JP3381494B2 - トルクコンバータのワンウェイクラッチ機構 - Google Patents

トルクコンバータのワンウェイクラッチ機構

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JP3381494B2
JP3381494B2 JP31911995A JP31911995A JP3381494B2 JP 3381494 B2 JP3381494 B2 JP 3381494B2 JP 31911995 A JP31911995 A JP 31911995A JP 31911995 A JP31911995 A JP 31911995A JP 3381494 B2 JP3381494 B2 JP 3381494B2
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    • F16H41/00Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H41/24Details
    • F16H2041/246Details relating to one way clutch of the stator
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0221Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means
    • F16H2045/0226Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means comprising two or more vibration dampers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0294Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members

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  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
のワンウェイクラッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用のトルクコンバータは、
流体流を生じさせるポンプインペラと、その流体流によ
って回転させられるタービンランナと、固定軸と、ポン
プインペラ及びタービンランナの間に配置され流体流か
ら回転力を受けるステータとを備える。このステータ
は、ワンウェイクラッチによって流体流から特定の方向
の回転力を受けたときにのみ固定軸に連結・固定され
る。
【0003】前記ワンウェイクラッチの構成としては、
例えばスプラグタイプやローラタイプが広く採用されて
いる。
【0004】しかしながら、これらのタイプのワンウェ
イクラッチは、いずれもパーツ同士が線接触する構成を
有するため、該パーツに大きな応力(面圧)が発生する
という問題がある。そのため、該線接触する部分の面圧
を許容範囲内に収めるために、ある程度の幅が必要とな
り、軸寸法の増大が避けられない。
【0005】これに対し、例えば実開平5−45306
号公報において、図25に示されるような構成のワンウ
ェイクラッチが開示されている。
【0006】このワンウェイクラッチ912は、アウタ
レース913と、インナレース914と、ウェーブスプ
リング915とを備える。アウタレース913は、ステ
ータ(図示せず)の内周側に回転不能に固定され、複数
の第1歯913aを有する。インナレース914は、ア
ウタレース913に対し離反可能であり、前記第1歯9
13aに噛み合う第2歯914aを有する。ウェーブス
プリング915は、アウタレース913をインナレース
914側へ付勢する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この実
開平5−45306号公報において開示されたワンウェ
イクラッチ912は、ウェーブスプリング915によっ
てアウタレース913を常時付勢していたため、空転時
において第1歯913aと第2歯914aとの間に摩擦
力が発生し、動力損失が大きくなるという問題があっ
た。
【0008】又、前記第1歯913a、第2歯914a
が噛み合った状態からその係止が外れ、再び噛み合い状
態に戻る際に衝撃音が発生するという問題もあった。
【0009】本発明は、前記従来の問題を解決するべく
なされたもので、動力損失の増大、異音の発生等の不具
合を抑制することのできるトルクコンバータのワンウェ
イクラッチ機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、流体流を生じさせるポンプインペラと、その流体流
によって回転させられるタービンランナと、固定軸と、
前記ポンプインペラとタービンランナとの間に配置され
流体流から回転力を受けるステータと、該ステータが流
体流から特定の方向の回転力を受けたときに該ステータ
を前記固定軸に連結するためのワンウェイクラッチ手段
と、を備えたトルクコンバータのワンウェイクラッチ機
構において、前記ステータの内周側に回転不能に組込ま
れ、軸と垂直の第1側面に第1係合面を有するアウタレ
ースと、前記固定軸に回転不能に固定され、アウタレー
スの前記第1側面に対向する第2側面に、前記第1係合
面と係合してアウタレースの一方側への回転を禁止し得
る第2係合面を有するインナレースと、前記アウタレー
ス及びインナレースの第1、第2係合面の接近が解除さ
れてステータが空転する際において、ステータを第1、
第2係合面が係合する方向に押圧する流体流が発生した
場合に、該流体流とは逆方向の流体流を発生させる流体
流制御手段とを備えたことにより、前記目的を達成した
ものである。
【0011】ここで、本発明の原理について説明する。
【0012】トルクコンバータのステータの羽は、流体
流により力を受ける。この流体流から受ける力の向きは
速度比eが変化するに連れて変化し、従ってその軸方向
分力も速度比eが変化するに連れて変化する。
【0013】速度比eが0≦e<1の範囲においては、
ステータの付近ではタービンからポンプに戻る流体流が
発生しているため、この軸方向分力によりステータ及び
これの内周側に回転不能に組込まれたアウタレースを軸
方向に移動させ、アウタレースの第1係合面とインナレ
ースの第2係合面とを係合させる。インナレースは、固
定軸に回転不能に固定されているため、この係合により
ステータを固定軸に対し特定の方向の回転について回転
不能に固定することができる。
【0014】一方、e>1の範囲では、ステータの付近
ではポンプからタービンに向かう流体流が発生してい
る。そのため、ステータは0≦e<1のときと逆方向の
軸方向分力を受ける。従って、この分力によりステータ
及びアウタレースを軸方向(前と逆方向)に移動させ、
アウタレースの第1係合面とインナレースの第2係合面
とを離反させる。この離反により、アウタレースは固定
軸に対して回転可能となり、同時にステータも回転可能
となる。
【0015】このように、ステータはほぼe=1を境と
して流体流から受ける軸方向分力が逆転する。従って、
アウタレースの第1係合面とインナレースの第2係合面
との接近・離反も基本的にこれを境として切換えられ
る。
【0016】一方、周知のように、流体流の向きが変わ
ることによってステータが回転を始めるポイントは一般
にカップリングポイントと呼ばれる。このカップリング
ポイントは、ステータの羽の向きの設計に依存し、通常
速度比e=0.85付近に設定されることが多い。
【0017】従って、厳密には、速度比eに依存してス
テータの羽に当たる流体流の向きが変化し、ステータの
受ける回転方向分力の(総和)の方向が逆転することに
よって、今まで回転が禁止されていた特定方向とは逆方
向の(回転が許容される)方向にステータが回転を始め
るポイント(カップリングポイント=0.85付近)か
ら、ステータの受ける軸方向分力の方向が逆転するポイ
ント(e=1の付近)までの間は、アウタレースの第1
係合面がインナレースの第2係合面に若干押し付けられ
たままの状態でステータが回転を開始することになる。
【0018】即ち、速度比eがカップリングポイントよ
り小さいときは、ステータ及びアウタレースは回転せ
ず、クラッチ係合し、問題ないが、速度比eがカップリ
ングポイントより大きく1より小さいときは、アウタレ
ースがインナレースに若干押し付けられたままの状態で
回転し、その結果、干渉音を発する等の不具合を生ず
る。
【0019】そこで、請求項1に記載の発明は、アウタ
レースとインナレースの第1、第2係合面を接近させる
方向の流体流とは逆方向の流体流を発生させて、前記第
1、第2係合面を離反させて前記不具合を解決しようと
するものである。
【0020】即ち、アウタレース及びインナレースの第
1、第2係合面の係合が解除されてステータが空転する
際において、ステータを第1、第2係合面が接近する方
向に押圧する流体流が発生した場合に、この流体流とは
逆方向の流体流を発生させることにより、第1、第2係
合面を離反させるようにしたため、ステータが空転する
際の、摩擦等による動力損失や異音の発生を防止するこ
とができる。
【0021】請求項2に記載の発明は、流体流を生じさ
せるポンプインペラと、その流体流によって回転させら
れるタービンランナと、固定軸と、前記ポンプインペラ
とタービンランナとの間に配置され流体流から回転力を
受けるステータと、該ステータが流体流から特定の方向
の回転力を受けたときに該ステータを前記固定軸に連結
するためのワンウェイクラッチ手段とを備え、且つ、前
記ポンプインペラとタービンランナとを直結させるロッ
クアップクラッチを備えたトルクコンバータのワンウェ
イクラッチ機構において、前記ステータの内周側に回転
不能に組込まれ、軸と垂直の第1側面に第1係合面を有
するアウタレースと、前記固定軸に回転不能に固定さ
れ、アウタレースの前記第1側面に対向する第2側面
に、前記第1係合面と係合してアウタレースの一方側へ
の回転を禁止し得る第2係合面を有するインナレース
と、前記アウタレース及びインナレースの第1、第2係
合面の係合が解除されてステータが空転する際におい
て、ステータを第1、第2係合面が係合する方向に押圧
する流体流が発生した場合に、該流体流とは逆方向の流
体流を発生させると同時に、前記ロックアップクラッチ
を解放させる流体流を発生させる流体流制御手段とを備
えるようにし、同じく上記課題を解決した。
【0022】即ち、請求項2に記載の発明は、請求項1
の発明をロックアップクラッチ付のトルクコンバータに
適用しようとしたときに、この発生させた(逆方向の)
流体流によりロックアップクラッチが係合してしまうこ
とがあるという不具合に着目したものである。
【0023】請求項2に記載の発明では、当該逆方向の
流体流を発生させると同時に、ロックアップクラッチを
解放させる流体流を発生させる。この結果、ロックアッ
プクラッチは少なくともこの流体流によって係合してし
まうということはなくなり、従前通りの意図した通りの
係合・解放制御を実行することができる。
【0024】請求項3に記載の発明は、流体流を生じさ
せるポンプインペラと、その流体流によって回転させら
れるタービンランナと、固定軸と、前記ポンプインペラ
とタービンランナとの間に配置され流体流から回転力を
受けるステータと、該ステータが流体流から特定の方向
の回転力を受けたときに該ステータを前記固定軸に連結
するためのワンウェイクラッチ手段と、を備えたトルク
コンバータのワンウェイクラッチ機構において、前記ス
テータの内周側に回転不能に組込まれ、軸と垂直の第1
側面に第1係合面を有するアウタレースと、前記固定軸
に回転不能に固定され、アウタレースの前記第1側面に
対向する第2側面に、前記第1係合面と係合してアウタ
レースの一方側への回転を禁止し得る第2係合面を有す
るインナレースと、前記アウタレース及びインナレース
の第1、第2係合面の係合が解除されてステータが空転
する際において、アウタレースとインナレースとの相対
距離が略一定となるように規制する規制手段とを備える
ようにし、同じく上記課題を解決した。
【0025】即ち、請求項1、及び2に記載の発明にお
いては、流体流を発生させることによってアウタレース
とインナレースとを離反させるようにしていたが、請求
項3に記載の発明においては規制手段によって機械的に
両者を離反させるようにしたものである。
【0026】なお、この場合、前記規制手段が、アウタ
レースと固定軸側部材のうちの一方に形成された案内溝
と他方に形成された案内突起で構成され、且つ、該案内
突起の断面形状が案内溝の案内面に対応した形状された
構成とすると、確実に、且つ滑らかに両者の離反距離を
一定に維持することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明のより
具体的な実施の形態の例を詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明の第1実施形態に係るワン
ウェイクラッチ機構を備えたトルクコンバータTC1の
概要を示す縦断面図である。
【0029】このトルクコンバータTC1は、流体流を
生じさせるポンプインペラ12と、その流体流によって
回転させられるタービンランナ14と、固定軸(具体的
にはハブ部材)16と、ポンプインペラ12とタービン
ランナ14との間に配置され、流体流から回転力を受け
るステータ18とを備える。
【0030】前記ポンプインペラ12は、図示せぬエン
ジンと連結されたフロントカバー20と一体化され、エ
ンジンによって回転される。
【0031】前記タービンランナ14は、タービンハブ
22を介してトルクコンバータTC1の出力軸24に取
り付けられる。
【0032】前記固定軸16は、図示せぬ固定部材(ト
ランスミッションハウジング)と一体化されている。
【0033】前記ステータ18は内周側にステータハブ
18aを備えると共に、該ステータハブ18aの外周に
羽18bを備える。
【0034】又、前記フロントカバー20内部には、フ
ロントカバー20の内面に対向してロックアップピスト
ン26が設けられ、フロントカバー20とロックアップ
ピストン26の間にピストン室28が形成されている。
【0035】ここまでの基本的な構成は従来と同様であ
る。
【0036】ステータ18にはワンウェイクラッチOW
1が付設されている。このワンウェイクラッチOW1
は、ステータ18の羽18bが流体流から特定の一方向
の回転力を受けたときに該ステータ18を固定軸16に
連結して固定し、一方、他方側への回転力を受けたとき
に該ステータ18を回転(空転)させる。これにより、
ステータ18は、速度比eがカップリングポイントより
小さい領域では(固定常態とされ)流対流に反力を与え
てトルク増幅に寄与することができ、又速度比eがカッ
プリングポイントより大きい領域では、回転することに
よって動力損失を低減する。
【0037】このワンウェイクラッチOW1は、アウタ
レース30とインナレース40とを備える。
【0038】アウタレース30は、ステータ18の内周
側のステータハブ18aと一体化され、該ステータ18
を固定軸16に対し軸方向Xに移動可能且つ回転可能に
支持する。又、このアウタレース30は、軸(方向)X
と垂直の第1側面32を備える。第1側面32には第1
係合面34が形成されている。
【0039】インナレース40は、固定軸16の外周側
で該固定軸16と一体化されている。このインナレース
40はアウタレース30の前記第1側面32に対向する
第2側面42を有する。この第2側面42にはアウタレ
ース30の第1係合面34と係合してアウタレース30
の一方側への回転を禁止し得る第2係合面が形成されて
いる。
【0040】図2は、図1のII−II線に沿う円周方向C
の断面を展開して示したものである。図2に示すよう
に、アウタレース30の第1側面32には複数個所に突
起34aを有する第1係合面34が形成され、インナレ
ース40の第2側面42には、前記アウタレース30の
第1係合面34の突起34aと対応した鋸刃状の突起4
4aを有する第2係合面44が形成されている。この第
2係合面44の形から分かるように、第1係合面34の
突起34aと第2係合面44の突起44aが係合したと
き、アウタレース30の一方向の回転は禁止(固定)さ
れるが、他方向の回転は許容される。
【0041】なお、この第1、第2係合面34、44の
形状は、第1と第2で逆でもよいし、この形状に限定さ
れるものでもなく、アウタレース30の一方向の回転の
みを許容するようなものであればよい。他の形状の例を
図3に示す。
【0042】図1に戻って、ステータ18に作用する流
体流を制御する流体流制御手段として3つの電磁弁5
0、60、70が設けられており、それぞれ液圧源(ポ
ンプ)52、62、72及びドレン54、64、74と
接続され、トルクコンバータTC1側へ油液を供給した
り、排出したりする。電磁弁50は、油路56により空
間58と連通し、電磁弁60は油路66により空間68
と連通し、電磁弁70は油路76によりピストン室28
と連通している。
【0043】なお、本実施形態においては、各電磁弁5
0、60、70について液圧源52、62、72からト
ルクコンバータTC1に向かって油液を流す場合を「オ
ン」、トルクコンバータTC1からドレン54、64、
74に向かって油液を流す場合を「オフ」ということに
する。(従って、図1で示されているのは、電磁弁50
と70がオン、電磁弁60がオフの状態である。)
【0044】以下、本実施形態の作用を説明する。
【0045】トルクコンバータTC1の流体流は速度比
eに依存して次第にその流れの方向が変化する。
【0046】速度比eがカップリングポイントより小さ
い領域(トルクコンバータ領域)においては、ポンプイ
ンペラ12→タービンランナ14→ステータ18とい
う、図1中に矢印Aで示すような流体流が生じ、ステー
タ18の羽18bが、この流体流から図の左方向への力
を受け、ステータ18はアウタレース30と共に図の左
方向へ移動する。従って、アウタレース30の第1係合
面34とインナレース40の第2係合面44が係合し、
ワンウェイクラッチOW1が係合状態となり、ステータ
18は回転不能に固定される。
【0047】このとき、電磁弁50、60、70をそれ
ぞれオフ、オフ、オンとすると、油液は空間58、68
からは排出され、ピストン室28へは供給される。その
結果、空間58の油圧Pa1と空間68の油圧Pb1に
比べピストン室28の油圧Pc1の方が大きくなる(P
a1,Pb1<Pc1)。従って、ステータ18の左右
方向の力には影響なく、前記流体流Aにより上に述べた
ようにステータ18は固定され、Pb1<Pc1により
ロックアップピストン26は図の左方向への力を受け、
通常のロックアップクラッチオフ状態となる。
【0048】速度比eがカップリングポイントより大き
く1より小さい領域(カップリング領域)においては、
流体のステータ18の羽18bに当たる方向が変化し、
流体流の該ステータ18に作用する回転方向分力がカッ
プリングホイントを境に逆転する。しかしながら、e<
1の領域では流体流の全体的な流れは相変わらず図1中
矢印Aで示されるように流れているため、流体流のステ
ータに作用する軸方向分力は弱いながらも図の左方向が
維持される。従って、アウタレース30がインナレース
40に若干押し付けられ、第1、第2係合面が軽く接触
したままアウタレース30(従ってステータ18)が回
転し始めるため、干渉音が発生するようになる。
【0049】そこで、電磁弁50、60、70をそれぞ
れオン、オフ、オンとすると、空間58とピストン室2
8では給油され、空間68からは排出される。その結
果、空間58の油圧Pa1とピストン室28の油圧Pc
1に比べ空間68の油圧Pb1の方が小さくなる(Pa
1,Pc1>Pb1)。従って、Pa1>Pb1によ
り、ステータ18のステータハブ18aの周りで図のA
で示す方向の流体流とは逆向きの流体流が発生し、ステ
ータ18は右側に押される。その結果、第1、第2係合
面34、44は互いに離反し、異音の発生が防止され
る。又、このとき、Pb1<Pc1より、ロックアップ
ピストン26は基本的には動かず解放状態である。
【0050】又、ロックアップ領域においては、電磁弁
50、60、70をそれぞれオン、オン、オフとする
と、油液は空間58及び68に供給され、ピストン室2
8からは排出されるため、Pa1=Pb1>Pc1とな
り、ロックアップピストン26は図の右方向への力を受
け、フロントカバー20に押し付けられ、ロックアップ
クラッチ係合状態となる。なお、第1実施形態において
は、油圧源52、62、72及びドレーン54、64、
74がそれぞれ3つ別々に設けられているが1つにして
共用化することもできる。
【0051】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。
【0052】図4は、本発明の第2実施形態に係わるワ
ンウェイクラッチ機構を備えたトルクコンバータTC2
の概要を示す縦断面図である。
【0053】本第2実施形態は、図1の第1実施形態の
電磁弁60を可変絞り160にしたものである。これ以
外の構成は第1実施形態と同様であり、図中下2桁を同
一の符号として表わすことにする。
【0054】以下第2実施形態の作用を説明する。
【0055】第2実施形態においても流体流のステータ
118に対する作用は第1実施形態と同じである。
【0056】速度比eがカップリングポイントより小の
領域(トルクコンバータ領域)においては、電磁弁15
0をオフ、可変絞り160を完全絞り(流量ほぼ零)、
電磁弁170をオンとすると、油液は空間158、16
8からは排出され、ピストン室128へは供給される。
従って、ロックアップピストン126はピストン室12
8の油圧により図の左へ移動し、ロックアップオフ状態
となる。又、ステータ118は、流体流により左へ移動
しワンウェイクラッチOW2が係合状態となり、回転不
能に固定される。
【0057】次に、速度比eがカップリングポイントよ
り大きく1より小さい領域(カップリング領域)におい
ては、第1実施形態で説明したように、アウタレース1
30がインナレース140に若干押し付けられて回転す
るため干渉音を発生する。そこで、電磁弁150と17
0はオン、可変絞り160は適度に開とし、空間158
の油圧Pa2とピストン室128の油圧Pc2をほぼ等
しく、且つ空間168の油圧Pb2をそれらより小さく
(Pa2=Pc2>Pb2)とすると、Pa2>Pb2
により、ステータ118は図中右側へ移動し、アウタレ
ース130とインナレース140は離反し、異音の発生
が防止できる。
【0058】又、ロックアップ領域においては、電磁弁
150をオン、可変絞り160を適度に開、電磁弁17
0をオフとすることにより、空間158の油圧Pa2よ
り空間168の油圧Pb2を小さく、ピストン室128
の油圧Pc2をそれらより更に小さく(Pa2>Pb2
>Pc2)とする。従って、ロックアップピストン12
6の油圧(押圧力)Ppは、Pp=k1×Pa2+k2
×Pb2(但し、k1、k2はk1+k2=1を満た
す)となり、ロックアップピストン126の伝達トルク
はPa2とPb2の中間圧で制御される。これより、P
b2を可変絞り160によって制御することによりロッ
クアップクラッチ容量を可変とすることができる。
【0059】又、このときPa2>Pb2より図中ステ
ータ118は右側へ押され、アウタレース130とイン
ナレース140は離反し、干渉音の発生が確実に防止で
きる。
【0060】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。
【0061】図5は、本発明の第3実施形態に係わるワ
ンウェイクラッチ機構を備えたトルクコンバータTC3
の概要を示す縦断面図である。
【0062】第3実施形態は、第1実施形態におけるワ
ンウェイクラッチ機構OW1を両側に摩擦材(ディス
ク)を貼ったタイプのワンウェイクラッチ機構OW3と
したものである。
【0063】即ち、本実施形態のワンウェイクラッチ機
構OW3は、ステータ218と一体化されたステータ側
部材219と、これを挟んでその両側に設けられた2つ
のサイドクラッチ部材246と、更にその外側に設けら
れた固定軸側部材236とから構成されている。固定軸
側部材236は固定軸216に一体的に固定されてい
る。
【0064】このワンウェイクラッチ機構OW3の部分
の拡大図を図6に示す。サイドクラッチ部材246の固
定軸側部材236に面する側には摩擦材247が取り付
けられている。図6のVII −VII 線に沿う円周方向断面
を図7に示す。
【0065】図7に示すように、ステータ側部材219
は斜面219a、219b及び垂直面219c、219
dを有している。一方、サイドクラッチ部材246は、
ステータ側部材219と固定軸側部材236との間に両
者とは少しの隙間を有しながら配置されている。このサ
イドクラッチ部材246のステータ側部材219に面す
る側は前記斜面219a、219b及び垂直面219
c、219dの形状に対応する斜面246a、246b
及び垂直面246c、246dが形成されている。
【0066】ステータ側部材219とサイドクラッチ部
材246との間の隙間は、該サイドクラッチ部材246
が固定軸側部材236に接した状態であっても垂直面2
19c、219dの高さHより小さい。そのため、ステ
ータ側部材219とサイドクラッチ部材246は常に同
一方向に同一速度で一体的に回転する。
【0067】又、ワンウェイクラッチ機構OW3以外の
構成については第1実施形態と同じであり、図中下2桁
を第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】以下本実施形態の作用を説明する。
【0069】速度比eがカップリングポイントより小の
領域(トルクコンバータ領域)においては、ステータ側
部材219は流体流により図7に示す方向の力F1を受
ける。
【0070】ステータ側部材219が力F1を受ける
と、該ステータ側部材219の斜面219a、219b
がサイドクラッチ部材246の対応する斜面246a、
246bを押す。これにより力F1の分力F1a、F1
bが該斜面246a、246bを介してサイドクラッチ
部材246に作用する。この結果、サイドクラッチ部材
246は図7において左右に広げられ、摩擦材247が
固定軸側部材236に押圧され摩擦係合する。
【0071】なお、図7において斜面219a(246
a)の角度αはサイドクラッチ部材246を左右に押し
広げることができるような角度に設定しておく(具体的
には摩擦材247と固定軸側部材236との間の摩擦係
数をμとするときtan α<μ)。
【0072】サイドクラッチ部材246が固定軸側部材
236側に摩擦係合(固定)されると、斜面219a、
219b及び斜面246a、246bの存在により、ス
テータ側部材219も図の矢印F1の方向にはそれ以上
回転できなくなる。その結果、ステータ側部材219と
一体化されたステータ218も固定される。
【0073】このとき、電磁弁250、260、270
をそれぞれオフ、オフ、オンとすることにより、ピスト
ン室228の油圧のみが高くなり、通常のロックアップ
クラッチオフ状態となり、又ステータ218は固定され
る。
【0074】又、速度比eがカップリングポイントより
大きく1より小さい領域(カップリング領域)において
は、ステータ218の羽218bに当たる流体流の向き
が変わり、ステータ側部材219には図7の力F1とは
逆向きの力F2が働くようになる。
【0075】ステータ側部材218が力F2を受ける
と、サイドクラッチ部材246がステータ側部材219
の垂直面219c、219dに乗るようになるため、サ
イドクラッチ部材246に対する押圧力(固定軸側部材
236への分力)は発生しない。従って、サイドクラッ
チ部材246を介した固定軸側部材236に対する押圧
力も発生せず、ステータ側部材219及びステータ21
8は該力F2によって容易に回転することができる。
【0076】しかし、このとき流体流は図1に示す矢印
Aと同様の流れをしており、ステータ218がこの流体
流による力を受けて軸方向(図の左方向)に移動する
と、摩擦材247と固定軸側部材236との間に摩擦が
発生し、損失が大きくなり効率が悪化する。
【0077】そこで、電磁弁250、260、270を
それぞれオン、オフ、オンとすることで、空間258の
油圧Pa3より空間268の油圧Pb3を小さくするこ
とで、前記流体流に対向し、ステータ218を図の右側
へ押す力を発生させ、前記不具合を解消することがで
き、燃費を向上させることができる。
【0078】又、ロックアップ領域においても、電磁弁
250、260、270をそれぞれオン、オン、オフと
することにより、空間258及び268の油圧Pa3、
Pb3を高く、ピストン室228の油圧Pc3を低くし
て確実にロックアップクラッチ係合させることで、ロッ
クアップの効率を向上させることができる。
【0079】なお、本実施形態において電磁弁260を
可変絞りとして第2実施形態のように制御するようにし
ても同様の効果を得ることができる。
【0080】次に本発明の第4実施形態について説明す
る。
【0081】図8は、本発明の第4実施形態に係るワン
ウェイクラッチ機構を備えたトルクコンバータTC4の
概要を示す縦断面図である。
【0082】本実施形態のワンウェイクラッチ機構OW
4は、今までの実施形態と同様、ステータ側部材31
9、サイドクラッチ部材346、固定軸側部材336
a、336bから主に構成される。ワンウェイクラッチ
機構OW4の構成を説明するために図8のIX−IX線に沿
った断面図を図9に示す。
【0083】図9に示すように、本実施形態のワンウェ
イクラッチ機構OW4では、サイドクラッチ部材346
がステータ側部材319の片側にのみ設けられている。
又、摩擦材347もサイドクラッチ部材346と対面す
る側の固定軸側部材336aにのみ設けられている。
【0084】ステータ側部材319がサイドクラッチ部
材346と対面する側には、第3実施形態と同様の斜面
319a及び垂直面319cが設けられ、サイドクラッ
チ部材346の側もこれに対応する斜面346a及び垂
直面346cが設けられている。
【0085】又、本実施形態も第1実施形態同様、3つ
の電磁弁350、360、370を有しているが、電磁
弁350については今までの「オン」、「オフ」の他に
どちらの方向への油液の流れをも完全に止める「閉」の
状態も可能である。
【0086】以下、本実施形態の作用を説明する。
【0087】速度比eがカップリングポイントより小さ
い領域(トルクコンバータ領域)においては、図9の矢
印の方向の力F3が流体からステータ側部材319に作
用する。この結果、斜面319aがサイドクラッチ部材
346を図の左側へ押すためサイドクラッチ部材346
は固定軸側部材336aの摩擦材347に押圧される。
【0088】一方、反力によりステータ側部材319は
固定軸側部材336bに接近する。このようにして、固
定軸側部材336a及び336bのそれぞれの面で摩擦
係合が行われ、ステータ318が固定される。
【0089】このとき、電磁弁350、360、370
をそれぞれオフ、オン、オフとすることにより、ワンウ
ェイクラッチ機構OW4の係合がより確実なものとされ
る。なお、電磁弁370は半クラッチ状態でもよい。
【0090】速度比eがカップリングポイントより大き
く1より小さい領域(カップリング領域)においては、
図9の力F3とは逆の方向に流体からの力F4がステー
タ側部材319に働き、サイドクラッチ部材346がス
テータ側部材319と垂直面319cに乗るようにな
る。この結果、ステータ側部材319及びサイドクラッ
チ部材346の固定軸側部材336a、336bに対す
る押圧力が作用しなくなるため、ワンウェイクラッチ機
構OW4は解放され、ステータ314は回転する。
【0091】このとき、電磁弁350、360、370
をそれぞれオン、オフ、オフとすると、空間358の油
圧Pa4より空間368の油圧Pb4の方が小さいた
め、ステータ318は図8中右側へ押され、サイドクラ
ッチ部材346と摩擦面347が離れ接触するのを防ぐ
ことができる。従って、摩擦による動力損失を防止し、
燃費向上を図ることができる。なお、このとき電磁弁3
70は半クラッチ状態でもよい。
【0092】又、ロックアップ領域においては、電磁弁
350、360、370をそれぞれ閉、オフ、オンとす
ると、完全ロックアップ状態となり、電磁弁350が閉
じられていたるめに潤滑油の流れはない。但し、この状
態ではスリップによる発熱がないため、潤滑油は不要で
ある。従って、不要な潤滑油の流れを防止でき、燃費が
向上する。
【0093】なお、ワンウェイクラッチ機構OW4の断
面の形状については図9に示すものに限定されるもので
はなく、例えば図10の示すようなものでもよい。即
ち、ステータ側部材319の垂直面319cを90°よ
り小さなテーパ角θを有する第2傾斜面319c′と
し、ステータ側部材319に面したサイドクラッチ部材
346側にもこれと対応する第2傾斜面346c′を形
成したものである。これにより速度比eがカップリング
ポイントより大きいとき、図10の矢印の力F5が作用
すると、前記第2傾斜面319c′、346c′のテー
パ角θの分力で、サイドクラッチ部材346とステータ
側部材319は容易に接近でき、ワンウェイクラッチ機
構OW4は円滑に解放することができる。
【0094】次に、本発明の第5実施形態について説明
する。
【0095】なお、今までの第1〜第4実施形態は油圧
によってワンウェイクラッチの離隔を図り、干渉音や動
力損失を防止するものであったが、これから後の実施形
態は油圧ではなく、機械的な構成により前記不具合の解
決を図ったものである。
【0096】図11は、本発明の第5実施形態に係わる
ワンウェイクラッチ機構を備えたトルクコンバータTC
5の概要を示す縦断面図である。
【0097】本実施形態のトルクコンバータTC5は図
1に示す第1実施形態と同様であり、ワンウェイクラッ
チ機構OW5はアウタレース430及びインナレース4
40を備える。
【0098】ワンウェイクラッチ機構OW5付近の拡大
図を図12に示す。図12に示すように、固定軸416
にはその外周に沿って環状に案内溝417が、又、アウ
タレース430には案内突起430aが形成されてお
り、アウタレース430の回転に伴い、該案内突起43
0aが前記案内溝417中の案内面417aに沿って移
動するようになっている。
【0099】前記案内溝417の構造を図13に示す。
図13(a)は固定軸416の断面図、(b)は正面
図、(c)は固定軸416の外周の展開図である。案内
溝417は図のように枝分かれした形状をしている。展
開図(c)において、矢印Xは軸方向、矢印Cは円周方
向を表わす。正面図(b)において、溝416bはイン
ナレース440と係合し、インナレース440を回転不
能に固定するためのものである。
【0100】アウタレース430の構造を図14〜図1
6に示す。図14は、アウタレース430の正面図であ
る。前記案内溝417と嵌合する案内突起430aは図
14に示すように、本実施形態ではアウタレース430
内周側に3箇所設けられている。外周側に設けられた溝
430bはステータハブ418aと連結するためのもの
である。
【0101】図15は図14のXV−XV線に沿う断面図で
あり、図16は図14のXVI −XVI線に沿う断面図であ
る。アウタレース430の、インナレース440と対向
する第1側面432は突起434aが形成され、第1係
合面434となっている。
【0102】又、インナレース440の構造を図17〜
図19に示す。図17はインナレース440の正面図で
ある。インナレース440内周側に設けられた突起44
0bは固定軸416の外周に設けられた溝416bと係
合し、インナレース440を回転不能に固定軸416に
固定するためのものである。
【0103】図18は図17のXVIII −XVIII 線に沿う
断面図であり、図19は図17のXIX −XIX 線に沿う断
面図である。インナレース440の、アウタレース43
0と対向する第2側面442は、突起444aが形成さ
れ第2係合面444となっている。
【0104】以下、本実施形態の作用を説明する。
【0105】速度比eがカップリングポイントより小さ
いときステータ418は流体流の力を受け、図11にお
いて右側へ押されつつ図13(c)上方向へ回転しよう
とする。従って案内突起430aは、案内溝417の案
内面417a中を図の矢印C1のように移動し、その結
果、アウタレース430は図の右方向へ移動してインナ
レース430に接近し、図20に一点鎖線で示すアウタ
レース430の突起434aと、破線で示すインナレー
ス440の突起444aとが係合し、ステータ418は
固定される。
【0106】速度比eがカップリングポイントより大き
く1より小さいときは、ステータ418が逆方向(図1
3(c)の下方向)へ回転しようとする。従って案内突
起430aは案内溝417の案内面417a中を図の矢
印C2のように移動し、アウタレース430は図11中
左へ移動し、インナレース440と離れ、一定の距離を
保つように規制される。即ち、案内溝417とその案内
面417a中を移動する案内突起430aとでステータ
418空転時において、アウタレース430とンナレー
ス440との相対距離をほぼ一定となるように規制する
規制手段が構成される。
【0107】次に、本発明の第6実施形態について説明
する。
【0108】第6実施形態は、基本的に第5実施形態と
同じである。第6実施形態のワンウェイクラッチ機構O
W6を図21に示す。図21に示すように本実施形態
は、第5実施形態の案内突起430aの変わりにボール
530aとし、案内溝517の案内面517aの形状も
このボール530aが転がり易いように案内面517a
の断面がボール530aに合わせた半円形としたもので
ある。
【0109】本実施形態によれば、ボールを使うことで
摩擦が減少し、トルクコンバータの効率が上がり燃費を
向上させることが可能となる。
【0110】次に、本発明の第7実施形態について説明
する。
【0111】第7実施形態は第6実施形態における案内
突起430aの形状の改良に関するものである。即ち、
図13(c)に示すように案内突起430a(の横方向
の断面)が長方形形状をしていると、そのエッジ部が案
内溝417の傾斜面417bに当たり、傷が付く恐れが
あるため、図22に示すように、案内突起630aのエ
ッジ部を削り、案内溝617の傾斜面617bに合わ
せ、これと平行な傾斜面630a1としたものである。
これにより、面圧が下がるため、前記不具合を防止する
ことができる。
【0112】又、図23に示すように、案内突起730
aを案内溝717の直線部717cと傾斜部717dと
の交わりのなす破線で示す平行四辺形(あるいは菱形)
の形状とすることにより更によい効果を得ることができ
る。
【0113】即ち、図23において案内溝717の傾斜
部717dの水平距離(円周方向の距離)h1と該平行
四辺形の底辺h2をほぼ同じ(若干小さい程度)とする
と共に、直線部717cの幅(軸方向の距離)d1と平
行四辺形の高さd2をほぼ同じ(若干小さい程度)とな
るようにする。
【0114】その結果、案内突起730aが図24に示
す矢印のように移動する際、案内突起730aが案内溝
717の直線部717cと傾斜部717dとが公差する
部分において、案内突起730aの端部730a2が傾
斜部717dの端部717d1に引掛かるか、あるいは
これが外れても、案内突起730aの斜面730a1の
上部が傾斜部717dの斜面717bに当たるため、案
内突起730aが傾斜部717d側に大きく落ち込むこ
とが防止できる。
【0115】即ち、対し第6実施形態のように案内突起
530aの横断面の形状を長方形としていた場合には、
前記案内溝717の直線部717cと傾斜部717dと
が公差する部分において、案内突起530aが傾斜部7
17d側へ落ち込み、ガタ打ちが生じる恐れがあるが、
案内突起730aを平行四辺形(あるいは菱形)の形状
とすることで、これをほぼ完全に解消することが可能と
なるものである。
【0116】このように、縦方向(放射方向)断面、あ
るいは横方向(円周方向)の断面において、案内突起4
30a、530a、630a、730aの断面形状が案
内溝417、517、617、717の案内面417
a、517a、617a、717aに対応した形状とさ
れることにより、案内面が常時面当たりで作動するよう
になるため、案内機能が円滑に機能すると共に、案内面
の損傷等を防止することができる。
【0117】又、図23に示すように案内突起730a
投影面積(円周方向断面の面積)Sを大きくすること
で、移動を円滑にすると共に、部材強度の確保を図るこ
とができる。
【0118】最後に、本発明の第8実施形態について説
明する。
【0119】これは、前述した第5〜第7実施形態にお
いて、案内溝417、517、617、717の案内面
417a、517a、617a、717aに、円周方向
(案内突起430a、630a、730aあるいはボー
ル530aの移動方向)に数本の溝を付け、接触面積を
減らし摩擦を低減して移動を円滑にしたものである。
【0120】なお、第5〜第8実施形態において、案内
溝と案内突起を前記実施形態において上述したのとは逆
の部材に設けてもよいことは言うまでもない。
【0121】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
ワンウェイクラッチの係合面が係合する方向にステータ
を押圧する流体流が発生しても、アウタレースとインナ
レース間の距離が近付かないように規制することがで
き、ワンウェイクラッチ空転時の干渉音(異音)発生や
摩擦等による損失増大等の不具合を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るワンウェイクラッ
チ機構を備えたトルクコンバータの概要を示す縦断面図
【図2】第1実施形態に係るワンウェイクラッチ機構の
係合面を示す断面図
【図3】同じく第1実施形態に係るワンウェイクラッチ
機構の係合面の他の例を示す断面図
【図4】本発明の第2実施形態に係るワンウェイクラッ
チ機構を備えたトルクコンバータの概要を示す縦断面図
【図5】本発明の第3実施形態に係るワンウェイクラッ
チ機構を備えたトルクコンバータの概要を示す縦断面図
【図6】第3実施形態に係るワンウェイクラッチ機構を
示す拡大図
【図7】図6のVII −VII 線に沿う断面図
【図8】本発明の第4実施形態に係るワンウェイクラッ
チ機構を備えたトルクコンバータの概要を示す縦断面図
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図
【図10】第4実施形態のワンウェイクラッチ機構の係
合面の他の例を示す断面図
【図11】本発明の第5実施形態に係るワンウェイクラ
ッチ機構を備えたトルクコンバータの概要を示す縦断面
【図12】第5実施形態のワンウェイクラッチ機構を示
す拡大図
【図13】第5実施形態の固定軸の構造を示す説明図
【図14】第5実施形態のアウタレースを示す正面図
【図15】図14のXV−XV線に沿う断面図
【図16】同じく図14のXVI −XVI 線に沿う断面図
【図17】第5実施形態のインナレースを示す正面図
【図18】図17のXVIII −XVIII 線に沿う断面図
【図19】同じく図17のXIX −XIX 線に沿う断面図
【図20】第5実施形態におけるワンウェイクラッチ係
合を示す説明図
【図21】本発明の第6実施形態に係るワンウェイクラ
ッチ機構を示す拡大図
【図22】本発明の第7実施形態に係る規制手段の構造
を示す説明図
【図23】同じく第7実施形態の規制手段の構造の他の
例を示す説明図
【図24】同じく第7実施形態の規制手段の構造の他の
例の作用を示す説明図
【図25】従来のワンウェイクラッチ機構を示す断面図
【符号の説明】
12…ポンプインペラ 14…タービンランナ 16…固定軸 18…ステータ 20…フロントカバー 22…タービンハブ 24…出力軸 26…ロックアップピストン 28…ピストン室 30…アウタレース 32…第1側面 34…第1係合面 40…インナレース 42…第2側面 44…第2係合面 50、60、70…電磁弁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体流を生じさせるポンプインペラと、そ
    の流体流によって回転させられるタービンランナと、固
    定軸と、前記ポンプインペラとタービンランナとの間に
    配置され流体流から回転力を受けるステータと、該ステ
    ータが流体流から特定の方向の回転力を受けたときに該
    ステータを前記固定軸に連結するためのワンウェイクラ
    ッチ手段と、を備えたトルクコンバータのワンウェイク
    ラッチ機構において、 前記ステータの内周側に回転不能に組込まれ、軸と垂直
    の第1側面に第1係合面を有するアウタレースと、 前記固定軸に回転不能に固定され、アウタレースの前記
    第1側面に対向する第2側面に、前記第1係合面と係合
    してアウタレースの一方側への回転を禁止し得る第2係
    合面を有するインナレースと、 前記アウタレース及びインナレースの第1、第2係合面
    の係合が解除されてステータが空転する際において、ス
    テータを第1、第2係合面が接近する方向に押圧する流
    体流が発生した場合に、該流体流とは逆方向の流体流を
    発生させる流体流制御手段と、 を備えたことを特徴とするトルクコンバータのワンウェ
    イクラッチ機構。
  2. 【請求項2】流体流を生じさせるポンプインペラと、そ
    の流体流によって回転させられるタービンランナと、固
    定軸と、前記ポンプインペラとタービンランナとの間に
    配置され流体流から回転力を受けるステータと、該ステ
    ータが流体流から特定の方向の回転力を受けたときに該
    ステータを前記固定軸に連結するためのワンウェイクラ
    ッチ手段とを備え、且つ、前記ポンプインペラとタービ
    ンランナとを直結させるロックアップクラッチを備えた
    トルクコンバータのワンウェイクラッチ機構において、 前記ステータの内周側に回転不能に組込まれ、軸と垂直
    の第1側面に第1係合面を有するアウタレースと、 前記固定軸に回転不能に固定され、アウタレースの前記
    第1側面に対向する第2側面に、前記第1係合面と係合
    してアウタレースの一方側への回転を禁止し得る第2係
    合面を有するインナレースと、 前記アウタレース及びインナレースの第1、第2係合面
    の係合が解除されてステータが空転する際において、ス
    テータを第1、第2係合面が接近する方向に押圧する流
    体流が発生した場合に、該流体流とは逆方向の流体流を
    発生させると同時に、前記ロックアップクラッチを解放
    させる流体流を発生させる流体流制御手段と、 を備えたことを特徴とするトルクコンバータのワンウェ
    イクラッチ機構。
  3. 【請求項3】流体流を生じさせるポンプインペラと、そ
    の流体流によって回転させられるタービンランナと、固
    定軸と、前記ポンプインペラとタービンランナとの間に
    配置され流体流から回転力を受けるステータと、該ステ
    ータが流体流から特定の方向の回転力を受けたときに該
    ステータを前記固定軸に連結するためのワンウェイクラ
    ッチ手段と、を備えたトルクコンバータのワンウェイク
    ラッチ機構において、 前記ステータの内周側に回転不能に組込まれ、軸と垂直
    の第1側面に第1係合面を有するアウタレースと、 前記固定軸に回転不能に固定され、アウタレースの前記
    第1側面に対向する第2側面に、前記第1係合面と係合
    してアウタレースの一方側への回転を禁止し得る第2係
    合面を有するインナレースと、 前記アウタレース及びインナレースの第1、第2係合面
    の係合が解除されてステータが空転する際において、ア
    ウタレースとインナレースとの相対距離が略一定となる
    ように規制する規制手段と、 を備えたことを特徴とするトルクコンバータのワンウェ
    イクラッチ機構。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記規制手段は、アウ
    タレースと固定軸側部材のうちの一方に形成された案内
    溝と他方に形成された案内突起で構成され、且つ、該案
    内突起の断面形状が案内溝の案内面に対応した形状とさ
    れたことを特徴とするトルクコンバータのワンウェイク
    ラッチ機構。
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