JP3389329B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

モータ駆動装置

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JP3389329B2
JP3389329B2 JP13957694A JP13957694A JP3389329B2 JP 3389329 B2 JP3389329 B2 JP 3389329B2 JP 13957694 A JP13957694 A JP 13957694A JP 13957694 A JP13957694 A JP 13957694A JP 3389329 B2 JP3389329 B2 JP 3389329B2
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建明 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中性点非接地Y結線さ
れた複数の電機子コイルを備えたセンサレスブラシレス
モータを駆動するモータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自転車の後輪または前輪に、モー
タとこのモータ出力を駆動輪の軸(以下、駆動輪軸とい
う)に伝達する伝達機構を備え、乗り手の負荷を軽減す
るような電動自転車が提案されている。
【0003】図6は、かかる電動自転車の従来例を示し
ている。
【0004】同図において、電動自転車1は、フレーム
2、前輪3、後輪4、ハンドル5、サドル6、ペダル
7、および、ペダル7の動力を後輪4に伝達するための
伝動機構8から構成されている。
【0005】後輪4のハブ9に設けられている円盤状ハ
ウジング10には、モータ11、および、モータ11の
動力を後輪7の駆動軸に伝達するための伝達機構(図示
略)が設けられている。この伝達機構には、モータ11
の軸の回転速度と後輪7の駆動軸の回転速度が一致しな
い場合に、モータ軸と後輪軸との結合を一時的に解除す
る一方向クラッチ機構(例えば、ラチェット)が設けら
れている。また、メンテナンス性が良好なのと、乗り心
地が良好なために、この場合、モータ11としては、セ
ンサレスブラシレスモータを用いている。また、後輪7
の上部に設けられた荷台12には、モータ11に電力を
供給するためのバッテリが収容されるバッテリボックス
13が配設されている。
【0006】ハンドル5の右手グリップ14には、モー
タ11のオンオフおよび速度を、ユーザが指定するため
のアクセル装置が付設されている。例えば、アクセル装
置では、モータ11のオフを指定する位置、低速を指定
する位置、中速を指定する位置、および、高速を指定す
る位置に操作可能であり、この操作位置に対応した位置
信号が、後述するモータ制御装置に出力される。また、
ハンドル5には、車体を停止するためのブレーキ15,
16が設けられている。
【0007】図7は、モータ11を駆動制御するための
モータ制御装置の一例を示している。なお、この場合、
モータ11は、センサレスブラシレスモータである。
【0008】同図において、モータ11は、中性点非接
地Y結線された電機子コイル11u,11v,11w
と、回転磁界を形成するロータ11rを備えており、バ
ッテリ20の駆動電源は、スイッチング装置21を介し
て、電機子コイル11u,11v,11wに印加され
る。
【0009】スイッチング装置21は、バッテリ20の
プラス極とマイナス極の間にそれぞれ直列接続される2
つのスイッチング素子を3組並列接続して構成されてい
る。そして、直列接続されるスイッチング素子S1とス
イッチング素子S2の相互接続点は、電機子コイル11
uの他端に接続されており、直列接続されるスイッチン
グ素子S3とスイッチング素子S4の相互接続端は、電
機子コイル11vの他端に接続されており、直列接続さ
れるスイッチング素子S5とスイッチング素子S6の相
互接続端は、電機子コイル11wの他端部に接続されて
いる。ここで、スイッチング素子S1,S2,S3,S
4,S5,S6は、FETおよび保護用ダイオードから
構成されている。
【0010】電機子コイル11u,11v,11wの相
互接続点、すなわち、中性点11nの電圧Vnは、比較
器22のプラス側入力端、比較器23のプラス側入力
端、および、比較器24のマイナス側入力端にそれぞれ
加えられている。
【0011】分圧抵抗R1,R2は、バッテリ20の電
圧Eを1/2に分圧するものであり、その分圧点の電圧
(E/2)は、比較器22のマイナス側入力端に加えら
れている。分圧抵抗R3,R4,R5は、バッテリ20
の電圧Eを1/3および2/3に分圧するものであり、
その2/3の分圧点の電圧(2E/3)は、比較器23
のマイナス側入力端に加えられ、また、1/3の分圧点
の電圧(E/3)は、比較器24のプラス側入力端に加
えられている。
【0012】比較器22は、電圧Vnが電圧(E/2)
よりも大きくなっている場合には論理Hレベルの比較信
号SC1を出力するとともに、電圧Vnが電圧(E/
3)以下の場合には、論理Lレベルの比較信号SC1を
出力するものであり、その比較信号SC1は、ゲート回
路25に加えられている。
【0013】比較器23は、電圧Vnが電圧(2E/
3)よりも大きくなっている場合には論理Hレベルの比
較信号SC2を出力するとともに、電圧Vnが電圧(2
E/3)以下の場合には、論理Lレベルの比較信号SC
2を出力するものであり、その比較信号SC2は、オア
回路26の一方の入力端に加えられている。
【0014】比較器24は、電圧Vnが電圧(E/3)
よりも小さくなっている場合には論理Hレベルの比較信
号SC3を出力するとともに、電圧Vnが電圧(E/
3)以上の場合には、論理Lレベルの比較信号SC3を
出力するものであり、その比較信号SC3は、オア回路
26の一方の入力端に加えられている。
【0015】オア回路26の出力は、ゲート制御信号S
C4として、ゲート回路25の制御信号入力端に加えら
れている。
【0016】ゲート回路25は、ゲート制御信号SC4
が論理Lレベルになっている状態では、入力した比較信
号SC1をそのまま通過させて信号SC5として出力す
る一方、ゲート制御信号SC4が論理Hレベルに立ち上
がると、信号SC5をその立ち上がりの時点で出力して
いる状態に保持するものであり、その信号SC5は、モ
ータ駆動制御部27および起動終了判定部28に加えら
れている。
【0017】起動終了判定部28は、入力した信号SC
5の論理レベルが、論理Hレベルと論理Lレベルに周期
的に変化し、かつ、論理Hレベルになっている期間と論
理Lレベルになっている期間が同じ時間になっていれ
ば、モータ11のロータ11rの回転速度が十分な値に
なり、起動終了したと判定するものであり、その判定結
果をあらわす起動終了判定信号DSは、モータ駆動制御
部27に加えられている。
【0018】モータ駆動制御部27は、スイッチング装
置21のスイッチング素子S1,S2,S3,S4,S
5,S6にそれぞれ制御信号SS1,SS2,SS3,
SS4,SS5,SS6を出力して、スイッチング素子
S1,S2,S3,S4,S5,S6のオンオフ状態を
切り換え、それによって、モータ11の電機子コイル1
1u,11v,11wの励磁状態を切り換えるものであ
る。
【0019】ここで、モータ駆動制御部27は、起動時
には、モータ11の電機子コイル11u,11v,11
wを初期設定状態に所定時間励磁し、その後に、起動終
了判定部28から起動終了判定信号DSが出力されるま
で所定の起動時励磁切換動作を行うとともに、起動終了
すると、ゲート回路25から出力される信号SC5の論
理レベル変化に対応して、モータ11の電機子コイル1
1u,11v,11wを所定の励磁パターンで励磁する
通常運転動作を行うものである。また、モータ駆動制御
部27は、通常運転動作では、アクセル装置から出力さ
れる位置信号SPに対応して、制御信号SS1,SS
2,SS3,SS4,SS5,SS6のレベルを設定
し、それにより、モータ11の電機子コイル11u,1
1v,11wに印加する駆動電流の大きさを設定する。
【0020】そして、モータ駆動制御部27は、通常運
転処理においては、図8(a)〜(f)に示すように、
制御信号SS1,SS2,SS3,SS4,SS5,S
S6のレベルをパターンPT1,PT2,PT3,PT
4,PT5,PT6に、順次切り換える。ここで、制御
信号SS1,SS2,SS3,SS4,SS5,SS6
の低レベルは、レベル「0」に等しく、また、制御信号
SS1,SS2,SS3,SS4,SS5,SS6の高
レベルは、所定の電圧値である。
【0021】このように、制御信号SS1,SS2,S
S3,SS4,SS5,SS6を、パターンPT1,P
T2,PT3,PT4,PT5,PT6に順次切り換え
ることで、モータ11のロータ11rは、所定の速度で
回転する。
【0022】また、パターンPT1〜PT6に切り換え
ると、それぞれの電機子コイル11u,11v,11w
の端子電圧Vu,Vv,Vwは、それぞれ同図(g)〜
(i)に示したように変化し、したがって、電機子コイ
ル11u,11v,11wの中性点11nの電圧Vn
は、同図(j)に示すように変化する。ここで、端子電
圧Vu,Vv,Vwには、スイッチング素子S1〜S6
のオンオフ切り換え時に発生するパルス上のノイズSK
が含まれるので、電圧Vnにもこのノイズ成分SKaが
含まれる。
【0023】したがって、電圧Vnのレベル変化に応じ
て、比較器22,23,24からそれぞれ出力される比
較信号SC1,SC2,SC3は、同図(k),
(l),(m)に示したように変化し、それによって、
オア回路26から出力されるゲート制御信号SC4は、
同図(n)に示したように変化する。
【0024】すなわち、ゲート制御信号SC4は、比較
信号SC1に電圧Vnのノイズ成分SKaの信号成分が
出力される直前のタイミングで論理Lレベルから論理H
レベルに立ち上がるとともに、モータ駆動制御部27が
励磁切換動作のタイミングに必要なエッジがあらわれる
直前のタイミングで論理Lレベルに立ち下がる態様に変
化する。
【0025】それにより、ゲート回路25から出力され
る信号SC5は、同図(o)に示すように、比較信号S
C1から、電圧Vnに含まれていたノイズ成分SKaの
信号を除去したものとなる。
【0026】モータ駆動制御部27は、この信号SC5
が論理Lレベルから論理Hレベルに立ち上がる立ち上が
り端、および、論理Hレベルから論理Lレベルに立ち下
がる立ち下がり端を、それぞれ、そのときの励磁切換周
期に対応した所定の電気角(例えば30度)遅延させた
状態で、制御信号SS1〜SS6のパターンPT1〜P
T6の切り換え動作を行う。
【0027】また、このようにして、モータ11を通常
運転している状態では、ロータ11rが充分な回転速度
をもつので、電機子コイル11u,11v,11wの中
性点11rの電圧Vnが適切な値になり、信号SC5が
論理Hレベルと論理Lレベルに周期的に変化し、かつ、
論理Hレベルの期間T1と論理Lレベルの期間T2がほ
ぼ等しい値となる。
【0028】すなわち、この信号SC5のレベル変化を
検出することで、モータ11が通常運転処理を適用でき
る状態になっているかどうかを判定することができる。
このことは、上述のように、起動終了判定部28が起動
終了を判定するための判定条件として採用している。
【0029】以上の構成で、モータ駆動制御部27は、
モータ11の起動時には、制御信号SS1〜SS6の値
を所定の初期設定状態のパターンに設定し、その初期設
定状態を所定時間維持し、所定の起動時切換周期で、制
御信号SS1〜SS6のレベルを、パターンPT1〜P
T6に順次切り換える起動処理を開始する。
【0030】これにより、モータ11のロータ11rの
回転数が徐々に上昇し、上述したように、起動終了判定
部28から起動終了判定信号DSが出力されると、モー
タ駆動制御部27は、信号SC5を参照してパターンP
T1〜PT6(2相通電パターン)に制御信号SS1〜
SS6のレベルを切り換えるとともに、駆動電流の値
を、そのときの位置信号SPの操作位置に対応した大き
さに制御する通常運転処理を開始して、モータ11を通
常運転する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来装置には、次のような不都合を生じていた。
【0032】すなわち、モータ11の駆動電流の大きさ
をPWM駆動方法で制御する場合、図9(a)〜(d)
に示したように、励磁切換の周期Taよりも早い周期T
bでPWM駆動パルスのデューティが変化し、そのとき
にオン駆動される2つの電機子コイル(例えば、電機子
コイル11u,11v)に印加される駆動電流が変化す
る。
【0033】一方、このときにオン駆動されない1つの
電機子コイル(この場合は、電機子コイル11w)は、
オン駆動される電機子コイル11u,11vにトランス
結合されているから、電機子コイル11u,11vに印
加される駆動電流が変化すると、相互誘導作用により、
その駆動電流の変化分に相当する電圧が電機子コイル1
1wに生じる。
【0034】また、上述したように、PWM駆動パルス
は、励磁切換の周期Taよりも早い周期Tbでオンオフ
されるため、電機子コイル11u,11vに印加される
駆動電流は頻繁に変化し、そのため、電機子コイル11
wには、頻繁に誘導電圧が生じる。
【0035】ここで、電機子コイル11wに生じる誘導
電圧が、中性点11nの電圧Vnとして検出されるた
め、駆動電流の変化に伴う誘導電圧が電機子コイル11
wに生じると、検出した電圧Vnの値が変化し、その変
化分がノイズ成分として作用して、この場合には、比較
器22,23,24以降において、適切な信号処理が行
えなくなる。
【0036】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、モータを適切に駆動できるモータ駆動装置を
提供することを目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明は、中性点非接地
Y結線された複数の電機子コイルを備えたセンサレスブ
ラシレスモータを駆動するモータ駆動装置において、電
機子コイルの中性点電圧信号からノイズ成分を除去する
ためのフィルタ手段と、上記フィルタ手段の出力信号ま
たは上記中性点電圧信号のいずれかを選択して出力する
信号選択手段と、上記信号選択手段が出力する信号に基
づいてロータの回転位置を検出するロータ回転位置検出
手段と、上記ロータ回転位置検出手段の検出信号に基づ
いてモータの起動終了を判定する起動終了判定手段と、
モータの駆動電流を検出してその検出値が所定値よりも
大きくなっているときには上記信号選択手段により上記
フィルタ手段の出力信号を選択させる一方、上記検出値
が所定値以下のときには、上記信号選択手段により上記
中性点電圧信号を選択させる選択制御手段と、起動時、
上記電機子コイルを、所定の起動励磁パターンで励磁切
換し、その励磁切換動作で上記起動終了判定手段が起動
終了を判定すると、上記回転磁界検出手段の検出信号に
基づいた所定の通常時運転動作に移行するモータ駆動制
御手段を備えたものである。
【0038】また、中性点非接地Y結線された複数の電
機子コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動
するモータ駆動装置において、電機子コイルの中性点電
圧信号からノイズ成分を除去するためのフィルタ手段
と、上記フィルタ手段の出力信号または上記中性点電圧
信号のいずれかを選択して出力する信号選択手段と、上
記信号選択手段が出力する信号に基づいてロータの回転
位置を検出するロータ回転位置検出手段と、上記ロータ
回転位置検出手段の検出信号に基づいてモータ回転速度
を検出し、その検出速度が所定値よりも大きいときには
上記信号選択手段により上記中性点電圧信号を選択させ
る一方、上記検出速度が所定値以下のときには上記信号
選択手段により上記フィルタ手段の出力信号を選択させ
る選択制御手段と、上記回転磁界位置検出手段の検出信
号に基づいてモータの起動終了を判定する起動終了判定
手段と、起動時、上記電機子コイルを、所定の起動励磁
パターンで励磁切換し、その励磁切換動作で上記起動終
了判定手段が起動終了を判定すると、上記回転磁界検出
手段の検出信号に基づいた所定の通常時運転動作に移行
するモータ駆動制御手段を備えたものである。
【0039】また、中性点非接地Y結線された複数の電
機子コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動
するモータ駆動装置において、電機子コイルの中性点電
圧信号から、モータ速度が所定の低速度範囲のときに重
畳されるノイズ成分を除去可能な第1のフィルタ手段
と、電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が
所定の定常速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除
去可能な第2のフィルタ手段と、上記第1のフィルタ手
段の出力信号または上記第2のフィルタ手段の出力信号
のいずれかを選択して出力する信号選択手段と、上記信
号選択手段が出力する信号に基づいてロータの回転位置
を検出するロータ回転位置検出手段と、モータの駆動電
流を検出してその検出値が所定値よりも大きくなってい
るときには上記信号選択手段により上記第1のフィルタ
手段の出力信号を選択させる一方、上記検出値が所定値
以下のときには、上記信号選択手段により上記第2のフ
ィルタ手段の出力信号を選択させる選択制御手段と、起
動時、上記電機子コイルを、所定の起動励磁パターンで
励磁切換した後に、上記回転磁界検出手段の検出信号に
基づいた所定の通常時運転動作に移行するモータ駆動制
御手段を備えたものである。
【0040】また、中性点非接地Y結線された複数の電
機子コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動
するモータ駆動装置において、電機子コイルの中性点電
圧信号から、モータ速度が所定の低速度範囲のときに重
畳されるノイズ成分を除去可能な第1のフィルタ手段
と、電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が
所定の定常速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除
去可能な第2のフィルタ手段と、上記第1のフィルタ手
段の出力信号または上記第2のフィルタ手段の出力信号
のいずれかを選択して出力する信号選択手段と、上記信
号選択手段が出力する信号に基づいてロータの回転位置
を検出するロータ回転位置検出手段と、上記ロータ回転
位置検出手段の検出信号に基づいてモータ回転速度を検
出し、その検出速度が所定値よりも大きいときには上記
信号選択手段により上記第2のフィルタ手段の出力信号
を選択させる一方、上記検出速度が所定値以下のときに
は上記信号選択手段により上記第1のフィルタ手段の出
力信号を選択させる選択制御手段と、起動時、上記電機
子コイルを、所定の起動励磁パターンで励磁切換した後
に、上記回転磁界検出手段の検出信号に基づいた所定の
通常時運転動作に移行するモータ駆動制御手段を備えた
ものである。
【0041】また、中性点非接地Y結線された複数の電
機子コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動
するモータ駆動装置において、電機子コイルの端子電圧
信号からノイズ成分を除去するためのフィルタ手段と、
上記フィルタ手段の出力信号または上記端子電圧信号の
いずれかを選択して出力する信号選択手段と、上記信号
選択手段が出力する信号と電機子コイルの中性点電圧信
号との比較に基づいてロータの回転位置を検出するロー
タ回転位置検出手段と、モータの駆動電流を検出してそ
の検出値が所定値よりも大きくなっているときには上記
信号選択手段により上記フィルタ手段の出力信号を選択
させる一方、上記検出値が所定値以下のときには、上記
信号選択手段により上記端子電圧信号を選択させる選択
制御手段と、起動時、上記電機子コイルを、所定の起動
励磁パターンで励磁切換した後に、上記回転磁界検出手
段の検出信号に基づいた所定の通常時運転動作に移行す
るモータ駆動制御手段を備えたものである。
【0042】また、中性点非接地Y結線された複数の電
機子コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動
するモータ駆動装置において、電機子コイルの端子電圧
信号からノイズ成分を除去するためのフィルタ手段と、
上記フィルタ手段の出力信号または上記端子電圧信号の
いずれかを選択して出力する信号選択手段と、上記信号
選択手段が出力する信号と電機子コイルの中性点電圧信
号との比較に基づいてロータの回転位置を検出するロー
タ回転位置検出手段と、上記ロータ回転位置検出手段の
検出信号に基づいてモータ回転速度を検出し、その検出
速度が所定値よりも大きいときには上記信号選択手段に
より上記端子電圧信号を選択させる一方、上記検出速度
が所定値以下のときには上記信号選択手段により上記フ
ィルタ手段の出力信号を選択させる選択制御手段と、起
動時、上記電機子コイルを、所定の起動励磁パターンで
励磁切換した後に、上記回転磁界検出手段の検出信号に
基づいた所定の通常時運転動作に移行するモータ駆動制
御手段を備えたものである。
【0043】また、中性点非接地Y結線された複数の電
機子コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動
するモータ駆動装置において、電機子コイルの中性点電
圧信号から、モータ速度が所定の低速度範囲のときに重
畳されるノイズ成分を除去可能な第1のフィルタ手段
と、電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が
所定の定常速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除
去可能な第2のフィルタ手段と、上記第1のフィルタ手
段の出力信号または上記第2のフィルタ手段の出力信号
のいずれかを選択して出力する信号選択手段と、上記信
号選択手段が出力する信号と電機子コイルの中性点電圧
信号との比較に基づいてロータの回転位置を検出するロ
ータ回転位置検出手段と、モータの駆動電流を検出して
その検出値が所定値よりも大きくなっているときには上
記信号選択手段により上記第1のフィルタ手段の出力信
号を選択させる一方、上記検出値が所定値以下のときに
は、上記信号選択手段により上記第2のフィルタ手段の
出力信号を選択させる選択制御手段と、起動時、上記電
機子コイルを、所定の起動励磁パターンで励磁切換した
後に、上記回転磁界検出手段の検出信号に基づいた所定
の通常時運転動作に移行するモータ駆動制御手段を備え
たものである。
【0044】また、中性点非接地Y結線された複数の電
機子コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動
するモータ駆動装置において、電機子コイルの中性点電
圧信号から、モータ速度が所定の低速度範囲のときに重
畳されるノイズ成分を除去可能な第1のフィルタ手段
と、電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が
所定の定常速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除
去可能な第2のフィルタ手段と、上記第1のフィルタ手
段の出力信号または上記第2のフィルタ手段の出力信号
のいずれかを選択して出力する信号選択手段と、上記信
号選択手段が出力する信号と電機子コイルの中性点電圧
信号との比較に基づいてロータの回転位置を検出するロ
ータ回転位置検出手段と、上記ロータ回転位置検出手段
の検出信号に基づいてモータ回転速度を検出し、その検
出速度が所定値よりも大きいときには上記信号選択手段
により上記第2のフィルタ手段の出力信号を選択させる
一方、上記検出速度が所定値以下のときには上記信号選
択手段により上記第1のフィルタ手段の出力信号を選択
させる選択制御手段と、起動時、上記電機子コイルを、
所定の起動励磁パターンで励磁切換した後に、上記回転
磁界検出手段の検出信号に基づいた所定の通常時運転動
作に移行するモータ駆動制御手段を備えたものである。
【0045】
【作用】したがって、例えば、PWM駆動によりモータ
の駆動電流を制御している場合に、電機子コイルの中性
点電圧信号に重畳されているノイズ成分を、フィルタ手
段によって除去することができるので、適切なモータ駆
動制御を行うことができる。また、ノイズ成分の影響が
大きい場合以外では、フィルタ手段を経由しない中性点
電圧信号を用いてモータ駆動制御を行っているので、例
えば、フィルタ手段による位相遅れなどの影響を除去す
ることができる。
【0046】また、例えば、PWM駆動によりモータの
駆動電流を制御している場合に、電機子コイルの中性点
電圧信号に重畳されているノイズ成分を、より低周波数
領域の信号を通過させる第1のフィルタ手段によって除
去することができるので、適切なモータ駆動制御を行う
ことができる。また、モータが定常速度範囲で回転して
いるときには、第1のフィルタ手段よりもより高周波数
領域の信号も通過可能な第2のフィルタ手段でノイズ成
分を除去しているので、通常運転時にもノイズの影響の
少ないモータ駆動制御を行うことができる。
【0047】また、例えば、PWM駆動によりモータの
駆動電流を制御している場合に、電機子コイルの端子電
圧信号に重畳されているノイズ成分を、フィルタ手段に
よって除去することができるので、適切なモータ駆動制
御を行うことができる。また、ノイズ成分の影響が大き
い場合以外では、フィルタ手段を経由しない端子電圧信
号を用いてモータ駆動制御を行っているので、例えば、
フィルタ手段による位相遅れなどの影響を除去すること
ができる。
【0048】また、例えば、PWM駆動によりモータの
駆動電流を制御している場合に、電機子コイルの端子電
圧信号に重畳されているノイズ成分を、より低周波数領
域の信号を通過させる第1のフィルタ手段によって除去
することができるので、適切なモータ駆動制御を行うこ
とができる。また、モータが定常速度範囲で回転してい
るときには、第1のフィルタ手段よりもより高周波数領
域の信号も通過可能な第2のフィルタ手段でノイズ成分
を除去しているので、通常運転時にもノイズの影響の少
ないモータ駆動制御を行うことができる。
【0049】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0050】図1は、本発明の一実施例にかかるモータ
制御装置の一例を示している。なお、このモータ制御装
置は、図4に示した電動自転車のモータ11を駆動制御
するものであり、したがって、図5と同一部分、およ
び、相当する部分には、同一符号を付している。
【0051】同図において、電機子コイル11u,11
v,11wの相互接続点、すなわち、中性点11nの電
圧Vnは、ローパスフィルタ30の入力端、および、切
換器31の常閉接点31bに加えられている。
【0052】ローパスフィルタ30は、電圧Vnの高周
波成分の信号を除去するものであり、その出力は、信号
Vnaとして切換器31の常開接点31aに加えられて
いる。
【0053】バッテリ20のマイナス極と、接地端との
間には、モータ電流判定部32が配設されている。モー
タ電流判定部32は、スイッチング装置21で消費され
るモータ電流を検出し、その検出値を所定値と比較し、
検出値が所定値よりも大きくなった場合には、論理Hレ
ベルの切換制御信号SNを出力し、検出値が所定値以下
の場合には、論理Lレベルの切換制御信号SNを出力す
るものであり、その切換制御信号SNは、切換器31の
制御入力端に加えられている。
【0054】切換器31は、制御入力端に加えられてい
る切換制御信号SNが論理Lレベルになっているときに
は、常閉接点31bを選択するとともに、切換制御信号
SNが論理Hレベルになっているときには、常開接点3
1aを選択するものであり、そのコモン接点31cから
の出力信号Vnbは、比較器22のプラス側入力端、比
較器23のプラス側入力端、および、比較器24のマイ
ナス側入力端にそれぞれ加えられている。
【0055】比較器22は、信号Vnbが電圧(E/
2)よりも大きくなっている場合には論理Hレベルの比
較信号SC1を出力するとともに、信号Vnbが電圧
(E/2)以下の場合には、論理Lレベルの比較信号S
C1を出力するものであり、その比較信号SC1は、ゲ
ート回路25に加えられている。
【0056】比較器23は、信号Vnbが電圧(2E/
3)よりも大きくなっている場合には論理Hレベルの比
較信号SC2を出力するとともに、信号Vnbが電圧
(2E/3)以下の場合には、論理Lレベルの比較信号
SC2を出力するものであり、その比較信号SC2は、
オア回路26の一方の入力端に加えられている。
【0057】比較器24は、信号Vnbが電圧(E/
3)よりも小さくなっている場合には論理Hレベルの比
較信号SC3を出力するとともに、信号Vnbが電圧
(E/3)以上の場合には、論理Lレベルの比較信号S
C3を出力するものであり、その比較信号SC3は、オ
ア回路26の一方の入力端に加えられている。
【0058】図2は、モータ駆動制御部27の処理の一
例を示している。
【0059】モータ駆動制御部27は、位置信号SPが
変化したことを監視しており(判断101のNOルー
プ)、位置信号SPが変化して、判断101の結果がY
ESになると、その位置信号SPが「モータオフ」の操
作位置のものであるかどうかを調べる(判断102)。
【0060】判断102の結果がYESになるときに
は、モータ11をオフしている状態を記憶するためのフ
ラグFoffをセットし(処理103)、制御信号SS
1〜SS6の変化を停止してモータ11の励磁切換動作
を停止し、モータ11を停止して(処理104)、判断
101に戻る。
【0061】位置信号SPが変化して、その変化後の値
が「モータオフ」以外の操作位置のものであり、判断1
02の結果がNOになるときには、フラグFoffがセ
ットされているかどうかを調べる(判断105)。
【0062】判断105の結果がYESになるときに
は、「モータオフ」状態からいずれかの速度を指定する
操作位置に切り換えられた状態であり、したがって、こ
のときには、モータ11を起動する。
【0063】すなわち、まず、フラグFoffをクリア
し(処理106)、所定の起動処理を開始して(処理1
07)、起動終了判定部28から起動終了判定信号DS
が出力されるまで待つ(判断110のNOループ)。こ
こで、2相通電起動処理とは、制御信号SS1〜SS6
の値を所定の初期設定状態のパターンに設定し、その初
期設定状態を所定時間維持し、所定の起動時切換周期
で、制御信号SS1〜SS6のレベルを、パターンPT
1,PT2,PT3,PT4,PT5,PT6の通電励
磁パターンで駆動する動作である。
【0064】モータ11の起動が終了して、判断108
の結果がYESになるときには、信号SC5を参照して
パターンPT1〜PT6(2相通電パターン)に制御信
号SS1〜SS6のレベルを切り換えるとともに、駆動
電流の値を、そのときの位置信号SPの操作位置に対応
した大きさに制御する通常運転処理を開始して(処理1
09)、モータ11を通常運転して、判断101に戻
る。
【0065】また、通常運転動作状態でモータ速度が変
更された場合で、判断105の結果がNOになるときに
は、モータ11の駆動電流の値を、そのときの位置信号
SPの操作位置に対応した値に制御して(処理11
0)、判断101に戻る。
【0066】以上の構成で、例えば、モータ11の起動
時や、通常運転時に高負荷になったときなどで、モータ
11の回転数が小さくて、モータ電流が大きい場合、こ
の場合には、モータ電流判定部32から出力される切換
制御信号SNの値が論理Hレベルになるので、切換器3
1は、ローパスフィルタ30から出力される信号Vna
を選択し、信号Vnbとして比較器22,23,24に
対して出力する。
【0067】このように、モータ電流が大きくなってい
る状態では、PWM駆動により電圧Vnに生じているノ
イズ成分のレベルも大きい(図7(a)〜(d)参照)
ので、ローパスフィルタ30から出力される信号Vna
には、このノイズ成分が除去されているので、ゲート回
路25から出力される信号SC5は、ノイズ成分の影響
がない状態になり、したがって、モータ駆動制御部27
および起動終了判定部38は、適切な処理動作を行うこ
とができる。
【0068】一方、通常運転時で、モータ11の回転数
が十分に大きくて、モータ電流が小さくなっている場
合、この場合には、モータ電流判定部32から出力され
る切換制御信号SNの値が論理Lレベルになるので、切
換器31は、電圧Vnを選択し、信号Vnbとして比較
器22,23,24に対して出力する。
【0069】ローパスフィルタ30から出力される信号
Vnaは、位相遅れ状態になっているので、PWM駆動
により電圧Vnに生じているノイズ成分の影響が小さい
場合には、ローパスフィルタ30から出力される信号V
naを用いると、例えば、モータ駆動制御部27の励磁
切換タイミングが遅れ、適切な励磁切換動作を行えない
という事態を生じるおそれがある。
【0070】本実施例では、上述したように、モータ1
1の回転数が十分に大きい場合には、ローパスフィルタ
30から出力される信号Vnaではなく、電圧Vnがそ
のまま信号Vnbとして出力されるので、モータ駆動制
御部27には、位相遅れの影響のない信号SC5が加え
られ、その結果、モータ駆動制御部27は、適切な励磁
切換動作を行うことができる。
【0071】図3は、本発明の他の実施例にかかるモー
タ制御装置を示している。なお、同図において、図1と
同一部分、および、相当する部分には、同一符号を付し
ている。
【0072】同図において、モータ回転数判定部35
は、ゲート回路25から出力される信号SC5に基づい
て、モータ11の回転数が所定値よりも大きいか小さい
かを判定するものであり、モータ11の回転数が所定値
よりも小さいことを判定した場合には、論理Hレベルの
切換制御信号SNaを出力するとともに、モータ11の
回転数が所定値以上になっていることを判定した場合に
は、論理Lレベルの切換制御信号SNaを出力する。こ
の切換制御信号SNaは、切換器31の制御入力端に加
えられている。
【0073】したがって、例えば、モータ11の起動時
や、通常運転時に高負荷になったときなどで、モータ1
1の回転数が小さくて、モータ電流が大きい場合、この
場合には、モータ回転数判定部35から出力される切換
制御信号SNaの値が論理Hレベルになるので、切換器
31は、ローパスフィルタ30から出力される信号Vn
aを選択し、信号Vnbとして比較器22,23,24
に対して出力する。
【0074】このように、モータ電流が大きくなってい
る状態では、PWM駆動により電圧Vnに生じているノ
イズ成分のレベルも大きい(図7(a)〜(d)参照)
ものの、ローパスフィルタ30から出力される信号Vn
aには、このノイズ成分が除去されているので、ゲート
回路25から出力される信号SC5は、ノイズ成分の影
響がない状態になり、したがって、モータ駆動制御部2
7および起動終了判定部38は、適切な処理動作を行う
ことができる。
【0075】一方、通常運転時で、モータ11の回転数
が十分に大きくて、モータ電流が小さくなっている場
合、この場合には、モータ回転数電流判定部35から出
力される切換制御信号SNaの値が論理Lレベルになる
ので、切換器31は、電圧Vnを選択し、信号Vnbと
して比較器22,23,24に対して出力する。
【0076】ローパスフィルタ30から出力される信号
Vnaは、位相遅れ状態になっているので、PWM駆動
により電圧Vnに生じているノイズ成分の影響が小さい
場合には、ローパスフィルタ30から出力される信号V
naを用いると、例えば、モータ駆動制御部27の励磁
切換タイミングが遅れ、適切な励磁切換動作を行えない
という事態を生じるおそれがある。
【0077】本実施例では、上述したように、モータ1
1の回転数が十分に大きい場合には、ローパスフィルタ
30から出力される信号Vnaではなく、電圧Vnがそ
のまま信号Vnbとして出力されるので、モータ駆動制
御部27には、位相遅れの影響のない信号SC5が加え
られ、その結果、モータ駆動制御部27は、適切な励磁
切換動作を行うことができる。
【0078】図4は、本発明の別な実施例にかかるモー
タ駆動装置を示している。なお、同図において、図1と
同一部分、および、相当する部分には、同一符号を付し
ている。
【0079】同図において、電機子コイル11u,11
v,11wの相互接続点、すなわち、中性点11nの電
圧Vnは、ローパスフィルタ30の入力端、および、ロ
ーパスフィルタ30’の入力端に加えられている。
【0080】ローパスフィルタ30は、モータ11の回
転速度が、例えば、起動時などの低速度範囲において有
効に電圧Vnの高周波成分の信号を除去するものであ
り、その出力は、信号Vnaとして切換器31の常開接
点31aに加えられている。
【0081】ローパスフィルタ30’は、モータ11の
回転速度が、例えば、通常運転時の定常速度範囲におい
て有効に電圧Vnの高周波成分の信号を除去するもので
あり、その出力は、信号Vna’として切換器31の常
閉接点31bに加えられている。
【0082】ここで、ローパスフィルタ30とローパス
フィルタ30’との特性を比較すると、ローパスフィル
タ30は、比較的低い周波数領域の信号のみを通過させ
るが、ローパスフィルタ30’は、ある程度高い周波数
領域の信号も通過させる。また、ローパスフィルタ3
0’による信号の位相遅れ量は、ローパスフィルタ30
による信号の位相遅れ量よりも小さい。
【0083】以上の構成で、例えば、モータ11の起動
時や、通常運転時に高負荷になったときなどで、モータ
11の回転数が小さくて、モータ電流が大きい場合、こ
の場合には、モータ電流判定部32から出力される切換
制御信号SNの値が論理Hレベルになるので、切換器3
1は、ローパスフィルタ30から出力される信号Vna
を選択し、信号Vnbとして比較器22,23,24に
対して出力する。
【0084】ここで、信号Vnaには、電圧Vnに含ま
れている比較的高い周波数のノイズ成分が除去されてい
るので、ゲート回路25から出力される信号SC5はノ
イズ成分の影響がない状態になり、したがって、モータ
駆動制御部27および起動終了判定部38は、適切な処
理動作を行うことができる。
【0085】一方、通常運転時で、モータ11の回転数
が十分に大きくて、モータ電流が小さくなっている場
合、この場合には、モータ電流判定部32から出力され
る切換制御信号SNの値が論理Lレベルになるので、切
換器31は、ローパスフィルタ30’から出力される電
圧Vna’を選択し、信号Vnbとして比較器22,2
3,24に対して出力する。
【0086】ここで、ローパスフィルタ30’は、モー
タ11の回転数が十分に大きい状態で、電圧Vnに含ま
れるノイズ成分を有効に除去できる特性に構成されてい
るので、ゲート回路25から出力される信号SC5はノ
イズ成分の影響がない状態になり、したがって、モータ
駆動制御部27および起動終了判定部38は、適切な処
理動作を行うことができる。
【0087】このようにして、本実施例では、モータ1
1の駆動電流の大きい場合および小さい場合で、ともに
ノイズ成分が除去された信号SC5が出力されるので、
モータ駆動制御部27および起動終了判定部38は、
は、適切な処理動作を行うことができる。
【0088】図5は、本発明のさらに他の実施例にかか
るモータ駆動装置を示している。なお、同図において、
図3および図4と同一部分、および、相当する部分に
は、同一符号を付している。
【0089】同図において、例えば、モータ11の起動
時や、通常運転時に高負荷になったときなどで、モータ
11の回転数が小さくて、モータ電流が大きい場合、こ
の場合には、モータ回転数判定部35から出力される切
換制御信号SNaの値が論理Hレベルになるので、切換
器31は、ローパスフィルタ30から出力される信号V
naを選択し、信号Vnbとして、比較器22,23,
24に対して出力する。
【0090】一方、通常運転時で、モータ11の回転数
が十分に大きくて、モータ電流が小さくなっている場
合、この場合には、モータ回転数判定部35から出力さ
れる切換制御信号SNaの値が論理Lレベルになるの
で、切換器31は、ローパスフィルタ30’から出力さ
れる電圧Vna’を選択し、信号Vnbとして比較器2
2,23,24に対して出力する。
【0091】したがって、本実施例では、モータ11の
駆動電流の大きい場合および小さい場合で、ともにノイ
ズ成分が除去された信号SC5が出力されるので、モー
タ駆動制御部27および起動終了判定部38は、は、適
切な処理動作を行うことができる。
【0092】ところで、上述した実施例では、モータ1
1の中性点11nの電圧Vnを、電源電圧の1/2の電
圧値(E/2)と比較した信号を用いて、ロータ11r
の回転位置を検出しているが、ロータ11rの回転位置
の検出方法は、これに限ることはない。例えば、電機子
コイル11u,11v,11wの端子電圧と、中性点1
1nの電圧とを比較する比較器を設け、この比較器から
出力される信号を用いた場合でも、ロータ11rの回転
位置を検出することができ、本発明は、かかる場合に
も、同様にして適用することができる。その場合、ロー
パスフィルタの挿入位置は、電機子コイル11u,11
v,11wの端子から比較器の入力端の間に設定するこ
とができる。また、さらに、電機子コイル11u,11
v,11wの中性点11nから比較器の入力端の間にロ
ーパスフィルタを設けることもできる。
【0093】なお、上述した実施例では、電動自転車に
搭載するセンサレスブラシレスモータの駆動について、
本発明を適用したが、それ以外の装置に搭載するセンサ
レスブラシレスモータを駆動する場合についても、本発
明を同様にして適用することができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば、PWM駆動によりモータの駆動電流を制御して
いる場合に、電機子コイルの中性点電圧信号に重畳され
ているノイズ成分を、フィルタ手段によって除去するこ
とができるので、適切なモータ駆動制御を行うことがで
きる。また、ノイズ成分の影響が大きい場合以外では、
フィルタ手段を経由しない中性点電圧信号を用いてモー
タ駆動制御を行っているので、例えば、フィルタ手段に
よる位相遅れなどの影響を除去することができるという
効果を得る。
【0095】また、例えば、PWM駆動によりモータの
駆動電流を制御している場合に、電機子コイルの中性点
電圧信号に重畳されているノイズ成分を、より低周波数
領域の信号を通過させる第1のフィルタ手段によって除
去することができるので、適切なモータ駆動制御を行う
ことができる。また、モータが定常速度範囲で回転して
いるときには、第1のフィルタ手段よりもより高周波数
領域の信号も通過可能な第2のフィルタ手段でノイズ成
分を除去しているので、通常運転時にもノイズの影響の
少ないモータ駆動制御を行うことができるという効果も
得る。
【0096】また、例えば、PWM駆動によりモータの
駆動電流を制御している場合に、電機子コイルの端子電
圧信号に重畳されているノイズ成分を、フィルタ手段に
よって除去することができるので、適切なモータ駆動制
御を行うことができる。また、ノイズ成分の影響が大き
い場合以外では、フィルタ手段を経由しない端子電圧信
号を用いてモータ駆動制御を行っているので、例えば、
フィルタ手段による位相遅れなどの影響を除去すること
ができるという効果も得る。
【0097】また、例えば、PWM駆動によりモータの
駆動電流を制御している場合に、電機子コイルの端子電
圧信号に重畳されているノイズ成分を、より低周波数領
域の信号を通過させる第1のフィルタ手段によって除去
することができるので、適切なモータ駆動制御を行うこ
とができる。また、モータが定常速度範囲で回転してい
るときには、第1のフィルタ手段よりもより高周波数領
域の信号も通過可能な第2のフィルタ手段でノイズ成分
を除去しているので、通常運転時にもノイズの影響の少
ないモータ駆動制御を行うことができるという効果も得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるモータ制御装置を示
したブロック図。
【図2】図1の装置のモータ駆動制御部の処理例を示し
たフローチャート。
【図3】本発明の一実施例にかかるモータ制御装置を示
したブロック図。
【図4】本発明の他の実施例にかかるモータ制御装置を
示したブロック図。
【図5】本発明のさらに他の実施例にかかるモータ制御
装置を示したブロック図。
【図6】電動自転車の一例を示した概略斜視図。
【図7】モータ制御装置の従来例を示したブロック図。
【図8】図2の装置の通常運転時の動作を説明するため
の動作波形図。
【図9】従来装置の不都合を説明するためのグラフ図。
【符号の説明】
22,23,24 比較器 25 ゲート回路 27 モータ駆動制御部 30,30’ ローパスフィルタ 31 切換器 32 モータ電流判定部 35 モータ回転数判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−101696(JP,A) 特開 平5−310176(JP,A) 特開 昭62−230392(JP,A) 特開 昭61−52194(JP,A) 特開 昭63−186588(JP,A) 特開 昭63−39490(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/12 B62M 23/02 H02P 6/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性点非接地Y結線された複数の電機子
    コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動する
    モータ駆動装置において、 電機子コイルの中性点電圧信号からノイズ成分を除去す
    るためのフィルタ手段と、 上記フィルタ手段の出力信号または上記中性点電圧信号
    のいずれかを選択して出力する信号選択手段と、 上記信号選択手段が出力する信号に基づいてロータの回
    転位置を検出するロータ回転位置検出手段と、 モータの駆動電流を検出してその検出値が所定値よりも
    大きくなっているときには上記信号選択手段により上記
    フィルタ手段の出力信号を選択させる一方、上記検出値
    が所定値以下のときには、上記信号選択手段により上記
    中性点電圧信号を選択させる選択制御手段と、 起動時、上記電機子コイルを、所定の起動励磁パターン
    で励磁切換した後に、上記回転磁界検出手段の検出信号
    に基づいた所定の通常時運転動作に移行するモータ駆動
    制御手段を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 中性点非接地Y結線された複数の電機子
    コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動する
    モータ駆動装置において、 電機子コイルの中性点電圧信号からノイズ成分を除去す
    るためのフィルタ手段と、 上記フィルタ手段の出力信号または上記中性点電圧信号
    のいずれかを選択して出力する信号選択手段と、 上記信号選択手段が出力する信号に基づいてロータの回
    転位置を検出するロータ回転位置検出手段と、 上記ロータ回転位置検出手段の検出信号に基づいてモー
    タ回転速度を検出し、その検出速度が所定値よりも大き
    いときには上記信号選択手段により上記中性点電圧信号
    を選択させる一方、上記検出速度が所定値以下のときに
    は上記信号選択手段により上記フィルタ手段の出力信号
    を選択させる選択制御手段と、 起動時、上記電機子コイルを、所定の起動励磁パターン
    で励磁切換した後に、上記回転磁界検出手段の検出信号
    に基づいた所定の通常時運転動作に移行するモータ駆動
    制御手段を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 中性点非接地Y結線された複数の電機子
    コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動する
    モータ駆動装置において、 電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が所定
    の低速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除去可能
    な第1のフィルタ手段と、 電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が所定
    の定常速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除去可
    能な第2のフィルタ手段と、 上記第1のフィルタ手段の出力信号または上記第2のフ
    ィルタ手段の出力信号のいずれかを選択して出力する信
    号選択手段と、 上記信号選択手段が出力する信号に基づいてロータの回
    転位置を検出するロータ回転位置検出手段と、 モータの駆動電流を検出してその検出値が所定値よりも
    大きくなっているときには上記信号選択手段により上記
    第1のフィルタ手段の出力信号を選択させる一方、上記
    検出値が所定値以下のときには、上記信号選択手段によ
    り上記第2のフィルタ手段の出力信号を選択させる選択
    制御手段と、 起動時、上記電機子コイルを、所定の起動励磁パターン
    で励磁切換した後に、上記回転磁界検出手段の検出信号
    に基づいた所定の通常時運転動作に移行するモータ駆動
    制御手段を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 中性点非接地Y結線された複数の電機子
    コイルを備えたセンサレスブラシレスモータを駆動する
    モータ駆動装置において、 電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が所定
    の低速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除去可能
    な第1のフィルタ手段と、 電機子コイルの中性点電圧信号から、モータ速度が所定
    の定常速度範囲のときに重畳されるノイズ成分を除去可
    能な第2のフィルタ手段と、 上記第1のフィルタ手段の出力信号または上記第2のフ
    ィルタ手段の出力信号のいずれかを選択して出力する信
    号選択手段と、 上記信号選択手段が出力する信号に基づいてロータの回
    転位置を検出するロータ回転位置検出手段と、 上記ロータ回転位置検出手段の検出信号に基づいてモー
    タ回転速度を検出し、その検出速度が所定値よりも大き
    いときには上記信号選択手段により上記第2のフィルタ
    手段の出力信号を選択させる一方、上記検出速度が所定
    値以下のときには上記信号選択手段により上記第1のフ
    ィルタ手段の出力信号を選択させる選択制御手段と、 起動時、上記電機子コイルを、所定の起動励磁パターン
    で励磁切換した後に、上記回転磁界検出手段の検出信号
    に基づいた所定の通常時運転動作に移行するモータ駆動
    制御手段を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
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