JP3380762B2 - 管材固定具 - Google Patents

管材固定具

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JP3380762B2
JP3380762B2 JP01420799A JP1420799A JP3380762B2 JP 3380762 B2 JP3380762 B2 JP 3380762B2 JP 01420799 A JP01420799 A JP 01420799A JP 1420799 A JP1420799 A JP 1420799A JP 3380762 B2 JP3380762 B2 JP 3380762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の管材を積
み重ねた状態で相互に固定するための管材固定具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、長尺状の鋼管、アルミ管等の管
材を、所定の寸法に順次切断する場合には、切断作業の
作業時間を低減するため、複数の管材を積み重ねた状態
で切断することが多い。この際、積み重ねた管材が切断
時にずれることを防止するために、管材を相互に固定し
た後に切断作業を行っている。
【0003】図14は、管材の固定を溶接により行う例
を示している。この例では、横断面四角状の4本の管材
1を一度に切断するために、管材1が縦横2段づつ積み
重ねられている。そして、各管材1の終端1aのうち相
互に接する辺が十字状に溶接2され、4本の管材1が相
互に固定されている。固定された4本の管材1は、切断
機3に設けられた固定台4のガイドローラ5に案内さ
れ、先端側をバイス6に固定された後、金のこ7等で順
次所定の長さに切断されていく。
【0004】図15は、管材の固定をクランプ工具によ
り行う例を示している。クランプ工具8は、両端に固定
穴9aを有する2枚の押さえ板9、固定穴9aに挿入さ
れるボルト10、ボルト10を締め付けるナット11に
より構成されている。そして、固定穴9aに挿通したボ
ルト10をナット11で締め付けることで、縦横2段に
積み重ねた4本の管材1が押さえ板9により挟み込ま
れ、管材1が相互に固定される。
【0005】この後、固定された管材1は、図14と同
様に、固定台4に載置され順次所定の長さに切断されて
いく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図14に示
したように、溶接2による管材1の固定では、管材1を
積み重ねる都度、溶接2を行わなくてならず、溶接2の
準備、溶接作業などが必要になる。このため、作業効率
が低下するという問題があった。
【0007】また、図15に示したように、クランプ工
具8による管材1の固定では、管材1を押さえ板9によ
り挟み込んで固定するため、管材1の外形寸法にばらつ
きがあった場合には、外径寸法の小さい管材1がずれや
すくなり、切断時に寸法不良になるおそれがあった。
【0008】さらに、クランプ工具8による管材1の固
定では、積み重ねた管材1の周囲からクランプ工具8が
突出するため、積み重ねた管材1を固定台4上に載置
し、切断しながら順送りする際に、ガイドローラ5ある
いはバイス6に引っ掛かるという問題があった。この場
合には、クランプ工具8を一旦取り外し、再度終端1a
側に取り付けなければならなかった。また、円筒状の管
材の場合には、溶接2による固定およびクランプ工具8
による固定とも、管材を確実に固定することが難しかっ
た。このため、現実には、円筒状の管材の切断は、1本
ずつ行うことが多く、切断作業に多大な時間が掛かると
いう問題があった。
【0009】そして、外径寸法の異なる管材を相互に固
定する場合には、クランプ工具8では、外径寸法の小さ
い管材がずれてしまうため、管材の固定を行うことがで
きなかった。また、外径寸法の異なる管材を溶接するこ
とで相互に固定する場合にも、管材を固定することが容
易ではなかった。このため、従来は、外径寸法が同一な
管材のみを積み重ねて固定し、切断していた。
【0010】本発明は、かかる従来の問題点を解決する
ためになされたもので、積み重ねた管材を容易かつ確実
に固定することができる管材固定具を提供することを目
的とする。本発明の別の目的は、外径寸法および板厚の
異なる管材あるいは円筒状の管材を積み重ねた状態で、
容易かつ確実に固定することができる管材固定具を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の管材固定具
は、前側に開口する空間を有する収納部と、該収納部か
ら後側に貫通するねじ穴とを設けた固定具本体と、前記
収納部内に前後方向に移動自在に収納され、前記前側に
向けて中心軸側に傾斜する複数の傾斜面を設けた移動駒
と、前記ねじ穴に螺合され、前記収納部内に収納された
前記移動駒に回動自在に連結したボルト部材と、先端を
前記固定具本体の前記前側から突出するとともに、後端
を前記移動駒の前記各傾斜面にそれぞれ当接し、前記中
心軸方向に回動自在に前記固定具本体に支持された複数
本の掴み部材とを、備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2の管材固定具は、請求項1記載の
管材固定具において、前記固定具本体の前記収納部にお
ける前記ねじ穴側には、前記移動駒の横断面形状に対応
する支持穴が形成され、前記支持穴および移動駒の横断
面形状は、該移動駒の前記支持穴内での回動を防止する
形状に形成されたことを特徴とする。請求項3の管材固
定具は、前側に開口する空間を有する収納部と、該収納
部から後側に貫通する貫通穴とを設けた固定具本体と、
前記収納部内に前後方向に移動自在に収納され、前記後
側に向けて中心軸側に傾斜する複数の傾斜面を設けると
ともに、前記貫通穴に挿通されるボルト部を突設した移
動駒と、前記貫通穴から外側に突出した前記ボルト部に
螺合されるナット部材と、先端を前記固定具本体の前記
前側から突出するとともに、後端を前記中心軸側に折曲
して前記移動駒の前記各傾斜面にそれぞれ当接し、前記
移動駒の前記中心軸方向に回動自在に前記固定具本体に
支持された複数本の掴み部材とを、備えたことを特徴と
する。
【0013】請求項4の管材固定具は、請求項3記載の
管材固定具において、前記固定具本体の前記貫通穴は、
横断面扁平形状に形成され、前記移動駒の前記ボルト部
は、該扁平穴の横断面形状に対応した横断面扁平形状に
形成され、前記ボルト部材のねじ溝は、前記扁平形状の
両側に沿って形成されたことを特徴とする。請求項5の
管材固定具は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項
記載の管材固定具において、前記各掴み部材の前記後端
には、前記各傾斜面に回転自在に当接されるローラが設
けられたことを特徴とする。
【0014】請求項6の管材固定具は、請求項1ないし
請求項5のいずれか1項記載の管材固定具において、前
記各掴み部材には、該掴み部材の後端側を前記中心軸方
向に付勢する付勢部材が取り付けられたことを特徴とす
る。
【0015】請求項7の管材固定具は、請求項1ないし
請求項6のいずれか1項記載の管材固定具において、前
記各掴み部材の前記先端には、該先端の外形寸法を変更
するキャップ部材が着脱自在に取り付けられたことを特
徴とする。請求項8の管材固定具は、請求項7記載の管
材固定具において、前記キャップ部材の外形中心は、前
記掴み部材の中心に対して偏心していることを特徴とす
る。
【0016】(作用)請求項1の管材固定具では、ボル
ト部材を固定具本体のねじ穴に螺合していくことで、ボ
ルト部材の先端に連結された移動駒が、収納部内を前側
に向けて移動する。この移動により、移動駒の各傾斜面
は、掴み部材の後端を前側に押圧する。掴み部材は、中
心軸方向に回動自在に支持されているため、上記押圧力
により、後端が中心軸と反対側に移動し、同時に、先端
が中心軸側に移動する。
【0017】したがって、積み重ねた複数の管材の一端
側から、固定具本体の各掴み部材を挿入し、ボルト部材
を回動するだけで、積み重ねた複数の管材が相互に固定
される。この際、ボルト部材の回動により、各掴み部材
の先端は、移動駒の中心軸に向けて移動するため、固定
する複数の管材を正確に積み重ねる必要はない。すなわ
ち、ボルト部材を回動するだけで、各管材は、それぞれ
掴み部材に押圧されて、中心軸に向けて相互に移動し固
定される。固定する管材は、横断面四角形状に限らず、
円筒状でもよい。
【0018】この結果、例えば、複数の管材を積み重ね
て切断する場合には、切断作業の作業時間が従来に比べ
大幅に低減される。また、積み重ねた複数の管材の両端
に、それぞれ管材固定具を固定することで、積み重ねた
複数本の管材を、安全に運搬あるいは保管することが可
能になる。なお、4本の管材を相互に積み重ねて固定す
るためには、4本の掴み部材を有する管材固定具が使用
される。
【0019】請求項2の管材固定具では、移動駒の横断
面形状に対応する支持穴により、ボルト部材をねじ穴に
螺合した際に、螺合につられて移動駒が回動することが
防止される。このため、掴み部材の後端は、常に移動駒
の傾斜面の所定の位置に当接され、掴み部材にねじれ等
の無理な力が掛かることなく掴み部材が中心軸方向に回
動される。この結果、積み重ねた各管材は、掴み部材の
先端により中心軸方向に向けて確実に押圧される。
【0020】請求項3の管材固定具では、ナット部材を
固定具本体の貫通穴から突出した移動駒のボルト部に螺
合していくことで、移動駒は、収納部内を後側に向けて
移動する。この移動により、移動駒の各傾斜面は、掴み
部材の後端を後側に押圧する。中心軸方向に回動自在に
支持されている各掴み部材は、上記押圧力により、後端
が中心軸と反対側に移動し、同時に、先端が中心軸側に
移動する。
【0021】したがって、積み重ねた複数の管材の一端
に、固定具本体の前側から突出する各掴み部材を挿入
し、ナット部材を回動するだけで、各管材は、それぞれ
掴み部材に押圧される。そして、移動駒の中心軸に向け
て相互に移動し、積み重ねた複数の管材を相互に固定す
ることができる。この結果、請求項1の管材固定具と同
様に、複数の管材を積み重ねて切断する場合には、切断
作業の作業時間が従来に比べ大幅に低減される。また、
積み重ねた複数の管材の両端に、それぞれ管材固定具を
固定することで、積み重ねた複数本の管材を、安全に運
搬あるいは保管することが可能になる。
【0022】請求項4の管材固定具では、固定具本体の
貫通穴は、横断面扁平形状に形成され、移動駒のボルト
部は、扁平穴の横断面形状に対応した横断面扁平形状に
形成されるため、ナット部材をボルト部に螺合した際
に、螺合につられて移動駒が回動することが防止され
る。このため、請求項2の管材固定具と同様に、掴み部
材にねじれ等の無理な力が掛かることなく掴み部材が中
心軸方向に回動され、積み重ねた各管材は、掴み部材の
先端により中心軸方向に向けて確実に押圧される。
【0023】請求項5の管材固定具では、掴み部材の後
端にローラが設けられるため、移動駒が前側に移動した
際に、掴み部材の後端と傾斜面との当接部分に無理な力
が掛かることがなく、掴み部材の回動動作が円滑に行わ
れる。この結果、移動駒の傾斜面の当接部分が磨耗する
ことが防止される。請求項6の管材固定具では、各掴み
部材に、後端側を前記中心軸方向に付勢する付勢部材が
取り付けられるため、掴み部材の先端は、常に中心軸と
反対側に付勢されている。このため、積み重ねた複数の
管材の一端に管材固定具を取り付ける際に、管材の端部
に掴み部材が衝突することが防止される。
【0024】請求項7の管材固定具では、掴み部材の先
端に、キャップ部材を取り付けることで、掴み部材の先
端の外形寸法が変更されるため、例えば、肉厚の異なる
管材を相互に固定する際に、肉厚の小さい管材に挿入す
る掴み部材の先端にキャップ部材を取り付けることで、
積み重ねた管材を確実に固定することが可能になる。す
なわち、キャップ部材を取り付けることで、肉厚の異な
る管材を積み重ねて固定することが可能になる。
【0025】請求項8の管材固定具では、キャップ部材
の外形中心が、掴み部材の中心に対して偏心しているた
め、キャップ部材の取り付け方向を変更するだけで、掴
み部材の中心から移動駒の中心軸側に位置するキャップ
部材の外周までの距離が変更される。したがって、一種
類のキャップ部材で様々な肉厚の管材を積み重ねて相互
に固定することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。図1ないし図7は、本発明の管
材固定具の第1の実施形態(請求項1、請求項2、請求
項5、請求項6に対応する)を示している。本実施形態
では、図1および図2に示すように、固定具本体20
は、ハウジング22および前蓋24、後蓋26により構
成されている。
【0027】ハウジング22は、円柱形状をしており、
ハウジング22内には、前側Fに開口する横断面円形状
の空間を有する収納部28が形成されている。また、ハ
ウジング22内には、後側Bに開口する横断面正方形状
の支持穴30が、収納部28に連通して形成されてい
る。ハウジング22の前端および後端の周囲には、周方
向に間隔をおいてねじ穴32F、32Bが軸長方向に沿
って4箇所に形成されている。ハウジング22の外周部
分には、図示しないローレット加工が施されている。
【0028】ハウジング22内には、移動駒34が軸長
方向に移動自在に収納されている。この移動駒34は、
ハウジング22の支持穴30の横断面形状に対応する横
断面形状をした直方体状の本体部36を有している。本
体部36の後側Bには、横断面方向に向けてスリット3
8が形成されている。本体部36には、スリット38の
後側BにU字状の切欠40が形成されており、この切欠
40を介して、スリット38は本体部36の後側Bの端
と連通している。本体部36の前側Fには、移動駒34
の中心軸Aに向けて先細る横断面正方形の角錐台状をし
た押圧部42が形成されている。押圧部42には、中心
軸Aに向けて約15度の角度で傾斜する4つの傾斜面4
4が形成されている。
【0029】前蓋24は、ハウジング22の外径とほぼ
同一の外径を有する円板状に形成されている。前蓋24
には、ハウジング22のねじ穴32Fに対応する位置
に、それぞれ固定穴46が形成されている。前蓋24の
前側Fには、周方向に間隔をおいて4箇所に同一の形状
をした肉盛り部48が形成されている。各肉盛り部48
は、中央で相互に接続されており、これ等に肉盛り部4
8の前側Fには、中心軸Aに対して直角な平坦面48a
が形成されている。各肉盛り部48は、前蓋24をハウ
ジング22に取り付けた際に、ハウジング22の支持穴
30の4つの内面にそれぞれ対応する位置に形成されて
いる。各肉盛り部48には、放射方向に延在する繭形状
の矩形穴50が軸長方向に貫通して形成されている。各
肉盛り部48には、図3に示すように、それぞれ矩形穴
50の中心を横切る支持穴52が形成されている。
【0030】また、図1および図2に示したように、前
蓋24の各矩形穴50には、先端Hが半球状に形成され
横断面がほぼ円形状の掴み棒54(掴み部材に対応す
る)が挿入されている。すなわち、この実施形態では、
4本の掴み棒54を備えている。掴み棒54の後端E側
は、矩形穴50の幅に合わせて軸長方向に沿って削られ
ており、平坦形状をしている。掴み棒54のほぼ中央に
は、横断面方向に貫通する貫通穴54aが形成されてい
る。この貫通穴54aには、支持穴52を介して支持ピ
ン56が挿入されており、掴み棒54は、中心軸A方向
に回動自在に前蓋24に取り付けられている。ここで、
前蓋24の矩形穴50は、掴み棒54が所定の角度回動
した際に、衝突しない長さに形成されている。
【0031】各掴み棒54の後端Eには、ローラ58が
回転軸を各支持ピン56と平行にして、回転自在に取り
付けられている。また、各掴み棒54の後端E側には、
前蓋24の外周側に溝60が形成されている。そして、
各掴み棒54の周囲を覆って、これ等溝60に環状のゴ
ムバンド62(付勢部材に対応する)が挿入されてい
る。前蓋24は、六角穴付きのボルト64を前蓋24の
各固定穴46を介してハウジング22のねじ穴32Fに
螺合することにより、ハウジング22に固定されてい
る。
【0032】後蓋26は、ハウジング22の外径とほぼ
同一の外径を有する円板状に形成されている。後蓋26
には、ハウジング22のねじ穴32Bに対応する位置
に、それぞれ固定穴66が形成されている。後蓋26の
中央には、後側Bに突出する肉厚部68が形成されてい
る。後蓋26の中心には、肉厚部68を軸長方向に貫通
するねじ穴70が形成されている。
【0033】後蓋26のねじ穴70には、ボルト部材7
2が着脱自在に螺合されている。ボルト部材72は、後
蓋26のねじ穴70に螺合されるボルト部74と、この
ボルト部材72を手で回動するための横断面円形状の握
り部76とが形成されている。握り部76の外周部分に
は、図示しないローレット加工が施されている。
【0034】ボルト部74の先端には、移動駒34の切
欠40の幅より小さい外径を有する軸部78と、この軸
部78より大きい外径を有するつば部80とが形成され
ている。つば部80の外径は、ボルト部74の外径より
小さくされており、つば部80の肉厚は、移動駒34の
スリット38より小さくされている。ボルト部材72
は、ボルト部74を後蓋26のねじ穴70に取り付けた
後に、つば部80を移動駒34のスリット38に係止す
ることにより、移動駒に対して回動自在かつ着脱自在に
連結されている。
【0035】そして、ボルト部材72を取り付けた後蓋
26は、ボルト64を後蓋26の各固定穴66を介して
ハウジング22のねじ穴32Bに螺合にすることによ
り、ハウジング22に固定されている。また、図2に示
すように、移動駒34は、ハウジング22の支持穴30
に挿入され後側B側に位置した状態(初期状態)で、押
圧部42が収納部28に突出する長さに形成されてい
る。この初期状態では、掴み棒54のローラ58は、押
圧部42の各傾斜面44の前側Fに当接されている。ロ
ーラ58は、ゴムバンド62の収縮力により、押圧状態
で傾斜面44に当接している。各掴み棒54は、初期状
態において、中心軸Aとほぼ平行にされている。
【0036】なお、ハウジング22、前蓋24、後蓋2
6、移動駒34、掴み棒54、ボルト部材72は、一般
に鋼材を切削加工して形成されている。上述した管材固
定具では、以下示すように、複数の積み重ねた管材の固
定が行われる。すなわち、先ず、横断面四角形状の4本
の管材82を固定する場合には、図5に示すように、各
管材82が縦横2段ずつ積み重ねられる。次に、図4に
示すように、初期状態にある固定具本体20の前蓋24
を管材82の一端84に向けて、4本の掴み棒54が、
各管材82にそれぞれ挿入される。掴み棒54の挿入
は、前蓋24の平坦面48aが、管材82の一端84に
当接するまで行われる。この際、各管材82の端面が相
互に揃えられる。
【0037】この状態で、握り部76を操作してボルト
部材72を回動することにより、ボルト部74の先端に
連結された移動駒34が前側Fに向けて移動していく。
この移動により、移動駒34の傾斜面44が掴み棒54
のローラ58を押圧する。この押圧力により、掴み棒5
4の後端Eが中心軸Aと反対側に移動し、ゴムバンド6
2が伸張する。同時に、掴み棒54の先端Hが中心軸A
側に移動する。
【0038】そして、掴み棒54の先端H側により、各
管材82が中心軸A側に押圧され、図5に示すように、
4本の管材82が相互に固定される。なお、握り部76
を操作する力と、掴み棒54が管材82を押圧する力と
の比は、握り部76の外径寸法、移動駒34の傾斜面の
中心軸に対する傾斜角度、掴み棒54の貫通穴54aの
位置により調整することが可能である。
【0039】また、相互に固定された管材82の固定を
解除する場合には、握り部76を操作して、ボルト部材
72を緩む側に回動することにより、移動駒34が後側
Bに移動する。この移動により、移動駒34の傾斜面4
4は、掴み棒54のローラ58から離れようとする。し
かし、ゴムバンド62の伸縮力により、ローラ58が中
心軸A側に押圧されているため、移動駒34の移動とと
もに、掴み棒54の後端Eは、中心軸A側に移動する。
そして、掴み棒54の先端Hが中心軸Aと反対側に移動
し、管材82の固定が解除される。
【0040】図6は、肉厚が同一で外形寸法が異なる横
断面四角形状の4本の管材86、88を相互に固定した
状態を示している。図7は、肉厚が同一の円筒状の4本
の管材90を相互に固定した状態を示している。図6お
よび図7においても図5と同様に、掴み棒54は、常に
中心軸Aに向けて管材86、88(または90)を押圧
していく。この押圧力により、各管材86、88(また
は90)は、中心軸Aに向けて徐々に移動し、外周部分
が相互に押圧状態で接触した状態で固定される。
【0041】したがって、相互に固定される管材86、
88(または90)は、固定の前に正確に積み重ねられ
る必要はなく、積み重ねた管材86、88(または9
0)の一端側から、各掴み部材54を挿入し、掴み部7
6を操作するだけで、確実に固定される。以上のように
構成された管材固定具では、固定具本体20の収納部2
8および支持穴30に前側Fに傾斜する複数の傾斜面4
4を設けた移動駒34を収納し、この移動駒34のスリ
ット38および切欠40に回動自在にボルト部材72の
つば部80および軸部78を連結し、移動駒34の中心
軸A方向に回動自在に支持された4本の掴み棒54の先
端Hを前蓋24の矩形穴50から突出するとともに、後
端Eを移動駒34の各傾斜面44にそれぞれ当接したの
で、ボルト部材72の握り部76を操作するだけで、各
掴み棒54の先端H側を中心軸A側に移動することがで
きる。
【0042】したがって、積み重ねた4本の管材82の
一端に、固定具本体20の前側Fから突出する各掴み棒
54を挿入し、ボルト部材72の握り部76を操作する
だけで、積み重ねた4本の管材82を容易かつ確実に固
定することができる。この結果、例えば、管材82を相
互に積み重ねて固定し、切断する場合には、固定作業お
よび切断作業の作業時間を従来に比べ大幅に低減するこ
とができる。
【0043】また、積み重ねた管材82の両端に、それ
ぞれ管材固定具を固定することで、積み重ねた管材82
を、安全に運搬あるいは保管することができる。さら
に、外径寸法が異なる管材86、88、あるいは円筒状
の管材90を容易かつ確実に固定することができる。そ
して、収納部28の後側Bに、横断面正方形状の移動駒
34の横断面形状に対応する支持穴30を形成したの
で、ボルト部材72のボルト部74を後蓋26のねじ穴
70に螺合した際に、螺合につられて移動駒34が回動
することを防止することができる。このため、移動駒3
4による掴み棒54の押圧時に、掴み棒54にねじれ等
の無理な力が掛かることなく、掴み棒54により、積み
重ねた各管材82を中心軸A方向に向けて確実に押圧す
ることができる。
【0044】さらに、掴み棒54の後端Eにローラ58
を設けたので、移動駒34が前側Fに移動した際に、掴
み棒54と傾斜面44との当接部分に無理な力が掛かる
ことを防止することができ、掴み棒54の回動動作を円
滑に行うことができる。この結果、移動駒34の傾斜面
44の当接部分の磨耗を防止することができる。また、
各掴み棒54の周囲を覆って、各掴み棒54の後端E側
を中心軸A方向に付勢するゴムバンド62を取り付けた
ので、掴み棒54のローラ58を常に傾斜面44に押圧
させることができ、初期状態において、掴み棒54の先
端Hを、中心軸Aと反対側に開放させておくことができ
る。このため、積み重ねた管材82の一端84に掴み棒
54の先端Hを挿入する際に、管材82の端面に掴み棒
54が衝突することを防止することができる。
【0045】図8は、本発明の管材固定具の第2の実施
形態(請求項3ないし請求項6に対応する)を示してお
り、第1の実施形態と同一のものには、同一の符号を付
しているこの実施形態では、固定具本体92は、ハウジ
ング94および前蓋96により構成されている。
【0046】ハウジング94は、後側Bに底部94aを
有する円筒形状をしており、ハウジング94内には、前
側Fに開口する収納部98が形成されている。ハウジン
グ94の前端の周囲には、周方向に間隔をおいて、第1
の実施形態のねじ穴32Fと同一のねじ穴(図示せず)
が軸長方向に沿って4箇所に形成されている。ハウジン
グ94の外周部分には、図示しないローレット加工が施
されている。
【0047】ハウジング94内には、移動駒100が軸
長方向に移動自在に収納されている。この移動駒100
は、中心軸Aに向けて後端B側に先細る横断面正方形の
角錐台状に形成されている。移動駒100には、中心軸
Aに向けて約15度の角度で傾斜する4つの傾斜面10
2が形成されている。また、移動駒100の後側Bに
は、軸長方向Aに突出するボルト部104が形成されて
いる。
【0048】このボルト部104は、図9に示すよう
に、外周部の両側を軸長方向に沿って削った横断面扁平
形状をしており、扁平形状の両側にねじ溝104aを有
している。ハウジング94の底部94aの中心には、ボ
ルト部104が挿通される貫通穴94bが、ボルト部1
04の横断面形状に対応する扁平形状に形成されてい
る。前蓋96は、図8に示すように、ハウジング94の
外径とほぼ同一の外径を有する円板状に形成されてお
り、第1の実施形態の前蓋24と同一の構造を有してい
る。すなわち、前蓋96には、ハウジング94のねじ穴
に対応する固定穴、肉盛り部(図示せず)、矩形穴10
8、支持穴110が形成されている。
【0049】前蓋96の4つの各矩形穴108には、そ
れぞれ半球状の先端Hを中心軸Aに向けて折曲し、横断
面がほぼ円形状の掴み棒112(掴み部材に対応する)
が挿入されている。掴み棒112の後端E側は、中心軸
Aに向けて折曲されている。掴み棒112のほぼ中央に
は、横断面方向に貫通する貫通穴112aが形成されて
いる。この貫通穴112aには、支持穴110を介して
支持ピン56が挿入されており、掴み棒112は、中心
軸A方向に回動自在に前蓋96に取り付けられている。
【0050】各掴み棒112の折曲された後端Eには、
回転軸が各支持ピン56と平行なローラ114が、回転
自在に取り付けられている。また、各掴み棒112の後
端E側には、前蓋96の外周側に溝116が形成されて
いる。そして、各掴み棒112の周囲を覆って、これ等
の溝116に環状のゴムバンド62が挿入されている。
前蓋96は、図示しないボルトを前蓋96の各固定穴を
介してハウジング94のねじ穴に螺合することにより、
ハウジング94に固定されている。
【0051】ハウジング94の貫通穴94bから後側B
に突出した移動駒100のボルト部104には、ナット
部材118が着脱自在に螺合されている。ナット部材1
18の外周部分には、図示しないローレット加工が施さ
れている。
【0052】ここで、移動駒100のボルト部104
は、移動駒100をハウジング94内の前蓋96側に位
置させた状態(初期状態)で、ナット部材118が螺合
できる長さにされている。この初期状態において、掴み
棒112のローラ114は、傾斜面102の後側Bに当
接されている。ローラ114は、ゴムバンド62の収縮
力により、押圧状態で傾斜面102に当接している。各
掴み棒112は、初期状態において中心軸Aとほぼ平行
にされている。
【0053】なお、ハウジング94、前蓋96、移動駒
100、掴み棒112、ナット部材118は、一般に鋼
材を切削加工して形成されている。上述した管材固定具
では、図10に示すように、縦横2段ずつ積み重ねられ
た4本の管材82の一端84に、掴み棒112を挿入
し、ナット部材118を手で締め付けることにより、移
動駒100が後側Bに向けて移動していく。この移動に
より、移動駒100の傾斜面102が掴み棒112のロ
ーラ114を中心軸Aと反対側に向けて押圧する。この
押圧力により、第1の実施形態と同様に、掴み棒112
の後端Eが中心軸Aと反対側に移動し、同時に、掴み棒
112の先端Hが中心軸A側に移動する。
【0054】そして、掴み棒112の先端H側により、
各管材82が中心軸A側に押圧され、4本の管材82が
相互に固定される。また、相互に固定された管材82の
固定を解除する場合には、ナット部材118を緩む側に
回動することにより、ナット部材118は、後側Bに移
動し、ハウジング94の底部94aから離れようとす
る。しかし、ゴムバンド62の伸縮力により、ローラ1
14が中心軸A側に押圧されているため、ナット部材1
18を緩めた分だけ、移動駒100が前側Fに引き込ま
れる。同時に、掴み棒112の先端Hが中心軸Aと反対
側に移動し、管材82の固定が解除される。
【0055】この実施形態の管材固定具においても、上
述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる
が、固定具本体94の収納部98内に後側Bに傾斜する
複数の傾斜面102を設けた移動駒100を収納し、移
動駒100から突設し固定具本体94の貫通穴94bに
挿通したボルト部104にナット部材118を螺合し、
移動駒100の中心軸A方向に回動自在に支持された4
本の掴み棒112を、先端Hを前蓋96から突出すると
ともに、後端Eを折曲して移動駒100の各傾斜面10
2にそれぞれ当接したので、ナット部材118を回動す
るだけで、各掴み棒112の先端を中心軸A側に移動さ
せることができる。
【0056】したがって、積み重ねた管材82の一端
に、掴み棒112を挿入し、ナット部材118を回動す
るだけで、積み重ねた管材82を容易かつ確実に固定す
ることができる。また、固定具本体92の貫通穴94b
を、横断面扁平形状に形成し、移動駒100のボルト部
104を、扁平穴の横断面形状に対応した横断面扁平形
状に形成したので、第1の実施形態と同様に、ナット部
材118をボルト部104に螺合した際に、螺合につら
れて移動駒100が回動することを防止することができ
る。
【0057】そして、移動駒100にボルト部104を
形成し、移動駒100が後端B側に移動することで、掴
み棒112を回動させる機構にしたので、移動駒100
の長さを短くすることができ、固定具本体92の長さを
短くすることができる。図11は、本発明の管材固定具
の第3の実施形態(請求項7、請求項8に対応する)を
示している。
【0058】この実施形態では、上述した第1の実施形
態と同一の移動駒34、ボルト部材72、ゴムバンド6
2が使用されている。また、固定具本体120は、第1
の実施形態と同様にハウジング122、前蓋124、後
蓋126により構成されている。固定具本体120は、
第1の実施形態の固定具本体20と同一の構造をしてお
り、外形寸法のみ固定具本体20に比べて大きくされて
いる。このため、ハウジング122、前蓋124、後蓋
126の各機構のうち第1の実施形態と同一の機能を有
するものには、おなじ符号を付している。
【0059】この実施形態では、前蓋124の矩形穴5
0に挿入されている掴み棒128は、後端Eが中心軸A
側に折曲されている。折曲された後端Eには、ローラ5
8が回転軸を各支持ピン56と平行にして、回転自在に
取り付けられている。各掴み棒128の先端Hには、細
径部130が形成されており、この細径部130には、
中心に向けて穴132が形成されている。これ等の穴1
32の底には、コイルスプリング134が伸縮自在に固
定されており、穴132の開口端132aには、コイル
スプリング134に固定された硬球136の一部が突出
している。穴132の開口端132aは、狭められてお
り、コイルスプリング134により外側に向けて押圧さ
れている硬球136が穴132から飛び出すことが防止
されている。
【0060】また、掴み棒128の細径部130には、
先端が半球状をした円筒状のキャップ部材138が着脱
自在に取り付けられている。キャップ部材138には、
後側Bに、細径部130を嵌入するための嵌入穴140
が形成されている。この嵌入穴140は、キャップ部材
138の外形中心A1から偏心させて形成されている。
また、嵌入穴140の内部には、細径部130から一部
が突出している硬球136を受ける凹部142が形成さ
れている。
【0061】なお、ハウジング122、前蓋124、後
蓋126、掴み棒128、キャップ部材138は、一般
に鋼材を切削加工して形成されている。上述した管材固
定具では、キャップ部材138の嵌入穴140が偏心し
て形成されているため、キャップ部材138の細径部1
30への取り付ける方向を変えることで、掴み棒128
の中心軸A2とキャップ部材の中心軸A側の外周部分と
の距離Lが変更される。
【0062】このため、図12に示すように、肉厚の異
なる管材142、144を相互に積み重ねて固定する際
に、肉厚の小さい管材142を押圧する掴み棒128の
細径部130には、距離Lが大きくなるようにキャップ
部材138を取り付け、肉厚の大きい管材144を押圧
する掴み棒128の細径部130には、距離Lが小さく
なるようにキャップ部材138を取り付けることで、肉
厚の異なる管材142、144を相互に積み重ねて固定
することが可能となる。
【0063】また、図13に示すように、横断面四角形
状の管材142と、円筒状の管材146とを相互に積み
重ねて固定することも可能となる。この実施形態の管材
固定具においても、上述した第1および第2の実施形態
と同様の効果を得ることができるが、この実施形態で
は、掴み棒128に細径部130を形成し、この細径部
130に着脱自在にキャップ部材138を取り付け、か
つ、キャップ部材138における掴み棒128の細径部
130用の嵌入穴140を、キャップ部材138の外形
中心A1に対して偏心させて形成したので、キャップ部
材138の細径部130に対する取り付け方向を変更す
るだけで、掴み棒128の中心軸A2からキャップ部材
138の中心軸A側の外周までの距離Lを変更すること
ができる。したがって、一種類のキャップ部材138で
肉厚の異なる管材142、144を積み重ねて相互に固
定することができる。
【0064】また、複数種類のキャップ部材138を用
意することで、様々な肉厚の管材を積み重ねて相互に固
定することができる。なお、上述した第1および第3の
実施形態では、移動駒34の前側Fに角錐台状の押圧部
42を形成して傾斜面44を設けた例について述べた
が、本発明にかかわる実施形態に限定されるものではな
く、例えば、円錐台状の押圧部を形成してテーパ面を設
けてもよい。同様に、第2の実施形態においても、移動
駒100を円錐台状に形成し、テーパ面を設けてもよ
い。
【0065】また、上述した第1の実施形態では、掴み
棒54の溝60に環状のゴムバンド62を挿入した例に
ついて述べたが、本発明にはかかわる実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば、環状のコイルスプリングを
挿入してもよい。そして、上述した第1の実施形態で
は、初期状態において、各掴み棒54を中心軸Aとほぼ
平行にした例について述べたが、本発明にはかかわる実
施形態に限定されるものではなく、例えば、中心軸Aに
対して先端Hを若干外側に開くようにしてもよい。
【0066】さらに、上述した第1の実施形態では、ハ
ウジング22内に、横断面正方形状の支持穴30を形成
し、移動駒34が回動することを防止した例について述
べたが、本発明にはかかわる実施形態に限定されるもの
ではなく、例えば、支持穴を断面楕円形状に形成し、移
動駒の本体部を横断面楕円形状に形成してもよい。すな
わち、支持穴および移動駒の横断面形状は、移動駒34
の回動を防止できる形状であればよく、横断面面円形状
の外周に、軸長方向に沿う凸部を設けてもよく、あるい
は、中心軸Aに対して偏心した横断面円形状にしてもよ
い。
【0067】また、上述した第1の実施形態では、固定
具本体22を4本の掴み棒54を有する構造にした例に
ついて述べたが、本発明にはかかわる実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば、3本あるいは6本の掴み棒
54を有する構造にしてもよい。この場合、3本の掴み
棒では横断面六角形形状の管材、6本の掴み棒では、断
面三角形形状の管材を相互に固定することができる。
【0068】
【発明の効果】請求項1の管材固定具では、ボルト部材
を回動するだけで、各掴み部材の先端を中心軸側に移動
させることができる。したがって、積み重ねた複数の管
材の一端に、固定具本体の前側から突出する各掴み部材
を挿入し、ボルト部材を回動するだけで、積み重ねた複
数の管材を容易かつ確実に固定することができる。
【0069】また、円筒状の管材、あるいは外径寸法が
異なる管材を容易かつ確実に固定することができる。請
求項2の管材固定具では、ボルト部材をねじ穴に螺合し
た際に、螺合につられて移動駒が回動することを防止す
ることができる。このため、掴み部材の後端を、常に移
動駒の傾斜面の所定の位置に当接させることができる。
この結果、掴み部材にねじれ等の無理な力が掛かること
なく掴み部材を中心軸方向に回動することができ、掴み
部材の先端により、積み重ねた各管材を中心軸方向に向
けて確実に押圧することができる。
【0070】請求項3の管材固定具では、ナット部材を
回動するだけで、各掴み部材の先端を中心軸側に移動さ
せることができる。したがって、積み重ねた複数の管材
の一端に、固定具本体の前側から突出する各掴み部材を
挿入し、ナット部材を回動するだけで、積み重ねた複数
の管材を容易かつ確実に固定することができる。請求項
4の管材固定具では、ナット部材をボルト部に螺合した
際に、螺合につられて移動駒が回動することを防止する
ことができる。この結果、掴み部材にねじれ等の無理な
力が掛かることなく掴み部材を中心軸方向に回動するこ
とができ、掴み部材の先端により、積み重ねた各管材を
中心軸方向に向けて確実に押圧することができる。
【0071】請求項5の管材固定具では、移動駒を前側
に移動した際に、掴み部材の後端と傾斜面との当接部分
に無理な力が掛かることを防止することができ、掴み部
材の回動動作を円滑に行うことができる。この結果、移
動駒の傾斜面の当接部分が磨耗することを防止すること
ができる。請求項6の管材固定具では、掴み部材の後端
が常に傾斜面に向けて押圧されるため、掴み部材の先端
を、中心軸と反対側に付勢させておくことができる。こ
のため、積み重ねた管材の一端に管材固定具を取り付け
る際に、管材の端部に掴み部材が衝突することを防止す
ることができる。
【0072】請求項7の管材固定具では、掴み部材の先
端の外形寸法を容易に変更することができる。この結
果、例えば、肉厚の異なる管材を相互に固定する際に、
肉厚の小さい管材に挿入する掴み部材の先端にキャップ
部材を取り付けることで、積み重ねた管材を確実に固定
することできる。すなわち、掴み部材の先端にキャップ
部材を取り付けることで、肉厚の異なる管材を積み重ね
て固定することができる。
【0073】請求項8の管材固定具では、キャップ部材
の取り付け方向を変更するだけで、掴み部材の中心から
移動駒の中心軸側に位置するキャップ部材の外周までの
距離を変更することができる。したがって、一種類のキ
ャップ部材で様々な肉厚の管材を積み重ねて相互に固定
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管材固定具の第1の実施形態を示す分
解斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図1における前蓋の詳細を示す正面図である。
【図4】第1の実施形態において、横断面四角形状の管
材を相互に固定する状態を示す断面図である。
【図5】第1の実施形態において、横断面四角形状の管
材を相互に固定した状態を示す断面図である。
【図6】第1の実施形態において、外形寸法の異なる管
材を相互に固定した状態を示す断面図である。
【図7】第1の実施形態において、円筒状の管材を相互
に固定した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の管材固定具の第2の実施形態を示す断
面図である。
【図9】図8の貫通穴およびボルト部の詳細を示す断面
図である。
【図10】第2の実施形態において、管材を相互に固定
した状態を示す断面図である。
【図11】本発明の管材固定具の第3の実施形態を示す
断面図である。
【図12】第3の実施形態において、肉厚の異なる管材
を相互に固定した状態を示す断面図である。
【図13】第3の実施形態において、横断面四角形状の
管材と、円筒状の管材とを相互に固定した状態を示す断
面図である。
【図14】溶接により管材を固定した従来例を示す斜視
図である。
【図15】クランプ工具により管材を固定した従来例を
示す斜視図である。
【符号の説明】
20 固定具本体 22 ハウジング 24 前蓋 26 後蓋 28 収納部 30 支持穴 32B、32F ねじ穴 34 移動駒 36 本体部 38 スリット 40 切欠 42 押圧部 44 傾斜面 46 固定穴 48 肉盛り部 50 矩形穴 52 支持穴 54 掴み棒(掴み部材に対応する) 54a 貫通穴 56 支持ピン 58 ローラ 60 溝 62 ゴムバンド(付勢部材に対応する) 64 ボルト 66 固定穴 68 肉厚部 70 ねじ穴 72 ボルト部材 74 ボルト部 76 握り部 78 軸部 80 つば部 82 管材 84 一端 86、88、90 管材 92 固定具本体 94 ハウジング 94a 底部 94b 貫通穴 96 前蓋 98 収納部 100 移動駒 102 傾斜面 104 ボルト部 104a ねじ溝 106 肉盛り部 108 矩形穴 110 支持穴 112 掴み棒 112a 貫通穴 114 ローラ 116 溝 118 ナット部材 120 固定具本体 122 ハウジング 124 前蓋 126 後蓋 128 掴み棒 130 細径部 132 穴 132a 開口端 134 コイルスプリング 136 硬球 138 キャップ部材 140 嵌入穴 142 凹部 144、146、148 管材 A 中心軸 A1 外形中心 A2 中心軸 B 後側 E 後端 F 前側 H 先端 L 距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 7/04 301

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前側に開口する空間を有する収納部と、
    該収納部から後側に貫通するねじ穴とを設けた固定具本
    体と、 前記収納部内に前後方向に移動自在に収納され、前記前
    側に向けて中心軸側に傾斜する複数の傾斜面を設けた移
    動駒と、 前記ねじ穴に螺合され、前記収納部内に収納された前記
    移動駒に回動自在に連結したボルト部材と、 先端を前記固定具本体の前記前側から突出するととも
    に、後端を前記移動駒の前記各傾斜面にそれぞれ当接
    し、前記中心軸方向に回動自在に前記固定具本体に支持
    された複数本の掴み部材とを、 備えたことを特徴とする管材固定具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の管材固定具において、 前記固定具本体の前記収納部における前記ねじ穴側に
    は、前記移動駒の横断面形状に対応する支持穴が形成さ
    れ、 前記支持穴および移動駒の横断面形状は、該移動駒の前
    記支持穴内での回動を防止する形状に形成されたことを
    特徴とする管材固定具。
  3. 【請求項3】 前側に開口する空間を有する収納部と、
    該収納部から後側に貫通する貫通穴とを設けた固定具本
    体と、 前記収納部内に前後方向に移動自在に収納され、前記後
    側に向けて中心軸側に傾斜する複数の傾斜面を設けると
    ともに、前記貫通穴に挿通されるボルト部を突設した移
    動駒と、 前記貫通穴から外側に突出した前記ボルト部に螺合され
    るナット部材と、 先端を前記固定具本体の前記前側から突出するととも
    に、後端を前記中心軸側に折曲して前記移動駒の前記各
    傾斜面にそれぞれ当接し、前記移動駒の前記中心軸方向
    に回動自在に前記固定具本体に支持された複数本の掴み
    部材とを、 備えたことを特徴とする管材固定具。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の管材固定具において、 前記固定具本体の前記貫通穴は、横断面扁平形状に形成
    され、 前記移動駒の前記ボルト部は、該扁平穴の横断面形状に
    対応した横断面扁平形状に形成され、 前記ボルト部材のねじ溝は、前記扁平形状の両側に沿っ
    て形成されたことを特徴とする管材固定具。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の管材固定具において、 前記各掴み部材の前記後端には、前記各傾斜面に回転自
    在に当接されるローラが設けられたことを特徴とする管
    材固定具。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載の管材固定具において、 前記各掴み部材には、該掴み部材の後端側を前記中心軸
    方向に付勢する付勢部材が取り付けられたことを特徴と
    する管材固定具。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の管材固定具において、 前記各掴み部材の前記先端には、該先端の外形寸法を変
    更するキャップ部材が着脱自在に取り付けられたことを
    特徴とする管材固定具。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の管材固定具において、 前記キャップ部材の外形中心は、前記掴み部材の中心に
    対して偏心していることを特徴とする管材固定具。
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