JP3380882B2 - 交通信号制御方法及び制御装置 - Google Patents

交通信号制御方法及び制御装置

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JP3380882B2 JP31387894A JP31387894A JP3380882B2 JP 3380882 B2 JP3380882 B2 JP 3380882B2 JP 31387894 A JP31387894 A JP 31387894A JP 31387894 A JP31387894 A JP 31387894A JP 3380882 B2 JP3380882 B2 JP 3380882B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複雑なネットワークを
形成する道路交通空間に設置されている膨大な数の交通
信号機の指示パターン最適案を提供する交通信号制御方
法及び制御装置に係るものであり、特に制御対象が広域
な交通空間における、交通渋滞等の問題を解決するのに
適した交通信号制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】道路における渋滞は様々な場所で発生す
るが、頻度の高いケースとしては2車線から1車線の様
に交通処理量が少なくなる場所や、同じ車線数であって
も車線幅が狭くなる場合である。また、山道の様にカー
ブの多い場所、急カーブが続くつづら坂、勾配のきつい
道路も交通処理量を低下させる要因となる。
【0003】これらにより発生する交通渋滞は道路その
ものが発生の要因となっているが、他の大きな要因とし
て交差点がある。交差点は、道路が交差する場所であ
り、交通量の多い交差点を放置すると交通事故が多発す
る。現実的にも、交通事故の約6割は交差点で発生して
いる。一定以上の交通量がある交差点では交通整理の
為、信号機が配置されている。交通空間を一つのネット
ワークと把えると信号機はネットワーク上での交通量
を、それぞれの交差点に接続される経路に通行時間を割
当てる、制御効果器の役割を果たしている。
【0004】本発明が対象としている信号制御の最適化
とは、青時間の無駄を無くすことであり、交通状況に時
間遅れなく対応することで対象とする交通空間の許容範
囲の最大化を図ることである。信号の最適化を達成する
ことは、例えば対症療法的に渋滞が発生する場所の道幅
を広げたり、バイパス用のトンネルを新たに建設する等
に比べ、本質的に問題を解決するという点で経済的に
も、実効果上も優れている。
【0005】現在我国のみならず、世界各地で自動車利
用台数が急激に増加しているが、これに対し交通容量の
拡大が追いつかず、この結果、深刻な道路事情となって
いる。従って、広域に対し最適な信号制御が実現されれ
ば、問題は大きく改善されることが期待でき、この様な
制御の高度化が強く求められてきている。これに対し従
来より様々な、方法、装置が提案され実用化されてきた
が、広域に対する最適性において、十分な効果が得られ
ていないのが現状である。
【0006】信号制御の方式を大別すると、 (1)1つの交差点の信号機動作を最適化する制御方法 (2)対象地域をネットワークとみなし、全体に対する最
適化を図る制御方法 の2種類となる。明らかに(2)の方法は(1)の方法を含
んでおり、(2)の方法が達成できれば(1)の方法も同時
に達成されることになるが、現実的には、(2)の方法に
関する技術レベルが十分でない為、(1)の方法の集合の
方が、(2)の方法より優れた結果となることが多い。
【0007】(1)の方法に関する近年の技術としては、
公開特許「信号制御装置」(特開平2−287700)
をあげることができる。この方法では対象とする交差点
における交通状況をセンサー情報として取り込み、これ
らの時間的推移を参照し、更に曜日の波動情報を加え、
ファジィ推論により、信号機のパターンを定めるもので
ある。
【0008】(2)の方法として著名なのが、英国ロンド
ンの中心街の交通制御に用いられている「SCOOT」
と呼ばれる、オンラインの広域信号制御方法である。本
方法については文献「The SCOOT on-line traffic sign
al optimisation technique」(TRAFFIC ENGINEERING &
CONTROL 誌 ,April 1982)あるいは,「Thedevelopment
of Urban Traffic Control in London:fixed-time and
'SCOOT'」(同誌,October 1981)に詳しい。本方法で
は、関連する複数の信号機が設置されている交差点の交
通量推移をセンサー情報とし、信号パターンが一巡する
時間、すなわちサイクルや、サイクル内の青や赤の時間
を示すスプリット、あるいは、交差点的の位置関係と交
通流の群速度で定まるサイクルの位相差であるオフセッ
ト等のパラメータをリアルタイムに最適に定めようとす
る方法である。
【0009】その他、多くの方法があるが、問題点は、
上記に集約されているのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方法は、
各信号機単位の制御であり、特定の交差点に対しては有
効であるが、例えば近接する交差点の状況を考慮してい
ない為、制御対象地域全体をみた場合、最適化が図られ
ることはなく、かえって対象交差点以外の交差点に問題
を波及させることになる。
【0011】上記(2)の方法は、従来の信号制御の概
念で把えると、広域に対し、相互の交差点間の影響度を
考慮しつつ、考え得るパラメータをダイナミックに定め
ていく為に、効果が期待できると考えられていた。しか
し、現実的には、多くの改善すべき問題が内包されてい
る。本方法であると、第1に、各パラメータを定めるに
当って重視するのは、交通量が大きい方向、あるいは系
統であり、そうでない方向や系統については、十分な検
討がなされていない。これはパラメータであるオフセッ
トを定めてしまうことでも明らかである。オフセットと
はある一連の交差点の流れと位置関係で定めるものであ
るから対象地域内で該当しない経路では、規則性の無い
形になってしまうからである。このように、オフセット
を定めることによって、局所的には交通流が改善される
が、広域の交通空間全体でみると良い結果は得られな
い。更に、交通量の推移についても過去の実績に基づい
ている為、再現性が高い場合は良い制御になるが、そう
で無い場合は良い結果が得られない。
【0012】本発明は、上記従来技術における課題を解
決し、制御対象とする交通空間に含まれる全ての交通経
路に対して交通状況を最適化する、交通信号制御方法及
び交通信号制御装置を提供することを目的とする。交通
状況の最適化とは、例えば交通空間全体に均一な交通許
容量を与えて交通空間内の渋滞を抑止するような交通信
号制御方法を意味する。
【0013】本発明の他の目的は、信号機が例えば1,
000を超えるような、広域エリアの交通空間に対して
も実時間で有効な制御を行ない得る交通信号制御方法及
び装置を提供することを目的とすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、制御対
象とする広域の道路交通空間に信号パラメータを変化さ
せ得る少くとも1台の交通信号機を含む複数の交通信号
機を備えた交通システムの制御方法であり、該複数の信
号機の動作し得る信号パターンの組合せに対し、一定時
間後における交通空間全体の交通状況を予測し、該交通
空間内の交通に関する所望の目的関数値を最大、又は最
小にする制御案を定めることにある。
【0015】本発明の他の特徴は、交通センサーから交
通空間の交通情報を取り込み、制御の制約条件、交通空
間の交通に関する目的関数を入力し、取り込まれた交通
情報と制約条件と目的関数を取込み与えられた目的関数
値を最大または最小とする信号制御指令を決定し、該決
定された信号制御指令を出力することにある。
【0016】本発明の他の特徴は、交通空間内の交通に
関する所望の目的関数値を最大、又は最小にする制御案
を定める信号制御装置が、最適なパターンを遺伝的操作
により決定する遺伝的最適化手段を含むことにある。
【0017】本発明の他の特徴によれば、前記遺伝的最
適化手段は以下の様な処理により、広域に配置される膨
大な信号機を最適に制御する様動作する。
【0018】交通データを取り込む(ステップ1)と、
センサーの配置されていない交差点や道路上の交通状況
を推定する(ステップ2)と、現在の信号パターンと同
一の初期制御案を生成する(ステップ3)と、下記並列
に処理するための制御案の選択テーブルを作成する(ス
テップ4)と、前記制御案の選択テーブルから一様に選
択される様な乱数を用いて2つの制御案を選択する(ス
テップ5)と、該選択された2つの制御案に対し、ラン
ダムに選択された1つの信号機の信号パターンを変異さ
せる(ステップ6)と、変異された2つの制御案のうち
いづれかの要素の組合せより成る新たな制御案を生成す
る(ステップ7)と、該生成された制御案の信号機パタ
ーンを実行した場合の一定の時間後の交通状況を予測す
る(ステップ8)と、予測された交通状況における目的
関数を評価する(ステップ9)と、複数の処理装置(ス
テップ5)から(ステップ9)が実施された結果の複数
の制御案の目的関数値により次世代の選択確率を与える
(ステップ10)と、(ステップ5)から(ステップ1
0)を所定回数繰り返す制御を行なう(ステップ11)
と、所定回数の処理が終了した後に最も大きいあるいは
小さい目的関数を有する制御案を制御値として出力する
(ステップ12)から成る。
【0019】
【作用】本発明の交通システム制御方法によれば、簡単
な構成で交通空間内全体の交通に関する所望の目的関数
値を最大、又は最小にする制御案を、極めて高速に定め
ることができる。これによって、広域に及ぶ交通ネット
ワークにおいて、特に交通量が許容交通容量に近づいた
場合等に発生する渋滞を解消するような最適制御を実現
することができる。ここにおける最適とは、単に特定の
エリアや系統に存在する車輌やドライバーのサービス性
を向上するのみならず、全域に亘るサービス性、安全
性、及び経済性を向上させる様な制御効果が得られるこ
とを指す。
【0020】本発明の交通システムにおける信号制御方
法は、対象エリアに設置されている信号機の該時点での
動作パターン(実際は信号階梯パターンと称されること
が多い)を出発点とし、とり得る動作パターンの変化範
囲内で、変化させ、該当動作パターンを実行した場合の
一定時間後の状況を予測し、最も目的に近い制御案を決
定する。対象とするエリアが広域である為、対象とする
信号機の数、及び、ネットワークの規模が大である為、
前記制御案を変化させ、かつ一定の時間後の予測を行な
う処理は、時間的に並列に動作し得る方法とし、更に複
数の制御案に対し、評価値の値により、繰り返し処理の
元データとしての選択確率を高める様にしている為、極
めて短時間で良い制御案を決定できる。
【0021】また、本発明の信号制御方法を用いること
により、信号機の指示パターンは、定まったサイクル、
スプリット、オフセット等のパラメータという概念が不
要となり、制御タイミングに最も適した柔軟な交通整理
が可能な指示パターンが生成される。すなわち、従来の
信号制御概念では、いかなる手段をもってしても、サイ
クル、スプリット、オフセット等、局所化された対象に
対して経験的な枠を保持している限り、最適制御を得る
ことは困難であった。これに対し、本発明では従来制御
の有効性をそのまま内包しつつ、柔軟な制御を行なうこ
とができる様にしている。
【0022】
【実施例】以下、図により本発明の一実施例を説明す
る。図1は、本発明による信号制御システムの構成例で
ある。本信号制御システムは広域の交通空間、すなわ
ち、意図的に分割された広域の道路交通空間を制御対象
とする。本システムは、最適な信号制御パターンを決定
する信号制御装置1と、この信号制御装置1で決定され
た制御パターンあるいは制御結果の評価を表示する表示
装置2と、制御上の制約条件や目的関数を信号制御装置
1に入力する入力装置3と、空間計測センサーからの交
通データを取込む信号入力装置9と、信号制御装置1で
決定された信号パターンを交通現場に設置されている各
交通信号機11の制御部11Aに出力する信号出力装置
10により構成される。制御対象となる交通空間には交
通システムの一部として多数の交通信号機11が設置さ
れており、その中で少くとも1台の交通信号機11はそ
の信号パラメータ、すなわち信号パターンを変化させる
ことができる。
【0023】信号制御装置1は、入力された交通データ
と入力情報により、最適な信号制御パターンを決定す
る。表示装置2はCRT、液晶表示装置等のハードウェ
アにて実現でき、入力装置3はキーボードにて実現でき
る。信号入力装置9は、交差点や道路12上に設置され
た超音波式センサー13、あるいはテレビカメラで撮像
した画像を処理する空間計測センサー14からの交通デ
ータを取込む。信号制御装置1は、従来の遂次実行型の
プロセス制御用コンピュータやマイクロコンピューター
でも実現できるが、制御対象信号機数が100を超える
場合は、処理装置を複数個並列に接続した構造を有し、
同一時間軸上で少なくとも2種類以上の独立した処理を
行なうことのできる並列コンピュータが必要となる。
【0024】本発明の信号制御方法は、本質的に並列コ
ンピュータ上であっても効率の低下しない論理構造を有
している為、対象とする交通空間が広大になりかつ制御
対象の信号機の数が膨大になった場合でも、十分な数の
処理装置を準備することにより、容易に対応することが
できる。すなわち従来の遂次実行形のコンピュータのも
つ性能上限や、並列度数が上がると著しく効果が低下す
る従来の並列論理とは異なり、コンピュータのハードウ
ェアによる限界性能が無い方法である。
【0025】図2は、本発明の信号制御システムにより
広域制御を行なう場合の信号制御装置1のハードウェア
構成例を示したものである。本例では、入力装置3に接
続され入力情報を取込む入力装置制御ユニット8と、出
力装置2に接続され出力情報を出力する出力装置制御ユ
ニット7と、定数あるいは変数を記憶する共有メモリー
6と、装置全体を制御するセルプロセッサ超並列制御ユ
ニット4と、前記共有メモリー6及び超並列制御ユニッ
ト4に接続され、同一時間でのそれぞれの処理を実行で
きる複数の処理装置(MPU)5とにより構成される。
本例ではMPU5は825個となっているが、要求され
る処理性に応じて増減が可能である。プロセッサを1個
とした遂次実行型のコンピュータであっても良いのは前
述の通りである。
【0026】次に、図3に本システムにおける広域交通
ネットワークの構成例を示す。ビルや住宅等が密集する
都市部では、郊外によくみられる様な幹線を中心にして
その他の路線は従属的である様な比較的余裕のある形で
はなく、図3の様に網目の様に、道路12が複雑な2次
元的なネットワークを形成している。本例で○が付され
る交差点では信号機Sが設置されていることを示してお
り、信号機の数は140(台)である。本システムで
は、交通空間を図3に示すようなネットワークとして把
え、信号機の位置、経路との接続、経路の交通容量、交
差点における、直進、右折、左折の実績値により得る確
率値等の情報を予め交通情報記憶手段に記憶している。
【0027】図4は、信号制御装置1の論理的な構成を
示したものである。本信号制御装置では、少なくとも、
プロセス信号を取込むプロセス信号取込手段102と、
プロセスへ制御結果を出力するプロセス信号出力手段1
04と、入力装置3より入力情報を取込む入力装置制御
手段106と、表示装置2を制御する表示装置制御手段
108と、前記交通ネットワークの情報と制御に必要な
信号機の特性を記憶する交通情報記憶手段110と、信
号の制御パターンが与えられると一定の時間後の交通状
況を予測する交通流予測手段112と、最適な信号パタ
ーンを決定する最適化手段114により構成される。最
適化手段114は、取り込まれた交通情報と制約条件と
目的関数を取込み与えられた目的関数値を最大または最
小とする信号制御指令を決定し、出力するものであり、
例えば遺伝的最適化手段により構成される。
【0028】図5は、本発明における、対象地域内を制
御する信号機のパターンと、信号機毎の信号パターン番
号を要素とする、1次元ベクトルについての説明図であ
る。ここで制御実行の周期時間を160(秒)と定める
とこの時間内でG(グリーン)、Y(イエロー)、R
(レッド)に時間を割り振ることは、すなわち対向する
経路へ通過交通量を割り当てることと等価になる。ここ
で制御周期を160(秒)として定めることは、従来の
サイクル値とは本質的に異なり単に制御タイミングを与
える意味に限定される。図5の例ではとり得るパターン
数が100である。例えば信号機Siは、100の信号
楷梯(パターン)を持つことができ指定された動作を行
う。この信号パターン1は、該時点から順次20秒は
G、10秒はY、Rを100秒、再びGを30秒点燈す
ることを示している。現実的な交通信号ではG、Y、R
の他に、R下での右折指示、あるいはバス、歩行者優先
等があるが、これらは点燈種類が増加するだけであり、
G、Y、Rの組合せが可能であれば処理は同等である。
【0029】この様に、信号パターンを制御条件を保持
する範囲で考え得る数だけ設定しておく。次に、各信号
機Si(本例ではi=1〜140)の信号パターンPi
を要素とする1次元ベクトルXiを X=(P1,P2,……………,P140) と定める。このXを以下染色体と称する。Xにより、対
象空間の信号状態が一意に定まることになる。このXの
要素を適正に定めることが本発明の本質的な目的であ
る。
【0030】Xの空間、すなわちとり得る場合の数n
(X)は、各信号機のパターン数が本例では100であ
り、信号機数が140であるから、 n(X)=100140 =10280 という膨大な数となる。各々の組合せに対して、一定時
間後の交通状況を予測し、例えば、渋滞が最も少ない組
合せが明らかに最適である。しかしながら、上記の様
に、膨大な数の場合全てについて予測を行なうことは、
許容時間内には極めて困難であり、現在のコンピュータ
では並列コンピュータであっても不可能である。本発明
の他の重要な目的はこれを、十分短時間で実行し得る方
法の提供にある。
【0031】図6は、信号制御装置1の処理フロー図で
ある。本処理は12のステップで成っており、160秒
毎に起動される。以下その動作を説明する。本例で使用
するハードウェアは10個の処理装置が並列に接続され
ている並列コンピューターとしている。
【0032】(ステップ1)交通データ取込み 交通ネットワーク上の経路、交差点上に設置されている
センサーから、交通ネットワークに存在する車輌数、移
動速度、渋滞状況、信号状況等の交通データを取込む。
【0033】(ステップ2)交通状況の推定 交通ネットワーク上の全ての経路、交差点上に的確なセ
ンサーが設置されていることは極めて希である為、交通
流予測手段により、センサーが設置されていない経路、
交差点については、(ステップ1)で得た情報を基に推
定し、対象交通ネットワーク全ての状況を把握する。
【0034】(ステップ3)所期制御案の生成 制御案の初期値として、該時点で各信号機に与えられて
いる信号パターンを要素とする染色体Xを生成する。
【0035】(ステップ4)制御案選択テーブルの作成 10個のCPUに与える制御案Xは、初期状態では同一
であるので、各制御案は、同一の確率で最適解候補とな
り得る様に、図18に示すような制御案選択テーブルを
作成する。
【0036】以下(ステップ5)〜(ステップ9)は、
同時並行的に異なる処理装置(MPU)で実行される。
【0037】(ステップ5)ランダムに2つの制御案選
択 図18に示す制御案選択テーブルは0.0〜100.0
(%)のレンジを有しており、ある一つの0.0〜10
0.0の値に対して制御案M(i,j)が定まる。本ス
テップでは0.0〜100.0の範囲に一様に分布する
2種の乱数r1,r2を生成し、2種の制御案を定め
る。ここではX1とX2が選択されたものとする。
【0038】(ステップ6)突然変異操作 前記(ステップ5)の制御案選択により選択された2種
の制御案X1、X2の一部の信号パターンを変異させる。
これを突然変異操作と称する。図7に本突然変異操作処
理の詳細手順を、図8に、実例を用いた突然変異例を示
す。まず、(ステップF10)にて、1から信号機数1
40の範囲に一様に分布する乱数rand1と、0か1
の値を一様にとる乱数RAND1を生成する。次に(ス
テップF20)で同様にrand2,RAND2を生成
する。図8は(ステップF30)の処理を示すものであ
る。ここで rand1=5 RAND1=0 とすると、X1の信号機5の信号パターンが88である
ので、これを87に書き換える。つまり、信号番号ra
nd1の信号パターンを、RAND1が0の場合降順
に、1の場合昇順に更新する。これによりX1は一部に
変異を受け新たな制御案X1′が生成される。本方法は
突然変異の位置例あり、他の方法でよいことは言うまで
もない。(ステップF40)では同様に、第2の制御案
であるX2に、突然変異操作を加え、新たな制御案X2
を生成する。
【0039】(ステップ7)制御案の合成(交配) 前記(ステップ6)で生成された2種の制御案を合成
(交配)し、新たな制御案を生成する。図9に本交配処
理の詳細手順を、図10に実例を用いた交配例を示す。
まず図9上のステップG10にて信号機数分の要素より
成り、各々の要素は一様に0か1かをとるストリングで
あるテンプレートTPを生成する。図10の例では TP=(0,1,0,0,0,1,1,0,…………
…) となっている。次に(ステップG30)以下の処理を信
号機数分繰り返し新たな制御案M(i,j)を生成す
る。ここでjは処理中のMPUの番号、iは世代数であ
る。M(i,j)はTPに基づいて、X1′X2′の性質
を引き継ぐように合成される。すなわちTPの値が0の
場合、Tpの該当信号機の信号パターンはX1′のもの
を設定し、TPの値が1の場合はX2′のものを設定す
る様にする。図10の例では、信号機S1,S3,S
4,S5,S8についてはX1’のパターンが、S2,
S6,S7ではX2′のパターンが採用され、新たな制
御案M(i,j)が生成されていることがわかる。
【0040】(ステップ8)一定時間後の交通状況予測 前記(ステップ7)で生成された制御案M(i,j)を
実行した場合の一定時間後の交通状況を、交通流予測手
段により予測する。図11に一定時間後の交通状況予測
の処理手順を、図12に、典型的な2つのケースを示
し、動作を説明する。予測を精度良く行なうための様々
な方法が提案されているが、広域ネットワーク上で交差
点、経路の複雑な相互影響までを考慮できている方法は
極めて少ない。本発明における予測は基本的には車輌を
1台づつ短い時間推移単位で走行させるものであって、
計算量は大となるが、統計情報による傾向予測の様な多
くの不確定情報を含むことはない。
【0041】図11の例では、160(秒)後の交通状
況の予測を、4(秒)毎に、ネットワーク上に存在する
車輌を走行させ、これを40(回)繰り返すことで行な
っている。(ステップH20)にて、ネットワーク上の
全ての経路について(ステップH30)〜(ステップH
60)の処理を繰り返すよう制御する。(ステップH3
0)では、該当経路上の車輌の4秒後の位置を計算し、
該当経路から他へ流出する台数を定める。これは、信号
機の青時間TGと平均車速VSの積、TG×VSによって求
まる。図12に該当経路上の車輌の現在位置及び4秒後
における計算位置の例示す。(a)として示すケース1
においては、直進、右折、左折共に車輌は移動可能であ
る。経路A上には図上側に示すように現在100(台)
の車輌が存在するが、対向信号機が4秒間Gを継続する
場合(TG=4)、平均車速をVSとして該当経路上の距
離を考慮すると、4秒後には図下側に示すように、40
台の車が流出できる。
【0042】次に(ステップH40)にて、該当流出台
数の流出方向すなわち直進、右折、左折の各経路に対す
る振分けを行なう。これは道路幅、車線数等の道路事情
や地域慣習等が含まれる過去の長期的な統計データに基
づいて、精度良く定まる交差点毎の直進率、右折率、左
折率を用いて求める。
【0043】図12のケース1では、直進率が50
(%)、右折率が25(%)、左折率が25(%)であ
る為、流出した40台の車は、直進、右折、左折それぞ
れの方向に、20(台)、10(台)、10(台)が順
調に移動している。
【0044】(ステップH50)は、隣接する経路上の
車輌状況により直進、右折、左折可能な台数を計算す
る。ケース1では十分な余裕が合ったが、図12の
(b)に示すケース2では、左折方向には余裕があるも
のの、直進方向は車輌が埋まっており、右折方向も、8
(台)しか進行できない状況である。この為、左折方向へ
は10(台)が進行できたが、右折は8(台)、直進は
1台もできなかったことになる。本例では車線数が十分
ある場合を想定しているが、そうでない場合は、本来空
いている方向への車輌も、他方向の車輌の停止により、
進行不能となることも有る。この結果に基づいて各経路
の車両台数を更新する。以上が(ステップH60)の処
理である。
【0045】この様に、ミクロに車輌を走行させ一定時
間後を予測して行くので、正確な予測精度が実現され
る。交通状況のセンサーとして、今後はテレビカメラを
用いた空間計測型のものが主流となってゆくのは確実で
あり、これにより、交差点、経路における、車輌の数、
移動速度、渋滞度が極めて正確に得られる様になる。本
方法は、この様な情報の正確さの向上、多様化により、
一層効果を発揮し得るものである。
【0046】(ステップ9)制御結果の評価 前記(ステップ8)で得られた、一定時間後の交通状況
を評価するステップである。本例では、制御の目的関数
として渋滞余裕度が指定され、この値を最大にするもの
としている。ここでは、渋滞度TJは、「R信号待以外
で速度が0の車輌台数」と定義する。もちろんR点燈中
であっても、次回のGのタイミングで該当交差点を通過
できない車輌は、渋滞度TJに含まれる。一方、渋滞余
裕度CTG(台)は、 CTJ(台)←(許容交通量(台))−(渋滞度
(台)) で定義される。許容交通量は、対象とする交通ネットワ
ークが定まれば一意に定まるので、TJとCTJは、質
的には同一の目的関数である。すなわち、渋滞度TJの
最小化を図ることは、渋滞余裕度CTJの最大化を図る
ことに他ならない。 図13は(ステップ9)の制御結
果評価の処理手順を、図14は現実的な渋滞状況の例を
示したものである。(ステップI20)が全ての経路に
ついて行なわれ、TJ(台)が計算される。これを図1
4にて説明する。
【0047】図14は、互いに近接した4つの交差点
A,B,C,Dにそれぞれ信号が設置されており、該時
点での点燈状態は図の通りである。このとき、車輌の台
数は矩形で示され、走行可能速度がゼロでない場合は実
線の矢印で、速度がゼロの場合は、破線で示されてい
る。信号がR点燈の場合は、速度がゼロであっても渋滞
では無いので矩形は白抜き表示としている。一方渋滞に
より、動きの自由が無い車輌は渋滞度対象車輌であり、
矩形はハッチング表示されている。この結果、全ての経
路上のハッチング部分の車輌の総和を計算することによ
り、下記の様に渋滞度TJが求められる。 本例での、ネットワーク上の許容交通量を1,000(台)
とすると、渋滞余裕度は、 CTJ(台)=1,000
−TJ =235(台) となる。
【0048】又本例では、制御の目的関数として交通エ
ネルギーが指定され、この値を最大にするものとしてい
る。一定時間のある路線上の交通量をTC(i)台、平
均速度をAU(i)(km/h)とすると、交通エネル
ギーTE(i)は、 TE(i)=TC(i)×AU(i) で定義し、交通ネットワーク図の交通エネルギーは、 TEA= TE(i) とする。
【0049】この交通エネルギーの最大化を図ること
は、交通量を増加したか、平均速度が上昇したかであ
る。交通量が増加し、平均速度を上昇させることが、円
滑な交通状況を実現することに他ならない。
【0050】本例では、渋滞余裕度を最大にすることを
制御の目的としたが、待ち回数最小、待ち時間最小、旅
行時間最小、燃料消費量最小、時間便益費最小等として
もよいのは言うまでもない。これらは、制御タイミング
における、存在車輌と該当ネットワークの交通量に応じ
てダイナミックに変化させてゆくことも考えられる。
【0051】(ステップ10)選択テーブルの作製 (ステップ5)〜(ステップ9)で、本例では10個の
処理装置iで、世代j毎の御提案M(i,j)が生成さ
れ、評価された。(ステップ10)では、次の世代の処
理において、与えられた目的に対し、合致度が高い制御
案を優先的に選択させる為の、選択テーブルを以下の様
にして作成する。
【0052】図16は、縦軸を処理装置MPUの番号
i、横軸を(ステップ11)が制御する繰返し数である
世代数jとし、制御案M(i,j)の評価値を表したも
のである。初期状態(世代=0)では前述の通り、該時
点での信号パターンを継続する制御案とし、これを全て
の処理数値に割付けている為、評価値はほぼ同一になっ
ている。ところが、世代1以降は、(ステップ6)の突
然変異操作と、(ステップ7)の交配操作により、評価
値にバラつきが発生している。図15における(ステッ
プJ10)では、世代iにおける、全ての制御案M
(i,j)(j=1〜10)の評価値CTJ(j)の総
和を計算する。例えば世代1においては、 ΣCTJ(1)=CTJ(1,1)+CTJ(2,1)+CTJ(3,1)+CTJ(4,1)+……+CTJ(10,1) =1,770 となる。次に(ステップJ20)で、総計ΣCTJ
(j)に対する、各々の制御案の評価値CTJ(i,
j)の比率が計算される。
【0053】図17は、この状況を示したものである。
世代1ではM(6,1)が最も評価が良く、全体の2
8.2(%)の評価値を有していることがわかる。一方
M(4,1),M(5,1),M(9,1)は5.6
(%)であり、目的に対する、合致度が低いことがわか
る。(ステップJ30)では、(ステップJ20)で計
算された値を基に制御案の優先的な選択テーブルを生成
する。
【0054】図18は、図17に示した値を基に作成さ
れた世代1と世代100での選択テーブルである。円グ
ラフは0.0から100.0までの目盛を有し、各々の
値には、制御案の番号が割当てられている。制御案を選
択する場合、0.0から100.0の範囲に一様に分布
する変数を生成し、これにより制御案を定めることによ
り、評価値の優先順に制御案が決定されてゆくことにな
る。すなわち28.2(%)を割当てられている制御案
M(6,1)は、5.6(%)しか割当てられていない
5 1に比べ5倍以上の確率で次世代の元制御案として選
択されることになる。これは、良い制御案は多く残り、
そうでないものは淘汰されてゆくことを示している。
【0055】世代=1の初期段階では、評価値のバラつ
きが大きいが、世代=100になると、全ての制御案の
評価値は高く、均一になってゆくことがわかる。つまり
世代の更新により、進化が行なわれ、水準が上がった訳
である。
【0056】(ステップ11)所定世代数繰り返し (ステップ5)〜(ステップ10)を所定世代数繰り返
す様に制御する。世代数は、対象問題の規模と、並列処
理度数、すなわち並列数により定まる。
【0057】(ステップ12)最良の制御案出力 最終的に存在する制御案の中より、最も評価値が良いも
のを最適案とし、出力する。図16の例ではMPU10
における制御案が最も優れているのでこの信号パターン
を出力する。
【0058】図19は、本発明による信号制御システム
と従来の制御システムの効果の比較図である。本発明に
よる信号制御システムに対しては、渋滞余裕度最大を目
的関数及び戦略として与えた。従来の制御システムは、
信号パターンが固定された方式である。2つのグラフは
横軸を7:00〜10:30までの時刻推移とし、縦軸
は、上図は渋滞度、下図は渋滞余裕度を定義している。
前述の通り、渋滞度と渋滞余裕度は同内容を有している
為、ここでは渋滞度グラフをとり上げて説明する。上図
において、実線で示されているのが、本発明による信号
制御システムの制御結果であり、破線で示されているの
が、従来の制御システムの結果である。このグラフよ
り、特に交通量が大である7:50〜9:30の時間帯
では本発明により、大きな改善が達成されていることが
わかる。つまり、交通量が少なく、交差点や経路の相互
波及度が小さい場合は、従来の方法でも良い結果となる
が、交通量が、対象交通空間の交通容量に近づくと、最
早従来の制御方法では効果が期待できないことがわか
る。
【0059】図20は、対象交通空間を3次元的に示し
たものであり第1、第2の軸は対象地域の地図を示し、
渋滞度強度を第3の軸として定義した図であり、上図が
従来の固定信号パターンによる制御、下図が本発明によ
る交通エネルギーを最大とする信号パターン制御の時刻
8:30における渋滞状況を示したものである。上図に
おいては至るところに、大きな渋滞のピークがある。こ
れに対し、下図では、対象地域全体を総合的にかつ広く
観察した上での制御を行っているため、全体にピークが
よく抑えられており、交通量が均一に分散し、その結
果、渋滞が大きく改善され、スムーズな交通の流れを実
現していることがわかる。すなわち、従来の方法の様
に、局所的な最適化はかえって交通処理能力を低下させ
てしまっている訳である。
【0060】図21は、評価項目を渋滞度のみならず、
交通量、停止回数、待時間、旅行時間、ジレンマゾーン
存在車輌数、総コスト、事故発生確率に拡張し、これら
の評価値を時間推移毎にプロットしたものである。上図
に示す従来の固定信号パターン制御による結果に対し、
下図の本発明による信号パターン制御では、ほとんどの
項目が大きく改善されていることがわかる。
【0061】このように、交通空間内の交通信号機を適
正に制御することにより以下の様な効果がある。 (1).全域に亘って渋滞が解消、又は軽減する。 (2).局所的な渋滞のピークが抑えられる。 (3).停止回数が減少する。 (4).待時間が減少する。 (5).旅行時間が減少する。 (6).無駄な燃料消費が減少する。 (7).交通便益が改善される。
【0062】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明によれば、広域
の交通エリアに配置される交通信号機を全体として適正
に制御することができる。これにより、制御対象とする
交通空間に含まれる全ての交通経路に対して交通状況を
最適化し、交通空間の全域に亘って渋滞が解消、又は軽
減する。また、局所的な渋滞のピークが抑えられる等の
効果がある。また、本発明は、信号機が1,000を超
える広域エリアに対しても実時間で有効な制御を行ない
得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の信号制御システムの一実施例の構成を
示した図である。
【図2】信号制御装置のハードウェア構成例を示した図
である。
【図3】制御対象の交通空間をネットワークで表現した
図である。
【図4】信号制御システムの機能構成を示した図であ
る。
【図5】信号機パターンを要素とする交通時空間の染色
体表現例を示した図である。
【図6】信号制御処理のフロー図である。
【図7】信号機状態の突然変異操作処理フロー図であ
る。
【図8】突然変異操作例である。
【図9】交配操作処理フロー図である。
【図10】交配操作例である。
【図11】交通状況予測処理フロー図である。
【図12】交通状況の予測例である。
【図13】制御結果評価処理フロー図である。
【図14】渋滞度の評価例である。
【図15】評価値に基づいた制御案の選択テーブル作成
処理フロー図である。
【図16】世代毎の制御案評価値推移を示したものであ
る。
【図17】前評価値に対する各制御案の評価値を示した
ものである。
【図18】制御選択テーブル例である。
【図19】目的関数を渋滞余裕最大とした場合の効果を
示す図である。
【図20】交通空間を3次元表現し、従来制御と本発明
の制御による渋滞度分布の比較を示す図である。
【図21】多項評価値の同時改善状況の説明図である。
【符号の説明】
1…信号制御装置,2…表示装置,3…入力装置,4…
超並列制御ユニット,5…マイクロ処理装置,6…共有
メモリー,7…表示装置制御ユニット,8…入力装置制
御ユニット,9…信号入力装置,10…信号出力装置
フロントページの続き (72)発明者 中村 兼一 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 八尋 正和 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 伊藤 芳三 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 佐藤 良幸 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 佐野 豊 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 横田 孝義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平3−46100(JP,A) 特開 平6−84094(JP,A) 特開 平5−282272(JP,A) 特開 平4−51399(JP,A) 特開 平7−129882(JP,A) 特開 平5−250594(JP,A) 特開 平5−28395(JP,A) 特開 平6−150187(JP,A) 実開 平5−4258(JP,U) 保原光雄 中原恒雄,トラフィック制 御,日本,コロナ社,1975年8月30日, p.329 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 G08G 1/07 - 1/087

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象とする広域の道路交通空間に信号
    パラメータを変化させ得る少くとも1台の交通信号機を
    含む複数の交通信号機を備えた交通システムの交通信号
    制御方法において、 該複数の交通信号機の動作し得る信号パターンの組合せ
    に対し、一定時間後における前記交通空間内全体の交通
    状況を予測し、該交通空間内の交通に関する所望の目的
    関数の値を求めて評価し、優先順に交通信号機に出力さ
    れる制御案を定めることを特徴とする交通信号制御方
    法。
  2. 【請求項2】制御対象とする広域の交通空間に信号パラ
    メータを変化させ得る少くとも1台の交通信号機を含む
    複数の交通信号機が設置されている交通空間における交
    通信号制御方法において、 前記各交通信号機の信号パターンの組合せに対し、2つ
    の交通信号機の制御案を選択して操作を加え並びに変異
    操作した2つの制御案を合成して、変異一定時間後にお
    ける前記交通空間内全体の交通状況を予測し、該交通空
    間内の交通に関する目的関数の値を求めて評価し、優先
    順の高い制御案を最適制御案として採用し、以上の手順
    を所定回数繰り返し得た制御案を交通信号機の制御出力
    とすることを特徴とする交通信号制御方法。
  3. 【請求項3】制御対象とする広域の交通空間に信号パラ
    メータを変化させ得る少くとも1台の交通信号機を含む
    複数の交通信号機が設置され、信号制御手段により前記
    各交通信号機を制御する交通信号制御方法において、 前記信号制御手段は、複数の交通信号機の動作し得る信
    号パターンの組合せに対し、交通センサーから取り込ま
    れた前記交通空間内の一定時間後の予測された交通情報
    と予め与えられた目的関数に基づいて、該交通空間内全
    体の交通に関する該目的関数の値を求めて評価し、優先
    順位によって信号制御指令を演算で求め、該信号制御指
    令を前記各交通信号機の制御出力とすることを特徴とす
    る交通信号制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の交通
    信号制御方法において、前記目的関数は、前記交通空間
    内全体の交通エネルギーに関するものであり、該交通エ
    ネルギーを最大にする交通信号機の制御案を前記交通信
    号機の制御出力とすることを特徴とする交通信号制御方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4の前記交通エネルギーTE(i)
    は、前記交通空間内における一定時間のある路線上の交
    通量をTC(i)台、各車両の平均速度をAU(i)
    (km/h)としたとき、TE(i)=TC(i)×A
    U(i)で定義される量であることを特徴とする交通信
    号制御方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし3のいずれかに記載の交通
    信号制御方法において、前記目的関数は、前記交通空間
    内における、許容交通容量から渋滞車両を引いた渋滞余
    裕度に関するものであり、該渋滞余裕度を最大にする交
    通信号機の制御案を前記交通信号機の制御出力とするこ
    とを特徴とする交通信号制御方法。
  7. 【請求項7】請求項3における前記信号制御手段は、前
    記交通情報を取込む第1ステップと、前記交通センサー
    の配置されていない交差点や道路上の交通状況を推定す
    る第2のステップと、該時点での信号パターンと同一の
    初期制御案を生成する第3のステップと、複数の制御案
    を並列に処理するための制御案の選択テーブルを作成す
    る第4のステップと、前記制御案の選択テーブルから一
    様に選択される様な乱数を用いて2種の制御案を取り出
    す第5のステップと、該選択された2種の制御案の構成
    要素を変異させる第6のステップと、変異された2種の
    制御案のうち、いずれかの要素の組合せから成る新たな
    制御案を生成する第7のステップと、該生成された制御
    案を実行した場合の一定時間後の交通状況を予測する第
    8のステップと、予測された交通状況における目的関数
    を評価する第9のステップと、複数の処理装置で前記ス
    テップ5からステップ9が実施された結果の複数の制御
    案の評価値により、次回の制御案の選択確率を与える第
    10のステップと、前記第5のステップから第10のス
    テップを所定回数繰り返す制御を行なう第11のステッ
    プと、予め定められた回数の前記繰返し処理が終了した
    後に最も大きい、あるいは小さい目的関数を有する制御
    案を制御値として出力する第12のステップを具備する
    ことを特徴とする交通信号制御方法。
  8. 【請求項8】制御対象とする広域の道路交通空間に信号
    パラメータを変化させ得る少くとも1台の交通信号機を
    含む複数の交通信号機を備えた交通システムの交通信号
    制御方法において、 該複数の交通信号機の動作し得る信号パターンの組合せ
    に対し、一定時間後における前記交通空間内全体の交通
    状況を予測し、該交通空間内の交通に関する所望の目的
    関数の値を最大にする交通信号機に出力される制御案を
    定めることを特徴とする交通信号制御方法。
  9. 【請求項9】制御対象とする広域の交通空間に信号パラ
    メータを変化させ得る少くとも1台の交通信号機を含む
    複数の交通信号機が設置されている交通空間における交
    通信号制御方法において、 前記各交通信号機の信号パターンの組合せに対し、2つ
    の交通信号の制御案を選択して操作を加え並びに変異操
    作した2つの制御案を合成して変異一定時間後における
    前記交通空間内全体の交通状況を予測し、該交通空間内
    の交通に関する目的関数の値が最大である制御案を最適
    制御案として採用し、以上の手順を所定回数繰り返し得
    た制御案を交通信号機の制御出力とすることを特徴とす
    る交通信号制御方法。
  10. 【請求項10】制御対象とする広域の道路交通空間に信
    号パラメータを変化させ得る少くとも1台の交通信号機
    を含む複数の交通信号機を備えた交通システムの制御装
    置において、 制御条件や目的関数を入力する入力装置と、前記複数の
    交通信号機の動作し得る信号パターンの組合せに対し、
    一定時間後における前記交通空間内の全交通状況を予測
    し、該交通空間内全体の交通に関する所望の目的関数値
    を求めて評価し、優先順位の高い制御案を所定回数繰り
    返すことによって最適な制御案として求 めて前記交通信
    号機の制御出力とする信号制御装置、とを備えたことを
    特徴とする交通信号制御装置。
  11. 【請求項11】制御対象とする広域の道路交通空間に信
    号パラメータを変化させ得る少くとも1台の交通信号機
    を含む複数の交通信号機が設置されている交通空間の交
    通信号機の制御装置において、 前記交通空間内の交通センサーからの交通情報を取り込
    む信号入力手段と、複数の交通信号機の動作し得る信号
    パターンの組合せに対し、一定時間後の交通状況を予測
    する交通予測手段と、前記交通情報と前記交通空間内全
    体の交通に関する目的関数に基づいて、該目的関数値を
    求めて評価し、優先順位による信号制御指令を決定する
    信号制御装置と、該制御指令を前記交通信号機に出力す
    る信号出力手段とを具備することを特徴とする交通信号
    制御装置。
  12. 【請求項12】対象とする広域の交通空間内での車輌の
    数及び速度、交通信号機の状態等の交通情報を実時間で
    検知するセンサーと、複数の交通信号機の動作し得る信
    号パターンの組合せに対し、一定時間後の交通状況を予
    測する交通予測手段と、前記交通信号機の信号制御指令
    を出力する信号入出力装置と、前記交通信号機の制御に
    おける制御条件及び前記交通空間内全体の交通に関する
    目的関数を入力する入力装置と、前記交通信号機の信号
    制御に必要な情報を受信し前記目的関数値を求めて評価
    し、優先順位によって制御指令を決定し出力する信号制
    御装置と、決定された前記制御結果及びその評価を表示
    する出力装置とを備えたことを特徴とする交通信号制御
    装置。
  13. 【請求項13】請求項10ないし12のいずれかに記載
    の交通信号制御装置において、前記信号制御装置は、与
    えられた信号パターンの組合せに遺伝的な処理を加える
    ことにより前記目的関数値を求めて評価し、優先順位に
    よって制御指令を求める遺伝的最適化手段を有すること
    を特徴とする交通信号制御装置。
  14. 【請求項14】請求項10ないし12のいずれかに記載
    の交通信号制御装置において、前記目的関数は、前記交
    通空間内全体の交通エネルギーに関するものであり、該
    交通エネルギーを最大にする交通信号機の制御案を前記
    交通信号機の制御出力とすることを特徴とする交通信号
    制御装置。
  15. 【請求項15】請求項10ないし12のいずれかに記載
    の交通信号制御装置において、前記信号制御装置は、入
    力情報を取込む入力装置制御ユニットと、出力情報を出
    力する出力装置制御ユニットと、定数あるいは変数を記
    憶する共有メモリーと、信号制御装置全体を制御するセ
    ルプロセッサ超並列制御ユニットと、前記共有メモリー
    及び超並列制御ユニットに接続され同一時間でのそれぞ
    れの処理を実行できる複数の処理装置とにより構成され
    ることを特徴とする交通信号制御装置。
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