JP3376299B2 - インクタンク、タンクホルダー、およびインクジェットヘッドカートリッジ - Google Patents

インクタンク、タンクホルダー、およびインクジェットヘッドカートリッジ

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JP3376299B2
JP3376299B2 JP30614598A JP30614598A JP3376299B2 JP 3376299 B2 JP3376299 B2 JP 3376299B2 JP 30614598 A JP30614598 A JP 30614598A JP 30614598 A JP30614598 A JP 30614598A JP 3376299 B2 JP3376299 B2 JP 3376299B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクタンク、該
インクタンクを着脱自在に保持するタンクホルダー、該
タンクホルダーにインクを吐出して記録を行なうインク
ジェットヘッドを備えたインクジェットヘッドカートリ
ッジ、および該インクジェットヘッドカートリッジを有
するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来からの一般的なインクジェ
ット記録装置を示す斜視図である。図8に示されるイン
クジェット記録装置では、互いに平行なリードスクリュ
ー104およびガイド軸105が筐体に備えられてい
る。リードスクリュー104およびガイド軸105に
は、キャリッジ101がリードスクリュー104および
ガイド軸105と平行な方向に移動可能に取り付けられ
ている。キャリッジ101は、キャリッジモーター(不
図示)によってリードスクリュー104が回転されるこ
とで平行移動させられる。
【0003】キャリッジ101には、図9に基づいて後
述するような、インクジェットヘッド102を備えたイ
ンクジェットヘッドカートリッジが搭載されている。イ
ンクジェットヘッド102の吐出面の移動軌跡面の近傍
には、紙押さえ板109が備えられている。
【0004】また、インクジェット記録装置には、被記
録媒体である記録用紙106をインクジェットヘッド1
02の記録領域に向けて搬送する給紙ローラ107と、
インクジェットヘッド102により記録された記録用紙
106を排出するための排紙ローラ108とが備えられ
ている。給紙ローラ107および排紙ローラ108は、
不図示のモーターにより回転される。
【0005】インクジェットヘッド102から吐出され
るインクが、インクジェットヘッド102の吐出口面と
対向する記録用紙106に付着することによって、記録
用紙106の表面に記録画像が形成される。インクジェ
ットヘッド102による記録用紙106への記録と連動
して、モータにより回転される給紙ローラ107および
排紙ローラ108と、紙押さえ板109とによって記録
用紙106がインクジェット記録装置の外部に排出され
る。
【0006】図9は、図8に示したキャリッジ101に
搭載されるインクジェットヘッドカートリッジについて
説明するための図である。図9(a)が、キャリッジ1
01に搭載されるインクジェットヘッドカートリッジを
示す斜視図であり、図9(b)が、図9(a)に示した
インクジェットヘッドカートリッジにおいてインクタン
クを取り外した状態を示す斜視図である。
【0007】図9(a)および図9(b)に示されるよ
うに、キャリッジ101に搭載されるインクジェットヘ
ッドカートリッジ301は、インクジェットヘッド10
2を備えたタンクホルダ103と、タンクホルダ103
に着脱自在に設けられたインクタンク111,112,
113,114とで構成されている。インクタンク11
1はブラックのインク用、インクタンク112はイエロ
ーのインク用、インクタンク113はマゼンタ色のイン
ク用、インクタンク114はシアンのインク用である。
このようにインクタンク111,112,113,11
4のそれぞれがタンクホルダ103に対して着脱自在と
なり、それぞれのインクタンクが交換可能となっている
ことにより、インクジェット記録装置における印刷のラ
ンニングコストが低減される。
【0008】インクタンク111,112,113,1
14のそれぞれの内部には、対応する色のインクが収納
されている。また、それぞれのインクタンクには、イン
クタンク内のインクをインクジェットヘッド102に供
給するためのインク供給口が形成されている。例えば、
インクタンク111にはインク供給口211が形成され
ており、インクタンク111がタンクホルダ103に装
着された状態でインクタンク111内のブラックのイン
クがインク供給口211を介してインクジェットヘッド
102に供給される。
【0009】図10は、図9に示したタンクホルダ10
3およびインクジェットヘッド102の断面図である。
図10に示すように、箱状のタンクホルダ103の上面
は開口しており、タンクホルダ103の下面の一側部側
にインクジェットヘッド102が設けられている。イン
クジェットヘッド102では、ベースプレート205に
よってシリコン基板201が支持されている。シリコン
基板201には、インクを吐出させるために利用される
熱エネルギーを発生する電気熱変換体としてのヒーター
などが形成されている。
【0010】また、インクジェットヘッド102には、
タンクホルダ103にインクタンクを装着した際に、そ
のインクタンクのインク供給口と接続されるジョイント
204が設けられている。ジョイント204には、シリ
コン基板201に向かって延びるインク流路206が形
成されている。
【0011】このようなインクジェットヘッドカートリ
ッジにおけるインクの流れとして、ブラックのインク用
のインクタンク111を例にとって説明する。インクタ
ンク111内のインクはインクタンク111のインク供
給口211およびジョイント204を介してインクジェ
ットヘッド2内に供給される。インクジェットヘッド2
内に供給されたインクはインク流路206を通してシリ
コン基板201へ供給され、供給されたインクがシリコ
ン基板201のヒーターの発生する熱エネルギーによっ
て、被記録媒体である記録用紙に向けて吐出される。
【0012】図11は、図9に示したインクタンク11
1について説明するための図である。図11(a)が、
インクタンク111を、第2の爪132が見える方向か
ら見た斜視図であり、図11(b)が、インクタンク1
11を、可動レバー130が見える方向から見た斜視図
である。また、図11(c)が、インクタンク111の
断面図である。
【0013】図11(a)および図11(b)に示され
るように、インクタンク111の一方の側面に、第1の
爪131を有する可動レバー130が設けられ、インク
タンク111の他方の側面に第2の爪132が設けられ
ている。第1の爪131および第2の爪132のそれぞ
れは、インクタンク111をタンクホルダ103に装着
した際に、タンクホルダ103に形成された第1の穴2
41および第2の穴242(図10参照)に係合され
る。これにより、インクタンク111がタンクホルダ1
03に固定される。インクタンク111の下面には、そ
の下面から円筒状に突出するインク供給口211が設け
られている。
【0014】また、図11(c)に示すように、インク
供給口221の内部には、液体と接するジョイント部材
137が充填されている。タンクホルダ103にインク
タンク111が装着された際、インクタンク内部のイン
クがジョイント部材137を通してインク供給口211
からインクジェットヘッド102に供給される。また、
インクタンク111の内部の底面には、タンク内のイン
ク残量検知に用いられるプリズム138が設けられてい
る。
【0015】次に、インクタンク111をインクジェッ
トヘッドカートリッジ301のタンクホルダ103に装
着(セット)する手順を図12の(a)〜(c)を用い
て説明する。
【0016】まず、図12(a)に示すように、タンク
ホルダ103の上面にインクタンク111のインク供給
口211側の面を向けると共にインクタンク111の第
2の爪132を下方に傾けて、タンクホルダ103の内
部にインクタンク111を挿入していく。
【0017】次に、図12(b)に示すように、タンク
ホルダ103の図中右側側面の傾斜面に沿って挿入され
ることで、まず、タンクホルダ103の第2の穴242
にインクタンク111の第2の爪132が係合する。
【0018】さらに、図12(c)に示すように、イン
クタンク111をタンクホルダ103に押し込むことで
可動レバー130が内側に撓み、第1の爪131がタン
クホルダ103の第1の穴241に係合されることで、
インクタンク111はタンクホルダ103に固定され
る。
【0019】この状態で、インクタンク内に保持されて
いるインクは、インク供給口211のジョイント部材1
37を介し、インクジェットヘッド202へと導入さ
れ、電気熱変換体(不図示)の発生するエネルギーによ
り吐出口(不図示)から吐出される。
【0020】なお、インクタンク111を取り外す場合
は、可動レバー130を内側に撓ませて第1の爪131
をタンクホルダー103の第1の穴241から抜くこと
で、タンクホルダー103からインクタンク111を容
易に取り出すことができる。また、上述した構成のイン
クジェットヘッドカートリッジ301の下側には図13
で示すようにセンサー302が各色のインクタンクごと
に配置されていて、タンクホルダー103にインクタン
ク111が装着された際、インクタンク内側の底面のプ
リズム138とあいまってタンク内のインク残量検知を
行なう様になっている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、図13(b)に示すように、イン
クタンクの装着固定はタンクホルダー103の第1の穴
241および第2の穴242に、それぞれ対応するイン
クタンク111の第1の爪131および第2の爪132
を係合させているだけなので、タンクホルダー内でのイ
ンクタンクの位置精度が悪かった。その結果、使用する
センサーとプリズムの構造によってはタンク内の残量検
知においても精度が悪くなる恐れがあり、タンク内のイ
ンクを十分使い切ることなくユーザーにタンク交換を促
してしまう不具合があった。
【0022】そこで本発明の目的は、上記従来技術の問
題点に鑑み、タンクホルダ内に位置精度良く装着するこ
とができるインクタンク、タンクホルダ、インクジェッ
トヘッドカートリッジ、および該インクジェットヘッド
カートリッジを有するインクジェット記録装置を提供す
ることにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、タンクホルダーに着脱自在に保持されるイ
ンクタンクであり、前記タンクホルダーの一側壁に設け
られた第1の係合穴に係合する第1の係合爪を有する可
動レバーが設けられ、前記タンクホルダーの前記第1の
係合穴が設けられた一側壁と対向する側壁に設けられた
第2の係合穴に係合する第2の係合爪が設けられたイン
クタンクにおいて、前記インクタンクの底面に位置決め
ピンが設けられ、前記タンクホルダーには前記インクタ
ンクの装着時に前記位置決めピンを受け入れる位置決め
穴が設けられ、前記インクタンクの内側の底部には、前
記インクタンクが前記タンクホルダーに装着されたとき
に、前記インクタンクの外部に配置されたインク残量検
知用センサの位置に対向するプリズムが設けられ、前記
プリズムの位置は、前記第2の係合爪と前記位置決めピ
ンとの間に挟まれる場所に配置され、前記位置決めピン
と前記位置決め穴とは互いに当接する突き当て部をそれ
ぞれ備え、該位置決めピンは、円柱の前記可動レバーと
は反対側面を平面にカットした形状を有することを特徴
とする。
【0024】また本発明は、上記のインクタンクを着脱
自在に保持するタンクホルダーであって、前記位置決め
ピンの平面部と互いに当接する突き当て部となる平面を
前記位置決め穴に有することを特徴とする。
【0025】また本発明は、上記のタンクホルダーに、
該タンクホルダーに装着したインクタンクから供給され
るインクの吐出を行なうインクジェット記録ヘッド部が
設けられたインクジェットヘッドカートリッジを包含す
る。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】(作用)上記のとおりの構成では、インク
タンクの底面に位置決めピンを設け、タンクホルダーに
インクタンクを装着した時、インクタンクの底面の位置
決めピンがタンクホルダーの位置決め穴に受け入れら
れ、インクタンクの位置が精度良く決まる。特に、装着
されたインクタンクの内側の底部のプリズムと、前記イ
ンクタンクの外部に配置されたセンサとでインク残量検
知を行なう構成では、上記のような位置決めピンでイン
クタンクが精度良く位置決めされることで、インク残量
検知の精度を上げることが可能となる。このとき、位置
決めピンをプリズムの近くに配置したり、タンクの位置
決めピンとホルダーの位置決め穴を互いに平面で突き当
てることで、その検知精度は更に向上する。その結果、
タンク内のインクが十分無くなったうえでその事をユー
ザーに促すことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0035】(第1の実施の形態)本形態では、図11
で示したような記録装置のキャリッジに例えば種類の違
うヘッドカートリッジが2個搭載されている。2個のヘ
ッドカートリッジは、濃度の薄いマゼンタ、シアンのタ
ンクとブラックのインクタンクを有するフォト用ヘッド
カートリッジと、イエロー、マゼンタ、シアンのインク
を吐出可能なカラー用ヘッドカートリッジである。これ
らの組み合わせによって記録装置は6色のインクで印字
可能になり、写真調の印字をきれいに行うことができ
る。あるいは、前記フォト用ヘッドカートリッジを、ブ
ラックのインクタンクのみを有するブラック用ヘッドカ
ートリッジに交換して、テキスト印字を高速で行った
り、ビジネスカラーを高速で印字することも可能であ
る。
【0036】図1は本発明の第1の実施の形態によるブ
ラック用ヘッドカートリッジを正面右斜め上方より見た
図、図2はそのブラック用ヘッドカートリッジを背面左
斜め下方より見た図を示している。
【0037】図1および図2に示される本形態のブラッ
ク用ヘッドカートリッジは、ブラックインク用の大容量
のインクタンク30と、インクジェットヘッド29を有
しインクタンク30を着脱自在に保持するブラック用の
タンクホルダ36とで構成される。インクタンク30の
一方の側面には、つまみ54および第1の爪32を有す
る可動レバー31が設けられ、インクタンク30の他方
の側面に第2の爪33a,33bが設けられている。さ
らに、このインクタンク30の他方の側面で第2の爪3
3a,33bの上方には第3の爪34a,34bが設け
られている。
【0038】インクタンク30の下部には、タンク下面
から円筒状に突出するインク供給口35と、インクタン
ク30をタンクホルダ36に装着した時の位置決めピン
37と、タンク内のインク残量検知に用いられるプリズ
ム28とが設けられている。また、タンクホルダ36に
は、インクタンク30をタンクホルダ36に装着した際
に、第1の爪32および第2の爪33a,33bのそれ
ぞれが係合する第1の穴26および第2の穴38a,3
8bが形成されている。さらに、インクタンク30をタ
ンクホルダ36に装着する過程で位置合わせの為にタン
クホルダ36には、第3の爪34a,34bのそれぞれ
がいったん落とし込まれる第3の穴39a,39bが形
成されている。さらに、タンクホルダ36の下部にはイ
ンクタンク30の位置決めピン37が嵌合する位置決め
穴27が設けられている。
【0039】一方、図3は本発明の第1の実施の形態に
よるカラー用ヘッドカートリッジを正面右斜め上方より
見た図、図4はそのカラー用ヘッドカートリッジを背面
左斜め下方より見た図を示している。
【0040】図3および図4に示されるカラー用ヘッド
カートリッジは、シアンインクタンク40c、マゼンダ
インクタンク40m、イエローインクタンク40yと、
インクジェットヘッドを有し各色のインクタンク40
c,40m,40yを着脱自在に保持するタンクホルダ
46とで構成されている。上記のブラック用インクタン
クと同様、各色のインクタンク40c,40m,40y
の一方の側面にはそれぞれ可動レバー41c,41m,
41yが設けられている。各可動レバーはつまみ54
c,54m,54yおよび第1の爪42c,42m,4
2yを有する。
【0041】各色のインクタンク40c,40m,40
yの他方の側面にそれぞれ第2の爪43c,43m,4
3yが設けられている。さらに、各色のインクタンク4
0c,40m,40yの他方の側面で第2の爪43c,
43m,43yの上方には第3の爪44c,44m,4
4yが設けられている。
【0042】インクタンク40c(40m,40y)の
下部には、タンク下面から円筒状に突出するインク供給
口45c(45m,45y)と、インクタンク40c
(40m,40y)をタンクホルダ46に装着した時の
位置決めピン47c(47m,47y)と、タンク内の
インク残量検知に用いられるプリズム51c(51m,
51y)とが設けられている。
【0043】また、タンクホルダ46には、インクタン
ク40c(40m,40y)をタンクホルダ46に装着
した際に第1の爪42c(42m,42y)および第2
の爪43c(43m,43y)のそれぞれが係合する第
1の穴48c(48m,48y)および第2の穴49c
(49m,49y)が形成されている。さらに、タンク
ホルダ46に装着する過程で位置合わせの為にタンクホ
ルダ46には、第3の爪44c(44m,44y)がい
ったん落とし込まれる第3の穴50c(50m,50
y)が形成されている。さらに、タンクホルダ46の下
部にはインクタンク40c(40m,40y)の位置決
めピン47c(47m,47y)が嵌合する位置決め穴
53c(53m,53y)が設けられている。
【0044】なお、フォト用ヘッドカートリッジは上記
のカラー用ヘッドカートリッジと同じ構成である。
【0045】また本実施形態においては、可動レバーや
係合爪やプリズムなどは、タンク本体とモールド一体成
形されており、その成形材料は、耐インク性、ガスバリ
ヤ性、透明性にすぐれかつ安価なポリプロピレンを採用
している。
【0046】次に、インクタンクをインクジェットヘッ
ドカートリッジのタンクホルダに装着(セット)する手
順についてブラック用インクジェットヘッドカートリッ
ジを例にとり、図5の(a)〜(f)を用いて説明す
る。
【0047】まず、図5(a)、(b)に示すように、
ユーザーはタンクホルダ36の上面にインクタンク30
のインク供給口35側の面を向けると共にインクタンク
30の第2の爪33a,33bを下方に傾けて、タンク
ホルダ36の内部にインクタンク30を挿入していく。
【0048】次に、図5(c)、(d)に示すように、
タンクホルダ36の図中右側側面の傾斜面に沿ってイン
クタンク30を挿入し、タンクホルダ36の第3の穴3
9a,39bにインクタンク30の第3の爪34a,3
4b、タンクホルダ36の第2の穴38a,38bにイ
ンクタンク30の第2の爪33a,33bを係合させ
る。このとき第3の穴39a,39bと第3の爪34
a,34bとの係合は、後に第2の穴38a,38bの
位置を支点にインクタンク30を回転させるときの回転
動作を確実に行なわしめる為のガイドの役割を果たす。
【0049】その後、タンクホルダ36の第2の穴38
a,38bに係合した第2の爪33a,33bを支点に
インクタンク30を回転させながらインクタンク30を
タンクホルダ36内に押し込む。これにより、図5
(e)、(f)に示すように、可動レバー31が内側に
撓み、第1の爪32がタンクホルダ36の第1の穴26
に係合されると同時に、インクタンク30の位置決めピ
ン37がタンクホルダ36の位置決め穴27に入り込
み、インクタンク30はタンクホルダ36に精度良く固
定される。
【0050】この状態で、インク吸収体55に保持され
ているインクは、インク供給口35のジョイント部材5
6を介し、インクジェットヘッド29へと導入され、ヘ
ッド29内の電気熱変換体(不図示)の発生するエネル
ギーにより吐出口(不図示)から吐出される。
【0051】なお、インクタンク30を取り外す場合
は、可動レバー31を内側に撓ませて第1の爪32をタ
ンクホルダー36の第1の穴26から抜き、可動レバー
31のつまみ54を引き上げることで、タンクホルダー
36からインクタンク30を容易に取り出すことができ
る。
【0052】上記の説明において本発明のインクジェッ
トヘッドカートリッジの基本構造および装着方法につい
て述べたが、以下では種々の変形例を図面に基づいて具
体的に説明していく。
【0053】(第2の実施の形態)ここではヘッドカー
トリッジのタンクホルダーにインクタンクを位置精度良
く装着するための構造について、ブラックインク用の大
容量のインクタンク30を一例にとって説明する。
【0054】図6は本発明のインクジェットヘッドカー
トリッジのインクタンク底面のプリズム28とヘッドカ
ートリッジ外部のインク残量検知用センサー25との位
置関係を示す断面図であり、(a)はタンク装着中、
(b)はタンク装着後の状態を示している。
【0055】上記の実施形態でも説明したとおり、イン
クタンク30の一方の側面には第1の爪32を有する可
動レバー31が設けられ、インクタンク30の可動レバ
ー31の設けられた側面と対向する他方の側面に第2の
爪33a,33bが設けられている。インクタンク30
の内部の生インクのみが収容された室の底面に、インク
残量検知に用いられるプリズム28が設けられている。
【0056】また、タンクホルダ36には、第1の爪3
2が係合する第1の穴26と、第2の爪33a,33b
のそれぞれが係合する第2の穴38a,38bとが形成
されている。
【0057】そして、インクタンク30の第2の爪33
a,33bをタンクホルダー36の第2の穴38a,3
8bに引っ掛け、ここを支点としてインクタンク30を
回転させながら落とし込んでいき、これによってタンク
ホルダ側面で可動レバー31を内側に撓ませ、この撓ん
だ可動レバー31の反発力を利用して可動レバー31の
第1の爪32をタンクホルダー36の第1の穴26に係
合させると共に、タンクホルダー36の第2の穴38
a,38bに第2の爪33a,33bが係合したインク
タンク30をその第2の穴38a,38bの設けられた
側面へと押し付けることで、タンクホルダ36内にイン
クタンク30がしっかりと装着固定される。
【0058】さらに、この装着状態でインクタンク30
の下部のプリズム28がヘッドカートリッジ外部のセン
サ25と対向した位置に来て、センサー25の発光部か
らタンク内に入射した光をプリズム28の第1の面で反
射し、この反射光をプリズム28の第2の面でさらに反
射してタンク外のセンサー25の受光部に入射させる光
路が形成される。
【0059】このとき前記光路にずれが生じるとインク
残量の検知精度に影響するため、本発明ではインクタン
ク底面に位置決めピンを設けるとともに、タンク装着時
にその位置決めピンを受け入れる位置決め穴をタンクホ
ルダーに設けている。これにより、装着されたインクタ
ンクの位置精度を高め、インク残量の検知を正確に行な
うことができる。
【0060】ここで、インク残量検知をより精度良くす
るため、図6で示すように、インクタンク30の底面の
位置決めピン37はプリズム28の近くに配置されてい
る。さらに、プリズム28の位置は、インクタンク装着
時の係合支点となる第2の爪33a,33bと位置決め
ピン37との間に挟まれる場所に配置されている。この
配置を採ると、図6における位置決めピン37をプリズ
ム38の位置が逆の場合と比べ、プリズム38と第2の
爪33a,33bとの距離が短くなり、第2の穴33
a,33bを中心としたプリズム28の水平回転方向
(図6で図面垂直方向)の位置精度が向上する。
【0061】また、インクタンク30がタンクホルダ3
6に装着されているとき、インクタンク30は可動レバ
ー31の反発力によって、タンクホルダー36の第2の
穴38a,38bが設けられた側面へと押し付けられて
いる。これにより、インクタンク底面の位置決めピン3
7の側面はタンクホルダ36の位置決め穴27の側面に
押し付けられている。
【0062】そこで本実施形態では、インクタンク30
の位置決めピン37の第2の爪33a,33b側の側面
を平面として突き当て部にしている。そして、タンクホ
ルダー36の位置決め穴27の側面においても、位置決
めピン37の突き当て部を受けるように平面部を設けて
いる。このように位置決めピン37と位置決め穴27と
が面あるいは点で突き当てられるため、装着されたイン
クタンクの位置精度が更に向上する。ここで、平面部は
タンクのレバーによる付勢方向に対して交差する方向に
設けられているが、精度を更に向上させる点からは本実
施形態のように直交するように設けることがより望まし
い。
【0063】図7は、上述したインクタンク底面の位置
決めピンの具体的な形状を示すタンク底面図である。こ
の図に示すように、上記の位置決めピンの形状としては
例えば円柱ピンの可動レバー31の反対側面を平面にカ
ットしたDカットピン(図7(a))、一側面を可動レ
バー31と反対側に配置させた三角柱ピン(図7
(b))、あるいは一側面を可動レバー31と反対側に
配置させた四角柱ピン(図7(c))が適用できる。こ
こでピンの形状については、上述の回転動作による着脱
を考慮すると、基準となる平面部を構成する面の稜部以
外の部分に屈曲部が少ない方が着脱に伴う位置決めピン
の損傷が少ないので望ましい。従って、図7(a)のよ
うなDカットピンの形状は本発明のインクタンクにおい
て特に好適に利用できるものである。
【0064】なお、本実施形態ではブラックインク用の
大容量タンクを例にしたが、カラーインク用の小容量タ
ンク40(40c,40m,40y)についても上記の
ような位置決めピンの配置位置、形状を同様に適用して
いる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、インクタ
ンクの底面に位置決めピンを設け、タンクホルダーにイ
ンクタンクを装着した時にインクタンクの底面の位置決
めピンが受け入れられる位置決め穴をタンクホルダーに
設けたことで、装着時のインクタンクの位置精度を向上
させ、ひいてはインク残量検知を行なう構成ではその検
知精度を向上させることができる。
【0066】また、インク残量検知を行なう構成におい
て、前記位置決めピンをプリズムの近くに配置すること
でプリズムの位置精度が確保される。さらにはプリズム
の位置をインクタンク装着時の係合支点となる第2の係
合爪と位置決めピンとの間に挟まれる場所に配置するこ
とで、前記第2の係合爪と前記プリズムとの距離が縮ま
り、前記第2の係合爪を中心とした前記プリズムの水平
回転方向の位置精度が向上する。そのうえ、タンクの位
置決めピンとホルダーの位置決め穴を互いに平面で突き
当てることで、インク残量の検知精度は更に向上する。
その結果、タンク内のインクが十分無くなったうえでそ
の事をユーザーに促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるブラック用イン
クジェットヘッドカートリッジを構成するインクタンク
とタンクホルダの正面側の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるブラック用イン
クジェットヘッドカートリッジを構成するインクタンク
とタンクホルダの背面側の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるカラー用インク
ジェットヘッドカートリッジを構成するインクタンクと
タンクホルダの正面側の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態によるカラー用インク
ジェットヘッドカートリッジを構成するインクタンクと
タンクホルダの背面側の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるブラック用イン
クジェットヘッドカートリッジにおいてインクタンクを
タンクホルダに装着する様子を示した図である。
【図6】本発明の第2の実施形態において、インクジェ
ットヘッドカートリッジのインクタンク底面のプリズム
とヘッドカートリッジ外部のインク残量検知用センサー
との位置関係を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のインクジェットヘッ
ドカートリッジのインクタンク底面の位置決めピンの形
状を示すタンク底面図である。
【図8】従来からの一般的なインクジェット記録装置の
斜視図である。
【図9】従来のインクジェットヘッドカートリッジの様
子を示す斜視図である。
【図10】従来のインクジェットヘッドカートリッジを
示す断面図である。
【図11】図9に示したインクジェットヘッドカートリ
ッジのインクタンクの詳細図である。
【図12】図9に示した従来のインクジェットヘッドカ
ートリッジにおいてインクタンクをタンクホルダに装着
する様子を示す断面図である。
【図13】従来のインクジェットヘッドカートリッジの
インクタンク底面のプリズムとヘッドカートリッジ外部
のインク残量検知用センサーとの位置関係を示す断面図
である。
【符号の説明】
25 インク残量検出用のセンサー 26、48c、48m、48y 第1の穴 27、53c、53m、53y 位置決め穴 28、51c、51m、51y プリズム 29、52 インクジェットヘッド 30 インクタンク 31、41c、41m、41y 可動レバー 32、42c、42m、42y 第1の爪 33a、33b、43c、43m、43y 第2の爪 34a、34b、44c、44m、44y 第3の爪 35、45c、45m、45y インク供給口 36、46 タンクホルダ 37、47c、47m、47y 位置決めピン 38a、38b、49c、49m、49y 第2の穴 39a、39b、50c、50m、50y 第3の穴 40c シアンインクタンク 40m マゼンダインクタンク 40y イエローインクタンク 54、54c、54m、54y つまみ 55 インク吸収体 56 ジョイント部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−44465(JP,A) 特開 平10−232157(JP,A) 特開 平5−173729(JP,A) 特開 平10−44451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/175

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクホルダーに着脱自在に保持される
    インクタンクであり、前記タンクホルダーの一側壁に設
    けられた第1の係合穴に係合する第1の係合爪を有する
    可動レバーが設けられ、前記タンクホルダーの前記第1
    の係合穴が設けられた一側壁と対向する側壁に設けられ
    た第2の係合穴に係合する第2の係合爪が設けられたイ
    ンクタンクにおいて、 前記インクタンクの底面に位置決めピンが設けられ、前
    記タンクホルダーには前記インクタンクの装着時に前記
    位置決めピンを受け入れる位置決め穴が設けられ、 前記インクタンクの内側の底部には、前記インクタンク
    が前記タンクホルダーに装着されたときに、前記インク
    タンクの外部に配置されたインク残量検知用センサの位
    置に対向するプリズムが設けられ、 前記プリズムの位置は、前記第2の係合爪と前記位置決
    めピンとの間に挟まれる場所に配置され、 前記位置決めピンと前記位置決め穴とは互いに当接する
    突き当て部をそれぞれ備え、該位置決めピンは、円柱の
    前記可動レバーとは反対側面を平面にカットした形状を
    有することを特徴とするインクタンク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクタンクを着脱自
    在に保持するタンクホルダーであって、前記位置決めピ
    ンの平面部と互いに当接する突き当て部となる平面を前
    記位置決め穴に有することを特徴とするタンクホルダ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のタンクホルダーに、該
    タンクホルダーに装着したインクタンクから供給される
    インクの吐出を行なうインクジェット記録ヘッド部が設
    けられたインクジェットヘッドカートリッジ。
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