JP3388017B2 - 水質改善装置 - Google Patents
水質改善装置Info
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- JP3388017B2 JP3388017B2 JP09185094A JP9185094A JP3388017B2 JP 3388017 B2 JP3388017 B2 JP 3388017B2 JP 09185094 A JP09185094 A JP 09185094A JP 9185094 A JP9185094 A JP 9185094A JP 3388017 B2 JP3388017 B2 JP 3388017B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は河川水の貯留池、修景・
親水池、湖沼、ダム貯水池、運河・港湾などの水質汚濁
水域に設置される水質改善装置に係り、とりわけ水質汚
濁水域底層のDO不足を解消することができる水質改善
装置に関する。
親水池、湖沼、ダム貯水池、運河・港湾などの水質汚濁
水域に設置される水質改善装置に係り、とりわけ水質汚
濁水域底層のDO不足を解消することができる水質改善
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】河川水の貯留池、修景・親水池、湖沼、
ダム貯水池、および運河・港湾等の水域の水質汚濁が近
年、問題視されているが、水質改善の実例はまだ少な
い。現状、実用あるいは研究開発されている水質改善技
術として、下水二次処理水をろ過及びオゾン処理してせ
せらぎ水として再利用するもの、ダム貯水池に気泡塔を
設け発藻の抑制をするもの、公園池底に散気板を設け散
気するもの、河川水などを礫間接触酸化装置に導入し浄
化するものなどがある。
ダム貯水池、および運河・港湾等の水域の水質汚濁が近
年、問題視されているが、水質改善の実例はまだ少な
い。現状、実用あるいは研究開発されている水質改善技
術として、下水二次処理水をろ過及びオゾン処理してせ
せらぎ水として再利用するもの、ダム貯水池に気泡塔を
設け発藻の抑制をするもの、公園池底に散気板を設け散
気するもの、河川水などを礫間接触酸化装置に導入し浄
化するものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各実例ではそれぞ
れの効果は認められるが、次に述べる問題がある。すな
わち下水二次処理水を再利用する水質改善技術では、せ
せらぎ水として清流を維持する上では十分な処理が行な
われるが、造水コトが高いという問題がある。しかも、
せせらぎ水の流下先が修景池などの広大な滞留水域とな
る場合、せせらぎ水に富栄養化の要因となる栄養物が多
く含まれているため、この水域の富栄養化が避けられ
ず、底層での溶存酸素(DO)の不足により自然浄化能
力が失われ、水質汚濁と悪臭ガスの発生に至ることもあ
る。
れの効果は認められるが、次に述べる問題がある。すな
わち下水二次処理水を再利用する水質改善技術では、せ
せらぎ水として清流を維持する上では十分な処理が行な
われるが、造水コトが高いという問題がある。しかも、
せせらぎ水の流下先が修景池などの広大な滞留水域とな
る場合、せせらぎ水に富栄養化の要因となる栄養物が多
く含まれているため、この水域の富栄養化が避けられ
ず、底層での溶存酸素(DO)の不足により自然浄化能
力が失われ、水質汚濁と悪臭ガスの発生に至ることもあ
る。
【0004】ダム貯水池に気泡塔を設置した場合、上昇
気泡流と水温差により中層から表層、表層横流から中層
への下降流と緩やかな循環流を形成し、藻類の繁殖に必
要な日光の及ばない中層域に藻類を移動させ、その繁殖
を抑制することができる。しかしながら、この循環流の
形成は、雨水の流入や貯水の使用量の変動あるいは水温
分布の変動などの影響を受けやすく、その効果が不十分
になることがある。また気泡塔が十分な機能を示して
も、水域全体の富栄養化状態は変わらず、特に、水域全
体に棲息する生物の死骸の溜まり場所である底層でのD
O不足が深刻となり、自然(生物)の浄化機能の低下の
ほか、季節的水温分布変化による淡水での青潮現象の発
生などの水質汚濁を防止することはできない。
気泡流と水温差により中層から表層、表層横流から中層
への下降流と緩やかな循環流を形成し、藻類の繁殖に必
要な日光の及ばない中層域に藻類を移動させ、その繁殖
を抑制することができる。しかしながら、この循環流の
形成は、雨水の流入や貯水の使用量の変動あるいは水温
分布の変動などの影響を受けやすく、その効果が不十分
になることがある。また気泡塔が十分な機能を示して
も、水域全体の富栄養化状態は変わらず、特に、水域全
体に棲息する生物の死骸の溜まり場所である底層でのD
O不足が深刻となり、自然(生物)の浄化機能の低下の
ほか、季節的水温分布変化による淡水での青潮現象の発
生などの水質汚濁を防止することはできない。
【0005】池などの底層のDO補給方法として、散気
板などから空気の気泡を放出させるものが一般的に考え
られているが、上昇気泡による溶解効率が低く供給した
空気の大半以上を大気へ放出するむだがあり、最もDO
を必要とする底層へのDO補給を効率的に実施すること
が困難である。また河川水などの浄化に一部実用化され
ている礫間接触酸化装置などの水処理装置は、その処理
対象水を数時間以上は滞留(反応)させるため処理槽が
必要となり、処理槽を設置するための広大な設置スペー
スを水域外に確保することが困難な場合が多く、設置や
運転コトも高くなるという問題がある。
板などから空気の気泡を放出させるものが一般的に考え
られているが、上昇気泡による溶解効率が低く供給した
空気の大半以上を大気へ放出するむだがあり、最もDO
を必要とする底層へのDO補給を効率的に実施すること
が困難である。また河川水などの浄化に一部実用化され
ている礫間接触酸化装置などの水処理装置は、その処理
対象水を数時間以上は滞留(反応)させるため処理槽が
必要となり、処理槽を設置するための広大な設置スペー
スを水域外に確保することが困難な場合が多く、設置や
運転コトも高くなるという問題がある。
【0006】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、汚濁水域の底層のDO不足を解消し、底層
に棲息する生物による自然浄化能力を省エネルギーで回
復することができる水質改善装置を提供することを目的
とする。
ものであり、汚濁水域の底層のDO不足を解消し、底層
に棲息する生物による自然浄化能力を省エネルギーで回
復することができる水質改善装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空部を有
し、この中空部と外方とを連通する多数のガス透過孔が
形成された多孔質膜からなる水質改善素子と、この水質
改善素子を保持するとともに、水質改善素子の中空部と
連通する連通路を有する基材と、この基材に接続された
送気管とを有し、水中底部に設置される水質改善ユニッ
トと、前記送気管に接続され、前記水質改善素子の中空
部内の圧力がバブル点以下となる酸素含有気体を送気す
る送気装置と、を備えたことを特徴とする水質改善装
置、中空部を有する多孔質体と、この多孔質体の内面ま
たは外面に設けられた多孔質膜と、前記中空部に接続さ
れた送気管とを有し、水中底部に配置される水質改善ユ
ニットと、前記送気管に接続され、前記多孔質体の中空
部内の圧力がバブル点以下となるよう酸素含有気体を送
気する送気装置と、を備えたことを特徴とする水質改善
装置、および中空部を有し、この中空部と外方とを連通
する多数のガス透過孔が形成された多孔質体からなる複
数の水質改善素子と、この水質改善素子をその両端部で
保持するとともに、水質改善素子の中空部と連通する連
通路を有する基材と、前記複数の水質改善素子の基材同
志を連結する継材と、前記基材に接続された送気管とを
有し、水中底部に配置される水質改善ユニットと、前記
送気管に接続され、前記水質改善素子の中空部内の圧力
がバブル点以下となるよう酸素含有気体を送気する送気
装置と、を備えたことを特徴とする水質改善装置であ
る。
し、この中空部と外方とを連通する多数のガス透過孔が
形成された多孔質膜からなる水質改善素子と、この水質
改善素子を保持するとともに、水質改善素子の中空部と
連通する連通路を有する基材と、この基材に接続された
送気管とを有し、水中底部に設置される水質改善ユニッ
トと、前記送気管に接続され、前記水質改善素子の中空
部内の圧力がバブル点以下となる酸素含有気体を送気す
る送気装置と、を備えたことを特徴とする水質改善装
置、中空部を有する多孔質体と、この多孔質体の内面ま
たは外面に設けられた多孔質膜と、前記中空部に接続さ
れた送気管とを有し、水中底部に配置される水質改善ユ
ニットと、前記送気管に接続され、前記多孔質体の中空
部内の圧力がバブル点以下となるよう酸素含有気体を送
気する送気装置と、を備えたことを特徴とする水質改善
装置、および中空部を有し、この中空部と外方とを連通
する多数のガス透過孔が形成された多孔質体からなる複
数の水質改善素子と、この水質改善素子をその両端部で
保持するとともに、水質改善素子の中空部と連通する連
通路を有する基材と、前記複数の水質改善素子の基材同
志を連結する継材と、前記基材に接続された送気管とを
有し、水中底部に配置される水質改善ユニットと、前記
送気管に接続され、前記水質改善素子の中空部内の圧力
がバブル点以下となるよう酸素含有気体を送気する送気
装置と、を備えたことを特徴とする水質改善装置であ
る。
【0008】
【作用】本発明によれば、送気装置から水質改善ユニッ
ト内に酸素含有気体が供給される。この場合、水質改善
ユニットの水質改善素子または多孔質体内部の中空部内
の圧力がバブル点以下となるので、水質改善素子または
多孔質体から水中底部へ溶存酸素がバブルレスで補給さ
れる。このため、酸素含有気体中の酸素をむだなく水中
底部に溶解させることができる。
ト内に酸素含有気体が供給される。この場合、水質改善
ユニットの水質改善素子または多孔質体内部の中空部内
の圧力がバブル点以下となるので、水質改善素子または
多孔質体から水中底部へ溶存酸素がバブルレスで補給さ
れる。このため、酸素含有気体中の酸素をむだなく水中
底部に溶解させることができる。
【0009】
【実施例】第1の実施例
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。図1(a)(b)および図2は、本発明による水質
改善装置の第1の実施例を示す図である。
る。図1(a)(b)および図2は、本発明による水質
改善装置の第1の実施例を示す図である。
【0010】このうち、図1(a)(b)は水質改善装
置の構成を示す図であり、図2は複数の水質改善ユニッ
トを水中の底面に配設した状態を示す図である。
置の構成を示す図であり、図2は複数の水質改善ユニッ
トを水中の底面に配設した状態を示す図である。
【0011】図1(a)(b)に示すように水質改善ユ
ニット1は、多数のガス透過孔を有する浮遊性多孔質膜
からなる水質改善素子としての中空糸束2と、中空糸束
2を保持するとともに中空糸束2の中空部2bと連通す
る連通路(図示せず)を有する基材3と、基材3に接続
され中空糸束2の中空部2bと連通する送気管4で構成
される。
ニット1は、多数のガス透過孔を有する浮遊性多孔質膜
からなる水質改善素子としての中空糸束2と、中空糸束
2を保持するとともに中空糸束2の中空部2bと連通す
る連通路(図示せず)を有する基材3と、基材3に接続
され中空糸束2の中空部2bと連通する送気管4で構成
される。
【0012】中空糸束2は水処理ろ過で一般的に用いら
れている0.3〜数mm程度の外径をもち0.1μm程度
のガス透過孔が形成された中空糸膜2aを複数本まとめ
たものであり、各中空糸膜2a内が中空部2a内で中空
部2bとなっている。本実施例では中空糸膜2aとして
浮力により水中に浮遊する材料が選定される。中空糸束
2の浮遊上端部は、図1(b)では封止端末形となって
いるが、中空糸束2の両端末とも基材3に固着し、中空
糸束2の浮遊上端部が逆U字形になる一般的なものでも
よい。送気管4には、別の水質改善ユニット1や後述す
る送気本管との配管接続のための継手5が設けられる
が、継手5を基材3に設けてもよい。
れている0.3〜数mm程度の外径をもち0.1μm程度
のガス透過孔が形成された中空糸膜2aを複数本まとめ
たものであり、各中空糸膜2a内が中空部2a内で中空
部2bとなっている。本実施例では中空糸膜2aとして
浮力により水中に浮遊する材料が選定される。中空糸束
2の浮遊上端部は、図1(b)では封止端末形となって
いるが、中空糸束2の両端末とも基材3に固着し、中空
糸束2の浮遊上端部が逆U字形になる一般的なものでも
よい。送気管4には、別の水質改善ユニット1や後述す
る送気本管との配管接続のための継手5が設けられる
が、継手5を基材3に設けてもよい。
【0013】また図2に示すように送気管4には、後述
する送気本管7を介して酸素含有気体、例えば空気を送
気する送気装置9が接続され、この送気装置9により中
空糸膜2a内の中空部2b内の圧力がバブルポイント
(1〜2×105 pa)以下となるよう送気される。
する送気本管7を介して酸素含有気体、例えば空気を送
気する送気装置9が接続され、この送気装置9により中
空糸膜2a内の中空部2b内の圧力がバブルポイント
(1〜2×105 pa)以下となるよう送気される。
【0014】また図2において、図1に示す水質改善ユ
ニット1が例えば3個直列に送気管4の継手5を介して
連結され、連結された一連の水質改善ユニット1に関
し、その一方端が保守用の開閉弁6を介して送気本管7
に接続され、送気本管7から最遠部となる水質改善ユニ
ット1の継手5の他方端に封止材8が取付けられてい
る。送気本管7には、一連の水質改善ユニット1が必要
な数だけ汚濁水域底面に自在に配設される。また、送気
本管7の送気装置9からの最遠部にも、封止材8が取付
けられている。これら一連の水質改善ユニット1は汚濁
水域底面上に据置く形で配設される。このような底面に
は起伏があるのが一般的であるので、その送気管4およ
び送気本管8等としては軟質管が用いられ、継手材5と
しては保守を考慮して簡単に脱着できるものが使用され
る。なお、上述のように中空糸束2と基材3と送気管4
とによって水質改善ユニット1が構成され、一連の水質
改善ユニット1と水質改善ユニット1に送気本管7を介
して接続された送気装置9とによって水質改善装置が構
成される。
ニット1が例えば3個直列に送気管4の継手5を介して
連結され、連結された一連の水質改善ユニット1に関
し、その一方端が保守用の開閉弁6を介して送気本管7
に接続され、送気本管7から最遠部となる水質改善ユニ
ット1の継手5の他方端に封止材8が取付けられてい
る。送気本管7には、一連の水質改善ユニット1が必要
な数だけ汚濁水域底面に自在に配設される。また、送気
本管7の送気装置9からの最遠部にも、封止材8が取付
けられている。これら一連の水質改善ユニット1は汚濁
水域底面上に据置く形で配設される。このような底面に
は起伏があるのが一般的であるので、その送気管4およ
び送気本管8等としては軟質管が用いられ、継手材5と
しては保守を考慮して簡単に脱着できるものが使用され
る。なお、上述のように中空糸束2と基材3と送気管4
とによって水質改善ユニット1が構成され、一連の水質
改善ユニット1と水質改善ユニット1に送気本管7を介
して接続された送気装置9とによって水質改善装置が構
成される。
【0015】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。まず送気装置9から送気本管7に
酸素含有気体が、中空糸束2の中空部2b内の圧力がバ
ブル点(ポイント)以下の所要圧力となるよう供給され
る。酸素含有気体は一般的には圧縮空気で十分である
が、高濃度酸素、純酸素を用いるとより低圧力で酸素供
給という目的が達成される。酸素含有気体は送気本管7
から各水質改善ユニット1の中空糸束2に供給され、中
空糸束2からガス透過孔を経て近傍の水中にバブルが発
生しない状態、すなわちバブルレスでDOが補給され
る。
用について説明する。まず送気装置9から送気本管7に
酸素含有気体が、中空糸束2の中空部2b内の圧力がバ
ブル点(ポイント)以下の所要圧力となるよう供給され
る。酸素含有気体は一般的には圧縮空気で十分である
が、高濃度酸素、純酸素を用いるとより低圧力で酸素供
給という目的が達成される。酸素含有気体は送気本管7
から各水質改善ユニット1の中空糸束2に供給され、中
空糸束2からガス透過孔を経て近傍の水中にバブルが発
生しない状態、すなわちバブルレスでDOが補給され
る。
【0016】このように中空糸束2からガス透過孔を経
て、バブルレスでDOが補給される場合、中空糸膜2a
の多数のガス透過孔を介して行われる内部の気体と外部
の液体との間の気液接触により、送気酸素含有気体中の
酸素はむだなく水中に溶解する。気液接触によるDO補
給速度は、気液接触面積、および飽和DOと実際のDO
との差に比例して大きくなり、酸素含有気体の酸素濃度
が高い程、また酸素含有気体の圧力が高い程大きくな
る。中空糸束2として水処理ろ過用に使用される0.1
μm程度のガス透過孔を有する中空糸膜2aを用いる
と、中空糸膜2aの中空部2b内を1〜2×105 Pa
のバブルポイント圧力より低い圧力とすることにより、
中空糸束2近傍の水中のDO不足を解消することができ
る。なお、中空部2b内をバブルポイント圧力以下とし
た場合でも、送気装置9からの実際の送気圧力は水深相
当分を加えた圧力となる。また汚濁水域の悪化が大きい
場合、あるいは水質改善ユニット1の底面配設密度を小
さくしなければならず空気によるDO補給が不足する場
合は、空気に代えて高濃度酸素や純酸素にすればよい。
中空糸膜2aのガス透過孔の大きさは、水中細菌類の中
空内部への侵入防止と送気圧力を可能な限り高く維持す
るうえで0.45μm以下が好ましく、またその有孔率
は気液接触面積を上げる意味で大きい方が望ましい。
て、バブルレスでDOが補給される場合、中空糸膜2a
の多数のガス透過孔を介して行われる内部の気体と外部
の液体との間の気液接触により、送気酸素含有気体中の
酸素はむだなく水中に溶解する。気液接触によるDO補
給速度は、気液接触面積、および飽和DOと実際のDO
との差に比例して大きくなり、酸素含有気体の酸素濃度
が高い程、また酸素含有気体の圧力が高い程大きくな
る。中空糸束2として水処理ろ過用に使用される0.1
μm程度のガス透過孔を有する中空糸膜2aを用いる
と、中空糸膜2aの中空部2b内を1〜2×105 Pa
のバブルポイント圧力より低い圧力とすることにより、
中空糸束2近傍の水中のDO不足を解消することができ
る。なお、中空部2b内をバブルポイント圧力以下とし
た場合でも、送気装置9からの実際の送気圧力は水深相
当分を加えた圧力となる。また汚濁水域の悪化が大きい
場合、あるいは水質改善ユニット1の底面配設密度を小
さくしなければならず空気によるDO補給が不足する場
合は、空気に代えて高濃度酸素や純酸素にすればよい。
中空糸膜2aのガス透過孔の大きさは、水中細菌類の中
空内部への侵入防止と送気圧力を可能な限り高く維持す
るうえで0.45μm以下が好ましく、またその有孔率
は気液接触面積を上げる意味で大きい方が望ましい。
【0017】この間、中空糸束2は浮力で水中で浮遊
し、水草状の形態になり、水質浄化に寄与する微生物、
微少動物、魚類などの好適な繁殖域が形成され、汚濁水
域の自然浄化能力が回復する作用をもたらす。また水質
改善ユニット1が汚濁水域の底面上に適切な分布で配設
されることにより、従来DO不足により自然浄化機能が
失われていた汚濁水域底層のDO不足を省エネルギー的
に解消することができる。さらに大きな接触面積を有す
る水質改善ユニット1を基地とする底層域の生物活性域
が形成され、自然浄化機能が十分に発揮されるようにな
る。
し、水草状の形態になり、水質浄化に寄与する微生物、
微少動物、魚類などの好適な繁殖域が形成され、汚濁水
域の自然浄化能力が回復する作用をもたらす。また水質
改善ユニット1が汚濁水域の底面上に適切な分布で配設
されることにより、従来DO不足により自然浄化機能が
失われていた汚濁水域底層のDO不足を省エネルギー的
に解消することができる。さらに大きな接触面積を有す
る水質改善ユニット1を基地とする底層域の生物活性域
が形成され、自然浄化機能が十分に発揮されるようにな
る。
【0018】このように、本実施例によれば、中空糸束
2の上端部が固着されず垂直状に近い形で浮遊するた
め、DOの溶解と水中拡散が促進され、また自然浄化能
力が発揮される底層の上下幅が拡大できる。さらに自然
沈降物の沈積に対する耐用年数を大きくできる。また自
然沈降物が沈積して水中部分の中空糸束2の表面積が減
少しても、酸素含有気体の圧力設定を上げることによ
り、表面積の減少分を補充できる。また、個々の水質改
善ユニット1、あるいは一連の水質改善ユニット1の送
気管4および送気本管7を軟質管にすることにより、自
然沈降物の沈積量が多くなった場合、引掛竿等により簡
単に水質改善ユニット1を少し上方に移動でき、長年に
わたって、水質改善装置の効果を維持できる。第2の実施例 本発明の第2の実施例を図3および図4により説明す
る。図3に示すように水質改善ユニット10は一対の基
材12と一対の送気管13とを平面的に組立ててなり、
水質改善素子としての中空糸束11の両端がそれぞれ相
対する基材12に固着され、全体として平面的に組立て
られている。また送気管13には継手14が設けられて
いるが、継手14を基材12に設けてもよい。
2の上端部が固着されず垂直状に近い形で浮遊するた
め、DOの溶解と水中拡散が促進され、また自然浄化能
力が発揮される底層の上下幅が拡大できる。さらに自然
沈降物の沈積に対する耐用年数を大きくできる。また自
然沈降物が沈積して水中部分の中空糸束2の表面積が減
少しても、酸素含有気体の圧力設定を上げることによ
り、表面積の減少分を補充できる。また、個々の水質改
善ユニット1、あるいは一連の水質改善ユニット1の送
気管4および送気本管7を軟質管にすることにより、自
然沈降物の沈積量が多くなった場合、引掛竿等により簡
単に水質改善ユニット1を少し上方に移動でき、長年に
わたって、水質改善装置の効果を維持できる。第2の実施例 本発明の第2の実施例を図3および図4により説明す
る。図3に示すように水質改善ユニット10は一対の基
材12と一対の送気管13とを平面的に組立ててなり、
水質改善素子としての中空糸束11の両端がそれぞれ相
対する基材12に固着され、全体として平面的に組立て
られている。また送気管13には継手14が設けられて
いるが、継手14を基材12に設けてもよい。
【0019】中空糸束11は多数のガス透過孔が形成さ
れた中空部2bを有する中空糸膜2aからなる(図1
(b))。なお、中空糸束11の代わりに、管状体、あ
るいは織物状中空糸を用いてもよい。図4に、織物状中
空糸11aを水質改善素子とする部分構成を示す。図3
および図4に示す水質改善ユニット10は、第1の実施
例の水質改善ユニット1と同様に、汚濁水域の底面に配
設されて水質改善装置を構成する。
れた中空部2bを有する中空糸膜2aからなる(図1
(b))。なお、中空糸束11の代わりに、管状体、あ
るいは織物状中空糸を用いてもよい。図4に、織物状中
空糸11aを水質改善素子とする部分構成を示す。図3
および図4に示す水質改善ユニット10は、第1の実施
例の水質改善ユニット1と同様に、汚濁水域の底面に配
設されて水質改善装置を構成する。
【0020】なお、継手14には、送気本管7等を介し
て送気装置9が接続され、送気装置9により中空部2b
内の圧力がバブルポイント以下となるよう送気される。
て送気装置9が接続され、送気装置9により中空部2b
内の圧力がバブルポイント以下となるよう送気される。
【0021】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。
用について説明する。
【0022】図3において、中空糸束11は表面積が大
きいため、DO補給や自然浄化能力の効率が高くなる。
また中空糸束11の代わりに有機材料の管状体を用いた
場合は、中空糸束11より表面積は小さくなるが、機械
的強度が上がり、より強固な水質改善ユニット10が構
成できる。
きいため、DO補給や自然浄化能力の効率が高くなる。
また中空糸束11の代わりに有機材料の管状体を用いた
場合は、中空糸束11より表面積は小さくなるが、機械
的強度が上がり、より強固な水質改善ユニット10が構
成できる。
【0023】図4において、織物状中空糸11aは中空
糸束11に用いた中空糸膜2a(図1(b)参照)を織
物状にしたものであり、中空糸膜2aの支持強度が向上
し、中空糸膜2aの全表面積を最大限に活用できる表面
積の大きい水質改善ユニット10が構成される。
糸束11に用いた中空糸膜2a(図1(b)参照)を織
物状にしたものであり、中空糸膜2aの支持強度が向上
し、中空糸膜2aの全表面積を最大限に活用できる表面
積の大きい水質改善ユニット10が構成される。
【0024】本実施例における中空糸束11または織物
状中空糸11aは、汚濁水域の底面に近接して平面的に
配設される。このため底層の底面寄りの自然浄化に好適
となる。底面は自然沈降物の沈積場所となっており、有
機物が多いためDO不足が解消されると汚濁水域で最大
の自然浄化能力が発揮されることになる。
状中空糸11aは、汚濁水域の底面に近接して平面的に
配設される。このため底層の底面寄りの自然浄化に好適
となる。底面は自然沈降物の沈積場所となっており、有
機物が多いためDO不足が解消されると汚濁水域で最大
の自然浄化能力が発揮されることになる。
【0025】図3および図4に示すように、本実施例で
は水質改善ユニット10が自然沈積物で軽く覆われた状
態で使用できるため、景観を損うことなく目的が達せら
れる効果もある。
は水質改善ユニット10が自然沈積物で軽く覆われた状
態で使用できるため、景観を損うことなく目的が達せら
れる効果もある。
【0026】なお、中空糸束11の代わりに用いる管状
体としては、有機材料のものだけでなく、セラミックス
や金属焼結などの無機材料のものを用いることができ、
この場合は、水質改善ユニット10の機械的強度が向上
する。第3の実施例 本発明の第3の実施例を図5(a)(b)により説明す
る。図5(a)(b)において、第3の実施例は、図3
および図4に示す水質改善ユニット10のいずれかある
いはそれらを多段に組合せて集積形水質改善ユニット2
0を構成したものである。すなわち、図5(a)に示す
ように集積形水質改善ユニット20は、水質改善ユニッ
ト10を平面状に多段に組合せてなり、各水質改善ユニ
ット10同志は、お互いの基材12、送気材13または
継手14のいずれかと連結されている。また図5(b)
に示すように、集積形水質改善ユニット22を、水質改
善ユニット10を複数個垂直形に連結して構成してもよ
い。なお水質改善ユニット10の連結形態は、図5
(a)(b)に示す例に限らず傾斜形に連結してもよ
い。これら集積形水質改善ユニット20,22は、第1
および第2の実施例の水質改善ユニット1及び10と同
様に底面21に配設され水質改善装置を構成する。
体としては、有機材料のものだけでなく、セラミックス
や金属焼結などの無機材料のものを用いることができ、
この場合は、水質改善ユニット10の機械的強度が向上
する。第3の実施例 本発明の第3の実施例を図5(a)(b)により説明す
る。図5(a)(b)において、第3の実施例は、図3
および図4に示す水質改善ユニット10のいずれかある
いはそれらを多段に組合せて集積形水質改善ユニット2
0を構成したものである。すなわち、図5(a)に示す
ように集積形水質改善ユニット20は、水質改善ユニッ
ト10を平面状に多段に組合せてなり、各水質改善ユニ
ット10同志は、お互いの基材12、送気材13または
継手14のいずれかと連結されている。また図5(b)
に示すように、集積形水質改善ユニット22を、水質改
善ユニット10を複数個垂直形に連結して構成してもよ
い。なお水質改善ユニット10の連結形態は、図5
(a)(b)に示す例に限らず傾斜形に連結してもよ
い。これら集積形水質改善ユニット20,22は、第1
および第2の実施例の水質改善ユニット1及び10と同
様に底面21に配設され水質改善装置を構成する。
【0027】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。本実施例の集積形水質改善ユニッ
ト20,22は、底面より高い位置にまで達するので、
底層の下から上までの広範囲にわたって自然浄化能力が
発揮され、自然沈積物に対する耐用年数を大きくするこ
とができる。また本実施例の集積形水質改善ユニット2
0,22はより強固に構成されるため、本来の機能を長
年にわたって維持できる。さらに汚濁水域が完全閉鎖域
でない限り水域の底層にも水流があり、集積形水質改善
ユニット20,22は底面より上方に突出した形になる
ので、この汚濁水流に対する自然浄化能力も合せ持たせ
ることができる。このため集積形水質改善装置20,2
2の配設場所から下流域の水質改善にも貢献することが
できる。したがって、所定の汚濁水域の水質改善を実施
する場合、所定場所の底面や底層に水質改善装置20,
22を配設するとともに、所定の汚濁場所の上流域に集
積形水質改善装置20,22を配設することにより、よ
り効果的な水質改善がなされることになる。この場合、
汚濁水流の高さ位置や強さ、流入浮遊物の沈積物の状況
に合せたより良い設計ができる。第4の実施例 本発明の第4の実施例を図6(a)(b)により説明す
る。図6(a)に示すように、水質改善ユニット32は
中空部を有する平板状の多孔質体30と、中空部に接続
された送気管31と、多孔質体30の内面に設けられた
ガス透過孔を有する多孔質膜とで構成される。多孔質体
30は、セラミックス、焼結金属などの無機材料やゴ
ム、プラスチックスなどの有機材料でつくられ、また多
孔質膜は多孔質体30と同種のあるいは異種材料からな
り、ガス透過孔を多数有している。多孔質膜の内側は、
中空部となっているが、酸素含有気体の拡散が自由にで
きるすき間があれば中空部の形態は問わない。また多孔
質体30の外表面は、多孔質膜のガス透過孔より大きい
孔を多数有している。なお、多孔質膜のガス透過孔の大
きさは、前述の第1の実施例と同様である。また、図6
(b)に示すように、水質改善ユニット34を岩状など
のブロック状の多孔質体33で構成してもよい。また、
送気管31には、送気装置9(図2参照)が接続され、
この送気装置9によって中空部内がバブルポイント以下
の圧力となるよう送気される。
用について説明する。本実施例の集積形水質改善ユニッ
ト20,22は、底面より高い位置にまで達するので、
底層の下から上までの広範囲にわたって自然浄化能力が
発揮され、自然沈積物に対する耐用年数を大きくするこ
とができる。また本実施例の集積形水質改善ユニット2
0,22はより強固に構成されるため、本来の機能を長
年にわたって維持できる。さらに汚濁水域が完全閉鎖域
でない限り水域の底層にも水流があり、集積形水質改善
ユニット20,22は底面より上方に突出した形になる
ので、この汚濁水流に対する自然浄化能力も合せ持たせ
ることができる。このため集積形水質改善装置20,2
2の配設場所から下流域の水質改善にも貢献することが
できる。したがって、所定の汚濁水域の水質改善を実施
する場合、所定場所の底面や底層に水質改善装置20,
22を配設するとともに、所定の汚濁場所の上流域に集
積形水質改善装置20,22を配設することにより、よ
り効果的な水質改善がなされることになる。この場合、
汚濁水流の高さ位置や強さ、流入浮遊物の沈積物の状況
に合せたより良い設計ができる。第4の実施例 本発明の第4の実施例を図6(a)(b)により説明す
る。図6(a)に示すように、水質改善ユニット32は
中空部を有する平板状の多孔質体30と、中空部に接続
された送気管31と、多孔質体30の内面に設けられた
ガス透過孔を有する多孔質膜とで構成される。多孔質体
30は、セラミックス、焼結金属などの無機材料やゴ
ム、プラスチックスなどの有機材料でつくられ、また多
孔質膜は多孔質体30と同種のあるいは異種材料からな
り、ガス透過孔を多数有している。多孔質膜の内側は、
中空部となっているが、酸素含有気体の拡散が自由にで
きるすき間があれば中空部の形態は問わない。また多孔
質体30の外表面は、多孔質膜のガス透過孔より大きい
孔を多数有している。なお、多孔質膜のガス透過孔の大
きさは、前述の第1の実施例と同様である。また、図6
(b)に示すように、水質改善ユニット34を岩状など
のブロック状の多孔質体33で構成してもよい。また、
送気管31には、送気装置9(図2参照)が接続され、
この送気装置9によって中空部内がバブルポイント以下
の圧力となるよう送気される。
【0028】本実施例による水質改善ユニット32およ
び34は、自然の岩石状に製作でき、これらが汚濁水域
の底面に配設されても、不自然さがなく景観上の利点が
ある。なお、多孔質膜は多孔質体30,33の外面また
は内面のいずれに設けてもよい。第5の実施例 本発明の第5の実施例を図7(a)(b)および図8
(a)(b)により説明する。図7(a)(b)に示す
ように、水質改善ユニット40は多数のガス透過孔を有
する水質改善素子としての中空状の軟質多孔質膜41
と、この多孔質膜41の両端末に固着された基材42
と、複数の多孔質膜41の基材42同志を連結するため
の継材43と、遠端の多孔質膜41の端末基材42に取
付けられた封止材44とにより長尺状に構成される。多
孔質膜41のガス透過孔は、第1の実施例のものと同様
であり、多孔質膜41は図7(a)に示すように管状体
に形成されている。
び34は、自然の岩石状に製作でき、これらが汚濁水域
の底面に配設されても、不自然さがなく景観上の利点が
ある。なお、多孔質膜は多孔質体30,33の外面また
は内面のいずれに設けてもよい。第5の実施例 本発明の第5の実施例を図7(a)(b)および図8
(a)(b)により説明する。図7(a)(b)に示す
ように、水質改善ユニット40は多数のガス透過孔を有
する水質改善素子としての中空状の軟質多孔質膜41
と、この多孔質膜41の両端末に固着された基材42
と、複数の多孔質膜41の基材42同志を連結するため
の継材43と、遠端の多孔質膜41の端末基材42に取
付けられた封止材44とにより長尺状に構成される。多
孔質膜41のガス透過孔は、第1の実施例のものと同様
であり、多孔質膜41は図7(a)に示すように管状体
に形成されている。
【0029】また、図7(b)に示すように管状体のも
のに限らず、水質改善素子として中空糸束4を用いても
よい。この場合、基材46と中空糸束45は、基材46
の固着部47で一体化される。図7(b)に示すように
水質改善素子が中空糸束45からなり浮遊性を有する場
合は、基材46、継材43、または封止材44として沈
む材料を使用し、水質改善ユニット40全体を水中に沈
下するようにする。継材43や封止材44は通常、継手
と呼ばれる汎用のものが使用できる。
のに限らず、水質改善素子として中空糸束4を用いても
よい。この場合、基材46と中空糸束45は、基材46
の固着部47で一体化される。図7(b)に示すように
水質改善素子が中空糸束45からなり浮遊性を有する場
合は、基材46、継材43、または封止材44として沈
む材料を使用し、水質改善ユニット40全体を水中に沈
下するようにする。継材43や封止材44は通常、継手
と呼ばれる汎用のものが使用できる。
【0030】図8に示すように水質改善ユニット40
は、汚濁水域の底面上に自在に配設され、封止材44の
付いていない方の端末基材42、46は保守用の開閉弁
48を介して送気本管49に配管接続される。送気本管
49には、多孔質膜または中空糸束の中空部内がバブル
点以下の圧力となるよう酸素含有気体を送気する送気装
置9(図2参照)に接続されている。
は、汚濁水域の底面上に自在に配設され、封止材44の
付いていない方の端末基材42、46は保守用の開閉弁
48を介して送気本管49に配管接続される。送気本管
49には、多孔質膜または中空糸束の中空部内がバブル
点以下の圧力となるよう酸素含有気体を送気する送気装
置9(図2参照)に接続されている。
【0031】本実施例によれば、水質改善ユニット40
が軟質の多孔質膜41または中空糸膜45から成る一本
の長尺形状となるため、汚濁水域底面の起伏や障害物の
状況に合せて自在にこれを配設することができる。また
水質改善程度に合せて、水質改善ユニット40の長さを
調整することができ、さらに引き上げ保守時にロープを
たぐるように容易に水質改善ユニットを引き上げること
ができる。第6の実施例 本発明の第6の実施例は、上記各実施例における水質改
善ユニット1,10,20,22,32,34,40あ
るいは送気本管7,49の端末部に設けた封止材8,4
4の代わりに、キャピラリィあるいは微量流量弁を取付
けたものであり、他は上記各実施例と同様である。
が軟質の多孔質膜41または中空糸膜45から成る一本
の長尺形状となるため、汚濁水域底面の起伏や障害物の
状況に合せて自在にこれを配設することができる。また
水質改善程度に合せて、水質改善ユニット40の長さを
調整することができ、さらに引き上げ保守時にロープを
たぐるように容易に水質改善ユニットを引き上げること
ができる。第6の実施例 本発明の第6の実施例は、上記各実施例における水質改
善ユニット1,10,20,22,32,34,40あ
るいは送気本管7,49の端末部に設けた封止材8,4
4の代わりに、キャピラリィあるいは微量流量弁を取付
けたものであり、他は上記各実施例と同様である。
【0032】本実施例において、酸素含有気体圧力は上
記各実施例同様に、水質改善ユニット1,10,20,
22,32,34,40内においてバブルボイント以下
の圧力を維持する。封止材8,44の代わりに取付られ
たキャピラリィあるいは微量流量弁は、この圧力を維持
した状態で酸素含有気体を設定微少流量で水中に発泡
(バブル)放出する。
記各実施例同様に、水質改善ユニット1,10,20,
22,32,34,40内においてバブルボイント以下
の圧力を維持する。封止材8,44の代わりに取付られ
たキャピラリィあるいは微量流量弁は、この圧力を維持
した状態で酸素含有気体を設定微少流量で水中に発泡
(バブル)放出する。
【0033】封止材8,44が取付けられた上記各実施
例では、送気本管7,49から供給される酸素含有気体
は水質改善ユニット1,10,20,22,32,3
4,40のガス透過孔からのみバブルレスで水中に溶解
する。ところで酸素含有気体中の酸素の溶解量は、一般
に他の共存気体の溶解量より多くなるため、送気本管
7,49あるいはこれに配管接続される一連の水質改善
ユニット1,10,20,22,32,34,40の送
気距離が長くなると、酸素含有気体全体の移動をともな
う酸素の気相中拡散補給が不十分となり、送気装置から
離れた遠方部での酸素含有気体中の酸素濃度が低下し、
DO補給能力が低下することがある。このような場合、
キャピラリィや微量流量弁を取付けることにより、送気
距離の遠方部まで酸素含有気体全体が十分に移動できる
ようになり、DO補給能力の低下を防ぐことができる。
キャピラリィなどの取付け位置は送気距離の最遠部のみ
に限定されず、必要に応じて送気距離の途中に設けても
よい。
例では、送気本管7,49から供給される酸素含有気体
は水質改善ユニット1,10,20,22,32,3
4,40のガス透過孔からのみバブルレスで水中に溶解
する。ところで酸素含有気体中の酸素の溶解量は、一般
に他の共存気体の溶解量より多くなるため、送気本管
7,49あるいはこれに配管接続される一連の水質改善
ユニット1,10,20,22,32,34,40の送
気距離が長くなると、酸素含有気体全体の移動をともな
う酸素の気相中拡散補給が不十分となり、送気装置から
離れた遠方部での酸素含有気体中の酸素濃度が低下し、
DO補給能力が低下することがある。このような場合、
キャピラリィや微量流量弁を取付けることにより、送気
距離の遠方部まで酸素含有気体全体が十分に移動できる
ようになり、DO補給能力の低下を防ぐことができる。
キャピラリィなどの取付け位置は送気距離の最遠部のみ
に限定されず、必要に応じて送気距離の途中に設けても
よい。
【0034】キャピラリィなどによる酸素含有気体の発
泡により、酸素含有気体の消費量は少し増大するが、従
来の散気板などの消費量より格段に小さくすることがで
きる。
泡により、酸素含有気体の消費量は少し増大するが、従
来の散気板などの消費量より格段に小さくすることがで
きる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
汚濁水域の根源となっている水中底部に酸素含有気体中
の酸素をむだなく溶解させることができるので、底部の
DO不足をバブルレスを基本とする水質改善装置によっ
て省エネルギー的に解消することができる。また、この
水質改善装置を基地とする底層棲息生物による自然浄化
能力により、汚濁水域の水質改善がなされる。さらに水
質改善装置は汚濁水域の底部に設置されるので、通常の
水処理装置のように、新たに大きな陸地上の設置スペー
スを必要としない。
汚濁水域の根源となっている水中底部に酸素含有気体中
の酸素をむだなく溶解させることができるので、底部の
DO不足をバブルレスを基本とする水質改善装置によっ
て省エネルギー的に解消することができる。また、この
水質改善装置を基地とする底層棲息生物による自然浄化
能力により、汚濁水域の水質改善がなされる。さらに水
質改善装置は汚濁水域の底部に設置されるので、通常の
水処理装置のように、新たに大きな陸地上の設置スペー
スを必要としない。
【図1】本発明による水質改善装置の第1の実施例を示
す構成図。
す構成図。
【図2】本発明による水質改善装置の第1の実施例の平
面構成図。
面構成図。
【図3】本発明による水質改善装置の第2の実施例を示
す構成図。
す構成図。
【図4】図3に示す水質改善装置の変形例を示す図。
【図5】本発明による水質改善装置の第3の実施例を示
す集積形水質改善装置の概念図。
す集積形水質改善装置の概念図。
【図6】本発明による水質改善装置の第4の実施例を示
す構成図。
す構成図。
【図7】本発明による水質改善装置の第5の実施例を示
す構成図。
す構成図。
【図8】図7に示す水質改善装置の配置図。
1,10,32,34,40 水質改善ユニット
2,11,45 水質改善素子
3,12,42,46 基材
4,13,31 送気管
5,14 継手
30,33 多孔質体
41 多孔質膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平4−171094(JP,A)
実開 昭55−144597(JP,U)
実開 昭56−59198(JP,U)
実開 平3−43399(JP,U)
実開 昭53−130869(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C02F 3/20
B01F 3/04
C02F 7/00
Claims (7)
- 【請求項1】中空部を有し、この中空部と外方とを連通
する多数のガス透過孔が形成された多孔質膜からなる水
質改善素子と、この水質改善素子を保持するとともに、
水質改善素子の中空部と連通する連通路を有する基材
と、この基材に接続された送気管とを有し、水中底部に
設置される水質改善ユニットと、 前記送気管に接続され、前記水質改善素子の中空部内の
圧力がバブル点以下となるよう酸素含有気体を送気する
送気装置と、 を備えたことを特徴とする水質改善装置。 - 【請求項2】多孔質膜は浮遊性の中空糸膜であることを
特徴とする請求項1記載の水質改善装置。 - 【請求項3】基材および送気管を平面的に組立てるとと
もに、水質改善素子を基材間に掛け渡し、水質改善ユニ
ットを平面的に組立てることを特徴とする請求項1記載
の水質改善装置。 - 【請求項4】水質改善素子は織物状に配設されているこ
とを特徴とする請求項3記載の水質改善装置。 - 【請求項5】水質改善ユニットを多段に設けたことを特
徴とする請求項3記載の水質改善装置。 - 【請求項6】中空部を有する多孔質体と、この多孔質体
の内面または外面に設けられた多孔質膜と、前記中空部
に接続された送気管とを有し、水中底部に配置される水
質改善ユニットと、 前記送気管に接続され、前記多孔質体の中空部内の圧力
がバブル点以下となるよう酸素含有気体を送気する送気
装置と、 を備えたことを特徴とする水質改善装置。 - 【請求項7】中空部を有し、この中空部と外方とを連通
する多数のガス透過孔が形成された多孔質体からなる複
数の水質改善素子と、この水質改善素子をその両端部で
保持するとともに、水質改善素子の中空部と連通する連
通路を有する基材と、前記複数の水質改善素子の基材同
志を連結する継材と、前記基材に接続された送気管とを
有し、水中底部に配置される水質改善ユニットと、 前記送気管に接続され、前記水質改善素子の中空部内の
圧力がバブル点以下となるよう酸素含有気体を送気する
送気装置と、 を備えたことを特徴とする水質改善装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09185094A JP3388017B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 水質改善装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09185094A JP3388017B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 水質改善装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07290084A JPH07290084A (ja) | 1995-11-07 |
JP3388017B2 true JP3388017B2 (ja) | 2003-03-17 |
Family
ID=14038055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09185094A Expired - Fee Related JP3388017B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 水質改善装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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CA2627301A1 (en) * | 2005-10-26 | 2007-05-03 | Parkson Corporation | Flexible aeration panel and methods of use |
JP4817311B2 (ja) * | 2006-08-17 | 2011-11-16 | 広島県 | 貧酸素化水質環境の改善処理方法及び改善処理装置 |
JP4922045B2 (ja) * | 2007-04-05 | 2012-04-25 | 株式会社東芝 | 微細気泡発生方法及び微細気泡発生装置 |
JP5330658B2 (ja) * | 2007-07-24 | 2013-10-30 | 三菱重工業株式会社 | エアレーション装置 |
DE102010002959A1 (de) * | 2010-03-17 | 2011-09-22 | Invent Umwelt-Und Verfahrenstechnik Ag | Vorrichtung zum Begasen einer in einem Behandlungsbecken aufgenommenen Suspension |
KR101026991B1 (ko) * | 2010-12-20 | 2011-04-11 | 한국기계연구원 | 중공사막을 이용한 수질측정장치 및 이를 이용한 수질측정방법 |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP09185094A patent/JP3388017B2/ja not_active Expired - Fee Related
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