JPH07129882A - 道路交通信号制御適正化装置、およびそれを用いた道路交通流管制システム - Google Patents

道路交通信号制御適正化装置、およびそれを用いた道路交通流管制システム

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JPH07129882A
JPH07129882A JP27241493A JP27241493A JPH07129882A JP H07129882 A JPH07129882 A JP H07129882A JP 27241493 A JP27241493 A JP 27241493A JP 27241493 A JP27241493 A JP 27241493A JP H07129882 A JPH07129882 A JP H07129882A
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road
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幸夫 後藤
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喜代俊 駒谷
Shiro Hikita
志朗 匹田
Masafumi Iwata
雅史 岩田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 想定交通流に対して最適な交通流管制がで
き、同時にサイクル、スプリット、オフセットの最適化
が可能な道路交通流管制システム、およびそれに用いる
道路交通信号制御適正化装置を得る。 【構成】 道路網上を走行する車両の想定交通流を設定
する手段、信号制御の方法を設定する手段、信号制御最
適化問題としての諸条件や制約、評価指標を設定する手
段、最適化問題の最適解を探索する手段、この最適解の
探索手段によって生成された制御変数を評価する手段、
および観測可能な交通量データから交通流を推定する手
段を備えた道路交通信号制御適正化装置と、そのような
道路交通信号制御適正化装置を用いた道路交通流管制シ
ステム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、平面交差する道路網
における交通流を最適に制御するための道路交通流管制
システム、およびそれに用いられる道路交通信号制御適
正化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19は道路交通流管制システムにおけ
る十字路の信号現示を示す説明図であり、図中のA1お
よびA2がその現示である。道路交通流管制システムで
は、交通信号機を制御することによって道路交通の安全
と円滑化をはかっている。平面交差する交差点におい
て、通行権が与えられている交通流または同時に通行権
が与えらている交通流の一群を前述の“現示”と呼んで
おり、一般の十字路では図19に示すような現示A1と
現示A2が交互に繰り返されている。ここで、各現示A
1,A2に通行権を与える時間を決定する信号の制御変
数としては、以下の3つがある。
【0003】(1) サイクル:青、黄、赤信号または
これに代る一連の信号表示が一巡するのに要する時間 (2) スプリット:1サイクル中に各現示に割り当て
られる時間配分 (3) オフセット:隣接する交差点間の青信号開始時
間のずれ
【0004】なお、このような制御変数を適切に設定す
る方法としては様々なものが提案されいる。例えば、サ
イクル、スプリットの設定にはウェブスター(Webs
ter)の方法が、またオフセットの設定には最大通過
帯幅法やTRANSYT(トラフィック・ネットワーク
・スタディー・ツール(Traffic Networ
k Study tool))の方法などが広く使われ
ている。
【0005】上記ウェブスターの方法は、車両の交差点
への到着流を一様到着にポアソン到着が加わったものと
仮定した上で、スプリットは各現示の飽和度に比例配分
し交差点全体の総遅れを最小にする最適サイクルCを、
以下の式によって設定する方法である。
【0006】C=(1.5L+5)/(1−Y) Y:交差点の飽和度 L:交差点の損失時間(1周期中の黄時間+クリアラン
ス時間)
【0007】なお、この方法の詳細は、例えば「交通信
号の制御技術」((社)交通工学研究会,昭和58年発
行)に記載されている。
【0008】また、最大通過帯幅法は、図20に示すよ
うな幹線道路を無停止で通過できる通過帯幅を最大にす
るオフセットを設定する方法であり、その詳細は例えば
「オペレーション リサーチ(Operation R
esearch)」の第12巻 第6号 第869〜9
12頁に掲載されている「シンクロナイジング トラフ
ィック シグナルズ フォー マキシマル バンドワイ
ズ(Synchronizing Traffic S
ignals for Maximal Bandwi
dth)」に記載されている。
【0009】さらに、TRANSYTの方法は、系統に
おける車群の伝播をシミュレーションすることによっ
て、交差点流入部に到着する車群と信号現示より待ち行
列を計算し、遅れ時間と停止台数の加重和を最小とする
オフセットを山登り法で求める方法であり、例えば「交
通信号の制御技術」((社)交通工学研究会,昭和58
年発行)に記載されている。
【0010】また、これらの他にも、系統における車群
の伝播をシミュレーションして最適なオフセットを設定
する方法には、例えば1986年7月発行の「土木学会
論文集」の第371号/IV−5 第125〜132頁
に掲載された「DPによる系統信号の遅れ最小化制御と
通過帯幅最大化制御」に記載されているように、交通流
を矩形波を使ったモデルで表すことにより遅れ時間を算
出し、ダイナミックプログラミング法を用いて最適オフ
セットを求める方法などがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の道路交通流管制
システムは以上のように構成されているので、信号制御
変数の最適化が、交通流の定常的な現象をモデル化した
ものや、矩形波などの簡略化したモデルを用いて行われ
ており、そのため、現実のダイナミックに変動する交通
に対応できなかったり、秒単位の信号現示時間の変化が
交通流に及ぼす影響を正確に評価することができず、サ
イクル、スプリット、およびオフセットの同時最適化を
行うことは不可能であるばかりか、観測される交通量デ
ータから信号制御を行っているため、より効率的な制御
を行うためには交通流データが必要となるなどの問題点
があった。
【0012】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、秒単位の信号制御の変更の影響
を正確に評価することによって想定交通流に対して最適
な交通流管制をすることができ、またサイクル、スプリ
ット、オフセットを同時に最適化することができ、さら
には観測可能な交通量データから交通流を推定して推定
交通流に対して最適な交通流管制を行うことができる道
路交通流管制システムと、それに用いられる道路交通信
号制御適正化装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る道路交通信号制御適正化装置は、道路網上を走行す
る車両の想定交通流を設定する交通流設定手段、信号制
御の方法を設定する信号制御方法設定手段、信号制御最
適化問題としての制御変数や評価指標を設定する最適化
問題設定手段、信号制御最適化問題の最適解を探索する
最適解探索手段、およびこの最適解探索手段において生
成された制御変数を評価する制御変数評価手段を備えた
ものである。
【0014】また、請求項2に記載の発明に係る道路交
通信号制御適正化装置は、制御変数評価手段が道路網に
おける車両1台1台の動きと信号制御システムをシミュ
レートすることによって、最適化問題設定手段にて評価
指標として設定された、平均遅れ時間、平均旅行時間、
平均停止時間、平均停止回数、平均待ち台数等の評価値
を算出するものである。
【0015】また、請求項3に記載の発明に係る道路交
通信号制御適正化装置は、信号の制御方法を系統制御に
設定して、系統制御エリア内の共通サイクルと各交差点
のスプリットとオフセットを同時に最適化するものであ
る。
【0016】また、請求項4に記載の発明に係る道路交
通信号制御適正化装置は、信号の制御方法を系統制御と
設定するとともに、各交差点のスプリットを設定して、
共通サイクルとオフセットを同時に最適化するものであ
る。
【0017】また、請求項5に記載の発明に係る道路交
通信号制御適正化装置は、信号の制御方法を系統制御と
設定するとともに、共通サイクルを設定して、各交差点
のスプリットとオフセットを同時に最適化するものであ
る。
【0018】また、請求項6に記載の発明に係る道路交
通信号制御適正化装置は、信号の制御方法を系統制御と
設定するとともに、各交差点のスプリットとオフセット
を設定して、系統制御エリア内の共通サイクルを最適化
するものである。
【0019】また、請求項7に記載の発明に係る道路交
通信号制御適正化装置は、信号の制御方法を系統制御と
設定するとともに、共通サイクルと各交差点のオフセッ
トを設定して、各交差点のスプリットを最適化するもの
である。
【0020】また、請求項8に記載の発明に係る道路交
通信号制御適正化装置は、信号の制御方法をサイクルお
よびオフセットを固定してスプリットを周期毎に変更す
るものに設定するとともに、サイクルとオフセットを設
定して、スプリットの時系列を最適化するものである。
【0021】また、請求項9に記載の発明に係る道路交
通流管制システムは、交通状況を監視する交通状況監視
装置と、その監視情報から現在の交通状態を設定する交
通状況設定手段とを備え、設定された道路交通状況を道
路交通信号制御適正化装置に入力して、想定された交通
流に対して信号の制御を最適化するものである。
【0022】また、請求項10に記載の発明に係る道路
交通流管制システムは、交通流の迂回路(2次経路)を
設定する2次経路設定手段と、その2次経路を利用した
車両の旅行時間が改善される限界交通量を探索する2次
経路限界交通流探索手段を備え、この2次経路限界交通
流探索手段の探索した限界交通量を受けた道路交通信号
制御適正化装置が推奨経路、予測旅行時間、推奨速度な
どの情報を交通情報提供装置より運転者に提供して、車
両の2次経路への経路誘導を行うとともに、2次経路優
先信号制御を行うものである。
【0023】また、請求項11に記載の発明に係る道路
交通流管制システムは、交通量検出部で検出された交通
量データから、道路交通信号制御適正化装置の交通流設
定手段で設定する想定交通流を推定する交通流推定部を
設け、推定された交通流に対して信号制御を最適にする
ものである。
【0024】また、請求項12に記載の発明に係る道路
交通流管制システムは、予め用意した多数の交通流パタ
ーンと交通量との関係を学習して交通流推定部を適切な
ものに構築し、その交通流推定部の補正を、過去の交通
量データと交通流推定値および渋滞長、通過速度などの
制御結果から学習によって行う推定機構構築部を設けた
ものである。
【0025】また、請求項13に記載の発明に係る道路
交通流管制システムは、各交差点について最適なサイク
ル、スプリットを計算する道路交通信号制御適正化装置
を交差点毎に配し、系統制御エリア内の共通サイクルと
スプリットを最適化する道路交通信号制御適正化装置を
交通管制センターに配置したものである。
【0026】
【作用】請求項1に記載の発明における制御変数評価手
段は、道路網における車両1台1台のミクロな動きをシ
ミュレートすることにより、信号制御変数の評価を行う
ので秒単位での制御変数の変更の影響を正確に評価し、
また、複数の制御変数を同時に最適化して、効率的な信
号制御が行えるようにするとともに、観測された交通量
データから交通流を推定して、推定交通流に対して最適
な交通流管制を行うことを可能とする。
【0027】また、請求項2に記載の発明における最適
化問題設定手段は、信号制御の評価指標として、平均遅
れ時間、平均旅行時間、平均停止時間、平均停止回数、
平均待ち台数などを採用し、制御変数評価手段は、道路
網における車両1台1台の動きと信号制御システムをシ
ミュレートすることにより、この最適化問題設定手段に
て設定された評価指標の評価値を算出する。
【0028】また、請求項3に記載の発明における道路
交通信号制御適正化装置は、信号制御方法設定手段にお
いて系統制御と設定することにより、系統制御エリア内
の共通サイクルと各交差点のスプリットとオフセットを
同時に最適化する。
【0029】また、請求項4に記載の発明における道路
交通信号制御適正化装置は、信号制御方法設定手段にお
いて系統制御と設定し、最適化問題設定手段において各
交差点のスプリットを設定することにより、系統制御エ
リア内の共通サイクルとオフセットを同時に最適化す
る。
【0030】また、請求項5に記載の発明における道路
交通信号制御適正化装置は、信号制御方法設定手段にお
いて系統制御と設定し、最適化問題設定手段において共
通サイクルを設定することにより、各交差点のスプリッ
トとオフセットを同時に最適化する。
【0031】また、請求項6に記載の発明における道路
交通信号制御適正化装置は、信号制御方法設定手段にお
いて系統制御と設定し、最適化問題設定手段において各
交差点のスプリットとオフセットを設定することによ
り、系統制御エリア内の共通サイクルを最適化する。
【0032】また、請求項7に記載の発明における道路
交通信号制御適正化装置は、信号制御方法設定手段にお
いて系統制御と設定し、最適化問題設定手段において共
通サイクルと各交差点のオフセットを設定することによ
り、各交差点のスプリットを最適化する。
【0033】また、請求項8に記載の発明における道路
交通信号制御適正化装置は、信号制御方法設定手段にお
いてサイクルとオフセットを固定してスプリットを周期
毎に変更する制御方法に設定し、最適化問題設定手段に
おいてそのサイクルとオフセットを設定することによ
り、スプリットの時系列を最適化する。
【0034】また、請求項9に記載の発明における道路
交通信号制御適正化装置は、交通状況を監視する交通状
況監視装置からの監視情報より、交通状況設定手段によ
って設定され道路交通状況のもとで、想定された交通流
に対して信号の制御を最適化する。
【0035】また、請求項10に記載の発明における道
路交通信号制御適正化装置は、2次経路設定手段にて設
定された2次経路を利用したとき、旅行時間が改善され
る限界交通量を探索する2次経路限界交通流探索手段か
らの限界交通量を受けて、交通情報提供装置より運転者
に対して、推奨経路、予測旅行時間、推奨速度などの情
報を提供して、車両の2次経路への経路誘導を行うとと
もに、2次経路優先信号制御を行うことにより、交通流
をより円滑化する。
【0036】また、請求項11に記載の発明における道
路交通信号制御適正化装置は、道路網の交通量を検出し
ている交通量検出部で検出された交通量データから、交
通流推定部が推定した想定交通流をその交通流設定手段
に設定することにより、推定された想定交通流に対する
信号制御を最適なものとする。
【0037】また、請求項12に記載の発明における推
定機構構築部は、予め用意した多数の交通流パターンと
交通量との関係を学習することにより、交通流推定部を
適切なものに構築し、さらに、過去の交通量データと交
通流推定値および渋滞長、通過速度などの制御結果か
ら、学習によってその交通流推定部を補正する。
【0038】また、請求項13に記載の発明における道
路交通流管制システムは、交差点毎に配置した道路交通
信号制御適正化装置にて各交差点について最適なサイク
ルとスプリットを計算し、交通管制センターに配置した
道路交通信号制御適正化装置にて制御エリア内の共通サ
イクルとスプリットを最適化することにより、信号制御
適正化の分散処理を可能とする。
【0039】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図について説明
する。図1は請求項1〜8に記載した発明の一実施例に
よる道路交通信号制御適正化装置の構成を示すブロック
図である。図において、1は道路交通システムにおける
平面交差する任意の道路網を設定する道路網設定手段で
あり、2は道路交通システムにおける道路網の想定交通
流を設定する交通流設定手段である。3は道路交通信号
制御システムにおける信号の制御方法を設定する信号制
御方法設定手段であり、4は信号制御最適化問題として
の最適化する制御変数、諸条件、制約、評価指標などを
設定する最適化問題設定手段である。
【0040】5は最適化問題設定手段4にて設定された
最適化問題の最適解を探索する最適解探索手段であり、
例えば、信号制御最適化問題の制御変数集団(世代)を
生成する制御変数集団生成手段5A、この制御変数集団
生成手段5Aにおいて生成された制御変数集団の中から
相対的な評価値が高い制御変数を選択する制御変数選択
手段5B、およびこの制御変数選択手段5Bで選択され
た制御変数を保存する制御変数保存手段5Cから構成さ
れている。
【0041】6はこの最適解探索手段5で生成された制
御変数によって制御された交通流の評価を算出する制御
変数評価手段である。
【0042】また、7は前記道路網設定手段1、交通流
設定手段2、信号制御方法設定手段3、最適化問題設定
手段4、最適解探索手段5、および制御変数評価手段6
よりなる道路交通信号制御適正化装置であり、8はこの
道路交通信号制御適正化装置7が接続されている中央制
御機、9はこの中央制御機8に接続された複数の地域制
御機である。
【0043】図2は前記交通流設定手段2において設定
する想定交通流データの一例を示した説明図である。こ
の例のように、交通流データは単位時間に発生する交通
量と経路情報から成り立っている。この例では、経路は
通過交差点の番号を順に並べたものであり経路情報は発
生した車両の経路選択の割合を示している。
【0044】なお、信号の制御方法には地点制御と系統
制御がある。系統制御は隣接する交差点の信号機と連動
させて制御する方法であり、一般に同一系統内の信号機
は同一周期(共通サイクル)で運用される。この場合、
共通サイクルと各交差点のスプリットとオフセットが制
御変数となる。これに対して地点制御は、個々の交差点
の信号機を独立して運用する方法であり、各交差点のサ
イクルとスプリットが制御変数となる。
【0045】最適化問題設定手段4では、信号制御方法
設定手段3によって設定された信号制御方法に必要な制
御変数の中から最適化すべき制御変数を選択したり、制
約条件や評価指標を設定する。
【0046】例えば、信号制御方法設定手段3において
地点制御を設定して1交差点の信号制御最適化する場
合、最適化問題設定手段4においてサイクルおよびスプ
リットを最適化する制御変数として設定することによっ
て、サイクルとスプリットを同時に最適化することがで
きる。
【0047】また、信号制御方法設定手段3において系
統制御を設定し、最適化問題設定手段4において共通サ
イクルと、各交差点のスプリットおよびオフセットを最
適化する制御変数として設定することによって、共通サ
イクル、スプリット、およびオフセットを同時に最適化
することができる。
【0048】また、最適化問題設定手段4においてスプ
リットを設定し、最適化する制御変数として共通サイク
ルとオフセットを設定することによって、共通サイクル
とオフセットを同時に最適化することができる。
【0049】また、最適化問題設定手段4においてオフ
セットを制限速度を守って走行した場合に無停止で通過
できるように設定し、最適化する制御変数として共通サ
イクルとスプリットを設定することによって、共通サイ
クルとスプリットを同時に最適化することができる。
【0050】また、最適化問題設定手段4において各交
差点のスプリットとオフセットを設定し、最適化する制
御変数として共通サイクル設定することによって、系統
エリア内の共通サイクルを最適化することができる。
【0051】さらに、最適化問題設定手段4において共
通サイクルとオフセットを設定し、最適化する制御変数
として各交差点のスプリットを設定することによって、
各交差点のスプリットを最適化することができる。
【0052】なお、最適化問題設定手段4において設定
できる制御変数の制約には、例えば最大サイクル、最小
サイクルなどがある。また、制御変数の評価指標として
は例えば、平均旅行時間、平均遅れ時間、平均停止時
間、平均停止回数、通過台数、平均待ち行列長、最大通
過帯幅などが設定できる。
【0053】次に動作について説明する。ここで、図3
はこの実施例1に係る道路交通信号制御適正化装置7の
動作を示すフローチャートである。この図3において、
まずステップST1でシステムを起動した後、ステップ
ST2からステップST4にて道路網設定手段1、交通
流設定手段2、信号制御方法設定手段3によって最適化
しようとする道路交通システムにおける道路網、想定交
通流、信号制御方法を設定する。次にステップST5に
おいて、最適化問題設定手段4によって信号制御最適化
問題としての最適化する変数、制約条件、評価指標を設
定する。
【0054】次に、ステップST6で制御変数集団生成
手段5Aによって制御変数保存手段5Cに保存されてい
る制御変数から新しい制御変数集団を生成する。制御変
数保存手段5Cに制御変数が保存されていない場合(初
期状態)は、乱数を用いて制約条件を満足する制御変数
を設定された数(集団サイズ)だけ生成したものを初期
集団とする。次にステップST7において、制御変数集
団生成手段5Aによって生成された制御変数の評価を制
御変数評価手段6で行う。この制御変数評価手段6は、
道路網における車両1台1台のミクロな動きと信号制御
システムをシミュレーションすることによって評価値を
算出する。なお、この制御変数評価手段5には、例えば
特願平5−72794号「道路交通管制シミュレーショ
ン装置」の明細書および図面に記載されているものなど
が用いられる。
【0055】さらに、ステップST8で制御変数選択手
段5Bによって、制御変数集団内の制御変数の相対評価
を適応度として計算するとともに、制御変数保存手段5
Cに保存されている前世代の制御変数と比較し、ステッ
プST9で制御変数保存手段5Cに保存すべき制御変数
の選択を行う。最後にステップST10において、制御
変数選択手段5Bによって選択された制御変数を制御変
数保存手段5Cに保存する。
【0056】以下、このステップST6からステップS
T10までの処理を十分に繰返すことによって、生物の
進化を模倣した最適化が行われ、最適な制御変数が制御
変数保存手段5Cに保存されてゆく。なお、ステップS
T7における制御変数の評価は、各制御変数別に複数の
プロセッサで分散して並列的に処理することが可能であ
る。
【0057】次に、制御変数集団生成手段5Aにて新し
い制御変数集団を生成する動作、即ち、図3にステップ
ST6で示した処理の詳細について説明する。図4はそ
の動作の流れを示すフローチャートであり、まずステッ
プST11において、制御変数保存手段5Cに保存され
ている制御変数集団中から、制御変数の適応度を考慮し
た確率によって制御変数のペアを作成する。なお、この
ペア作りに採用されなかった制御変数は結果として淘汰
されることになる。
【0058】次いでステップST12において、各制御
変数のペア(親ペア)に対して変数の組み替え(交叉)
を行い、新たな制御変数ペア(子ペア)を作成する。こ
こで、交叉する位置は確率的に決められる。さらにステ
ップST13において、制御変数の一部をある微小な確
率によって突然変異させる。
【0059】ここで、図5は上記交叉あるいは突然変異
によって親ペアから子ペアの作成が行われる道路網の一
例を示す説明図であり、図6は制御変数の交叉によっ
て、また図7は交叉後さらに制御変数の突然変異によっ
て、親ペアから子ペアを生成する方法の一例を示す説明
図である。この例では図5に示す道路網に対して系統制
御を行い、系統エリア内の共通サイクルと各交差点のス
プリットとオフセットを最適化するものとする。
【0060】図6において、X1(t)は、共通サイク
ル58[秒],交差点#1に対してスプリット67
[%],オフセット10[秒],交差点#2に対してス
プリット60[%],オフセット5[秒],交差点#3
に対してスプリット70[%],オフセット2[秒]で
あることを示し、X2(t)は、共通サイクル70
[秒],交差点#1に対してスプリット60[%],オ
フセット40[秒],交差点#2に対してスプリット5
8[%],オフセット5[秒],交差点#3に対してス
プリット45[%],オフセット15[秒]であること
を示している。
【0061】なお、制御変数集団生成手段5Aにて親ペ
アとして図6に示したX1(t)とX2(t)が選択さ
れ、その3番目と4番目の制御変数の間で変数の交叉が
発生し、さらにX2(t+1)の最後の制御変数が突然
変異を起こした場合、図7のようなX1(t+1)、X
2(t+1)が生成される。このような方法で新たな制
御変数集団を生成すると、交叉によって親ペアの良い形
質(部分変数)が子ペアに継承(遺伝)される。また、
突然変異によって局所的なランダム探索が行われるので
局所解から容易に脱却することができる。
【0062】なお、この実施例1によれば、制御変数評
価手段6によって道路網における車両1台1台の動きを
詳細にシミュレートし、信号制御変数の秒単位の変更が
道路交通に与える影響を精度よく評価することによっ
て、最適な信号制御変数を求めることが可能となり、想
定交通流に対して最適な交通流管制を行うことができ
る。また、ダイナミックに変動する交通流に対して最適
な信号制御変数を求めることもでき、さらにはサイク
ル、スプリット、オフセットを様々な組み合せで同時に
最適化することが可能となる。
【0063】また、最適化問題設定手段4において設定
された評価指標を基準にして制御変数を制御変数保存手
段5Cに保存するので、様々な評価指標に対する最適制
御変数を求めることができる。
【0064】さらに、複数の制御変数からなる制御変数
集団において、変数ペアの交叉、突然変異によって新た
な制御変数集団を生成し、生物の進化を模倣した最適化
が進行するので、局所解に陥ることなく最適解を求める
ことができる。また、制御変数の評価を各制御変数別に
並列的に処理することによって高速に最適化することも
可能となる。
【0065】実施例2.次に、この発明の実施例2とし
て、時々刻々と変動する交通流に対しスプリットを毎周
期変更することによって制御する場合について説明す
る。なお、ここでは、例えばサイクルとオフセットは一
定のもとで、スプリットだけを毎周期変更する場合につ
いて説明する。この場合、制御変数集団生成手段5Aに
よって生成される制御変数は、各交差点のスプリットの
時系列を並べた以下の式で示すようなものである。
【0066】 X(t)=[78,76,67,....,23,3
4,45,....,45,36,56,....]
【0067】この例の場合、図5に示すような道路網に
対して、その交差点#1に対してスプリットを78
[%],76[%],67[%],.....、交差点
#2に対しては23[%],34[%],45
[%],.....、交差点#3に対しては45
[%],36[%],56[%],.....と、各サ
イクルごとに順に変更することを示している。
【0068】この実施例2によれば、実施例1で説明し
たように、制御変数評価手段6が道路網における車両1
台1台のミクロな動きと信号制御システムをシミュレー
ションすることによって評価値を算出するので、実施例
1と同様な方法によりこのような制御変数の最適化を行
うことが可能であり、絶えず変動する交通流に対して最
適な交通流管制を行うことができる。
【0069】実施例3.次に、この発明の実施例3を図
について説明する。図8は請求項9に記載した発明の一
実施例による道路交通流管制システムを示すブロック図
である。図において、1は道路網設定手段、2は交通流
設定手段、3は信号制御方法設定手段、4は最適化問題
設定手段、5は最適解探索手段、5Aは制御変数集団生
成手段、5Bは制御変数選択手段、5Cは制御変数保存
手段、6は制御変数評価手段、7は道路交通信号制御適
正化装置、8は中央制御機、9は地域制御機であり、図
1に同一符号を付して示したものと同一、もしくは相当
部分であるためその説明を省略する。また、10は車両
感知器、テレビカメラ、航空機などによる交通状況監視
装置であり、11は交通状況監視装置10からの情報よ
り現在の道路交通状況を設定する交通状況設定手段であ
る。
【0070】この実施例3によれば、交通状況設定手段
11によって交通状況監視装置10で観測された渋滞長
(待ち台数)、各交差点間に存在している車両台数、平
均速度などの現在の道路交通状態を初期条件として設定
する。例えば、航空写真のデータを読み込むことにより
車両の位置を正確に設定できる。この道路交通状況設定
手段11によって設定された交通状況を初期条件とし
て、道路交通信号制御適正化装置7は、想定交通流に対
する最適な信号制御を実施例1と同様な方法にて決定
し、現在の交通状況と今後の想定交通流に対して最適な
交通流管制を行うものである。
【0071】実施例4.次に、この発明の実施例4を図
について説明する。図9は請求項10に記載した発明の
一実施例による道路交通流管制システムを示すブロック
図であり、相当部分には図8と同一符号を付してその説
明を省略する。図において、12は道路管理者が車両の
運転者に交通情報を提供する、道路情報板、所要時間表
示板、推奨速度表示板、道路交通情報ラジオ、路車間通
信が可能なナビゲーションシステムなどの交通情報提供
装置である。13は交通流の迂回路(2次経路)を設定
する2次経路設定手段であり、14はその2次経路を利
用した車両の旅行時間が改善される限界交通量を探索す
る2次経路限界交通流探索手段である。
【0072】次に動作について説明する。ここで、自然
渋滞、あるいは交通事故や道路工事などによる渋滞が起
こったことが交通状況監視装置10によって判断された
場合、または道路工事が予定されている場合や交通事故
発生時などで渋滞が予測されている場合には、迂回路と
しての2次経路を指示して渋滞を緩和することが交通の
円滑化には大変効果的である。また、ある目的地に対し
て複数の経路が存在している場合には、推奨経路を指示
し道路交通を分散させることによって交通を効率的に管
制することができる。この場合、2次経路を通ることに
よって旅行時間が短縮されなければならないが、あまり
多くの車両を誘導すると旅行時間が短縮されない可能性
もでてくる。この実施例4では、このような旅行時間が
短縮される2次経路の限界交通量を算出することによっ
て、効率的な経路誘導を行うとともに、2次経路優先信
号制御を行うものである。
【0073】そのため、まず、2次経路設定手段13に
おいて2次経路の設定を行う。2次経路限界交通流探索
手段14は2次経路設定手段13によって設定された2
次経路に流入させる交通量を探索して、それを道路交通
信号制御適正化装置7の交通流設定手段2に設定する。
例えば、2次経路に流入させる交通量を0(2次経路な
し)から徐々に増やしてゆき、2次経路を通った車両の
旅行時間が2次経路が設定されなかった時より改善され
うる限界交通量を探索し、それを道路交通信号制御適正
化装置7に送る。
【0074】交通流設定手段2に2次経路限界交通流探
索手段14からの検索情報が設定された道路交通信号制
御適正化装置7は、実施例1と同様な方法によって最適
な信号制御を求め、交通情報提供装置13より最適な経
路誘導情報、推奨速度、予測旅行時間などの情報を運転
手に提供することによって、2次経路の交通量が限界交
通量以下になるように経路誘導するとともに、当該2次
経路に対して最適な信号制御、即ち2次経路優先信号制
御を行う。
【0075】以上のような経路誘導とともに2次経路優
先信号制御を行うことにより、交通流を分散させること
が可能となって渋滞を緩和することができ、交通流をよ
り円滑に管制することができる。
【0076】実施例5.次に、この発明の実施例5を図
について説明する。図10はこの実施例5にて交通流の
管制が行われる幹線道路をモデル的に示した説明図であ
る。この図10においては、交差点#1の出入口を地点
#1〜地点#4、交差点#2の出入口を地点#5〜地点
#8、交差点#3の出入口を地点#9〜地点#12とそ
れぞれ表記している。これら各交差点の出入口に車両感
知器が設置されている場合、以下のような交通量データ
Gが測定できる。
【0077】交通量データ:G=(Nin,Nout ) Nin :各流入地点の流入台数 Nout :各流出地点の流出台数
【0078】シミュレーションによって信号制御変数を
最適化する場合には、上記のような交通量データGだけ
では不十分であり、以下のような交通流データが必要と
される。なお、この交通流データTは交通量データGと
経路情報から生成できる。
【0079】交通流データ:=(T12,T13,...,
ij,...) Tij:所定時間にi地点から流入してj地点に流出する
車両台数
【0080】また、この交通量データGとは別に、制御
結果に関しては例えば以下のデータEが観測可能であ
る。
【0081】制御結果:E=(v,l) v:地点通過速度 l:渋滞長
【0082】ここで、交通量データGから正確な交通流
データTを直接求めることは困難である。そこで、この
実施例5では近似的な方法で交通流データTを求めるこ
とにする。即ち、まず、予め想定される多数の(原理的
にはあらゆる)交通流パターンを用意して、各交通流に
対して一定の制御パラメータのもとで制御を行ったとき
に生成される交通量データGと制御結果Eをシミュレー
ションにより求めておく。これによりいくつかの[交通
量,交通流パターン]と[交通流パターン,制御結果]
の関係を得ることができる。
【0083】そして、前記[交通量,交通流パターン]
の関係をまずニューラルネットワーク(以下NNと記
述)により表現することを考える。そこで、例えば図1
1に示すような多層型NNを用意して、入力側には交通
量データG、出力側にはその交通量データGを生成した
交通流パターンを教師データとして学習を行う。その結
果、このNNはある交通量データGを入力したとき、用
意した交通流パターンのうち、入力された交通量データ
Gを生成した交通流に最も類似したものを出力するよう
になる。したがって、十分な数の交通流パターンを用意
して学習を行っておけば、ある交通量データGに対して
それを生成する交通流、または少なくとも非常に類似し
た交通流を得ることができる。なお、図11において、
15AはそのNNであり、15Bは交通量データGをこ
のNN15Aに入力できる形式に変換するデータ変換部
である。
【0084】また、場合によっては複数の異なる交通流
パターンから同じ交通量データGが生成される場合もあ
る。しかし、交通流が異なれば一定の制御パラメータの
もとでの制御結果は異なるので、[交通流,制御結果]
の関係を利用すれば、同じ交通量データGを生成する交
通流パターンのなかから選別することができる。さら
に、前もって用意した交通流パターンに対しては、実施
例1で説明したように最適な制御パラメータを設定する
ことが可能である。したがって、交通量データGから交
通流の推定ができれば、自動的に最適な制御パラメータ
の設定を行うことは可能である。
【0085】以下、上記概念を実現するための実施例を
図について説明する。図12は請求項11および12に
記載した発明の一実施例による道路交通流管制システム
を示すブロック図であり、相当部分には図1と同一の符
号を付してその説明を省略する。図において、16は車
両感知器などの交通量検出部であり、17はこの交通量
検出部16が検出した交通量のデータをもとに統計処理
を行って、制御当日の所定時間帯の交通量(前述の交通
量データG)を予測する交通量予測部である。18は交
通量予測部17において予測された交通量データから、
交通流設定手段2への交通流(前述のT)を推定する交
通流推定部であり、19はこの交通流推定部18の持つ
推定手段を学習により設定あるいは補正する推定機構構
築部である。
【0086】また、前記交通流推定部18は図示のよう
に、交通流判別手段18A、交通流推定手段18B、お
よび交通流パターン記憶手段18Cから構成されてお
り、さらにその交通流判別手段18Aは前に説明した図
11に示すような、NN15Aとデータ変換部15Bを
含んだ構成となっている。また前記推定機構構築部19
も図示のように、交通流データベース19A、交通流選
択手段19B、および学習手段19Cから構成されてい
る。
【0087】次に動作について説明する。ここで、図1
3はその交通流管制の全体的な動作の流れを示すフロー
チャートである。まず制御を開始するに先だって、交通
流推定部18の推定機能を初期設定しておく必要がある
(ステップST20)。前述のように、この実施例5に
おける交通流の推定は[交通量,交通流]の関係を表現
するNN15Aを用いることによって行われる。したが
って、ここでの推定機能の初期設定は、予め交通流推定
部18内の交通流判別手段18AのNN15Aを適切な
ものに設定しておくことを意味する。その手順の詳細を
図14のフローチャートを用いて説明する。
【0088】まず、予め想定される可能な限り多数の交
通流パターンを設定し、これらに対して各制御パラメー
タのもとでシミュレーションを行い、[交通量,交通流
パターン,制御結果]の関係を求めておく。そしてこれ
らの関係を図15に示すように、交通流パターンに対す
る交通量の関係、および交通流パターンに対する制御結
果の関係として整理し、推定機構構築部19の交通流デ
ータベース19Aに格納しておく(ステップST2
1)。
【0089】このステップST21にて交通流データベ
ース19Aに格納した全ての[交通量,交通流パター
ン]の関係に対して、前述したようにNN15Aに学習
させておくことも考えられるが、あまりに多くのデータ
を学習するためにはNN15Aも同時に膨大なものが必
要になる。これは計算機のメモリーと制御時間の制約か
らいってあまり現実的ではない。そこで、前記交通流デ
ータベース19Aに格納した交通流パターンのうち、互
いに異なる交通量データを生成するもので、道路交通に
おける信号制御に必要十分とみなされる数の交通流パタ
ーンを選択して、それを予め交通流推定部18の交通流
パターン記憶手段18Cに登録しておく(ステップST
22)。
【0090】ここで、この交通流パターン記憶手段18
Cに登録されている交通流パターンには予めインデック
ス(1,....,L L:交通流パターンの数)を付
けておく。また、交通流判別手段18AのNN15Aの
入力層のニューロン数は交通量データの要素数に、出力
層のニューロン数は交通流パターンの数(前述のL)に
予め設定しておく。なお、中間層の数と各中間層のニュ
ーロン数は交差点の数に応じて任意に設定してよい。
【0091】以下学習手段19Cによって、交通流判別
手段18AのNN15Aの設定を行う。即ち、前記交通
流パターン記憶手段18Cに登録されている各交通流パ
ターンと、それから生成される交通量データの関係か
ら、まず教師データの作成を行う(ステップST2
3)。具体的には、交通量データの各要素値をデータ変
換部15BによってNN15Aに入力できる形式に変換
した値X(X=(x1,...,xn),0≦x
1,...,xn≦1,n:交通量データGの要素数)
を入力側の教師データとする。
【0092】また、この交通量データがm番目の交通流
パターン(Tmと表記)から生成されたものであるなら
ば、交通流判別手段18AのNN15Aの出力層の各ニ
ューロンの出力Y(Y=(y1,...,yL),0≦
y1,...,yL≦1)のうち、Tmに対応するもの
の値を1に設定し、それ以外のニューロンの出力を0に
設定したデータ、すなわち以下の式にて示されるデータ
を出力側の教師データとする。
【0093】yi=1(if i=m) yi=0(if i≠m)
【0094】続いて、作成された教師データを用いて例
えば周知のバック・プロパゲーション(Back Pr
opagation)法によって学習を行い、交通流判
別手段18AのNN15Aを調整する(ステップST2
4)。以上のステップST23およびST24の手順
は、ステップST25において交通流パターン記憶手段
18Cに登録されている全ての交通流パターンに対して
処理が終了したと判定されるまで繰り返される。
【0095】以上の手順により学習を行い、交通流判別
手段18AのNN15Aを適切なものに設定しておけ
ば、NN15Aの一般的な性質から、任意の交通量デー
タが入力されたとき、その交通量を生成した交通流に類
似した交通流パターンに対応する出力層のニューロンは
大きな値(1に近い値)を出力し、あまり類似しない交
通流パターンに対応する出力層のニューロンは小さな値
(0に近い値)を出力するようになる。つまり、例えば
入力された交通量データが交通流パターンTmに類似し
た交通流から生成されたものであるならば、交通流判別
手段18AのNN15Aでは、交通流パターンTmに対
応した出力層のニューロンのみが1に近似した値を出力
し(ym 1)、その他の出力層のニューロンは0に近
似した値を出力する(yi 0,i≠m)ようになる。
したがって、NN15Aは入力された交通量データを生
成する交通流と各交通流パターンとの類似度を出力する
とみなすことができる。
【0096】以上が交通流推定機能の初期設定(図13
のステップST20)の詳細についての説明である。
【0097】一方、制御当日においては、まず図12の
交通量予測部17が、制御当日の所定時間帯の予測交通
量(前述のG)を予測し、予測された交通量データを交
通流推定部18に伝達する(図13のステップST3
0)。次に交通流推定部18は伝達された交通量データ
から交通流の推定を行う(ステップST40)。以下、
このステップST40による交通流推定の詳細につい
て、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0098】まず、交通量予測部17が予測した交通量
データを交通流判別手段18Aに入力する(ステップS
T41)。続いて、交通流判別手段18Aはそのデータ
変換手段15Bにて交通量データを変換した後、NN1
5Aにて周知のネットワーク演算を行い、出力値y
1,...,yLを交通流推定手段18Bに伝達する
(ステップST42)。
【0099】次に交通流推定手段18Bは伝達された値
y1,...,yLより、入力された交通量データを生
成した交通流に該当する(非常に類似した)交通流パタ
ーンが、交通流パターン記憶手段18Cに存在するかど
うかを判定する(ステップST43)。具体的には、例
えば一定のしきい値hmax とhmin (例えばhmax
0.9,hmin =0.1)を用い、出力y1,...,
yLのうちの一つ、例えばymだけがhmax (0.9)
より大きな値をとり、その他がhmin (0.1)より小
さければ、しきい値hmax より大きな値をとる出力(こ
の場合ym)に対応した交通流パターン(m番目の交通
流パターン:Tm)が該当するものと判定する。その他
の場合は該当する交通流パターンが存在しないものと判
定する。
【0100】もし該当する交通流パターンがあれば、そ
の交通流パターンを推定値として道路交通信号制御適正
化装置7内の交通流設定手段2に伝達する(ステップS
T44)。また、もし該当する交通流パターンが存在し
ないと判定されれば、推定機構構築部19の交通流選択
手段19Bが交通流データベース19Aの中から新たに
交通流パターンを一つ選択し、それを交通流推定部18
内の交通流パターン記憶手段18Cに登録する(ステッ
プST45)。続いて学習手段19Cが図14のステッ
プST23〜ST25と同じ手順を用いて学習を行い、
NN15Aの補正を行う(ステップST46)。
【0101】このステップST45およびST46の手
順は、ステップST43で該当する交通流パターンが存
在すると判断されるまで繰り返される。また、前記ステ
ップST45の新たな交通流パターンの選択方法として
は、交通流データベース19Aの中から、例えば次式の
ように、ステップST41で入力された交通量データと
の距離Gdistが最も近い交通量データを生成する交通流
パターンから順に選択してゆけばよい。
【0102】Gdist=‖G−G’‖2 G :入力された交通量データ G’:交通流パターンの生成する交通量データ
【0103】以上が交通流の推定手順(図13のステッ
プST40)の詳細についての説明である。なお、上記
の図16のフローチャートの各手順において、計算機の
能力が限られている場合は、NN15Aの補正に関する
手順(ステップST43,ST45,ST46)は日常
の制御とは別にまとめて行うこととし、ステップST4
4の交通流パターンの選択は、類似度の最も高い交通流
パターン、すなわちステップST42でのネットワーク
出力値y1,...,yLのうち、最大値に対応する交
通流パターンを選択することにしてもよい。
【0104】このようにして、ある交通流パターンが交
通流推定値として選択されると、最適な信号制御変数を
求めることができ、次にその最適な制御パラメータを設
定する(図13のステップST50)。そして設定され
た制御パラメータのもとで信号が制御される。(ステッ
プST60)。
【0105】また日常の制御とは別に定期的に交通流推
定機能の補正を行う(ステップST70)。この補正は
毎日の制御終了後に行ってもよいし、例えば1週間ごと
といった一定の期間ごとに行ってもよい。以下、この補
正手順の詳細について図17のフローチャートを用いて
説明する。なお、ここでの補正手順は図16のステップ
ST43,ST45,ST46の各手順とは別の手順で
あるが、前述したように計算機の能力に制約がある場合
は、これらステップST43,ST45,ST46の各
手順をこのステップST70に含めてもよい。
【0106】まず、過去に交通量検出部16が検出した
実際の交通量データと、実際に制御を行った結果(制御
結果)をモニターしておき、検出された実際の交通量デ
ータに対してステップST40と同じ手順を用いて交通
流の推定を行っておく。そしてこれら制御結果および推
定された交通流パターンを推定機構構築部19に入力す
る(ステップST71)。そして、これら各[交通流パ
ターン,制御結果]の関係を用いて、交通流推定機能が
妥当なものであったか否かを検証し(ステップST7
2)、妥当でないと判断された場合には交通流パターン
記憶手段18Cの内容を修正する(ステップST7
3)。
【0107】今、推定された交通流パターンの生成する
交通量データが交通量検出部16の検出した交通量デー
タに非常に類似していることは、図16および図17の
各手順の結果保証されている。この推定された交通流パ
ターンは必ず交通流パターン記憶手段18Cに登録され
ている。しかしながら、前述したように交通流データベ
ース19A内には、交通流パターン記憶手段18Cに登
録されていない交通流パターンで同じ交通量データを生
成するものが存在する。そこで、まず図15に示した交
通流データベース19Aから、ステップST40で推定
された交通流パターンと同じ交通量データを生成する交
通流パターンをとり出す。
【0108】例えば、推定された交通流パターンが図1
5の交通流パターン1(以下T1と表記)であったとす
ると、T1と交通流パターン2(以下T2と表記)とは
同じ交通量データa(以下Gaと表記)を生成する。こ
れらT1とT2に対する各制御パラメータのもとでの制
御結果は交通流データベース19Aに記憶されているの
で、これらの中から実際に使用した制御パラメータのも
とでの制御結果(例えば図15の制御結果11(以下E
11と表記)およびと制御結果21(以下E21と表
記))を取り出す。
【0109】そしてこれらE11,E21と現実に観測
された制御結果(以下Eと表記)との比較を行う。ここ
でEとE11,E21の比較には、例えば距離‖E−E
11‖2 ,‖E−E21‖2 とを用いればよい。もし、
T1の制御結果E11がE21よりもEにより類似した
ものであれば、T1を推定値としたことは妥当であった
とステップST72で判断する。もしそうでなければ、
T2を推定値とすべきであったと判断し、ステップST
73で交通流パターン記憶手段18CからT1を削除
し、T2を新たに登録しておく。これらの手順はステッ
プST71で入力された全データに対して処理が終了し
たことが、ステップST47において判断されるまで繰
り返される。
【0110】また毎日の交通流推定の結果、交通流パタ
ーン記憶手段18C内の各交通流パターンが推定値とし
て選択された頻度をモニターしておき、例えば3カ月と
いった長期間選択されなかった交通流パターンは不要な
ものと判断し、交通流パターン記憶手段18Cから削除
する(ステップST75)。
【0111】以上のステップST71〜ST75の手順
は図12の交通流選択手段19Bによって行われる。こ
のステップST71〜ST75の結果、交通流パターン
記憶手段18Cの内容が更新されると、NN15Aの出
力層のニューロン数を新たに交通流パターン記憶手段1
8Cに登録されている交通流パターンに設定したうえ
で、図14のステップST23〜ST25と同じ手順に
て学習手段19Cが学習によりNN15Bを補正し(ス
テップST76)、この交通流推定機能の補正手順(ス
テップST70)を終了する。
【0112】以上の補正手順を実行してゆくことによ
り、常にNN15Aと交通流パターン記憶手段18Cを
適切なものに保持することができ、交通流推定機能の推
定精度を良好に保つことができる。
【0113】以上詳細に説明したように、この実施例5
の交通流推定部18を備えた道路交通流管制システムに
よれば、交通手段に対する交通流を精度よく推定するこ
とができ、この推定した交通流に基づいて最適な制御パ
ラメータを設定するようにしたので、交通手段のサービ
ス性能を著しく向上することができる。
【0114】実施例6.次にこの発明の実施例6を図に
ついて説明する。図18は請求項13に記載した発明の
一実施例による道路交通流管制システムを示すブロック
図である。図において、20は各交差点の地域制御機9
の制御を行う中央制御機8が配置された交通管制センタ
ーであり、これら中央制御機8および各地域制御機9に
はそれぞれ道路交通信号制御適正化装置7が接続されて
いる。ここで、各交差点の地域制御機9に接続された道
路交通信号制御適正化装置7は、各交差点について最適
なサイクルおよびスプリットの計算を行っている。ま
た、交通管制センター20に設置されている中央制御機
8に接続された道路交通信号制御適正化装置7は、系統
制御エリア内の共通サイクルとスプリットの最適化を行
っている。このように信号制御の最適化を交通管制セン
ター20と各交差点とで分散して処理することにより、
高速で故障耐久性に優れた最適信号制御を行うことが可
能となる。
【0115】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、道路網における車両1台1台のミクロな動きと
信号制御システムをシミュレーションするように構成し
たので、信号制御変数の秒単位の変更が道路交通流に与
える影響を精度よく評価することが可能となって最適な
信号制御が行え、想定交通流に対して最適な交通流管制
を行うことができ、また、サイクル、スプリット、オフ
セットを同時に最適化することも可能な道路交通信号制
御適正化装置が得られる効果がある。
【0116】また、請求項2に記載の発明によれば、最
適化問題設定手段にて設定された評価指標を基準にして
道路網における車両1台1台の動きと信号制御システム
をシミュレートするように構成したので、様々な評価指
標に対する最適な制御変数を求めることができる効果が
ある。
【0117】また、請求項3〜8に記載の発明によれ
ば、信号の制御方法と、制御変数の一部とを予め設定し
た状況のもとで、他の制御変数を適正化するように構成
したので、サイクル、スプリットおよびオフセットを様
々な組合せで同時に適正化することができる効果があ
る。
【0118】また、請求項9に記載の発明によれば、交
通情報監視装置の情報から現在の道路交通状態を設定す
る道路交通状況設定手段を設け、現在の道路交通状態を
初期条件として想定交通流に対して最適信号制御を決定
するように構成したので、現在の交通状況と今後の想定
交通流に対して最適な交通流管制を行うことが可能な道
路交通流管制システムが得られる効果がある。
【0119】また、請求項10に記載の発明によれば、
走行中の運転者に交通情報を提供する交通情報提供装置
と交通流の迂回路(2次経路)を設定する2次経路設定
手段と、2次経路を利用した車両の旅行時間が改善され
る限界交通量を探索する2次経路限界交通流探索手段を
備え、運転者に推奨経路、予測旅行時間、推奨速度など
の情報を提供する2次経路への経路誘導とともに2次経
路優先信号制御を行うように構成したので、交通流をよ
り円滑にすることができる道路交通流管制システムが得
られる効果がある。
【0120】また、請求項11および12に記載の発明
によれば、道路交通流を高い精度で推定して、推定した
想定交通量に対して最適な信号制御を行うように構成し
たので、道路交通を著しく円滑にすることができる道路
交通流管制システムが得られる効果がある。
【0121】また、請求項13に記載の発明によれば、
各交差点の地域制御機と交通管制センターにそれぞれ道
路交通信号制御適正化装置を備え、信号制御最適化を分
散して処理するように構成したので、高速で故障耐久性
に優れた最適交通流管制を行うことができる道路交通流
管制システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による道路交通信号制御適
正化装置を示すブロック図である。
【図2】上記実施例における交通流データの一例を示す
説明図である。
【図3】上記実施例の動作の全体的な流れを示すフロー
チャートである。
【図4】上記実施例の制御変数集団生成の動作を示すフ
ローチャートである。
【図5】上記実施例における道路網の構成の一例を示す
説明図である。
【図6】上記実施例における制御変数の交叉を示す説明
図である。
【図7】上記実施例における交叉と突然変異によて生成
された制御変数を示す説明図である。
【図8】この発明の実施例3による道路交通信号制御適
正化装置を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施例4による道路交通流信号制御
適正化装置を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施例5における幹線道路の一例
を示す説明図である。
【図11】上記実施例の交通流判定手段などで用いられ
るNNの一例を示すブロック図ある。
【図12】上記実施例による道路交通流管制システムを
示すブロック図である。
【図13】上記実施例の交通流管制の動作を示すフロー
チャートである。
【図14】上記実施例の交通流推定機能の初期設定手順
を示すフローチャートである。
【図15】上記実施例5における交通流データベースの
内容を示す説明図である。
【図16】上記実施例5の交通流推定の手順を示すフロ
ーチャートである。
【図17】上記実施例の交通流推定機能の補正手順を示
すフローチャートである。
【図18】この発明の実施例6における道路交通流管制
システムの構成を示すブロック図である。
【図19】道路交通信号システムにおける十字路の信号
現示を示す説明図である。
【図20】幹線道路を無停止で通過できる通過帯を示す
説明図である。
【符号の説明】
2 交通流設定手段 3 信号制御方法設定手段 4 最適化問題設定手段 5 最適解探索手段 6 制御変数評価手段 7 道路交通信号制御適正化装置 10 交通状況監視装置 11 交通状況設定手段 12 交通情報提供装置 13 2次経路設定手段 14 2次経路限界交通流探索手段 16 交通量検出部 18 交通流推定部 19 推定機構構築部 20 交通管制センター
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の道路交通流管制
システムは以上のように構成されているので、信号制御
変数の最適化が、交通流の定常的な現象をモデル化した
ものや、矩形波などの簡略化したモデルを用いて行われ
ており、そのため、現実のダイナミックに変動する交通
に対応できなかったり、秒単位の信号現示時間の変化が
交通流に及ぼす影響を正確に評価することができず、サ
イクル、スプリット、およびオフセットの同時最適化を
行うことは不可能であるばかりか、観測される交通量デ
ータから信号制御を行っており、より効率的な制御を行
うためには交通流データが必要となるなどの問題点があ
った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】シミュレーションによって信号制御変数を
最適化する場合には、上記のような交通量データGだけ
では不十分であり、交通流データが必要とされる。こ
交通流データは、例えば以下のように定義でき、交通流
データTは交通量データGと経路情報から生成できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】交通流データ:T=(T12
13,...,Tij,...)ij:所定時間にi地点から流入してj地点に流出する
車両台数
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】ここで、交通量データGから正確な交通流
データTを直接求めることは困難である。そこで、この
実施例5では近似的な方法で交通流を求めることにす
る。即ち、まず、予め想定される多数の(原理的にはあ
らゆる)交通流パターンを用意する。各交通流パターン
は例えば上記交通流データTの形式で定義する。各交通
流に対して一定の制御パラメータのもとで制御を行った
ときに生成される交通量データGと制御結果Eをシミュ
レーションにより求めておく。これによりいくつかの
[交通量,交通流パターン]と[交通流パターン,制御
結果]の関係を得ることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】また、場合によっては複数の異なる交通流
パターンから同じ交通量データGが生成される場合もあ
る。しかし、交通流が異なれば一定の制御パラメータの
もとでの制御結果は異なるので、[交通流パターン,制
御結果]の関係を利用すれば、同じ交通量データGを生
成する交通流パターンのなかから選別することができ
る。さらに、前もって用意した交通流パターンに対して
は、実施例1で説明したように最適な制御パラメータを
設定することが可能である。したがって、交通量データ
Gから交通流の推定ができれば、自動的に最適な制御パ
ラメータの設定を行うことは可能である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】次に動作について説明する。ここで、図1
3はその交通流管制の全体的な動作の流れを示すフロー
チャートである。まず制御を開始するに先だって、交通
流推定部18の推定機能を初期設定しておく必要がある
(ステップST20)。前述のように、この実施例5に
おける交通流の推定は[交通量,交通流パターン]の関
係を表現するNN15Aを用いることによって行われ
る。したがって、ここでの推定機能の初期設定は、予め
交通流推定部18内の交通流判別手段18AのNN15
Aを適切なものに設定しておくことを意味する。その手
順の詳細を図14のフローチャートを用いて説明する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】ここで、この交通流パターン記憶手段18
Cに登録されている交通流パターンには予めインデック
ス(1,....,L L:交通流パターンの数)を付
けておく。また、交通流判別手段18AのNN15Aの
入力層のニューロン数は交通量データの要素数に、出力
層のニューロン数は交通流パターンの数(前述のL)に
予め設定しておく。なお、中間層の数と各中間層のニュ
ーロン数は交差点の数などの道路網の規模に応じて任意
に設定してよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】以上の手順により学習を行い、交通流判別
手段18AのNN15Aを適切なものに設定しておけ
ば、NN15Aの一般的な性質から、任意の交通量デー
タが入力されたとき、その交通量を生成した交通流に類
似した交通流パターンに対応する出力層のニューロンは
大きな値(1に近い値)を出力し、あまり類似しない交
通流パターンに対応する出力層のニューロンは小さな値
(0に近い値)を出力するようになる。つまり、例えば
入力された交通量データが交通流パターンTmに類似し
た交通流から生成されたものであるならば、交通流判別
手段18AのNN15Aでは、交通流パターンTmに対
応した出力層のニューロンのみが1に近似した値を出力
し(ym≒1)、その他の出力層のニューロンは0に近
似した値を出力する(yi≒0,i≠m)ようになる。
したがって、NN15Aは入力された交通量データを生
成する交通流と各交通流パターンとの類似度を出力する
とみなすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 雅史 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社産業システム研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路交通システムにおける平面交差する
    道路網の想定される交通流を設定する交通流設定手段
    と、前記道路網における信号の制御方法を設定する信号
    制御方法設定手段と、前記信号の制御に必要な制御変数
    や評価指標を設定する最適化問題設定手段と、前記最適
    化問題設定手段にて設定された信号制御最適化問題の最
    適解を探索する最適解探索手段と、前記最適解探索手段
    において生成された制御変数による交通流制御結果を評
    価する制御変数評価手段とを備えた道路交通信号制御適
    正化装置。
  2. 【請求項2】 前記最適化問題設定手段にて設定される
    評価指標として、平均遅れ時間、平均旅行時間、平均停
    止時間、平均停止回数、平均待ち台数などを採用し、前
    記制御変数評価手段が前記道路網における車両1台1台
    の動きと信号制御システムをシミュレートすることによ
    って、前記最適化問題設定手段において設定された評価
    値を算出することを特徴とする請求項1に記載の道路交
    通信号制御適正化装置。
  3. 【請求項3】 前記信号制御方法設定手段において前記
    道路網における信号の制御方法を系統制御に設定して、
    信号制御における系統制御エリア内の共通サイクルと各
    交差点のスプリットとオフセットとを同時に最適化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の道路交通信号制御適
    正化装置。
  4. 【請求項4】 前記信号制御方法設定手段において前記
    道路網における信号の制御方法を系統制御に設定し、前
    記最適化問題設定手段において各交差点のスプリットを
    設定して、系統制御エリア内の共通サイクルとオフセッ
    トを同時に最適化することを特徴とする請求項1に記載
    の道路交通信号制御適正化装置。
  5. 【請求項5】 前記信号制御方法設定手段において前記
    道路網における信号の制御方法を系統制御に設定し、前
    記最適化問題設定手段において系統制御エリア内の共通
    サイクルを設定して、各交差点のスプリットとオフセッ
    トを同時に最適化することを特徴とする請求項1に記載
    の道路交通信号制御適正化装置。
  6. 【請求項6】 前記信号制御方法設定手段において前記
    道路網における信号の制御方法を系統制御に設定し、前
    記最適化問題設定手段において各交差点のスプリットと
    オフセットを設定して、系統制御エリア内の共通サイク
    ルを最適化することを特徴とする請求項1に記載の道路
    交通信号制御適正化装置。
  7. 【請求項7】 前記信号制御方法設定手段において前記
    道路網における信号の制御方法を系統制御に設定し、前
    記最適化問題設定手段において系統制御エリア内の共通
    サイクルとオフセットを設定して、各交差点のスプリッ
    トを最適化することを特徴とする請求項1に記載の道路
    交通信号制御適正化装置。
  8. 【請求項8】 前記信号制御方法設定手段において前記
    道路網における信号の制御方法を、サイクルとオフセッ
    トを固定してスプリットを周期毎に変更するものに設定
    し、前記最適化問題設定手段において前記サイクルとオ
    フセットを設定して、前記スプリットの時系列を最適化
    することを特徴とする請求項1に記載の道路交通信号制
    御適正化装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか一項に記載
    の道路交通信号制御適正化装置を用いて、平面交差する
    道路網の交通流を管制する道路交通流管制システムにお
    いて、道路網の交通状況を監視する交通状況監視装置
    と、前記交通状況監視装置からの監視情報より現在の交
    通状態を設定する交通状況設定手段を備え、前記交通状
    況設定手段にて設定された交通状態を前記道路交通信号
    制御適正化装置に送って、信号の制御を想定された交通
    流に対して最適なものにすることを特徴とする道路交通
    流管制システム。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれか一項に記
    載の道路交通信号制御適正化装置を用いて、平面交差す
    る道路網の交通流を管制する道路交通流管制システムに
    おいて、前記道路網を走行中の車両の運転者に対して交
    通情報を提供する交通情報提供装置と、前記交通流の迂
    回路である2次経路を設定する2次経路設定手段と、前
    記2次経路を利用した車両の旅行時間が改善される限界
    交通量を探索する2次経路限界交通流探索手段とを備
    え、前記道路交通信号制御適正化装置は前記2次経路限
    界交通流探索手段の探索した限界交通量を受けて、推奨
    経路、予測旅行時間、推奨速度などの情報を前記交通情
    報提供装置に表示して運転者に提供することによる、車
    両の2次経路への経路誘導とともに、前記2次経路に対
    して最適な2次経路優先信号制御を行うことを特徴とす
    る道路交通流管制システム。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし8のいずれか一項に記
    載の道路交通信号制御適正化装置を用いて、平面交差す
    る道路網の交通流を管制する道路交通流管制システムに
    おいて、前記道路網の交通量を検出する交通量検出部
    と、前記交通量検出部で検出された交通量データから想
    定交通流を推定する交通流推定部を備え、前記交通流推
    定部で推定した想定交通流を、前記道路交通信号制御適
    正化装置の交通流設定手段に設定して、推定された前記
    想定交通流に対する信号制御を最適にすることを特徴と
    する道路交通流管制システム。
  12. 【請求項12】 前記交通流推定部を、予め用意した多
    数の交通流パターンと前記交通量検出部で検出した交通
    量との関係を学習することによって適切なものに構築
    し、また過去の交通量データと交通流推定値および渋滞
    長、通過速度などの制御結果から、学習により前記交通
    流推定部の補正を行う推定機構構築部を設けたことを特
    徴とする請求項11に記載の道路交通流管制システム。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし8のいずれか一項に記
    載の道路交通信号制御適正化装置を用いて、平面交差す
    る道路網の交通流を管制する道路交通流管制システムに
    おいて、前記交通網の各交差点毎に、前記各交差点つい
    て最適なサイクルおよびスプリットを計算するための前
    記道路交通信号制御適正化装置を配置し、交通管制セン
    ターには、系統制御エリア内の共通サイクルとスプリッ
    トを最適化するための前記道路交通信号制御適正化装置
    を配置したことを特徴とする道路交通流管制システム。
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