JP3389790B2 - 斜め投影光学装置 - Google Patents
斜め投影光学装置Info
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Description
ロジェクタや液晶プロジェクタ等のような拡大投影装置
に関するものであり、また、イメージスキャナのような
縮小投影装置にも適用できるものである。
表等を示しながら説明を行う場合に、透明フィルムや液
晶パネル等による透明原稿をスクリーン上に拡大投影す
る、オーバーヘッドプロジェクタ(以下、OHPと呼
ぶ)がよく使用されている。OHPは、通常、透明原稿
の画像をスクリーンに投影する投影レンズや、光源から
の光路の方向をスクリーン方向に変える反射鏡が、OH
P装置本体の上方に支持部材により取り付けられる構成
であるので、スクリーン上の画像を見る際に、それらの
部材が視野の妨げになる事が多かった。
影装置においては、スクリーンに対して正面から垂直に
投影する方式であったため、上記と同様の視野の妨げに
なる問題に加えて、背面投射型のプロジェクタにおい
て、反射ミラーの折り曲げ角度が制限されるために、装
置が大型になる等の問題を抱えていた。
HPにおいては、図15に示すように、OHP11から
スクリーン3へ斜め投影する事ができれば、観察者13
の視野を妨げるのを防ぐ事ができる。尚、同図におい
て、12はOHP11を扱う使用者である。そして図1
6に示すように、例えばスクリーン3の幅が1.2mで
スクリーン3からOHP11までの距離が1.5mの場
合は、投影角度α=20゜とすればOHP11の後部か
らでもほぼ視野を妨げられる事なくスクリーン3を観察
する事ができる。
すように、斜め上方に投影角度θで投影する事もでき
る。さらに、図18に示すように、斜め投影可能な光学
系を応用し、薄型の背面投射型プロジェクタを実現する
事もできる。尚、同図において、1は液晶パネル等の原
稿部材、7は投影レンズ群である。
上に斜め投影可能とするために、従来よりいくつかの発
明がなされている。例えば、特公平4−56297号公
報に記載されている如く、レンズ可動支持手段と載置台
可動支持手段とを備え、原稿載置台と光学レンズの傾斜
姿勢を所望のものに設定可能とし、歪のない投影像を得
られるようにしている。また、特開平5−241096
号公報に記載されている如く、投影レンズに対してスク
リーン面を斜めに配置する構成とし、それにより生じる
台形歪を補正するために、投影レンズの一部を傾斜させ
た光学系を用いている。
公平4−56297号のような構成では、20゜以上の
投影角度を得るためには、レンズの口径が大きな広画角
投影レンズを用いる必要があり、コスト高となる。ま
た、上記特開平5−241096号のような構成では、
投影レンズの一部を傾斜させる事で著しい性能劣化が起
こるので、大きな斜め投影角度に対応する事は困難であ
る。本発明は、大きな斜め投影角度でも良好な像が得ら
れる斜め投影光学装置を提供し、また、比較的小型で低
コストの投影レンズを用いてそれを実現する事を目的と
する。
に、本発明では、1次像を2次像に拡大或いは縮小して
投影する投影レンズ系を有し、前記投影レンズ系の絞り
中心と拡大側像面の中心とを結ぶ直線が、拡大側像面の
法線に対して所定の角度をなして配置されている斜め投
影光学装置において、拡大側像面と縮小側像面とは互い
に略平行に配置されており、前記投影レンズ系は、拡大
側に投影レンズ系に向かって凸状に湾曲した像面湾曲特
性を有する事により、前記拡大側像面に投影される像の
台形歪を低減する構成とする。
全ての光学素子が共軸系で構成されている事により、低
コストの鏡胴を使用する事ができる。或いは、前記投影
レンズ系は、少なくとも2つの共軸レンズ群より構成さ
れており、前記共軸レンズ群は、互いに偏心して配置さ
れている事により、結像性能を改善する構成としても良
い。
て投影する投影レンズ系を有し、前記投影レンズ系の絞
り中心と拡大側像面の中心とを結ぶ直線が、拡大側像面
の法線に対して所定の角度をなして配置されている斜め
投影光学装置において、拡大側像面と縮小側像面とは互
いに略平行に配置されており、以下の条件式(1),
(2)を満足する構成とする。 20≦θ<90 (1)
ぶ直線と、拡大側像面の法線とのなす角(単位゜)、 ri :投影レンズ系に含まれるi番目の屈折面の曲率半
径、 ni :投影レンズ系に含まれるi番目の屈折面より物体
側の媒質の屈折率、 n′i :投影レンズ系に含まれるi番目の屈折面より像
側の媒質の屈折率、 L:拡大側像面の中心と投影レンズ系の絞り中心との距
離、 である。
角が5゜以下である構成とする事ができる。また、前記
投影レンズ系の絞り中心と縮小側像面の中心とを結ぶ直
線が、縮小側像面の法線に対して略垂直に配置されてい
る構成とする事もできる。
ての光学素子を共軸系で構成する事ができる。或いは、
前記投影レンズ系は、少なくとも2つの共軸レンズ群よ
り構成されており、前記共軸レンズ群は、互いに偏心し
て配置されている構成としても良い。
の垂直方向は、縮小側像面の法線に対して、絞り中心と
縮小側像面の中心を結ぶ直線に近づく方向に傾けられて
いる構成とする事もできる。
て、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、
原稿部材1の画像を共軸系の光学系2を用いてその光軸
に対して斜めに傾いたスクリーン3へ投影する場合、結
像条件を満足してスクリーン3の面全面に渡ってピント
の合ったシャープな映像を得るためには、スクリーン3
の傾きと反対方向に原稿部材1を傾けて配置しなければ
ならない。このとき、原稿部材1の上端から下端にかけ
て、光学系2による投影倍率が異なるので、同図に示す
ように、原稿部材1の画像4がスクリーン3に投影され
ると、5のような台形歪をもった投影像となる。
の前後の屈折率をそれぞれn,n′、各投影レンズ面の
曲率半径をrとしたときに、いわゆるペッツバール和Σ
{(1/r)(1/n−1/n′)}が正の光学系を用
いると、図2に示すように、像面6は光学系2に向かっ
て凸状に湾曲する。このような光学系において、図3に
示すように、原稿部材1の中心を光学系2の光軸からず
らすと、像面6の内、原稿部材1の画像の投影像となる
部分は、光軸に垂直な面に対して傾く事になる。
3とが互いに傾いて配置される状態となる事によって台
形歪が発生する。そこで、図4に示すように、原稿部材
1を像面6の傾きと同じ方向に傾ける事により、像面6
ひいてはスクリーン3は逆の方向に傾いてくるので、原
稿部材1とスクリーン3が互いに平行になる位置を見い
だす事ができる。これにより、上記台形歪を解消する事
ができる。
和が正の値を持つ光学系2で表す投影レンズ群におい
て、軸外光束を用いて画像を投影すると、スクリーン3
の中心14における像面6の接平面は、光学系2の対称
軸に対して垂直な方向にφだけ傾く。この性質を利用す
れば、斜め投影角度を大きくする事が可能である。従っ
て、光学系2の像面湾曲を、接平面の傾き角φが大きく
なるように設定する必要がある。
までの距離をL、像面6の曲率半径をL′、光学系2の
投影角度をθとすると、以下の関係が成り立っている。 Ltanθ=L′tanφ θが20゜のとき、φが5゜程度となる場合を最大とす
ると、 L′/L=tanθ/tanφ<tan(20)/ta
n(5)=4.2
ば、斜め投影角度を大きくする事ができる。ペッツバー
ル和は像面の曲率半径の逆数となるから、以下の条件式
(2)が導出される。
を満足しない場合、斜め投影したときのスクリーン3の
中心14における像面6の接平面と、光学系2の対称軸
の垂直面とのなす角φを大きくする事ができないため、
光学系2の構成が極めて複雑なものになってしまう。と
ころで、上記のような構成に加えて、さらに、投影レン
ズを互いに偏心した2つ以上の群から構成する事で、結
像性能を向上させる事ができる。これらを含んだ更に具
体的な構成を以下に示す。
の実施形態の光学系を示す模式図である。同図において
示すように、原稿部材1の画像光は、斜め方向より投影
レンズ群7によって、スクリーン3に斜め投影される。
投影レンズ群7は、図6に示すように、6枚のレンズで
構成される共軸系のレンズ群である。座標軸は、紙面内
にX,Y軸、紙面に垂直にZ軸をとっている。X軸はス
クリーン3の面に垂直であり、スクリーン3の面から投
影レンズ群7に向かう方向を正とする。また、座標の原
点を絞り8の中心にとっている。原点とスクリーン3の
面の中心を結ぶ直線と、スクリーン3の面の垂線とのな
す角度(以下、斜め投影角度と呼ぶ)は34゜である。
以下に、本実施形態のコンストラクションデータを示
す。
由を述べる。図7に示すように、絞り8が原稿部材1に
平行な場合には、原稿部材1の両端の点P,Qから絞り
8に入射してゆく光線の張る角度AとBが異なり、スク
リーン3に投影される像は、P点からのものが明るく、
Q点からのものが暗くなってしまう。そこで、図8に示
すように、上記角度AとBを同じにするために、絞り8
の中心と原稿部材1の中心とを結ぶ線が絞り8の面と直
角に近い角度で交わるように、絞り8を傾けて配置し
て、スクリーン3の面上の明るさ分布の補正を行ってい
る。
いる事により、レンズの口径の小型化が達成されてい
る。そして、絞り8を除くエレメントを全て共軸系に構
成する事で、低コストの鏡胴の使用を可能としている。
さらに、上記コンストラクションデータに示すように、
スクリーン面と原稿部材面とのなす角度が5度以下であ
れば、歪曲収差を効果的に補正する事ができる。以下
に、本実施形態の光学系のペッツバール和を求めるため
のデータを示す。
面の中心と絞り8との距離をLとすると、0.25/L
=1.3e−4であり、ペッツバール和は上記のように
4.768e−4であるから、ペッツバール和の値の方
が大きいので、上述した像面湾曲の条件を満たしている
事が分かる。
るスポットダイアグラムであり、図10は、同じく歪曲
図である。これらの図によると、点像の分布のばらつき
も少なく、また、おおむね理想に近い形状で投影される
事が示されており、実用性は充分である事が分かる。
2の実施形態の光学系を示す模式図である。同図におい
て示すように、原稿部材1の画像光は、斜め方向より投
影レンズ群7′に集光され、スクリーン3に斜め投影さ
れる。投影レンズ群7′は、図12に示すように、6枚
のレンズで構成され、絞り8′を挟んで前後のレンズ群
が互いに偏心して収差補正を行う構成となっている。座
標軸は、紙面内にX,Y軸、紙面に垂直にZ軸をとって
いる。X軸はスクリーン3の面に垂直であり、スクリー
ン3の面から投影レンズ群7′に向かう方向を正とす
る。また、座標の原点を絞り8′の中心にとっている。
そして、斜め投影角度は32゜である。以下に、本実施
形態のコンストラクションデータを示す。
上記絞り8の場合と同様である。また、投影レンズ群
7′が傾いて配置されている事により、上記投影レンズ
群7の場合と同様に、レンズの口径の小型化が達成され
る。さらに、上記コンストラクションデータに示すよう
に、スクリーン面と原稿部材面とのなす角度が5度以下
であれば、歪曲収差を効果的に補正する事ができる。以
下に、本実施形態の光学系のペッツバール和を求めるた
めのデータを示す。
7.270e−4
面の中心と絞り8′との距離をLとすると、0.25/
L=1.1e−4であり、ペッツバール和は上記のよう
に7.270e−4であるから、ペッツバール和の値の
方が大きいので、上述した像面湾曲の条件を満たしてい
る事が分かる。
れるスポットダイアグラムであり、図14は、同じく歪
曲図である。これらの図によると、点像の分布のばらつ
きは第1の実施形態におけるものよりも更に少なく、ま
た、おおむね理想に近い形状で投影される事が示されて
おり、実用性は充分である事が分かる。
大きな斜め投影角度でも良好な像が得られる斜め投影光
学装置を、比較的小型で低コストの投影レンズを用いて
提供する事ができる。
を示す図。
を示す図。
図。
図。
を示す図。
ム。
図。
図。
ラム。
模式図。
Claims (9)
- 【請求項1】 1次像を2次像に拡大或いは縮小して投
影する投影レンズ系を有し、前記投影レンズ系の絞り中
心と拡大側像面の中心とを結ぶ直線が、拡大側像面の法
線に対して所定の角度をなして配置されている斜め投影
光学装置において、 拡大側像面と縮小側像面とは互いに略平行に配置されて
おり、 前記投影レンズ系は、拡大側に投影レンズ系に向かって
凸状に湾曲した像面湾曲特性を有する事を特徴とする斜
め投影光学装置。 - 【請求項2】 前記投影レンズ系は、絞りを除く全ての
光学素子が共軸系で構成されている事を特徴とする請求
項1に記載の斜め投影光学装置。 - 【請求項3】 前記投影レンズ系は、少なくとも2つの
共軸レンズ群より構成されており、前記共軸レンズ群
は、互いに偏心して配置されている事を特徴とする請求
項1に記載の斜め投影光学装置。 - 【請求項4】 1次像を2次像に拡大或いは縮小して投
影する投影レンズ系を有し、前記投影レンズ系の絞り中
心と拡大側像面の中心とを結ぶ直線が、拡大側像面の法
線に対して所定の角度をなして配置されている斜め投影
光学装置において、 拡大側像面と縮小側像面とは互いに略平行に配置されて
おり、 以下の条件式範囲を満足する事を特徴とする斜め投影光
学装置。 20≦θ<90 【数1】 但し、 θ:投影レンズ系の絞り中心と拡大側像面の中心とを結
ぶ直線と、拡大側像面の法線とのなす角(単位゜)、 ri :投影レンズ系に含まれるi番目の屈折面の曲率半
径、 ni :投影レンズ系に含まれるi番目の屈折面より物体
側の媒質の屈折率、 n′i :投影レンズ系に含まれるi番目の屈折面より像
側の媒質の屈折率、 L:拡大側像面の中心と投影レンズ系の絞り中心との距
離、 である。 - 【請求項5】 拡大側像面と縮小側像面とのなす角が5
゜以下である事を特徴とする請求項4に記載の斜め投影
光学装置。 - 【請求項6】 前記投影レンズ系の絞り中心と縮小側像
面の中心とを結ぶ直線が、縮小側像面の法線に対して略
垂直に配置されている事を特徴とする請求項4に記載の
斜め投影光学装置。 - 【請求項7】 前記投影レンズ系は、絞りを除く全ての
光学素子が共軸系で構成されている事を特徴とする請求
項4に記載の斜め投影光学装置。 - 【請求項8】 前記投影レンズ系は、少なくとも2つの
共軸レンズ群より構成されており、前記共軸レンズ群
は、互いに偏心して配置されている事を特徴とする請求
項4に記載の斜め投影光学装置。 - 【請求項9】 前記投影レンズ系の絞りを含む平面の垂
直方向は、縮小側像面の法線に対して、絞り中心と縮小
側像面の中心を結ぶ直線に近づく方向に傾けられている
事を特徴とする請求項4に記載の斜め投影光学装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26293996A JP3389790B2 (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 斜め投影光学装置 |
US08/943,720 US5947576A (en) | 1996-10-03 | 1997-10-03 | Oblique projection optical apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26293996A JP3389790B2 (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 斜め投影光学装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10104550A JPH10104550A (ja) | 1998-04-24 |
JP3389790B2 true JP3389790B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=17382675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26293996A Expired - Fee Related JP3389790B2 (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 斜め投影光学装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3389790B2 (ja) |
-
1996
- 1996-10-03 JP JP26293996A patent/JP3389790B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH10104550A (ja) | 1998-04-24 |
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