JP3386113B2 - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路及びその製造方法

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JP3386113B2
JP3386113B2 JP17109699A JP17109699A JP3386113B2 JP 3386113 B2 JP3386113 B2 JP 3386113B2 JP 17109699 A JP17109699 A JP 17109699A JP 17109699 A JP17109699 A JP 17109699A JP 3386113 B2 JP3386113 B2 JP 3386113B2
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core
clad
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光導波路に関し、特
に耐熱性が高く、経済性に優れ、かつ比較的簡便な製造
プロセスを用いて製造可能な光導波路及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】通信の大容量化、高速化を実現するため
に、光交換機や、光インターコネクション装置等が、活
発に研究開発されている。それらの装置は、電気信号処
理部分と光信号処理部分とから構成され、光信号処理部
分の光回路として光導波路が多く用いられている。
【0003】その光導波路の中でも、樹脂を材料とした
光導波路は、低温プロセス、低コストで作成できるた
め、様々な基板に形成でき、光モジュール全体のコスト
を低くすることができるため、活発に研究開発されてい
る。
【0004】例えばF.Shimokawa et al.:In Pr43rd
ECTC(1993),p.705-p.710、松浦徹他や、MES'97(第7
回マイクロエレクトロニクスシンポジウム)、p.77〜p.
80には、光導波路を形成するための材料としてフッ素化
ポリイミドを用いた例が開示されている。
【0005】この文献によれば、このフッ素化ポリイミ
ドを基板に塗布した後300℃〜400℃に加熱して成
膜する。その後、反応性イオンエッチング法を用いて、
光導波路コアを所望の形状に加工する。2種類のポリイ
ミドの共重合の比を変えることによって、屈折率を調整
することができる。また、このフッ素化ポリイミドのガ
ラス転移温度は約300℃である。
【0006】また、K.Enbutsu et al.,MOC/GRIN '97
Tech Digest,P3,p.394、1998年電子情報通信学会エ
レクトロニクスソサエティ大会予稿集C-3-69には、光導
波路を形成するための材料として紫外線硬化樹脂である
感光性を有するエポキシ樹脂を用いた例が開示されてい
る。
【0007】この文献に示されるように、紫外線硬化樹
脂を用いることによって、紫外線を光導波路コア部分に
のみ照射することで硬化させ、コアを目的形状に成形す
ることができるという長所がある。この紫外線硬化樹脂
の主成分を変化させることにより、屈折率を調整するこ
とができる。また、紫外線硬化樹脂のガラス転移温度は
約250℃である。
【0008】特開平10−170738号公報では、不
斉スピロ環含有エポキシアクリレート樹脂を材料として
光導波路が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光導波
路の材料にフッ素化ポリイミドを用いた場合、光導波路
コアを所望の形状にする工程で、反応性イオンエッチン
グ法を用いるために、エッチングに時間がかかり、簡便
に製造することが困難であった。また、成膜温度が高い
といったプロセス上の要因から、適用できる基板が限ら
れた。さらには、フッ素化ポリイミドには、材料コスト
が高いといった欠点もある。
【0010】一方、紫外線硬化樹脂を用いる場合、コア
形状を作成するのに、紫外線を照射するだけでよいので
簡便に製造することが可能である。しかしながら、分解
能が低く、ファインなパターン形成ができないという理
由で、光導波路コア断面の幅、高さが数10μm程度で
あるマルチモード光導波路のみ適用され、光導波路コア
断面の幅、高さが数μm程度のシングルモード光導波路
は適用されていない。さらには、先に挙げた先行文献に
示されている紫外線硬化樹脂は、ガラス転移温度が約2
50℃であり、セルフアラインメント効果(半田ボール
の表面張力により、光素子が目的の位置に引っ張られる
効果)のある金/錫系半田(融点280℃)を用いる光
素子実装工程(約300℃)に耐えられないという問題
点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、コアとクラッ
ドが、下記化学式(1)で表されるフルオレン骨格を含
有するエポキシアクリレートから選択される同一の材料
を用いて形成されており、該コアの形成時よりクラッド
形成時に多くの露光量照射をすることにより、クラッド
の屈折率がコアの屈折率より小さくなるように形成され
ていることを特徴とする光導波路に関する。
【化5】 〔化学式(1)において、Xは、下記化学式(2)で表
される化学構造
【化6】 (化学式(2)中、ベンゼン環の*は、化学式(1)に
おける結合位置を示し、該結合位置*は、該ベンゼン環
とフルオレン骨格との結合位置に対して、それぞれ独立
にオルト、メタ、パラ位のいずれであってもよい。R1
〜R16はそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキ
シ、アルコキシカルボニル、アリールまたはアラルキル
のいずれかを示す。)を示す。Yは水素またはメチル基
を示す。またnは、0以上の整数を示す。〕
【0012】
【0013】前記フルオレン骨格を含有するエポキシア
クリレート樹脂を用いて形成されたコアおよびクラッド
の両方は、ガラス転移温度が、260℃以上であり、波
長1.3μmの光伝播損失が0.5dB/cm以下であ
ること、波長1.55μmの光伝播損失が0.5dB/
cm以下であることが好ましい。
【0014】更に本発明は、基板上に前記化学式(1)
で表されるフルオレン骨格を有するエポキシアクリレー
トから選択される1種を用いてエポキシアクリレート層
を形成する第1の工程と、該エポキシアクリレート層を
露光して光導波路のクラッドを形成する第2の工程と、
該クラッドの上に、前記エポキシアクリレートと同一の
材料を用いてエポキシアクリレート層を形成する第3の
工程と、前記第3の工程のエポキシアクリレート層を露
光・エッチングし、光導波路のコアを形成する第4の工
程と、前記コアが形成された基板をポストベークする第
5の工程と、を有し、前記第2の工程における露光量
を、第4の工程における露光量よりも多くし、クラッド
の屈折率をコアの屈折率よりも小さくなるように制御し
たことを特徴とする光導波路の製造方法に関する。
【0015】更に、本発明の製造方法では、前記第5の
工程の後に、前記コア層を覆って、前記エポキシアクリ
レートと同一材料を用いてエポキシアクリレート層を形
成する第6の工程と、該エポキシアクリレート層を露光
してクラッド層(以下、上部クラッドと称する)を形成
する第7の工程と、前記上部クラッド層が形成された基
板をポストベークする第8の工程とを有し、前記第7の
工程における露光量を、前記第4の工程における露光量
よりも多くし、上部クラッドの屈折率をコアの屈折率よ
りも小さくなるように制御したことを特徴とする。
【0016】
【0017】
【0018】前記ポストベークを、160〜250℃の
温度範囲で行うことが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の光導波路は、少なくとも
コアとクラッドから構成され、その構造は、特に限定さ
れず、埋め込み型構造の光導波路であっても、リッジ型
の光導波路であってもよい。
【0020】本発明で用いるフルオレン骨格を有するエ
ポキシアクリレート樹脂は、下記化学式(3)に表され
るフルオレン骨格を有し、さらに紫外線硬化する官能基
であるエポキシアクリレート(エポキシメタクリレート
も含む)を具備する化合物である。
【0021】
【化7】 このような樹脂を特に光導波路の材料として用いるの
は、第一にフルオレン骨格とエポキシアクリレートの両
方を具備することにより、低温で成膜することが可能で
あるにもかかわらず、高耐熱性を有し光実装工程にも耐
え得ること、第二に通信波長である1.3μmあるい
は、1.55μmでの光伝播損失が小さく光導波路の材
料として非常に有効であること、第三に光導波路形成時
に、コア層とクラッド層で、屈折率を制御することが必
要であるが、露光量を変えるだけの簡便な方法でもって
制御することができること等の理由による。
【0022】特に、好適なフルオレン骨格を有するエポ
キシアクリレート樹脂として、下記化学式(1)で表さ
れる化合物を挙げられる。
【0023】
【化8】 〔化学式(1)において、Xは、下記化学式(2)で表
される化学構造
【0024】
【化9】 (化学式(2)中、ベンゼン環の*は、化学式(1)に
おける結合位置を示し、該結合位置*は、該ベンゼン環
とフルオレン骨格との結合位置に対して、それぞれ独立
にオルト、メタ、パラ位のいずれであってもよい。R1
〜R16はそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキ
シ、アルコキシカルボニル、アリールまたはアラルキル
のいずれかを示す。)を示す。Yは水素またはメチル基
を示す。またnは、0以上の整数を示す。〕 上記R1〜R16の置換基は、アルキル基としては、例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル基等の炭素数1〜
8のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、
例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基等
の炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。アルコキ
シカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシ
カルボニル等に炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基
が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル、
トリル、キシリル、メシチル、クメニル、ナフチル、ア
ントラセニル基等が挙げられる。アラルキル基として
は、ベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、1−
メチル−1−フェニルエチル、メチルベンジル基等が挙
げられる。
【0025】この樹脂にラジカル開始剤を用いること
で、光重合を進めることができる。ラジカル開始剤とし
て、特に限定を設けないが、公知の過酸化物系開始剤、
アゾビス系開始剤等を用いることができる。例えば、過
酸化物系開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、イソブチルパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド等、アゾビス系開始剤として、1,1’−
アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、4,
4’−アゾビス−(4−シアノバレイン酸)等が挙げら
れる。
【0026】層形成には、これらの組成物を含むフルオ
レン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂を、溶媒に
溶解したコーティング溶液を調製し、所定の基板に塗布
する。次に予備加熱を行い溶媒を蒸発除去することによ
り乾燥した塗膜を形成する。
【0027】溶媒としては、フルオレン骨格を有するエ
ポキシアクリレート樹脂を均一に溶解するものか、完全
に溶解しなくとも、均一に分散するものが好ましく、沸
点等を考慮し、適宜選択できる。例えば、セロソルブ系
等の有機溶剤や、光導波路の耐熱性、屈折率、光伝播損
失等の特性を損なわない範囲で、低分子エポキシ(メ
タ)アクリレート等の常温で液状の光重合性化合物に溶
解または分散させることができる。
【0028】また、溶解または均一分散する際の濃度
は、設計膜厚等によって適宜選択できる。
【0029】塗布する基板としては、シリコン基板、セ
ラミックス基板、プリント基板等を挙げることができ
る。
【0030】この塗膜をコアとして用いる場合には、マ
スクを用いた部分露光により、所定のコア形状の部分を
紫外線硬化させる。このとき、照射する紫外線の露光量
により、コアの屈折率が決まる。さらに、例えばアミン
系のアルカリ現像液に浸漬することにより、未露光部分
を現像・エッチングし、コアを形成する。
【0031】また、この塗膜をクラッド層として用いる
場合は、あらかじめ設定したコア部分に照射する露光量
より多い露光量の紫外線を照射することにより、クラッ
ドの屈折率が、コアの屈折率より小さくなるように調整
する。
【0032】表1に露光量と屈折率の関係の一例を示
す。
【0033】
【表1】 表1のデータは以下の方法により測定を行った。下記化
学式(4)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ
アクリレート樹脂を溶解した溶液をスピンコーティング
法により、800rpm、10秒+4000rpm、3
0secの条件で基板に塗布し、塗布膜を得た。次に7
5℃で10分間程度の予備乾燥を施した後、露光し、窒
素雰囲気中で230℃で30分間程度加熱処理(ポスト
ベーク)を行い、厚さ4.7μmの一様な膜を得た。露
光量を0、100、800mJ/cm2の3条件で設定
して、3種類のサンプルを作成し、プリズムカプラ法を
用い屈折率測定を行った。
【0034】なお、化学式(4)において、化学構造X
1は、下記化学式(5)で表される化学構造を示す。こ
の構造に示すように、化学構造X1における結合位置*
は、2箇所ともフルオレン骨格に対してパラ位である。
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】このようにして、フルオレン骨格を有する
エポキシアクリレート樹脂により、コア及びクラッドを
形成する。
【0038】さらに、ポストベーク(後加熱工程)とし
て、温度条件160〜250℃、好ましくは、230〜
250℃で、30〜90分程度の加熱を行うことによ
り、架橋密度を上げ、さらなる耐熱性を付与する。
【0039】例えば、上記化学式(4)で表される化合
物のガラス転移温度と、ポストベーク温度の関係は、概
ねポストベーク温度が200℃の時ガラス転移温度が2
50℃、ポストベーク温度が210℃の時ガラス転移温
度が260℃、ポストベーク温度が230〜250℃の
時ガラス転移温度が300℃程度となる。
【0040】なお、フルオレン骨格を有するエポキシア
クリレート樹脂の屈折率は、上記のポストベークを行う
ことによって、一定の値に固定される。したがって、フ
ルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂を用い
て光導波路各層を形成した場合には、その次の層を形成
する前にポストベークを行うことが好ましい。このよう
に各層形成後にポストベークを行うことによって、その
後の紫外線露光工程、加熱工程によって、屈折率が変動
することを抑えることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を示しながら、さらに本発明に
ついて詳述する。
【0042】(実施例1)図1に、本発明の一実施形態
である埋め込み型光導波路の模式断面図を示す。基板1
上に、下部クラッド2、コア3が順次積層し、下部クラ
ッド2上に、コア3を被覆するように上部クラッドが形
成した。なお、上部及び下部の各クラッドは、コアより
小さい屈折率を有することが必要である。
【0043】下部クラッド2、上部クラッド4の材料
は、本実施例においては、屈折率1.560のフッ素化
ポリイミドを用いた。
【0044】この図に示す光導波路は、図2に示す工程
を用いて作成した。
【0045】工程aにおいて、基板21に、下部クラッ
ド22としてフッ素化ポリイミドを成膜した。
【0046】次に工程bにおいて、下部クラッド22上
に、フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂
を含むコーティング溶液をスピンコーティング法または
ディップコーティング法等により塗布膜を形成し、さら
に予備加熱(75℃10分程度)を施し溶媒を蒸発させ
て、コア層(フルオレン骨格を有するエポキシアクリレ
ート樹脂層)23を得た。
【0047】フルオレン骨格を有するエポキシアクリレ
ート樹脂としては、下記化学式(4)で表される樹脂を
用いた。化学式(4)において、化学構造X1は、下記
化学式(5)で表される化学構造を示す。この構造に示
すように、化学構造X1における結合位置*は、2箇所
ともフルオレン骨格に対してパラ位である。
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】 次に工程cで、所定のパターンを施したガラスマスクを
通して、露光を行った。このときの露光波長は365n
mであり、露光量は300mJ/cm2であった。
【0050】ついで、水酸化カリウム、あるいはアミン
系のアルカリ現像液に浸し、未露光部分を溶解して現像
し、さらに窒素雰囲気中で230℃で30分程度の加熱
処理(ポストベーク)を行うことにより、露光部を後硬
化させ、光導波路コア23aの形状を作成した。このと
き、コア断面の高さ、幅が数μm程度のシングルモード
光導波路であって、コア断面の高さ、幅が数10μm程
度のマルチモード光導波路であっても作製可能である。
【0051】また、この後硬化後のコア部分のガラス転
移温度は300℃、屈折率は1.567であった。ガラ
ス転移温度は、300℃以上であれば、光実装工程にお
いて十分な耐熱性を有する。上記のように、加熱処理温
度を、230℃以上の高温で行うことによって、300
℃以上のガラス転移温度を達成することができる。
【0052】次に工程dで、下部クラッド22上に、コ
ア23aを被覆するように、フッ素化ポリイミドを上部
クラッド24として成膜し、光導波路が完成した。
【0053】この光導波路の波長1.3μm及び1.5
5μmの光伝播損失を測定したところ、0.3dB/c
mと良好な値を示した。
【0054】なお、光伝播損失の測定については、以下
の方法を用いた。レーザから出た光を、光ファイバを用
いて光導波路の片側から入射させ、光導波路を伝播し入
射側と反対側から出射した光を光ファイバを用いて受光
装置に導き光量を測定した。光導波路を短く切断したも
のについても、同様の測定を行い、光導波路の長さと受
光装置で測定した光量の関係から光伝播損失を求めた。
【0055】本実施例においては、コアの材料として、
フッ素化ポリイミドを用いていないので、コア形成に反
応性イオンエッチングを用いる必要がなく、簡便なプロ
セスにより高耐熱性を有する光導波路を形成することが
できた。
【0056】(実施例2)実施例1で示した図1と同一
構造の光導波路において、コア層、下部クラッド層、上
部クラッド層すべてに、フルオレン骨格を有するエポキ
シアクリレート樹脂を用いた実施例について、図2を用
いて説明する。
【0057】なお、フルオレン骨格を有するエポキシア
クリレート樹脂としては、実施例1で用いた化学式
(4)で示される樹脂を用いた。
【0058】工程aにおいて、基板21に、フルオレン
骨格を有するエポキシアクリレート樹脂を含むコーティ
ング溶液をスピンコーティング法またはディップコーテ
ィング法等により塗布膜を形成し、さらに予備加熱(7
5℃10分程度)を施し溶媒を蒸発させて、下部クラッ
ド(フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂
層)22を得た。
【0059】次いで800mJ/cm2露光を行い下部
クラッド22の屈折率を1.5667に調整した。
【0060】ついで、窒素雰囲気中で230℃で30分
程度の加熱処理(ポストベーク)によって、露光部を硬
化させるととも、屈折率を固定した。
【0061】工程bにおいて、下部クラッド22上に、
露光量を変更した以外は、実施例1と全く同様な方法に
より、コア層(フルオレン骨格を有するエポキシアクリ
レート樹脂層)23を得た。露光量は100mJ/cm
2とし、屈折率は、1.5678であった。
【0062】次いで工程cにおいても、実施例1と全く
同じ方法により、光導波路コア23aを形成した。
【0063】次いで工程dにおいて、下部クラッド22
上に、コア23aを被覆するように、フルオレン骨格を
有するエポキシアクリレート樹脂層を形成し、さらに、
800mJ/cm2露光を行い上部クラッド24の屈折
率を1.5667に調整した。さらに窒素雰囲気中で2
30℃30分のポストベークを行い、光導波路を完成さ
せた。
【0064】コア、クラッド部分のガラス転移温度は3
00℃であった。
【0065】この光導波路の波長1.3μm及び1.5
5μmの光伝播損失を測定したところ、0.3dB/c
mと、良好な値を示した。
【0066】本実施例においては、コア及びクラッドの
両方をフルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹
脂を用いて形成した。特に、同一の材料を用いて、単に
紫外線露光量の違いだけで、クラッド及びコアを形成し
たところに本実施例の特徴がある。このようなプロセス
を採用することにより、実施例1よりさらに簡便に、光
導波路を作製することが可能となる。
【0067】なお、光導波路構造は図1に示すような埋
め込み型の他に、図3に示すように、基板31、下部ク
ラッド32を順次形成し、さらに下部クラッド32上に
リッジ状のコア33を設けたリッジ型の構造をとっても
よく、いかなる光導波路構造をとってもよい。また、光
導波路は反応性イオンエッチング法等のドライプロセス
で作成してもよく、公知のプロセスによりエッチングす
ることが可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を有する。
【0069】第一に、材料物性として、通信波長1.3
μmあるいは1.55μmにおける光透過性が良い。
【0070】第二に、ガラス転移温度が、260℃以上
あり、耐熱性が高い。
【0071】第三に、エポキシアクリレート基を有する
ために、紫外線照射により硬化する性質を持っており、
紫外線の露光と現像によりコア断面形状を高さ、幅が数
μmから数10μmまでのコア形状を作成することができ
るため、コア形成が容易である。
【0072】第四に、フルオレン骨格を有するエポキシ
アクリレート樹脂は、露光量を制御することにより、屈
折率を適当な範囲に制御することができるために、同一
の材料を用いて、層形成を行った後、露光量を調節する
だけで、クラッドとコアを形成できる。
【0073】第五に、フッ素化ポリイミドと異なり、成
膜に高温を要しないため、低温プロセスが可能である。
【0074】このように、フルオレン骨格を有するエポ
キシアクリレート樹脂を光導波路の材料として用いれ
ば、耐熱性を持つ光導波路を、簡便に形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である埋め込み型光導波路
の模式断面図である。
【図2】本発明の一実施形態である埋め込み型光導波路
の工程断面図を示す。
【図3】リッジ型光導波路の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部クラッド 3 コア 4 上部クラッド 21 基板 22 下部クラッド 23 コア層 23a コア 24 上部クラッド 31 基板 32 下部クラッド 33 コア
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−241340(JP,A) 特開 平3−205417(JP,A) 特開 平9−241339(JP,A) 特開 平4−292611(JP,A) 特開 平10−69352(JP,A) 特開 平11−258792(JP,A) 特開 平11−287904(JP,A) 特開 平7−48424(JP,A) 特開 平5−32807(JP,A) 特開 平3−106918(JP,A) 特開 平4−337307(JP,A) 特開 平5−215902(JP,A) 特開 平10−170738(JP,A) 特開 平10−48443(JP,A) 特開 平10−148727(JP,A) 特開 平6−174956(JP,A) 特開 平6−301322(JP,A) 欧州特許出願公開446672(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/13 - 6/14 C08F 299/00 - 299/08 C08G 59/00 - 59/72 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとクラッドが、下記化学式(1)で
    表されるフルオレン骨格を含有するエポキシアクリレー
    トから選択される同一の材料を用いて形成されており、
    該コアの形成時よりクラッド形成時に多くの露光量照射
    をすることにより、クラッドの屈折率がコアの屈折率よ
    り小さくなるように形成されていることを特徴とする光
    導波路。 【化1】 〔化学式(1)において、Xは、下記化学式(2)で表
    される化学構造 【化2】 (化学式(2)中、ベンゼン環の*は、化学式(1)に
    おける結合位置を示し、該結合位置*は、該ベンゼン環
    とフルオレン骨格との結合位置に対して、それぞれ独立
    にオルト、メタ、パラ位のいずれであってもよい。R1
    〜R16はそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキ
    シ、アルコキシカルボニル、アリールまたはアラルキル
    のいずれかを示す。)を示す。Yは水素またはメチル基
    を示す。またnは、0以上の整数を示す。〕
  2. 【請求項2】 前記コアおよびクラッド両方のガラス転
    移温度が、260℃以上であることを特徴とする請求項
    1記載の光導波路。
  3. 【請求項3】 前記コアおよびクラッド両方の波長1.
    3μmにおける光伝播損失が0.5dB/cm以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路。
  4. 【請求項4】 前記コアおよびクラッド両方の波長1.
    55μmにおける光伝播損失が0.5dB/cm以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の光導波路。
  5. 【請求項5】 基板上に下記化学式(1)で表されるフ
    ルオレン骨格を有するエポキシアクリレートから選択さ
    れる1種を用いてエポキシアクリレート層を形成する第
    1の工程と、 該エポキシアクリレート層を露光して光導波路のクラッ
    ドを形成する第2の工程と、 該クラッドの上に、前記エポキシアクリレートと同一の
    材料を用いてエポキシアクリレート層を形成する第3の
    工程と、 前記第3の工程のエポキシアクリレート層を露光・エッ
    チングし、光導波路のコアを形成する第4の工程と、 前記コアが形成された基板をポストベークする第5の工
    程と、を有し、 前記第2の工程における露光量を、第4の工程における
    露光量よりも多くし、クラッドの屈折率をコアの屈折率
    よりも小さくなるように制御したことを特徴とする光導
    波路の製造方法。 【化3】 〔化学式(1)において、Xは、下記化学式(2)で表
    される化学構造 【化4】 (化学式(2)中、ベンゼン環の*は、化学式(1)に
    おける結合位置を示し、該結合位置*は、該ベンゼン環
    とフルオレン骨格との結合位置に対して、それぞれ独立
    にオルト、メタ、パラ位のいずれであってもよい。R1
    〜R16はそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキ
    シ、アルコキシカルボニル、アリールまたはアラルキル
    のいずれかを示す。)を示す。Yは水素またはメチル基
    を示す。またnは、0以上の整数を示す。〕
  6. 【請求項6】 前記第5の工程の後に、前記コア層を覆
    って、前記エポキシアクリレートと同一材料を用いてエ
    ポキシアクリレート層を形成する第6の工程と、 該エポキシアクリレート層を露光してクラッド層(以
    下、上部クラッドと称する)を形成する第7の工程と、 前記上部クラッド層が形成された基板をポストベークす
    る第8の工程とを有し、 前記第7の工程における露光量を、前記第4の工程にお
    ける露光量よりも多くし、上部クラッドの屈折率をコア
    の屈折率よりも小さくなるように制御したことを特徴と
    する請求項5記載の光導波路の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポストベークを、160−250℃
    の温度範囲で行うことを特徴とする請求項5又は6に記
    載の光導波路の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ポストベークを、230−250℃
    の温度範囲で行うことを特徴とする請求項7記載の光導
    波路の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記フルオレン骨格を含有するエポキシ
    アクリレート樹脂を用いて形成されたコアおよびクラッ
    ド両方のガラス転移温度が、260℃以上であることを
    特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の光導波路
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記フルオレン骨格を含有するエポキ
    シアクリレート樹脂を用いて形成されたコアおよびクラ
    ッド両方の波長1.3μmにおける光伝播損失が0.5
    dB/cm以下であることを特徴とする請求項5乃至9
    のいずれかに記載の光導波路の製造万法。
  11. 【請求項11】 前記フルオレン骨格を含有するエポキ
    シアクリレート樹脂を用いて形成されたコアおよびクラ
    ッド両方の波長1.55μmにおける光伝播損失が0.
    5dB/cm以下であることを特徴とする請求項5乃至
    10のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
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