JP3386514B2 - 制振合金薄鋼板及びその製造方法 - Google Patents

制振合金薄鋼板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車車体用パネ
ル、構造部品あるいは家電製品の外板パネル等として利
用される薄鋼板に関し、特に、振動や騒音を抑制し得る
高い振動減衰能を有する薄鋼板及びその有利な製造方法
を提案しようとするものである。近年、特に居住空間に
おける騒音が社会問題とされる風潮が著しい。また、自
動車の高級化、高品質化の一つの指標として、車内空間
の静寂性が高く望まれている。このような騒音対策とし
ては、吸音材料や遮音材料あるいは振動絶縁材料を使用
したり、また製品構造物の剛性を増大させて共鳴を回避
するなど、種々の手法が講ぜられているが、実際には、
その騒音源となる振動は複雑で、その原因を排除するこ
とは一般には困難である。そこで製品を構成している材
料自体に制振減衰特性いわゆる制振性を付与して、それ
による製品構造物の振動、騒音の抜本的な改善を図ろう
とする方法、すなわちマテリアル・ダンピング法が注目
されている。
【0002】ここで、薄鋼板の制振性能は、一般にその
内部摩擦(Q-1)の大きさで表すことが多い。これは歪
振動1サイクル当たりに失われるエネルギーの大きさの
指標であり、Q-1が大きいほど振動エネルギーを鋼板内
部で熱エネルギーに変換する割合が大きく、高い制振作
用を有する。
【0003】
【従来の技術】薄鋼板に制振性を付与した鋼板として
は、樹脂積層タイプの制振鋼板が従来から知られてい
る。この鋼板は、2枚の表皮鋼板の間に制振樹脂層を挟
んで積層接着することによって制振性を付与したもので
あり、一部実用化されている。しかし、このタイプの制
振鋼板は、溶接加工に際して、樹脂層の存在により溶接
条件に制約を受けざるを得ない。
【0004】一方、積層タイプではない制振鋼板として
は、薄鋼板の成分を調整した合金型制振鋼板がこれまで
にも提案されている。例えば、特公昭60−26813
号公報には、低降伏点で、かつ粗大粒とする防振鋼材の
製造方法が提案されている。また、特開昭52−144
317号公報には、Cr:3〜40wt%(以下、単に%で示
す)でさらにTi,Alを添加した防振鋼板が、さらに特開
昭57−181360号公報には、1.5 〜9%Alを含有
する制振鋼板が、そして特公昭57−22981号公報
には、4〜7%Cr、3〜5%Alを含有する制振鋼板がそ
れぞれ開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上掲し
た合金型制振鋼板は、主に厚板、鋼材を対象とするもの
であって、薄鋼板としてはスポット溶接性など、薄鋼板
に要求される諸特性に問題があり、さらに、製造方法及
び製造コストの点においても実用化には問題を残してい
た。
【0006】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、熱延薄鋼板並びに冷延薄鋼板及びその表面処理
鋼板を対象として、これら薄鋼板の溶接特性等が損なわ
れることなしに優れた制振特性をそなえる鋼板を、有利
な製造方法とともに提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】さて強磁性体の鋼では、
磁気スピンが揃うのに対応して結晶格子に歪(磁歪)が
生じており、主にこの影響によって内部は磁区に分割さ
れている。このような鋼に外力(振動)が加わると、磁
歪の相互作用によって磁区壁が移動する。すると、強磁
性体内部に生じるこの磁区壁の移動すなわち磁化の変化
を打ち消すように渦電流が生じ、この渦電流が、逆に磁
歪を通じて歪を惹き起こす。この歪は外力に対して位相
が遅れるので、いわゆる磁気−力学的ヒステリシス型の
内部摩擦により振動減衰特性が現れる。このような制振
特性の原理に基づくものとしては、例えば純鉄があり、
比較的制振性に優れていることが知られている。しか
し、純鉄は、強度や溶接性の点から構造用薄鋼板として
は使えないし、制振性能も十分ではない。
【0008】そこで発明者らは、薄鋼板として要求され
る溶接特性、強度及び加工性を具備し、かつ純鉄よりも
高い振動減衰性能をも兼ね備えた薄鋼板を工業的に量産
可能に得ることを研究開発の目的として掲げ、しかも安
定して特性を発揮できる製造技術についても種々検討し
た結果、薄鋼板を特定の成分範囲にすること、また製造
条件についても所定の範囲に制御することによって上記
目的が達成可能であることを見いだした。上記知見に立
脚するこの発明の要旨構成は次のとおりである。
【0009】すなわち薄鋼板については、 C:0.005 %以下、Si:4.0 %以下、Mn:0.3 超〜3.0
wt%、B:0.0001〜0.0050%、Al:0.5 〜7.0 %、P:
0.3 %以下、S:0.05%以下、N:0.01%以下及びO:
0.005 %以下を含み、残部はFe及び不可避的不純物から
なる制振合金薄鋼板(第1発明)、
【0010】第1発明の成分に加えて、Cu:2.0 %以
下、Ni:2.0 %以下、Cr:2.0 %以下及びMo:1.0 %以
下から選ばれる1種又は2種以上を含有する制振合金薄
鋼板(第2発明)、
【0011】第1発明の成分に加えて、Ti:0.1 %以
下、Nb:0.1 %以下、Zr:0.1 %以下、Ta:0.1 %以
下、W:0.1 %以下及びV:0.1 %以下から選ばれる1
種又は2種以上を含有する制振合金薄鋼板(第3発
明)、
【0012】第1発明の成分に加えて、第2発明及び第
3発明に掲げた成分を含有する制振合金薄鋼板(第4発
明)、
【0013】第1発明〜第4発明において、C、N及び
Oの含有量が合計で70wt ppm以下である制振合金薄鋼板
(第5発明)である。
【0014】また、このような新規の成分範囲の薄鋼板
について、さらに下記の製造条件を組み合わせることに
より、この発明の効果をより効率的に得ることができ
る。すなわち、第1発明〜第5発明の成分組成範囲にな
る鋼素材を1350℃以下に加熱して仕上温度700 ℃以上の
熱間圧延を行い、400 ℃以上で巻き取ることを特徴とす
る制振合金薄鋼板の製造方法(第6発明)、
【0015】第6発明において、巻き取りに先立って、
2.0 〜20%の圧延を施す制振合金薄鋼板の製造方法(第
7発明)、
【0016】第1発明〜第5発明の成分組成範囲になる
熱延板に、600 〜1100℃,10秒以上の加熱処理を施す制
振合金薄鋼板の製造方法(第8発明)、
【0017】第1発明〜第5発明の成分組成範囲になる
熱延板に、圧下率5.0 〜50%の冷間圧延を施し、次いで
600 〜1100℃,10秒以上の加熱処理を施す制振合金薄鋼
板の製造方法(第9発明)、
【0018】第1発明〜第5発明の成分組成範囲になる
熱延板に、通常の冷間圧延、次いで焼鈍を施した後、さ
らに圧下率3.0 〜30%の冷間圧延を施し、引き続き600
〜1100℃,10秒以上の加熱処理を施す制振合金薄鋼板の
製造方法(第10発明)である。
【0019】
【作用】この発明における成分組成範囲の限定理由につ
いてまず説明する。 C:0.005 %以下 Cは、強化成分として含有させるが、0.005 %を超える
添加は、制振性を劣化させるので、0.005 %を上限とし
た。さらに望ましくは、後述するように制振特性を害す
る他の成分(N,O)を加えた添加量の合計(C+N+
O)の値が70ppm以下となるように制限することが、制
振特性の向上に有効である。 Si:4.0 %以下 Siは、強化成分として有効な成分であるが、4%を超え
て含有させると、制振性を劣化させるので、4%を上限
とした。なお、下限については特に限定するものではな
いが、強度の確保の観点から、0.01%程度が好ましい。 Mn:0.3 超〜3.0 % Mnも強化成分として有効な成分であるが、3%を超える
添加は、薄鋼板の溶接特性を劣化させるので、上限を3
%とした。なお、下限については、強度の確保の観点か
ら、0.3 %を超える範囲とする。
【0020】B:0.0001〜0.0050% Bは、この発明において重要な役割を果たしている成分
であり、制振性に関する効果については、この発明にお
いて初めて明らかになった新規な事項である。B添加の
効果に関して従来より知られているのは、結晶粒界の強
化に関する効果であり、薄鋼板の粒界ぜい化を防止し、
溶接部特性を向上する目的でこの発明でもBを利用して
いる。しかし、この発明におけるB添加の効果は、結晶
粒界の強化ばかりでなく、この発明で目的とする制振特
性に関しても重要な役割を果たしている。すなわち、こ
の発明の薄鋼板において、得られる制振特性と結晶粒径
とは密接な関係があり、適度な粒径(約100 〜500 μm
程度)に制御することが重要である。ここにおいて、B
の添加によって形成されるBN析出物は、かかる結晶粒径
の制御に特に有効に作用し、かつBN析出物それ自体は、
この発明の薄鋼板の制振特性に悪影響を及ぼさないこと
が新たに知見された。さらに、B添加によって、鋼中の
固溶Nが析出固定される結果、同様の結晶粒径であって
も、B添加によって、制振特性がさらに向上することが
知見された。
【0021】以上述べたこの発明におけるB添加の効果
をまとめると、 制振薄鋼板の粒界を強化し、溶接部特性を向上させる
とともに、 制振特性の確保に不可欠な結晶粒径制御に有効に作用
し、この発明の薄鋼板の量産製造を可能にし、しかも析
出物自体は制振特性を害さない、 結晶中の固溶NをBNとして析出固定することによっ
て、同一粒径であっても制振特性を向上させる などがある。このような効果を得るためには、1ppm
(0.0001%)以上の添加が必要であるが、50ppm (0.00
50%)を超える添加は、BN析出物や固溶Bの量が増え過
ぎて、薄鋼板の伸び特性を劣化させるばかりでなく、薄
鋼板の制振特性にもかえって好ましくない。より好適な
範囲は5〜20ppm である。
【0022】Al:0.5 〜7.0 % Alは、振動減衰特性を向上させる成分として0.5 %以上
の添加が必要であるが、一方で7.0 %を超える添加は溶
接特性等、薄鋼板としての特性を害するので、上限は7.
0 %とする。より好適な範囲は1〜3%である。
【0023】P:0.3 %以下 Pは、薄鋼板においては、材料特性を劣化させることな
く高強度化を図ることが可能であるため、固溶強化成分
として所望の強度に応じて添加させるが、制振性を劣化
させるために上限を0.3 %とした。 S:0.05%以下 Sは、P同様、制振性には好ましくない成分であり、そ
の含有量は0.05%を上限とする。 N:0.01%以下 Nは、AlN を形成し、薄鋼板の結晶粒粗大化を阻害する
ため、制振特性の観点からその上限値を0.01とした。 O:0.005 %以下 Oは、Nと同様に、Alと結合しAl2O3 を形成し、結晶粒
の粗大化を阻害する作用があり、その含有量が0.005 %
を超えると制振特性が劣化するため、上限を0.005 %と
する。
【0024】また、第2発明、第4発明のように、薄鋼
板の所望の強度レベルに応じて、Cu,Ni,Cr,Moの1種
又は2種以上を各成分の添加量上限が2%の範囲で含有
させることことができる。しかし、Cu,Ni及びCrの2.0
%を超える添加ならびにMoの1.0 %を超える添加は、制
振特性を劣化させ、コストも上昇させるので好ましくな
い。
【0025】さらに、第3発明、第4発明のように、薄
鋼板中の固溶C、固溶Nを析出物として固定し、薄鋼板
の機械的特性を向上させる目的で,Ti,Nb,Zr,Ta,
W,及びVを必要に応じて1種又は2種以上、各成分の
添加量上限が0.1 %となる範囲で添加することができ
る。しかし、0.1 %を超える添加は、その効果が飽和す
るばかりか、制振特性にも悪影響を及ぼす。
【0026】次に上記した成分組成になる鋼素材を使用
して、より効果的に制振特性を得るための薄鋼板の製造
条件に関してその限定理由を述べる。この発明の薄鋼板
において制振特性を得るためには、そのフェライト結晶
粒径の管理が重要である。したがって、熱間圧延工程に
おいては、圧延仕上温度を700 ℃以上とし、その後の巻
き取り温度を400 ℃以上とすることが必要である。700
℃未満の仕上温度、400 ℃未満の巻き取り温度では、い
ずれも熱延薄鋼板の組織に圧延組織が残存して、制振特
性を著しく害する。なお、熱間圧延に先立つ加熱温度に
ついては、1350℃を超えると、鋼表面の酸化が著しく、
また経済的にも不利となることから、1350℃以下とす
る。
【0027】また、上記のような熱間圧延工程におい
て、巻き取り直前に2.0 〜20%の軽圧延を実施すると、
薄鋼板のフェライト組織を効果的に制御可能である。こ
こに、圧下率が2.0 %に満たない場合や、20%を超える
場合は、いずれも結晶粒の粗大化効果に劣り、制振特性
の向上につながらない。
【0028】これまで述べた製造条件によってこの発明
で所期した熱延薄鋼板が得られるわけであるが、制振特
性をさらに向上させるためには、この熱延鋼板に600 ℃
以上、1100℃以下の温度に10秒以上加熱する処理を付加
することが有効である。この熱処理時間は、現在の薄鋼
板の連続製造の流れから考えると短時間処理であること
が望ましく、この発明の温度範囲内に制御することによ
って、加熱時間の下限値を10秒にすることが可能になっ
た。また、処理温度の下限(600 ℃)は、10秒の加熱で
再結晶を生じるのに必要となる最低温度であり、上限
(1100℃)は、粒の粗大化により成形性の低下を招かな
い温度として設定した。
【0029】さらに、かかる熱処理の前の熱延薄鋼板
に、冷間での2%以上、20%以下の軽圧延を施すこと
が、より効果的である。この冷間の軽圧延の圧下率の範
囲は、その後の加熱処理によって2次再結晶を生じる適
正範囲を示すものであり、2%未満でも、20%超でも、
その後の短時間熱処理による結晶粒の制御が困難とな
る。加えて、冷延圧下率の最適化は、後の加熱処理の温
度制御とともに、加熱時間の下限値を10秒にすることを
可能とする。
【0030】これまでの製造条件は、この発明の薄鋼板
を熱延鋼板製品として製造する場合の製造条件である
が、さらに冷延薄鋼板製品として製造する場合には、以
下の製造条件とすることが、優れた制振特性を得る点か
らも望ましい。
【0031】
【0032】すなわち、これまでに述べた製造条件によ
って得られる熱延鋼板に、圧下率5〜50%の冷間圧延を
加え、その後、600 〜1100℃の温度範囲に10秒以上の加
熱処理(焼鈍処理)を行う。冷延圧下率の限定範囲は、
その後の焼鈍工程において、所望の再結晶粒径を得るた
めに必要となる適正範囲であり、下限値(5%)は再結
晶を生じるのに必要となる最低圧下率、上限値(50%)
は再結晶粒径が小さくならないように設定した値であ
る。
【0033】冷間圧延後の再結晶焼鈍温度範囲は、上限
(1100℃)は粒の過剰な粗大化を防止するため、下限
(600 ℃)は、再結晶を生じさせるために必要となる温
度である。また、加熱時間は、上記の温度範囲で再結晶
を生じさせるために10秒以上が必要である。
【0034】通常の冷延−焼鈍を施したこの発明の鋼成
分組成になる冷延鋼板であっても、冷延処理、焼鈍処理
を繰り返すことによって、この薄鋼板の結晶粒径の制御
をさらに効果的に行うことができる。ただし、2回目の
冷延圧下率は、3.0 〜30%の範囲に制御する必要があ
る。この冷延圧下率の上、下限は、再結晶を生じ、さら
に再結晶粒径が細かくならないような範囲として定め
た。再結晶温度範囲は、上限(1100℃)は粒の過剰な粗
大化を防止するため、下限(600 ℃)は、再結晶を生じ
させるために必要となる温度であり、また、加熱時間
は、上記の温度範囲で再結晶を生じさせるために10秒以
上が必要である。
【0035】以上、詳細に説明した理由によって限定さ
れた、薄鋼板成分範囲、製造条件によって製造された、
熱延鋼板、冷延鋼板及びその表面処理鋼板は、優れた制
振特性を示す。以下、この発明によって得られる効果を
実施例によって解説する。
【0036】
【実施例】表1に示す成分組成になる鋼素材を使用し
て、表2,表3に示す製造条件によって製造して得られ
た、熱延薄鋼板、冷延薄鋼板において、その機械的性
質、スポット溶接特性及び制振特性(250 Hzの共振周波
数におけるQ-1)を調査した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】測定結果を表2、表3に併記する。測定結
果からも明らかなように、この発明の薄鋼板は、薄鋼板
としての優れた一般特性を維持しつつ、優れた制振特性
をも兼備していることが分かる。
【0041】
【発明の効果】この発明の制振合金型薄鋼板は、薄鋼板
として要求される溶接性などを兼ね備えており、しかも
優れた制振特性をそなえているから、熱延鋼板、冷延鋼
板さらには表面処理鋼板用の原板として特に優れ、また
製造工程も、簡便であって安価に大量生産でき、その効
果は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 正彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (72)発明者 小関 智也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平6−36232(JP,A) 特開 平3−285014(JP,A) 特開 昭53−106324(JP,A) 特開 昭56−35717(JP,A) 特開 昭56−139664(JP,A) 特開 昭56−119733(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/02 C21D 9/46

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.005 wt%以下、 Si:4.0 wt%以下、Mn:0.3 超〜3.0 wt% 、 B:0.0001〜0.0050wt%、 Al:0.5 〜7.0 wt%、 P:0.3 wt%以下、 S:0.05wt%以下、 N:0.01wt%以下及び O:0.005 wt%以下 を含み、残部はFe及び不可避的不純物からなる制振合金
    薄鋼板。
  2. 【請求項2】C:0.005 wt%以下、 Si:4.0 wt%以下、Mn:0.3 超〜3.0 wt% 、 B:0.0001〜0.0050wt%、 Al:0.5 〜7.0 wt%、 P:0.3 wt%以下、 S:0.05wt%以下、 N:0.01wt%以下及び O:0.005 wt%以下 を含み、かつ Cu:2.0 wt%以下、 Ni:2.0 wt%以下、 Cr:2.0 wt%以下及び Mo:1.0 wt%以下 から選ばれる1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び
    不可避的不純物からなる制振合金薄鋼板。
  3. 【請求項3】C:0.005 wt%以下、 Si:4.0 wt%以下、Mn:0.3 超〜3.0 wt% 、 B:0.0001〜0.0050wt%、 Al:0.5 〜7.0 wt%、 P:0.3 wt%以下、 S:0.05wt%以下、 N:0.01wt%以下及び O:0.005 wt%以下 を含み、かつ Ti:0.1 wt%以下、 Nb:0.1 wt%以下、 Zr:0.1 wt%以下、 Ta:0.1 wt%以下、 W:0.1 wt%以下及び V:0.1 wt%以下 から選ばれる1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び
    不可避的不純物からなる制振合金薄鋼板。
  4. 【請求項4】C:0.005 wt%以下、 Si:4.0 wt%以下、Mn:0.3 超〜3.0 wt% 、 B:0.0001〜0.0050wt%、 Al:0.5 〜7.0 wt%、 P:0.3 wt%以下、 S:0.05wt%以下、 N:0.01wt%以下及び O:0.005 wt%以下 を含み、かつ Cu:2.0 wt%以下、 Ni:2.0 wt%以下、 Cr:2.0 wt%以下及び Mo:1.0 wt%以下 から選ばれる1種又は2種以上と Ti:0.1 wt%以下、 Nb:0.1 wt%以下、 Zr:0.1 wt%以下、 Ta:0.1 wt%以下、 W:0.1 wt%以下及び V:0.1 wt%以下 から選ばれる1種又は2種以上とを含有し、残部はFe及
    び不可避的不純物からなる制振合金薄鋼板。
  5. 【請求項5】 C、N及びOの含有量が合計で70 ppm以
    下である請求項1〜4から選ばれる一に記載の制振合金
    薄鋼板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5から選ばれる一に記載の成
    分組成範囲になる鋼素材を1350℃以下に加熱して仕上温
    度700 ℃以上の熱間圧延を行い、400 ℃以上で巻き取る
    ことを特徴とする制振合金薄鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 巻き取りに先立って、2.0 〜20%の圧延
    を施す請求項6記載の制振合金薄鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5から選ばれる一に記載の成
    分組成範囲になる熱延板に、600 〜1100℃,10秒以上の
    加熱処理を施すことを特徴とする制振合金薄鋼板の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5から選ばれる一に記載の成
    分組成範囲になる熱延板に、圧下率5.0 〜50%の冷間圧
    延を施し、次いで600 〜1100℃,10秒以上の加熱処理を
    施すことを特徴とする制振合金薄鋼板の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5から選ばれる一に記載の
    成分組成範囲になる熱延板に、冷間圧延、次いで焼鈍を
    施した後、さらに圧下率3.0 〜30%の冷間圧延を施し、
    引き続き600 〜1100℃,10秒以上の加熱処理を施すこと
    を特徴とする制振合金薄鋼板の製造方法。
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