JP3387857B2 - デジタル画像処理方法、デジタル画像処理装置、および記録媒体 - Google Patents

デジタル画像処理方法、デジタル画像処理装置、および記録媒体

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JP3387857B2 JP23589299A JP23589299A JP3387857B2 JP 3387857 B2 JP3387857 B2 JP 3387857B2 JP 23589299 A JP23589299 A JP 23589299A JP 23589299 A JP23589299 A JP 23589299A JP 3387857 B2 JP3387857 B2 JP 3387857B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル画像処理
を行う方法および装置に関し、特に原画像を分割して2
次元フーリエ変換処理を行う方法および装置に関する。
さらには、そのような処理を実行するためのプログラム
を記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】画像の鮮鋭化、平滑化などの処理を行う
ために2次元フーリエ変換を用いることが知られてい
る。このような2次元フーリエ変換を用いる処理では、
原画像の画素数が大きな場合、メモリなどのハードウェ
アの制約上から、画像全体を一度にフーリエ変換するこ
とができないため、通常は原画像を適当なサイズの小領
域に分割し、各小領域毎にフーリエ変換を行うといった
手法が用いられている。
【0003】原画像を適当なサイズの小領域に分割して
2次元フーリエ変換を行う方法の一例として、特開平4
−42376号公報には、原画像を小領域に分割する
際、隣接する小領域の一部をオーバーラツプさせて分割
するとともに、原画像の周囲に付加データエリアを設
け、そこに原画像の画像データと関連するダミーデータ
を付加することにより、小さいメモリで高速にフイルタ
リング処理を行えるようにした方法が開示されている。
この方法では、図23(a)に示すように付加データエ
リアbが原画像aの周囲に設定されている場合、図23
(b)に示すように原画像aの境界部近傍のデータと同
一のデータが付加データエリアbに付加されるか、ある
いは図23(c)に示すように境界を基準にして原画像
aの境界部近傍のデータと線対称なデータが付加データ
エリアbに付加される。
【0004】上記の他、特開平5−346956号公報
には、原画像を小領域に分割して各領域ごとにフーリエ
変換を行うとともに、フーリエ振幅に対してノイズ除去
処理を行ない、その結果を逆変換する方法が開示されて
いる。この方法の場合、フーリエ変換を行う際に、各小
領域の境界での不連続性を緩和するためにガウシアン窓
が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような原画像を小領域に分割してフーリエ変換を行う
方法には以下のような問題がある。
【0006】特開平4−042376号公報に開示され
ている方法においては、原画像の周囲に付加されたダミ
ーデータによって実際とは異なる空間周波数成分が生成
される可能性がある。
【0007】特開平5−346956号公報に開示され
ている方法においては、ガウシアン窓が窓関数として用
いられているが、このような窓関数では、分割された各
小領域を厳密に連続的に接合することは困難である。
【0008】本発明の目的は、上記問題を解決し、原画
像を分割した各小領域を厳密に連続的に接合することの
できる、デジタル画像処理方法およびデジタル画像処理
装置を提供することにある。
【0009】さらに、本発明の他の目的は、上記デジタ
ル画像処理方法に基づく処理を実行可能なプログラムが
記録された記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1のデジタル画像処理方法は、原画像
を、隣接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合うように
オーバーラップする、同一サイズの正方形あるいは長方
形の複数の領域に分割するステップと、前記分割された
各領域に対して窓関数を乗じるステップと、前記窓関数
を乗じた各分割領域について2次元デジタルフーリエ変
換を行うステップと、前記フーリエ変換が施された分割
領域を、分割する前の元の配置で重ね合わせるステップ
とを有し、前記分割された領域の横座標をx、縦座標を
y、横幅をW、縦幅をHとし、定数aと定数bをそれぞ
れ0以上1未満とした場合に、各分割領域の左下隅をそ
れぞれ原点として、前記窓関数が以下の窓関数F(x,
y)で与えられることを特徴とする。 F(x,y)=sin 2 (π(x+a)/W)sin 2 (π(y+b)/H)
【0011】本発明の第2のデジタル画像処理方法は、
原画像を、隣接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合う
ようにオーバーラップする、同一サイズの正方形あるい
は長方形の複数の領域に分割するステップと、前記分割
された各領域に対して窓関数を乗じるステップと、前記
窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタルフー
リエ変換を行うステップと、前記フーリエ変換が施され
た分割領域を、分割する前の元の配置で重ね合わせるス
テップとを有し、前記分割された領域の横座標をx、縦
座標をy、横幅をW、縦幅をHとし、前記オーバーラッ
プ領域の横方向の幅をA、縦方向の幅をBとした場合
に、各分割領域の左下隅をそれぞれ原点として、前記窓
関数が以下の窓関数F(x,y)で与えられることを特
徴とする。F(x,y)=F 1 (x)F 2 (y) ただし、0≦x≦2(W−A)の範囲で、 1 (x)=sin 2 (πx/(2(W−A))) それ以外のxの範囲で、 1 (x)=0 0≦y≦2(H−B)の範囲で、 2 (y)=sin 2 (πy/(2(H−B))) それ以外のyの範囲で、 2 (y)=0 本発明の第3のデジタル画像処理方法は、原画像を、隣
接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合うようにオーバ
ーラップする、同一サイズの正方形あるいは長方形の複
数の領域に分割するステップと、前記分割された各領域
に対して窓関数を乗じるステップと、前記窓関数を乗じ
た各分割領域について2次元デジタルフーリエ変換を行
うステップと、前記フーリエ変換が施された分割領域
を、分割する前の元の配置で重ね合わせるステップとを
有し、前記原画像の横幅をW、縦幅をHとし、前記分割
された領域の横座標をx、縦座標をy、横幅をw、縦幅
をhとし、前記原画像を横方向に分割する領域数を
w 、縦方向に分割する領域数をn h とした場合に、前記
原画像の左下隅を原点として横方向にi番目、縦方向に
j番目の分割領域に乗じられる前記窓関数が、以下の窓
関数F w (x)、F h (y )で与えられることを特徴とす
る。
【数95】 ここで、[]はガウス記号を表す。本発明の第4のデジ
タル画像処理方法は、原画像を、隣接し合う領域が互い
に半分ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一
サイズの正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する
ステップと、前記分割された各領域に対して窓関数を乗
じるステップと、前記窓関数を乗じた各分割領域につい
て2次元デジタルフーリエ変換を行うステップと、前記
フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の元の
配置で重ね合わせるステップとを有し、前記原画像の横
幅をW、縦幅をHとし、前記分割された領域の横座標を
x、縦座標をy、横幅をw、縦幅をhとし、前記原画像
を横方向に分割する領域数をn w 、縦方向に分割する領
域数をn h とした場合に、前記原画像の左下隅を原点と
して横方向にi番目、縦方向にj番目の分割領域に乗じ
られる前記窓関数が、以下の窓関数F w (x)、F
h (y)で与えられることを特徴とする。
【数96】 ここで、[]はガウス記号を表す。
【0012】本発明の第1のデジタル画像処理装置は、
原画像を、隣接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合う
ようにオーバーラップする、同一サイズの正方形あるい
は長方形の複数の領域に分割する画像分割手段と、前記
画像分割手段にて分割された各領域に窓関数を乗じる窓
関数乗算手段と、前記窓関数を乗じた各分割領域につい
て2次元デジタルフーリエ変換を行う2次元フーリエ変
換手段と、前記フーリエ変換が施された分割領域を、分
割する前の元の配置で重ね合わせる画像合成手段とを有
し、前記窓関数乗算手段は、前記分割された領域の横座
標をx、縦座標をy、横幅をW、縦幅をHとし、定数a
と定数bをそれぞれ0以上1未満とした場合に、各分割
領域の左下隅をそれぞれ原点として、前記窓関数が以下
の窓関数F(x,y)で与えられるように構成されてい
ことを特徴とする。 F(x,y)=sin 2 (π(x+a)/W)sin 2 (π(y+b)/H)
【0013】本発明の第2のデジタル画像処理装置は、
原画像を、隣接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合う
ようにオーバーラップする、同一サイズの正方形あるい
は長方形の複数の領域に分割する画像分割手段と、前記
画像分割手段にて分割された各領域に窓関数を乗じる窓
関数乗算手段と、前記窓関数を乗じた各分割領域につい
て2次元デジタルフーリエ変換を行う2次元フーリエ変
換手段と、前記フーリエ変換が施された分割領域を、分
割する前の元の配置で重ね合わせる画像合成手段とを有
し、前記窓関数乗算手段は、前記分割された領域の横座
標をx、縦座標をy、横幅をW、縦幅をHとし、前記オ
ーバーラップ領域の横方向の幅をA、縦方向の幅をBと
した場合に、各分割領域の左下隅をそれぞれ原点とし
て、前記窓関数が以下の窓関数F(x,y)で与えられ
るように構成されていることを特徴とする。F(x,y)=F 1 (x)F 2 (y) ただし、0≦x≦2(W−A)の範囲で、 1 (x)=sin 2 (πx/(2(W−A))) それ以外のxの範囲で、 1 (x)=0 0≦y≦2(H−B)の範囲で、 2 (y)=sin 2 (πy/(2(H−B))) それ以外のyの範囲で、 2 (y)=0 本発明の第3のデジタル画像処理装置は、原画像を、隣
接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合うようにオーバ
ーラップする、同一サイズの正方形あるいは長方形の複
数の領域に分割する画像分割手段と、前記画像分割手段
にて分割された各領域に窓関数を乗じる窓関数乗算手段
と、前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジ
タルフーリエ変換を行う2次元フーリエ変換手段と、前
記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の元
の配置で重ね合わせる画像合成手段とを有し、前記窓関
数乗算手段は、前記原画像の横幅をW、縦幅をHとし、
前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、横幅を
w、縦幅をhとし、前記原 画像を横方向に分割する領域
数をn w 、縦方向に分割する領域数をn h とした場合に、
前記原画像の左下隅を原点として横方向にi番目、縦方
向にj番目の分割領域に乗じられる前記窓関数が、以下
の窓関数F w (x)、F h (y)で与えられるように構成
されていることを特徴とする。
【数97】 ここで、[]はガウス記号を表す。 本発明の第4のデジ
タル画像処理装置は、原画像を、隣接し合う領域が互い
に半分ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一
サイズの正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する
画像分割手段と、前記画像分割手段にて分割された各領
域に窓関数を乗じる窓関数乗算手段と、前記窓関数を乗
じた各分割領域について2次元デジタルフーリエ変換を
行う2次元フーリエ変換手段と、前記フーリエ変換が施
された分割領域を、分割する前の元の配置で重ね合わせ
る画像合成手段とを有し、前記窓関数乗算手段は、前記
原画像の横幅をW、縦幅をHとし、前記分割された領域
の横座標をx、縦座標をy、横幅をw、縦幅をhとし、
前記原画像を横方向に分割する領域数をn w 、縦方向に
分割する領域数をn h とした場合に、前記原画像の左下
隅を原点として横方向にi番目、縦方向にj番目の分割
領域に乗じられる前記窓関数が、以下の窓関数F
w (x)、F h (y)で与えられるように構成されている
ことを特徴とする。
【数98】 ここで、[]はガウス記号を表す。
【0014】本発明の第1の記録媒体は、原画像を、隣
接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合うようにオーバ
ーラップする、同一サイズの正方形あるいは長方形の複
数の領域に分割する処理と、前記分割された各領域に対
して窓関数を乗じる処理と、前記窓関数を乗じた各分割
領域について2次元デジタルフーリエ変換を行う処理
と、前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する
前の元の配置で重ね合わせる処理とをコンピュータに実
行させるためのプログラムを記録した記録媒体であっ
て、前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、横
幅をW、縦幅をHとし、定数aと定数bをそれぞれ0以
上1未満とした場合に、各分割領域の左下隅をそれぞれ
原点として、前記窓関数が以下の窓関数F(x,y)で
与えられることを特徴とする。 F(x,y)=sin 2 (π(x+a)/W)sin 2 (π(y+b)/H)
【0015】本発明の第2の記録媒体は、原画像を、隣
接し合う領域が互いに半分ずつ重なり合うようにオーバ
ーラップする、同一サイズの正方形あるいは長方形の複
数の領域に分割する処理と、前記分割された各領域に対
して窓関数を乗じる処理と、前記窓関数を乗じた各分割
領域について2次元デジタルフーリエ変換を行う処理
と、前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する
前の元の配置で重ね合わせる処理とをコンピュータに実
行させるためのプログラムを記録した記録媒体であっ
て、前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、横
幅をW、縦幅をHとし、前記オーバーラップ領域の横方
向の幅をA、縦方向の幅をBとした場合に、各分割領域
の左下隅をそれぞれ原点として、前記窓関数が以下の窓
関数F(x,y)で与えられることを特徴とする。F(x,y)=F 1 (x)F 2 (y) ただし、0≦x≦2(W−A)の範囲で、 1 (x)=sin 2 (πx/(2(W−A))) それ以外のxの範囲で、 1 (x)=0 0≦y≦2(H−B)の範囲で、 2 (y)=sin 2 (πy/(2(H−B))) それ以外のyの範囲で、 2 (y)=0 本発明の第3の記録媒体は、原画像を、隣接し合う領域
が互いに半分ずつ重なり合うようにオーバーラップす
る、同一サイズの正方形あるいは長方形の複数の領域に
分割する処理と、前記分割された各領域に対して窓関数
を乗じる処理と、前記窓関数を乗じた各分割領域につい
て2次元デジタルフーリエ変換を行う処理と、前記フー
リエ変換が施された分割領域を、分割する前の元の配置
で重ね合わせる処理とをコンピュータに実行させるため
のプログラムを記録した記録媒体であって、前記原画像
の横幅をW、縦幅をHとし、前記分割された領域の横座
標をx、縦座標をy、横幅をw、縦幅をhとし、前記原
画像を横方向に分割する領域数をn w 、縦方向に分割す
る領域数をn h とした場合に、前記原画像の左下隅を原
点として横方向にi番目、縦方向にj番目の分割領域に
乗じられる前記窓関数が、以下の窓関数F w (x)、F h
(y)で与えられることを特徴とする。
【数99】 ここで、[]はガウス記号を表す。 本発明の第4の記録
媒体は、原画像を、隣接し合う領域が互いに半分ずつ重
なり合うようにオーバーラップする、同一サイズの正方
形あるいは長方形の複数の領域に分割する処理と、前記
分割された各領域に対して窓関数を乗じる処理と、前記
窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタルフー
リエ変換を行う処理と、前記フーリエ変換が施された分
割領域を、分割する前の元の配置で重ね合わせる処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録し
た記録媒体であって、前記原画像の横幅をW、縦幅をH
とし、前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、
横幅をw、縦幅をhとし、前記原画像を横方向に分割す
る領域数をn w 、縦方向に分割する領域数をn h とした場
合に、前記原画像の左下隅を原点として横方向にi番
目、縦方向にj番目の分割領域に乗じられる前記窓関数
が、以下の窓関数F w (x)、F h (y)で与えられるこ
とを特徴とする。
【数100】 ここで、[]はガウス記号を表す。
【0016】(作用)上記のとおりの本発明において
は、原画像は、隣接し合う領域が互いにオーバーラツプ
する複数の領域に分割される。そして、これら分割領域
に、フーリエ変換結果を足し合わせる際にオーバーラツ
プ領域で元の画像が再現されるよう調節した窓関数を乗
じた上で、各分割領域についてフーリエ変換が行われ
る。窓関数としては、具体的にはsin(ax)si
(by)型の関数が用いられる。このような窓関数
を用いたフーリエ変換では、フーリエ変換結果を足し合
わせて空間周波数分布を求める際に、原画像を均等な重
みを乗じて変換したことになる。これにより、各領域は
厳密に連続的に接合されることとなる。
【0017】また、フーリエ変換が行われた後、各領域
にマスクなどのフィルタ処理、フーリエ逆変換処理を施
して、各分割領域を元の配置に足しあわせるようにした
発明においても、上記と同様に、原画像を均等な重みを
乗じて変換したことになり、各領域を厳密に連続的に接
合することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0019】図1に、本発明のデジタル画像処理方法が
適用される画像処理装置の一実施形態を示す。この画像
処理装置は、画像入力部1、画像処理部2、記憶装置
3、記録媒体4から構成される。
【0020】画像入力部1は、スキャナ部11と画像メ
モリ部12からなり、スキャナ部11で取り込まれた画
像データが画像メモリ部12に記憶される。この画像メ
モリ部12としては光磁気ディスク媒体などを用いるこ
とができる。この画像メモリ部12に記憶された画像デ
ータは、画像処理部2に読み込まれる。
【0021】画像処理部2は、画像分割部21、窓関数
乗算部22、2次元フーリエ変換部23、フィルタ処理
部24、2次元フーリエ逆変換部25、画像合成部26
から構成される。
【0022】画像分割部21は、画像メモリ部12から
読み出された画像データ(原画像)を、適当なサイズの
正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する。各分割
領域はそれぞれ、隣接する他の分割領域と隣接し合う領
域が互いに部分的に重なり合う(オーバーラップする)
ようになっている。窓関数乗算部22は、画像分割部2
1にて分割された領域を後述する画像合成によって足し
合わせる際に、各分割領域の重なり合う領域(オーバー
ラップ領域)で元の画像が再現されるよう調節した窓関
数を各分割領域に乗じる。
【0023】2次元フーリエ変換部23は、窓関数乗算
部22にて窓関数が乗じされた各分割領域について2次
元フーリエ変換処理を行う。フィルタ処理部24は、2
次元フーリエ変換部23にて2次元フーリエ変換された
結果にマスクなどのフィルタ処理を行う。2次元フーリ
エ逆変換部25は、そのフィルタ処理が施された結果に
2次元フーリエ逆変換処理を行う。画像合成部26は、
その2次元フーリエ逆変換処理が施された各分割領域
を、分割する前の元の配置に重ね合せる。
【0024】記憶装置3は、画像処理部2における各デ
ータ処理の際に画像データを一旦記憶するためのもので
ある。記録媒体4は、画像処理部2の各構成部における
データ処理を実行するためのプログラムを記録したもの
で、画像処理部2はこの記録媒体4に記録された処理手
順に従って上述の各処理を行う。
【0025】上述のように構成される画像処理装置で
は、スキャナ部11で取り込まれた画像が画像メモリ部
12に一旦格納された後、画像処理部2に読み込まれ
る。画像処理部2では、読み込まれた画像(原画像)
は、まず、隣接し合う領域が互いに部分的にオーバーラ
ップする複数の分割領域に分割されて、各分割領域に窓
関数が乗じられる。そして、この窓関数が乗じられた各
分割領域に対して、それぞれ2次元フーリエ変換処理、
フィルタ処理、2次元フーリエ逆変換処理が施された
後、画像の合成が行われる。
【0026】上記のデジタル画像処理の特徴は、各分割
領域に対して、オーバーラップ領域で元の画像が再現さ
れるよう調節した窓関数を乗じることにある。これによ
り、合成画像が厳密に連続的に接合されることになる。
【0027】窓関数は、オーバーラップ領域で元の画像
が再現されるような関数であればよく、例えばsin
(ax)sin(by)型を用いることにより、厳密
に連続的に接合できる条件を満足し、スムーズに領域を
分割することが可能である。以下に、窓関数の具体的な
例を挙げる。
【0028】(1)原画像を、隣接し合う領域が互いに
半分ずつ重なり合うようにオーバーラップさせて分割し
た場合、分割領域の横座標をx、縦座標をy、横幅を
W、縦幅をHとし、定数aと定数bをそれぞれ0以上1
未満とした場合に、各分割領域の左下隅をそれぞれ原点
として、窓関数F(x,y)を以下の式で与える。
【0029】
【数1】F(x,y)=sin(π(x+a)/W)
sin(π(y+a)/H) (2)原画像を、隣接し合う領域が互いに半分ずつ重な
り合うようにオーバーラップさせて分割した場合、分割
された領域の横座標をx、縦座標をy、横幅をW、縦幅
をHとし、オーバーラップ領域の横方向の幅をA、縦方
向の幅をBとした場合に、各分割領域の左下隅をそれぞ
れ原点として、窓関数F(x,y)を以下の式で与え
る。
【0030】
【数2】F(x,y)=F(x)F(y) ただし、F(x)は0≦x≦2(W−A)の範囲で、 F(x)=sin(πx/(2(W−A))) であり、それ以外のxの範囲で、 F(x)=0 である。また、F(y)は0≦y≦2(H−B)の範
囲で、 F(y)=sin(πy/(2(H−B))) であり、それ以外のyの範囲で、 F(y)=0 である。
【0031】以下、上述の窓関数を用いたデジタル画像
処理の実施例を具体的に説明する。
【0032】(実施例1)本実施例では、図2に示すよ
うな電子顕微鏡写真(化合物半導体断面)を、イメージ
スキャナ装置を用いて200dpi(1インチあたり2
00画素)の精度でデジタル化して画像入力用コンピュ
ータに取り込んだ。そして、その取り込んだ画像を横幅
約350オングストローム、縦幅約350オングストロ
ームの観察領域をデジタル化して横幅500画素、縦幅
500画素のビットマップ形式の画像(原画像)とし、
コンピュータファイルとして画像入力用コンピュータの
2次記憶媒体である光磁気ディスク媒体(図1の画像メ
モリ部12に相当する)に記録した。
【0033】次に、上記光磁気ディスク媒体を画像入力
用コンピュータの光磁気ディスクドライブから取り出
し、画像処理用コンピュータ(図1の画像処理部2に相
当する)の光磁気ディスクドライブに入れて、上記イメ
ージスキャナ装置で取り込んだ電子顕微鏡画像のビット
マップ形式ファイルを画像処理用コンピュータに取り込
んだ。そして、このビットマップ形式ファイルの画像
(原画像)に対して以下のようなデジタル画像処理を行
った。
【0034】まず、ビットマップ形式ファイルの画像
(原画像)を画像の一番左隅下の画素座標を原点とし
て、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定
し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1として、
図3に示すような領域に分割する。各分割領域はすべて
等しく、幅128画素、高さ128画素の大きさであ
る。また、隣接した領域の重なり合い(オーバーラッ
プ)はすべて等しく、縦方向横方向共に35画素分であ
る。これらの領域はすべて分割した個々の領域の左下隅
が原点になるように座標を取り直して幅128画素、高
さ128画素の画像とし、それぞれをビットマップ形式
の画像ファイルとして画像処理用コンピュータの2次記
憶媒体(図1の記憶装置3を構成する記憶媒体の1つに
相当する)に記録する。
【0035】続いて、上記のようにして作成されたビッ
トマップ形式画像に対して以下のような処理を施すこと
で、前述の窓関数を乗じる処理を行う。
【0036】まず、分割した各々のビットマップ形式画
像zu11〜zu55を次の処理により、新しいビット
マップ形式画像tzu11〜tzu55に変換する。こ
こで、新しいビットマップ形式画像tzu11〜tzu
55も変換前と同じ幅128画素、高さ128画素であ
る。各ビットマップ形式画像tzu11〜tzu55に
対する処理は同じであるため、ここではzu11の画像
に対する具体的な処理についてのみ説明することとし、
他の画像についての処理は省略する。
【0037】ビットマップ形式画像zu11を画像処理
用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、その座標
を前述と同様、画像の一番左隅下の画素座標を原点とし
て、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定
し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1として、
座標x,yの位置の画素の明るさをF(x,y)で表
す。同様に、新しいビットマップ形式画像tzu11の
座標を画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横方
向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方向
Y方向共に1画素間隔を単位長さ1として、座標x,y
の位置の画素の明るさをG(x,y)で表す。そして、
ビットマップ形式画像zu11に含まれる全画素を以下
の式を用いて変換して新しいビットマップ形式画像tz
u11を作成し、これを画像ファイルとして画像処理用
コンピュータの2次記憶媒体(図1の記憶装置3を構成
する記憶媒体の1つに相当する)に記憶する。
【0038】
【数3】 G(x,y)=H(x)H(y)F(x,y) ここで、変換関数H(x)は次式で与えられる。
【0039】
【数4】 ここで、定数wとeはそれぞれ分割した画像の幅、分
割した際に横方向に重なり合った領域(オーバーラップ
領域)の幅の画素数で、本実施例ではwは128、e
は35である。また、変換関数H(y)は次式で与え
られる。
【0040】
【数5】 ここで、定数hとeはそれぞれ分割した画像の高さ、
分割した際に縦方向に重なり合った領域の幅の画素数
で、本実施例では、hは128、eは35である。上
述の窓関数を各分割領域に乗じることにより、各分割領
域では、オーバーラップ領域の明るさは内側から外側へ
いくほど減少し、それ以外の領域の明るさはそのまま値
となるように変換される。よって、後述のフーリエ変換
後に、これら領域を足し合せた際、各分割領域のオーバ
ーラップ領域では元の画像の明るさが再現されることと
なる。
【0041】上記zu11以外のビットマップ形式画像
zu12〜zu55についてもzu11の場合と同じ変
換関数を用いた処理で変換して新しいビットマップ形式
画像tzu12〜tzu55を作成し、それぞれ画像フ
ァイルとして画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録する。
【0042】上述のようにして窓関数が乗じられたビッ
トマップ形式画像tzu11〜tzu55について、2
次元デジタルフーリエ変換処理を行って、新しく2次元
フーリエ変換データftzu11〜ftzu55を作成
する。ここで、tzu11〜tzu55は全て128×
128点から構成される2次元配列データであるため、
ここでは、2次元デジタルフーリエ変換処理として汎用
の高速フーリエ変換処理であるCooley−Tuke
yのアルゴリズムを用いる。以下に、その高速フーリエ
変換処理の具体的な処理について説明する。
【0043】まず、ビットマップ形式画像の各画素を要
素とした複素数2次元配列データを準備する。ここで
は、複素数2次元配列データの実数部にビットマップ形
式画像の各画素の明るさを代入し、虚数部はすべて0と
する。この128×128のサイズの複素数2次元配列
データに対して2次元FFT処理を行い、その変換結果
として128×128のサイズの複素数2次元配列デー
タを得る。
【0044】上記の処理をtzu11からftzu11
への変換を例に説明すると、以下のような処理となる。
【0045】ビットマップ形式画像tzu11を画像処
理用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、その座
標を上記と同じく、画像の一番左隅下の画素座標を原点
として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設
定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
て、座標x,yの位置の画素の明るさをG(x,y)で
表し、ftzu11の2次元配列の各配列要素をR
(s,t)で表すと、以下の式を用いてG(x,y)か
らR(s,t)を求められる。
【0046】
【数6】 ここで、定数wとhはそれぞれ画像の幅と高さであり、
配列要素は添え字「0」〜「w−1」までと「0」〜
「h−1」の範囲である。この変換結果である128×
128のサイズの複素数2次元配列データR(s,t)
をそれぞれ2次元フーリエ変換データftzu11〜f
tzu55の画像ファイルとして画像処理用コンピュー
タの2次記憶媒体(図1の記憶装置3を構成する記憶媒
体の1つに相当する)に記録する。
【0047】上記処理によって得られた2次元フーリエ
変換データftzu11〜ftzu55を以下の処理に
よって足し合わせて、合計の2次元フーリエスペクトル
を計算する。
【0048】まず、画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体に記録された2次元フーリエ変換データftzu1
1〜ftzu55をすべて読み出し、データは複素数4
次元データ配列A(i,j,s,t)として画像処理用
コンピュータの1次記憶素子(図1の記憶装置3を構成
する記憶手段の1つに相当する)に格納する。ここで、
データ配列の添え字i,j,s,tのうち、iとjは画
像処理用コンピュータの2次記憶媒体に記録された2次
元フーリエ変換データftzu11〜ftzu55の最
初の添え字をi、2番目の添え字をjとし、sとtはそ
れら各々の2次元フーリエ変換データの配列の添え字、
つまり上述の複素数2次元配列データR(s,t)の添
え字sとtに対応する。この複素数4次元データ配列A
(i,j,s,t)から以下の式によって実数2次元デ
ータ配列B(s,t)を求める。
【0049】
【数7】 上記処理によって求めた実数2次元データ配列B(s,
t)は、前述の図2に示した電子顕微鏡写真の全体の空
間周波数スペクトルに相当する。この実数2次元データ
配列B(s,t)の空間周波数スペクトルのsとtのス
ケールは、通常の方式で128×128画素の2次元画
像データを2次元デジタルフーリエ変換した場合と同じ
であり、B(0,0)が空間周波数0の成分に相当す
る。また、wを分割画像の幅、hを分割画像の高さとし
た時、B(w/2,0)が丁度2画素分の波長に対応し
た横方向の空間周波数成分に相当し、B(0,h/2)
が丁度2画素分の波長に対応した縦方向の空間周波数成
分に相当する。本実施例ではw、hは共に128であ
る。
【0050】なお、上述の処理では、元の大きな原画像
を小さな領域に区切っているが、分割した領域の幅や高
さ以上の長い波長に相当する空間周波数成分は一切計算
されていない。
【0051】上述の処理結果について、空間周波数0に
相当する成分を画像の中心になるように変換した結果
を、それぞれの空間周波数成分を画素の明るさとして空
間周波数スペクトルを表現した結果を図4に示す。この
場合の変換式を以下に示す。
【0052】
【数8】 ここで、wとhはB(s,t)配列のsとtの範囲であ
り、sは「0」〜「w−1」で、tは「0」〜「h−
1」である。本実施例では、w、hは共に128であ
る。
【0053】図4に示したフーリエ変換スペクトルで
は、中心部に明るい分布があり、空間周波数が小さい成
分が大きいが、この中心部の明るい分布が若干縦と横方
向にストリークになっている。このストリークは図2の
電子顕微鏡写真の画像に含まれる真の空間周波数成分で
はなく、フーリエ変換する領域の外の境界によるもので
ある。四角い領域をフーリエ変換したため、その四角形
のフーリエ変換である縦横の十字型の分布が現れてい
る。
【0054】図2の電子顕微鏡写真の画像の広い領域を
一度にフーリエ変換する場合、コンピュータ上で実数の
一つの数値を4バイトで処理すると、フーリエ変換には
複素数2次元配列として500×500要素の記憶領域
として約2百万バイト必要となる。本発明のフーリエ変
換法によれば、上述のように128×128要素に区切
る場合、そのフーリエ変換には約13万バイトの複素数
2次元配列用記憶領域で処理が可能である。このよう
に、本発明では、フーリエ変換に使用する記憶容量の削
減により、フーリエ変換データをより高速なキャッシュ
メモリなどの記憶媒体を利用してより高速に処理するこ
とが可能となる。
【0055】(実施例2)上述の実施例1では、画像処
理用コンピュータで元画像の分割、窓関数の掛け合わ
せ、2次元フーリエ変換処理、フーリエ変換結果の足し
合わせ処理を、コンピュータの2次記憶媒体に毎回記憶
させながら手動で行ったが、これら中間処理結果をコン
ピュータの2次記憶媒体に記録せずに、バッチ処理とし
て自動的に一連の操作を行うことが可能である。その処
理フローの1例を図5に示す。
【0056】まず、ステップS100にて、デジタル化
されたビットマップ形式の画像ファイルを自動的に分割
する処理を行う。ただし、分割領域の大きさは最終的な
空間周波数スペクトルの粗さになるため、この大きさだ
けは本自動処理プログラムを利用する利用者が適宜判断
して入力パラメータとして入力する。このようにして入
力された分割領域の幅をw、高さをhとする。これらw
とhは、高速フーリエ変換処理を利用できるように2の
整数乗の値であることが好ましい。元のデジタル化され
たビットマップ形式の画像サイズを幅W、高さHとす
る。これらのパラメータから分割する領域数を横方向に
、縦方向にnとすると、これらは
【0057】
【数9】 で表わされる。ここで、括弧[]はガウスの記号で、
[x]は実数xを超えない最大の整数を意味する。以
下、説明で用いる括弧[]は全てこのガウスの記号とし
て扱う。また、αとα、はいずれも0以上で、それ
ぞれWとH以下程度の適当な値である。これはWが丁度
wで割り切れるか、その除算の余りがwに比べて小さい
場合、故意に分割領域の重なる部分を設けるための値で
ある。本実施例では、これらの値をα=W/2、α
=H/2としている。
【0058】上記のようにして領域数nとnが求め
られると、続いて、これら領域数に基づいて領域の範囲
を決定する。分割前の画像の一番左隅下の画素座標を原
点として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を
設定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
た場合、横方向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の
範囲は、
【0059】
【数10】 で与えられる。
【0060】次に、ステップS101にて、2次元フー
リエ変換結果を足し合わせて記憶するためのw×hの要
素を持つ実数配列Bの全要素をすべて0に初期化する。
ここで、本実施例のすべての配列は添え字の始まりが0
である。
【0061】初期化後、上記の方法で決めた分割範囲に
したがって、まず一番左下隅の分割領域のビットマップ
形式データを取り出して2次元フーリエ変換処理し、そ
の処理結果を、2次元フーリエ変換結果を足し合わせて
記憶するための配列Bに足し合わせる。次に、その隣の
領域に対して同じ処理を行い、再び2次元フーリエ変換
結果を足し合わせて記憶するための配列Bにその処理結
果を足し合わせる。この繰り返しを全ての分割領域に対
して行って、2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記
憶するための配列Bを計算する(ステップS102〜S
111)。このようにして得られた配列Bは、次の処理
を行うブロック(図1のフィルタ処理部24)へ出力さ
れる(ステップS112)。
【0062】以下、横方向にi番目、縦方向にj番目の
分割領域に対する変換処理手順を詳細に説明する。
【0063】分割前のビットマップ形式の画像から横方
向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の要素をすべて
取り出し、各要素をw×hの要素を持つ実数配列Zにコ
ピーする。分割前のビットマップ形式データをW×Hの
要素を持つ2次元配列Iとして表現すると、そのコピー
は、以下の式に基づく計算を、それぞれ範囲「0」〜
「w−1」、「0」〜「h−1」の範囲の整数xとyの
全ての組み合わせに対して行う。
【0064】
【数11】 次に、窓関数F(x)とF(y)をそれぞれ要素数
wとhの実数1次元配列として全要素を以下のようにし
て計算する。
【0065】
【数12】 として窓関数配列を設定する。
【0066】上記のようにして求めた窓関数配列を用い
て、分割領域データ配列Zからw×hの要素数を持つ2
次元複素数配列Gを以下の式により計算して全部の要素
を求める。
【0067】
【数13】 G(x,y)=F(x)F(y)Z(x,y) G(x,y)=0 ここで、GとGはそれぞれ複素数配列Gの実数部と
虚数部である。ここで求めた2次元複素数配列Gを2次
元フーリエ変換処理する。この2次元フーリエ変換処理
は以下の式を用いて行い、その変換結果をw×hの要素
数を持つ2次元複素数配列Rの全要素に格納する。
【0068】
【数14】 ここでRはそれぞれ複素数配列Rの実数部と虚数
部である。ただし、wとhが共に2の整数乗の場合は、
汎用のCooley−Tukeyのアルゴリズムを用い
た2次元FFT処理によって同じ計算を短時間で行うこ
とが出来る。
【0069】この2次元フーリエ変換処理によって求め
たw×hの要素数を持つ2次元複素数配列Rを、全要素
を次の2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶する
ためのw×hの要素を持つ実数配列Bに足し合わせる。
この計算は、以下の式により行う。
【0070】
【数15】 以上の演算を行うことにより、横方向にi番目、縦方向
にj番目の分割領域に対する処理が完了する。この処理
結果を、前述の実施例1と同様、以下の変換式を用いた
演算処理で空間周波数0に相当する成分を画像の中心に
なるように変換し、それぞれの空間周波数成分を画素の
明るさとして空間周波数スペクトルを表現することが出
来る。
【0071】
【数16】 ここで、C(s,t)もw×hの要素数を持つ2次元実
数配列である。
【0072】(実施例3)前述の実施例1に示したフー
リエ変換処理では、図4に示したように、フーリエ変換
結果は中心部の明るい分布がフーリエ変換する領域の外
の境界の影響のため若干縦と横方向にストリークになっ
ていたが、ここでは、このストリークを発生させないよ
うに窓関数を工夫した実施例について説明する。
【0073】本実施例では、図6に示すような電子顕微
鏡写真(化合物半導体断面)をイメージスキャナ装置を
用いて200dpi(1インチあたり200画素)の精
度でデジタル化し、画像入力用コンピュータに取り込ん
だ。画像は横幅約450オングストローム、縦幅約35
0オングストロームの観察領域をデジタル化し、横幅6
40画素、縦幅512画素のビットマップ形式の画像と
してコンピュータファイルとしてコンピュータの2次記
憶媒体である光磁気ディスク媒体に記録した。
【0074】次に、この光磁気ディスク媒体を画像入力
用コンピュータの光磁気ディスクドライブから取り出
し、画像処理用コンピュータの光磁気ディスクドライブ
に入れ、イメージスキャナ装置で取り込んだ電子顕微鏡
画像のビットマップ形式ファイルを画像処理用コンピュ
ータに取り込んだ。そして、このビットマップ形式ファ
イルの画像(原画像)に対して以下のような手順でデジ
タル画像処理を行った。
【0075】ビットマップ形式ファイルを画像の一番左
隅下の画素座標を原点として、横方向右向きにX軸、縦
方向上向きにY軸を設定し、X方向Y方向共に1画素間
隔を単位長さ1として、図7に示すような領域に分割す
る。これら分割領域はすべて等しく、幅128画素、高
さ128画素の大きさである。隣接した領域の重なり合
いもすべて等しく、縦方向横方向共に分割領域の半分の
幅である。これら分割領域はすべて、分割した個々の領
域の左下隅が原点になるように座標を取り直し、幅12
8画素、高さ128画素の画像として、それぞれをビッ
トマップ形式の画像ファイルとして画像処理用コンピュ
ータの2次記憶媒体に記録する。
【0076】分割した各々のビットマップ形式画像zu
11〜zu79を次の処理により、新しいビットマップ
形式画像tzu11〜tzu79に変換する。ここで、
新しいビットマップ形式画像tzu11〜tzu79も
変換前と同じで、横幅128画素、高さ128画素であ
る。この新しいビットマップ形式画像の具体的な作成手
順として、ここではzu11の画像を例に説明する。
【0077】まず、画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体からビットマップ形式画像zu11を読み出し、そ
の座標を前述と同様、画像の一番左隅下の画素座標を原
点として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を
設定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
て、座標x,yの位置の画素の明るさをF(x,y)で
表す。新しいビットマップ形式画像tzu11の座標を
同じく、画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横
方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方
向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1として、座標x,
yの位置の画素の明るさをG(x,y)で表す。ビット
マップ形式画像zu11に含まれる全画素を
【0078】
【数17】 G(x,y)=H(x)H(y)F(x,y) の演算により変換し、新しいビットマップ形式画像tz
u11を作成し、それぞれを画像ファイルとして画像処
理用コンピュータの2次記憶媒体に記録する。変換関数
(x)とH(y)は以下の式で与えられる。
【0079】
【数18】 ここで、定数wとhは分割した画像の幅と高さの画素数
で、本実施例では共に128である。
【0080】このzu11以外のビットマップ形式画像
zu12〜zu79についても、zu11の場合と同じ
変換関数を用いた処理で変換して新しいビットマップ形
式画像tzu12〜tzu79を作成し、それぞれ画像
ファイルとして画像処理用コンピュータの2次記憶媒体
に記録する。
【0081】次いで、上述のようにして画像処理用コン
ピュータの2次記憶媒体に記録したビットマップ形式画
像tzu11〜tzu79について2次元デジタルフー
リエ変換処理を行い、新しく2次元フーリエ変換データ
ftzu11〜ftzu79を作成する。ここでは、t
zu11〜tzu79は全て128×128点から構成
される2次元配列データであるため、この2次元デジタ
ルフーリエ変換処理として汎用の高速フーリエ変換処理
であるCooley−Tukeyのアルゴリズムを用い
る。具体的には、ビットマップ形式画像の各画素を要素
とした複素数2次元配列データを準備し、この複素数2
次元配列データの実数部にビットマップ形式画像の各画
素の明るさを代入する。ここでは、虚数部はすべて0と
する。次に、この128×128のサイズの複素数2次
元配列データについて2次元FFT処理を行い、その変
換結果として128×128のサイズの複素数2次元配
列データを得る。以下に、この処理をtzu11からf
tzu79への変換を例に具体的に説明する。
【0082】ビットマップ形式画像tzu11を画像処
理用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、その座
標を上記と同じく、画像の一番左隅下の画素座標を原点
として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設
定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
て、座標x,yの位置の画素の明るさをG(x,y)で
表す。ftzu11の2次元配列の各配列要素をR
(s,t)で表すと、以下の式を用いてG(x,y)か
らR(s,t)を計算することができる。
【0083】
【数19】 ここで、定数wとhは画像の幅および高さであり、配列
要素は添え字「0」〜「w−1」および「0」〜「h−
1」の範囲である。この変換結果である128×128
のサイズの複素数2次元配列データR(s,t)をそれ
ぞれ2次元フーリエ変換データftzu11〜ftzu
79とし、それぞれを画像ファイルとして画像処理用コ
ンピュータの2次記憶媒体に記録する。
【0084】次に、上記処理によって得られた2次元フ
ーリエ変換データftzu11〜ftzu79を以下の
処理によって足し合わせて2次元フーリエスペクトルを
計算する。
【0085】まず、画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体に記録された2次元フーリエ変換データftzu1
1〜ftzu79をすべて読み出す。読み出したデータ
は、複素数4次元データ配列A(i,j,s,t)とし
て画像処理用コンピュータの1次記憶素子に格納する。
ここで、データ配列の添え字i,j,s,tのうち、i
は画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に記録された
2次元フーリエ変換データftzu11〜ftzu79
の最初の添え字を表わし、jはその2番目の添え字を表
わす。sとtはそれら各々の2次元フーリエ変換データ
の配列の添え字、つまり上述の複素数2次元配列データ
R(s,t)の添え字sとtに対応する。この複素数4
次元データ配列A(i,j,s,t)から、以下の式を
用いて実数2次元データ配列B(s,t)を求める。
【0086】
【数20】 上記処理によって求めた実数2次元データ配列B(s,
t)は、図4に示した電子顕微鏡写真全体の空間周波数
スペクトルに相当する。この実数2次元データ配列B
(s,t)の空間周波数スペクトルのsとtのスケール
は、通常の方式で128×128画素の2次元画像デー
タを2次元デジタルフーリエ変換した場合と同じであ
り、B(0,0)が空間周波数0の成分に相当し、wを
分割画像の幅、hを分割画像の高さとした時、B(w/
2,0)が丁度2画素分の波長に対応した横方向の空間
周波数成分に相当し、B(0,h/2)が丁度2画素分
の波長に対応した縦方向の空間周波数成分に相当する。
本実施例ではw、h共に128である。
【0087】上述のデータ処理では、元の大きな画像を
小さな領域に区切っているため、分割した領域の幅や高
さ以上の長い波長に相当する空間周波数成分は一切計算
してされていない。
【0088】上述の処理結果を以下の変換式を用いた演
算処理で空間周波数0に相当する成分を画像の中心にな
るように変換し、それぞれの空間周波数成分を画素の明
るさとして空間周波数スペクトルを表現することが出来
る。
【0089】
【数21】 ここで、wとhはB(s,t)配列のsとtの範囲であ
り、sは「0」〜「w−1」、tは「0」〜「h−1」
である。本実施例ではw、h共に128である。
【0090】上記の演算結果を図8に示す。この図8に
示すフーリエ変換スペクトルでは、中心部に明るい分布
があり空間周波数が小さい成分が大きいが、前述の実施
例1の結果(図4)とは異なり、中心部の明るい分布に
はストリークは見られない。これは、フーリエ変換する
領域の外の境界を徐々に0にするような滑らかな窓関数
を用いたことによる。
【0091】(実施例4)上述の実施例3では、画像処
理用コンピュータで元画像の分割、窓関数の掛け合わ
せ、2次元フーリエ変換処理、フーリエ変換結果の足し
合わせ処理を、コンピュータの2次記憶媒体に毎回記憶
させながら手動で行っているが、これら中間処理結果を
コンピュータの2次記憶媒体に記録せずに、バッチ処理
として自動的に一連の処理を行うことが可能である。図
9に、その処理フローの1例を示す。
【0092】まず、ステップS200にて、デジタル化
されたビットマップ形式の画像ファイルを自動的に分割
する処理を行う。ただし、分割領域の大きさは最終的な
空間周波数スペクトルの粗さになるため、この大きさだ
けは本自動処理プログラムを利用する利用者が適宜判断
して入力パラメータとして入力する。このようにして入
力された分割領域の幅をw、高さをhとする。これらw
とhは、高速フーリエ変換処理を利用できるように2の
整数乗の値であることが好ましい。元のデジタル化され
たビットマップ形式の画像サイズを幅W、高さHとす
る。これらのパラメータから分割する領域数を横方向に
、縦方向にnとすると、これらは
【0093】
【数22】 で表わされる。ここで、括弧[]はガウスの記号で、
[x]は実数xを超えない最大の整数を意味する。
【0094】上記の演算式によれば、(n+1)w/
2がWと等しくない場合や(n+1)h/2がHと等
しくない場合は,分割領域に完全に含まれない領域が出
来てしまう。この点が本実施例の分割処理法の制限とな
る。
【0095】次に分割領域の範囲を決定する。分割前の
画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横方向右向
きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方向Y方向
共に1画素間隔を単位長さ1として、横方向にi番目、
縦方向にj番目の分割領域の範囲は、
【0096】
【数23】 で与えられる。ここで、βとβは分割領域に完全に
含まれない領域を元画像の両端のどちらの部分にどの程
度にするかを決定するためのパラメータである。ここで
は、
【0097】
【数24】 とすることで、その分割領域は元画像の両端とほぼ同程
度になるように設定される。
【0098】次に、ステップS201にて、2次元フー
リエ変換結果を足し合わせて記憶するためのw×hの要
素を持つ実数配列Bの全要素をすべて0に初期化する。
ここで、すべての配列は添え字の始まりが0である。
【0099】初期化後、上記の方法で決めた分割範囲に
したがって、まず一番左下隅の分割領域のビットマップ
形式データを取り出して2次元フーリエ変換処理し、そ
の結果を2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶す
るための配列Bに足し合わせる。続いて、その隣の領域
に対して同じ処理を行い再び2次元フーリエ変換結果を
足し合わせて記憶するための配列Bにその処理結果を足
し合わせる。この繰り返しを全ての分割領域に対して行
い、2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶するた
めの配列Bを計算する(ステップS102〜S11
1)。このようにして得られた配列Bは、次の処理を行
うブロック(図1のフィルタ処理部24)へ出力される
(ステップS112)。
【0100】以下に、横方向にi番目、縦方向にj番目
の分割領域に対する変換処理手順を詳細に説明する。
【0101】分割前のビットマップ形式の画像から横方
向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の要素をすべて
取り出し、各要素をw×hの要素を持つ実数配列Zにコ
ピーする。分割前のビットマップ形式データをW×Hの
要素を持つ2次元配列Iとして表現すると、そのコピー
【0102】
【数25】 の演算を、それぞれ「0」〜「w−1」、「0」〜「h
−1」の範囲の整数xとyの全ての組み合わせに対して
行う。
【0103】次に、窓関数F(x)とF(y)をそ
れぞれ要素数wとhの実数1次元配列として全要素を以
下のように計算する。
【0104】
【数26】 この窓関数配列を用いて、分割領域データ配列Zからw
×hの要素数を持つ2次元複素数配列Gを以下の計算
で、全部の要素について求める。
【0105】
【数27】 G(x,y)=F(x)F(y)Z(x,y) G(x,y)=0 ここで、GとGはそれぞれ複素数配列Gの実数部と
虚数部である。このようにして求めた2次元複素数配列
Gを2次元フーリエ変換処理する。ここで、2次元フー
リエ変換処理は次の計算で行い、その変換結果をw×h
の要素数を持つ2次元複素数配列Rの全要素に格納す
る。
【0106】
【数28】 ここで、RとRはそれぞれ複素数配列Rの実数部と
虚数部である。ただし、wとhが共に2の整数乗の場合
は、汎用のCooley−Tukeyのアルゴリズムを
用いた2次元FFT処理によって同じ計算を短時間で行
うことが出来る。
【0107】上記2次元フーリエ変換処理によって求め
られたw×hの要素数を持つ2次元複素数配列Rについ
て、全要素を次の2次元フーリエ変換結果を足し合わせ
て記憶するためのw×hの要素を持つ実数配列Bに足し
合わせる。この計算は、以下の式により行う。
【0108】
【数29】 以上の演算を行うことにより、横方向にi番目、縦方向
にj番目の分割領域に対する処理が完了する。この処理
結果を実施例1と同様、以下の処理で空間周波数0に相
当する成分を画像の中心になるように変換し、それぞれ
の空間周波数成分を画素の明るさとして空間周波数スペ
クトルを表現することが出来る。この場合の変換式は、
【0109】
【数30】 で与えられる。ここで、C(s,t)もw×hの要素数
を持つ2次元実数配列である。
【0110】(実施例5)前述の実施例3に示したフー
リエ変換処理では、元画像の大きさによっては両端部に
完全にフーリエ変換処理されない領域が生じてしまう制
約があった。ここでは、その完全にフーリエ変換処理さ
れない領域が生じないように領域分割法と窓関数を工夫
した例を説明する。
【0111】本実施例では、図10に示すような電子顕
微鏡写真(シリコン半導体表面層断面)をイメージスキ
ャナ装置を用いて300dpi(1インチあたり300
画素)の精度でデジタル化し画像入力用コンピュータに
取り込んだ。画像は横幅約400オングストローム、縦
幅約250オングストロームの観察領域をデジタル化し
横幅600画素、縦幅400画素のビットマップ形式の
画像としてコンピュータファイルとしてコンピュータの
2次記憶媒体である光磁気ディスク媒体に記録した。
【0112】次に、この光磁気ディスク媒体を画像入力
用コンピュータの光磁気ディスクドライブから取り出
し、画像処理用コンピュータの光磁気ディスクドライブ
に入れ、イメージスキャナ装置で取り込んだ電子顕微鏡
画像のビットマップ形式ファイルを画像処理用コンピュ
ータに取り込んだ。そして、このビットマップ形式ファ
イルの画像(原画像)に対して以下のような手順でデジ
タル画像処理を行った。
【0113】ビットマップ形式ファイルを画像の一番左
隅下の画素座標を原点として、横方向右向きにX軸、縦
方向上向きにY軸を設定し、X方向Y方向共に1画素間
隔を単位長さ1として、図11に示すような領域に分割
する。本実施例では、元の画像範囲外の部分は任意の値
を入れることとする。これらの分割した領域は、すべて
等しく幅128画素、高さ128画素の大きさである。
また、これらの領域はすべて分割した個々の領域の左下
隅が原点になるように座標を取り直し、幅128画素、
高さ128画素の画像として、それぞれをビットマップ
形式の画像ファイルとして画像処理用コンピュータの2
次記憶媒体に記録する。
【0114】分割した各々のビットマップ形式画像zu
11〜zu69を新しいビットマップ形式画像tzu1
1〜tzu69に変換する。ここで、新しいビットマッ
プ形式画像tzu11〜tzu69も変換前と同じ幅1
28画素、高さ128画素である。この新しいビットマ
ップ形式画像への変換処理について、zu11の画像を
例に以下に説明する。
【0115】まず、ビットマップ形式画像zu11を画
像処理用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、そ
の座標を前述と同様、画像の一番左隅下の画素座標を原
点として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を
設定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
て、座標x,yの位置の画素の明るさをF(x,y)で
表す。新しいビットマップ形式画像tzu11の座標に
ついても、同様に、画像の一番左隅下の画素座標を原点
として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設
定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
て、座標x,yの位置の画素の明るさをG(x,y)で
表す。ビットマップ形式画像zu11に含まれる全画素
【0116】
【数31】 G(x,y)=H(x)H(y)F(x,y) の演算により変換して新しいビットマップ形式画像tz
u11を作成し、それぞれを画像ファイルとして画像処
理用コンピュータの2次記憶媒体に記録する。変換関数
(x)とH(y)は、次式で与えられる。
【0117】
【数32】 ここで、定数wとhは分割した画像の幅と高さの画素数
を表わし、本実施例では共に128である。
【0118】このzu11以外のビットマップ形式画像
zu12〜zu79についても、zu11の場合と同様
な変換関数を用いた処理で変換して新しいビットマップ
形式画像tzu12〜tzu79を作成し、それぞれを
画像ファイルとして画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体に記録する。ただし、H(y)はzu11〜zu
69で若干異なり、以下のように与えられるものとす
る。
【0119】
【数33】 で与えられる。
【0120】
【数34】114≦yの範囲では、zu11〜zu69
共通で H(y)=0 で与えられる。
【0121】上記の演算により得られたビットマップ形
式画像tzu11〜tzu69は、画像ファイルとして
画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に一旦記録され
る。
【0122】続いて、この2次記憶媒体からビットマッ
プ形式画像tzu11〜tzu69を読み出して2次元
デジタルフーリエ変換処理を行い、新しく2次元フーリ
エ変換データftzu11〜ftzu69を作成する。
ここでtzu11〜tzu69は全て128×128点
から構成される2次元配列データであるため、この2次
元デジタルフーリエ変換処理として汎用の高速フーリエ
変換処理であるCooley−Tukeyのアルゴリズ
ムを用いることができる。具体的には、以下のような変
換処理を行う。
【0123】まず、ビットマップ形式画像の各画素を要
素とした複素数2次元配列データを準備する。ここで
は、複素数2次元配列データの実数部にビットマップ形
式画像の各画素の明るさを代入し、虚数部はすべて0と
する。この128×128のサイズの複素数2次元配列
データについて2次元FFT処理を行い、その変換結果
として128×128のサイズの複素数2次元配列デー
タを得る。
【0124】上記の処理をtzu11からftzu69
への変換を例に説明すると、以下のようなこととなる。
【0125】ビットマップ形式画像tzu11を画像処
理用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、その座
標を上記と同じく、画像の一番左隅下の画素座標を原点
として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設
定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
て、座標x,yの位置の画素の明るさをG(x,y)で
表す。ftzu11の2次元配列の各配列要素をR
(s,t)で表すと、以下の式を用いてG(x,y)か
らR(s,t)を計算することができる。
【0126】
【数35】 ここで、定数wとhは画像の幅および高さであり、配列
要素は添え字「0」〜「w−1」および「0」〜「h−
1」の範囲である。この変換結果である128×128
のサイズの複素数2次元配列データR(s,t)をそれ
ぞれ2次元フーリエ変換データftzu11〜ftzu
69とし、それぞれを画像ファイルとして画像処理用コ
ンピュータの2次記憶媒体に記録する。この処理によっ
て得られた2次元フーリエ変換データftzu11〜f
tzu69を以下の処理によって足し合わせて、合計の
2次元フーリエスペクトルを計算する。
【0127】まず、画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体に記録された2次元フーリエ変換データftzu1
1〜ftzu69をすべて読み出し、読み出したデータ
を複素数4次元データ配列A(i,j,s,t)として
画像処理用コンピュータの1次記憶素子に格納する。デ
ータ配列の添え字i,j,s,tのうち、iは画像処理
用コンピュータの2次記憶媒体に記録された2次元フー
リエ変換データftzu11〜ftzu55の最初の添
え字で、jはその2番目の添え字を表わす。sとtはそ
れら各々の2次元フーリエ変換データの配列の添え字、
つまり上述の複素数2次元配列データR(s,t)の添
え字sとtに対応する。この複素数4次元データ配列A
(i,j,s,t)から以下の式によって実数2次元デ
ータ配列B(s,t)を求める。
【0128】
【数36】 上記処理によって求めた実数2次元データ配列B(s,
t)は、図10に示した電子顕微鏡写真画像の全体の空
間周波数スペクトルに相当する。この実数2次元データ
配列B(s,t)の空間周波数スペクトルのsとtのス
ケールは、通常の方式で128×128画素の2次元画
像データを2次元デジタルフーリエ変換した場合と同じ
であり、B(0,0)が空間周波数0の成分に相当す
る。また、wを分割画像の幅、hを分割画像の高さとし
た時、B(w/2,0)が丁度2画素分の波長に対応し
た横方向の空間周波数成分に相当し、B(0,h/2)
が丁度2画素分の波長に対応した縦方向の空間周波数成
分に相当する。本実施例ではw、hは共に128であ
る。
【0129】なお、上述の処理では、元の大きな原画像
を小さな領域に区切っているが、分割した領域の幅や高
さ以上の長い波長に相当する空間周波数成分は一切計算
されていない。
【0130】上述の処理結果について、空間周波数0に
相当する成分を画像の中心になるように変換した結果
を、それぞれの空間周波数成分を画素の明るさとして空
間周波数スペクトルを表現した結果を図12に示す。こ
の場合の変換式を以下に示す。
【0131】
【数37】 ここで、wとhはB(s,t)配列のsとtの範囲であ
り、sは「0」〜「w−1」、tはは「0」〜「h−
1」である。本実施例ではw,h共に128である。
【0132】(実施例6)上述の実施例5では、画像処
理用コンピュータで元画像の分割、窓関数の掛け合わ
せ、2次元フーリエ変換処理、フーリエ変換結果の足し
合わせ処理を、コンピュータの2次記憶媒体に毎回記憶
させながら手動で行ったが、これら中間処理結果をコン
ピュータの2次記憶媒体に記録せずに、バッチ処理とし
て自動的に一連の操作を行うことが可能である。図13
に、その処理フローの一例を示す。
【0133】まず、ステップS300にて、デジタル化
されたビットマップ形式の画像ファイルを自動的に分割
する処理を行う。ただし、分割領域の大きさは最終的な
空間周波数スペクトルの粗さになるため、この大きさだ
けは本自動処理プログラムを利用する利用者が適宜判断
して入力パラメータとして入力する。このようにして入
力された分割領域の幅をw、高さをhとする。これらw
とhは、高速フーリエ変換処理を利用できるように2の
整数乗の値であることが好ましい。元のデジタル化され
たビットマップ形式の画像サイズを幅W、高さHとす
る。これらのパラメータから分割する領域数を横方向に
、縦方向にnとすると、これらは
【0134】
【数38】 で表わされる。ここで、括弧[]はガウスの記号で、
[x]は実数xを超えない最大の整数を意味する。以
下、説明で用いる括弧[]は全てこのガウスの記号とし
て扱う。
【0135】次に分割領域の範囲を決定する。分割前の
画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横方向右向
きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方向Y方向
共に1画素間隔を単位長さ1として、横方向にi番目、
縦方向にj番目の分割領域の範囲は、
【0136】
【数39】 で与えられる。
【0137】次に、ステップS301にて、2次元フー
リエ変換結果を足し合わせて記憶するためのw×hの要
素を持つ実数配列Bの全要素をすべて0に初期化する。
ここでは、すべての配列は添え字の始まりが0であると
する。
【0138】初期化後、上記の方法で決めた分割範囲に
したがって、まず一番左下隅の分割領域のビットマップ
形式データを取り出して2次元フーリエ変換処理し、そ
の結果を2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶す
るための配列に足し合わせる。次に、その隣の領域に対
して同じ処理を行い再び2次元フーリエ変換結果を足し
合わせて記憶するための配列Bにその処理結果を足し合
わせる。この処理を全ての分割領域に対して行い、2次
元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶するための配列
Bを計算する(ステップS302〜S311)。このよ
うにして得られた配列Bは、次の処理を行うブロック
(図1のフィルタ処理部24)へ出力される(ステップ
S312)。
【0139】以下に、横方向にi番目、縦方向にj番目
の分割領域に対する変換処理手順を詳細に説明する。
【0140】分割前のビットマップ形式の画像から横方
向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の要素をすべて
取り出し、各要素をw×hの要素を持つ実数配列Zにコ
ピーする。分割前のビットマップ形式データをW×Hの
要素を持つ2次元配列Iとして表現すると、そのコピー
【0141】
【数40】 の演算を、それぞれ「0」〜「w−1」、「0」〜「h
−1」の範囲の整数xとyの全ての組み合わせに対して
行う。ただし、上の式で配列I(x,y)のx≧Wある
いはy≧Hの要素に関しては任意の値とする。
【0142】次に、窓関数F(x)とF(y)をそ
れぞれ要素数wとhの実数1次元配列として全要素を以
下のように計算する。
【0143】
【数41】 この窓関数配列を用いて、分割領域データ配列Zからw
×hの要素数を持つ2次元複素数配列Gを以下の計算
で、全部の要素について求める。
【0144】
【数42】 G(x,y)=F(x)F(y)Z(x,y) G(x,y)=0 ここで、GとGはそれぞれ複素数配列Gの実数部と
虚数部である。ここで求めた2次元複素数配列Gを2次
元フーリエ変換処理する。2次元フーリエ変換処理は次
式の計算で行い、その変換結果をw×hの要素数を持つ
2次元複素数配列Rの全要素に格納する。
【0145】
【数43】 ここで、RとRはそれぞれ複素数配列Rの実数部と
虚数部である。ただし、wとhが共に2の整数乗の場合
は、汎用のCooley−Tukeyのアルゴリズムを
用いた2次元FFT処理によって同じ計算を短時間で行
うことが出来る。
【0146】この2次元フーリエ変換処理によって求め
たw×hの要素数を持つ2次元複素数配列Rを全要素
を、次のようにして2次元フーリエ変換結果を足し合わ
せて記憶するためのw×hの要素を持つ実数配列Bに足
し合わせる。
【0147】
【数44】 以上の演算を行うことにより、横方向にi番目、縦方向
にj番目の分割領域に対する処理が完了する。この処理
結果を実施例1と同様、以下の処理で空間周波数0に相
当する成分を画像の中心になるように変換し、それぞれ
の空間周波数成分を画素の明るさとして空間周波数スペ
クトルを表現することが出来る。この場合の変換式は、
【0148】
【数45】 で与えられる。ここで、C(s,t)もw×hの要素数
を持つ2次元実数配列である。
【0149】この処理法によって任意の長方形領域の画
像を、完全に処理されない部分を設けずに、フーリエ変
換し空間周波数スペクトルを求めることが可能である。
【0150】(実施例7)前述の実施例1のデジタル画
像処理の変形例として、複素数2次元配列データR
(s,t)として画像処理用コンピュータの2次記憶媒
体に記録した2次元フーリエ変換データftzu11〜
ftzu55について、特定の空間周波数の成分だけを
取り出して処理するようにすることもできる。ここで
は、その処理について説明する。なお、以下の説明にお
いて、複素数2次元配列データR(s,t)を求めるま
での処理は前述の実施例1の手順と同じため、ここでは
その処理について説明は省略する。
【0151】本実施例では、特定の空間周波数の成分だ
けを取り出すために、画像処理用コンピュータの2次記
憶媒体に記録した2次元フーリエ変換データftzu1
1〜ftzu55を読み出しその各々に対して後述する
処理を行い、新しいデータとしてdftzu11〜df
tzu55を画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録する。以下、定数wとhをそれぞれ分割画像の幅と
高さとして、ftzu11の処理手順を説明する。
【0152】まず、画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体からftzu11をw×hの要素を持つ2次元複素
数配列R(s,t)として格納する。ここで、配列要素
は添え字「0」〜「w−1」と「0」〜「h−1」の範
囲である。この配列R(s,t)から以下の演算を全配
列要素に対して行うことによって、w×hの要素を持つ
新しい2次元複素数配列D(s,t)を求める。
【0153】
【数46】D(s,t)=M(s,t)R(s,t) ここで、w×hの要素を持つ2次元複素数配列M(s,
t)は以下のように与えられるものとする。
【0154】
【数47】 を満足するs,tの場合 M(s,t)=0 で与えられる。本実施例では、定数rの値として32を
用いる。この処理によって4画素分の幅より短い波長に
相当する空間周波数をもつ成分を削除し、それより長い
波長に相当する空間周波数成分だけを残す。2次元フー
リエ変換データftzu11〜ftzu55の各々に対
してこの処理を行い、求まったw×hの要素を持つ新し
い2次元複素数配列D(s,t)を画像処理用コンピュ
ータの2次記憶媒体にそれぞれdftzu11〜dft
zu55として記録する。
【0155】上記処理で画像処理用コンピュータの2次
記憶媒体に記録した2次元複素数配列dftzu11〜
dftzu55に対して2次元デジタルフーリエ逆変換
処理を行い、新しく2次元複素数配列データiftzu
11〜iftzu55を作成する。ここでdftzu1
1〜dftzu55は全て128×128点から構成さ
れる2次元配列データであるため、この2次元デジタル
フーリエ変換処理として汎用の高速フーリエ変換処理で
あるCooley−Tukeyのアルゴリズムを用いる
ことができる。具体的には、128×128のサイズの
複素数2次元配列データを2次元FFT処理による逆変
換を行い、その変換結果として128×128のサイズ
の複素数2次元配列データを得る。この処理をdftz
u11からitzu11への変換を例に以下に説明す
る。
【0156】ビットマップ形式画像dftzu11を画
像処理用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、そ
の座標を画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横
方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方
向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1として、座標x,
yの位置の画素の明るさをD(s,t)で表し、itz
u11の2次元配列の各配列要素をE(x,y)で表
す。そして、以下の式を用いてD(s,t)からE
(x,y)を計算する。
【0157】
【数48】 ここで、定数wとhはそれぞれ画像の幅と高さであり、
配列要素は添え字「0」〜「w−1」および「0」〜
「h−1」の範囲である。
【0158】上記の変換結果である128×128のサ
イズの2次元複素数配列データE(x,y)の各要素
は、一般的に虚数部が0ではない複素数であるが、本実
施例では関数M(s,t)として対称性の高い配列を用
いているため、虚数部は全要素で0である。2次元複素
数配列データE(x,y)の各要素は、それぞれ2次元
フーリエ変換データitzu11〜itzu55として
画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に記録する。
【0159】上記処理で画像処理用コンピュータの2次
記憶媒体に記録した2次元複素数データitzu11〜
itzu55から、分割する前のビットマップ形式画像
をフーリエフィルタリングした画像データを作成する。
その処理を以下に説明する。
【0160】まず、分割する前のビットマップ形式画像
の横幅の画素数をW、高さの画素数をHとして、新たに
W×Hの要素数を持つ2次元実数配列J(x,y)を作
成し、その全要素を0で初期化する。
【0161】次に画像処理用コンピュータの2次記憶媒
体に記録した2次元複素数データitzu11〜itz
u55を一つずつ読み込み、その各要素の絶対値を以下
のように2次元実数配列J(x,y)に加算する。
【0162】画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録した2次元複素数データitzu11〜itzu5
5のうち一つを、2次元複素数配列E(x,y)に読み
込み、その全要素に対して
【0163】
【数49】J(x+u,y+v)+|E(x,y)| を計算し、その結果を新たにJ(x+u,y+v)とす
る。ここで、定数uとvは、分割した領域の分割前の場
所に依存した値であり、本実施例では、これらの値は図
14に示すような値で与えられる。
【0164】画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録した2次元複素数データitzu11〜itzu5
5について上記加算処理を行い、その結果得られた2次
元実数配列J(x,y)をビットマップ形式にデータを
並び替え、元の全ビットマップ形式画像をフーリエフィ
ルタリングした画像データを作成する。その結果を図1
5に示す。
【0165】(実施例8)上述の実施例7では、画像処
理用コンピュータで元画像の分割、窓関数の掛け合わ
せ、2次元フーリエ変換処理、、フィルタ関数との演
算、逆フーリエ変換、逆フーリエ変換結果の足し合わせ
処理を、コンピュータの2次記憶媒体に毎回記憶させな
がら手動で行ったが、これら中間処理結果をコンピュー
タの2次記憶媒体に記録せずに、バッチ処理として自動
的に一連の操作を行うことが可能である。図16に、そ
の処理フローの1例を示す。
【0166】まず、ステップS400にて、デジタル化
されたビットマップ形式の画像ファイルを自動的に分割
する処理を行う。ただし、分割領域の大きさは最終的な
空間周波数スペクトルの粗さになるため、この大きさだ
けは本自動処理プログラムを利用する利用者が適宜判断
して入力パラメータとして入力する。このようにして入
力された分割領域の幅をw、高さをhとする。これらw
とhは、高速フーリエ変換処理を利用できるように2の
整数乗の値であることが好ましい。元のデジタル化され
たビットマップ形式の画像サイズを幅W、高さHとす
る。これらのパラメータから分割する領域数を横方向に
、縦方向にnとすると、これらは
【0167】
【数50】 で表わされる。ここで、括弧[]はガウスの記号で、
[x]は実数xを超えない最大の整数を意味する。以
下、説明で用いる括弧[]は全てこのガウスの記号とし
て扱う。また、αとαはいずれも0以上で、それぞ
れWとH以下程度の適当な値である。これはWが丁度w
で割り切れるか、その除算の余りがwに比べて小さい場
合、故意に分割領域の重なる部分を設けるための値であ
る。本実施例では、これらの値をα=W/2、α
H/2としている。
【0168】上記のようにして領域数nとnが求め
られると、続いて、これら領域数に基づいて領域の範囲
を決定する。分割前の画像の一番左隅下の画素座標を原
点として、横方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を
設定し、X方向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1とし
た場合、横方向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の
範囲は、
【0169】
【数51】 で与えられる。
【0170】次に、ステップS401にて、分割演算処
理結果を足し合わせて記憶するためのW×Hの要素を持
つ実数配列Jの全要素をすべて0に初期化する。ここ
で、本実施例のすべての配列は添え字の始まりが0であ
る。
【0171】初期化後、ステップS402〜S413の
一連の処理を行う。まず、上記の方法で決めた分割範囲
にしたがって、一番左下隅の分割領域のビットマップ形
式データを取り出して2次元フーリエ変換処理し、その
処理結果を、2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記
憶するための配列に足し合わせる。次に、その隣の領域
に対して同じ処理を行い、再び2次元フーリエ変換結果
を足し合わせて記憶するための配列にその処理結果を足
し合わせる。この繰り返しを全ての分割領域に対して行
い、2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶するた
めの配列を計算する(ステップS404〜S406)。
【0172】以下、横方向にi番目、縦方向にj番目の
分割領域に対する変換処理手順を詳細に説明する。
【0173】分割前のビットマップ形式の画像から横方
向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の要素をすべて
取り出し、各要素をw×hの要素を持つ実数配列Zにコ
ピーする。分割前のビットマップ形式データをW×Hの
要素を持つ2次元配列Iとして表現すると、そのコピー
は、以下の式に基づく計算を、それぞれ範囲「0」〜
「w−1」、「0」〜「h−1」の範囲の整数xとyの
全ての組み合わせに対して行う。
【0174】
【数52】 次に、窓関数F(x)とF(y)をそれぞれ要素数
wとhの実数1次元配列として全要素を以下のようにし
て計算する。
【0175】
【数53】 として窓関数配列を求める。
【0176】上記のようにして求めた窓関数配列を用い
て、分割領域データ配列Zからw×hの要素数を持つ2
次元複素数配列Gを以下の式により計算して全部の要素
を求める。
【0177】
【数54】 G(x,y)=F(x)F(y)Z(x,y) G(x,y)=0 ここで、GとGはそれぞれ複素数配列Gの実数部と
虚数部である。ここで求めた2次元複素数配列Gを2次
元フーリエ変換処理する。この2次元フーリエ変換処理
を以下の式を用いて行い、その変換結果をw×hの要素
数を持つ2次元複素数配列Rの全要素に格納する。
【0178】
【数55】 ここでRとRはそれぞれ複素数配列Rの実数部と虚
数部である。ただし、wとhが共に2の整数乗の場合
は、汎用のCooley−Tukeyのアルゴリズムを
用いた2次元FFT処理によって同じ計算を短時間で行
うことが出来る。
【0179】次に、特定の空間周波数の成分だけを取り
出すために、この2次元複素数配列R(s,t)に対
し、次の演算を行ってw×hの要素を持つ新しい2次元
複素数配列D(s,t)を求める(ステップS40
7)。
【0180】
【数56】D(s,t)=M(s,t)R(s,t) ここで、ある空間周波数r以上の成分を取り除くため、
w×hの要素を持つ2次元複素数配列M(s,t)は以
下のように与えられるものとする。
【0181】
【数57】 を満足するs,tの場合 M(s,t)=0 で与えられる。
【0182】これは、単純に空間周波数の完全なローパ
スフィルタであるが、このフィルタ用配列としてはw×
hの要素を持つ任意の配列を用いることができる。ただ
し、この2次元複素数配列M(s,t)は全ての分割領
域に対して同じ配列を用いる。
【0183】次に、上記のようにして求めたD(s,
t)から以下の式を用いて2次元デジタルフーリエ逆変
換処理を行い、新しく2次元複素数配列E(x,y)を
求める(ステップS408)。
【0184】
【数58】 ここでwとhが共に2の整数乗の値である場合、この2
次元デジタルフーリエ変換処理として汎用の高速フーリ
エ変換処理であるCooley−Tukeyのアルゴリ
ズムを利用し同じ計算を短時間で行うことが出来る。
【0185】最後に、この2次元複素数配列E(x,
y)を2次元実数配列J(x,y)に足しあわせる(ス
テップS409)。この処理は、E(x,y)の全要素
に対して以下の式を用いて行う。
【0186】
【数59】 を満足しない2次元実数配列J(x,y)の要素に関し
ては、前の値をそのまま用いる。
【0187】以上の演算を行うことにより、横方向にi
番目、縦方向にj番目の分割領域に対する処理が完了す
る。
【0188】以上の処理を横方向に1からn、縦方向
に1からnまで分割領域全部に対して行い、分割演算
処理結果を足しあわせる2次元実数配列J(x,y)を
求め、その求めた2次元実数配列J(x,y)をビット
マップ形式にデータを並び替えて、元の全ビットマップ
形式画像をフーリエフィルタリングした画像データを作
成する。上述のようにして得られた配列Jは、次の処理
を行うブロック(図1のフィルタ処理部24)へ出力さ
れる(ステップS414)。
【0189】(実施例9)前述の実施例7で説明したフ
ーリエフィルタ処理では、前述の実施例1の図4で示し
たような、空間周波数0付近にフーリエ変換する領域の
外の境界の影響が生じる。その影響がフーリエフィルタ
で用いる関数形(実施例7のM(s,t)配列)によっ
ては、問題を発生させる可能性がある。ここでは、その
影響を抑えるために窓関数を工夫した実施例について説
明する。なお、以下の説明において、複素数2次元配列
データR(s,t)を2次元フーリエ変換データftz
u11〜ftzu79として、それぞれ画像ファイルと
して画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に記録する
までの処理は前述の実施例3の手順と同じため、ここで
はその処理についての説明は省略する。
【0190】本実施例では、特定の空間周波数の成分だ
けを取り出すために、画像処理用コンピュータの2次記
憶媒体に記録した2次元フーリエ変換データftzu1
1〜ftzu79を読み出し、その各々に対して後述す
る処理を行い、新しいデータとしてdftzu11〜d
ftzu79を画像処理用コンピュータの2次記憶媒体
に記録する。この処理は、ftzu11〜ftzu79
全てに対して同じ処理を行う。ここでは、定数wとhを
それぞれ分割画像の幅と高さとして、ftzu11を例
に説明する。
【0191】まず、画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体からftzu11をw×hの要素を持つ2次元複素
数配列R(s,t)として格納する。ここで、配列要素
は添え字「0」〜「w−1」と「0」〜「h−1」の範
囲である。この配列R(s,t)から以下の演算を全配
列要素に対して行うことによって、w×hの要素を持つ
新しい2次元複素数配列D(s,t)を求める。
【0192】
【数60】D(s,t)=M(s,t)R(s,t) ここで、w×hの要素を持つ2次元複素数配列M(s,
t)は以下のように与えられるものとする。
【0193】
【数61】 を満足するs,tの場合 M(s,t)=0 で与えられる。ここで、本実施例では定数rの値として
16を用いる。この処理によって8画素分の幅より短い
波長に相当する空間周波数をもつ成分を削除し、それよ
り長い波長に相当する空間周波数成分だけを残す。2次
元フーリエ変換データftzu11〜ftzu79の各
々に対してこの処理を行い、求まったw×hの要素を持
つ新しい2次元複素数配列D(s,t)を画像処理用コ
ンピュータの2次記憶媒体にそれぞれdftzu11〜
dftzu79として記録する。
【0194】上記処理で画像処理用コンピュータの2次
記憶媒体に記録した2次元複素数配列dftzu11〜
dftzu79に対して2次元デジタルフーリエ逆変換
処理を行い、新しく2次元複素数配列データiftzu
11〜iftzu79を作成する。ここで、dftzu
11〜dftzu79は全て128×128点から構成
される2次元配列データであるため、この2次元デジタ
ルフーリエ変換処理として汎用の高速フーリエ変換処理
であるCooley−Tukeyのアルゴリズムを用い
ることができる。具体的には、128×128のサイズ
の複素数2次元配列データを2次元FFT処理による逆
変換を行い、その変換結果として128×128のサイ
ズの複素数2次元配列データを得る。この処理をdft
zu11からitzu11への変換を例に以下に説明す
る。
【0195】ビットマップ形式画像dftzu11を画
像処理用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、そ
の座標を画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横
方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方
向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1として、座標x,
yの位置の画素の明るさをD(s,t)で表し、itz
u11の2次元配列の各配列要素をE(x,y)で表
す。そして、以下の式を用いてD(s,t)からE
(x,y)を計算する。
【0196】
【数62】 ここで、定数wとhはそれぞれ画像の幅と高さであり、
配列要素は添え字「0」〜「w−1」および「0」〜
「h−1」の範囲である。
【0197】上記の変換結果である128×128のサ
イズの2次元複素数配列データE(x,y)の各要素
は、一般的に虚数部が0ではない複素数であるが、本実
施例では関数M(s,t)として対称性の高い配列を用
いているため、虚数部は全要素で0である。2次元複素
数配列データE(x,y)の各要素は、それぞれ2次元
フーリエ変換データitzu11〜itzu79として
画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に記録する。
【0198】上記処理で画像処理用コンピュータの2次
記憶媒体に記録した2次元複素数データitzu11〜
itzu79から、分割する前のビットマップ形式画像
をフーリエフィルタリングした画像データを作成する。
その処理を以下に説明する。
【0199】まず、分割する前のビットマップ形式画像
の横幅の画素数をW、高さの画素数をHとして、新たに
W×Hの要素数を持つ2次元実数配列J(x,y)を作
成し、その全要素を0で初期化する。
【0200】次に画像処理用コンピュータの2次記憶媒
体に記録した2次元複素数データitzu11〜itz
u79を一つずつ読み込み、その各要素の絶対値を以下
のように2次元実数配列J(x,y)に加算する。
【0201】画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録した2次元複素数データitzu11〜itzu5
5のうち一つを、2次元複素数配列E(x,y)に読み
込み、その全要素に対して
【0202】
【数63】J(x+u,y+v)+|E(x,y)| を計算し、その結果を新たにJ(x+u,y+v)とす
る。ここで、定数uとvは、分割した領域の分割前の場
所に依存した値であり、本実施例では、図17に示すよ
うな値で与えられる。
【0203】画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録した2次元複素数データitzu11〜itzu7
9について上記加算処理を行い、その結果得られた2次
元実数配列J(x,y)をビットマップ形式にデータを
並び替え、元の全ビットマップ形式画像をフーリエフィ
ルタリングした画像データを作成する。その結果を図1
8に示す。
【0204】(実施例10)上述の実施例9では、画像
処理用コンピュータで元画像の分割、窓関数の掛け合わ
せ、2次元フーリエ変換処理、フィルタ関数との演算、
逆フーリエ変換、逆フーリエ変換結果の足し合わせ処理
を、コンピュータの2次記憶媒体に毎回記憶させながら
手動で行ったが、これら中間処理結果をコンピュータの
2次記憶媒体に記録せずに、バッチ処理として自動的に
一連の操作を行うことが可能である。図19に、その処
理フローの一例を示す。
【0205】まず、ステップS500にて、デジタル化
されたビットマップ形式の画像ファイルを自動的に分割
する処理を行う。ただし、分割領域の大きさは最終的な
空間周波数スペクトルの粗さになるため、この大きさだ
けは本自動処理プログラムを利用する利用者が適宜判断
して入力パラメータとして入力する。このようにして入
力された分割領域の幅をw、高さをhとする。これらw
とhは、高速フーリエ変換処理を利用できるように2の
整数乗の値であることが好ましい。元のデジタル化され
たビットマップ形式の画像サイズを幅W、高さHとす
る。これらのパラメータから分割する領域数を横方向に
、縦方向にnとすると、これらは
【0206】
【数64】 で表わされる。ここで、括弧[]はガウスの記号で、
[x]は実数xを超えない最大の整数を意味する。以
下、説明で用いる括弧[]は全てこのガウスの記号とし
て扱う。
【0207】上記の演算式によれば、(n+1)w/
2がWと等しくない場合や(n+1)h/2がHと等
しくない場合は,分割領域に完全に含まれない領域が出
来てしまう。この点が本実施例の分割処理法の制限とな
る。
【0208】次に分割領域の範囲を決定する。分割前の
画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横方向右向
きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方向Y方向
共に1画素間隔を単位長さ1として、横方向にi番目、
縦方向にj番目の分割領域の範囲は、
【0209】
【数65】 で与えられる。ここで、βとβは分割領域に完全に
含まれない領域を元画像の両端のどちらの部分にどの程
度にするかを決定するためのパラメータである。ここで
は、
【0210】
【数66】 とすることで、その分割領域は元画像の両端とほぼ同程
度になるように設定される。
【0211】次に、ステップS501にて、2次元フー
リエ変換結果を足し合わせて記憶するためのw×hの要
素を持つ実数配列Bの全要素をすべて0に初期化する。
ここで、すべての配列は添え字の始まりが0である。
【0212】初期化後、ステップS502〜S513の
一連の処理を行う。まず、上記の方法で決めた分割範囲
にしたがって、まず一番左下隅の分割領域のビットマッ
プ形式データを取り出して2次元フーリエ変換処理し、
その結果を2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶
するための配列に足し合わせる。続いて、その隣の領域
に対して同じ処理を行い再び2次元フーリエ変換結果を
足し合わせて記憶するための配列にその処理結果を足し
合わせる。この繰り返しを全ての分割領域に対して行
い、2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶するた
めの配列を計算する(ステップS504〜S506)。
【0213】以下に、横方向にi番目、縦方向にj番目
の分割領域に対する変換処理手順を詳細に説明する。
【0214】分割前のビットマップ形式の画像から横方
向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の要素をすべて
取り出し、各要素をw×hの要素を持つ実数配列Zにコ
ピーする。分割前のビットマップ形式データをW×Hの
要素を持つ2次元配列Iとして表現すると、そのコピー
【0215】
【数67】 の演算を、それぞれ「0」〜「w−1」、「0」〜「h
−1」の範囲の整数xとyの全ての組み合わせに対して
行う。
【0216】次に、窓関数F(x)とF(y)をそ
れぞれ要素数wとhの実数1次元配列として全要素を以
下のように計算する。
【0217】
【数68】 この窓関数配列を用いて、分割領域データ配列Zからw
×hの要素数を持つ2次元複素数配列Gを以下の計算
で、全部の要素について求める。
【0218】
【数69】 G(x,y)=F(x)F(y)Z(x,y) G(x,y)=0 ここで、GとGはそれぞれ複素数配列Gの実数部と
虚数部である。このようにして求めた2次元複素数配列
Gを2次元フーリエ変換処理する。ここで、2次元フー
リエ変換処理は次の計算で行い、その変換結果をw×h
の要素数を持つ2次元複素数配列Rの全要素に格納す
る。
【0219】
【数70】 ここで、RとRはそれぞれ複素数配列Rの実数部と
虚数部である。ただし、wとhが共に2の整数乗の場合
は、汎用のCooley−Tukeyのアルゴリズムを
用いた2次元FFT処理によって同じ計算を短時間で行
うことが出来る。
【0220】次に、特定の空間周波数の成分だけを取り
出すために、この2次元複素数配列R(s,t)に対
し、次の演算を行ってw×hの要素を持つ新しい2次元
複素数配列D(s,t)を求める(ステップS50
7)。
【0221】
【数71】D(s,t)=M(s,t)R(s,t) ここで、ある空間周波数r以上の成分を取り除くため、
w×hの要素を持つ2次元複素数配列M(s,t)は以
下のように与えられるものとする。
【0222】
【数72】 を満足するs,tの場合 M(s,t)=0 で与えられる。これは、単純に空間周波数の完全なロー
パスフィルタであるが、このフィルタ用配列としてはw
×hの要素を持つ任意の配列を用いることができる。た
だし、この2次元複素数配列M(s,t)は全ての分割
領域に対して同じ配列を用いる。
【0223】次に、上記のようにして求めたD(s,
t)から以下の式を用いて2次元デジタルフーリエ逆変
換処理を行い、新しく2次元複素数配列E(x,y)を
求める(ステップS508)。
【0224】
【数73】 ここでwとhが共に2の整数乗の値である場合、この2
次元デジタルフーリエ変換処理として汎用の高速フーリ
エ変換処理であるCooley−Tukeyのアルゴリ
ズムを利用し同じ計算を短時間で行うことが出来る。
【0225】最後に、この2次元複素数配列E(x,
y)を2次元実数配列J(x,y)に足しあわせる(ス
テップS509)。この処理は、E(x,y)の全要素
に対して以下の式を用いて行う。
【0226】
【数74】 を満足しない2次元実数配列J(x,y)の要素に関し
ては、前の値をそのまま用いる。
【0227】以上の演算を行うことにより、横方向にi
番目、縦方向にj番目の分割領域に対する処理が完了す
る。
【0228】以上の処理を横方向に1からnw、縦方向
に1からnhまで分割領域全部に対して行い、分割演算
処理結果を足しあわせる2次元実数配列J(x,y)を
求める。そして、求めた2次元実数配列J(x,y)を
ビットマップ形式にデータを並び替え、元の全ビットマ
ップ形式画像をフーリエフィルタリングした画像データ
を作成する。上述のようにして得られた配列Jは、次の
処理を行うブロック(図1のフィルタ処理部24)へ出
力される(ステップS514)。
【0229】(実施例11)前述の実施例9に示したフ
ーリエフィルタ処理では、元画像の大きさによっては両
端部に完全にフーリエ変換処理されない領域が生じてし
まう制約があった。ここでは、そのような領域が生じな
いように、領域分割法と窓関数を工夫した実施例につい
て説明する。なお、以下の説明において、複素数2次元
配列データR(s,t)を2次元フーリエ変換データf
tzu11〜ftzu69とし、それぞれ画像ファイル
として画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に記録す
るまでの処理は前述の実施例5の手順と同じため、ここ
ではその処理について説明は省略する。
【0230】本実施例では、特定の空間周波数の成分だ
けを取り出すために、画像処理用コンピュータの2次記
憶媒体に記録した2次元フーリエ変換データftzu1
1〜ftzu79を読み出し、その各々に対して後述す
る処理を行い、新しいデータとしてdftzu11〜d
ftzu69を画像処理用コンピュータの2次記憶媒体
に記録する。この処理は、ftzu11〜ftzu69
全てに対して同じ処理を行う。ここでは、定数wとhを
それぞれ分割画像の幅と高さとして、ftzu11を例
に説明する。
【0231】まず、画像処理用コンピュータの2次記憶
媒体からftzu11をw×hの要素を持つ2次元複素
数配列R(s,t)として格納する。ここで、配列要素
は添え字「0」〜「w−1」と「0」〜「h−1」の範
囲である。この配列R(s,t)から以下の演算を全配
列要素に対して行うことによって、w×hの要素を持つ
新しい2次元複素数配列D(s,t)を求める。
【0232】
【数75】D(s,t)=M(s,t)R(s,t) ここで、w×hの要素を持つ2次元複素数配列M(s,
t)は以下のように与えられるものとする。
【0233】
【数76】 を満足するs,tの場合 M(s,t)=0 で与えられる。ここで、本実施例では定数rの値として
32を用いる。この処理によって4画素分の幅より短い
波長に相当する空間周波数をもつ成分を削除し、それよ
り長い波長に相当する空間周波数成分だけを残す。2次
元フーリエ変換データftzu11〜ftzu69の各
々に対してこの処理を行い、求まったw×hの要素を持
つ新しい2次元複素数配列D(s,t)を画像処理用コ
ンピュータの2次記憶媒体にそれぞれdftzu11〜
dftzu69として記録する。
【0234】上記処理で画像処理用コンピュータの2次
記憶媒体に記録した2次元複素数配列dftzu11〜
dftzu69に対して2次元デジタルフーリエ逆変換
処理を行い、新しく2次元複素数配列データiftzu
11〜iftzu69を作成する。ここで、dftzu
11〜dftzu69は全て128×128点から構成
される2次元配列データであるため、この2次元デジタ
ルフーリエ変換処理として汎用の高速フーリエ変換処理
であるCooley−Tukeyのアルゴリズムを用い
ることができる。具体的には、128×128のサイズ
の複素数2次元配列データを2次元FFT処理による逆
変換を行い、その変換結果として128×128のサイ
ズの複素数2次元配列データを得る。この処理をdft
zu11からitzu11への変換を例に以下に説明す
る。
【0235】ビットマップ形式画像dftzu11を画
像処理用コンピュータの2次記憶媒体から読み出し、そ
の座標を画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横
方向右向きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方
向Y方向共に1画素間隔を単位長さ1として、座標x,
yの位置の画素の明るさをD(s,t)で表し、itz
u11の2次元配列の各配列要素をE(x,y)で表
す。そして、以下の式を用いてD(s,t)からE
(x,y)を計算する。
【0236】
【数77】 ここで、定数wとhはそれぞれ画像の幅と高さであり、
配列要素は添え字「0」〜「w−1」および「0」〜
「h−1」の範囲である。
【0237】上記の変換結果である128×128のサ
イズの2次元複素数配列データE(x,y)の各要素
は、一般的に虚数部が0ではない複素数であるが、本実
施例では関数M(s,t)として対称性の高い配列を用
いているため、虚数部は全要素で0である。2次元複素
数配列データE(x,y)の各要素は、それぞれ2次元
フーリエ変換データitzu11〜itzu69として
画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に記録する。
【0238】上記処理で画像処理用コンピュータの2次
記憶媒体に記録した2次元複素数データitzu11〜
itzu69から、分割する前のビットマップ形式画像
をフーリエフィルタリングした画像データを作成する。
その処理を以下に説明する。
【0239】まず、分割する前のビットマップ形式画像
の横幅の画素数をW、高さの画素数をHとして、新たに
W×Hの要素数を持つ2次元実数配列J(x,y)を作
成し、その全要素を0で初期化する。
【0240】次に画像処理用コンピュータの2次記憶媒
体に記録した2次元複素数データitzu11〜itz
u69を一つずつ読み込み、その各要素の絶対値を以下
のように2次元実数配列J(x,y)に加算する。
【0241】画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録した2次元複素数データitzu11〜itzu5
5のうち一つを、2次元複素数配列E(x,y)に読み
込み、その全要素に対して
【0242】
【数78】J(x+u,y+v)+|E(x,y)| を計算し、その結果を新たにJ(x+u,y+v)とす
る。ここで、定数uとvは、分割した領域の分割前の場
所に依存した値であり、本実施例では、図20に示すよ
うな値で与えられる。
【0243】画像処理用コンピュータの2次記憶媒体に
記録した2次元複素数データitzu11〜itzu6
9について上記加算処理を行い、その結果得られた2次
元実数配列J(x,y)をビットマップ形式にデータを
並び替え、元の全ビットマップ形式画像をフーリエフィ
ルタリングした画像データを作成する。その結果を図2
1に示す。
【0244】(実施例12)上述の実施例11では、画
像処理用コンピュータで元画像の分割、窓関数の掛け合
わせ、2次元フーリエ変換処理、フィルタ関数との演
算、逆フーリエ変換、逆フーリエ変換結果の足し合わせ
処理を、コンピュータの2次記憶媒体に毎回記憶させな
がら手動で行ったが、これら中間処理結果をコンピュー
タの2次記憶媒体に記録せずに、バッチ処理として自動
的に一連の操作を行うことが可能である。図22に、そ
の処理フローの一例を示す。
【0245】まず、ステップS600にて、デジタル化
されたビットマップ形式の画像ファイルを自動的に分割
する処理を行う。ただし、分割領域の大きさは最終的な
空間周波数スペクトルの粗さになるため、この大きさだ
けは本自動処理プログラムを利用する利用者が適宜判断
して入力パラメータとして入力する。このようにして入
力された分割領域の幅をw、高さをhとする。これらw
とhは、高速フーリエ変換処理を利用できるように2の
整数乗の値であることが好ましい。元のデジタル化され
たビットマップ形式の画像サイズを幅W、高さHとす
る。これらのパラメータから分割する領域数を横方向に
、縦方向にnとすると、これらは
【0246】
【数79】 で表わされる。ここで、括弧[]はガウスの記号で、
[x]は実数xを超えない最大の整数を意味する。以
下、説明で用いる括弧[]は全てこのガウスの記号とし
て扱う。
【0247】次に分割領域の範囲を決定する。分割前の
画像の一番左隅下の画素座標を原点として、横方向右向
きにX軸、縦方向上向きにY軸を設定し、X方向Y方向
共に1画素間隔を単位長さ1として、横方向にi番目、
縦方向にj番目の分割領域の範囲は、
【0248】
【数80】 で与えられる。
【0249】次に、ステップS601にて、2次元フー
リエ変換結果を足し合わせて記憶するためのw×hの要
素を持つ実数配列Bの全要素をすべて0に初期化する。
ここで、すべての配列は添え字の始まりが0であるとす
る。
【0250】初期化後、ステップS602〜S613の
一連の処理を行う。まず、上記の方法で決めた分割範囲
にしたがって、まず一番左下隅の分割領域のビットマッ
プ形式データを取り出して2次元フーリエ変換処理し、
その結果を2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶
するための配列に足し合わせる。続いて、その隣の領域
に対して同じ処理を行い再び2次元フーリエ変換結果を
足し合わせて記憶するための配列にその処理結果を足し
合わせる。この繰り返しを全ての分割領域に対して行
い、2次元フーリエ変換結果を足し合わせて記憶するた
めの配列を計算する(ステップS604〜S606)。
【0251】以下に、横方向にi番目、縦方向にj番目
の分割領域に対する変換処理手順を詳細に説明する。
【0252】分割前のビットマップ形式の画像から横方
向にi番目、縦方向にj番目の分割領域の要素をすべて
取り出し、各要素をw×hの要素を持つ実数配列Zにコ
ピーする。分割前のビットマップ形式データをW×Hの
要素を持つ2次元配列Iとして表現すると、そのコピー
【0253】
【数81】 の演算を、それぞれ「0」〜「w−1」、「0」〜「h
−1」の範囲の整数xとyの全ての組み合わせに対して
行う。ただし、上記式において、配列I(x,y)のx
≧Wあるいはy≧Hの要素に関しては任意の値とする。
【0254】次に、窓関数F(x)とF(y)をそ
れぞれ要素数wとhの実数1次元配列として全要素を以
下のように計算する。
【0255】
【数82】 この窓関数配列を用いて、分割領域データ配列Zからw
×hの要素数を持つ2次元複素数配列Gを以下の計算
で、全部の要素について求める。
【0256】
【数83】 G(x,y)=F(x)F(y)Z(x,y) G(x,y)=0 ここで、GとGはそれぞれ複素数配列Gの実数部と
虚数部である。このようにして求めた2次元複素数配列
Gを2次元フーリエ変換処理する。ここで、2次元フー
リエ変換処理は以下の式により行い、その変換結果をw
×hの要素数を持つ2次元複素数配列Rの全要素に格納
する。
【0257】
【数84】 ここで、RとRはそれぞれ複素数配列Rの実数部と
虚数部である。ただし、wとhが共に2の整数乗の場合
は、汎用のCooley−Tukeyのアルゴリズムを
用いた2次元FFT処理によって同じ計算を短時間で行
うことが出来る。
【0258】次に、特定の空間周波数の成分だけを取り
出すために、この2次元複素数配列R(s,t)に対
し、次の演算を行ってw×hの要素を持つ新しい2次元
複素数配列D(s,t)を求める(ステップS60
7)。
【0259】
【数85】D(s,t)=M(s,t)R(s,t) ここで、ある空間周波数r以上の成分を取り除くため、
w×hの要素を持つ2次元複素数配列M(s,t)は以
下のように与えられるものとする。
【0260】
【数86】 を満足するs,tの場合 M(s,t)=0 で与えられる。これは、単純に空間周波数の完全なロー
パスフィルタであるが、このフィルタ用配列としてはw
×hの要素を持つ任意の配列を用いることができる。た
だし、この2次元複素数配列M(s,t)は全ての分割
領域に対して同じ配列を用いる。
【0261】次に、上記のようにして求めたD(s,
t)から以下の式を用いて2次元デジタルフーリエ逆変
換処理を行い、新しく2次元複素数配列E(x,y)を
求める(ステップS608)。
【0262】
【数87】 ここでwとhが共に2の整数乗の値である場合、この2
次元デジタルフーリエ変換処理として汎用の高速フーリ
エ変換処理であるCooley−Tukeyのアルゴリ
ズムを利用し同じ計算を短時間で行うことが出来る。
【0263】最後に、この2次元複素数配列E(x,
y)を2次元実数配列J(x,y)に足しあわせる(ス
テップS609)。この処理は、E(x,y)の全要素
に対して以下の式を用いて行う。
【0264】
【数88】 を満足しない2次元実数配列J(x,y)の要素に関し
ては、前の値をそのまま用いる。
【0265】以上の演算を行うことにより、横方向にi
番目、縦方向にj番目の分割領域に対する処理が完了す
る。
【0266】以上の処理を横方向に1からnw、縦方向
に1からnhまで分割領域全部に対して行い、分割演算
処理結果を足しあわせる2次元実数配列J(x,y)を
求める。そして、求めた2次元実数配列J(x,y)を
ビットマップ形式にデータを並び替え、元の全ビットマ
ップ形式画像をフーリエフィルタリングした画像データ
を作成する。上述のようにして得られた配列Jは、次の
処理を行うブロック(図1のフィルタ処理部24)へ出
力される(ステップS614)。
【0267】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大きな画素数の画像を分割してフーリエ変換することが
できるので、フーリエ変換処理、フィルタ処理、フーリ
エ逆変換処理などのデジタル画像処理を小さいメモリで
高速に行うことができ、しかも、分割領域を厳密に連続
的に接合することができるので、各領域の境界部の影響
のない処理画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデジタル画像処理方法が適用される画
像処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】原画像として取り込まれる、化合物半導体断面
の電子顕微鏡写真である
【図3】分割領域の一例を示す図である。
【図4】空間周波数スペクトルの一例を示す図である。
【図5】本発明のデジタル画像処理をバッチ処理として
自動的に行う場合の一手順を示すフローチャート図であ
る。
【図6】原画像として取り込まれる、化合物半導体断面
の電子顕微鏡写真である
【図7】分割領域の一例を示す図である。
【図8】空間周波数スペクトルの一例を示す図である。
【図9】本発明のデジタル画像処理をバッチ処理として
自動的に行う場合の一手順を示すフローチャート図であ
る。
【図10】原画像として取り込まれる、シリコン半導体
表面層断面の電子顕微鏡写真である。
【図11】分割領域の一例を示す図である。
【図12】空間周波数スペクトルの一例を示す図であ
る。
【図13】本発明のデジタル画像処理をバッチ処理とし
て自動的に行う場合の一手順を示すフローチャート図で
ある。
【図14】定数uと定数vの値の一例を示す図である。
【図15】元の全ビットマップ形式画像をフーリエフィ
ルタリングした画像データの一例を示す図である。
【図16】本発明のデジタル画像処理をバッチ処理とし
て自動的に行う場合の一手順を示すフローチャート図で
ある。
【図17】定数uと定数vの値の一例を示す図である。
【図18】元の全ビットマップ形式画像をフーリエフィ
ルタリングした画像データの一例を示す図である。
【図19】本発明のデジタル画像処理をバッチ処理とし
て自動的に行う場合の一手順を示すフローチャート図で
ある。
【図20】定数uと定数vの値の一例を示す図である。
【図21】元の全ビットマップ形式画像をフーリエフィ
ルタリングした画像データの一例を示す図である。
【図22】本発明のデジタル画像処理をバッチ処理とし
て自動的に行う場合の一手順を示すフローチャート図で
ある。
【図23】(a)〜(c)は特開平4−42376号公
報に記載の2次元フーリエ変換における付加データエリ
アの例を示す図である。
【符号の説明】
1 画像入力部 2 画像処理部 3 記憶装置 4 記録媒体 11 スキャナ部 12 画像メモリ部 21 画像分割部 22 窓関数乗算部 23 2次元フーリエ変換部 24 フィルタ処理部 25 2次元フーリエ逆変換部 26 画像合成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/387 G06T 1/00 H04N 1/40

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割するステッ
    プと、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じるステップ
    と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行うステップと、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせるステップとを有し、前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、横幅を
    W、縦幅をHとし、定数aと定数bをそれぞれ0以上1
    未満とした場合に、各分割領域の左下隅をそれぞれ原点
    として、前記窓関数が以下の窓関数F(x,y)で与え
    られる ことを特徴とするデジタル画像処理方法。 F(x,y)=sin 2 (π(x+a)/W)sin 2 (π(y+b)/H)
  2. 【請求項2】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割するステッ
    プと、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じるステップ
    と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行うステップと、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせるステップとを有し、 前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、横幅を
    W、縦幅をHとし、前記オーバーラップ領域の横方向の
    幅をA、縦方向の幅をBとした場合に、各分割領域の左
    下隅をそれぞれ原点として、前記窓関数が以下の窓関数
    F(x,y)で与えられることを特徴とするデジタル画
    像処理方法。F(x,y)=F 1 (x)F 2 (y) ただし、0≦x≦2(W−A)の範囲で、 1 (x)=sin 2 (πx/(2(W−A))) それ以外のxの範囲で、 1 (x)=0 0≦y≦2(H−B)の範囲で、 2 (y)=sin 2 (πy/(2(H−B))) それ以外のyの範囲で、 2 (y)=0
  3. 【請求項3】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割するステッ
    プと、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じるステップ
    と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行うステップと、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせるステップとを有し、 前記原画像の横幅をW、縦幅をHとし、前記分割された
    領域の横座標をx、縦座標をy、横幅をw、縦幅をhと
    し、前記原画像を横方向に分割する領域数をn w 、縦方
    向に分割する領域数をn h とした場合に、前記原画像の
    左下隅を原点として横方向にi番目、縦方向にj番目の
    分割領域に乗じられる前記窓関数が、以下の窓関数F w
    (x)、F h (y)で与えられることを特徴とするデジ
    タル画像処理方法。 【数89】 ここで、[]はガウス記号を表す。
  4. 【請求項4】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割するステッ
    プと、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じるステップ
    と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行うステップと、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせるステップとを有し、 前記原画像の横幅をW、縦幅をHとし、前記分割された
    領域の横座標をx、縦座標をy、横幅をw、縦幅をhと
    し、前記原画像を横方向に分割する領域数をn w 、縦方
    向に分割する領域数をn h とした場合に、前記原画像の
    左下隅を原点として横方向にi番目、縦方向にj番目の
    分割領域に乗じられる前記窓関数が、以下の窓関数F w
    (x)、F h (y)で与えられることを特徴とするデジ
    タル画像処理方法。 【数90】 ここで、[]はガウス記号を表す。
  5. 【請求項5】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する画像分
    割手段と、 前記画像分割手段にて分割された各領域に窓関数を乗じ
    る窓関数乗算手段と、前記窓関数を乗じた各分割領域に
    ついて2次元デジタルフーリエ変換を行う2次元フーリ
    エ変換手段と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる画像合成手段とを有し、 前記窓関数乗算手段は、前記分割された領域の横座標を
    x、縦座標をy、横幅をW、縦幅をHとし、定数aと定
    数bをそれぞれ0以上1未満とした場合に、各分割領域
    の左下隅をそれぞれ原点として、前記窓関数が以下の窓
    関数F(x,y)で与えられるように構成されているこ
    とを特徴とするデジタル画像処理装置。 F(x,y)=sin 2 (π(x+a)/W)sin 2 (π(y+b)/H)
  6. 【請求項6】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する画像分
    割手段と、 前記画像分割手段にて分割された各領域に窓関数を乗じ
    る窓関数乗算手段と、前記窓関数を乗じた各分割領域に
    ついて2次元デジタルフーリエ変換を行う2次元フーリ
    エ変換手段と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる画像合成手段とを有し、 前記窓関数乗算手段は、前記分割された領域の横座標を
    x、縦座標をy、横幅をW、縦幅をHとし、前記オーバ
    ーラップ領域の横方向の幅をA、縦方向の幅をBとした
    場合に、各分割領域の左下隅をそれぞれ原点として、前
    記窓関数が以下の窓関数F(x,y)で与えられるよう
    に構成されていることを特徴とするデジタル画像処理装
    置。 F(x,y)=F 1 (x)F 2 (y) ただし、0≦x≦2(W−A)の範囲で、 1 (x)=sin 2 (πx/(2(W−A))) それ以外のxの範囲で、 1 (x)=0 0≦y≦2(H−B)の範囲で、 2 (y)=sin 2 (πy/(2(H−B))) それ以外のyの範囲で、 2 (y)=0
  7. 【請求項7】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する画像分
    割手段と、 前記画像分割手段にて分割された各領域に窓関数を乗じ
    る窓関数乗算手段と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行う2次元フーリエ変換手段と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる画像合成手段とを有し、前記窓関数乗算手段は、前記原画像の横幅をW、縦幅を
    Hとし、前記分割された領域の横座標をx、縦座標を
    y、横幅をw、縦幅をhとし、前記原画像を横方向に分
    割する領域数をn w 、縦方向に分割する領域数をn h とし
    た場合に、前記原画像の左下隅を原点として横方向にi
    番目、縦方向にj番目の分割領域に乗じられる前記窓関
    数が、以下の窓関数F w (x)、F h (y)で 与えられる
    ように構成されていることを特徴とするデジタル画像処
    理装置。【数91】 ここで、[]はガウス記号を表す。
  8. 【請求項8】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する画像分
    割手段と、 前記画像分割手段にて分割された各領域に窓関数を乗じ
    る窓関数乗算手段と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行う2次元フーリエ変換手段と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる画像合成手段とを有し、 前記窓関数乗算手段は、前記原画像の横幅をW、縦幅を
    Hとし、前記分割された領域の横座標をx、縦座標を
    y、横幅をw、縦幅をhとし、前記原画像を横方向に分
    割する領域数をn w 、縦方向に分割する領域数をn h とし
    た場合に、前記原画像の左下隅を原点として横方向にi
    番目、縦方向にj番目の分割領域に乗じられる前記窓関
    数が、以下の窓関数F w (x)、F h (y)で与えられる
    ように構成されている ことを特徴とするデジタル画像処
    理装置。【数92】 ここで、[]はガウス記号を表す。
  9. 【請求項9】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半分
    ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイズ
    の正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する処理
    と、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じる処理と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行う処理と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる処理とをコンピュータに実行さ
    せるためのプログラムを記録した記録媒体であって、 前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、横幅を
    W、縦幅をHとし、定数aと定数bをそれぞれ0以上1
    未満とした場合に、各分割領域の左下隅をそれぞれ原点
    として、前記窓関数が以下の窓関数F(x,y)で与え
    られることを特徴とする記録媒体。 F(x,y)=sin 2 (π(x+a)/W)sin 2 (π(y+b)/H)
  10. 【請求項10】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半
    分ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイ
    ズの正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する処理
    と、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じる処理と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行う処理と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる処理とをコンピュータに実行さ
    せるためのプログラムを記録した記録媒体であって、 前記分割された領域の横座標をx、縦座標をy、横幅を
    W、縦幅をHとし、前記オーバーラップ領域の横方向の
    幅をA、縦方向の幅をBとした場合に、各分割領域の左
    下隅をそれぞれ原点として、前記窓関数が以下の窓関数
    F(x,y)で与えられることを特徴とする記録媒体。 F(x,y)=F 1 (x)F 2 (y) ただし、0≦x≦2(W−A)の範囲で、 1 (x)=sin 2 (πx/(2(W−A))) それ以外のxの範囲で、 1 (x)=0 0≦y≦2(H−B)の範囲で、 2 (y)=sin 2 (πy/(2(H−B))) それ以外のyの範囲で、 2 (y)=0
  11. 【請求項11】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半
    分ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイ
    ズの正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する処理
    と、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じる処理と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行う処理と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる処理とをコンピュータに実行さ
    せるためのプログラムを記録した記録媒体であって、 前記原画像の横幅をW、縦幅をHとし、前記分割された
    領域の横座標をx、縦座標をy、横幅をw、縦幅をhと
    し、前記原画像を横方向に分割する領域数をn w 、縦方
    向に分割する領域数をn h とした場合に、前記原画像の
    左下隅を原点として横方向にi番目、縦方向にj番目の
    分割領域に乗じられる前記窓関数が、以下の窓関数F w
    (x)、F h (y)で与えられることを特徴とする記録
    媒体。 【数93】 ここで、[]はガウス記号を表す。
  12. 【請求項12】 原画像を、隣接し合う領域が互いに半
    分ずつ重なり合うようにオーバーラップする、同一サイ
    ズの正方形あるいは長方形の複数の領域に分割する処理
    と、 前記分割された各領域に対して窓関数を乗じる処理と、 前記窓関数を乗じた各分割領域について2次元デジタル
    フーリエ変換を行う処理と、 前記フーリエ変換が施された分割領域を、分割する前の
    元の配置で重ね合わせる処理とをコンピュータに実行さ
    せるためのプログラムを記録した記録媒体であって、 前記原画像の横幅をW、縦幅をHとし、前記分割された
    領域の横座標をx、縦座標をy、横幅をw、縦幅をhと
    し、前記原画像を横方向に分割する領域数をn w 、縦方
    向に分割する領域数をn h とした場合に、前記原画像の
    左下隅を原点として横方向にi番目、縦方向にj番目の
    分割領域に乗じられる前記窓関数が、以下の窓関数F w
    (x)、F h (y)で与えられることを特徴とする記録
    媒体。 【数94】 ここで、[]はガウス記号を表す。
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