JP3380399B2 - 排水トラップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に台所等の流し
台用シンクに係わり、シンク内の水及びゴミ等を外部へ
排水することが可能な流し台用シンクの排水トラップに
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、シンク内の水、及びゴミ等を効率
よく確実に排出することが出来る流し台用シンクとして
は、例えば実開昭５３−９６４５６号公報等に開示され
たものがある。この流し台用シンクは、シンク内の底面
周縁に排水溝が形成され、該排水溝内の底面所定箇所に
排水部としての開口が設けられたものであり、シンク内
の水は排水溝内に流れ込んだ後、開口より排出されるよ
うになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな流し台用シンクにあっては、開口が排水溝内底面に
形成されているため、前記排水溝内に収まりうるゴミや
物品等により前記開口上面が閉塞され、排水効率が低下
するといった問題があった。

【０００４】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、水及びゴミ等を効率よく確実に排出する
ことが可能な流し台用シンクにおける排水トラップを提
供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、シンク面所定箇所に、少なくとも１つの段部が形成
され、前記段部の側面に開口が、さらに段部の上部およ
び下部のシンク面に排水部としての開口が延設されてい
る流し台用シンクの排水トラップであって、前記排水ト
ラップの上縁部は、前記段部の側面の開口と、段部の上
部および下部に形成された開口の周縁を全て水封状態に
当接できる形状になっていると共に、前記排水トラップ
内にゴミカゴを着脱可能に設け、かつ前記排水トラップ
上面には、上部のシンク面の一部を構成する取外し可能
な覆い蓋を載置したことを特徴としている。この特徴に
よると、排水トラップの上縁部が、シンク面所定箇所に
形成される開口の形状に合わせて形成されるため、シン
ク面の開口周縁に特別な加工を施すことなく、開口下方
を排水トラップにより水封状態で容易に覆うことが可能
となるとともに、側面を含めた大開口からの排水を効率
良く集中できることになる。また、予め排水トラップの
開口に合わせて覆い蓋を形成でき、シンク面の開口周縁
に覆い蓋の係止手段等を形成する必要がなくなり、シン
クの成形が容易になる。

【０００６】本発明の排水トラップは、前記覆い蓋とゴ
ミカゴが一体に形成されていることが好ましい。このよ
うにすることで、やや深いところにあるゴミカゴの取り
出しもより簡単になる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明していくと、まず図１には本発明の適用
された台所の流し台１が示されており、２は流し台１に
設けられたほぼ矩形状のシンク、３は蛇口をそれぞれ示
している。前記シンク２内の底面２ａ奥方、すなわち奥
側側面２ｂには、段部としての所定長さを有する水の誘
導溝４が形成されており、該誘導溝４内には排水部５が
設けられている。

【０００８】前記シンク２の底面２ａは、特に図４に示
されるように全体的に誘導溝４に向って若干傾斜してお
り、また前記誘導溝４の内面は、図２に示されるように
排水部５に向って傾斜して形成されている。

【０００９】前記シンク２内には、シンク面２ａから、
誘導溝４の手前側面４ａ及び底面４ｂにかけては前記排
水部５としての開口９が形成されており、該開口９の周
縁には、所定深さの段部を介して内向きのフランジ部１
１が形成されている。尚、本実施様態において前記開口
９は、シンク面２ａから誘導溝４の手前側面４ａ及び底
面４ｂにかけて形成されているが、手前側面４ａのみ、
あるいはシンク面２ａから手前側面４ａにかけて、また
は手前側面４ａから底面４ｂにかけてのみ形成されてい
てもよい。

【００１０】前記開口９の下方には、流し台１内適宜箇
所に配設される排出管（特に図示せず）に接続される排
水トラップ７が設けられる。前記排水トラップ７はその
上端に形成される外向きのフランジ部１２を介して、前
記開口９のフランジ部１１に係止されるようになってい
る。この排水トラップ７のフランジ部１２は、シンク面
２ａ、誘導溝４の手前側面４ａ、底面４ｂにかけて形成
されるフランジ部１１に対応して連続して形成されてい
る。

【００１１】排水トラップ７は、傾斜面７ａを介して縮
径され、誘導溝４の底面４ｂ上に形成された開口上面よ
り排水トラップ７内が見えないようになっている。ま
た、所定深さ位置には後述するゴミカゴ８を係止するた
めの段部１３が形成されている。

【００１２】前記排水トラップ７の上面周囲には、特に
図３に示されるような環状の取付リング１４が上下方向
に摺動自在に嵌装されている。この取付リング１４に
は、シンク２のフランジ部１１の下面に当接可能な押圧
面１５が形成されているとともに、周面所定箇所に複数
の支持片１６が固設されている。そしてこれら支持片１
６の下端には細長の切欠き溝１７が形成されている。

【００１３】１８は、上端に前記切欠き溝１７に嵌合可
能な軸部材２０を有する２本の直線状の支持リング１９
と、該２本の支持リンク１９間に軸着される略Ｌ字状の
押圧片２１とからなる支持部材である。これら支持リン
ク１９及び押圧片２１は若干の弾性変形が可能な軟質の
プラスチック樹脂等により形成されている。

【００１４】そしてこの支持部材１８の支持リンク１９
の軸部材２０を、図３中左側に点線で示されるように、
切欠き溝１７に嵌合させ、さらに押圧片２１の下端ａ点
を排水トラップ７の周面所定箇所に形成された突出片２
２に支持させた状態で前記押圧片２１の上端を矢印方向
に押上げると、支持リンク１９の上端から押圧片２１の
下端ａ点までの直線距離が長くなり、押圧片２１の下端
ａ点と屈曲部ｂ点とが、その中間に軸着された支持リン
グ１９によりそれぞれ突出片２２及び排水トラップ７の
周面に強く押圧され、支持部材２１が突張り状態で取付
けリング１４、突出片２２間に装着されるようになって
いる。

【００１５】このように前記支持部材１８が装着される
と、取付リング１４が上方に、そして排水トラップ７が
下方にそれぞれ相対移動するので、シンク２のフランジ
１１が、前記取付リング１４の押圧面１５と排水トラッ
プ７のフランジ１２の下面とにより上下方向より強く押
圧され、フランジ１１とフランジ１２との継目が水封さ
れる。尚、特に図示してはいないが、通常前記フランジ
部１２とフランジ部１１との間には、適宜パッキンが装
着されるようになっている。

【００１６】次に図４、図５に示されるように前記排水
トラップ７内には、内面所定箇所に形成された段部１３
を利用してゴミ保持具としてのゴミカゴ８が着脱可能に
設けられている。また、シンク面２ａにある排水トラン
プ７のフランジ部１２上には、覆い蓋６が取り出し可能
に載置される。

【００１７】ここで、図５に示されるようにシンク２内
において、例えば底面１０ａが排水部５の開口９よりも
大きな桶１０等を使用して食器等を洗うような場合にあ
っても、前記桶１０の底面１０ａと開口９との間に適宜
隙間Ｓが確保されるため、排水部５の開口及びその近傍
の上面が桶１０の底面１０ａによって閉塞されることが
ない。

【００１８】さらに、このシンク２内の水は、図６中矢
印で示されるように桶１０の左右両側を回り込むように
して桶１０の左右側に延びる誘導溝４内へ流れ込み、誘
導溝４を伝って桶１０の下方を通過して開口９より排水
部５内に排出される。

【００１９】このように形成されたシンクにあっては、
排水部の開口が少なくともシンク内に形成される段部の
側面に形成されるようになっているため、前記開口がシ
ンク内で利用する桶等により閉塞されること等がないた
め、排水がより確実に行われる。

【００２０】また、排水トラップの上端縁部が、シンク
面所定箇所に形成される開口の形状に合わせて形成され
るため、シンク面の開口周縁に特別な加工を施すことな
く、開口下方を排水トラップにより水封状態で容易に覆
うことが出来る、シンクの成形が容易になる。よってシ
ンク面に種々の複雑な開口を形成することが可能とな
る。

【００２１】さらに、本実施の態様においては、排水ト
ラップ７の上部開口が覆い蓋６により被覆されているた
め、排水トラップ７内のゴミカゴ８及び該ゴミカゴ８内
に保持されたゴミ等が外部から見えにくくなり、外観が
向上するとともに、誘導溝４内の開口９を通って水及び
ゴミ等が確実に排出されるため、排水効率が低下するこ
とはない。

【００２２】また、前記覆い蓋６は通常シンク２の底面
２ａの一部を構成するので、シンク２の洗い場面を広く
利用できるとともに、取外し可能なので排水トラップ７
の清掃時にゴミカゴ８の取り出し等を容易に行うことが
できる。そして本実施例においては、誘導溝４の手前側
面４ｂに形成された開口９より図４に示されるように手
を挿入して覆い蓋６を取外すことが出来る。また、前記
ゴミカゴ８を覆い蓋６と一体に形成しておけば、ゴミカ
ゴ８の取り出しもより簡単になる。

【００２３】図７〜図９には本発明の他の実施の態様と
してのシンク２が示されており、例えば図７に示される
ように誘導溝４は奥側側面２ｂより連続して左右いずれ
か一方、又は両側面２ｃに沿うように形成されていても
よい。あるいは図８に示されるように誘導溝４が側面２
ｃにのみ沿うように設けられ、かつ排水部５が横向きに
形成されていても何ら問題はない。

【００２４】さらに図９に示されるように、シンク２の
底面２ａの一部に比較的大きな落込溝１１を形成し、該
落込溝１１内底面から底面２ａにかけて開口を設け、上
部の開口を覆い蓋６により閉塞してもよい。また、言う
までもなくこの落込溝２３はシンク２内の底面２ａ上の
任意の箇所に形成されていてもよい。

【００２５】以上、本発明の実施例を図面により説明し
てきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更
や追加があっても本発明に含まれる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。

【００２７】（ａ）請求項１の発明によれば、排水トラ
ップの上縁部が、シンク面所定箇所に形成される開口の
形状に合わせて形成されるため、シンク面の開口周縁に
特別な加工を施すことなく、開口下方を排水トラップに
より水封状態で容易に覆うことが可能となるとともに、
側面を含めた大開口からの排水を効率良く集中できるこ
とになる。また、予め排水トラップの開口に合わせて覆
い蓋を形成でき、シンク面の開口周縁に覆い蓋の係止手
段等を形成する必要がなくなり、シンクの成形が容易に
なる。

【００２８】（ｂ）請求項２の発明によれば、やや深い
ところにあるゴミカゴの取り出しもより簡単になる。

【００２９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の適用されたシンクを表わす要部拡大斜
視図である。

【図２】図１の要部拡大斜視図である。

【図３】シンク下部構造を表す一部破断側面図である。

【図４】シンク内の構造を表わす断面図である。

【図５】図４に対応する作用を表わす断面図である。

【図６】図１のシンクの排水状態を示す平面図である。

【図７】本発明の他の実施例のシンクを表わす平面図で
ある。

【図８】本発明の他の実施例のシンクを表わす平面図で
ある。

【図９】本発明の他の実施例のシンクを表わす平面図で
ある。

【符号の説明】

１ 流し台 ２ シンク ２ａ 底面（上部のシンク面） ２ｂ 奥側側面 ２ｃ （左右）側面 ３ 蛇口 ４ 誘導溝（段部） ４ａ 手前側面 ４ｂ 底面（下部のシンク面） ５ 排水部 ６ 覆い蓋 ７ 排水トラップ ７ａ 斜面部 ８ ゴミカゴ ９ 開口（排水部） １０ 桶 １０ａ 底面 １１、１２ フランジ部 １３ 段部 １４ 取付けリング １５ 押圧面 １６ 支持片 １７ 切欠き溝 １８ 支持部材 １９ 支持リンク ２０ 軸部材 ２１ 押圧片 ２２ 突出片 ２３ 落込溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−96456（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−14263（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シンク面所定箇所に、少なくとも１つの
   段部が形成され、前記段部の側面に開口が、さらに段部
   の上部および下部のシンク面に排水部としての開口が延
   設されている流し台用シンクの排水トラップであって、
   前記排水トラップの上縁部は、前記段部の側面の開口
   と、段部の上部および下部に形成された開口の周囲を全
   て水封状態に当接できる形状になっていると共に、前記
   排水トラップ内にゴミカゴを着脱可能に設け、かつ前記
   排水トラップ上面には、上部のシンク面の一部を構成す
   る取外し可能な覆い蓋を載置したことを特徴とする排水
   トラップ。
2. 【請求項２】 前記覆い蓋とゴミカゴが一体に形成され
   ている請求項１に記載の排水トラップ。