JP3384353B2 - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナ装置に関
し、特に、1次ホーン、副反射鏡、及び主反射鏡を備え
た構成のアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来のアンテナ装置を示す。主反
射鏡1の中心線上の前方には副反射鏡2が配設され、副
反射鏡2と主反射鏡1の間には、1次ホーン3が配設さ
れている。
【0003】図4のアンテナ装置を用いて送信を行う場
合、不図示の送信装置から1次ホーン3に送信電力を供
給する。送信源である1次ホーン3から放射された電波
(電磁波)は、副反射鏡2に入射し後、主反射鏡1に向
けて反射する。副反射鏡2からの電波は主反射鏡1で反
射した後、平行波となって送信波経路13A,13Bを
通って受信側のアンテナ装置等へ放射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアンテ
ナ装置によると、所望の送信波、不要波ともに副反射鏡
および主反射鏡で反射され、送信波経路13A,13B
で送信される。このため、不要波もアンテナ装置から外
部へ放射されてしまうという問題がある。
【0005】したがって、本発明は、1次ホーンから放
射された電磁波に含まれる送信不要波、又は主反射鏡を
介して受信された電波に含まれた受信妨害波を抑圧する
ことのできるアンテナ装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、第1の特徴として、電磁波の出力源であ
る1次ホーンと、電磁波を目的の方向に平行波にして放
射する放物面を有した主反射鏡と、前記1次ホーンから
の電磁波を前記主反射鏡の前記放物面に向けて反射させ
る副反射鏡を備えたアンテナ装置において、前記1次ホ
ーンからの電磁波を周波数に応じた屈折角で屈折させて
必要な周波数帯の電磁波を前記副反射鏡に入射させ、前
記必要な周波数帯以外の電磁波を前記副反射鏡に入射し
ないようにる誘電体電磁波屈折器と、前記副反射鏡の
近傍に設置され、前記誘電体電磁波屈折器からの前記必
要な周波数帯以外の電磁波を送信不要波として吸収する
電波吸収体を備えたことを特徴とするアンテナ装置を提
供する。
【0007】この構成によれば、1次ホーンから放射さ
れた電磁波は、必要な周波数帯の電磁波と該周波数帯以
外の送信不要波を含むが、これらが入射される誘電体電
磁波屈折器は、送信不要波の周波数帯の電磁波に対して
は副反射鏡の入射範囲外の電波吸収体に入るように屈折
し、必要な周波数帯の電磁波のみが副反射鏡2に入射す
るように屈折する。副反射鏡2は、必要な周波数帯の電
磁波を主反射鏡へ反射し、送信不要波を反射しない。し
たがって、1次ホーンから放射された電磁波に含まれる
送信不要波を抑圧することができる。
【0008】また、本発明は、上記の目的を達成するた
め、第2の特徴として、送信源からの電波を受信する放
物面を有した主反射鏡と、前記主反射鏡からの電磁波を
所定の方向へ反射させる副反射鏡と、前記副反射鏡から
の集束された電磁波を受信する1次ホーンを備えたアン
テナ装置において、前記副反射鏡からの電磁波を周波数
に応じた屈折角で屈折させて必要な周波数帯の電磁波を
前記1次ホーンに入射させ、前記必要な周波数帯以外の
電磁波を前記1次ホーンに入射しないようにる誘電体
電磁波屈折器と、前記1次ホーンの近傍に設置され、前
記誘電体電磁波屈折器により屈折された前記必要な周波
数帯以外の電磁波を受信妨害波として吸収する電波吸収
体を備えたことを特徴とするアンテナ装置を提供する。
【0009】この構成によれば、主反射鏡及び副反射鏡
を順次経由して受信された受信妨害波を含む電波は、誘
電体電磁波屈折器において周波数域に応じて異なる屈折
を示し、必要な周波数帯の所要受信波のみが1次ホーン
に到達し、受信妨害波を含む周波数帯の電波は電波吸収
体に入って吸収される。したがって、主反射鏡及び副反
射鏡を介して受信した電波に受信妨害波が含まれていて
も、受信妨害波は抑圧され、所要受信波に及ぼす悪影響
を低減することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】以下、本発明によるアンテナ装置の実施の
形態について図面を参照して説明する。 〔第1の実施の形態〕図1は本発明によるアンテナ装置
の第1の実施の形態を示す。以下においては、グレゴリ
ー型を例にしている。放物面を有する主反射鏡1の中心
線上の所定の位置には凹面を有する副反射鏡2が対向配
設され、副反射鏡2と主反射鏡1の間には、1次ホーン
3が配設されている。1次ホーン3は主反射鏡1の中心
線(放射角度)に対して所定の角度をつけて下方に配置
されている。1次ホーン3の出射経路上には誘電体電磁
波屈折器4が配設されており、その出射経路上に副反射
鏡2が配設されている。副反射鏡2の外周辺の上下の近
傍には、電波吸収体5,6が設けられている。
【0012】誘電体電磁波屈折器4は、電磁波が屈折率
の違う物質を通過する際に屈折する特性を利用するもの
で、電磁波の波長により屈折率が変化する。誘電体電磁
波屈折器4の材料には、例えば、セラミック系の誘電体
が用いられる。そして、誘電体電磁波屈折器4の形状
は、例えば、三角柱の形状に加工される。1次ホーン3
の放射角度と誘電体電磁波屈折器4の設置角度は、誘電
体電磁波屈折器4の所望の送信周波数帯の屈折率を考慮
して、副反射鏡2に所望の送信波が入射するように調整
される。
【0013】また、電波吸収体5,6には、抵抗線格子
や帯状抵抗皮膜格子を構成要素とする導電性電波吸収材
料、ゴムカーボンやカーボン混合発泡ポリスチロールを
用いた誘電性電波吸収材料、フェライト複合材料やフェ
ライトタイルを用いた磁性電波吸収材料等を用いて構成
されている。
【0014】図1において、1次ホーン3から放射され
た電磁波は、誘電体電磁波屈折器4に到達する。この誘
電体電磁波屈折器4には、所望の送信周波数の所要送信
波と所望の送信周波数帯以外の不要波とが入射するが、
誘電体電磁波屈折器4の屈折率の分散によって屈折角度
が変わるため、副反射鏡2の周辺に配置された電波吸収
体5又は電波吸収体6に向けて放射される。電波吸収体
5,6は電磁波を反射せずに吸収するため、電波吸収体
5,6に入った不要波はアンテナ外部に放射されること
はない。副反射鏡2では、入射した所望の送信周波数帯
の所要送信波のみを主反射鏡1に向けて反射する。主反
射鏡1で反射した送信波は、アンテナ外部に放射され
る。
【0015】図2は図1のアンテナ装置の動作説明を示
す。1次ホーン3の放射角度と誘電体電磁波屈折器4の
設置角度は、誘電体電磁波屈折器4の所望の送信周波数
帯の屈折率を考慮して副反射鏡2に所要送信波が当たる
ように調整されている。このため、1次ホーン3から放
射された所望の送信周波数帯の電磁波は、所要送信波経
路7A,7Bを通って副反射鏡2に入射して反射した
後、主反射鏡1に到達し、さらに主反射鏡1で反射した
後、所要送信波経路7C,7Dを経て外部の空間へ放射
される。
【0016】例えば、1次ホーン3からの所望の送信周
波数帯よりも高い周波数の電磁波(不要波)に対して
は、誘電体電磁波屈折器4の屈折率が大きくなるため、
誘電体電磁波屈折器4から放射される不要波は、副反射
鏡2の下方に向かう送信不要波経路8A,8Bを進行
し、副反射鏡2の下側に配置されている電波吸収体6に
入射する。この電波吸収体6は電磁波を反射しないた
め、送信不要波経路8A,8Bを進行した不要波はアン
テナ装置の外部には放射されない。同様に、放射器3か
らの所望の送信周波数帯よりも低い周波数の電磁波(不
要波)に対しては、誘電体電磁波屈折器4の屈折率が小
さくなるため、副反射鏡2の上方に向かう送信不要波経
路9A、9Bを進行し、副反射鏡2の上側に配置された
電波吸収体5に入射する。したがって、低い周波数の不
要波も、アンテナ装置の外部に放射されることはない。
【0017】以上のように、本発明のアンテナ装置によ
れば、副反射鏡2には所望の送信周波数帯の電磁波のみ
が入射され、他の不要波は電波吸収体5,6に吸収され
るので、送信不要波の放射を抑圧することができる。
【0018】〔第2の実施の形態〕次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。図3は本発明のアンテ
ナ装置の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、受
信用であり、外部の送信源(他のアンテナ装置)→主反
射鏡1→副反射鏡2→誘電体電磁波屈折器4→1次ホー
ン3の経路で電波が受信される。このアンテナ装置の構
成は、主反射鏡1、副反射鏡2、1次ホーン3、及び誘
電体電磁波屈折器4から成り、その配置は第1の実施の
形態とほぼ同じであるが、電波吸収体5は1次ホーン3
の上側に配置され、電波吸収体6は1次ホーン3の下側
に配置されている。また、1次ホーン3の角度と誘電体
電磁波屈折器4の設置角度は、誘電体電磁波屈折器4の
所望の受信周波数帯の屈折率を考慮して、副反射鏡2か
らの反射波が1次ホーン3に所望受信波が入射するよう
に調整されている。
【0019】図3において、外部からの電波は、主反射
鏡1で反射した後、副反射鏡2に到達した後、この副反
射鏡2で再び反射し、誘電体電磁波屈折器4に入射す
る。誘電体電磁波屈折器4では、所望の受信周波数帯の
電波(所要受信波)が所要受信波経路10A,10Bを
通るように反射した後、1次ホーン3に到達して受信さ
れる。一方、副反射鏡2で反射した所望受信周波数帯以
外の受信妨害波は、所要受信波経路10A,10Bとは
異なる経路で反射する。すなわち、所望の受信周波数帯
よりも高い周波数の受信妨害波は、誘電体電磁波屈折器
4の屈折率が大きいため、受信妨害波経路11A,11
Bを通り、1次ホーン3の下方に配設された電波吸収体
6に入射し、1次ホーン3には入射しない。同様に、所
望の受信周波数帯よりも低い周波数の受信妨害波は、誘
電体電磁波屈折器4の屈折率が小さいため、受信妨害波
経路12A、12Bを通り、1次ホーン3の上方に配設
された電波吸収体6に入射し、1次ホーン3には入射し
ない。
【0020】以上のように、図3のアンテナ装置によれ
ば、副反射鏡2には所望の受信周波数帯の電波のみが入
射され、他の受信妨害波は電波吸収体5,6に吸収され
るので、受信妨害波を抑圧することができる。
【0021】上記各実施の形態においては、アンテナ装
置として、副反射鏡2の反射面を凹面にしたグレゴリー
アンテナについて説明したが、本発明は、グレゴリーア
ンテナに限定されるものではなく、副反射鏡2の反射面
を凸面にしたカセグレンアンテナにも適用可能である。
【0022】また、誘電体電磁波屈折器4の形状は、上
記実施の形態においては、三角柱(プリズム)の形状の
みを示したが、不要波を分離できさえすれば、どのよう
な形状であってもよく、例えば、台形であってもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアンテナ
装置によれば、1次ホーンと副反射鏡の間に周波数域に
応じて屈折率が変わる誘電体電磁波屈折器を配設し、送
信不要波が副反射鏡に入射されないように屈折させ、或
いは受信妨害波が1次ホーンに入射されないように屈折
させ、かつ、送信不要波や受信妨害波を電波吸収体によ
り吸収するようにしたため、アンテナ外部に不要波が放
射されるのを抑制され、或いは、受信妨害波の影響を低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンテナ装置の第1の実施の形態
を示す配置図である。
【図2】図1のアンテナ装置の動作を説明する説明図で
ある。
【図3】本発明のアンテナ装置の第2の実施の形態を示
す配置図である。
【図4】従来のアンテナ装置を示す配置図である。
【符号の説明】
1 主反射鏡 2 副反射鏡 3 1次ホーン 4 誘電体電磁波屈折器 5,6 電波吸収体 7A,7B,7C,7D 所要送信波経路 8A,8B,9A,9B 送信不要波経路 10A,10B 所要受信波経路 11A,11B,12A,12B 受信妨害波経路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−139403(JP,A) 特開 昭62−3510(JP,A) 特開 平4−352504(JP,A) 特開 平9−83245(JP,A) 特開 平1−30307(JP,A) 特開 平11−220323(JP,A) 実開 平4−114211(JP,U) 実開 平3−66213(JP,U) 実開 昭63−41911(JP,U) 実開 昭56−69109(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 19/19 H01Q 15/23 H01Q 17/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波の出力源である1次ホーンと、電
    磁波を目的の方向に平行波にして放射する放物面を有し
    た主反射鏡と、前記1次ホーンからの電磁波を前記主反
    射鏡の前記放物面に向けて反射させる副反射鏡を備えた
    アンテナ装置において、 前記1次ホーンからの電磁波を周波数に応じた屈折角で
    屈折させて必要な周波数帯の電磁波を前記副反射鏡に入
    射させ、前記必要な周波数帯以外の電磁波を前記副反射
    鏡に入射しないようにる誘電体電磁波屈折器と、 前記副反射鏡の近傍に設置され、前記誘電体電磁波屈折
    器からの前記必要な周波数帯以外の電磁波を送信不要波
    として吸収する電波吸収体を備えたことを特徴とするア
    ンテナ装置。
  2. 【請求項2】 前記1次ホーンは、前記主反射鏡の放射
    角度に対して所定の角度をもって下方に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 前記電波吸収体は、前記誘電体電磁波屈
    折器による電磁波の屈折方向の上下2ヵ所に設置されて
    いることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 送信源からの電波を受信する放物面を有
    した主反射鏡と、前記主反射鏡からの電磁波を所定の方
    向へ反射させる副反射鏡と、前記副反射鏡からの集束さ
    れた電磁波を受信する1次ホーンを備えたアンテナ装置
    において、 前記副反射鏡からの電磁波を周波数に応じた屈折角で屈
    折させて必要な周波数帯の電磁波を前記1次ホーンに入
    射させ、前記必要な周波数帯以外の電磁波を前記1次ホ
    ーンに入射しないようにる誘電体電磁波屈折器と、 前記1次ホーンの近傍に設置され、前記誘電体電磁波屈
    折器により屈折された前記必要な周波数帯以外の電磁波
    を受信妨害波として吸収する電波吸収体を備えたことを
    特徴とするアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 前記1次ホーンは、その放射角度が前記
    主反射鏡の放射角度に対して所定の角度をつけて前記主
    反射鏡の下方に配置されていることを特徴とする請求項
    4記載のアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 前記電波吸収体は、前記誘電体電磁波屈
    折器による電磁波の屈折方向の上下2ヵ所に設置されて
    いることを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
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