JP3376252B2 - マルチリング通信装置およびそのノード装置 - Google Patents

マルチリング通信装置およびそのノード装置

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JP3376252B2 JP20184097A JP20184097A JP3376252B2 JP 3376252 B2 JP3376252 B2 JP 3376252B2 JP 20184097 A JP20184097 A JP 20184097A JP 20184097 A JP20184097 A JP 20184097A JP 3376252 B2 JP3376252 B2 JP 3376252B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J3/00Time-division multiplex systems
    • H04J3/02Details
    • H04J3/08Intermediate station arrangements, e.g. for branching, for tapping-off
    • H04J3/085Intermediate station arrangements, e.g. for branching, for tapping-off for ring networks, e.g. SDH/SONET rings, self-healing rings, meashed SDH/SONET networks

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超高速伝送路を用い
た基幹系ネットワークに利用する。特に、複数のリング
ネットワークを互いに接続したマルチリングネットワー
クにおけるパス設定、およびそのノード配置ならびにノ
ード状況に関する情報の収集に関する。
【0002】本発明はSDH(Synchronous Digital Hie
rarchy) 網に利用するに適する。
【0003】
【従来の技術】近年、光ファイバの広帯域性を利用した
超高速通信ネットワークが導入されている。特に基幹系
のネットワークリンクには、文献1に示されたように、
10Gbit/sの容量の伝送システムが導入されてい
る。 文献1:Y.Kobayashi, Y.Sato, K.Aida, K.Hagimoto an
d K.Nakagawa, "SDH-Based 10 Gbit/s Opotical Transm
ission Systems", Proc.IEEE GLOBECOM '94(SanFrancis
co, CA), pp.1166-1170, 1994 一方、ネットワークノードにおける信号処理方式として
は、多種多様なサービスをサポートする非同期転送モー
ド(ATM)がITU−TやATMフォーラムによって
勧告化されている。物理レイヤとアプリケーションレイ
ヤの中間に位置するATMレイヤにおいて、信号はセル
単位に処理される。しかしながら、10Gbit/sを
越える基幹系ネットワークリンクに乗った信号の処理を
すべてセル単位で行うには問題が生じる。各ノード装置
で処理しなければならないバーチャルパス(VP)の数
は、文献2に示されたように何千にものぼり、ノード装
置の大規模化、ネットワーク管理の複雑化を招く。 文献2:S.Matuoka, "Classified Path Restoration Sc
heme with Hitless Protection Switching for Large-C
apacity Trunk Transmission Networks", IEEE GLOBECO
M '95, p.941 このような観点から本願発明者らは、ATMレイヤにお
ける信号処理はサービスノード装置向けに利用されるも
のの、基幹系ネットワークノード装置の諸機能、パス設
定、障害復旧などは、物理レイヤにおいて大束パス単位
で行われるものと考える。この大束パスの容量は様々で
ある。このように大束パス単位で処理することにより、
パス網管理の単純化が可能となる。また、多重化には物
理レイヤにおける時分割多重(Time Division Multiple
xing : TDM) が用いられると考えられる。本明細書で
は、主に、同期ディジタルハイアラーキ(Synchronous D
igital Hierarchy : SDH) を想定する。
【0004】一方、文献3に示されたように、超大容量
リンクをもつネットワークには高い信頼性とサバイバビ
リティが要求される。超高速ネットワークではファイバ
1本の故障が何千、何万のユーザに被害を与える。 文献3:T.-H.Wu, "Fiber Network Service Survivabil
ity", Artech House, Boston and London そこで、セルフヒーリング機能が研究され、導入されて
いる。セルフヒーリングはネットワーク故障の高速復旧
機能であり、導入された例として最もよく知られている
のは、パススイッチあるいはラインスイッチを備えたS
ONET(Synch-ronous Optical Network)リングネッ
トワークである。セルフヒーリングネットワークは、単
純な装置構成と高い信頼性において有利である。基幹系
ネットワークを構築するには、遅延の問題などから、複
数のリングを組み合わせるマルチリングが有望である。
しかしながら、セルフヒーリング機能を備えたマルチリ
ングネットワークは実現されておらず、ルーティングや
スロット割当などのパス設定機能も完備しているとはい
えない状況である。
【0005】ここで、ネットワークの監視および制御に
ついて説明する。単一のリングネットワークに対して
は、TMN(Telecommunication Management Network)
のモデルが標準化されている。図24にその管理網アー
キテクチャを示す。このアーキテクチャでは、各ノード
装置に配置されたネットワークエレメントNE(Networ
k Element )がメッセージ変換器モジュールMD(Medi
ation Device、またはMCM:Message Converter Modu
le)を介してパケット転送網DCNに接続され、このパ
ケット転送網DCNにオペレーティングシステムOpS
が接続される。図にはまた、オペレーティングシステム
OpSを操作するためのワークステーションWSを示
す。ネットワークエレメントNEはそれぞれ制御通信部
を備え、メッセージ変換モジュールMDおよびパケット
網DCNを介してオペレーションシステムOpSと制御
通信を行い、監視制御情報を引き渡す。
【0006】しかし、伝送システムやネットワークの高
度化が進むにつれ、図24に示したモデルでは、ネット
ワークエレメントNEよりもオペレーションシステムO
pS系コスト、特にソフトウェアの開発コストが大きく
なり、ネットワークのコストを引き上げていた。さら
に、図24に示したモデルのような集中制御網では、コ
ントロールノード装置でのシステムダウンが完全なネッ
トワークダウンにつながる。
【0007】そこで、網制御を各ネットワークノード装
置で分散して行う分散制御が数多く研究されている。図
25に単一のリングネットワークにおける分散管理網ア
ーキテクチャを示す。このアーキテクチャでは、ネット
ワークエレメントNEにそれぞれ小規模のオペレーティ
ングシステムOpSを備える。このような分散制御につ
いては、例えば、文献4に示されている。 文献4:I.Cidon, I.Gopal, M.Kaplan and S.Kutten, "
A Distributed ControlArchitecture of High-Speed Ne
tworks", IEEE Transaction on Communications, Vol.4
3, No.5, pp.1950-1960, 1995 分散制御網は、文献5に示されたように、各ネットワー
クエレメントに配備される小さい規模のオペレーティン
グシステムのみを必要とし、コントロールノード装置数
個を有する集中制御網よりもノード装置故障に関して高
信頼である。また、別の制御網が不要であり、各ノード
装置が保持するネットワークデータベースメモリの削
減、高速制御が可能という利点をもつ。 文献5:A.E.Baratz, J.P.Gray, P.E.Green Jr., M.Jaf
fe and D.P.Pozefsky, "Sna Networks of Small System
s", IEEE Journal on Selected Areas in Communicatio
ns, Vol.SAC-3, pp.416-426, 1985 将来のマルチメディアサービスは多種多様であり、サー
ビス種類毎に要求される信号品質あるいは信頼性が異な
ると考えられる。したがって、基幹系のネットワークに
要求される機能は、それぞれのサービスごとに多重化し
たパスを、多種多様な要求品質に応じて、しかも低コス
トで運用管理することである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のネット
ワーク技術では、操作されるすべてのパスの品質および
信頼性は同じである。したがって、ネットワークの品質
および信頼性は、最高の要求を出しているパスに引きず
られ、ネットワーク全体が高コストになっていた。この
問題に対しては、文献6に、パスではなく回線(VC:
Virtual Circuit)レイヤでのアプローチが検討されて
いる。 文献6:N.Yamanaka, E.Oki, F.Pitcho and H.Sato, "F
ullNet:a Flexible Multi-QoS ATM Network Based on a
Logically Configured VC-Network", IEICE Trans.Com
mun., E78-B, No.7, pp.1016-1024, 1995 しかし、この提案もまた高品質のパス網を必要としてお
り、パス運用のレベルでの柔軟性には欠けていた。
【0009】将来のマルチメディア網では、パスレイヤ
においても柔軟性が要求されると考えられる。すなわ
ち、コストは高くてもよいが1ビットも落とさないで欲
しいというパスと、品質あるいは信頼性を落としてもよ
いがコストを低くして欲しいという要求をもつパスと
が、同時に存在する。
【0010】本発明は、このような課題を解決し、セル
フヒーリング信頼性に応じてクラス分けされたパスの運
用を、分散制御環境下のマルチリングアーキテクチャで
具体的に実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のマルチリング通
信装置は、複数のノード装置が伝送路によりリング状に
接続されたリングネットワークを複数備え、この複数の
リングネットワークはそれぞれのネットワーク内のいず
れかのノード装置をブリッジノードとして互いに接続さ
れたマルチリング通信装置において、各ノード装置に
は、制御通信チャネルを用いて他のノード装置と制御通
信することにより他のノード装置との間の情報伝送の単
位となるパスを設定する分散パス設定手段を備え、この
分散パス設定手段は、信頼性および品質によりパスをグ
レード分けし、高グレードのパスについてはそのパスが
経由する各リングネットワークでそれぞれ互いに逆回り
の二つのパスを設定し、低グレードのパスについては各
リングネットワークでそれぞれ一方向回りのパスを設定
する手段を含むことを特徴とする。
【0012】パスの設定は、信号の中に埋め込まれたセ
クションオーバーヘッド(SOH)内のデータコミュニ
ケーションチャネル(DCC)上で構成されるトークン
リングプロトコルを用いて、分散制御のルート決定に必
要な他ノード装置との通信および帯域の確保を実現する
ことがよい。
【0013】すなわち、パスを設定する手段は、自ノー
ド装置が送信ノードのとき、そのノード装置が属するリ
ングネットワークを周回しているトークンを取得してパ
ス設定を要求するパケットを互いに逆回りの二方向に送
出する手段と、自ノード装置がブリッジノードのとき、
一方向回りで到来したパケットを次のリングネットワー
クの同じ方向回りに転送する手段と、自ノード装置が受
信ノードのとき、二方向から受信したパケットが高グレ
ードのパスの設定を要求するものであるときにはそれに
対する応答を互いに逆回りの二方向に返信し、二方向か
ら受信したパケットが低グレードのパスの設定を要求す
るものであるときにはその一方に対する応答を一方向回
りに返信する手段とを含むことがよい。
【0014】セルフヒーリングのために、各ノード装置
にはそのノード装置を受信端とする経路が二重化された
高グレードのパスのうち品質の良い方を無瞬断で選択す
る手段を備えることがよい。また、パスを設定する手段
は、低グレードのパスのうち比較的グレードの高いパス
に対して、障害が発生したときに再ルーティングにより
自動的に救済する手段を含むことがよい。この救済する
手段は、各ノード装置において隣のリンクあるいはノー
ド装置に故障が検出されたときに制御通信チャネル内に
含まれるトークンをループバックする手段を含むことが
よい。
【0015】すなわち、信頼性の高低に応じてグレード
の異なる3クラスのパスを用意し、信頼性の高い受信に
「クラスA」、「クラスB」、「クラスC」と分類す
る。そして、クラスAについては、送信ノード装置にお
いて2分岐を行って異なる2ルートにパスを収容し、受
信端において無瞬断切替を行うことにより、障害時に1
ビットの情報も落とさずにパスを救済する。この技術
は、 文献7:川瀬他、「SDH網における無瞬断フレーム切
替方式の検討」、信学論B-I, Vol.J78-B-I, No.12, pp.
764-772 に詳しく説明されている。次に信頼性の高いクラスBに
ついては、パス設定と同様の方法で単一リング内におけ
るパスの再設定を行って障害を復旧する。クラスCにつ
いては、設備復旧が完了するまで信号の再接続は行わな
い。クラスB以外のセルフヒーリングについては、文献
2に示されたものとほぼ同等である。
【0016】各リングネットーワークは2以上のブリッ
ジノード装置を介して他のリングネットワークに接続さ
れ、いずれかのリングネットワークの少なくともひとつ
のノード装置には、そのリングネットワークおよび他の
リングネットワークにおけるノード装置の配置およびそ
の動作状況に関する情報を収集するためのノード装置情
報収集パケットをそのノード装置の属するリングネット
ワークの一方向に送信する手段と、自分が送信して戻っ
てきたノード装置情報収集パケットを終端してそのパケ
ットにより収集された情報を蓄積する手段とを備え、各
リングネットワークのそれぞれのノード装置には、受信
したノード装置情報収集パケットに自ノード装置の番号
および状態を書き込んで次のノード装置に転送する手段
を備え、ブリッジノード装置として用いられるノード装
置にはそれぞれ、転送する手段に加え、そのブリッジノ
ード装置が互いに接続する二つのリングネットワークの
一方から受信したノード装置情報収集パケットを一時的
に蓄える手段と、その二つのリングネットワークの他方
に対する送信権を得たときに一時的に蓄える手段に蓄え
られたノード装置情報収集パケットをその他方のリング
ネットワークに転送する手段と、送信権を得ることなく
他のブリッジノード装置からのノード装置情報収集パケ
ットを受信した場合には一時的に蓄える手段に蓄えられ
たノード装置情報収集パケットを消去する手段と、自分
が転送して戻ってきたノード装置情報収集パケットを終
端するとともにそのパケットを書き込み禁止にして元の
リングネットワークに返送する手段とを備えることがで
きる。
【0017】それぞれのノード装置およびブリッジノー
ド装置には、あらかじめ定められた時間内に同じノード
装置情報収集パケットを受信した場合にそれを削除する
手段を備えることが望ましい。送信ノード装置には、ノ
ード装置情報収集パケットにより収集された情報を前記
複数のリングネットワークの少なくともブリッジノード
装置、必要な場合にはそれぞれのノード装置に配信する
手段をさらに備えることが望ましい。ブリッジノード装
置にはそれぞれ、配信する手段から配信された情報に基
づいて、そのブリッジノード装置を経由するパス設定に
制約を設ける手段とを備えることが望ましい。
【0018】リングネットワーク構成を用いることで、
障害復旧時の復旧が容易であるなど、通信ネットワーク
として高い信頼性とサバイバビリティを確保できる。さ
らに、通信ネットワークをリング型に限定することで、
経路の方路設定が時計回り、反時計回りというように限
定され、パスの開通もしくは障害時のパスの復旧などに
おける経路設定および再設定機能を簡略化でき、経路編
集のためのハード規模およびアルゴリズムを削減でき、
経済的な通信ネットワークが可能となる。また、リング
ネットワークを平面的に複数配置し、これらリングネッ
トワーク間を二つ以上のノード装置で接続することで、
大規模な通信ネットワークに高い信頼性、サバイバビリ
ティ、経済性を確保しつつ、拡張性を高めることができ
る。
【0019】パスの優先度に差を設ける技術としては、
特開平3-276937号公報および特開平3-217140号公報に示
されたものがある。前者の技術は、優先度の高いパスに
障害があると、障害のない低優先のパスを犠牲にして優
先度の高いパスの品質を確保するものである。これに対
して本願発明は、あらかじめ優先度を設けてパスを設定
するのもである。また、特開平3-276937号公報開示の技
術では障害復旧のために共有切替を行っており、本願発
明におけるクラスAのパスのように経路が二重化される
ものではない。さらに、特開平3-217140号公報開示の技
術には親ノード装置が存在し、集中制御を行っている。
これに対して本願発明は、分散制御を行っている。特開
平3-217140号公報開示の技術は、データが発生したとき
のみ送信が行われるパケット網に関する技術であり、障
害に対する優先度が設けられるわけではなく、しかも親
装置が集中制御している。本願発明とは全く異なる技術
である。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第一の実施形態を
示す図であり、複数のノード装置11〜15が伝送路に
よりリング状に接続されたリングネットワーク21と、
同様にノード装置16〜19および13、14が伝送路
によりリング状に接続されたリングネットワーク22と
を備え、この二つのリングネットワーク21、22はそ
れぞれのネットワーク内のノード装置13、14をブリ
ッジノードとして互いに接続される。リングネットワー
ク22はまた、ノード装置17、18をブリッジノード
としてさらに別のリングネットワークに接続される。ノ
ード装置11〜19はそれぞれ、制御通信チャネルを用
いて他のノード装置と制御通信することにより、他のノ
ード装置との間の情報伝送の単位となるパスを設定する
ことができる。
【0021】ここで、データ伝送には高速TDMを用
い、パスの設定のための分散オペレーションのために、
セクションオーバヘッド内のDCC上で、あいるは波長
多重による別信号フレーム内のチャネル上で構成される
トークンリングプロトコルを用いる。この理由は、中継
系ネットワークのパスのコネクションは比較的永続的で
あり、接続変更の頻度が少なく接続遅延が実質上問題に
ならないからである。
【0022】設定するパスについては、信頼性および品
質により、クラスA、B、Cにグレード分けする。そし
て、グレードの最も高いクラスAのパスについては、そ
のパスが経由する各リングネットワークでそれぞれ互い
に逆回りの二つのパスを設定する。図1には、ノード装
置11、16間のパスを示す。一方(右回り)のパス
は、ノード装置12を経由してブリッジノードであるノ
ード装置13に接続され、このノード装置13内のアッ
ド・ドロップ・モジュールADMでドロップされ、スイ
ッチSWを通り、リングネットワーク22側のアッド・
ドロップ・モジュールADMからリングネットワーク2
2に接続され、受信端であるノード装置16に接続され
る。また、他方(左回り)のパスは、ノード装置15を
経由してブリッジノードであるノード装置14に接続さ
れ、ノード装置13と同様にしてリングネットワーク2
2に接続され、ノード装置19、18および17を経由
して受信端であるノード装置16に接続される。二つの
ルートを経由したパスについては、受信端における無瞬
断切替装置(Hitless Switching Unit)31により、品
質の良い方を無瞬断で選択する。無瞬断切替装置31は
各ノード装置11〜19にそれぞれ設けられるが、ここ
ではノード装置16についてのみ示す。
【0023】クラスB、Cのパスについては、そのパス
が経由する各リングネットワークでそれぞれ一方向回り
のパスを設定する。図1には、ノード装置19、15間
のクラスBのパスを示す。
【0024】このようなマルチリングトポロジーにおい
て、パスのフルメッシュ接続を構成するとき、各リング
に要求される現用系のパスの本数は、次の式で表され
る。
【0025】
【数1】 ここで、Nはリング内ノード装置数、nはリング数、j
は左から数えたリングの番号である。数1の式におい
て、第1項はリング内で閉じているパス、第2項はj番
目のリングを通過するパス、第3項はj番目のリングか
ら他のリングに出ていくパスの本数である。当然なが
ら、中心に位置するリングのリング内パス本数が最も大
きいことがわかる。
【0026】図2はリンク障害時における復旧方法を説
明する図である。クラスAのパスについては、受信端に
おける無瞬断切替装置31において障害のないルートを
選択することにより救済する。クラスBのパスについて
は、リングネットワーク21内で閉じた再ルーティング
によって救済する。
【0027】図3はDCC上で構成されるトークンリン
グのフレーム構成を示す。このフレームは、デリミタお
よびトークンを含むフレーム制御FC(Frame Control
)、受信ノードD−ID、送信ノードS−ID、ルー
ティングかレスポンスかを示す制御フィールドC、デー
タ・フィールド、およびフレーム・チェック・シーケン
スFCSにより構成される。データ・フィールドには、
パスのクラスを表すグレード、右回りまたは左回りのパ
ケットの流れる方向を示すc/cc、接続したいパスの
容量、送信、受信あるいはブリッジ間にある中継ノード
装置が書き込む領域、ブリッジまたは受信ノード装置の
識別子、リング間をまたがるのかどうかを示す領域を含
む。
【0028】本発明は図3に示すトークンプロトコルに
限定されるものではなく、IBMトークンリングのプロ
トコル、あるいは三菱電気−Loop1のプロトコルで
も同様に実施できる。また、トークンプロトコルを用い
た方式であれば、マルチトークン方式あるいはアーリー
トークン方式でも同様に実施できる。各リングとして双
方向2ファイバリングを仮定するが、4ファイバリング
でも同様に実施できる。トークンは片方向にのみ巡回し
ているが、パケットは双方向に伝送できるものとする。
【0029】図4はノード装置の構成例を示す。このノ
ード装置は主信号処理部41、パス管理部42および制
御通信部43を備え、主信号処理部41には、局内伝送
部44、低速フレーム信号終端処理部45、パス選択処
理部46、経路接続処理部47、多重分離処理部48、
多重化フレーム信号終端処理部49および局間伝送部5
0を備え、パス管理部42には、パス設定部51を備え
る。
【0030】局内伝送部44は、他の装置から入力され
る局内信号を送受信する。低速フレーム信号終端処理部
45は、送受信された信号のフレーム同期をおこないパ
スごとに多重分離する。パス選択処理部46は、送信の
場合にはクラスAパスの二重化、受信ではクラスAパス
の無瞬断切替を行う。また、クラスB、Cに対しては、
1本のパスを通過する。経路接続処理部47はいわゆる
スイッチ部であり、局間伝送路からのパスと局内側から
のパスとを並べ替える。多重分離処理部48は、局間に
出される、あるいは局間から入っているパスを多重分離
する。多重化フレーム信号終端処理部49は、多重され
た信号にフレーム同期などのセクションオーバーヘッド
の処理を行う。局間伝送部50は多重化された信号を送
受信する。制御通信部43は主信号処理部41とパス管
理部51との間の制御通信を行い、セクションオーバー
ヘッドから制御通信用に定義された部分を抜き出してパ
ケットを組み立て、また、パケットを分解してセクショ
ンオーバーヘッドのバイトに挿入する。パス設定部51
は、以下に説明するアルゴリズムにより、パスの設定を
行う。
【0031】図5ないし図9は各ノード装置におけるパ
ス設定の制御の流れを示す図であり、図5は全体的な流
れ、図6は送信ノードとして、図7は中継ノードとし
て、図8はブリッジノードとして、図9は受信ノードと
してのそれぞれの動作を示す。
【0032】各ノード装置は、パスの接続要求がある場
合には送信ノードとして図6に示す制御を実行する。そ
れ以外のときには、他ノード装置からの接続要求パケッ
トを受信して中継する必要がある場合には中継ノードと
して、ブリッジノードとして動作する必要がある場合に
はブリッジノードとして、自ノード装置が受信端に指定
されているときには受信ノードとして、それぞれ図7、
8、9の制御を実行する。
【0033】図5ないし図9は一つのノード装置の制御
を示すが、パス設定時には、関係する複数のノード装置
がそれぞれ送信ノード、中継ノード、ブリッジノード、
受信ノードとして動作する。これらの動作について、リ
ング#a、#bの二つのリングネットワーク間にパスを
設定する場合を例に説明する。
【0034】パス接続要求のあるノード装置(送信ノー
ド)は、リング#a内に一方向のみに巡回するトークン
をつかむと、パスのグレード、容量などを書き込んだ接
続要求パケットを右回りおよび左回りの両方向に送信
し、ダブルルートサーチを行う。中継ノードは、該当す
るパスをパケットの伝送方向にそのまま転送できるだけ
の帯域の余裕があれば、そのパケットの中継ノード領域
に自分の識別子(ID)をスタンプし、そのパケットを
中継する。パスを次のノード装置に渡せない場合はノー
グッド(NG)を書き込む。ブリッジノードでは、パス
を次のリング#bに接続できるか否かをパケットに書き
込み、それをリング#a内にレスポンスパケットとして
送信する。リング#aを一周して送信ノードに戻ったレ
スポンスパケットは終端され、トークンは解放される。
トークンの解放は、パケットを終端してからでもよく、
トークンを終端してからでもよく、いくつかのパケット
を送信した後でも良く、マルチトークンで制御してもよ
い。ここでは、簡単のため、シングルトークン・パケッ
ト終端型について説明する。
【0035】パケットが右回りおよび左回りに転送され
るので、リング#aで二つのノード装置がブリッジノー
ドとなる。この二つのブリッジノードは、リング#bの
トークンをつかみ、受信ノードに向けてパケットを送信
する。ここで、ブリッジノードは、リング#aから右
(左)回り方向で受け取ったパケットをリング#bの右
(左)回り方向で送信することによって、クラスAパス
のルードダイバーシティを実現する。リング#b内のル
ーティングも同様である。
【0036】リング#bの受信ノードは、パスが接続さ
れることが確認できた後、ルーティング完了通知パケッ
トを送信する。ここで通知されるルート情報およびルー
ティング完了通知パケットの通るルートは、クラスAの
パスではルーティングパケットの通った二つのルートで
あり、クラスB、Cのパスでは二つのルーティングパケ
ットの通ったルートのうち受信ノードに早く到達した方
のルートである。すなわち、クラスB、Cのパスでは、
ルート完了通知パケットは受信ノードから送信ノードに
一つのルートだけで転送される。ただし、各ブリッジノ
ードは、ルーティング完了通知パケットを次のリングに
転送すると同時に、完了通知パケットのレスポンスパケ
ットをリング内の他のブリッジノードあるいは受信ノー
ドに反対ルートで送信する。クラスBのパスでは、リン
グ内の現用ルートとは反対側の中継ノード装置が、レス
ポンスパケットの内容を見てリング内の予備パスを確保
できる場合はIDを書き込み、確保できない場合はNG
を書き込む。予備パス確保のNGは、レスポンスパケッ
トを終端するブリッジノードあるいは受信ノードから、
予備パスNG情報として後に送信ノードに転送される。
【0037】パスの接続要求が発生してから接続される
までの平均遅延時間は、接続要求の頻度に依存する。平
均遅延時間は、接続要求の生起過程がランダムであると
すると、次式で表すことができる。
【0038】
【数2】 ここでNはリング内ノード装置数、τf はSDH(同期
ディジタルハイアラーキ)1フレーム転送時間、dは1
フレーム当たりのDCCチャネルビット数、nはリング
数、tは伝搬遅延、Lはリンク距離、τp は1ノード装
置当たりのパケット処理時間、Lh はパケットオーバー
ヘッドである。
【0039】図10は数2により求めたパス接続要求頻
度と平均接続遅延時間の関係を示す。横軸はトークンが
1リングを一周して戻ってくるまでにいくつの接続要求
が発生するかを示す。ここでは、総ノード装置数を5
0、τf =128μs、d=12バイト、t=5ns/
m、各リンクについてL=100km、τp =1ms、
h =8バイトとした。接続遅延はリングの数が増加す
る(リング内ノード装置数が減少する)にしたがって減
少する。これは、トータルのトークン数が増すことによ
り、あるノード装置がトークンをつかむ確率が増加する
ことに由来する。総ノード装置数が50程度であれば、
平均接続遅延は数秒のオーダーであることがわかる。
【0040】次に、セルフヒーリングについて説明す
る。
【0041】クラスAのパスは、送信ノード装置におけ
る二重化、異なる2ルートへの収容、および受信端にお
ける無瞬断切替により、常に1ビットも情報を落とさ
ず、信頼性の高いパスである。
【0042】図11に無瞬断切替のための構成例を示
す。クラスAのパスは、送信端の二つのフリップフロッ
プTTFから別々のパス(パス0とパス1)を経由し、
受信端の二つのフリップフロップTTFにより終端され
る。ここで、パス0の遅延をτ0 、パス1の遅延をτ1
とする。受信端の二つの伝送路終端機能回路TTF(Tr
ansport Terminating Function) の出力はメモリその他
による遅延回路DLYを介して無瞬断切替スイッチSW
に接続され、遅延回路DLYによる遅延量および無瞬断
切替スイッチSWの動作はスイッチングコントロール回
路SWCにより制御される。スイッチングコントロール
回路SWCは、VCフレームのB3バイトを用いて二つ
のパスをフレーム毎に比較し、品質の良い方のフームを
選択する。したがって、突発故障時にも、無瞬断切替が
可能であるだけでなく、正常時には、出力誤り率が、伝
送されたパスの誤り率よりも改善される効果がある。現
用パスの誤り率をε1 、予備パスの誤り率をε2 とする
と、スイッチの出力誤り率εout は、次の式で表され
る。
【0043】
【数3】 ここで、Q(ε)は1フレーム当たりB3(BIP−
8)によって誤りが検出される確率であり、次のように
表される。
【0044】
【数4】 また、P(ε)はBIP−8の1レール当たりのパリテ
ィが誤りを検出する確率であり、次のように表される。
【0045】
【数5】 パスのサイズをVC−4(156Mbit/s)とする
と、誤り率の改善効果は図12に示すようになる。両系
のパスとも誤り率が10-10 とすると、無瞬断切替回路
の出力誤り率は10-16 程度になる。
【0046】次に、クラスBのパスに対するセルフヒー
リングについて説明する。クラスBは無瞬断切替までは
必要ではないが、ネットワーク障害時の予備ルート切替
が必要という中程度の信頼性ランクに位置づけられる。
クラスAが予備系占有切替(Dedicated Switching )な
のに対し、クラスBでは予備系共有切替(Shared Switc
hing)である。従来の共有切替方式では、パス設定時と
障害復旧時には全く別々の方法および装置が用いられて
いた。それに対し、本発明では、パス設定と同様の方法
を障害時にも用いて、装置の共有化を実現する。以下、
パス設定とは異なる部分について説明する。
【0047】リング故障などで障害が起きたとき、故障
リンクの両端のノード装置は、LOSを検出してセクシ
ョンアラームを通知する。このとき、二つの両故障端ノ
ード装置は、正常時には片方向にしか転送されていなか
ったトークンをファームウェア上あるいはソフトウェア
上でループバックし、逆回りのリングにも転送させる。
これにより、リンク故障があってもあらゆるノード装置
がトークンをつかむことができる。重要なのは、ループ
バックするのはあくまでプロトコル中(FCバイト)に
含まれているトークンのみで、信号はパスレイヤで救済
されることである。障害時にはパス設定の説明で述べた
ようなランダムな接続要求生起過程ではなく、故障リン
ク中のすべてのクラスBが接続を要求する。周回してい
るトークンをつかんだノード装置は、自分のノード装置
に関与する一つの故障パスについて、パス設定の場合と
同様にして再接続を実行し、トークンを解放する。次に
トークンをつかんだノード装置も同様である。このよう
にして、順次1本ずつパスを再接続していく。
【0048】図13ないし図15はクラスBのパスのセ
ルフヒーリング特性を説明する図であり、図13はノー
ド装置A、B、C、DおよびZを含むj番目のリングネ
ットワークで障害が発生した状態、図14はノード装置
の位置とすべての故障パスがクラスBだとしたときの復
旧すべきパスの本数、図15はトークンが各ノード装置
を転送されるようすを示す。
【0049】ここで、リング内の最悪ケースを仮定し
て、ブリッジノードであるノード装置Aと隣のノード装
置Zの間のリンクで障害が発生したとする。このとき、
障害の影響を受けるパスには、このj番目のリングネッ
トワークを通過するリング間パス#1((1)式1第2
項)と、このj番目のリングネットワークと他のリング
ネットワークとを接続するリング間パス#2((1)式
第3項)と、リング内に閉じたパス((1)式第1項)
とが考えられる。リング間パス#1については、j−1
番目およびj+1番目のリングネットワークとのそれぞ
れのブリッジノードであるノード装置AとDとで分担し
て復旧させなければならない。図中におけるmはノード
装置AとDとの分担係数であり、次の式で表される。
【0050】
【数6】 ノード装置AとZとが故障端ノードなので、トークンは
これらのノード装置A、Zでループバックされ、各ノー
ド装置を転送される。ここで、あるノード装置でパスを
復旧させるための処理時間をτr1、単に隣のノード装置
に中継する時間をτr2とする。両者は次のように表され
る。
【0051】
【数7】 任意の時間におけるパスの復旧特性は、トークンの反復
回数kによって次の表のように特徴づけられる。
【0052】
【表1】 故障が起きたときにどの位置にトークンがいるのかは特
定できないので、トークンのエンドエンド片道区間で復
旧特性を平均化する。復旧率R(T)を「全障害パスに
対する、任意の時間における復旧されたパスの割合」と
定義すると、次のように表される。
【0053】
【数8】 ただし、
【0054】
【数9】
【0055】
【数10】 であり、
【0056】
【数11】 である。また、
【0057】
【数12】 である。
【0058】図16は以上の式を用いた計算した復旧率
を示す。ここで、総ノード装置数を50と仮定し、単リ
ング、2リング、5リングの場合について示す。また、
他の各パラメータは図10と同様である。図16には、
1ビットも失われないクラスA、設備復旧クラスCにつ
いても示す。クラスBパスについては、単一リングの場
合は40秒以上、2リングの場合は20秒、5リングの
場合では10秒程度で完全復旧する。
【0059】この実施形態の重要な点は、マルチリング
構成であればネットワーク構成の情報なしにパス設定が
できることである。さらに、このような技術を修正する
ことで、ノード装置の配置の情報を把握することが可能
になる。
【0060】分散型のマルチリングネットワークを運用
管理するためのノード装置配置の情報把握および状態認
識について、以下に説明する。
【0061】集中制御の単一リングにおける状態認識方
式としては、特開平8−191318号公報および特開
平7−58765号公報に開示されたものがある。これ
らの方式では、ネットワークを制御して情報を収集する
親ノード装置を必要とする。一方、分散制御に適用可能
な状態認識方式としては、特開平8−23200号公報
に開示されたものがある。この方式では、任意のノード
装置に接続した遠隔装置から、装置番号を示すポインタ
とアドレス値設定領域とを有する制御電文をループ上で
一周させて、状態を把握するものである。この方式は、
任意ノード装置からの制御を可能にする点において、分
散制御下でも実行可能である。
【0062】しかし、この方式をそのままマルチリング
上で実行すると、任意の二つのリングをつなぐ二つのブ
リッジノードはそれぞれ独立に次のリングに制御電文を
転送することになる。したがって、リングの数をNとす
ると、ネットワーク全体としての制御電文の数は2N
なり、制御電文が輻輳してネットワークのパフォーマン
スを劣化させるという問題が生じる。
【0063】このような課題を解決し、リングネットワ
ーク間をそれぞれ二つのブリッジノード装置で接続した
分散型のマルチリングネッワークにおけるノード装置配
置の状態把握および状態認識を可能とする実施形態につ
いて説明する。
【0064】図17は本発明の第二の実施形態施を示す
図であり、それぞれ複数のノード装置が伝送路によりリ
ング状に接続された6個のリングネットワーク61〜6
6を備え、リングネットワーク61、62がブリッジノ
ード装置71、72を介して接続され、リングネットワ
ーク62、63がブリッジノード装置73、74を介し
て接続され、リングネットワーク61、64がブリッジ
ノード装置75、76を介して接続され、リングネット
ワーク62、65がブリッジノード装置77、78を介
して接続され、リングネットワーク63、66がブリッ
ジノード装置79、80を介して接続され、リングネッ
トワーク64、65がブリッジノード装置81、82を
介して接続され、リングネットワーク65、66がブリ
ッジノード装置83、84を介して接続されたマルチリ
ング通信装置を示す。リングネットワーク61〜66に
はブリッジノード装置以外のノード装置も設けられる
が、図17ではノード装置配置およびノード装置状況に
関する情報を収集するためのノード装置情報収集パケッ
トを送信する送信ノード装置91以外については省略す
る。図17にはまた、ノード装置情報収集パケットの転
送経路の一例を示す。
【0065】この実施例では、リングネットーワーク6
1〜66の各ノード装置間の接続は分散制御され、その
制御のために、任意のノード装置から各リングのノード
装置配置およびノード装置状態の情報を効率的に収集す
る。ここでは、リングネットワーク61内の送信ノード
装置91が情報収集を行うものとして説明する。送信ノ
ード装置91からのノード装置情報収集パケットの送信
は、ネットワーク敷設時、あるいは新ノード装置追加時
に行われる。送信ノード装置91となるノード装置は、
ネットワーク敷設時にオペレータのいるノード装置でも
よく、運用時に増設されるノード装置でもよい。
【0066】まず、送信ノード装置91は、第一の実施
形態の場合と同様に、セクションオーバーヘッド(SO
H)上で構成されるトークンプロトコルを用いて、ノー
ド装置情報収集パケットをリングネットワーク61の一
方向に送信する。ノード装置情報収集パケットでは、デ
ータフィールド部分にノード装置情報収集のための信号
が乗る。ここで、一つのリングネットワーク内ではトー
クンは一つしか存在せず、トークンをつかんだノード装
置のみがパケットを送出できる。
【0067】送信ノード装置91から送信されたノード
装置情報収集パケットは、SOH上でリングネットワー
ク61を一周する。各ノード装置は自分のIDを順次ス
タンプしていく。また、ノード装置が故障している場合
はNGを書き込む。送信ノード装置61は、一周して戻
ってきたパケットをメモリに蓄積して終端する。
【0068】リングネットワーク61、62間を接続す
るブリッジ対、すなわちブリッジノード装置71、72
は、ノード装置情報収集パケットを次のリングネットワ
ーク62に渡すためにメモリに蓄積する。二つのブリッ
ジノード装置71、72のうち、最初のトークンをつか
んだブリッジノード装置71のみが次のリングネットワ
ーク62に転送する。トークンをつかまずに別のブリッ
ジノード装置71が転送したノード装置情報収集パケッ
トを受信したブリッジノード装置72は、メモリ内のパ
ケットを消去する。
【0069】ノード装置情報収集パケットを転送したブ
リッジノード装置71は、一周して戻ってきたノード装
置情報収集パケットを蓄積、終端し、元のリングネット
ワーク61に返送する。このとき、そのパケットに書き
込み禁止情報を書いておく。
【0070】すでにパケットを処理したノード装置は、
決められた時間内で再び同じパケットを受信した場合に
はそのパケットを削除する。図17には簡単のためパケ
ットの削除をブリッジノード装置で行うように示してい
るが、これはどのノード装置で行ってもよい。
【0071】リングネットワーク間のノード装置情報収
集パケットの転送および返送を繰り返すことにより、す
べてのリングネットワーク61〜66からそれぞれひと
つのノード装置情報収集パケットが返送され、送信ノー
ド装置91ですべてのノード装置の配置および状態を重
複なしに効率的に収集することができる。
【0072】図18ないし図21は各ノード装置による
ノード装置配置およびノード装置状態の情報収集ならび
に情報認識のための処理の流れを示し、図18はノード
装置配置およびノード装置状態の情報を収集したい送信
ノード装置の処理の流れ、図19は中継ノード装置の処
理の流れ、図20はブリッジノード装置の処理の流れ、
図21は図20に示した処理中におけるパケット処理の
流れを示す。これらの処理は、図4に示した構成におけ
るパス設定部51および制御通信部43により行われ
る。
【0073】送信ノード装置は、自分の属するリング内
に巡回するトークンをつかむと、ノード装置情報収集パ
ケットを送信する。このノード装置情報収集パケット
は、通常のトークンリングプロトコルに用いられるパケ
ットのデータフィルード部分に、各ノード装置がスタン
プする領域が設けられたものである。宛先ノード装置の
アドレスは送信ノード装置アドレスに設定する。送信ノ
ード装置は、ノード装置情報収集パケットを送信した
後、受信したすべてのパケットを蓄積する態勢に入る。
ただし、最初のパケットが一周したものを受信すると、
トークンをリリースする。
【0074】送信ノード装置以外のノード装置は、ノー
ド装置情報収集パケットを受信すると、中継ノード装置
として動作する。そして、まず、受信したパケットが書
き込み禁止かどうかをチェックする。書き込み禁止であ
れば、隣のノード装置に転送する。そのパケットがすで
に受信したものと同じであれば、そのパケットは削除す
る。初めて受信したものである場合には、自ノード装置
が正常であれば自分の番号(ID)、ノード装置内のど
こかが故障している場合にはノーグッド(NG)をスタ
ンプ領域に書き込んで転送する。ここで、自分の番号に
はリングの番号とノード装置番号とを含む。例えば、1
バイトのうち4ビットをリング番号とし、もう4ビット
をそのリング内のノード装置番号とする。
【0075】ブリッジノード装置は、大きく分けて三つ
の処理を行う。第一は中継ノード装置としての処理、第
二はブリッジとしてのノード装置情報収集パケット処
理、第三はリング構成情報パケット処理である。ここで
リング構成情報パケットは書き込み禁止の情報通知パケ
ットである。図ではノード装置情報収集パケットおよび
リング構成情報パケットをまとめて「Xパケット」とし
て示す。
【0076】ブリッジノード装置は、まず中継ノード装
置としての処理をしてから、ノード装置情報収集パケッ
ト処理モードに入る。送信ノード装置からのノード装置
情報収集パケットを受信すると、次のリングに渡すべく
メモリに蓄積する。そして、次のリングのトークンを待
つモードに入る。トークンを確保すると、ノード装置情
報収集パケットを送信する。トークンを確保する前に他
のブリッジから同じノード装置情報収集パケットを受信
した場合は、その場で自分のメモリに蓄えたパケットを
消去し、中継ノード装置の処理モードに入る。これによ
って、リング内には一つのブリッジから一つのノード装
置情報収集パケットしか伝送されないので、制御パケッ
トの輻輳を避けることが可能となる。次にブリッジノー
ド装置は、自分が転送した(情報の満たされている)パ
ケットを受信するモードに入り、受信すると書き込み禁
止にし、すべて元のリングに同じルートで返送する。す
でに書き込み禁止にされたパケットを受信すると、その
パケットをそのリングに転送したリングに返送して処理
が終了する。
【0077】これらの動作によって、送信ノード装置は
すべてのノード装置配置およびノード装置状態の情報収
集ならびに認識が可能となる。これらの情報がすべて蓄
積された後に(時間T以上になると)、送信ノード装置
はリング構成情報のみを同様に発信する。中継ノード装
置はそれらを受信し、すでに受信したものであれば削除
する。なお、リング構成情報パケットは書き込み禁止で
ある。ブリッジノード装置も同様に転送し、かつこの情
報を蓄積する。中継ノード装置もブリッジノード装置
も、リング情報パケットを受信して転送した段階で、ノ
ード装置情報収集処理が終了する。
【0078】このようにして収集されたノード装置情報
に基づいて、任意のノード装置間に最適なパスを設定す
る。
【0079】図22は図17に示したマルチリング通信
装置にパス設定を行った例を示す。ここでは、リングネ
ットーワーク61内の送信ノード装置92(ここでいう
「送信ノード装置」はパス設定における送信元の意味で
あり、上述したノード装置情報収集のための送信ノード
装置と同一である必要はない)とリングネットーワーク
63内の受信ノード装置93との間に二重化されたパス
を設定する場合の例を示す。上述の論文では二重化した
パスが互いに同じリングネットワークを経由する場合に
ついて考慮したものであり、互いに別のリングネットワ
ークを経由するようなパスが設定される可能性のある場
合については考慮されていない。このため、図17に示
したマルチリング通信装置では、図22に示したよう
に、リングネットワーク61の送信ノード装置92から
リングネットワーク63の受信ノード装置93へのパス
のルートが、一方はリングネットワーク62を経由して
設定され、他方はリングネットワーク64、65、66
を経由して設定されることになる。このため、二つのル
ート間で遅延時間に大きな差が生じる。これは、パケッ
トが最初に遭遇するブリッジノード装置が常に次のリン
グネットワークにパスを転送するためである。ルート間
の遅延時間に大きな差があると、そのパスを無瞬断化す
るためには大きなバッファが必要となる。
【0080】このような問題を解決するには、各ブリッ
ジノード装置がどのリング行きのパスを転送するかにつ
いての制約をもたなければならない。すなわち、リング
ネットワーク61からリングネットワーク63までのパ
スが経由するリングネットワークの集合が一意に決めら
れ、かつ各ブリッジノード装置がその情報を知っていな
ければならない。
【0081】そこで、ノード装置情報収集パケットの送
信元となった送信ノード装置91からリングネットワー
ク61〜66のブリッジノード装置71〜84および必
要な場合には各ノード装置に、ノード装置情報収集パケ
ットにより収集された情報をリング構成情報パケットに
より配信しておく。ブリッジノード装置71〜84では
それぞれ、配信された情報に基づいて、そのブリッジノ
ード装置を経由するパス設定に制約を設ける。図22に
示す例では、ブリッジノード装置75に、送信ノード装
置92と受信ノード装置93との間のパス設定について
制約を設ける。これにより、送信ノード装置92と受信
ノード装置93との間にクラスAのパスを設定する場合
に、第2ルートのパスとしてリングネットワーク12を
経由するパスを設定することができ、遅延差の少ない二
重化したパスが得られ、無瞬断切替を行うための受信ノ
ード装置93のバッファ量を削減することができる。
【0082】図23はブリッジノード装置によるルーテ
ィングの処理の流れを示す。ブリッジノード装置は、ま
ず、制約を受けた状態でルーティングを行う。例えば、
クラスAのパスについては、通るルートはすべて異なる
が通るリングネットワークはすべて同じとし、各リング
ネットワーク間を結ぶルートは一意に決められていると
する。このルート決定は一意であり、また、節点の数が
リングネットワーク数なので計算が簡単である。ここ
で、制約ありのパス設定が可能であるならば、それでパ
スのルーティングが完了する。この場合は無瞬断化が容
易であり、最も高信頼なパスが得られる。制約ありのパ
ス設定ができない場合には、制約を外して再度ルーティ
ングする。この場合のパスは無瞬断化が難しいが、それ
でも高信頼なパスは得られる。また、全体として、バッ
ファ量が削減される。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各ノード装置に他のノード装置との間で制御信号を送受
信するための制御通信手段を持たせ、パス開通時に、パ
ス開通要求の発生したノード装置が、終点ノード装置ま
での経路の選択を、個別のオペレーションシステムを用
いず、各ノード装置に直接アクセスして空き状態を確認
しながら順次設定していくことで、従来必要であった個
別のオペレーションシステムおよびオペレーションシス
テムと各ノード装置を接続する接続装置を削除すること
ができる。また、パス経路設定時、ノード装置が他のノ
ード装置のパス収容状況を把握しながら経路を選択して
いくことで、従来、パス収容設計に必要であった膨大な
データベース管理を不要とし、さらに、その膨大なデー
タベースをもとにした経路選択ツールも不要となり、経
済的な通信ネットワークを実現できる。
【0084】さらに、クラスAのパスを構成する第一の
経路と異経路分散した第二の経路の経路設定を、上述し
た経路設定アルゴリズムを用いてリング内において時計
回り、反時計回りに第一の経路および第二の経路として
それぞれ別々に接続し、かつ、リング間の接続を行う二
つのノード装置において、それぞれ時計回りで接続した
経路は時計回り、反時計回りで接続した経路は反時計回
りで接続して、第一の経路と第二の経路とを交差せずに
接続すること、また、クラスBのパス上で障害が発生し
た際、上述した経路設定アルゴリズムを用いて、障害を
回避する経路で再設定してパスを復旧させることで、従
来のようにパス開通用の経路設定アルゴリズムとセルフ
ヒーリング時の障害復旧アルゴリズムを独立に設計する
のではなく、経路設定アルゴリズムを開通用および障害
復旧用両方に活用することで、オペレーションシステム
の負荷を軽減でき、経済的を通信ネットワークを実現で
きる。
【0085】このように本発明では、複数のトランスポ
ート機能を有するパスを設定できる。本発明は高信頼な
通信情報に対して障害時にも情報の欠落なく情報を伝送
することができるパスを設定できるとともに、信頼性を
要求しない通信情報に対して経済的な情報伝送を行うこ
とができる。また、高い信頼性とサバイバビリティを確
保できるリング型ネットワークを容易に構成することが
できる。
【0086】本発明では、自動的なネットワーク運用に
必ず必要であるネットワークノード装置の配置および状
況の把握ならびに認識が分散制御下で実現される。これ
により、簡易かつ高速なネットワーク管理、ノード装置
の状態管理、遅延差の少ないルートダイバーシティ、分
散制御で問題となる可能性のあった制御パケットの複数
の回避が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す図。
【図2】リンク障害時における復旧方法を説明する図。
【図3】トークンリングのフレーム構成を示す図。
【図4】ノード装置の構成例を示すブロック図。
【図5】各ノード装置におけるパス設定の制御の全体的
な流れを示す図。
【図6】送信ノードとしての制御の流れを示す図。
【図7】中継ノードとしての制御の流れを示す図。
【図8】ブリッジノードとしての制御の流れを示す図。
【図9】受信ノードとしての制御の流れを示す図。
【図10】パス接続要求頻度と平均接続遅延時間の関係
を示す図。
【図11】無瞬断切替のための構成例を示す図。
【図12】誤り率の改善効果を示す図。
【図13】ノード装置A、B、C、DおよびZを含むj
番目のリングネットワークで障害が発生した状態を示す
図。
【図14】ノード装置の位置とすべての故障パスがクラ
スBだとしたときの復旧すべきパスの本数を示す図。
【図15】トークンが各ノード装置を転送されるようす
を示す図。
【図16】計算により求められた復旧率を示す図。
【図17】本発明の第二の実施形態を示す図。
【図18】ノード装置配置およびノード装置状態の情報
を収集したい送信ノード装置の処理の流れを示す図。
【図19】中継ノード装置の処理の流れを示す図。
【図20】ブリッジノード装置の処理の流れを示す図。
【図21】図20に示した処理中におけるパケット処理
の流れを示す図。
【図22】パス設定の例を示す図。
【図23】ブリッジノード装置によるルーティング処理
の流れを示す図。
【図24】単一のリングネットワークに対するTMNモ
デルによる従来例の管理網アーキテクチャを示す図。
【図25】単一のリングネットワークにおける従来例の
分散管理網アーキテクチャを示す図。
【符号の説明】 11〜19 ノード装置 21、22 リングネットワーク 31 無瞬断切替装置 41 主信号処理部 42 パス管理部 43 制御通信部 44 局内伝送部 45 低速フレーム信号終端処理部 46 パス選択処理部 47 経路接続処理部 48 多重分離処理部 49 多重化フレーム信号終端処理部 50 局間伝送部 51 パス設定部 61〜66 リングネットワーク 71〜84 ブリッジノード装置 91、92 送信ノード装置 93 受信ノード装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−237262(JP,A) 特開 平7−264227(JP,A) 特開 平10−303960(JP,A) 特開 平10−4424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/437

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノード装置が伝送路によりリング
    状に接続されたリングネットワークを複数備え、 この複数のリングネットワークはそれぞれのネットワー
    ク内のいずれかのノード装置をブリッジノードとして互
    いに接続されたマルチリング通信装置において、 各ノード装置には、制御通信チャネルを用いて他のノー
    ド装置と制御通信することにより他のノード装置との間
    の情報伝送の単位となるパスを設定する分散パス設定手
    段を備え、 この分散パス設定手段は、信頼性および品質によりパス
    をグレード分けし、高グレードのパスについてはそのパ
    スが経由する各リングネットワークでそれぞれ互いに逆
    回りの二つのパスを設定し、低グレードのパスについて
    は各リングネットワークでそれぞれ一方向回りのパスを
    設定する手段を含むことを特徴とするマルチリング通信
    装置。
  2. 【請求項2】 前記パスを設定する手段は、 自ノード装置が送信ノードのとき、そのノード装置が属
    するリングネットワークを周回しているトークンを取得
    してパス設定を要求するパケットを互いに逆回りの二方
    向に送出する手段と、 自ノード装置がブリッジノードのとき、一方向回りで到
    来したパケットを次のリングネットワークの同じ方向回
    りに転送する手段と、 自ノード装置が受信ノードのとき、二方向から受信した
    パケットが高グレードのパスの設定を要求するものであ
    るときにはそれに対する応答を互いに逆回りの二方向に
    返信し、二方向から受信したパケットが低グレードのパ
    スの設定を要求するものであるときにはその一方に対す
    る応答を一方向回りに返信する手段とを含む請求項1記
    載のマルチリング通信装置。
  3. 【請求項3】 各ノード装置にはそのノード装置を受信
    端とする経路が二重化された高グレードのパスのうち品
    質の良い方を無瞬断で選択する手段を備えた請求項1ま
    たは2記載のマルチリング通信装置。
  4. 【請求項4】 前記パスを設定する手段は、低グレード
    のパスのうち比較的グレードの高いパスに対して、障害
    が発生したときに再ルーティングにより自動的に救済す
    る手段を含む請求項1ないし3のいずれか記載のマルチ
    リング通信装置。
  5. 【請求項5】 前記救済する手段は、各ノード装置にお
    いて隣のリンクあるいはノード装置に故障が検出された
    ときに上記制御通信チャネル内に含まれるトークンをル
    ープバックする手段を含む請求項4記載のマルチリング
    通信装置。
  6. 【請求項6】 各リングネットーワークは2以上のブリ
    ッジノードを介して他のリングネットワークに接続さ
    れ、 いずれかのリングネットワークの少なくともひとつのノ
    ード装置には、そのリングネットワークおよび他のリン
    グネットワークにおけるノード装置の配置およびその動
    作状況に関する情報を収集するためのノード情報収集パ
    ケットをそのノード装置の属するリングネットワークの
    一方向に送信する手段と、自分が送信して戻ってきたノ
    ード情報収集パケットを終端してそのパケットにより収
    集された情報を蓄積する手段とを備え、 各リングネットワークのそれぞれのノード装置には、受
    信したノード情報収集パケットに自ノード装置の番号お
    よび状態を書き込んで次のノード装置に転送する手段を
    備え、 ブリッジノードとして用いられるノード装置にはそれぞ
    れ、前記転送する手段に加え、そのブリッジノードが互
    いに接続する二つのリングネットワークの一方から受信
    したノード情報収集パケットを一時的に蓄える手段と、
    その二つのリングネットワークの他方に対する送信権を
    得たときに前記一時的に蓄える手段に蓄えられたノード
    情報収集パケットをその他方のリングネットワークに転
    送する手段と、送信権を得ることなく他のブリッジノー
    ドからのノード情報収集パケットを受信した場合には前
    記一時的に蓄える手段に蓄えられたノード情報収集パケ
    ットを消去する手段と、自分が転送して戻ってきたノー
    ド情報収集パケットを終端するとともにそのパケットを
    書き込み禁止にして元のリングネットワークに返送する
    手段とを備えた請求項1記載のマルチリング通信装置。
  7. 【請求項7】 それぞれ複数のノード装置が伝送路によ
    りリング上に接続された複数のリングネットワークを備
    え、 それぞれのリングネットワークは他のリングネットワー
    クに2以上のブリッジノードを介して接続されたマルチ
    リング通信装置において、 前記複数のリングネットワークの少なくともひとつのノ
    ード装置には、そのリングネットワークおよび他のリン
    グネットワークにおけるノード装置の配置およびその動
    作状況に関する情報を収集するためのノード情報収集パ
    ケットをそのノード装置の属するリングネットワークの
    一方向に送信する手段と、自分が送信して戻ってきたノ
    ード情報収集パケットを終端してそのパケットにより収
    集された情報を蓄積する手段とを備え、 各リングネットワークのそれぞれのノード装置には、受
    信したノード情報収集パケットに自ノード装置の番号お
    よび状態を書き込んで次のノード装置に転送する手段を
    備え、 ブリッジノードとして用いられるノード装置にはそれぞ
    れ、前記転送する手段に加え、そのブリッジノードが互
    いに接続する二つのリングネットワークの一方から受信
    したノード情報収集パケットを一時的に蓄える手段と、
    その二つのリングネットワークの他方に対する送信権を
    得たときに前記一時的に蓄える手段に蓄えられたノード
    情報収集パケットをその他方のリングネットワークに転
    送する手段と、送信権を得ることなく他のブリッジノー
    ドからのノード情報収集パケットを受信した場合には前
    記一時的に蓄える手段に蓄えられたノード情報収集パケ
    ットを消去する手段と、自分が転送して戻ってきたノー
    ド情報収集パケットを終端するとともにそのパケットを
    書き込み禁止にして元のリングネットワークに返送する
    手段とを備えたことを特徴とするマルチリング通信装
    置。
  8. 【請求項8】 各リングネットワークのブリッジノード
    を含むそれぞれのノード装置には、あらかじめ定められ
    た時間内に同じノード情報収集パケットを受信した場合
    にそれを削除する手段を備えた請求項7記載のマルチリ
    ング通信装置。
  9. 【請求項9】 複数のリングネットワークを接続した通
    信ネットワークを介して情報信号の伝送を行うノード装
    置において、 制御通信チャネルを用いて他のノード装置と制御通信す
    ることにより、情報伝送の単位となる論理パスを自ノー
    ドと終点ノードとの間に設定する分散パス設定手段を備
    え、 この分散パス設定手段は、 そのノード装置が属するリングネットワークを周回して
    いるトークンを取得してパス設定を要求するパケットを
    互いに逆回りの二方向に送出する手段と、 信頼性および品質が要求される高グレードの論理パスに
    ついて、前記パス設定を要求するパケットに対する応答
    パケットを二方向から受信した後に、その論理パスが経
    由する各リングネットワークでそれぞれ互いに逆回りの
    二つのパスを設定する手段と、 信頼性および品質がそれほど要求されない低グレードの
    論理パスについて、前記パス設定を要求するパケットに
    対する応答パケットを一方向から受信した後に、各リン
    グネットワークでそれぞれ一方向回りのパスを設定する
    手段とを含むことを特徴とするノード装置。
  10. 【請求項10】 前記分散パス設定手段は、低グレード
    の論理パスをさらに二つのグレードに分類し、その比較
    的高いグレードの論理パスに対して障害が発生したとき
    には、再ルーティングにより自動的に救済する手段を含
    む請求項9記載のノード装置。
  11. 【請求項11】 複数のリングネットワークを接続した
    通信ネットワークを介して情報信号の伝送を行うノード
    装置において、 始点ノードと終点ノードとの間に情報伝送の単位となる
    論理パスを始点ノードと終点ノードとの間に設定するた
    めに、制御通信チャネルを用いて他のノード装置と制御
    通信を行う分散パス設定手段を備え、 この分散パス設定手段は、パス設定を要求するパケット
    を受信すると、その方向に論理パスを中継できるか否か
    を判断し、その判断結果の情報をそのパケットに付加し
    て次のノード装置に中継する手段を含むことを特徴とす
    るノード装置。
  12. 【請求項12】 前記分散パス設定手段は、隣のリング
    あるいはノード装置に故障が検出されたときに、前記制
    御通信チャネル内に含まれるトークンをループバックす
    る手段を含む請求項11記載のノード装置。
  13. 【請求項13】 情報信号の伝送を行う二つのリングネ
    ットワークを互いに接続するブリッジノードとして用い
    られるノード装置において、 始点ノードと終点ノードとの間に情報伝送の単位となる
    論理パスを始点ノードと終点ノードとの間に設定するた
    めに、制御通信チャネルを用いて他のノード装置と制御
    通信を行う分散パス設定手段を備え、 この分散パス設定手段は、一方のリングネットワークで
    一方向回りに到来したパス設定を要求するパケットに対
    し、他方のリングネットワークの同じ方向回りに論理パ
    スを中継できるか否かを判断し、その判断結果の情報を
    そのパケットに付加して、そのパケットを前記同じ方向
    回りに転送する手段と、 前記判断結果の情報を付加した応答パケットを前記一方
    のリングネットワークに送信する手段とを含むことを特
    徴とするノード装置。
  14. 【請求項14】 複数のリングネットワークを接続した
    通信ネットワークを介して情報信号の伝送を行うノード
    装置において、 制御通信チャネルを用いて他のノード装置と制御通信す
    ることにより、情報伝送の単位となる論理パスを始点ノ
    ードと自ノードとの間に設定する分散パス設定手段を備
    え、 この分散パス設定手段は、 自ノードを終点とする論理パスの設定を要求するパケッ
    トを二方向から受信すると、実際にその論理パスを設定
    できるか否かを付した応答パケットを、信頼性および品
    質が要求される高グレードの論理パスについては前記二
    方向に対してそれぞれ逆回りで送信し、信頼性および品
    質がそれほど要求されない低グレードの論理パスについ
    ては前記二方向の一方に対して逆回りで送信する手段を
    含むことを特徴とするノード装置。
  15. 【請求項15】 始点ノードとの間に設定された高グレ
    ードの論理パスから品質の良い方の経路を無瞬断で選択
    する手段を備えた請求項14記載のノード装置。
  16. 【請求項16】 複数のリングネットワークをそれぞれ
    2以上のブリッジノードを介して他のリングネットワー
    クに接続した通信ネットワークを介して情報信号の伝送
    を行うノード装置において、 自ノード装置の属するリングネットワークおよび他のリ
    ングネットワークにおけるノード装置の配置およびその
    動作状況に関する情報を収集するためのノード情報収集
    パケットを自ノード装置の属するリングネットワークの
    一方向に送信する手段と、自分が送信して戻ってきたノ
    ード情報収集パケットを終端してそのパケットにより収
    集された情報を蓄積する手段とを備えたことを特徴とす
    るノード装置。
  17. 【請求項17】 複数のリングネットワークをそれぞれ
    2以上のブリッジノードを介して他のリングネットワー
    クに接続した通信ネットワークを介して情報信号の伝送
    を行うノード装置において、 ノード情報収集パケットを受信すると、そのパケットに
    自ノード装置の番号および状態を書き込んで次のノード
    装置に転送する手段を備えたことを特徴とするノード装
    置。
  18. 【請求項18】 情報信号の伝送を行う二つのリングネ
    ットワークを互いに接続するブリッジノードとして用い
    られるノード装置において、 ノード情報収集パケットを受信すると、そのパケットに
    自ノード装置の番号および状態を書き込んで次のノード
    装置に転送する手段と、 自ノード装置が互いに接続する二つのリングネットワー
    クの一方から受信したノード情報収集パケットを一時的
    に蓄える手段と、 その二つのリングネットワークの他方に対する送信権を
    得たときに前記一時的に蓄える手段に蓄えられたノード
    情報収集パケットをその他方のリングネットワークに転
    送する手段と、 送信権を得ることなく他のブリッジノードからのノード
    情報収集パケットを受信した場合には前記一時的に蓄え
    る手段に蓄えられたノード情報収集パケットを消去する
    手段と、 自分が転送して戻ってきたノード情報収集パケットを終
    端するとともにそのパケットを書き込み禁止にして元の
    リングネットワークに返送する手段とを備えたことを特
    徴とするノード装置。
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