JP3385982B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造中に溶鋼中の
酸化物による浸漬ノズルの詰まりが発生することなく、
鋳片表面にピンホール性欠陥やパウダ性欠陥がなくて表
面性状に優れ、かつ清浄度にも優れた鋳片を得ることが
可能な鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造では、生産性の向上のた
め、連続して長時間の鋳造を可能にすることが重要な課
題である。しかし、溶鋼中には鋳片に残存し非金属介在
物となる酸化物が存在し、長時間の鋳造にともない、こ
の酸化物が浸漬ノズルの内壁に付着し、最終的には浸漬
ノズルが閉塞する場合がある。
【0003】この浸漬ノズルの閉塞を防止するために、
タンディッシュの鋳型への給湯孔から浸漬ノズルの吐出
孔の間で、溶鋼中に不活性ガスを吹き込む方法が提案さ
れている。
【0004】特開平2−37948号公報には、鋳造速
度に応じて浸漬ノズル内の溶鋼中への不活性ガスの吹き
込み量を3.0〜5.0リットル/溶鋼tとすることに
より、浸漬ノズルの閉塞を防止する方法が提案されてい
る。しかし、この方法では、吹き込む量が多すぎて、鋳
片の表面に不活性ガスの気泡に起因するピンホール性の
欠陥が発生する場合がある。
【0005】ピンホール性欠陥は、その後の熱間圧延や
冷間圧延の際に製品の鋼板に残存し、鋼板の表面が膨れ
る、いわゆるふくれ疵と称される製品の欠陥となる場合
がある。また、鋳片の表面をスカーフィング(酸素ガス
による表面の溶削)により手入れする場合に、手入れさ
れた鋳片の表面に開口した気泡の穴が残存し、熱間圧延
前に鋳片を加熱炉で加熱する際に、酸化して生成したス
ケールがこの気泡の穴に残存し、圧延した製品の鋼板の
表面にへげ疵と称される線状欠陥が発生する場合があ
る。
【0006】とくに、自動車用の鋼板に用いられる炭素
含有量が50ppm以下の極低炭素鋼の鋳片には、上述
したピンホール性の欠陥が発生しやすい。ピンホール性
欠陥を防止するため、浸漬ノズルに吹き込む不活性ガス
の量を減らすと、鋳造中に浸漬ノズルの詰まりが発生し
やすくなる。また、鋳型内の凝固殻に未溶融のモールド
パウダが捕捉されて、鋳片の表面にパウダ性欠陥も発生
しやすい。
【0007】極低炭素鋼の鋳片の表面のピンホール性欠
陥や浸漬ノズルの詰まりの対策として、特開平9−19
2803号公報では、鋳造速度に応じて、浸漬ノズルに
約4リットル/溶鋼tの量の不活性ガスを吹き込み、か
つ両側の浸漬ノズルと鋳型の短辺との間に、移動磁場印
加装置を配置し、溶鋼の表面に浮上してくる不活性ガス
の量が、両側の浸漬ノズルと鋳型の短辺との間で、同じ
量になるように移動磁場印加装置を制御することが提案
されている。
【0008】この方法は、鋳型内の溶鋼の表面に浮上し
てくる不活性ガスを回収し、測定された不活性ガスの量
にもとづき、浸漬ノズルを挟んで鋳型内の両側の移動磁
場の強さを独立に制御する方法である。しかし、回収し
た不活性ガスの量を、瞬時に、正確に測定することは困
難であり、また、鋳型内の溶鋼の流動は短時間で変化す
るので、回収したガス量の測定値にもとづいて溶鋼の流
動を制御することは困難な場合が多い。さらに、浸漬ノ
ズル内の溶鋼に吹き込む不活性ガス量が多すぎて、ピン
ホール性欠陥が発生しやすいという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋳造中に浸
漬ノズルの詰まりが発生することなく、かつ鋳片表面に
ピンホール性欠陥やパウダ性欠陥がなくて表面性状に優
れ、かつ清浄度にも優れた鋳片を得ることが可能な鋼の
連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)および(2)に示す連続鋳造方法にある。
【0011】(1)吐出流が鋳型の短辺側に向かう吐出
孔を備える浸漬ノズルを用いるとともに、タンディッシ
ュの鋳型への給湯孔から上記浸漬ノズルの吐出孔の間
で、溶鋼中に不活性ガスを吹き込みつつ連続鋳造する方
法であって、鋳型内の溶鋼の浸漬ノズルと鋳型の両側の
短辺との間のそれぞれのメニスカス近傍での溶鋼流速
を、吹き込まれた上記不活性ガスにより発生する浸漬ノ
ズル近傍から鋳型の短辺に向かう流れの平均流速の最大
値と鋳型の短辺側から浸漬ノズルに向かう流れの平均流
速の最大値との差が20cm/秒以下となるように制御
する鋼の連続鋳造方法。
【0012】(2)鋳型の長辺の外側に鋳型を挟んで設
けた電磁力による溶鋼流動制動装置により、鋳型内の溶
鋼の流動を制動しつつ、不活性ガスの吹き込み量0.2
〜3.0(Nリットル/溶鋼t)の範囲内で鋳造する上
記(1)に記載の鋼の連続鋳造方法。
【0013】極低炭素鋼の精錬過程では、溶鋼中のAl
2 3 の量が多くなりやすく、そのため、鋳造中に浸漬
ノズルが詰まりやすい。一方、浸漬ノズルの詰まりを防
止するために、浸漬ノズル内の溶鋼中に不活性ガスを吹
き込むと、吹き込まれた不活性ガスの気泡が、鋳型内の
凝固殻に捕捉されやすい。本発明の方法は、2つの課題
を同時に解決しようとするものである。
【0014】不活性ガスを吹き込む部分は、タンディッ
シュの鋳型への給湯孔から上記浸漬ノズルの吐出孔の間
に設ける。詳しくは後述する図2に示すように、タンデ
ィッシュ1の鋳型への給湯孔に備えた上ノズル耐火物
2、浸漬ノズル4を取り付けたスライディングプレート
3または浸漬ノズル4に設ける。
【0015】鋳型内のメニスカス近傍の溶鋼流速とは、
溶鋼の表面から50mm内の平均流速を意味する。詳し
くは後述する図1に示す鋳型内の溶鋼の流れにおいて、
溶鋼の吐出流9に起因する溶鋼の反転流9cおよび不活
性ガスに起因する溶鋼の流れ9dのことである。
【0016】吐出流に起因する溶鋼の反転流9cの流速
は、鋳型の短辺近傍で最大となる。また、不活性ガスに
起因する溶鋼の流れ9dの流速は、浸漬ノズル近傍で最
大となる。
【0017】本発明の方法では、溶鋼の反転流9cの流
速の最大値と不活性ガスによる溶鋼の流れ9dの流速の
最大値との差を20cm/秒以下とするが、その理由は
次のとおりである。すなわち、それぞれの流速の最大値
との差をこの範囲の値とすることにより、浸漬ノズルの
詰まりの発生もなく、また、溶鋼の反転流9cと溶鋼の
流れ9dが衝突する位置で、溶鋼の湯面が波立つことも
なく、気泡や未溶融のパウダ8aが凝固殻に捕捉される
こともないためである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、吐出流の方向が鋳型6の
両側の短辺を向いている浸漬ノズル4を用い、浸漬ノズ
ル内の溶鋼中に不活性ガスを吹き込んだときの、鋳型内
の溶鋼12の流動状況を模式的に示す図である。溶鋼の
吐出流9は、鋳型の短辺近傍の凝固殻10に衝突後、上
下に分岐する。溶鋼の下降流9bと反対方向に向かう溶
鋼の上昇流9aは、溶鋼の表面、すなわち、メニスカス
7に達した後、鋳型の短辺側から浸漬ノズルの方向に向
かう溶鋼の反転流9cとなり、浸漬ノズル近傍で潜り込
んで循環流となる。吹き込まれた不活性ガスは気泡13
となり、この気泡は溶鋼中を浮上し、浸漬ノズル近傍の
位置で溶鋼の表面に達する。このとき、気泡の浮力によ
り形成された上向きの溶鋼の流れが溶鋼の表面に達して
後に、浸漬ノズルから鋳型短辺に向かう溶鋼の流れ9d
が形成される。この溶鋼の流れ9dは、溶鋼の反転流9
cと衝突し、潜り込んで循環流となる。
【0019】図2は、タンディッシュの鋳型への給湯
孔、浸漬ノズル、不活性ガスの吹き込み口3aなどの配
置を模式的に示す図である。鋳型への給湯孔には上ノズ
ル耐火物2を配置し、浸漬ノズル4を取り付けたスライ
ディングプレート3を上ノズルに固定する。スライディ
ングプレートは、鋳型へ供給する溶鋼の流量を調整する
ための板状の耐火物である。
【0020】溶鋼中のAl2 3 などが浸漬ノズル4の
内壁や吐出孔5近傍に付着し、最終的には浸漬ノズルが
詰まり、鋳造ができなくなる。これを防止するため、多
孔質の耐火物や内径が0.5mm程度の微細径の鋼製の
管を複数個埋め込んだ不活性ガスの吹き込み口3aの耐
火物を、上ノズル耐火物2やスライディングプレート3
または浸漬ノズル4に設け、不活性ガスを吹き込む。
【0021】本発明の方法では、吹き込まれた不活性ガ
スにより発生する浸漬ノズルから鋳型の短辺に向かう溶
鋼流速の最大値と鋳型の短辺から浸漬ノズルに向かう溶
鋼流速の最大値との差を、20cm/秒以下となるよう
に制御する。20cm/秒を超える場合には、上述した
ように、溶鋼の反転流9cと溶鋼の流れ9dが衝突する
位置で、溶鋼の湯面が激しく波立ち、そのため気泡や未
溶融のパウダが凝固殻に捕捉されやすくなるからであ
る。
【0022】メニスカス近傍の溶鋼の流速は、溶鋼に浸
漬するタイプのカルマン渦の発生原理を応用した流速計
を用いることもできるし、溶鋼に対して非接触式のもの
を用いてもよい。
【0023】吐出流に起因する溶鋼の反転流9cの流速
の最大値および不活性ガスに起因する溶鋼の流れ9dの
流速の最大値は、鋳型の短辺近傍および浸漬ノズル近傍
で、それぞれ2〜3の位置で測定することにより求めら
れる。
【0024】溶鋼の反転流9cの溶鋼流速の最大値と不
活性ガスによる溶鋼の流れ9dの溶鋼流速の最大値との
差を20cm/秒以下に制御する方法は、不活性ガスの
吹き込み量を浸漬ノズルの詰まりが発生しない程度に減
らしながら、電磁力による溶鋼流動制動装置により、鋳
型内の溶鋼の流動を制動することが望ましい。もう少し
詳しく、次に説明する。
【0025】鋳型の短辺から浸漬ノズルの方向に向かう
溶鋼の反転流9cの溶鋼流速は、一般的に不活性ガスに
よる溶鋼の流れ9dの溶鋼流速よりも速い。そこで、溶
鋼流速の最大値の差を制御する方法として、不活性ガス
の吹き込み量を多くする方法もあるが、このときには、
凝固殻に気泡が捕捉されやすくなる。したがって、不活
性ガスの吹き込み量を浸漬ノズルの詰まりが発生しない
程度に減らしていくのが望ましいが、不活性ガスの吹き
込み量を、単に減らすだけでは、溶鋼の反転流9cの流
速は速いままであり、溶鋼の反転流9cと溶鋼の流れ9
dが衝突する位置で、メニスカス近傍の溶鋼の湯面は波
立ちやすくなる。そこで、不活性ガスの吹き込み量を減
らすと同時に、溶鋼の反転流9cの流速を溶鋼流動制動
装置により遅くするのが望ましい。
【0026】図3は、鋳型内に設ける溶鋼流動制動装置
の例を模式的に示す図である。溶鋼流動制動装置11と
しては、電磁ブレーキなどを用いることができる。鋳型
内の幅方向に、浸漬ノズル4を挟んで2列、高さ方向に
3段で、合計6対の溶鋼流動制動装置11を設けた例を
示す。溶鋼流動制動装置の1対とは、図示していない
が、鋳型の相対する長辺の外側に、長辺を挟んで設けた
装置が1対である。鋳型の高さ方向に3段設ける場合に
は、上段が溶鋼のメニスカス近傍相当、中段が浸漬ノズ
ルからの吐出流近傍相当、下段が鋳型の出側近傍相当の
位置とするのが効果的である。少なくともメニスカス近
傍の1段を設けるのが望ましい。
【0027】電磁力により鋳型内の溶鋼の流動を制動し
つつ、不活性ガスの吹き込み量は0.2〜3.0(Nリ
ットル/溶鋼t)とするのが望ましい。
【0028】0.2(Nリットル/溶鋼t)未満では、
少なすぎて浸漬ノズルが詰まりやすくなる。さらに、不
活性ガスによる鋳型内の溶鋼中の酸化物の浮上促進効果
が少なくなる。また、3.0(Nリットル/溶鋼t)を
超えて吹き込むと、不活性ガスの気泡が凝固殻に捕捉さ
れやすくなる。さらに、鋳型内の浸漬ノズル近傍の溶鋼
の表面において、ボイリング(溶鋼表面から不活性ガス
が噴出し、溶鋼表面が泡立つ状態)が発生し、未溶融パ
ウダーの巻き込みが発生しやすい。製品の鋼板の表面性
状がとくに厳しく要求される場合には、1.0(Nリッ
トル/溶鋼t)以下にするのがより望ましい。
【0029】したがって、不活性ガスの吹き込み量は
0.2〜3.0(Nリットル/溶鋼t)が望ましく、
0.2〜1.0(Nリットル/溶鋼t)が、さらに望ま
しい。
【0030】
【実施例】垂直部長さが3mの垂直曲げ型連続鋳造機を
用いて、断面形状が厚み270mm、幅1500mm
で、炭素含有率が0.004重量%の極低炭素鋼(アル
ミキルド鋼)のスラブを、1.50m/分の速度で鋳造
した。
【0031】図3に示す合計6対の装置構成の電磁ブレ
ーキ装置を鋳型に設けた。また、スライディングプレー
トに、不活性ガス吹き込み用の貫通孔(径0.3mm、
孔数10個)を埋め込んだ耐火物を設けてArガスを吹
き込んだ。
【0032】鋳造速度が一定となった状態で鋳造された
鋳片から、鋳造方向に長さ1mの鋳片のサンプルを採取
し、鋳片の表面のピンホール性欠陥、パウダ性欠陥およ
び鋳片の表面から内部にかけての清浄度を調査した。ま
た、鋳造中に浸漬ノズルの詰まり状況を観察した。詰ま
りが発生した場合には、鋳造速度を一定に維持しようと
して浸漬ノズルに供給する溶鋼の量を制御するスライデ
ィングプレートの開度が大きくなる現象が現れるので、
その開度の変化を観察することにより、浸漬ノズルの詰
まり発生状況を判断した。
【0033】鋳片の表面のピンホール性欠陥の調査方法
は、次のとおりである。得られた鋳片のサンプルから、
一辺が50mmの正方形の鋳片表面を含む試料を切り出
し、鋳片表面から1mm深さまで研削した。その研磨し
た表面を、光学顕微鏡にて100倍の倍率で、100μ
m以上の穴あき状のピンホール性欠陥の個数を調査し
た。同時に、研磨前の研削したままの鋳片の表面に、未
溶融のパウダがあるかどうかを目視で調査した。ピンホ
ール性欠陥の個数の最も少なかった試験の試験結果を指
数1.0として、その他の試験結果を評価した。
【0034】鋳片の表面から内部にかけての清浄度の調
査は、次のようにして行った。鋳片の幅方向の1/4の
位置で、縦10mm、横50mmの長方形の鋳片表面を
含む鋳片全厚の試料を採取した。この試料から、鋳片の
厚み方向に10mmの間隔で、サイコロ状の試料を切り
出した。この試料の鋳片表面を向いた断面について、J
IS G 0555で規定する試験方法により、光学顕
微鏡により400倍の倍率で清浄度を調査した。もっと
も清浄度が悪かった断面の清浄度を、その鋳片の清浄度
とした。清浄度の最も良かった試験の試験結果を指数
1.0として、その他の試験結果を評価した。
【0035】表1に、試験条件と試験結果を示す。
【0036】
【表1】
【0037】本発明例の試験No.1〜No.3では、
本発明で規定する範囲内の溶鋼流速の最大値の差とし、
さらに望ましい範囲内のAr量を吹き込み、3段の電磁
ブレーキを作用させた。試験No.1〜No.3では、
得られた鋳片の表面のピンホール性欠陥は少なく、また
鋳片の清浄度も良好であった。また、パウダ性欠陥はな
く、浸漬ノズル詰まりも発生せず、良好な結果であっ
た。
【0038】本発明例の試験No.4〜No.6では、
電磁ブレーキを2段、試験No.7では、電磁ブレーキ
を1段のみで試験した。また、溶鋼流速の最大値の差と
吹き込みAr量の条件は、本発明で規定する範囲内また
は望ましい範囲内とした。いずれの試験も、鋳片の表面
のピンホール性欠陥指数は1.2〜1.3、鋳片の清浄
度指数は1.2〜1.3で良好であった。また、パウダ
性欠陥もなく、浸漬ノズルの詰まりも発生しなかった。
【0039】比較例の試験No.8では、ピンホール性
欠陥指数が5.5と高く、清浄度指数も4.5と悪かっ
た。また、パウダ性欠陥も認められた。その理由は、A
rガスの吹き込み量は望ましい範囲内であったが、電磁
ブレーキを用いなかったので、溶鋼流速の最大値の差が
30cm/秒と速くなり、鋳型内の浸漬ノズル近傍で溶
鋼の表面が波立ちが顕著であったためである。
【0040】比較例の試験No.9では、ピンホール性
欠陥指数が8.0と高く、悪い結果であった。清浄度指
数も4.0と悪かった。パウダ性欠陥も認められた。そ
の理由は、電磁ブレーキを用いずに、Arガスの吹き込
み量を、望ましい範囲外で大きくしたので、溶鋼流速の
最大値の差が25cm/秒まで低減したが、Arガス量
が多いために、鋳型内の溶鋼の表面にボイリングが発生
しためである。
【0041】比較例の試験No.10では、Arガスの
吹き込み量を、望ましい範囲外で少なくし、かつ上部の
1段の電磁ブレーキを用いた。1段の電磁ブレーキを用
いたが、Ar量が少ないこともあって、溶鋼流速の最大
値の差は30cm/秒と速くなった。ピンホール性欠陥
指数は3.0で悪かった。また、清浄度指数が7.0と
高くなり、悪かった。Ar量が少なくて、溶鋼中の酸化
物の浮上が少なかったためである。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法の適用により、鋳造中に浸
漬ノズルの詰まりが発生することなく、鋳片表面にピン
ホール性欠陥やパウダ性欠陥がなく、表面性状に優れ、
かつ清浄度に優れた鋳片を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】浸漬ノズル内の溶鋼中に不活性ガスを吹き込ん
だときの、鋳型内の溶鋼の流動状況を模式的に示す図で
ある。
【図2】タンディッシュの鋳型への給湯孔、浸漬ノズ
ル、不活性ガス吹き込み位置などの配置を模式的に示す
図である。
【図3】鋳型内に設ける溶鋼流動制動装置の例を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
1: タンディッシュ 2:上ノズル耐火
物 3: スライディングプレート 3a:不活性ガス吹
き込み口 4: 浸漬ノズル 5:吐出孔 6: 鋳型 7:メニスカス 8: パウダー 8a:未溶融パウダ 8
b:溶融パウダ 9: 溶鋼の吐出流 9a:溶鋼の上昇流 9
b:溶鋼の下降流 9c:溶鋼の反転流 9d:不活性ガスによる溶鋼
の流れ 10: 凝固殻 11:溶鋼流動制動装置 12: 溶鋼 13:気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−192803(JP,A) 特開 平10−193047(JP,A) 特開 平10−263777(JP,A) 特開 平8−267196(JP,A) 特開 平10−109145(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/10 360 B22D 11/04 311 B22D 11/115 B22D 11/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吐出流が鋳型の短辺側に向かう吐出孔を備
    える浸漬ノズルを用いるとともに、タンディッシュの鋳
    型への給湯孔から上記浸漬ノズルの吐出孔の間で、溶鋼
    中に不活性ガスを吹き込みつつ連続鋳造する方法であっ
    て、鋳型内の溶鋼の浸漬ノズルと鋳型の両側の短辺との
    間のそれぞれのメニスカス近傍での溶鋼流速を、吹き込
    まれた上記不活性ガスにより発生する浸漬ノズル近傍か
    ら鋳型の短辺に向かう流れの平均流速の最大値と鋳型の
    短辺側から浸漬ノズルに向かう流れの平均流速の最大値
    との差が20cm/秒以下となるように制御することを
    特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】鋳型の長辺の外側に鋳型を挟んで設けた電
    磁力による溶鋼流動制動装置により、鋳型内の溶鋼の流
    動を制動しつつ、不活性ガスの吹き込み量0.2〜3.
    0(Nリットル/溶鋼t)の範囲内で鋳造することを特
    徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
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