JP3383708B2 - 欠陥検出装置 - Google Patents

欠陥検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、製品の出荷検査などの検査工程
を自動化するための欠陥検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、製品の小型化、精密化に伴って製
造工程においても細かな傷やごみの検査に対する要求が
高まっている。しかし、人の目視による検査では精度や
信頼性の面で限界に達している。特に、ディスプレー装
置などの表示検査では、目視による検査では検査基準が
曖昧になり、安定した適切な検査基準が維持しにくいと
いった問題があり、画像処理を用いた検査の自動化が望
まれている。
【0003】画像処理装置を用いたディスプレーの欠陥
検査装置においては、背景の明るさムラと欠陥部分を分
離するシェーディング補正の処理が重要な機能の1つで
ある。従来のシェーディング補正は、画像処理ソフトウ
ェアによるところが大きく、その処理に時間を要してい
た。
【0004】以下、図3を参照しながら従来のシェーデ
ィング補正技術について説明する。
【0005】図3において、21は対象物、22は撮像
用レンズ、23はCCDカメラ、24は画像処理装置で
ある。画像処理装置24は、8ビットのA/D変換器2
5、第1のフレームメモリ26、第2のフレームメモリ
27、第3のフレームメモリ28と、CPU29にて構
成されている。
【0006】以上のように構成された欠陥検出装置の動
作を説明する。対象物21をCCDカメラ23により撮
像した画像信号が画像処理装置24に入力される。画像
処理装置24では、8ビットのA/D変換器25により
デジタル画像信号に変換され、第1のフレームメモリ2
6に蓄えられる。CPU29は第1のフレームメモリ2
6に蓄えられた画像データを基に第2のフレームメモリ
27上に平滑化画像を作成する。次に、CPU29は、
第1のフレームメモリ26と第2のフレームメモリ27
に蓄えられた画像データの減算を行い、第3のフレーム
メモリ28に蓄える。この処理により第3のフレームメ
モリ28にはシェーディング補正された画像データが作
成されている。CPU29は、第3のフレームメモリ2
8に蓄えられた画像データに対して欠陥検出処理を行
う。この欠陥検出処理は後述の実施例と同様であるの
で、ここでの説明は省略する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では計算量の最も多い画像の平滑化処理をC
PU29の演算によっているため、処理に時間がかかる
という問題があった。また、画像の平滑化処理を専用の
ハードウェアによって行うこともできるが、ハードウェ
アの規模が大きくなり、コスト高になるという問題があ
った。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、シェ
ーディング補正を高速にて行うことができ、かつ低コス
トにて構成できる欠陥検出装置を提供することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の欠陥検出装置
は、欠陥検出対象物のシェーディング補正した画像デー
タに基づいて欠陥検出対象物上の欠陥を検出する欠陥検
出装置である。
【0010】特に、対物レンズの焦点位置に置かれた第
1の撮像手段と、光軸上を移動可能な第2の撮像手段
と、第1と第2の撮像手段のそれぞれの画像信号又は画
像データを差し引いてシェーディング補正した画像デー
タを得る画像減算手段と、シェーディング補正された画
像データを処理して欠陥を検出する演算手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0011】画像減算手段は、アナログ画像信号を2ビ
ット以上のデジタル信号に変換する第1と第2のA/D
変換器と、デジタル画像信号を蓄える第1と第2の画像
記憶手段と、第1と第2の画像記憶手段に蓄えられた画
像データを順次減算する減算手段とを備えた構成とする
ことができ、また第1と第2の撮像手段から出力される
アナログ信号をオペアンプを用いてアナログ信号のまま
減算した後、デジタル信号に変換するように構成するこ
とができる。
【0012】また、第1の撮像手段と第2の撮像手段に
代えて、第2の撮像手段のみ設けるとともに、第2の撮
像手段を対物レンズの焦点位置と焦点位置からずれた位
置との間で移動させる手段を設けた構成とすることもで
きる。
【0013】
【作用】本発明の欠陥検出方法によれば、焦点位置から
ずれた位置で撮像することによって得られる画像が平滑
化処理を施した画像に相当することから、焦点位置で撮
像した画像と焦点位置からずれた位置で撮像した画像と
の差によってシェーディング補正した画像データを求め
ることができ、従来時間を要していた平滑化処理を光学
的な処理に置きかえることができ、処理時間の大幅な短
縮ができ、かつコスト低下を図ることができる。
【0014】特に、本発明の欠陥検出装置によれば、第
1の撮像手段にて焦点の合った画像を得、第2の撮像手
段にて少し焦点がぼけて、平滑化処理を施した画像に相
当する画像を得、それらの差を画像減算手段にて求める
ことによりシェーディング補正された画像データを得る
ことができ、それに基づいて演算手段にて欠陥を検出す
ることができる。又、第2の撮像手段の位置を調整して
ボケ量を調整することにより、平滑化のサイズを任意に
変化させることができる。
【0015】また、画像減算手段において、A/D変換
器でデジタル変換した画像データを減算すると精度の高
いデータが得られ、またアナログ信号のまま減算すると
構成が簡単で済み、コスト低下を図ることができる。
【0016】
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例の欠陥検出装置につ
いて図1、図2を参照しながら説明する。
【0018】図1において、20は対象物、1は対物レ
ンズ、2はハーフミラー、3はCCDカメラから成る第
1の撮像手段、4はCCDカメラから成る第2の撮像手
段、5は第2の撮像手段4を光軸に沿って位置調整する
1軸ステージである。6は第1の撮像手段3の画像信号
が入力される第1のA/D変換器、7は第2の撮像手段
4の画像信号が入力される第2のA/D変換器であり、
8ビットのA/D変換器にて構成されている。8は第1
の画像記憶手段、9は第2の画像記憶手段、10は減算
手段であり、第1と第2のA/D変換器6、7、第1と
第2の画像記憶手段8、9、及び減算手段10にて画像
減算手段11が構成されている。12はフレームメモ
リ、13は演算手段である。
【0019】次に、以上の構成の欠陥検出装置の動作を
説明する。対象物20は、対物レンズ1とハーフミラー
2を介して第1の撮像手段3にて撮像される。第1の撮
像手段3は対物レンズ1の焦点位置に配置されており、
そのためピントの合った画像が撮像される。この第1の
撮像手段3による画像信号は第1のA/D変換器6によ
り8ビットのデジタル信号に変換され、第1の画像記憶
手段8に蓄えられる。
【0020】一方、ハーフミラー2で分岐されたもう一
方の光路に向けられた画像は1軸ステージ5によって位
置調整可能な第2の撮像手段4により撮像される。第2
の撮像手段4は1軸ステージ5によって合焦点位置から
少し外れた位置に配置されており、ピントのぼけた画像
が撮像される。この第2の撮像手段4による画像信号は
第2のA/D変換器7により8ビットのデジタル信号に
変換され、第2の画像記憶手段9に蓄えられる。これら
第1と第2の画像記憶手段8、9に蓄えられた2つのデ
ジタル画像データは減算手段10にて順次減算され、フ
レームメモリ12に蓄えられる。演算手段13はフレー
ムメモリ12に蓄えられているシェーディング補正され
た画像データに基に欠陥を検出する。
【0021】図2に、演算手段13が行う欠陥検出の画
像処理フローを示す。図2において、ステップ#1はヒ
ストグラム作成処理、ステップ#2はしきい値処理、ス
テップ#3はラベリング処理、ステップ#4は判定処理
である。
【0022】以下に詳細に説明すると、演算手段13は
まずフレームメモリ12に蓄えられた画像データに対し
てヒストグラム作成処理を行う(ステップ#1)。ヒス
トグラムは、画像の濃度の分布を示すもので、最も分布
の大きな濃度を背景濃度とする。この背景濃度を基準と
してしきい値濃度を設定する。濃度しきい値は背景濃度
よりあらかじめ決められた濃度だけ大きい濃度THUと
背景濃度よりあらかじめ決められた濃度だけ小さい濃度
THLである。次に、これらのしきい値THU、THL
でしきい値処理を行う(ステップ#2)。これは、フレ
ームメモリ12に蓄えられた画像データを、THUより
濃度の大きい部分、及びTHLより濃度の小さい部分を
1とし、その他の部分を0とする処理である。次に、ラ
ベリング処理を行う(ステップ#3)。これは、しきい
値処理で1となった部分についてラベル付けを行う処理
で、各ラベルの面積、外接矩形の大きさ、場所を計算す
る。次に、判定処理を行う(ステップ#4)。判定処理
では、ラベリング処理で得られたラベルデータを基に、
大きさや場所を考慮し、各ラベルがOKかNGかを判定
する。
【0023】上記実施例の画像減算手段11は、第1と
第2のA/D変換器6、7で画像信号をデジタル信号に
変換して第1と第2の画像記憶手段8、9に画像データ
として蓄え、それらの画像データを減算手段10にて減
算するように構成したが、第1と第2の撮像手段3、4
から出力されるアナログ信号をオペアンプを用いてアナ
ログ信号のまま減算した後、A/D変換器でデジタル信
号に変換するように構成してもよい。
【0024】また、上記実施例では第1の撮像手段3と
第2の撮像手段4を設けた例を示したが、これら第1の
撮像手段3と第2の撮像手段4に代えて、1軸ステージ
5にて移動可能な第2の撮像手段4のみを設け、この撮
像手段4を対物レンズ1の焦点位置と焦点からずれた位
置との間で移動させ、それぞれの位置で対象物20を撮
像し、それらの映像信号を時系列的にA/D変換し、そ
のデジタル画像信号を順次第1と第2の画像記憶手段
8、9に蓄えるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明の欠陥検出方法によれば、以上の
説明から明らかなように、焦点位置からずれた位置で撮
像することによって得られる画像が平滑化処理を施した
画像に相当することから、焦点位置で撮像した画像と焦
点位置からずれた位置で撮像した画像との差によってシ
ェーディング補正した画像データを求めることができ、
従来時間を要していた平滑化処理を光学的な処理に置き
かえることができ、処理時間を大幅に短縮でき、かつコ
スト低下を図ることができる。
【0026】特に、本発明の欠陥検出装置によれば、第
1の撮像手段にて焦点の合った画像が得られ、第2の撮
像手段にて少し焦点がぼけて、平滑化処理を施した画像
に相当する画像が得られ、それらの差を画像減算手段に
て求めることによりシェーディング補正した画像データ
が得られ、それに基づいて演算手段にて欠陥を検出する
ことができる。又、第2の撮像手段の位置を調整してボ
ケ量を調整することにより、平滑化のサイズを任意に変
化させることができる。
【0027】また、画像減算手段においては、A/D変
換器でデジタル変換した画像データを減算すると精度の
高いデータが得られ、またアナログ信号のまま減算する
こともでき、その場合構成が簡単で済み、コスト低下を
図ることができる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の欠陥検出装置の構成図であ
る。
【図2】同実施例における演算手段の処理フロー図であ
る。
【図3】従来例の欠陥検出装置の構成図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ 3 第1の撮像手段 4 第2の撮像手段 6 第1のA/D変換器 7 第2のA/D変換器 8 第1の画像記憶手段 9 第2の画像記憶手段 10 減算手段 11 画像減算手段 13 演算手段 20 対象物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/16 G06T 1/00 H04N 7/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 欠陥検出対象物のシェーディング補正し
    た画像データに基づいて欠陥検出対象物上の欠陥を検出
    する欠陥検出装置において、対物レンズの焦点位置に置
    かれた第1の撮像手段と、光軸上を移動可能な第2の撮
    像手段と、第1と第2の撮像手段のそれぞれの画像信号
    又は画像データを差し引いてシェーディング補正した画
    像データを得る画像減算手段と、シェーディング補正さ
    れた画像データを処理して欠陥を検出する演算手段とを
    備えたことを特徴とする欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】 画像減算手段は、アナログ画像信号を2
    ビット以上のデジタル信号に変換する第1と第2のA/
    D変換器と、デジタル画像信号を蓄える第1と第2の画
    像記憶手段と、第1と第2の画像記憶手段に蓄えられた
    画像データを順次減算する減算手段とを備えたことを特
    徴とする請求項1に記載の欠陥検出装置。
  3. 【請求項3】 画像減算手段は、第1、第2の撮像手段
    から出力されるアナログ信号をオペアンプを用いてアナ
    ログ信号のまま減算した後、デジタル信号に変換するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項2に記載の欠陥検
    出装置。
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