びウレタン変性型のエポ
キシ樹脂が挙げられるが、好ましくはグリシジルエーテ
ル型や、グリシジルエステル型のエポキシ樹脂であり、
特に好ましくはグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂で
ある。グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂としては、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニ
ルエーテル型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポ
キシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂が挙げられる。これら
の中ではビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂が好ましく、特に好ましくはビ
スフェノールA型エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂
は、例えば、新エポキシ樹脂、垣内弘編、29(198
5)昭晃堂に記載の方法にしたがって製造してもよい
が、市販されているものも使用することができる。例え
ば商品名 Epikote828(油化シェル・エポキ
シ(株))で市販されているビスフェノールA型エポキ
シ樹脂が使用可能である。
【0007】工程(1)で使用する溶媒は、その沸点が
得られる付加物の軟化点よりも高いことが必要である。
溶媒としてはMEK(メチルエチルケトン)や、MIB
K(メチルイソブチルケトン)等のケトン系溶媒、ブチ
ルセロソルブや、エチルセロソルブ等のエーテル系溶
媒、イソプロパノールや、ペンタノール、ヘキサノー
ル、ヘプタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼンや、
トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、オクタンや、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系溶媒、TH
F、DMFが挙げられ、好ましくはトルエンや、キシレ
ン、ヘキサン、ヘプタン、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、DMFであり、特に好ましくはDMF及びキシロー
ル(工業用キシレン)である。これらの溶媒は単独で使
用してもよく又は組み合わせて使用してもよい。溶液中
の化合物(A)の濃度は、10〜100質量%、好まし
くは30〜80質量%、特に好ましくは40〜60質量
%の範囲である。
【0008】付加反応時における反応性向上の観点か
ら、エポキシ樹脂(B)は下記の付加反応温度下で液状
であることが必要である。反応温度下で固体のエポキシ
樹脂を使用する場合は溶媒に溶解してから使用する。溶
媒としては前記工程(1)で挙げたものを使用すること
ができる。また、固体のエポキシ樹脂(B)を懸濁液に
して使用することもできる。エポキシ樹脂(B)の工程
(1)で得られた溶液への添加は20〜120℃、好ま
しくは40〜100℃、特に好ましくは60〜80℃で
行う。化合物(A):エポキシ樹脂(B)のモル比は、
得られる硬化剤が十分な潜在性かつ低温硬化性を有する
ように、1:0.3〜1.0、好ましくは1:0.4〜
0.9、特に好ましくは1:0.65〜0.8の範囲に
する。付加の態様について、必ずしも理論に限定される
ものではなく、例えば下記のスキーム1に示す態様が考
えられるが、これに限定されるものではない。
【0009】
【0010】エポキシ樹脂との反応は、化合物(A)中
の窒素原子の非共有電子対が関与すると考えられる。し
たがって、スキーム1では化合物(A)のイミダゾール
環の3位の窒素のみが反応に関与していることを示して
いるが、メチレン基に結合している窒素原子も付加反応
に関与していると考えられる。但し、メチレン基に結合
している窒素原子は立体障害を受けるため、3位の窒素
原子よりも反応性は低下すると考えられる。前記した付
加反応前における化合物(A):エポキシ樹脂(B)の
モル比の範囲においては、付加反応は十分に進行するも
のと考えられる。したがって、エポキシ樹脂(B)の量
が化合物(A)よりも少ない場合、付加反応後には硬化
剤中に未反応の化合物(A)が残ることになるが、優れ
た潜在性及び低温硬化性を得る観点から、硬化剤中には
化合物(A)が含まれていることが好ましい。この場
合、付加反応後に得られる硬化剤中における化合物
(A):エポキシ樹脂付加物(C)のモル比は、付加反
応前の化合物(A):エポキシ樹脂(B)のモル比に依
存して0:1.0〜0.7:0.3、好ましくは0.
6:0.4〜0.1:0.9、特に好ましくは0.3
5:0.65〜0.2:0.8の範囲になる。
【0011】本発明の硬化剤は通常の手段によりに微粉
砕して使用することが硬化性の点から好ましい。微粉砕
した硬化剤の平均粒径は、40μm以下、好ましくは2
0μm以下、特に好ましくは10μm以下である。下限
としては1μmが適当であろう。粉砕には通常の粉砕装
置、例えばポット・ミル、ジェット・ミルを使用するこ
とができる。
【0012】本発明の硬化剤は、種々のエポキシ樹脂の
硬化において低温硬化型潜在性硬化剤として使用するこ
とができる。また、その低温硬化性を利用して、従来の
潜在性硬化剤へ添加して硬化を促進する硬化促進剤とし
ても使用することができる。その硬化に使用することが
できるエポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型
や、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型及び脂
環型のエポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。グリシジルエーテル型エポキシ樹脂と
してはビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂が挙げられる。したがって、本発
明の硬化剤は、その製造に使用したエポキシ樹脂と同一
のエポキシ樹脂の硬化に使用可能であるが、この場合で
あっても、優れた潜在性を得る観点から、化合物(A)
を単独でエポキシ樹脂の硬化に直接使用するのではな
く、エポキシ樹脂を付加して化合物(A)の活性を抑制
した硬化剤とした後にエポキシ樹脂の硬化に使用する必
要がある。グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては
ダイマー酸変性エポキシ樹脂や、フタル酸ジグリシジル
エステル樹脂が挙げられる。グリシジルアミン型エポキ
シ樹脂としてはテトラグリシジルジアミノフェニルメタ
ン樹脂や、N,N−ジグリシジルアニリン樹脂が挙げら
れる。脂環型エポキシ樹脂としてはアリサイクリックジ
エポキシアセタール樹脂や、アリサイクリックジエポキ
シカルボキシレート樹脂が挙げられる。これらの中で
は、グリシジルエーテル型樹脂や、グリシジルエステル
型樹脂が好ましく、グリシジルエーテル型樹脂が特に好
ましい。具体的には、商品名 Epikote828で
市販されているビスフェノールA型グリシジルエーテル
樹脂を使用することができる。
【0013】エポキシ樹脂の硬化方法としては当該技術
分野において周知の種々の硬化方法にしたがい、例えば
80〜120℃で30〜60分間又は150〜170℃
で10〜30分間加熱硬化することにより行うことがで
きるが、これに限定されるものではない。本発明の硬化
剤のエポキシ樹脂への配合量は、硬化させるエポキシ樹
脂の種類、用途等に依存して変化するが、一般的にはエ
ポキシ樹脂100質量部あたり1〜100質量部、好ま
しくは1〜50質量部、特に好ましくは5〜25質量部
である。エポキシ樹脂の硬化温度は、硬化させるエポキ
シ樹脂の種類、用途等に依存して変化するが、本発明の
硬化剤は従来の潜在性硬化剤と比較して低温でエポキシ
樹脂を硬化することができるので、一般的には40〜2
00℃、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは8
0〜100℃である。
【0014】本発明の硬化剤を使用して得られるエポキ
シ樹脂は、種々の用途、例えば接着剤、封止材、積層用
樹脂、塗料、硬化促進剤に利用可能である。特に、従来
の潜在性硬化剤を使用して得られるエポキシ樹脂と比較
して高いガラス転移温度を有するものは、耐熱性が高い
ので、封止材、積層板に好ましく使用することができ
る。
【0015】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0016】実施例1 本発明の化合物(A)の製造 ノニルフェノール1.0molに対し、ホルマリン2.
0mol及び2−メチルイミダゾール2.0molを、
180℃で3時間反応させて下記の式で示される化合物
を得た。
【0017】
【0018】この化合物についてGPC(ゲル浸透クロ
マトグラフィー)(昭和電工(株)Shodex GP
C RI−71)により平均分子量を測定したところ、
Mw=402を示した。これは、反応物の理論上の分子
量とほぼ一致した。
【0019】実施例2 本発明の低温硬化型潜在性硬化
剤の製造 実施例1で製造した化合物(A)1molをキシレン/
DMF溶液(2:1)363mlに溶解し(溶液中の化
合物(A)の濃度50質量%)、液状のエポキシ樹脂
(B)(Epikote828、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、重量平均分子量380)0.6mol(化
合物(A):エポキシ樹脂(C)のモル比=1:0.
6)と70℃で反応させ、その後キシレン/DMF溶液
を減圧留去してエポキシ樹脂付加物(C)を含む「硬化
剤I」を得た。このエポキシ樹脂付加物(C)について
GPC(昭和電工(株)ShodexGPC RI−7
1)により平均分子量を測定したところMw=633を
示した。この値は反応物の理論上の分子量とほぼ一致し
た。また、IR(日本分光(株) FT/IR−23
0)によると900cm-1付近の吸収が消失していた。
このことから、エポキシ樹脂のオキシラン環が開裂して
付加反応をしていることを確認した。得られた硬化剤中
の化合物(A):エポキシ樹脂付加物(C)のモル比は
0.4:0.6であると推定した。
【0020】実施例3 本発明の低温硬化型潜在性硬化
剤を用いたエポキシ樹脂の製造及び他の硬化剤を用いて
得られたエポキシ樹脂とのガラス転移点についての比較 実施例2で製造した硬化剤(硬化剤I)、比較用の硬化
剤(硬化剤II、硬化剤III及び硬化剤IV)の各1
0質量部と、エポキシ樹脂(Epikote828、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂)100質量部とを配合
して下記のエポキシ樹脂を製造した。
【0021】
【0022】*1硬化剤II 2−メチルイミダゾール1.0molをトルエン200
mlに溶解し、これにエポキシ樹脂(Epikote8
28、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)1.2mol
を滴下し、60℃で3時間穏やかに反応させ、その後ト
ルエンを減圧留去して硬化剤IIを得た。*2 硬化剤III 2−フェニルイミダゾール1.0molをトルエン20
0mlに溶解し、これにエポキシ樹脂(EEW 250
(製品名:Epikote834、油化シェル・エポキ
シ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)0.6
5molを滴下し、60℃で3時間穏やかに反応させ、
その後トルエンを減圧留去して硬化剤IIIを得た。*3 硬化剤IV DICY(ジシアンジアミド)
【0023】得られた各エポキシ樹脂の潜在性、硬化性
及びガラス転移点(Tg)を測定した。潜在性は、エポ
キシ樹脂の初期粘度及び当該粘度が2倍になるまでの時
間を測定することにより評価した。粘度の測定はJIS
K 6830に準拠し、BH型回転粘度計(ローター
No.6、10回転)にて行った。低温硬化性は、種々
の硬化温度下でのエポキシ樹脂のゲル化時間を測定する
ことにより評価した。ゲル化時間の測定はJIS K
5909(熱板法)に準拠して行った。ガラス転移点
(Tg)の測定は、示差走査熱量計(セイコー電子工業
社製TG−DSC分析装置SSC 5200)(昇温速
度 10℃/分)を使用して、JIS K 7121に
準拠して行った。測定結果を下記の表に示す。
【0024】
【0025】エポキシ樹脂の潜在性について、比較例1
及び2と比較して、本発明の硬化剤を使用したエポキシ
樹脂は4ヶ月という長期間の保存が可能であった。比較
例3のエポキシ樹脂は長期間の保存が可能であったが、
低温硬化性を示さなかった。したがって、本発明の硬化
剤を使用することによってのみ、高い潜在性かつ低温硬
化性を有するエポキシ樹脂を得ることができた。硬化し
たエポキシ樹脂のガラス転移点について、100℃、1
50℃及び170℃のいずれの温度で硬化したものにつ
いても、本発明のエポキシ樹脂は比較例よりも高いガラ
ス転移点を示した。
【0026】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂用低温硬化型潜在
性硬化剤は、硬化するエポキシ樹脂と配合したときに高
い潜在性を有すると同時に、低温硬化性を有する。した
がって、従来の潜在性硬化剤を適用することができなか
った高い温度をかけることができない基材に使用するこ
とができる。また、従来の硬化剤に対して速硬化性によ
る生産性の向上によりイニシャルコストの低下に寄与す
ることが可能である。更に本発明の硬化剤を使用して得
られる耐熱性が高いエポキシ樹脂は、広範囲の用途に使
用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−268721(JP,A) 特開 昭60−4524(JP,A) 特開 昭59−53526(JP,A) 特開 昭52−87617(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/50 - 59/60 C07D 233/60 C08G 59/14 - 59/17

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で示される化合物(A): (式中、R1は炭素数2〜18の直鎖又は分岐したアル
    キル基であり、R2、R3、R4及びR5は同一又は異なっ
    て、水素、炭素数1〜17の直鎖又は分岐したアルキル
    基又は芳香族基であり、nは1〜4の整数であり、mは
    1〜4の整数である。)と、少なくとも2つのエポキシ
    基を有するエポキシ樹脂(B)とのエポキシ樹脂付加物
    (C)を含むことを特徴とする、エポキシ樹脂用低温硬
    化型潜在性硬化剤。
  2. 【請求項2】 更に化合物(A)を含む、請求項1に記
    載のエポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤。
  3. 【請求項3】 硬化剤中における化合物(A):エポキ
    シ樹脂付加物(C)のモル比が0.6:0.4〜0.
    1:0.9である、請求項2に記載のエポキシ樹脂用低
    温硬化型潜在性硬化剤。
  4. 【請求項4】 前記エポキシ樹脂(B)の重量平均分子
    量が100〜5000である、請求項1〜3のいずれか
    に記載のエポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤
    の製造方法であって、 請求項1に記載の化合物(A)の溶液を形成する工程、
    及び、前記化合物(A)の溶液に液状のエポキシ樹脂
    (B)を添加して、前記化合物(A)にエポキシ樹脂
    (B)を付加する工程、を含むことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 前記化合物(A):前記エポキシ樹脂
    (B)のモル比が1:0.3〜1.0である、請求項5
    に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のエポキシ樹脂用低温硬
    化型潜在性硬化剤を用いて得られるエポキシ樹脂。
  8. 【請求項8】 下記式で示される化合物。 (式中、R1は炭素数2〜18の直鎖又は分岐したアル
    キル基であり、R2、R3、R4及びR5は同一又は異なっ
    て、水素、炭素数1〜17の直鎖又は分岐したアルキル
    基又は芳香族基であり、nは1〜4の整数であり、mは
    1〜4の整数である。)
JP2000279468A 2000-09-14 2000-09-14 エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤 Expired - Fee Related JP3390416B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000279468A JP3390416B2 (ja) 2000-09-14 2000-09-14 エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000279468A JP3390416B2 (ja) 2000-09-14 2000-09-14 エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002088137A JP2002088137A (ja) 2002-03-27
JP3390416B2 true JP3390416B2 (ja) 2003-03-24

Family

ID=18764468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000279468A Expired - Fee Related JP3390416B2 (ja) 2000-09-14 2000-09-14 エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3390416B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009005135A1 (ja) * 2007-07-05 2009-01-08 Asahi Kasei E-Materials Corporation エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化剤組成物
JP5590654B2 (ja) * 2010-02-16 2014-09-17 国立大学法人静岡大学 複素環置換芳香族化合物、分子検出剤、分子検出方法、及び分子捕捉方法
JP5936340B2 (ja) * 2011-12-13 2016-06-22 日本合成化学工業株式会社 エポキシ樹脂用硬化剤
JP6364239B2 (ja) * 2014-05-23 2018-07-25 株式会社Adeka 一液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物
CN108070072A (zh) * 2016-11-07 2018-05-25 无锡创达新材料股份有限公司 一种基于环三磷腈的咪唑类环氧树脂潜伏型固化剂及其制备方法
CN113121794B (zh) * 2019-12-31 2022-05-20 惠州盛世达科技有限公司 一种二甲基咪唑的液化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002088137A (ja) 2002-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4390664A (en) Process for preparing a polyepoxide and composition therefrom
EP2421907B1 (en) Thermosettable composition containing a half ester of a cycloaliphatic diol and a thermoset product therefrom
JP5415947B2 (ja) 一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物
JP5475223B2 (ja) 一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物、その硬化物及びその製造方法、並びにそれを用いた封止用材料及び接着剤
EP0138465A2 (en) Latent curing agents for epoxy resins
JPS6244769B2 (ja)
JP3277256B2 (ja) エポキシド付加物の製造方法
US20100187715A1 (en) Catalyst for curing epoxides
NL8006649A (nl) Hulphardingsmiddel voor epoxyharsen, dit middel bevattend uithardbaar epoxyharssysteem, alsmede werkwijzen ter bereiding van dit middel.
EP0104837A2 (en) Latent curing agents for epoxy resins
JPS6311362B2 (ja)
US11702516B2 (en) Curative composition and a resin composition containing the curative composition
US11286336B2 (en) Low temperature anhydride epoxy cured systems
US3793248A (en) Adducts,containing epoxide groups,from polyepoxide compounds and binuclear n-heterocyclic compounds
JPH0195176A (ja) エポキシ接着剤
JP3390416B2 (ja) エポキシ樹脂用低温硬化型潜在性硬化剤
US3542803A (en) N,n'-digylcidyl compounds
JP2013108011A (ja) エポキシ樹脂溶液、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び接着剤
US20120245306A1 (en) Adducts based on divinylarene oxides
JPH0339101B2 (ja)
JPH11508931A (ja) 高オルト体含有ビスフェノールf由来の部分を含むエポキシ樹脂
CA2185207C (en) 1-imidazolylmethyl-2-naphthols as catalysts for curing epoxy resins
JP5398541B2 (ja) ヒドロキシエステルで予備鎖延長したエポキシ末端増粘剤およびその製造方法
JP6650123B2 (ja) ポリエステル変性エポキシ樹脂及び接着剤
CA1308420C (en) Epoxy fortifiers based on aromatic polyhydroxyl compounds

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees