JP3382949B2 - 天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性低減のための改良方法 - Google Patents

天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性低減のための改良方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連する出願の明示) 本出願は、同時係属中の米国特許出願第08/519,371
(1995年8月25日出願)の一部継続出願である。
【0002】
【発明の属する技術分野】
(発明の分野) 本発明は、概して、天然ゴムで形成されるラテックス
物品の生産方法に関する。より詳細には、本発明は、組
織接触表面および他の表面を有し、その抗原性成分が、
ラテックス材料そのものの分子構造を変化または分解す
ることなく、互いに固着される、天然ゴムラテックス物
品を生産するための、向上した方法に関する。このよう
にして、本発明は、天然ゴムラテックスの、有益な化学
的、物理的、および機械的性質を有すると同時に、過敏
な個体における有害な免疫性の反応を顕著に低減させ、
非感作な個体が、そのように生産されたデバイスおよび
物品の表面と接触するようになって、不注意に感作する
危険性を最小にする、ラテックス物品を生産し得る。さ
らに、本発明の方法は、無害であり、そして既存のラテ
ックス物品製造方法および使用に容易に適用出来る。
【0003】
【従来の技術】
(発明の背景) 最も初期の公知のエラストマーポリマーの1つであ
る、天然ゴムラテックスは長い間、自動車タイヤから複
雑な医療デバイスまでの範囲の、商業および消費製品に
広く多様に利用されている。砂漠の低木および熱帯の高
木を含む、種々の植物原料から採集された乳白色の樹液
から硬化される、天然ゴムラテックスの最も一般的な原
料は、ブラジルゴムの木(Hevea brasiliensis)であ
る。現在、40,000に近い製品が天然ゴムラテックスを含
有すると見積もられる。これらのうちの数百が、外科用
または検査用手袋、カテーテル、および絆創膏としての
使用を含む医薬的実用性を有する。天然ゴムラテックス
製品は、クリープ(一定応力下における物質の望ましく
ない延伸)に対する耐性、および圧縮耐性(収縮後にも
とのサイズおよび体積に復元する能力)を含む、多数の
有益な性質を示す。加えて、天然の原料から大量に得ら
れるために、これらは製造および使用に対し、容易に利
用可能であり、かつ比較的高価でない。
【0004】 残念ながら、天然ゴムラテックスはある深刻な欠点を
有する。米国だけでも、概算1700万の人々が、これに対
しアレルギー性である。天然ゴムラテックスから生産さ
れた硬化ゴムは、ある人にはかゆみを起こし、またある
人には発疹を伴う炎症を起こす抗原性成分を有する、天
然に存在する乳化タンパク質および他のバイオポリマー
を含む。ある非常に過敏な個体は、単なる接触でも生命
を脅かすアナフィラキシーのショックにならされ得る。
【0005】 この天然ゴムラテックスアレルギー性過敏症は、初期
のいくつかの天然ゴムラテックスとの感作接触の後にの
み発症するので、ヘルスケア従事者が、危険であると認
識された最初の人々のうちの1人であった。外科用手
袋、弾性包帯、接着テープ、血圧腕帯、およびカテーテ
ルを含む多数の機械必需品および製品は、暴露の一般的
原因である。同様に、多くの消費製品もまた天然ゴムラ
テックスを利用しており、最も著名には台所用手袋およ
びコンドームである。近年、ある研究者らは、道路側の
塵に含まれる自動車およびトラックのすりきれたタイヤ
の風媒微粒子を、天然ゴムラテックス暴露のさらなる原
因、および引き続いておこる過敏症の発症として同定し
た。
【0006】 しかしながら、1930年代に最初に報告された、天然ゴ
ムラテックスアレルギー症例の重篤度および数は、30年
代最後には劇的に増大した。現在、アレルギー反応の急
激な増加に対する、最も一般的な説明は、エイズの流行
により天然ゴムラテックス手袋に曝されることが増加し
たこと、ならびに生じた水質汚染を低減する努力におい
て天然ゴムラテックス物品の生産方法論が工業的に広範
に変革されたことである。これらの生産方法論における
変化は、ラテックスの凝固に使用され、水質汚染源であ
る亜鉛塩を排除しているが、そのようにして生産された
天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性(allergenicit
y)を不注意に増加させ得る。1982年、連邦食品医薬品
管理局は、天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性に関
する警告を発し、最初はそれらの製造に使用される抗酸
化保存剤および他の金属含有化合物が反応の原因であっ
たと考えていた。現在では、当業者は、ラテックスに包
理された天然タンパク質およびバイオポリマーがアレル
ゲン反応の誘発を担う、主な抗原性の候補であるという
ことを疑問視する。
【0007】 天然ゴムラテックスのアレルゲン性を低減する、初期
の最も単純な努力は、採集したラテックス樹液を水およ
び洗浄剤で洗浄前処理して、これら抗原性タンパク質成
分を可溶化し、そして抽出することを含んでいた。天然
ゴムラテックス樹液は、天然に存在する植物ポリマーで
ある純粋なシス−(ポリイソプレン)の水中油エマルジ
ョンである。採集されると、この天然ゴムポリマーは、
天然に存在する界面活性剤および洗浄剤型植物タンパク
質により、水ベースのエマルジョンに懸濁される。天然
エマルジョンを過剰の水と混合し、または水および合成
洗浄剤または消化性酵素と組み合わせて、次いで遠心分
離して、凝固した天然界面活性剤および洗浄剤タンパク
質を除去することは、天然原料中のアレルゲン性タンパ
ク質の総数を効果的に減少させる。その結果、洗浄され
たエマルジョンから生産されるラテックス物品は、低減
した抗原性およびアレルゲン性の性質を示す。あるい
は、製造プロセスの間、ある製造者は、さらなる水また
は化学的な抽出工程および洗浄工程を、天然ゴムラテッ
クス原料から、残留する、ゆるく結合した任意の抗原性
タンパク質を抜き取るために含む。
【0008】 これら両方の洗浄手順は、抗原性源を除去し、そして
その結果としてのアレルゲン性応答を低減するのに効果
的である。その上、これは実行するのに比較的高価でな
い。しかしながら、これら先行技術である洗浄手順で処
理されたラテックス物品中に、かなりの量の抗原性成分
が残留する。さらに、大規模大量原料プロセッシングお
よび比較的複雑でない物品の生産に適用可能である一
方、これら技術は、低減されたアレルゲン性の精密に生
産された製品の製造、および長時間、個体と直接接触し
たままの製品に、特に適切ではない。精密に生産され
た、または複雑な製品は容易に洗浄されず、そしてその
生産プロセスは、付加的な取扱工程および遅滞で妨げら
れ得ない。拡張使用製品は、長時間の暴露に続くアレル
ギー反応の引き金を引くのに十分な残留した抗原性性質
を有し得る。
【0009】 ある環境では、天然ゴムラテックスエマルジョンを、
懸濁した界面活性剤化合物を塩析するか、または変性さ
せる化学試薬で前処理し、これによりこれらの抗原性を
低減することが可能であり得る。残念ながら、これらの
化学処理はまた、ラテックスそのものに影響を与え得
る。その結果、このような前処理された原料から形成さ
れる物品は、物理的、化学的および機械的に劣った性質
を示し得、そして処理されていない(このためアレルギ
ー性ではあるが)ラテックス物品と比較して、酸化的分
解をより受けやすい。厳しく規制された医療工業におい
て、化合の問題に関して、これら化学修飾された原料
は、現存する認可原料とは、その販売および使用に先立
つ高価な規制認可を満足するに十分異なり得る。
【0010】 成功した、しかし高価な、天然ゴムラテックス過敏症
を回避するための別の技術は、天然ゴムラテックスの代
わりに人工または合成ラテックス原料に転換することで
ある。重合により得られる合成ゴムまたはプラスチック
のラテックス水エマルジョンにより、抗原性成分を排除
するために、製造業者がエマルジョンの内容物を厳密に
適応させることが可能となる。
【0011】 これらの合成ラテックスは特に、コーティング、塗料
および接着剤に有用である。コンドームおよびゴム手袋
は、現在、感作された個体において、天然ゴムラテック
ス様過敏性応答を誘起しない合成ゴムラテックスから開
発された。残念ながら、これら合成原料は、天然ゴムラ
テックスよりも著しく高価である。さらに重要なこと
に、これらの物理的および機械的性質は、多くの適用に
おいて劣る。ある人工ゴムは、手袋として効果的に機能
するための、十分な弾性または強度が欠如している。他
のものは、一定応力に供されると、実質的なクリープを
示して、その結果その作業性を妨げ得る、たわみおよび
膨らみを示す。また他のものは、低い圧縮耐性を有し、
そして圧縮応力に屈して曲がる。
【0012】 受容可能な中間の下地は、ある環境で、ポリウレタン
のような非アレルゲン性材料で天然ゴムラテックス物品
の表面を隔てる、コーティングプロセスにより開発され
た。これら技術は概して、内在する天然ゴムラテックス
の有益な機械的性質を保持し、そしてアレルゲン性天然
タンパク質成分を隠蔽して、過敏性の個体が反応するの
を防ぐ。効果的であるが、コーティング技術は、それに
付随する欠点なしではない。さらなるプロセッシング工
程または製造工程および高価な合成原料を加えることに
より、これは、コートされた製品の生産に関連する費用
を著しく増加させる。一見したところ安定であるが、コ
ーティングは、使用の間の欠け、剥離または摩耗によ
り、なお内在する天然ラテックスが敏感な個体に曝され
得るので、永久的な低アレルゲン性を提供し得ない。こ
れは、内在するラテックスとコーティングとの間の異な
る膨張率によりラテックスが曝され得る膨張性のラテッ
クスバルーンに特に当てはまる。
【0013】 より最近になって、ある研究者らは、別の植物原料か
ら生産される非アレルゲン性天然ゴムラテックスを同定
した。例えば、砂漠の野生の低木(Parthenium argent
atum)は、ブラジルゴムの木から生じた樹液に存在す
る、アレルギー原因であるタンパク質の欠如した天然ゴ
ムラテックス樹脂を生産することが報告されている。有
望ではあるが、これらの別の原料は、これらゴムの形成
を、ブラジルゴムの木に対する効果的な競合相手となる
点まで増加させるための遺伝子操作を要する。これら
は、広範な適用および暴露に続く時間に渡って、暴露さ
れた個体における過敏性応答を最終的に誘発する、それ
自身の界面活性剤および洗浄剤型植物タンパク質を含有
し得るということもまた疑わしい。
【0014】 本発明を実施するための概念および変形、および2桁
以上の規模で天然ゴムラテックスアレルゲン性を低減さ
せるその能力に続いて、驚くべきことに、本発明者ら
は、製造環境において、さらなるアレルゲンタンパク質
原料を発見した。一旦、研究室のベンチトップ(bencht
op)から離れると、最も近代的なラテックス製造技術で
さえ、天然ゴムラテックスタンパク質の塵で製造環境を
不注意にも汚染する。これらアレルゲン粒子は、物品が
処理され、そして硬化されるとラテックス物品の表面か
ら落とされる。生成したアレルゲン塵は、製造環境にお
いて、実質的にあらゆる表面に固着し、アレルゲン性を
増加させ、そしてアレルゲン性を低減されたラテックス
製品でさえ潜在的に再汚染することが見出された。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主要な目的のひとつは、著しい変更
または支出なしで、現存する製造プロセスに取り込まれ
得る、天然ゴムラテックス製品のアレルゲン性を低減す
るための効果的な方法を提供することである。
【0016】 本発明のさらなる目的は、物品の表面上に付加的なポ
リマーをコーティングまたはグラフトすることを伴わな
い、天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性を低減する
方法を提供することである。
【0017】 本発明のまたさらなる目的は、天然ゴムポリマーを著
しく変化させも、その化学的、物理的および機械的性質
を変更もしない、天然ゴムラテックス物品のアレルゲン
性を低減する方法を提供することである。
【0018】 上記の目的の各々に付随する目的は、アレルゲン性を
低減され、そしてそのような物品について通常予測され
る範囲の有利な物理的、機械的および化学的性質を示す
天然ゴムラテックス物品それ自身を生産することであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】
(発明の要旨) 概して述べると、これらおよび他の目的は、著しく低
アレルゲン性の天然ゴムラテックス物品およびデバイス
の、向上した製造方法を提供する本発明により、達せら
れる。硬化した天然ゴムラテックス材料の主要なポリマ
ー成分を変化させることなくまたはそれと反応すること
なく、本発明の方法は、形成マンドレルに接触するラテ
ックスエマルジョンの抗原性成分を直接セクエスタ(se
quester)し、次いで、個体と接触するようになること
を意図する対向する表面に抗原性成分の滲出(bloomin
g)を誘発することにより、硬化したラテックス材料の
両表面の上および近位に存在する、天然に存在する抗原
性の界面活性剤および洗浄剤型植物タンパク質の反応性
を選択的に中和し、ここで、これらは滲出された抗原性
成分の抗原性領域をセクエスタするように保護剤で化学
的処理される。このようにして、材料の露出した表面上
の抗原性部位が、身体の免疫系に対して実質的に不活性
となる一方で、天然ゴムラテックスの全ての有利な性質
および局面は維持される。
【0020】 より特定すると、本発明の方法は、「低」アレルゲン
性または低減されたアレルゲン性の天然ゴムラテックス
物品およびデバイスの生産に有用であって、これは改変
されていない天然ゴムラテックスの、通常の、そして望
ましい、物理的、機械的および化学的性質を維持する。
本発明の方法は、簡単で、高価でなく、有害でなく、そ
して製造環境の清掃および、抗原性塵による再汚染を妨
げるための適切な工程の実施に対して、最小の影響で、
現存するラテックス物品製造工程およびプロセッシング
工程に、容易に適用出来る。生じた表面アレルゲン性に
おける有用な低減は、この影響に大きく優る。
【0021】 広範な局面において、本発明は、以下の工程により、
低減されたアレルゲン性を有する天然ゴムラテックス物
品を生産する。保護剤を含有するラテックス凝固剤組成
物でコートされた物品形成マンドレルを提供し、それと
接触するようになる抗原性成分を直接セクエスタする工
程;残留する天然ゴムラテックスの天然に存在する抗原
性成分を誘発し、少なくとも1つの、対向するラテック
ス物品組織接触表面または他の表面の、上または近位に
滲出させる工程;および次いでこれら滲出した抗原性成
分を、標的成分の抗原性領域をセクエスタするか、さも
なくばこれを被覆する結合反応において、滲出された抗
原性成分の化学的骨格と共に見出される、種々の官能基
と化学的に相互作用する、1つ以上の保護剤で処理する
工程。
【0022】 本発明の、生産方法論の例示的実施態様は、天然に存
在する抗原性界面活性剤型分子を含有する天然ゴムラテ
ックスエマルジョンの供給で始められる。このエマルジ
ョンから、患者の組織に接触することを意図する、少な
くとも1つの表面を有するラテックス物品が、保護剤を
含むラテックス凝固剤組成物でコートされた表面の少な
くとも一部分を有する、型枠中またはマンドレル上に形
成され、外側または意図された組織接触表面と正反対の
凝固剤でコートされた型枠またはマンドレル表面と接触
するようになる任意の抗原性成分の抗原性領域を化学的
に処理し、そして直接セクエスタするか、またはこれを
被覆する。残りの未処理の抗原性成分の、意図される組
織接触表面の上または近位への滲出は、残留する抗原性
成分をゲルの露出した外表面へ移動させる、物品形成マ
ンドレル上のゲルへのラテックスエマルジョンの進行中
の凝固により誘発される。これら滲出された抗原性成分
の、さらなる保護剤での化学的処理は、種々の比較的緩
やかな次の化学的手順の工程により達せられ得、これ
は、保護反応が実質的に完結するのに十分な時間の間、
温度およびpHの適切な反応条件下で、1つ以上の保護剤
の有効濃度を有する、処理バス中に含浸することを含
む。任意の未反応保護剤は、ラテックス物品に残留す
る、他の任意の水溶性成分と共に洗浄して、除去され得
る。
【0023】 あるいは、物品形成マンドレル上での、凝固したゼラ
チン状の天然ゴムラテックスエマルジョンの形成に続い
て、露出した表面を保護剤で処理する前に、通常の様式
で、ゲルは乾燥されて硬化され得る。硬化されたゲル
は、その露出した表面に滲出された抗原性成分を出し続
け、その結果、化学的処理は、内在する天然ゴムポリマ
ーを変化させることなく、これらの残留する抗原性成分
の抗原性領域を効果的にセクエスタし得る。
【0024】 当業者は、本発明の方法は、適切な関心が、通常ラテ
ックス物品の生産の間に存在し得る凝固加硫および抗酸
化剤化学物質との明白な所望でない反応を回避すること
に関する限り、実質的に全ての通常のラテックス物品生
産工程に適用され得ることを、理解する。凝固工程およ
び後続の処理工程において使用される保護剤は、これら
の異なるが、同様に標的化された化学反応の間の、普及
している異なる溶媒系および反応条件のために、お互い
に異なり得ることもまた当業者に理解される。各保護剤
の抗原性標的は類似するが、試薬そのものは、水性ラテ
ックスエマルジョン系に対して凝固剤コーティングを形
成するために利用される、典型的なアセトンおよびアル
コールの有機溶媒系におけるそれらの性能を最適化する
ために異なり得る。
【0025】 例えば、天然ゴムラテックスそれ自身は、その化学的
処理と同時に、エマルジョンの界面で抗原性成分の滲出
を誘発するための、適切な分配係数を有する、1つ以上
の保護剤を選択することによって、アレルゲン性タンパ
ク質を低減するように処理され得る。保護剤の化学的性
質を適切に選択することは、エマルジョンのさらなる成
分との、任意の所望でない反応を回避し得る。あるい
は、エマルジョンは、ラテックスに浸す前に、保護剤の
表面層で前処理される形成マンドレル上に、凝固され得
る。
【0026】 本発明の方法はまた、生産工程の後続段階に適用され
得る。例えば、保護剤を添加して、コーティング処方物
または被着(donning)コーティング処方物を放出さ
せ、粉末を含まずに形成されたラテックス物品を生産し
得る。所望ならば、保護剤の特性は、続くポリマーコー
ティング化学に組み込まれ得、抗原性領域のセクエスタ
化(sequestration)およびコーティングが同時に生じ
得る。この様式において、本発明は、ラテックス物品の
両側を処理して、アレルゲン性をより一層低減する。あ
るいは、最初に滲出された表面は、任意の前述の工程に
おいて保護剤で処理され得る。次いで、対向する表面は
後続段階の技術の1つで処理され得る。
【0027】 本発明の方法は、水性溶液との組み合わせにおいて使
用されることが望ましいが、適切な場合、その範囲およ
び教示内で、非水性溶液が使用され得る。その結果、本
発明の方法は、通常の製造手段に最小の影響を与え、上
記に記載のような、原料ラテックス、加工されたラテッ
クス化合物、加硫される前のラテックス化合物、加硫さ
れた物品、および最終ラテックス物品を処理するのに利
用され得る。
【0028】 本発明の実施に使用され得る保護剤は、関連するラテ
ックスゴム、または所望の凝固剤もしくはエマルジョン
組成物との、著しい相互作用を回避するのに十分穏やか
な条件下で、抗原性成分分子とともに見出される種々の
官能基の1つ以上と反応する、広範な種々の化学的物質
を含む。本発明のさらなる特性として、保護剤の分配係
数は、改変されて、標的の抗原性成分、または少なくと
もその抗原性領域の疎水性/親水性の特性を調和または
一致させ、その保護の有効性を増強し、そのプロセッシ
ングの性能を改良する一方、内在する凝固剤およびエマ
ルジョン成分との相互作用をより一層低減し得る。
【0029】 例示的な保護剤は、多官能性の化学試薬および特に、
例えばジエポキシ、ジアルデヒド、ジエン、ビスマレイ
ミド(bismalimide)、ジグリシダール(diglycidal)
エーテル、およびジイソシアネートのような二官能性試
薬を含むが、さらなる多官能性および二官能性のアナロ
グ、および一官能性の化学試薬をも、本発明の範囲内に
あることが意図される。さらに、洗浄剤様の特性を有す
る側鎖は、保護剤に結合して、その分配係数を改変し得
る。同様に、大きいかまたは嵩高い側鎖が、一官能性ま
たは二官能性の保護剤に結合することはまた、その保護
能力を増強させる。適切に構成された官能基を有する、
オリゴマー(oligimer)および低分子量ポリマーもまた
用いられ得る。
【0030】 使用される保護剤を考慮しなければ、処理条件が比較
的穏やかで、そして対応するプロセッシング工程化学に
適切であることが望ましい。従って、反応温度は、ラテ
ックス分子を攻撃することなしに、または凝固剤系の製
剤および機能を干渉することなしに、保護剤と抗原性成
分との化学反応を誘発するのに十分であるべきである。
この目的のために、20℃〜100℃の温度範囲が適切であ
ることが見出されている。同様に、処理pHは、前記の所
望の反応を駆動(drive)するのに適切であるが、所望
でない反応を駆動する程に極端でないべきである。例示
的な処理pHは、pH9〜pH12の範囲である。1分〜30分の
範囲の反応時間はまた、不必要の遅延や複雑さを有す
る、現存の製造プロトコルに著しく影響しないために、
適切である。保護剤の有効濃度は、水性または非水性溶
液中で0.1重量%〜10重量%の範囲であり得る。なぜな
ら、この濃度は概して、有害でなく、毒性でなく、高価
でなく、そして使用が容易であるからである。
【0031】 本発明の方法は、現存するラテックス製造技術および
方法論に容易に適用出来るために、本発明はまた、著し
く低減されたアレルゲン性を示す、1つ以上の組織接触
表面および対向する表面を有する利点を添加された、実
質的に全てのラテックス物品または装置を生産し得る。
これらの物品には外科用手袋、検査手袋、コンドーム、
カテーテル、カテーテル膨張バルーン、および閉塞バル
ーン、絆創膏などが挙げられる。
【0032】 本発明の低アレルゲン性天然ゴムラテックス物品およ
び製造方法のさらなる目的、特性および利点、ならびに
そのより良い理解は、当業者が以下の例示的実施態様の
詳細な説明を考慮することから得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(例示的実施態様の詳細な説明) 本発明の、「低アレルゲン性」または低減されたアレ
ルゲン性天然ゴムラテックス物品は、多数の人々が経験
するラテックス過敏およびアレルギー性反応の発生を低
減するために、実質的に任意の天然ゴムラテックス物品
の代替に使用することを意図する。しかしながら、当業
者に理解されるように、組織がラテックス物品と直接に
接触する経験がなされるような環境は、本発明で著しい
利益が達せられる、最も適当な標的である。よって、現
在知られている、数百の、医療デバイス、材料、および
物品は、本発明の顕著な利益を最も明白に示す。
【0034】 今日の医療環境において、医療関係者はしばしば、数
時間もゴム手袋を身に付ける。手の皮膚の皮膚炎および
より障害の多いアレルギー性応答は、手袋の内側表面と
の、この継続的な接触により起こり得る。同様に、アレ
ルギー性応答は、定期的に手袋の外側表面に曝される治
療患者などにおいて誘発され得る。より著しくは、治療
患者、特に心臓病患者は、内包する心臓モニタリングデ
バイスに関して、長時間にわたる密接なラテックス−組
織接触に曝され得る。ここにおいて、アレルギー反応は
重度であり得る。
【0035】 例えば、心臓病の進行をモニタリングするために一般
的に使用される、Swan−Ganzカテーテルは、8〜72時間
に渡って患者の体内に在り得る。膨張性ラテックスバル
ーンは、これらのカテーテルを心臓の血管系内部に前進
させ、そして圧力をモニタリングする目的で個々の動脈
を遮断するために利用され、患者の血管系にある繊細な
組織と直接接触するようになる。この長時間の密接な組
織接触は、本発明の利益が最大であると言われたところ
のラテックス曝露の、最も深刻な形態のひとつであり得
る。合成ラテックス膨張バルーンが、天然ゴムラテック
スバルーンに通常生じる物理的、機械的、化学的特性と
一致し得ないために、これらは、この重大な物理的環境
において、天然ゴムラテックスの効果的な代替品として
機能し得ない。
【0036】 従って、本発明の範囲を制限することなく、この例示
的な実施態様は、例示的な医学的膨張バルーンおよびラ
テックスシートまたは手袋(これらの物品が本発明の原
理および利益を単一に例示するので)に関連して論じら
れる。しかしながら、本発明が膨張バルーン、シート、
または手袋に限定されず、そしてラテックスで形成され
る実質的に任意の物品、デバイス、または組成物に広範
に適用可能であることが強調されるべきである。
【0037】 本発明の広大な範囲の適切な理解により、カテーテル
膨張バルーンは、天然ラテックス物品に通常存在する有
益かつ望ましい物理的、化学的および機械的特性の非常
に明白な実証を提供する。天然ゴムと対照的に、ポリ−
イソプレンおよびポリ−ブタジエンで形成される合成ゴ
ムラテックスバルーンは、ゴム材料が一定応力下で伸び
続ける、「クリープ」を示すことが知られている。膨張
および伸長に続いて、人工ゴムバルーンは、その元の寸
法よりも50%まで伸び得る。結果として生じるたるみ
(baggines)は、たるんだ(sagging)バルーン材料が
精細な内部構造にかみ合う場合、関連する心臓のカテー
テルを引っ込める際に機能的問題を起こし得る。さら
に、合成バルーンはまた、天然ゴムラテックスバルーン
が通常示すものに劣る耐圧力特性を示す。一定圧縮応力
(例えば、折り畳みや、輸送または貯蔵の間に生じ得る
ような応力)下で、これらの材料は、永久に変形し得、
そしてその機能に不利に影響し得るゆがんだ「セット」
になり得る。
【0038】 製品の輸送および貯蔵条件は、天然ゴムラテックスに
通常関連する他の有益な特性を強調する。適正な抗酸化
化合物で適切に製造される場合、天然ゴムラテックスで
形成された物品は、エージングに耐え、そして性能が劣
化することなくかなりの期間貯蔵され得る。よって、弾
性率、破裂圧力、および天然ゴムラテックスバルーンの
減衰の前の多段の膨張サイクルが、貯蔵の間に比較的一
定のままである。この貯蔵能力は、このような製品の有
用性を増強し、合成ゴムデバイスと比較した場合に、比
較的低い費用に寄与する。
【0039】 天然ゴムラテックスはまた、酸および塩基の両方に化
学的耐性であり、殆どの環境で、化学的に不活性である
と見なされ得る。このことは、天然ゴムラテックスを特
にゴム手袋および絆創膏に良く適合させる。さらに、天
然ゴムラテックス物品は、細菌性およびウィルス性病原
体の伝播に対して効果的なバリアであり、これはさらに
これらの医学的有用性を増強する。
【0040】 天然ゴムラテックスのこれらの通常生じる有用な特性
を維持する能力は、本発明の主な長所のひとつである。
天然ゴムラテックスそれ自身の化学構造を変更し得る、
先行技術プロセスとは対照的に、本発明は、材料のアレ
ルゲン性成分の抗原性のみを標的とし、変化させる。さ
らなる利点として、変化された抗原性成分は、ラテック
スに特製的な修飾された表面を提供するのに利用され得
る結合またはグラフト試薬として、後続の処理に利用さ
れ得る。例えば、本発明の教示の利用により、通常の物
理的および機械的特性を有し、さらに、結合された抗酸
化化合物、抗オゾネート(antiozonate)化合物、抗菌
化合物、抗血栓形成化合物、および親水性化合物を含む
表面修飾を備えた、アレルゲン性を低減された天然ゴム
ラテックス物品を生産することが可能である。
【0041】 物理的特性の維持ならびに、このように生産された異
なる物品およびデバイスの性能利点に加えて、同様の結
果をもたらす、関連した実施上の利点がある。天然ゴム
ラテックスの内在する処方物が、本発明による変化され
ないままであるために、クレームされた方法、材料およ
びデバイスの医学的使用に先立って、規定の承認を得る
ために、さらなる臨床データは必要とされるべきでな
い。この特性のみで、それらを取り込む新規のまたは改
善された医学的材料およびそのデバイスの生産に通常関
連する費用を著しく低減する。
【0042】 前述のように、本発明は、通常の製造技術の主要な改
変を行うことなくこれらの有利な特性および利点を示
す、低アレルゲン性天然ゴムラテックス物品を生産し得
る。これらのうち、最も一般的なラテックス製造手順の
ひとつは、浸漬−形成(dip−forming)プロセスであ
る。この手順において、Ca(NO3の水、アルコー
ル、またはアセトンの懸濁液のような凝固前処理試薬で
典型的にコーティングされた、物品形成マンドレルは、
マンドレルをラテックスエマルジョン浴またはタンクに
浸漬し、次いでマンドレルからのラテックス物品の除去
に先立つリンスおよび乾燥/硬化工程により、ラテック
スエマルジョンで簡単にコーティングされる。
【0043】 物品形成マンドレルの設計および製造のために、かな
りの努力がなされた。典型的にはステンレス鋼またはセ
ラミックから構築される、浸漬−形成マンドレルは、意
図される目的に対し、適切なサイズおよび構成のラテッ
クス物品を生産するために、正確な寸法および形状でな
ければならない。殆どの場合、オーブン乾燥と共に、マ
ンドレルは、前処理試薬浴、エマルジョン浴、およびリ
ンス浴へ、マンドレルを繰り返し浸して取り出すことを
伴う、大量自動生産技術に取り込まれる。よって、これ
らは繰り返しの使用および高温に耐えるのに十分である
べきである。
【0044】 ある環境では、浸漬−形成ラテックス物品は、「反
転」または裏返されて、形成マンドレルからそれらを剥
離または除去する。ゴム手袋およびコンドールの生産
は、除去するためのこのような反転工程を共通して利用
し、その結果、最終物品の内側表面は、実質的に、元の
浸漬−形成製品の対向した外側表面になる。逆に、膨張
バルーンは物品形成マンドレルから除去するために反転
されない。浸漬−形成プロセスにより生産される好まし
い伸長特性は、バルーンが裏返されることなく除去され
ることを要する。同じく重要なことに、浸漬−形成の間
に、最初にマンドレルに接触するラテックス物品の内側
表面に包理され得る剥離剤を、形成マンドレル上で使用
することは一般的でない。
【0045】 興味深いことに、たとえ浸漬−形成ラテックス物品
が、その製造プロセスの間に反転され得るかまたは反転
され得なくても最終的には使用者または患者の組織と接
触する、物品形成マンドレル上に、もとのラテックス外
側表面が直接生産されることは、最も一般的である。本
明細書中に記載した本発明の例示的な実施態様におい
て、製造プロセスの間に処理されてそのアレルゲン性を
低減される主要な標的は、この外側表面である。しかし
ながら、本発明の増強された形態は特に、ラテックス物
品の内側および外側の両表面の処理に適用可能であるこ
とを強調すべきである。
【0046】 概して言えば、本発明は、浸漬−形成または他の製造
プロトコルに、適切なまたは好ましい段階で組み込まれ
た、ごくわずかの簡単な工程を通して、この目的を達成
する。その広範な局面において、本発明は、初期には、
一表面で抗原性成分を直接セクエスタし、次いで、通常
生じる天然ゴムラテックス抗原性成分が、組織に接触す
ることが意図される表面を含む、対向する物品表面上に
滲出することを誘発する。
【0047】 成型および浸漬−形成プロセスにおいて、これは、抗
原性成分の通常の補体(compliment)を包む、天然ゴム
ラテックスエマルジョンの提供により達成され得る。前
述のように、これら抗原性成分は、タンパク様および非
タンパク様の化合物を含む、広範に種々の天然に存在す
るバイオポリマーから構成される。これらの界面活性剤
および洗浄剤様のバイオポリマーは典型的に、そのタン
パク質またはポリマーの骨格に沿って、多数の反応性の
官能基を取り込む。例えば、NH2、−OH、および=S
は、本発明の初期および後に適用される保護剤の反応ま
たはドッキングの部位を提供するいくつかの官能基であ
る。
【0048】 ある場合において、予備的製造工程として、天然ゴム
ラテックスエマルジョンに保護剤を添加することは可能
であり得る一方、抗酸化化合物および保存剤の保存が所
望である場合、このことは望ましくない。多くの先行技
術の処理プロトコルはこの欠点を示す。しかしながら、
適切な分配係数および反応性を有する保護剤の選択によ
り、抗原性成分のエマルジョンの界面での滲出を誘発す
ることによる凝固剤抗酸化剤および保存化合物との所望
でない相互作用を回避することが可能である。
【0049】 本発明は、抗原性成分の滲出を、好ましくはエマルジ
ョンの対向する内側および外側の両表面の上および近位
に、特に患者の組織との接触が意図されるところに誘発
することによる天然ゴムラテックスエマルジョンの前処
理に通常関連する問題を克服する。これは、エマルジョ
ンにおいて、上述のように、ならびに天然ゴムラテック
スエマルジョンからのラテックス物品の形成の間に、直
接達成され得る。例えば、ラテックス物品が、物品形成
マンドレルをラテックスエマルジョン中に浸漬すること
により形成される場合、滲出およびセクエスタが、浸漬
された物品形成マンドレルの表面上にラテックスエマル
ジョンが凝固してゲルになることにより、対向する両表
面に誘発され得る。
【0050】 本発明の教示によれば、保護剤を含む凝固剤組成物で
マンドレルをコーティングする結果として、ラテックス
エマルジョンの抗原性成分のセクエスタは、物品形成マ
ンドレルと接触して、エマルジョンの表面に直接生じ
る。記載のように、保護剤は、比較的穏やかな条件下
で、ラテックスエマルジョンの抗原性成分と反応する、
化学的化合物である。これらは、ベースゴムポリマーの
生体適合性または分子構造に影響せず、そして、本発明
の方法のこの工程において凝固剤コーティングの操作へ
の衝撃を回避するように選択される。
【0051】 例えば、現在の凝固剤系は典型的に、Ca(NO3
アセトンおよびアルコール溶媒懸濁液を使用する。これ
らの懸濁液を浸漬するか、または物品形成マンドレルの
上にスプレーし、そして溶媒を蒸発させて、凝固剤試薬
のコーティングを残す。本発明において、アセトンおよ
びアルコールベースの凝固剤のためのブタンジオールジ
グリシダールエーテル、または水ベースの凝固剤系のた
めのペンタエリトリトールトリグリシダールエーテルの
ような例示的な保護剤が、物品形成マンドレルへの適用
に先立って、有効量を凝固剤懸濁液に単に添加すること
により、使用され得る。
【0052】 処理され凝固剤でコートされる、物品形成マンドレル
を、ラテックスエマルジョンに単に浸漬することで、マ
ンドレルと接触するようになるエマルジョンの内側表面
に抗原性成分を直接セクエスタする。本発明の方法にお
けるこの工程で、使用される保護剤は、次の処理工程に
おいて使用されるものと異なり得、これは保護剤が、プ
ロセスの適切な工程で、溶媒系および意図する反応に対
して最適化されるべきであるためであることが、当業者
に理解される。ラテックスエマルジョンの残留する抗原
性成分は、以下のように、次の手順の工程においてセク
エスタされる。
【0053】 ラテックスエマルジョンの凝固を継続して、水性キャ
リア溶液を凝固したゲルの外側または露出した表面の方
に移す。本発明の教示に一致して、エマルジョン凝固剤
である、残留抗原性成分の濃度および関連する特異な相
は、対向するまたは外側の露出した表面の方へ移動し
て、それと共に水溶性の残留抗原性成分を搬送する。こ
れにより、対向する露出したゲル表面の上または近位の
場所で、凝固したゲルの構造の内に緩やかに取り込まれ
る。
【0054】 分子レベルで、この露出した表面は、緩やかに包埋さ
れ、滲出された抗原性界面活性剤成分の露出した抗原性
領域で高い程度で巻き込まれ、そして緩やかに被包され
る。その結果、滲出された抗原性成分は組織上に提供さ
れて、天然ゴムラテックスゲルの内在するベースポリマ
ーに影響しないで、それらを後続の化学的保護処理に対
して個々に感受性にする様式で、形成されたラテックス
物品の表面に接触する。残留する滲出された抗原性成分
を、1つ以上の保護剤で化学的に処理することは、これ
らの緩やかに結合する露出したバイオポリマーの抗原性
領域をセクエスタして、引き続く組織接触現象の間に、
それらを人体の免疫系に対して事実上不活性にする。本
発明の、天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性を低減
するのは、両表面の抗原性領域の、この保護または被包
である。これは、先行技術において実施されたような、
単なるコーティングプロセスでないことが強調されるべ
きである。本発明は、個々の分子ベース上の抗原性成分
のアレルゲン性領域を能動的に被包し、材料表面をフィ
ルム、ポリマーグラフトなどでコートしないで、材料の
両表面の内部に、十分被包する。
【0055】 同様に、保護剤での化学的処理は、あるタンパク質を
別のタンパク質で消化する酵素処理ではなく、また抗原
性成分を可溶化して除去する簡単な洗浄プロセスでもな
い。むしろ、本発明の方法は、タンパク様組織を単に架
橋することでなく抗原性領域をセクエスタすることで機
械的分解を妨げるというさらなる焦点を有することを除
けば、天然に存在する組織の化学的堅固化すなわち「固
定化」に、より類似する。
【0056】 本発明の後続の化学的処理工程はまた、簡単なプロセ
スである。これは浸漬、浸透、スプレー、または保護剤
が、適切な反応条件下で、反応を進行させるのに十分な
時間、滲出された抗原性成分を係合することを可能にす
る、任意の類似の技術によって達成され得る。本明細書
中に記載される例示的な浸漬−形成方法論において、こ
れは、温度およびpHの適切で穏やかな反応条件下で、1
つ以上の保護剤を効果的な濃度で含む、簡単な水性また
は非水性の浸漬浴の提供を通して達成され得る。その外
側表面に滲出された残留抗原性成分を有する形成された
ラテックス物品は、適切な時間、処理浴に簡単に液浸さ
れ、除去され、そして分離リンク工程においてリンスさ
れて、未反応の保護剤および他の可溶性成分を除去され
る。
【0057】 処理手順は硬化されたラテックスエマルジョンならび
に前述のエマルジョンおよび凝固されたゲルに、等しく
適用し得る。これらの別の実施態様において、滲出され
た抗原性成分を、その外側表面上に有する、ゲル化ラテ
ックスエマルジョンは、乾燥および/または加熱を伴う
通常の様式において硬化される。硬化により滲出された
抗原性成分は、外側の巻き込まれた分子表面により堅固
に結合し、そして水性処理バスの能力を低減して、非水
性バスあるいはエマルジョンまたは凝固されたゲルの処
理によって達成され得るのと同程度に深く、ラテックス
構造の内側に浸透し得る。典型的な非水性バスは、アル
コール、ケトン、エステルなどの、当該分野で公知であ
りそして反応および反応条件に適合する有機溶媒を含
む。それにもかかわらず、このような改変および代替に
よっても、硬化されたラテックス物品表面のアレルゲン
性は、本発明の教示に一致して、滲出された抗原性成分
の化学的処理を通して、著しく低減される。
【0058】 任意の場合において、本発明の実施のために、比較的
穏やかな反応条件が適切である。穏やかな条件は、保護
剤と、その表面上に滲出された抗原性成分を提供するベ
ースの天然ゴムラテックスポリマーとの、相互作用の防
止を助ける。さらなる利点として、穏やかな反応条件
は、既存の製造プロセスに容易に取り込まれ得る。典型
的な穏やかな反応条件は、約20℃〜100℃の範囲の温度
を含む。好ましい温度は、60℃〜80℃程度であり得る。
よって、化学的処理反応溶液または浴は、室温またはそ
れよりわずかに高い温度で、安価に、生産および維持さ
れ得る。これは、ラテックスエマルジョンまたはラテッ
クスそのものに提供され得る抗酸化剤に影響せずに、保
護反応を効果的に導く。
【0059】 同様に、反応溶液または処理浴は、関連する天然ゴム
ベースポリマーのビニル結合を開くことなく、標的抗原
性成分の結合領域と保護剤との間の反応を誘発できるほ
ど十分に高いpHを有するべきである。本発明を実施する
ための典型的なpHの範囲は、pH9〜pH12の穏やかな塩基
処理条件を含む。好ましいpHは10.5程度であり得る。
【0060】 これらの比較的穏やかな反応条件下で、滲出された物
品表面に接触する保護剤を1分〜30分の間放置すること
が適切である。正確な時間は、保護反応を効果的な終端
点まで進めるために、わずかな努力で実験的に決定され
得る。衝撃または通常の製造プロセスの遅れを最小にす
るので、より短い曝露時間が好ましい。従って、反応時
間は3分〜10分の範囲が好ましい。
【0061】 保護剤は、上述の比較的穏やかな条件で抗原性成分と
反応する化学的化合物でなければならない。また、これ
らは、ベースゴムポリマーの生物学的適合性または分子
構造に影響すべきでなく、そして好ましくは比較的非毒
性であるべきである。本発明の教示に一致するこの試薬
および反応条件の選択は、これらの目的を達成する。本
発明の実施に有用な典型的な化学的保護剤は、ジエポキ
シ、ジアルデヒド、ジエン、ビスマレイミド、ジグリシ
ダールエーテル、トリグリシダールエーテル、およびジ
イソシアネートのような、種々の多官能性試薬および二
官能性試薬を含む。これらの分類における、特に典型的
な保護剤は、エチレングリコールジグリシダールエーテ
ル、グルタルジアルデヒド、1,4−ブタンジオールジグ
リシダールエーテル、ブタンジオールジグリシダールエ
ーテル、ペンタエリトリトールトリグリシダールエーテ
ル、およびジビニルスルホンを含む。類似の任意の官能
基化合物は、本発明の教示と一致して、保護剤として利
用され得ることを、当業者は理解する。
【0062】 加えて、反応性基および側鎖を有する任意のこれらの
保護剤の修飾はまた、本発明の範囲に含まれるものとし
て意図される。例えば、洗浄剤様側鎖を試薬に添加する
ことは、その分配係数を改変させるために使用され得
る。あるいは、嵩高い側鎖を添加することは後続反応の
保護有効性を向上し得る。適切な官能基および側鎖を含
む、置換オリゴマー(oligimer)および低分子量ポリマ
ーはまた、保護剤に使用し得る。例えば、ポリビニルア
ルコールおよびエピクロルヒドリンから形成されるポリ
エポキシ化合物は、効果的な保護剤であり得る。
【0063】 使用される保護剤に依存して、化学的処理は乾燥し
た、水性または非水性条件下で実施され得る。適切な場
合には、水性条件は、それらが天然に存在するラテック
スエマルジョンと容易に適合し、取り扱いがかなり簡単
であるため、好ましい。それらの費用および毒性が比較
的低いことは、さらなる利点である。保護剤の濃度はま
た、溶液の種類および試薬そのものに依存する。
【0064】 典型的な保護剤濃度は、0.1重量%〜10重量%の範囲
が効果的であると考えられているが、これより大きいま
たは小さい濃度も、本発明の範囲に含まれることが意図
される。より低い濃度は、反応速度およびその結果とし
ての生産プロセスを遅め得、一方、より高い濃度は、よ
り高価であり、そして取り扱いが困難であり、付随する
生産上の利点を提供しない。従って、典型的な濃度範囲
は、周辺環境および化学に一致するように改変されるこ
とのみが最高かつ必要であると考える。好ましくは、保
護剤は使用される特定の溶媒系に対して最適化される。
従って、凝固剤系において使用するために選択された保
護剤は、ラテックス物品の外側における後続のバルク処
理に使用されるものと、異なり得る。どちらの状況にお
いても、最適化は、溶媒の溶解度、予測される反応速
度、内在するラテックスに対する異なる標的官能基につ
いての化学的親和力を考慮する。
【0065】 本発明のさらなる精緻さにより、実施者は、保護剤の
疎水性/親水性の特性を微調製して、直接提供されるか
または滲出された抗原性成分による標的の抗原性領域の
その特性とより近づけ合わせ得る。これは、反応を標的
部位に集中させ、そして内在するベースポリマーから遠
ざけることを助ける。特に、当業者に理解されるよう
に、直接セクエスタされ、次いで滲出される抗原性成分
がエマルジョンの境界面、周囲のラテックスゲル、また
はポリマーの内部に結合するので、突出した分子性要素
は、それらが境界面または物品表面から離れて広がるに
つれて、増大する親水性(水適合性)を示す。表面に最
も近いか、あるいは境界面もしくは表面の近位のラテッ
クスエマルジョンまたは物品に包埋された、これらの分
子成分は、非常により疎水性(水反発)である。使用さ
れる保護剤の疎水性/親水性特性の微調整または調和に
より、本発明は、抗原性成分上のこれらの特異的な疎水
性または親水性の抗原性領域を効果的に標的とし得る。
【0066】 実験を通して、より高い疎水性またはより高い親水性
の保護剤は、穏やかな疎水性および穏やかな親水性の特
性の両方を示す保護剤よりも、ある状況下で、効果が劣
り得ると測定された。エチレングリコールグリシダール
エーテルおよびグルタルジアルデヒドは、疎水性および
親水性の中間の分配係数を有する保護剤の例である。こ
れらの試薬は、周囲の環境に突出した、または内在する
ベースポリマーもしくはエマルジョン境界面の内部に深
く包埋された、抗原性領域よりもむしろ、滲出されたラ
テックス表面にごく近位の抗原性領域を標的とすると考
えられる。実験的証拠は、これが天然ゴムラテックス材
料のアレルゲン性を低減するための最も効果的な標的で
あり得ることを示す。同様に、凝固剤工程において抗原
性成分の直接セクエスタを扱う場合、ブタンジオールジ
グリシダールエーテルは、アセトンおよびアルコールに
基づく凝固剤系での使用に対して最も適切であり得る
が、ペンタエリトリトールトリグリシダールエーテルは
より高い水溶性であって、水に基づく凝固剤系に対して
より適正である。
【0067】 この理解を留意して、本発明の向上した技術を取り込
んだ典型的な天然ゴムラテックス製造プロセスは、以下
のように実施され得る。本発明のこの実施態様におい
て、保護剤での処理は、水和ゲル材料中への次の保護剤
の拡散を容易にし得るので、ゲル段階の前および間の両
方で行う。さらに、穏やかな反応条件および適切に選択
された保護剤のおかげで、この段階において、保護剤
と、ラテックスエマルジョンの中に存在する任意の加硫
化学薬品または抗酸化化学薬品との相互作用が、殆どな
いかまたは全くない。
【0068】 本発明の既存の生産技術への適用の容易さの例証とし
て、製造プロセスにおける第一工程は、標準的処方およ
び技術を使用して天然ゴムラテックスエマルジョンを構
成することを含む。代表的には、生の天然ゴムラテック
ス水性エマルジョンは、酸化亜鉛、硫黄、アミン、チオ
ール、ならびに他の抗酸化剤および促進剤を含む種々の
加硫、架橋および抗酸化の化合物で前処理される。この
材料の組み合わせ物は、密封下で数時間、加熱および撹
拌されて、浸漬−形成プロセスまたは他の製造プロセス
に適した原料を提供する
【0069】 標準的な浸漬−形成手順において、プロセスにおける
次の工程は、所望の形状を有し、物品形成マンドレルを
処理された凝固剤系に浸漬し、次いで乾燥することを含
む。例えば、マンドレルを形成する、ビードブラストさ
れたステンレス鋼は、ブタンジオールジグリシダールエ
ーテルの直接保護剤で処理された、アルコールおよびCa
(NO3の溶液中に浸漬され得る。次いでマンドレル
を天然ゴムラテックス化合物(これは安定剤および上述
の他の成分を含み得る)中に浸漬し、そして接着された
ラテックスエマルジョンの薄いコーティングと共に取り
出す。この処理工程は、凝固剤でコートされた、物品形
成マンドレルと接触するようになるラテックスエマルジ
ョンの抗原性成分を直接セクエスタする。
【0070】 大気中に短時間曝して、浸漬されたラテックスエマル
ジョンを凝結し、残留する抗原性成分のその表面への滲
出を誘発し得た後、浸漬されてコートされた、マンドレ
ルを形成するラテックスは水浴中でリンスされて、任意
の容易に可溶な化合物を除去し、そしてゲル化エマルジ
ョンの表面から任意のイオンなどを抽出する。これは、
直接セクエスタした抗原性成分を有する内側表面と、包
被され、滲出された残留抗原性成分を露出した親水性か
つ抗原性の領域を含む非常に高い表面積を有する、対向
する外側表面とを有する、凝結されたゼラチン状ラテッ
クス物品を提供する。
【0071】 リンスパラメーターの最適化は、ラテックスエマルジ
ョンからの凝固剤物質およびアンモニアの効果的な除
去、非対称な加硫の最小化、および所望の抗酸化剤およ
び抗オゾネート剤の不注意な浸出を最小化しながらの滲
出するアレルゲン性成分の最大化を含む、いくつかの異
なる因子に焦点を合わせるべきである。これは、リンス
温度および時間の注意深い調整を要する。なぜなら、よ
り高い温度は凝固剤物質の除去の効果を高め、一方、よ
り低い温度はアンモニアの溶解度を増加させ、かつ促進
剤活性化レベル未満で操作することにより加硫を最小に
するのに望ましいからである。同様に、リンス時間の延
長は、可溶アレルゲン性成分の除去を最大化するのに好
ましく、一方、リンス時間の短縮は、抗酸化剤および抗
オゾネート剤の不注意な浸出を低減する。
【0072】 開示された典型的な系において、最適なリンス温度
は、30℃〜35℃の範囲にあり得、これは、ラテックスエ
マルジョン中で、架橋を開始することなく、凝固剤塩を
効果的に可溶化するからである。この温度での適切な5
分のリンス時間は、典型的な凝固剤系を使用した薄壁の
物品の処理に適切である。あるいはまた、成形されたラ
テックス物品は、長時間の間100℃程度かそれより高い
リンス温度を要し得る。
【0073】 当業者が理解し得るように、洗浄は、これらの天然に
存在する界面活性剤分子の約30%を除去するに過ぎな
い。従って、ラテックスエマルジョンに元々存在する、
それらの残留抗原性成分のかなりの部分が、ラテックス
ゲルの滲出された対向する外側表面に、またはその近く
に残留する。
【0074】 いくつかのエポキシ保護剤に関して、エポキシ官能基
が上昇した温度およびpH値で水と反応し得ることが注目
されるはずである。生じる加水分解反応は、試薬の活性
のロスを生じる。なぜなら、アレルゲン性の矛盾しない
減少を生じるための製造環境において一定レベルの試薬
活性を維持することが所望されるために、加水分解のロ
スを補うための処理設備に新鮮な保護剤の供給をゆっく
り連続的に行うことが所望される。さらに、試薬の補充
に関連するコストを削減するために、濃縮された保護剤
を低い温度で維持し、次いで使用の直前に、上昇させた
温度の緩衝液に試薬を添加することが所望され得る。こ
れらの技術の最適化は、製造プロセス全体にわたって、
種々の温度およびpHレベルで、活性レベルおよび加水分
解速度を測定することにより達成され得る。大規模の生
産について、最少量の希釈した保護剤溶液を処理される
物品に噴霧することが所望され得る。
【0075】 本発明が既存の製造技術にいかに容易に組み込まれる
かのさらなる例示をすると、続く滲出した抗原性化合物
の化学的処理は、リンスし、ラテックスでコートして形
成したマンドレルを、例えば、pH10.5で緩衝化した溶液
中に5重量%のエチレングリコールジグリシダールエー
テルを含む処理浴中で、50℃から80℃の間の温度で約3
〜15分間単に浸すことにより、この段階で達成され得
る。例えば、60℃で20分間の水中でのさらなる洗浄工程
は、最初のリンスで除去されない可溶性のイオン、タン
パク質および他の成分とともに任意の未反応の保護剤を
除去する。次いで、処理した物品は乾燥させられ、そし
て、90分間90℃のオーブンに置かれるような通常の製造
手順を利用して、その最終形態に硬化させ、続いて浸漬
したマンドレルから除去される。これにより、包埋され
そして滲出された抗原性成分を含む、内部および組織接
触表面の両方を有する通常の化学的、物理的、および機
械的特性を有する天然ゴムラテックス物品を産生する。
これは、これらの抗原性領域を被包する保護剤によりア
レルギー性の応答から効果的に保護する。
【0076】 あるいは、天然のゴムラテックス物品および膜を製造
するために、先の浸漬形成する(dip−forming)手順が
通常、物品の硬化後に次の処理工程で行われ得る。この
別の手順において、その外表面上に存在する滲出した抗
原性成分を有する、硬化されたかまたは仕上げられた
(finished)物品は、先のような同じ次の処理溶液浴で
処理され、そして形成するマンドレルから除去される前
または後のいずれかに乾燥させられる。これらの別の製
造プロトコルのいずれかは、本発明を実施するために利
用され得、そして適切な場合は、非水溶性の処理浴が利
用され得る。
【0077】 本発明の保護剤が、内在するラテックスポリマーとの
相互作用を最小化するために非常に穏やかな処理条件で
操作されるために、セクエスタされた表面タンパク質
は、次の処理工程でこのように生産されるラテックス物
品に改変した表面特性を提供するために利用され得る、
未反応のペンダント(pendent)架橋基を含み得る。本
発明の教示に従って、これらの未反応のペンダント基
が、抗酸化剤、抗オゾネート剤(antiozonate)、抗菌
剤、抗血栓形成剤(antithrombogenic)、および疎水性
表面改変剤を処理された物品の表面に結合するグラフト
剤として利用され得る。
【0078】 例えば、ラテックスエマルジョン上の滲出された抗原
性成分の次の処理の後、物品は、25℃で約2分間空気乾
燥され得、その後、ポリマー性フェノール抗酸化剤の10
%水性エマルジョン中に60℃で約5分間浸透され得、そ
の後、前記のようにリンスされそして硬化させられ得
る。これにより、改善された酸化耐性を有する、アレル
ゲン性を低減させたラテックス物品が製造される。本発
明の実施に適切な、ポリマー性ヒンダードフェノール抗
酸化剤化合物の例として、Goodyear Tire and Rubbe
r Companyから市販されているWingstay LTMが挙げら
れる。抗オゾネート剤の例として、ポリマー性アルキル
エーテルアミンが挙げられる。銀スルファチアジン/ク
ロルヘキシジンは、本発明の実施に適切な抗細菌剤の例
である。本発明の範囲内にあるとして意図される、抗血
栓性表面改変剤はヘパリンを包含し、そして親水性表面
改変剤はマクロポリオールを包含する。
【0079】 これらのプロトコルが単に例示であり、本発明を既存
の製造方法と合体させる可能性を示すことを意図するこ
とは、再度強調されるべきである。当該分野で公知であ
り、本明細書中では議論されない別の製造方法は、本発
明の教示と合体させて、開示されるような低アレルゲン
性の天然ゴムラテックス物品を製造するのに同様に適切
である。例えば、原料ラテックスエマルジョンは、1種
以上の保護剤(これは、エマルジョン界面で滲出して反
応性部位を処理する抗原性成分を誘導するのに十分な分
配係数を有する)で処理され得る。あるいは、マンドレ
ル形成に適用される凝固剤系は、1種以上の保護剤を含
むように処方され得る。これにより、ゲル化エマルジョ
ンの内部表面を直接処理することが可能となり、そして
それに続く、ゲルの外部表面の処理を妨害しない。同様
に、ラテックス物品の外表面は、上で議論されたように
処理され得、その後、物品を反転させて、内部表面を浸
漬処理、スプレー処理、または他の処理で処理する。所
望であれば、保護剤は、パウダーフリーの放出コーティ
ング処方物またはドニング(donning)コーティング処
方物(これらは、当該分野で公知の多くのラテックス物
品に典型的に適用される)中に組み込まれ得る。1種以
上の保護剤を、実際のポリマーコーティング(これは、
仕上げられたラテックス物品に適用され、同時にコート
されそして抗原性成分をセクエスタし得る)に組み込む
ことは、本発明の範囲内であるとして意図される。物品
形成技術のほとんどの段階への、本発明の教示に広く基
づいた適用可能性に対する唯一の重要な制限は、当業者
によりルーティンな実験から事実上排除され得ることが
論じられている、潜在的に所望でない化学反応である。
【0080】 本発明の教示に従って製造されるラテックス物品のア
レルゲン性が低減したことを示すために、ラテックス膜
およびバルーンの多くの例に関して、競合阻害アッセイ
を行った。当該分野で公知のように、適切な実験条件下
では、標準的なアレルゲン性曲線は、数種のヒト血清サ
ンプルに、生じる阻害パーセントに関連して添加された
ラテックスアレルゲン性成分の量に関連して展開し得
る。次いで、未知の抽出物中に存在するラテックスアレ
ルゲンの量は、未知物質により生じる競合阻害を標準曲
線と比較することにより測定され得る。例えば、アッセ
イは、ラテックスのアレルゲン性成分に結合するヒト免
疫グロブリン(免疫反応性分子)(例えば、IgE)の量
を測定するために構成され得る。抗ラテックス(IgE
を含むヒト血清のサンプルが、ラテックスアレルゲンを
含む溶液屯混合されそしてインキュベートされるのであ
れば、抗ラテックス(IgE)の一部は、溶液中のラテッ
クスアレルゲン性成分に結合する。次いで、このサンプ
ルをアッセイすると、抗ラテックス抗体との反応によ
り、どれだけの量のラテックス特異的IgEが減じたかを
決定し得る。コントロールサンプルが、アレルゲン性成
分を含まない溶液で同様に処理され、次いで同じ様式で
IgEについて試験した場合、検出可能なIgEにおけるこの
低減は、阻害パーセントとして表され得る。
【0081】 現在用いらている競合阻害アッセイは、試験される材
料および用いたプロトコルのタイプに依存して結果が大
きく変わることを、アレルゲン性測定分野の当業者は理
解する。結果として、アレルゲン性と種々のサンプルと
の間を直接関連づけることはできない。しかし、注意深
いアッセイ技術および適切なコントロールを用いれば、
相対的なアレルゲン性を測定することおよび大きく変化
する試験結果について制御することが可能である。
【0082】 従って、本発明を利用して得られたアレルゲン性の低
減を定量し、そして証明するために、競合阻害アッセイ
は、United States Federal Food and Drug Admi
nistrationによって、報じられたように開発された、ラ
テックスグローブのアレルゲン性を測定するためのアッ
セイと同様に行われた。適切な競合コントロールは、生
じたアレルゲン性の低減を定量するために、未処理の天
然ゴムラテックス膜およびバルーンと、本発明の教示に
従って処理されたものとを比較するための場所に置かれ
た。以下の実施例において、アレルゲン性は−log比で
表される。従って、ゼロに近いかまたはゼロ以下のlog
比数は、処理された物品対コントロール物品の間のアレ
ルゲン性の非常に小さいまたは劣った低減を示す。log
比数1.0は、アレルゲン性の90%の低減に等しい。log比
数2.0は、アレルゲン性の99.9%の低減に等しい、な
ど。
【0083】
【実施例】
以下の非限定的な実施例の各々において、同一の試験
プロトコルを用いて、相対的なアレルゲン性を測定し
た。天然ゴムラテックス物品の外表面を、凝固した天然
ラテックスゲル状態または硬化したラテックス膜状態の
いずれかにて、本発明の教示に従って処理した。種々の
例示の処理プロトコルの間の主な相違は、用いられる保
護剤、およびカラムヘディング(column heading)に
よって同定されるような異なる処理条件の改変である。
【0084】 (実施例1)
【0085】
【表1】
【0086】 実施例1は、最高で、未処理のコントロールサンプルを
上回る、アレルゲン性における小さな改善を示す。
【0087】 (実施例2)
【0088】
【表2】
【0089】 *分析を行わなかったサンプル。 記:実験バルーンについての総侵出時間はコントロール
バルーンよりも長かった。
【0090】 実施例2は未処理のコントロール物品に比較して、ゲ
ル段階で得られたアレルゲン性における有為な改善を示
す。アッセイ結果における変動は、この最初の分析での
最適な実験条件を決定することを困難にする。さらに、
保護剤はラテックスエマルジョン中に存在するアンモニ
アと相互作用していると考えられる。
【0091】 (実施例3)
【0092】
【表3】
【0093】 実施例2と同様に、同じ試薬のより高い濃度であるが、
乾燥させた段階、または硬化させた段階でのラテックス
物品の処理は、アレルゲン性において同等の有為な減少
を生じた。さらに、製造プロセスのこの段階での処理
は、ゲル段階で保護剤を用いて起こり得るアンモニア反
応を排除した。
【0094】 (実施例4)
【0095】
【表4】
【0096】 記:実験サンプルについての総侵出時間は、コントロー
ルサンプルよりも長かった。
【0097】 実施例4は、実際には、競合阻害アッセイそのもので
例示的に限定され得るアレルゲン性における広範に可変
な減少を示す。あるいは、増大した反応時間が、明らか
に、ゲル段階でのこの保護剤処理で得られるアレルゲン
性の減少を増大させた。
【0098】 (実施例5)
【0099】
【表5】
【0100】 実施例5は、本発明の多くの異なる局面を例示する。
最初に、ジエポキシ保護剤は、有効であるためにより高
いpHを必要とし得る。より重要には、本発明の教示に従
ってこれらの試薬を用いて達成されるアレルゲン性の減
少が、標準的な阻害アッセイ結果の公知の可変性を考慮
すると、顕著に高く、そして比較的より一定である。さ
らに、1,4−ブタンジオールジグリシダールエーテル保
護剤は、先の実施例で用いた比較的疎水性の保護剤より
もさらに疎水性である。これは、滲出された抗原性成分
上の標的の抗原性領域がラテックス物品の表面により近
いことを示す。これらの領域を保護することは、アレル
ゲン性のより劇的な減少を生じる。
【0101】 (実施例6)
【0102】
【表6】
【0103】 記:「>」はアッセイ結果が最少検出レベル未満である
ことを示す。
【0104】 実施例6は、1,4−ブタンジオールジグリシダールエ
ーテルの特性に類似の穏やかな疎水性および穏やかな親
水性特性の両方を示す保護剤であるエチレングリコール
ジグリシダールエーテルを用いて得られるアレルゲン性
の、同等に有意な減少を例示する。
【0105】 (実施例7)
【0106】
【表7】
【0107】 *分析しなかったサンプル。 記:実験サンプルについての総侵出時間はコントロール
サンプルよりも長かった。
【0108】 実施例7は、アレルゲン性の同等に効果的な減少が、
異なる処理条件下での、凝固させたラテックスゲル段階
でエチレングリコールジグリシダールエーテル保護剤処
理を用いて得られたことを例示する。
【0109】 (実施例8)
【0110】
【表8】
【0111】
【表8A】
【0112】 実施例8は、種々の濃度、時間、温度、およびpHの反
応条件下でゲル段階に適用されたエチレングリコールジ
グリシダールエーテル保護剤の有効性を例示する。前述
と同様に、未処置のコントロールに対する、アレルゲン
性の有意な減少が、この保護剤を用いて得られた。アッ
セイ限界がまた、同様の処理条件での互いに異なる結果
から確認された。
【0113】 まとめると、本明細書中に開示される本発明の実施態
様が本発明の本質の例示的なものであり、そしてその範
囲内で他の改変が用いられ得ることが理解されるはずで
ある。例えば、別の供給源から得られる天然ゴムラテッ
クス樹液またはエマルジョンが使用され得る。別の試
薬、ならびに関連する処理工程および条件がまた、本発
明の範囲内で使用され得る。従って、本発明は、開示さ
れ、そして記載されたそのもには限定されず、そして添
付の請求の範囲によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08C 4/00 B29K 7:00 // B29K 7:00 B29L 31:48 B29L 31:48 A61F 5/43 (72)発明者 ドウブ,ジェフリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 92705,サンタアナ,ゲートウェイ 19342 (56)参考文献 特開 平6−70942(JP,A) 特開 平6−256404(JP,A) 特開 平6−329702(JP,A) 特開 平7−126436(JP,A) 特表 平3−502529(JP,A) 米国特許4302852(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/02 CEQ B29C 41/14 A61L 29/00 A61F 6/04 A61B 19/04

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両表面の少なくとも一部が低減されたアレ
    ルゲン性を示す、対向する内側および外側の表面を有す
    る、向上した低アレルゲン性天然ゴムラテックス物品を
    生産する方法であって、以下の工程: 保護剤を含むラテックス凝固剤組成物でコートされた物
    品形成マンドレルを、抗原性成分を含む天然ゴムラテッ
    クスエマルジョン中に、20−100℃の温度、9−12のp
    H、0.1−10重量%の該保護剤の濃度、および該保護剤を
    該抗原性成分と反応させるに十分な時間という条件下で
    浸漬して、該エマルジョンで該マンドレルをコートし、
    そして該ラテックスエマルジョンが該マンドレル上で凝
    固するにつれて該保護剤と接触するようになる該抗原性
    成分をセクエスタする工程であって、該保護剤は、該抗
    原性成分をセクエスタする、工程;および 該凝固ラテックスエマルジョンの残留抗原性成分を、該
    物品形成マンドレル上の該ラテックスエマルジョンのゲ
    ルへの凝固により、該マンドレルと接触する該凝固ラテ
    ックスエマルジョンの表面に対向する、該凝固ラテック
    スエマルジョンの表面の上および近位へ滲出させる工
    程、 を含む、方法。
  2. 【請求項2】前記誘発工程後に以下の工程: 前記滲出した残留抗原性成分を次の保護剤を用いて化学
    反応によって処理して、該滲出した残留抗原性成分をセ
    クエスタする工程、 をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記残留抗原性成分の前記滲出が、前記浸
    漬し、かつコートした物品形成マンドレルを、前記ラテ
    ックスエマルジョンから除去して、該物品形成マンドレ
    ル上で該ラテックスエマルジョンをゲルに凝固させ、そ
    して該残留抗原性成分を該マンドレルから離して、該ゲ
    ルの対向する表面へ移動させることにより誘発される、
    請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記ラテックス凝固剤組成物が、ブタンジ
    オールジグリシダールエーテルおよびペンタエリトリト
    ールトリグリシダールエーテルからなる群から選択され
    る保護剤を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記滲出した抗原性成分が、以下のさらな
    る工程により前記次の保護剤を用いた化学反応によって
    処理される、請求項3に記載の方法: 前記物品形成マンドレル上の前記滲出したゲル化したラ
    テックスエマルジョンを、該次の保護剤を0.1重量%〜1
    0重量%の濃度で含む処理バス中に、20℃〜100℃の温度
    およびpH9〜12の条件で、該次の保護剤を該滲出した抗
    原性成分と反応させるに十分な時間浸漬する工程;およ
    び 処理されたゲルをリンスして、未反応の保護剤および該
    リンスに使用される溶媒に可溶性の他の成分を除去する
    工程。
  6. 【請求項6】前記処理バスの前記温度が、30℃〜35℃の
    範囲である、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記十分な時間が、1分〜30分の範囲であ
    る、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記時間が、5分である、請求項7に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】前記次の保護剤が、多官能性試薬である、
    請求項2に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記多官能性試薬が、ジエポキシ、ジア
    ルデヒド、ジエン、ジイソシアネート、およびビスマレ
    イミドからなる群から選択される二官能性試薬である、
    請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記次の保護剤が、エチレングリコール
    ジグリシダールエーテル、1,4−ブタンジオールジグリ
    シダールエーテル、グルタルジアルデヒド、およびジビ
    ニルスルホンからなる群から選択される二官能性試薬で
    ある、請求項2に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記ゲル化したラテックスエマルジョン
    を硬化するさらなる工程をさらに含む、請求項3に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】前記滲出した抗原性成分の少なくとも1
    つの領域を標的抗原領域として選択するさらなる工程;
    および 前記次の保護剤の疎水性/親水性の特性を、該少なくと
    も1つの標的抗原性領域の疎水性/親水性の特性に一致
    させるさらなる工程; をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記次の保護剤が、エチレングリコール
    ジグリシダールエーテルを疎水性/親水性の特性を示
    す、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記次の保護剤が、エチレングリコール
    ジグリシダールエーテルである、請求項13に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】少なくとも1つの表面変性剤を、前記化
    学反応によって処理された滲出した残留抗原性成分にグ
    ラフトするさらなる工程をさらに含む、請求項2に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】前記少なくとも1つの表面変性剤が、抗
    酸化化合物、抗オゾネート化合物、抗菌化合物、抗血栓
    形成化合物、および親水性化合物からなる群から選択さ
    れる、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】両表面の少なくとも一部が低減されたア
    レルゲン性を示す、対向する内側および外側の表面を有
    する、天然ゴムラテックス物品であって、以下の工程: 保護剤を含むラテックス凝固剤組成物でコートされた物
    品形成マンドレルを、抗原性成分を含む天然ゴムラテッ
    クスエマルジョン中に、該凝固剤組成物、または20−10
    0℃の温度、9−12のpH、0.1−10重量%の該保護剤の濃
    度、および該保護剤を該抗原性成分と反応させるに十分
    な時間という条件下で浸漬して、該エマルジョンで該マ
    ンドレルをコートし、該ラテックスエマルジョンが該マ
    ンドレル上で凝固するにつれて該保護剤と接触するよう
    になる該抗原性成分をセクエスタする工程であって、該
    保護剤は、該抗原性成分をセクエスタする試薬である、
    工程; 該物品形成マンドレル上の該ラテックスエマルジョンの
    ゲルへの凝固により、残留抗原性成分の、該物品の対向
    する外側表面の上および近位への滲出を誘発する工程;
    ならびに 該物品を硬化および取り出す工程、 により生産される、天然ゴムラテックス物品。
  19. 【請求項19】手袋である、請求項18に記載の天然ゴム
    ラテックス物品。
  20. 【請求項20】コンドームである、請求項18に記載の天
    然ゴムラテックス物品。
  21. 【請求項21】膨張性バルーンである、請求項18に記載
    の天然ゴムラテックス物品。
  22. 【請求項22】両表面の少なくとも一部が低減されたア
    レルゲン性を示す、対向する内側および外側の表面を有
    する、天然ゴムラテックス物品であって、以下の工程: 保護剤を含むラテックス凝固剤組成物でコートされた物
    品形成マンドレルを、抗原性成分を含む天然ゴムラテッ
    クスエマルジョン中に、該凝固剤組成物、または20−10
    0℃の温度、9−12のpH、0.1−10重量%の該保護剤の濃
    度、および該保護剤を該抗原性成分と反応させるに十分
    な時間という条件下で浸漬して、該エマルジョンで該マ
    ンドレルをコートし、そして該ラテックスエマルジョン
    が該マンドレル上で凝固するにつれて該保護剤と接触す
    るようになる該抗原性成分をセクエスタする工程であっ
    て、該保護剤は、該抗原性成分をセクエスタする試薬で
    ある、工程; 該物品形成マンドレルにおいて該ラテックスエマルジョ
    ンのゲルへの凝固により、残留抗原性成分の、該物品の
    対向する外側表面の上および近位への滲出を誘発する工
    程; 該滲出した残留抗原性成分を次の保護剤を用いた化学反
    応によって処理して、該滲出した残留抗原性成分をセク
    エスタする工程;ならびに 該物品を硬化および取り出す工程、 を含む、方法 により生産される、天然ゴムラテックス物品。
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