JP3382483B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3382483B2
JP3382483B2 JP34243496A JP34243496A JP3382483B2 JP 3382483 B2 JP3382483 B2 JP 3382483B2 JP 34243496 A JP34243496 A JP 34243496A JP 34243496 A JP34243496 A JP 34243496A JP 3382483 B2 JP3382483 B2 JP 3382483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上に形成
した静電潜像を2成分現像剤の磁気ブラシにより現像し
て、トナー像として可視化する画像形成装置に関し、特
にその2成分現像手段が像担持体のクリーニング手段を
兼ねる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、複写機やプリンタ−などの画像形
成装置では、画像のフルカラー化や装置のシステム化に
伴ってデジタル化が進んでいる。
【0003】例えばレーザ光をON、OFFしながら感
光ドラムを走査して潜像を形成し、この潜像を現像して
可視化することにより、所望の画像を記録するレーザビ
ームプリンター等の画像形成装置が、広く知られるよう
になってきている。その代表的な用途は、文字、図形等
の2値記録であり、文字、図形等の記録は、中間調を要
しないので、プリンター構造も簡単にできる。
【0004】このような2値記録方式であっても、中間
調の形成ができるプリンターがある。このようなプリン
ターとしては、ディザ法、濃度パターン法等を採用した
ものが良く知られている。しかし、周知の如く、ディザ
法、濃度パターン法等では高解像度が得られない。そこ
で、近年、高記録密度を低下させずに、各画素において
中間調を形成する方法が提案されている。これは、レー
ザビームを画像信号でパルス幅(PWM)変調すること
により、中間調の形成を行なうもので、この方式によれ
ば、高解像度かつ高階調性の画像を形成することができ
る。
【0005】このような従来の画像形成装置の一例を図
4に示す。本画像形成装置において、コピー開始信号が
入力されると、感光ドラム1が帯電器3により所定の電
位になるように一様帯電される。一方、原稿台10上に
置かれた原稿Gに対し、原稿照明用ランプ、短焦点レン
ズアレイ、CCDセンサーが一体となったユニット9が
移動し、照明用ランプで原稿Gを照射しながら走査し、
その原稿Gの面で反射された光が、短焦点レンズアレイ
によって結像されてCCDセンサーに入射される。
【0006】CCDセンサーは、受光部、転送部、出力
部からなっている。CCDセンサーの受光部において、
光信号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルス
に同期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷
信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化し
て出力する。このようにして得られたアナログ信号は、
周知の画像処理を行なってデジタル信号に変換された
後、プリンター部に送られる。
【0007】プリンター部では、図5に示すように、上
記の画像信号を受けて固体レーザ素子102の発光がO
N、OFFされ、その素子102からの光を高速で回転
する回転多面鏡104により感光ドラム1の面上に走査
することにより、感光ドラム1の面106に原稿Gの画
像に対応した静電潜像が形成される。
【0008】上記の図5は、図4の画像形成装置のレー
ザ走査部100の概略構成図である。このレーザ走査部
100によりレーザ光を走査する場合、まず、入力され
た画像信号に基づき発光信号発生器101により固体レ
ーザ素子102を所定タイミングで明滅させる。このよ
うにして固体レーザ素子102から放射されたレーザ光
は、コリメータレンズ系103により略平行な光束に変
換され、さらに矢印b方向に回転する回転多面鏡104
により矢印c方向に走査されるとともに、fθレンズ群
105a、105b、105cにより感光ドラム1の被
走査面106にスポット状に結像される。このようなレ
ーザ光の走査により、被走査面106上には画像1走査
分の露光分布が形成され、さらに各走査ごとに被走査面
106を前記の走査方向とは垂直に所定量だけスクロー
ルさせれば、被走査面106上に画像信号に応じた露光
分布が得られる。つまり、静電潜像が形成される。
【0009】この静電潜像を現像器4により現像する
と、感光ドラム1上にトナー像として可視化される。
【0010】一般に、現像方法には大別して4種あり、
その1つは、1成分現像剤の非磁性トナーをブレード等
により現像スリーブ上にコーティングし、その非磁性ト
ナーを現像スリーブにより感光ドラムに搬送し、感光ド
ラムに対し非接触状態で現像する非磁性1成分非接触現
像法であり、2つ目は、1成分現像剤の磁性トナーを磁
気力によって現像スリーブ上にコーティングし、同様
に、感光ドラムに搬送して接触で現像する磁性1成分接
触現像法である。3つ目、4つ目は、非磁性トナーに磁
性キャリアを混合した2成分現像剤を用い、これを磁気
力により現像スリーブ上にコーティングして現像スリー
ブにより感光ドラムに搬送し、感光ドラムに対し接触状
態で現像する2成分接触現像法、感光ドラムに対し非接
触状態で現像する2成分非接触現像法である。画像の高
画質化、高安定性の面から、2成分接触現像法が多く用
いられる。
【0011】図6は、上記現像器4の概略構成図であ
る。本現像器4は、2成分磁気ブラシ現像装置に構成さ
れている。現像器4は、2成分現像剤19を収容した現
像容器16を備え、その現像容器16の感光ドラム1と
対面した開口部に現像スリーブ11が設置され、現像ス
リーブ11は、感光ドラム1との対向部が同方向に移動
する向きに回転して、現像剤19を感光ドラム1と対向
した現像部に搬送する。この現像スリーブ11と感光ド
ラム1との最近接領域を約500μmの距離とすること
によって、現像部に搬送した現像剤19を感光ドラム1
と接触した状態で、現像が行なえるように設定されてい
る。現像スリーブ11の感光ドラム1に対する周速比
は、通常、1.5〜2倍に設定される。
【0012】上記の現像スリーブ11内には、現像スリ
ーブ12に現像剤19を担持させるマグネットローラ1
2が固定配置されている。現像スリーブ11の上方には
磁性ブレード15が設置され、この磁性ブレード15
は、現像スリーブ11上に担持した現像剤19を磁気的
に規制して、現像剤19を現像スリーブ11上にコーテ
ィングする。また、現像容器16内の下半部は隔壁17
によって現像室R1と撹拌室R2とに区画され、この現
像室R1と撹拌室R2に、現像剤19を撹拌、搬送する
撹拌スクリュー13、14がそれぞれ設置されている。
撹拌室R2の上方には、補給用トナー18を貯蔵した補
給室R3が設置されている。
【0013】上述したように、現像器4によって感光ド
ラム1上の静電潜像を現像して、トナー像が得られる。
この感光ドラム1上のトナー像は、感光ドラム1に搬送
された図示しない転写材上に、図4の転写帯電器7によ
って静電転写される。その後、転写材は分離帯電器8に
よって感光ドラム1から静電分離されて、定着器6へと
搬送され、そこでトナー像が熱定着されて、プリント画
像として出力される。
【0014】一方、感光ドラム1は、転写後、クリーナ
5によってその表面に残留した転写残りトナー等の付着
汚染物を除去し、前露光ランプ2により電気的に初期化
した後、再度、画像形成に供せされ、帯電器3による帯
電以下のプロセスが実施される。
【0015】上記の画像形成装置の構成は1例であっ
て、帯電器3はコロナ帯電器以外に帯電ローラであった
り、転写帯電器7も転写ローラであったりと、様々な方
式、構成があるが、画像形成装置は、基本的には、上記
したように、帯電、露光、現像、転写、定着およびクリ
ーニングの工程で画像形成を行なうものである。
【0016】ところで、近年、画像形成装置は小型化が
進んできたが、上記のような帯電、露光、現像、転写、
定着およびクリーニングの工程で使用する機器を小型す
るだけでは、装置の小型化に限界があった。
【0017】また、上記したように、感光ドラム1上の
転写残りのトナーはクリーナ5によって除去され、廃ト
ナーとして回収されているが、このような廃トナーの発
生は、環境保護の面からはないことが好ましい。そこ
で、クリーナ5を廃止し、現像器4によって感光ドラム
1の現像と同時にクリーニングを行なうクリーナレスの
装置が出現してきている。
【0018】この現像と同時のクリーニングとは、感光
ドラム上に残留した転写残りのトナーを、次の画像の現
像時に、現像スリーブにかぶり取りバイアスBbackを印
加することによって現像領域で除去し、現像器に回収す
る方法である。この方法によれば、転写残りトナーを回
収して現像に供することができるので、廃トナーを発生
させずに済み、環境保護の点に厚く、またスペースも節
約されるので、大幅に小型化が可能となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像形成装置において、クリーナ5を取り外し、現像と
同時のクリーニングにより、転写残りトナーの回収を行
ないながら画像形成したところ、転写材の画像のない部
分に前回の画像のポジゴーストが、感光ドラムの周期で
発生した。このポジゴーストは、前回の画像の転写残り
トナーが現像領域で除去、回収できなかったために、転
写材の本来ならば白地部であるところに、その除去でき
なかった転写残りトナーが転写されて発生した現象であ
る。
【0020】従って、現像と同時のクリーニングを採用
した画像形成装置において、ポジゴーストの発生を防止
するためには、現像時に転写残りトナーをかぶり取りバ
イアスの印加によって十分に除去、回収できるようにす
る必要があった。また画像部においては、転写残りトナ
ーの回収と同時に、高精細な現像を行なうことができる
ようにする必要があった。しかし、このような特性を具
備した画像形成装置は、従来、提案されていなかった。
【0021】本発明の目的は、現像手段の現像剤担持体
上の2成分現像剤の磁気ブラシを像担持体に接触させ
て、現像剤担持体にかぶり取りバイアスを含む現像バイ
アスを印加することにより、像担持体上の静電潜像を現
像すると同時に、像担持体上の転写残りトナーを除去、
回収するに際し、転写残りトナーを十分に除去できると
ともに、潜像を高精細に現像して、白地部のポジゴース
トがなく、画像部の再現性も高精細な高品質画像を得る
ことを可能とした画像形成装置を提供することである。
【0022】上記目的は、本発明に係る画像形成装置に
て達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と、非
磁性トナー及び磁性キャリアを備える現像剤を担持して
搬送する現像剤担持体と、を有し、前記像担持体と前記
現像剤担持体との最近接部において前記現像剤担持体上
に形成された磁気ブラシを前記像担持体に接触させた状
態で、前記現像剤担持体にバイアスを印加することによ
り、前記像担持体上に形成された静電潜像を前記現像剤
担持体上の現像剤で現像するのと同時に前記像担持体上
に残留した転写残トナーを前記現像剤担持体に回収する
画像形成装置において、前記磁性キャリアは、5×10
4(V/m)の電界強度で比抵抗が1012(Ωcm)以
上であり、1000(ガウス)の磁場内で30〜200
(emu/cm3)の磁化を有し、前記最近接部における前記
像担持体の周速をVdr(mm/秒)、前記最近接部にお
ける前記現像剤担持体の周速をVs1(mm/秒)、前記
像担持体の周方向における前記像担持体と前記磁気ブラ
シとの接触ニップの長さをh(mm)、前記磁気ブラシ
断面積をm(mm2/本)、前記磁気ブラシの密度をα
(本/mm2)とすると、|Vs1−Vdr|・h・m・α
/Vdr≧7.0(mm)が成り立つことを特徴とする画
像形成装置である。
【0023】 |Vs1−Vdr|・Vdr・h・m・α≧7.0 ただし、 Vs1:現像スリーブ周速度(mm/秒) Vdr:感光ドラム周速度(mm/秒) h:磁気ブラシと感光ドラムの接触ニップ長さ(mm) m:磁気ブラシ断面積(mm2 ) α:磁気ブラシ密度(本/mm2 ) |Vs1−Vdr|:現像スリーブと感光ドラムの最近接部
における感光ドラムに対する現像スリーブの相対周速度
の絶対値(mm/秒)
【0024】本発明によれば、一実施態様によれば、前
記最近接部において前記像担持体及び前記現像剤担持体
は互いに逆方向に移動し、前記最近接部において前記像
担持体に対する前記現像剤担持体の周速比が1.5倍以
上である。又、他の実施態様によれば、前記最近接部に
おいて前記像担持体及び前記現像剤担持体は同方向に移
動し、前記最近接部において前記像担持体に対する前記
現像剤担持体の周速比が3.5倍以上である。他の実施
態様によれば、前記バイアスは直流電圧に交流電圧を重
畳したバイアスである。又、前記非磁性トナーは重合法
で生成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0026】実施例1 図1は、本発明の画像形成装置の一実施例の概略構成を
示す断面図で、カラー画像形成装置を示す。本発明で
は、2成分現像器4により感光ドラム1上の潜像の現像
と同時に、転写残りトナーのクリーニングを行なうの
で、図4に示した従来の画像形成装置とは違ってクリー
ナ5を有していない。本画像形成装置のその他の機械的
構成は図4の画像形成装置と基本的に同じで、図1にお
いて図4に付した符号と同一の符号は同一の部材を示
す。
【0027】本画像形成装置において、画像形成を行な
うために、まず、原稿台10上に原稿Gが複写すべき面
を下側にしてセットされる。次に、コピーボタンを押す
ことにより複写が開始される。原稿照明用ランプ、短焦
点レンズアレイ、CCDセンサーが一体となったユニッ
ト9を原稿Gに対して移動し、照明用ランプで原稿Gを
照射しながら走査し、その原稿Gの面で反射された光
が、短焦点レンズアレイニよって結像されてCCDセン
サーに入射される。
【0028】CCDセンサーは、受光部、転送部、出力
部からなっており、その受光部において、光信号が電荷
信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して順
次出力部へ転送され、出力部で電荷信号が電圧信号に変
換され、増幅、低インピーダンス化して出力される。こ
のようにして得られたアナログ信号に対して周知の画像
処理を行なって、デジタル信号に変換した後、プリンタ
ー部に送られる。
【0029】プリンター部では、次のようにして感光ド
ラム1の表面に静電潜像を形成する。感光ドラム1は、
中心軸の回りに所定の周速度で回転され、その回転過程
で帯電器3により正極性または負極性に一様帯電され
る。上記の画像信号を受けて、先の図5に示したよう
に、固体レーザ素子102の発光がON、OFFされ、
その素子102からの光を高速で回転する回転多面鏡1
04により、一様帯電された感光ドラム1の面上に走査
することにより、感光ドラム1の面に原稿Gの画像に対
応した静電潜像が形成される。
【0030】感光ドラム1上に形成された静電潜像は、
現像器4によって現像してトナー像として可視化され、
そのトナー像が、転写帯電器7によって図示しない転写
材上に静電転写される。その後、転写材は分離帯電器8
によって静電分離されて、定着器6へと送られ、そこで
トナー像が熱定着されて、プリント画像として出力され
る。
【0031】本発明によれば、転写によって感光ドラム
1の表面に残留した転写残りのトナーは、次の画像の現
像時に、現像器4によって除去、回収される。
【0032】上記の画像形成装置の構成は1例であっ
て、帯電器3はコロナ帯電器以外に帯電ローラであった
り、転写帯電器7も転写ローラであったりと、様々な方
式、構成があるが、画像形成装置は、基本的には、上記
したように、帯電、露光、現像、転写、定着およびクリ
ーニングの工程で画像形成を行なうものである。
【0033】図2は、上記の現像器4を示す構成図であ
る。本現像器4は、非磁性トナーと磁性キャリアとから
なる2成分現像剤19を収容した現像容器16を備え、
その現像容器16の感光ドラム1と対面した開口部に、
非磁性材からなる現像スリーブ11が回転可能に組み込
まれている。現像スリーブ11は、現像剤19を担持し
て感光ドラム1との対向部が逆方向に移動する向き(カ
ウンター方向)に回転し、現像剤19を感光ドラム1と
対向した現像部に搬送する。現像スリーブ11と感光ド
ラム1との最近接領域は、約500μmの間隙とした。
【0034】現像スリーブ11の下方には、磁性ブレー
ド15が現像容器16に固定して設置されており、磁性
ブレード15の現像スリーブ11との間隔は500μm
とした。磁性ブレード15はアルミニウム、SUS31
6などの非磁性材からなり、マグネットローラ12の磁
極S3と協同して、現像スリーブ11上に担持された現
像剤19の層厚を磁気的に規制し、現像スリーブ11上
に所定層厚の現像剤層をコーティングする。
【0035】現像スリーブ11内には、磁界発生手段で
あるマグネットローラ12が固定配置されている。マグ
ネットローラ12は、現像磁極N1とその下流に位置す
る磁極S3と、現像剤19を担持して搬送するための磁
極N2、S2、S1とを有している。現像磁極N1は、
感光ドラム1に対向するように現像スリーブ11内に配
置され、現像スリーブ11と感光ドラム1とが対向した
現像部の近傍に磁界を形成して、現像部へ運ばれた現像
剤19に磁気ブラシを形成させる。
【0036】磁気ブラシに形成された現像剤19は、感
光ドラム1と接触して感光ドラム1上の静電潜像を現像
する。現像時、電源21により現像スリーブ11に感光
ドラム1との間で、交流電圧に直流電圧を重畳した振動
バイアスが印加される。感光ドラム1上に形成された潜
像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電
位)は、振動バイアス電圧の最大電位と最小電位の間に
位置している。これによって現像部に向きが交互に変化
する交番電界が形成され、磁気ブラシに形成された現像
剤19のトナーとキャリアが激しく振動し、トナーが現
像スリーブ11およびキャリアの静電拘束力を振り切っ
て、感光ドラム1の潜像に潜像電位に対応した量で付着
し、潜像が現像される。
【0037】振動バイアス電圧の最大値と最小値の差、
すなわちピーク間電圧(ピーク・ツウ・ピーク電圧)は
1〜5kVが好ましく、また周波数は1〜15kHzが
好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン
波、三角波等が使用できる。振動バイアス電圧の直流電
圧成分は、潜像の暗部電位と明部電位の間のものである
が、絶対値で最小の明部電位よりも暗部電位の方により
近い値であることが、暗部電位領域へのかぶりトナーの
付着を防止する上で好ましい。
【0038】現像容器16内の下半部は、隔壁17によ
って現像室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2とに
区画され、この現像室R1と撹拌室R2に、現像剤19
を撹拌、搬送する撹拌スクリュー13、14がそれぞれ
設置されている。撹拌室R2の上方には、補給用トナー
18を貯蔵した補給室R3が設置されている。補給室R
3内から現像で消費されたトナーに見合った量のトナー
18が、補給室R3下部の補給口20を経て撹拌室R2
内に落下、補給される。
【0039】現像室R1内に設置された撹拌スクリュー
13は、図の矢印方向に回転され、現像室R1内の現像
剤19を撹拌しながら、現像スリーブ11の長手方向に
沿って一方向に搬送する。撹拌室R2内に設置された撹
拌スクリュー14は、撹拌スクリュー13とは逆方向に
回転され、撹拌室R2内の現像剤19を撹拌しながら、
上記とは逆の一方向に搬送する。この撹拌スクリュー1
3、14の搬送によって、現像室R1から現像によりト
ナーが消費された現像剤が、隔壁17の端部の開口を通
って撹拌室R2に移送され、撹拌室R2から濃度の回復
された現像剤が、隔壁17の他方の端部の開口を通って
現像室R1に移送される。補給室R3から撹拌室R2内
に補給されたトナー18は、撹拌スクリュー14の撹拌
により現像剤に混合され、現像剤の濃度が回復される。
【0040】本発明で使用する2成分現像剤19の磁性
キャリアおよび非磁性トナーについて説明する。
【0041】本発明で使用した磁性キャリアは、その粒
径が数平均粒径で100μm以下の小粒径キャリアであ
る。一般に磁性キャリアの粒径は、高画質化といった要
請からできるだけ小さくすることが必要であり、本発明
では、この観点から、磁性キャリアの粒径を数平均粒径
で100μm、好ましくは10〜60μmとした。
【0042】上記において、磁性キャリアの数平均粒径
は磁性キャリア粒子の垂直方向最大弦長で示したもの
で、本発明では、キャリア粉末を広げて粒子を分散し、
顕微鏡により撮影倍率500〜1000倍で撮影して、
得られた顕微鏡写真中のキャリア粒子像を300個以上
ランダムに選び、その粒子の長軸(垂直方向最大弦長)
を実測し、算術平均して求めた。
【0043】本発明において、磁性キャリアは、磁性粉
末を結着樹脂中に分散した、高度に樹脂被覆された磁性
体分散型樹脂キャリアを用いた。磁性体材料としては、
たとえば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属や、こ
れら鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属を含む、フ
ェライト、マグネタイト、ヘマタイト等の合金あるいは
化合物などを挙げることができる。
【0044】本発明において使用した磁性キャリアの磁
化は、1000ガウスの磁場内で30emu/cm3 以上、2
00emu/cm3 以下とした。磁性キャリアの磁気特性は、
理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置B
HV−30を用いて測定した。
【0045】磁性キャリアの比抵抗は、5×104 V/
mの電界強度において1012Ωcm以上とすることが必
要である。これよりも比抵抗が低いと、キャリア付着お
よび画質の劣化が生じ、画像の高画質かつ高精細といっ
た本発明の目的を達成することができない。特に本発明
のように、磁化の小さいキャリアを用い、現像スリーブ
上にキャリアが磁気的に弱く拘束される場合には、キャ
リアの比抵抗が低いと、現像バイアスが印加されたとき
にキャリアに電荷が注入されてやすくなり、キャリア付
着が生じる。
【0046】磁性キャリアの比抵抗の測定は、セルにキ
ャリア粉末を充填し、キャリア充填層の上下で接するよ
うに2つの電極を配置し、上側の電極に荷重をかけた状
態でこれらの電極間に電圧を印加して、そのとき流れる
電流を計ることにより行なった。測定条件は、キャリア
と電極の接触面積が約2.3cm2 、キャリア充填層の
厚みが約2mm、上側の電極へ負荷した荷重が180
g、印加電圧が1000Vとした。この場合、キャリア
が粉末であるので、セルへの充填率に相違が生じ、これ
にともない比抵抗の測定値が変化する場合があるので、
注意を要する。
【0047】非磁性トナーとしては、バインダー樹脂に
着色剤や帯電制御剤等を添加した公知のものが使用で
き、その体積平均粒径は5〜15μmが好適である。本
発明では、現像と同時に感光ドラムのクリーニングを行
なうようにしており、これには、重合トナーのような転
写効率の高いトナーを使用することが好ましい。
【0048】重合法で生成された重合トナーは、球形に
近い形状をしているので、外添剤をトナー表面に均一に
コートすることができ、このため、感光ドラムに対する
トナーの離型性、転写材に対する転写性が極めてよい。
たとえば、感光ドラム上のトナーを紙に転写したとき
の、紙上の単位面積当たりのトナー量/感光ドラム上の
単位面積当たりのトナー量の比、つまり転写効率を、重
合トナーと粉砕トナーとで比べた場合、粉砕トナーでは
90%程度であるのに対し、重合トナーでは97%と高
効率になる。
【0049】このような重合トナーによれば、転写残り
トナーが極く微量になることに加え、高離型性であるた
め、現像時のクリーニングにより転写残りトナーをクリ
ーナを用いないでも容易に除去、回収でき、ポジゴース
トの発生をなくせる。
【0050】本実施例では、非磁性トナーとして、懸濁
重合法によって生成した平均粒径6μmの重合トナーに
対し、平均粒径20nmの酸化チタンを重量比で1%外
添したものを用いた。磁性キャリアとしては、飽和磁化
が205emu/cm3 で平均粒径が50μmのものを用い
た。2成分現像剤におけるトナーとキャリアの混合比
は、重量比で7:93とした。
【0051】トナーの体積平均粒径は、たとえば下記す
るような測定法によって測定することができる。測定装
置としてコールカウンターTA−II型(コールター社
製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力するイ
ンターフェース(日科機製)およびCX−iパーソナル
コンピュータ(キヤノン製)を接続して使用した。
【0052】電解液として、1級塩化ナトリウムを用い
て1%NaCh水溶液を調製した。この電界液の100
〜150mh中に分散剤として界面活性剤(好ましくは
アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mh加
え、さらに測定試料のトナーを0.5〜50mgを加え
た。
【0053】試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約
1〜3分間分散処理し、上記のコールカウンターTA−
II型により100μmのアパチャーを用いて、2〜40
μmの粒子の粒度分布を測定し、トナーの体積分布を求
めた。この体積分布によりトナーの体積平均粒径が得ら
れる。
【0054】ここで用いた重合トナーの摩擦帯電量は、
約2.0×10-2C/kgであった。トナーの摩擦帯電
量の測定は次のように行なった。
【0055】図3にトナーの平均電荷量を測定する装置
を示す。図3に示すように、測定装置は底に500メッ
シュの導電性スクリーン43を有する金属製の測定容器
42を備えている。トナーの帯電電荷量を測定しようと
する2成分現像剤を50〜100mh容量のポリエチレ
ン製のビンに入れ、約10〜40秒間手で振盪してか
ら、現像剤を約0.5〜1.5gを測定容器42内に入
れ、その上に金属製の蓋44をする。このときの測定容
器42全体の重量を計り、これをW1(kg)とする。
次に測定容器42を装置の吸引機41(少なくとも測定
容器42と接する部分は絶縁体である)上にセットし
て、その吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調整
して真空計45の圧力を250mmAqとする。この状
態で十分、好ましくは2分間の吸引を行ない、トナー
(樹脂)を吸引除去する。そしてこのとき、測定容器4
2とアースとの間にコンデンサー(容量C(μF))4
8と並列に接続された電位計49の電位を読んで、その
読みをV(ボルト)とする。又吸引後の測定容器42全
体の重量を計り、これをW2(kg)とする。このとき
のトナーの平均電荷量は、下記の式の如く計算される。
【0056】トナーの平均電荷量[C/kg]=C・V
×10-3/(W1−W2)
【0057】本実施例において、図1の画像形成装置を
用い、図2の現像器4により感光ドラム1上の静電潜像
を現像すると同時に、感光ドラム1上の転写残りトナー
を除去、回収しながら画像形成を行ない、そのときのポ
ジゴーストの発生状況と画像性を調べた。画像性はハイ
ライトのスジムラで評価した。
【0058】現像器4の2成分現像剤19の磁性キャリ
アには、1000ガウスの磁場内での磁化が300emu/
cm3 (σ1000=300emu/cm3 )のものを用いた。現像
剤19のキャリアの真密度は51g/cm3 、トナーの
真密度は1.1g/cm3 であった。トナーの摩擦帯電
量は2.0×10-2C/kgとした。現像器4の現像ス
リーブ11上に現像剤19を単位面積あたり32mg/
cm2 でコートした。
【0059】感光ドラム1の直径は30mm、現像スリ
ーブ11の直径は16mmであり、感光ドラム1と現像
スリーブ11との最近接距離(現像ギャップ間隙)は4
00μmに設定した。現像スリーブ11の回転は、感光
ドラム1と対向部で逆方向に移動するカウンター方向の
他、従来例に示した対向部で同方向に移動する順方向も
行なった。また感光ドラム1の周速度(Vdr)と現像ス
リーブ11の周速度(Vs1)も、様々に変えた。
【0060】現像スリーブ11に印加した現像バイアス
は、周波数2kHz、ピーク・ツウ・ピーク電圧2kV
の交流バイアスとし、かぶり取りバイアスVbackは15
0Vに固定した。Vbackの値の値が小さすぎると、白地
部のかぶりを取ることができず、大きすぎるとキャリア
付着が発生するので、Vbackの適正値として150Vを
選択した。
【0061】感光ドラム周速度(Vdr)が50mm/
秒、100mm/秒、200mm/秒のときの結果を、
それぞれ表1、表2、表3に示す。表1〜3において、
符号Yはポジゴーストが目視できた場合で、極めて薄く
発生したポジゴーストは(Y)で示した。Nはポジゴー
ストが目視できなかった場合である。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】表1〜3に示すように、現像スリーブが順
方向回転(VS1が+表示)の現像方式の場合、現像スリ
ーブと感光ドラムの周速比Vs1/Vdr(表に示さず)が
3.5倍以上で、ポジゴーストの発生がなく目視できな
かった。これに対し、現像スリーブがカウンター方向回
転(VS1が−表示)の現像式の場合は、現像スリーブと
感光ドラムの周速比が1.5倍以上で、ポジゴーストの
発生がなく目視できなかった。
【0066】何回かの実験の結果、現像時の転写残りト
ナーの除去、回収性は、感光ドラム1の表面性、トナー
の諸物性(摩擦帯電電量を含む)、かぶり取りバイアス
Vback、現像バイアス等が一定の条件下では、単位時間
に感光ドラム上の単位面積当たりを接触する磁気ブラシ
の面積に比例することが分かった。
【0067】単位時間に感光ドラム上の単位面積当たり
を接触する磁気ブラシ面積について説明する。
【0068】現像スリーブの周速度をVs1(mm/秒)
(従って、現像スリーブ上の磁気ブラシの周速度もVs1
(mm/秒))、感光ドラムの周速度をVdr(mm/
秒)とする。現像スリーブと感光ドラムの最近接部にお
ける感光ドラムに対する現像スリーブの相対周速度の絶
対値は、|Vs1−Vdr|である。
【0069】磁気ブラシと感光ドラムとの接触領域であ
る接触ニップ(NIP)において、感光ドラムの接平面
に対し磁気ブラシの移動速度は常に一定であり、磁気ブ
ラシは同じ太さで感光ドラムと接触すると近似する。
【0070】感光ドラムの長手方向単位長さ当たりに付
着した転写残りトナーが接触ニップ内を通過する時間t
(秒)は、感光ドラム周方向の接触ニップ長さをh(m
m)とするとh/Vdrである。単位時間に感光ドラム上
の単位面積当たりを接触する磁気ブラシの面積は、現像
スリーブ上の磁気ブラシ密度をα(本/mm2 )、磁気
ブラシ断面積をm(mm2 /本)とすると、m・α・|
Vs1−Vdr|(mm/秒)である。従って、感光ドラム
上の単位長さ当たりに付着した転写残りトナーに対し、
接触する磁気ブラシの接触面積Sは、 S=(h/Vdr)・m・α・|Vs1−Vdr| ・・・・・(1) と表される。
【0071】表1〜3の結果は、接触ニップ長さhを7
mm、磁気ブラシ断面積mを0.125mm2 、磁気ブ
ラシ密度αを4本/mm2 としたときのものである。
【0072】本実施例では、接触ニップ長さhは次のよ
うに測定した。感光ドラムの表面に両面テープを貼り付
け、この感光ドラムに対し現像スリーブを、両面テープ
からの距離が現像ギャップ間隙と同じ400μmとなる
ように間隙を開けて対向した。そして感光ドラムを静止
したまま、現像バイアスを印加しない状態で現像スリー
ブのみを回転させ、感光ドラム表面の両面テープに付着
した現像剤の感光ドラム周方向の長さから、現像剤が接
触する感光ドラム上の周方向長さを測定し、接触ニップ
長さhを得た。
【0073】また、磁気ブラシ断面積と磁気ブラシ密度
は、現像スリーブ上の穂立ちした磁気ブラシを、現像ス
リーブと感光ドラムの400μmの間隙で圧縮して、そ
の圧縮された磁気ブラシの3×10mm2 の領域を光学
顕微鏡で観察して測定した。測定を複数回行ない、その
平均値を採用した。これら接触ニップ長さh、磁気ブラ
シの断面積、密度の測定方法は、上記に限られない。
【0074】表1〜3から、現像スリーブ順方向回転の
現像方式とした場合、感光ドラム上の転写残りのトナー
を現像部で100%回収するためには、現像スリーブの
回転を感光ドラムの約3.5倍の周速度で行なう必要が
あるが、現像剤の劣化が生じ易くまたトナー飛散を引き
起こす問題が発生する。
【0075】これに対し、現像スリーブのカウンター方
向回転の現像方式とすると、現像スリーブを高速回転す
ることなく、磁気ブラシと感光ドラムの周速差を大きく
することが可能となり、本発明の現像と同時に転写残り
トナーを除去、回収するクリーナレス/現像同時回収シ
ステムにとって、現像剤劣化とトナー飛散の点で有利で
ある。
【0076】またカウンター方向回転の現像方式は、画
像形成する画像の画像比率にもよるが、転写残りトナー
が現像領域に到達するときに、現像スリーブ上の現像残
りのT/C比が低下した現像剤と出会うので、帯電的に
も転写残りトナーを除去、回収することが容易である利
点を有する。
【0077】以上のように、本発明によれば、ポジゴー
ストを問題のないレベルまで低減することができるが、
画像性に関しては、感光ドラムと磁気ブラシの相対速度
が大きすぎると、磁気ブラシによるトナー像の掻き取り
が生じ、特に低濃度部での画像の滑らかさが損なわれて
画質劣化を招き、トナー量が少ないハイライト・ハーフ
トーン濃度域では、引っ掻き状のスジムラが生じる。
【0078】表1〜3において画像性の欄の符号は、 A:スジムラがない B:スジムラがない目立たない C:スジムラが目立つ である。
【0079】感光ドラムと磁気ブラシの相対速度が30
0mm/秒以上のときは、スジムラが目だっている。こ
のことは、表1〜3から分かるように、特に感光ドラム
の周速度を大きくした場合、本発明のクリーナレス/現
像同時回収システムでは不利である。
【0080】検討の結果、磁気ブラシによるトナー像の
掻き取りは、現像部の磁界内で現像スリーブ上の現像剤
が形成する磁気ブラシが感光ドラムを押す接触圧力と、
感光ドラムと現像スリーブの相対速度に大きく依存して
おり、特に磁気ブラシが現像領域の下流側に位置すると
きに、発生しやすくなることが分かった。従って、相対
速度の大きい現像スリーブカウンター方向回転方式の現
像では、トナー像の掻き取りが特に生じやすくなる。
【0081】また、磁気ブラシによる接触圧力は、現像
領域における現像剤のパッキング密度を同一にしたとき
(つまり、同じ体積で現像スリーブ上にコートした現像
剤が同じ現像間隙(S−Dギャップ)中に位置したと
き)、磁気ブラシの穂立ちの状態、すなわち、現像磁極
のピーク磁界の強さ(d)を印加したときの磁性キャリ
アの体積当たりの磁化の強さσd (σd のd はピーク磁
界の強さを示す添字)に大きく依存しており、従ってσ
d を小さくすると接触圧力は小さくなることが分かっ
た。
【0082】これは、現像磁界中でキャリア粒子が穂を
形成するとき、現像磁界中での穂の一つ一つはそれぞれ
棒磁石の如き挙動を示すが、キャリアの磁化の強さが小
さくなると、キャリア粒子間に働く力が小さくなるた
め、穂が崩れやすくなり、結果としてブラシ圧力が減少
するものと考えられる。
【0083】従って、本実施例では、転写残りトナーの
回収性に対しては、感光ドラム上の単位面積あたりを接
触する磁気ブラシの面積を大きくする必要性に鑑みて、
感光ドラムと磁気ブラシの相対速度を大きくしつつ、磁
性キャリアの磁化の強さを小さくすることにより、感光
ドラムを押す圧力を小さくした。具体的には、キャリア
の磁化の強さを、1000ガウスの磁化以内で30emu/
cm3 以上、200emu/cm3 以下(σ1000=30〜200
emu/cm3 )とすることにより、転写残りトナーの100
%の回収と画像性を両立することができた。キャリアの
磁化の強さが30emu/cm3 未満の場合は、現像スリーブ
上ので現像剤の搬送性が悪く、現像画像の画質が劣化し
たり、現像剤の飛散が生じやすくなるので、30emu/cm
3 未満にはできない。その結果を表4〜6に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】表4〜6では、1000ガウスの磁場内で
の磁化が150emu/cm3 のキャリアを用い、表1〜3と
同様に、現像スリーブおよび感光ドラムの周速度を種々
変えて画像形成を行ない、ポジゴーストの発生状況およ
び画像性(ハイライトのスジムラ)を調べた。ここで
は、キャリアの磁化を表1〜3のときと比べて小さくし
たので、磁気ブラシの穂長が短くなり、磁気ブラシ1本
当たりの断面積が小さくなるとともに、磁気ブラシの密
度が緻密になって、接触ニップ長さが7mm、磁気ブラ
シ断面積mが0.05mm2 、磁気ブラシ密度αが10
本/mm2 となった。
【0088】表4〜6のときも、表1〜3と同様、現像
スリーブが順方向回転の現像方式の場合、現像スリーブ
と感光ドラムの周速度比VS1/Vdr(表に示さず)が
3.5倍以上で、ポジゴーストの発生がなく目視できな
かった。現像スリーブがカウンター方向回転の現像方式
の場合、現像スリーブと感光ドラムの周速比が1.5倍
以上で、ポジゴーストの発生がなく目視できなかった。
スジムラは、現像スリーブ(磁気ブラシ)と感光ドラム
の相対速度が800mm/秒のときでも発生しなかっ
た。
【0089】以上のように、本発明では、現像器の現像
スリーブ上に担持した2成分現像剤の磁気ブラシによ
り、感光ドラム上に形成した潜像を現像すると同時に、
感光ドラム上の転写残りのトナーを除去、回収しなが
ら、画像形成をする。
【0090】その際、 (i)比抵抗が5×104 V/mの電界強度で1012Ω
cm以上であり、1000ガウスの磁場内で30〜20
0emu/cm3 の磁化を有する磁性キャリアを使用する。 (ii)現像スリーブ、感光ドラムの周速度および磁気ブ
ラシの接触ニップ長さ等が、次の(2)式を満足する。
【0091】|Vs1−Vdr|・h・m・α/Vdr≧7
(mm) ・・・・・(2)ただし、Vs1:現像ス
リーブ周速度(mm/秒)Vdr:感光ドラム周速度(m
m/秒)h:磁気ブラシと感光ドラムの接触ニップ長さ
(mm)m:磁気ブラシ断面積(mm2/本)α:磁気
ブラシ密度(本/mm2)|Vs1−Vdr|:現像スリー
ブと感光ドラムの最近接部における感光ドラムに対する
現像スリーブの相対周速度の絶対値(mm/秒)
【0092】本発明では、以上の(i)および(ii)の
構成をとることにより、転写残りトナーを100%回収
するとともに、スジムラのない高品質な画像を得ること
ができる。
【0093】また、現像スリーブの回転方向を感光ドラ
ムとの対向部で逆向きに移動するカウンター方向とする
ことにより、順方向に比べて、感光ドラムに対する低い
周速度比で上記(2)式を満足するようにできる。この
ことは、長寿命で低い現像剤飛散量の高安定現像器の提
供につながる。
【0094】実施例2 本実施例においては、現像スリーブ11と感光ドラム1
のギャップを300μmとし、接触ニップ長さhが9.
5mmとなった場合を示す。感光ドラムの速度を100
mm/秒とし、接触ニップ長さh以外の他の条件は、実
施例1の表5と同一にした。
【0095】本実施例におけるポジゴーストの評価結果
を表7に示す。
【0096】
【表7】
【0097】表7から分かるように、潜像の現像と同時
に、感光ドラム1上の転写残りのトナーを100%回収
するためには、現像スリーブの順方向回転方式の現像の
場合、現像スリーブは感光ドラムの速度に対し最低でも
約3.0倍の速度が必要となるのに対し、現像スリーブ
のカウンター方向回転方式の現像の場合は、約1.0倍
の速度でよい。
【0098】実施例1と比較すると、接触ニップ長を大
きくすることにより、より低い周速比で転写残りトナー
を100%回収することができる。そして、この場合に
おいても、磁性キャリアとして100ガウスの磁界内で
150emu/cm3 の磁化を有するものを用いることによ
り、スジムラが発生しなかった。
【0099】すなわち、本実施例においても、現像器の
現像スリーブ上に担持した2成分現像剤の磁気ブラシに
より、感光ドラム上の潜像を現像すると同時に、感光ド
ラム上の転写残りのトナーを除去、回収しながら、画像
形成をする際、 (i)磁性キャリアが、5×104V/mの電界強度で
1012Ωcm以上の比抵抗を有し、1000ガウスの磁
場内で30〜200emu/cm3の磁化を有すること。 (ii)現像スリーブ、感光ドラムの周速度および磁気ブ
ラシの接触ニップ長さ等が、下記(2)式、 |Vs1−Vdr|・h・m・α/Vdr≧7.0(mm) ・・・・・(2) ただし、 Vs1:現像スリーブ周速度(mm/秒) Vdr:感光ドラム周速度(mm/秒) h:磁気ブラシと感光ドラムの接触ニップ長さ(mm) m:磁気ブラシ断面積(mm2/本) α:磁気ブラシ密度(本/mm2) |Vs1−Vdr|:現像スリーブと感光ドラムの最近接部
における感光ドラムに対する現像スリーブの相対周速度
の絶対値(mm/秒)を満足すること。以上の2つによ
り、転写残りトナーを100%回収し、良好な画像を得
ることが可能となる。
【0100】また、現像スリーブの回転方向を感光ドラ
ムとの対向部で逆向きに移動するカウンター方向とする
ことにより、順方向に比べて、感光ドラムに対する低い
周速度比で上記(2)式を満足するようにでき、従っ
て、長寿命で低い現像剤飛散量の高安定現像器を提供す
ることが可能となる。
【00101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、像担持
体と、非磁性トナー及び磁性キャリアを備える現像剤を
担持して搬送する現像剤担持体と、を有し、像担持体と
現像剤担持体との最近接部において現像剤担持体上に形
成された磁気ブラシを像担持体に接触させた状態で、現
像剤担持体にバイアスを印加することにより、像担持体
上に形成された静電潜像を現像剤担持体上の現像剤で現
像するのと同時に像担持体上に残留した転写残トナーを
現像剤担持体に回収する画像形成装置において、磁性キ
ャリアは、5×104(V/m)の電界強度で比抵抗が
1012(Ωcm)以上であり、1000(ガウス)の磁
場内で30〜200(emu/cm3)の磁化を有し、最近接
部における像担持体の周速をVdr(mm/秒)、最近接
部における現像剤担持体の周速をVs1(mm/秒)、像
担持体の周方向における像担持体と磁気ブラシとの接触
ニップの長さをh(mm)、磁気ブラシ断面積をm(m
2/本)、磁気ブラシの密度をα(本/mm2)とする
と、 |Vs1−Vdr|・h・m・α/Vdr≧7.0(mm) が成り立つ構成とされるので、現像と同時に転写残りト
ナーを100%回収することができ、高精細な現像も実
現できて、白地部のポジゴーストがなく、画像部の再現
性も高精細な高品質画像を得ることができる。
【0102】また、現像スリーブの回転方向を感光ドラ
ムとの対向部で逆向きに移動するカウンター方向とする
ことにより、順方向に比べて、感光ドラムに対する低い
周速度比で上記式を満足するようにでき、従って、長寿
命で低い現像剤飛散量の高安定現像器を提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例の概略構成を
示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置された現像器の概略
構成を示す断面図である。
【図3】本発明で2成分現像剤中の非磁性トナーの平均
帯電量を測定するのに使用した装置を示す斜視図であ
る。
【図4】従来の画像形成装置の概略構成を示す断面図で
ある。
【図5】図4の画像形成装置に設置されたレーザ操作部
を示す模式図である。
【図6】図4の画像形成装置に設置された現像器の概略
構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 3 1次帯電器 4 現像器 11 現像スリーブ 12 マグネットローラ 19 2成分現像剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−120173(JP,A) 特開 昭61−126570(JP,A) 特開 昭56−153355(JP,A) 特開 昭58−125047(JP,A) 特開 平7−271194(JP,A) 特開 平8−146668(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/09 G03G 9/087 G03G 9/10 G03G 15/06 G03G 15/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、非磁性トナー及び磁性キャ
    リアを備える現像剤を担持して搬送する現像剤担持体
    と、を有し、前記像担持体と前記現像剤担持体との最近
    接部において前記現像剤担持体上に形成された磁気ブラ
    シを前記像担持体に接触させた状態で、前記現像剤担持
    体にバイアスを印加することにより、前記像担持体上に
    形成された静電潜像を前記現像剤担持体上の現像剤で現
    像するのと同時に前記像担持体上に残留した転写残トナ
    ーを前記現像剤担持体に回収する画像形成装置におい
    て、前記磁性キャリアは、5×104(V/m)の電界
    強度で比抵抗が1012(Ωcm)以上であり、1000
    (ガウス)の磁場内で30〜200(emu/cm3)の磁化
    を有し、前記最近接部における前記像担持体の周速をV
    dr(mm/秒)、前記最近接部における前記現像剤担持
    体の周速をVs1(mm/秒)、前記像担持体の周方向に
    おける前記像担持体と前記磁気ブラシとの接触ニップの
    長さをh(mm)、前記磁気ブラシ断面積をm(mm2
    /本)、前記磁気ブラシの密度をα(本/mm2)とす
    ると、|Vs1−Vdr|・h・m・α/Vdr≧7.0(m
    m)が成り立つことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記最近接部において前記像担持体及び
    前記現像剤担持体は互いに逆方向に移動することを特徴
    とする請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記最近接部において前記像担持体に対
    する前記現像剤担持体の周速比が1.5倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項2の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記最近接部において前記像担持体及び
    前記現像剤担持体は同方向に移動することを特徴とする
    請求項1の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記最近接部において前記像担持体に対
    する前記現像剤担持体の周速比が3.5倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項4の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記バイアスは直流電圧に交流電圧を重
    畳したバイアスであることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかの画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記非磁性トナーは重合法で生成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの画像
    形成装置。
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