JP3387200B2 - Iii−v族半導体の液相エピタキシ−用原料とその製造方法 - Google Patents
Iii−v族半導体の液相エピタキシ−用原料とその製造方法Info
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Description
等の液相エピタキシャル成長に用いられる原料およびそ
の加工方法に関する。
の中に基板を漬けて温度を下げ、半導体基板の上に単結
晶薄膜を積層する方法である。膜質が良好であるし量産
性に富むので、発光素子などの動作層の形成などに用い
られる。薄い薄膜を積層して発光素子やその他の素子の
構造を作るので、層の厚みや不純物量を厳密に制御する
必要がある。
不純物が少なくなるように制御され、且つエピタキシャ
ル層の電気特性を悪化しないよう品質管理された多結晶
原料ウエハを成長層の厚さに合わせて正確に秤量し、基
板表面にこの原料を供給していた。基板は10mm角〜
76mmφの大きさを持つ。正方形、円形、長方形など
である。
V族半導体原料はウエハの形状で販売されていた。Ga
As、InP、InAsなどの多結晶ウエハである。ウ
エハであるから形状、寸法、重量などは規格化されてい
る。円形、扇型、D型矩形などの形状がある。このウエ
ハは、多結晶インゴットを内周刃スライサ−で薄く切断
し、薄片化して、エッチングしたものである。多結晶イ
ンゴットは水平ブリッジマン法やLEC法によって成長
させる。多結晶インゴットから切り出したものであるか
ら、これは多結晶ウエハである。液相エピタキシャル用
の原料は従来、多結晶ウエハの形で販売されている。形
状、寸法、重量が決まっているので、輸送、保管など便
利である。
ル成長の基礎になる基板ではない。混同してはいけな
い。液相エピタキシャル成長の原料である。粉末や、細
粒より扱い易いのでウエハの形状を与えているのであ
る。不純物はできるだけ少なくしてあり、且つ電気特性
が管理されている。
長の原料は、不純物量を制御し、且つ電気的な特性で品
質管理された多結晶インゴットを内周刃スライサ−で1
枚ずつ切断して、薄いウエハとする。ウエハの厚みは、
0.5mm〜5mmの程度である。内周刃スライサ−の
切り代は約0.3mmである。切断に要する時間は、1
枚当たり10分程度である。こうして所定の電気特性の
原料ウエハができる。輸送保管はウエハの形状でなされ
る。原料の生産者はウエハの形で販売する。
る。これをウエハの形で保管する。使用の直前にウエハ
を破壊し、不定形の細かい粒子にする。原料粒を秤量し
て必要量だけ、液相エピタキシャルの原料としてボ−ト
に入れる。このように作業を液相エピタキシャル成長の
直前に行なっていた。通常の試薬のように、ビンに粉末
の形で入れるとか、粒の形で保存するということはなか
った。
製造者にとっても、デバイス製造業者にとっても次のよ
うな不都合がある。 ウエハをデバイス製造業者の方で砕いて粒にしなけ
ればならない。デバイスメ−カ−にとっては面倒な作業
になる。原料なのであるから、直ちに秤量して使用でき
るのが望ましい。 デバイスメ−カ−でウエハを粉砕するが、ウエハの
粉砕のために器具が汚染される。この器具を通じての汚
染や、廃棄物による汚染、空気中に飛散した粉末による
環境汚染などがある。これらは主に粉末が大量に発生す
ることによる。
ウエハに切り出すためのロスがある。内周刃スライサで
切断する場合に切り代が約0.3mmあるが、これが無
駄になる。ウエハが最終生成物なら良いがそうではな
い。このウエハは中間的なものであるので、切り代によ
る損失はできれば無くしたいものである。 原料メ−カ−においてさらに問題がある。ウエハに
加工するために時間がかかるということである。仮のも
のにすぎない中間的なものに加工費を掛けるのは好まし
くない。 原料メ−カ−では内周刃スライサ−により水を掛け
ながら少しずつ切断するので、刃は汚れが付くし、切り
屑を含んだ水滴が跳ねて周囲の器具や装置の壁面を汚
す。環境汚染が著しく、又資源として貴重なGaの屑を
回収しにくい。
る。破壊作業が簡単であり、切断ロスが少ない方法を提
供することが本発明の第1の目的である。器具などの汚
染が少なく、切断コストが低く、かつ、屑となる部分の
回収の容易な加工方法を提供することが本発明の第2の
目的である。デバイスメ−カ−ではウエハを破壊する手
間が不要であるようにする方法を提供することが本発明
の第3の目的である。粒径のそろった原料粒子を製造す
る方法を提供することが本発明の第4の目的である。
ャル成長用原料の加工方法は、多結晶インゴットをウエ
ハにせず、直接に破砕機によって粉砕し、表面の大部分
が劈開面よりなる粒子とすることを特徴とする。多結晶
インゴットは、3mm角以上の寸法を持つ単結晶粒子
が、全体積の約30%以上を占めているのが望ましい。
より好ましくは、3mm角以上の寸法の単結晶粒子が約
40%以上を占めるのが良い。
の篩にかける。これは破砕のときに混入する刃の破片や
ゴミなどを除くためである。破砕のために繰り返しイン
ゴットに圧縮力を及ぼすジョ−クラッシャ−を用いるの
が望ましい。ジョ−クラッシャ−の往復速度は60回/
分〜250回/分とするのが良い。
りの2辺を縦、横と表現する。こうして粉砕してできた
粒子は、厚みが0.5mm〜6mm、縦、横が4mm〜
20mmのものが多い。だから1mm〜3mmの網目の
篩で、これらより細かい刃、器具の破片などと分離でき
る。こうして表面が殆ど劈開面である粒子状の原料がで
きる。これをデバイスメ−カ−に販売する。デバイスメ
−カ−は再び粉砕する手間が要らない。ただちに秤量し
て液相エピタキシャル成長の原料とすることができる。
るのではなく、直接に粉砕して小さい粒子にする。こう
すると、ウエハにするために内周刃スライサ−で切断す
るための工程を省略することができる。切断時に約0.
3mmの切り代が損失になっていたがこれもなくなる。
これは工程の削減、切り代損の低減により原料コストを
下げる効果がある。
れを購入したデバイス製造業者は粉砕の必要がない。デ
バイスメ−カ−側でも便利である。さらに粒子の大きさ
が揃っているという長所がある。これは大きいインゴッ
トを直接に粉砕するからである。一旦ウエハにしたもの
は、ウエハの厚みより大きい厚みの砕片ができない。た
めに微少な粉末に成りやすい。このために再び原料損失
が発生する。
がないし、劈開面が出やすいので、寸法と形状の揃った
粒子を作ることができる。さらに破砕機で破砕する場
合、往復運動の範囲にも適当な範囲がある。揺動する刃
によってインゴットを破砕する場合は、往復回数を60
回/分〜250回/分程度が適当である。60回/分以
下では粉砕の速度が遅くて能率が悪い。250回/分以
上では、衝撃力が強くなり過ぎて、微少な粉末が交じる
ようになる。粉末は篩で除かれるが、原料損になるか
ら、望ましくない。粉砕機は揺動運動するジョ−クラッ
シャ−に限らない。固定刃と回転刃の組合せによる破砕
機を用いることもできる。この場合も刃数、刃径により
異なる最適回転数がある。さらに、単純な圧縮力を発生
するプレス式のものでも同様の加工が可能である。
である。つまり多結晶インゴットは単結晶粒子の集合で
あるが、粉砕により粒界でこれらの粒子を分離するから
こうなるのである。殆どが単結晶の粒子であって、これ
の厚みが0.5mm〜6mmで、縦、横が4mm〜20
mmであるから、多結晶インゴットははじめからこのよ
うな大きさの単結晶粒子の集まりである必要がある。そ
れで、はじめのインゴットは、3mm角の単結晶粒子が
30%以上を占めている必要がある。好ましくは40%
以上を占めるようにする。いかにインゴットを粉砕する
とどうして劈開面が表れるように切断されるかを説明す
る。
0}面に非常に脆い劈開面を持つ。図1はIII-V族化合
物半導体単結晶の主要な面構造と劈開面を示す。図1の
(1)は主要面を示す平面図であり、図1の(2)は斜
視図である。結晶成長の基板とする場合は(100)面
を表面とするウエハを作る場合が多い。この場合2種類
のオリエンテ−ションフラットOF、IFを付ける。
1)、(−110)など一般に{km0}(k=±1,
m=±1)によって表される。{}は面方位を概括的に
表現するもので、(km0)、(0km)、(K0m)
などを含む。−1は1の上に−を引いたものであるがJ
ISではこのような表現ができないので−1と書いてい
る。
を持つように描いているが、この内劈開面は12面あ
る。劈開面同志は60度または90度の角度を成す。劈
開面は6つずつの等価な群に分けられる。しかしいずれ
も劈開面であって、この面に沿って割れやすい。一般に
角柱の材料に押圧力を掛けると力の作用線に対して45
度を成す面(主応力面)に強いずり応力が発生する。図
2にこれを示す。ずり応力はどの面にも想定できるが、
主応力面と成す角度の余弦に比例する。だから主応力面
に沿ってずりが起こりやすい。通常の異方性のない等方
的な金属部材の場合は、塑性変形等が関係するため主応
力面に沿ってきれいに切断されるということはない。
でありかつ単結晶の集まりであるので、主応力面に近い
劈開面に沿って割れる。段差が表れるが、それぞれの段
は劈開面の一つである。割れて露呈した面は劈開面であ
る。図3に示すように粒界の面が力の作用する面になる
から、これと45度の角度を成す面が主応力面である。
これに最も近い劈開面で割れる。結局破断面の殆どが劈
開面であるということになる。そして粉砕粒子のそれぞ
れは単結晶である。もちろんこうなるためには、はじめ
の多結晶インゴットが、かなり大きい結晶粒よりなるも
のである必要がある。3mm角以上の粒子が30%以
上、好ましくは40%以上存在することが望まれる。さ
らに、粉砕条件としては前述の静的な応力条件を達成す
るため衝撃力の小さい条件が必要となる。
が存在するかどうかということを考察する。劈開面は図
1に示すように固まりを囲んで12面ある。低指数面だ
けを示しているが、図1では全部で低指数面は26面あ
る。劈開面だけで囲まれるためには、残りの14面が現
われるのを抑制する必要がある。完全に劈開面だけから
なる形状はいずれかの主軸に平行な劈開面を除いた8つ
の劈開面からなる8面体である。たとえばZ軸に対して
平行な4つの劈開面を除き、Z軸と45度の角度をなす
8つの劈開面で囲まれる8面体である。{k0m}、
{0km}の一般式(k,m=±1)で現される面であ
る。面角は120度と90度である。完全に劈開面から
成るのはこれ以外にない。
ある。これを図9に示す。どの面を平行に動かしても劈
開面のみでなるという性質が失われないので、扁平な8
面体が可能である。扁平な8面体は、図10に示すよう
なものがある。これは6角形の表面と裏面を持つ。側辺
は台形状の辺になる。図10のものは図9のものの平行
面から大体等距離離れた平行面で切断したものである。
この場合、表面と裏面の6角形が正6角形に近くなる。
内角は120度であるが、辺の長さが異なる。この場合
は、表面は2種類の辺の長さX、Yがあり、X、Y、
X、Y、X、Yの順で並んでいる。裏面も2種類の辺の
長さZ、Wがあり、Z、W、Z、W、Z、Wの順で並ん
でいる。表面と側辺の交角は120度と60度である。
側辺同志の交角は90度である。
ものを示す。これは表面、裏面ともに6角形ではある
が、正3角形に近似してくる。正3角形の頂点を60度
の角度を成すように切断したものである。先程述べた面
角の関係は、同様に成り立つ。表面、裏面と側面の交角
は120度、60度である。側辺同志の交角は90度で
ある。これはひと組みの平行2面のみを図9の基本形か
ら平行移動させたものであるが、平行2面の組は4組あ
るから、これ以外の平行2面間の間隔をも変化させるこ
とができる。図12はこのようなより一般的な形状を示
す。
メ−タは5つである。これは組になっている平行2面の
距離H、K、L、Mと、平行のずれのパラメ−タQであ
る。パラメ−タQの存在は直感的には分かりにくいが、
4組の面間隔を決めても形状が完全に決まらないことか
らこのパラメ−タの存在がわかろう。図12において、
厚みHが最小の面間隔に等しいことは直ぐに分かる。辺
ABCDEFの長さは3次元の面の方程式を解き距離を
計算することによって得られる。
をHとする。これが厚みとして測定される。ここで最も
長い面間隔をKとする。この場合、縦として、辺EFと
辺BDの距離を測定することになる。実際には表面と側
面が120度の角度を成すので、面間隔Kの2/31/2
が縦の寸法ということになる。
れる。しかし横方向はそうでない。6角形の形状である
からである。長手方向にほぼ直交する辺ADの、縦方向
と直角の方向の成分は(M+L)/21/2 である。表面
の上からみると6角形で内角はすべて120度である。
横の寸法が最小をとるのは、辺EF、BCが消える極限
である。このとき、横の長さは縦の3-1/2である。これ
は縦/横の比でいうと1.73である。後に縦/横の寸
法比の最大は、図6を実測して1.8であるということ
を述べる。これにピタリと対応するのである。
時である。このときは、縦横比は2/31/2=1.15
となる。後に図6のデ−タを実測して縦横比の最小は
1.2であることを述べる。これも幾何学的考察にピタ
リと合致する。このようなわけで本発明の方法によって
粉砕した粒子が劈開面のみよりなるものであることが裏
付けられる。
殆ど劈開面である。劈開面以外の面を含むこともある
が、劈開面は60%以上存在する。従来のようにウエハ
にしてから粉砕したものは、ウエハ面が残るので、表面
の50%以上が非劈開面であるものがある。また劈開面
だけではできないので、縦横比が1〜1.2のものもあ
るし、1.8以上のものもある。
ン)で製造したGaAs多結晶インゴットを用いた。こ
れをそのまま(ウエハに加工せず)圧縮力を利用した粉
砕機(ジョ−クラッシャ−)で粉砕した。図5に粉砕機
でGaAs多結晶を破壊している状態を示す。この粉砕
機は4つのリンクと、リンクの先に取り付けられている
押さえ板(刃)とりよりなる。クランクが回転すること
により押さえ板が揺動する。多結晶が押さえ板(刃)に
よって押されて細かく破壊される。
の能率が悪い。反対に粉砕機の刃の往復回数を速く設定
すると、圧縮力よりも衝撃力が強くなるために劈開面が
出にくくなる。ために劈開面以外の面が露呈しやすい。
こうなると表面状態が悪化するし破壊面から発生する微
粉が増大し、さらには形状がばらつく。そこでここでは
刃の往復回数を150回/分に設定して加工した。適当
な往復回数はインゴットの大きさにもよるが、50〜2
50回/分の程度である。これによりサイズや形状のの
揃ったGaAs粒子が得られる。表面に露呈しているの
は殆ど劈開面である。
末はこれによって除かれる。3mm以上の粒子が選ばれ
る。これを硫酸−過酸化水素水−水系のエッチング液で
数分エッチングし、水洗乾燥する。エッチングにより不
純物などが除かれるし、水洗により微粉末が除かれる。
これにより、サイズが3〜10mm角で、汚染の少ない
液相エピタキシャル用GaAs原料を製造することがで
きた。材料ロスは約20%であった。
砕した場合、多結晶インゴット段階から最終使用時まで
のロス(切り代、破壊時のロスなど)が約30%もあっ
た。本発明の方法で行なうとロスは約20%であるから
ロスが約2/3に減少している事になる。さらにウエハ
に加工するためのスライス工程が省かれたため、工程が
半分に短縮される。リ−ドタイムが1/3に減少する。
材料ロスが減り加工時間が減少したので、材料コストが
低減した。劈開面が露呈した粒の揃った粒子になり品質
面でも優れている。さらに処理時間が短くなり納期の点
でもメリットが現われた。
350〜360回/分にすると、粉砕時に微粉末が発生
し、ロスが25%に増大した。つまり粉砕に関して歩留
まりが75%である。3000回/分の場合は歩留まり
が25%に低下した。反対に往復速度を60回/分以下
にすると粉砕機の必要なトルクが大きくなりすぎて設備
費が高くなる。この粉砕機の場合、往復回数は60回/
分〜250回/分が、加工時間とロスの点で望ましい。
より望ましくは100回/分〜200回/分の範囲とす
る。
を比較する。図4はこれを示す。図4(1)は従来のウ
エハに切り出した面の表面を表面粗さ計で測定した結果
を示す。従来はウエハを粉砕していたので、ウエハの表
面がそのまま残り粒子の表面の大部分を構成する。この
結果から、ウエハ表面には1μm〜2μmの細かい凹凸
が大量に存在することが分かる。ピ−クからピ−クまで
の凹凸の最大値は4μmにも達する。
図4(2)に示すようにきわめて平滑である。表面粗さ
計の検出感度以下の凹凸しかない。これは劈開面で切断
しているからである。このように本発明で作製した粒子
は表面がきわめて平坦であるということが分かる。液相
エピタキシャル成長の原料であるから、表面の粗さなど
はあまり関係がないが、本発明の場合は、破砕のあとエ
ッチングしないでもこのように平坦な表面が得られる。
砕の際に発生した刃物や器具の屑などを除くことができ
る。表1は、粉砕後の製品(篩上の粒子)と粉(篩落と
された微粉)の不純物分析の結果を示す。製品に含まれ
る鉄は0.0001wt%未満であった。製品中のクロ
ム濃度は0.0001wt%未満である。篩によって除
かれた粉に含まれる鉄、は0.0015wt%である。
クロムは0.0004wt%であった。鉄やクロムは主
に、破砕装置の刃や、器具の磨耗により混入したもので
ある。設備を鉄等のGaAs等よりはるかに硬く破壊じ
ん性の強い材質で構成することにより、設備より発生す
る粉は微細な粉末となるため、篩による選別により容易
に除かれる。
シャル成長原料の粒子の寸法を測定した。粒子は表面の
殆どが劈開面で形成されているが、劈開面でない面もあ
る。それで一般には不定形である。先述のように劈開面
だけで囲まれる図形としても簡単な形状ではない。立方
体、直方体のようにはならない。不定形であるが、3方
向に寸法を取り、最も小さい寸法を厚み、次に大きい寸
法を横、いちばん大きい寸法を縦と表現しよう。厚みは
対向する2面の最小の寸法として定義されるから、一義
的に決まる。
と横が存在することになる。これもさまざまな2辺の取
り方が可能である。しかしこの中で最小の直径を与える
方向を横と定義する。これもほぼ一義的に決まる。厚み
と横に直交する方向の長さを縦と決める。こうして厚
み、横、縦を決めて寸法を測る。だから、ここで縦、
横、厚みという寸法を測定してあげているからといっ
て、これらが直方体であるということではない。当然粒
子の体積も、これらの積ではなく、もっと小さい。
キシャル成長原料粒子の寸法の分布を示す分布グラフで
ある。横軸は厚さ(mm)である。厚さは0.5mm〜
6mmの間に分布している。縦軸は同じ試料の縦寸法を
□で表し、横寸法を◇で表わしている。同じ厚みの値に
対して、縦のデ−タと横のデ−タが対になって存在す
る。ここでは試料の数は33個である。
長いが、その比率が小さくしかも比較的安定している。
さらに厚みが増えると縦横が少し増える傾向があるよう
である。しかしこの依存性は大きくない。始めの試料は
厚み0.6mm、横4mm、縦5.3mmである。次の
試料は厚み1.1mm、横6.2mm、縦10.5mm
である。同じようにグラフから寸法を読み取ることがで
きる。最終の試料は厚みが5.5mm、横7.8mm、
縦13.5mmである。
1.8の程度である。縦横の比率が安定しているので粒
子の形状は大体において似通っているのである。劈開面
によって囲まれる粒子の形状は先程述べたように8面体
であるが、劈開面の現われる面が平行移動することによ
り多様な寸法を取り得る。しかし粉砕して出現する粒子
はその縦横の比率が比較的安定しているのである。縦横
の長さは4mm〜14mmの範囲にばらついている。こ
れは粉砕機の速度や、時間により異なるが、最大でも2
0mm程度である。
したものをさらにハンマ−で粉砕した粒子の寸法も測定
した。この結果を図7に示す。試料の数は19個であ
る。横軸は厚さである。縦軸はその厚さ試料の縦□と横
◇の寸法である。同じ厚みのところに縦と横のデ−タが
対になって存在する。厚さ4.4mm、横9mm、縦
9.6mmの試料は、縦横の比率が1に近い。厚さ4.
5mm、横9.6mm、縦9.6mmの試料は縦横の比
率が1である。さらに厚みが6.2mm、横6.8m
m、縦7mmの試料も縦横比が1に近い。このようにウ
エハを衝撃力で破砕したものは、縦横比が1のものもあ
り、形状がそろわない。
7mm、横2.5mm,縦20mmの試料もある。縦横
比が8倍にもなる。厚み2.4mm、横6.5mm、縦
17.5mmの試料もある。縦横比は約3である。厚み
0.8mm、横6mm、縦15.7mmの試料もある。
縦横比は2.7である。厚み3.3mmの試料は、縦の
長さは22mm以上であり、このグラフに入らない。
劈開面ではないので、これを粉砕した場合、非劈開面も
表面に現われる。非劈開面の割合が50%以上のものも
多数存在した。劈開面だけで囲まれるという条件がない
ので、形状のバラツキ、寸法のバラツキがより大きくな
る。ために縦横に比率が1倍ものものもあるし8倍のも
のもある。
が小さいという特徴がある。これは次のようにふたつの
点で利益をもたらす。 ある範囲の重量の粒子が必要な時に、予め篩わけし
て分けやすい。液相エピタキシャル成長の原料であるか
ら、ある重量の原料粒子が必要なときがある。すべての
粒子の重量を測定するのは面倒である。本発明の場合は
形状が安定しているので、篩によって分けると大体重量
によって分けたことになる。形状のバラツキが大きいと
このように篩によって分けてもこれが必ずしも重量によ
る分類に対応しない。
ス効率が良い。液相エピタキシャル成長の原料溶解部を
小型化できる。図8によってこれを説明する。これは原
料溶解部に原料粒子を充填したものである。図8(1)
は本発明によって製造した原料粒を充填したものであ
る。粒が揃っているから空隙が少ない。同じ容積により
多くの原料を収納することができる。図8(2)はウエ
ハを粉砕した原料の充填を示す。形状がさまざまである
から空隙部が広い。空間利用の点で問題である。
−で切断しなければならない。これは0.3mmもの切
り代が発生し材料損失が大きい。また切削水を流しなが
ら劈開面でない面を強制的に切断するので内周刃や器具
に半導体材料が強く付着する。これは刃や器具を汚染
し、作業環境を劣化させる問題がある。さらには、切削
水中に混入したGa等の貴重な金属の回収が難しくな
る。
損失がまったくない。材料損失が少ない。内周刃を用い
ないので、刃や器具の汚染も少ない。圧縮力により、劈
開面で結晶を破壊するので歩留が良い。水などを使わず
圧縮だけで粉砕するので環境を汚さない。ふるいわけら
れた微粉は回収しやすいし、また粒子に加工するコスト
も低減される。劈開面を利用して粉砕するので形状が揃
う。形状が一定するので、篩によって所望の重量の粒子
を選びやすい。ふるいわけという手段により加工時に混
入する不純物が容易に除去される。また液相エピタキシ
ャル成長の成長皿に収納する時にスペ−ス効率が良い。
デバイスメ−カ−でウエハを粉砕する必要がないので手
数がかからず、直ぐに秤量して使用できる。
図。(1)は平面図、(2)は斜視図。
45度の方向に形成されることと、結晶の場合は劈開面
から割れることを示す図。
主応力面に近い劈開面から割れることを示す説明図。
シャル成長原料粒子の表面の粗さを粗さ計で測定して結
果を示すグラフ。(1)が従来法に対応しウエハの表面
の粗さ。(2)が本発明の方法で粉砕した粒子の表面の
粗さ。
機によって粉砕することを示す説明図。
長用原料粒子の厚み、横、縦寸法を測定した結果を示す
分布グラフ。横軸が厚み、縦軸は横寸法◇、縦寸法□を
示す。
作った粒子の厚み、横、縦寸法を測定した結果を示すグ
ラフ。横軸が厚み、縦軸は横寸法◇、縦寸法□。
った原料粒子を液相エピタキシャル成長用の容器に入れ
たときに本発明の方法によるものがスペ−ス効率が良い
ことを示す断面図。(1)が本発明によって作ったもの
を収容した図、(2)が従来法によって製造したものを
収容した図。
成される4回対称性のある8面体の斜視図。
9から平行2面を接近させることにより扁平になってい
る板状のものを示す斜視図。
面を非対称に接近させることにより非対称扁平になって
いるものを示す斜視図。
寸法を示す斜視図。
Claims (5)
- 【請求項1】 3mm角よりも大きい寸法の結晶粒を3
0%以上含む多結晶インゴットを粉砕機によって粉砕
し、表面の大部分が劈開面よりなる粒子とし、液相エピ
タキシャル成長用の原料粒子とすることを特徴とするII
I-V族半導体の液相エピタキシ−用原料の製造方法。 - 【請求項2】 1mm〜3mmの網目の篩により、粉砕
後の粒子を選別し、細かい粉末を除去するようにしたこ
とを特徴とする請求項1に記載のIII-V族半導体の液相
エピタキシ−用原料の製造方法。 - 【請求項3】 粉砕機が揺動する破砕刃を持つジョ−ク
ラッシャ−であって、破砕刃の往復回数が60回〜25
0回/分であることを特徴とする請求項1または2に記
載のIII-V族半導体の液相エピタキシ−用原料の製造方
法。 - 【請求項4】 表面の60%以上が劈開面で構成され、
厚みが0.5mm〜6mm、縦、横の寸法が4mm〜2
0mmである粒子から構成されることを特徴とするIII-
V族半導体の液相エピタキシ−用原料。 - 【請求項5】 縦長さと横長さの比が1.2〜1.8で
あり単結晶であることを特徴とする請求項4に記載のII
I-V族半導体の液相エピタキシ−用原料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08587594A JP3387200B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | Iii−v族半導体の液相エピタキシ−用原料とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08587594A JP3387200B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | Iii−v族半導体の液相エピタキシ−用原料とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07267797A JPH07267797A (ja) | 1995-10-17 |
JP3387200B2 true JP3387200B2 (ja) | 2003-03-17 |
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ID=13871079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP08587594A Expired - Lifetime JP3387200B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | Iii−v族半導体の液相エピタキシ−用原料とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3387200B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP08587594A patent/JP3387200B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07267797A (ja) | 1995-10-17 |
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