JP3373311B2 - 電子セキュリティーシステム - Google Patents

電子セキュリティーシステム

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JP3373311B2
JP3373311B2 JP27792394A JP27792394A JP3373311B2 JP 3373311 B2 JP3373311 B2 JP 3373311B2 JP 27792394 A JP27792394 A JP 27792394A JP 27792394 A JP27792394 A JP 27792394A JP 3373311 B2 JP3373311 B2 JP 3373311B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子セキュリティーシ
ステムに関し、詳しくは、一定の無線周波数に対して共
振する共鳴ラベルの有無を検出する電子セキュリティー
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、小売店などから商品が不正
に、あるいは誤って持ち出されるのを防ぐため、商品に
盗難防止用の共鳴ラベルを貼付けて、この共鳴ラベルの
有無を検出することにより、商品の盗難を防止する電子
セキュリティーシステムが開発されている。
【0003】例えば、図9は、従来の電子セキュリティ
ーシステム1の構成を示すブロック図である。図9に示
すように、送信機2では、搬送波発振器3で発生させた
搬送波をFM変調器4によって±10%のFM変調を行
って、質問信号を合成する。そして、この質問信号は、
ループ形状をした送信アンテナ(1.5m×0.5m)
5から質問電波6が放射される。
【0004】一方、受信機7の受信アンテナ8は、上記
した送信アンテナ5と同一形状であって、これら送受信
アンテナ5,8が店等の出入口に約1m程度の間隔で平
行に配置され、店を出入りする客は、この送受信アンテ
ナ5,8の間を通過することになる。
【0005】ここで、上記送受信アンテナ5,8の間に
共鳴ラベル13が存在しない場合は、受信機7側では、
受信アンテナ8から質問電波6のみが受信されるため、
RF増幅器9と検波器10を経て、ノイズ除去器11に
よって共鳴ラベル13が存在しないことが判別される。
この場合、ノイズ除去器11からは、アラーム駆動信号
が送出されないため、次段のアラーム回路12は作動し
ない。
【0006】また、上記送受信アンテナ5,8の間に共
鳴ラベル13が存在する場合は、受信機7側では質問電
波6を受信するとともに、質問電波6に対して共振する
共鳴ラベル13から発生する応答電波14を受信するよ
うになる。この場合、ノイズ除去器11では、ノイズ成
分が含まれた質問電波6や応答電波14の中から応答電
波14固有の特徴を識別する。ノイズ除去器11は、応
答電波14を識別すると、アラーム回路12にアラーム
駆動信号を送出して、アラームを鳴動させる。これによ
り、共鳴ラベル13が通過したことが判明する。
【0007】このように、従来の電子セキュリティーシ
ステムは、共鳴ラベルを店の商品等に貼付けて、キャッ
シャーを通過しなかった商品等の持ち出しをアラームで
知らせることにより、盗難を防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電子セキュリティーシステムにあっては、以
下に述べるような問題がある。
【0009】まず、電子セキュリティーシステムで
は、安定した送受信アンテナ5,8間の電波状態を実現
して、共鳴ラベル13からの応答電波14を他の受信電
波と識別して、共鳴ラベルの有無を判別するための受信
感度を高める必要があるが、そのためには、できるだけ
ノイズの影響を排除する必要がある。そこで、従来は、
共鳴ラベルからの微弱信号を判別するためのノイズ除去
器として、高精度のものが必要となり、そのシステムの
構成が複雑になることから、電子セキュリティーシステ
ムが高価になるという問題がある。
【0010】また、従来では、できるだけ外部からの
ノイズの影響を少なくして、安定した電波状態を実現す
るため、送受信アンテナ5、8の間隔を約1m以上に広
げて使用することができなかった。このため、店の出入
口の間隔を広げて通行の妨げを軽減し、店の美観を損ね
ないようにしたいというユーザ側の要望に応えることが
できなかった。
【0011】さらに、電子セキュリティーシステムに
使用される共鳴ラベルは、商品などの検出対象物に貼付
けられて使用されるため、商品等によってはその美的外
観が損なわれたり、商品等のパッケージに記された注意
書き等が被い隠されるなどの不都合が生じる。このた
め、共鳴ラベルはできるだけ小さいのが好ましく、多品
種の商品等への適用や使い捨てという使用形態に鑑み
て、共鳴ラベルの小型化、及びそれによりもたらされる
共鳴ラベルの低価格化が望まれている。ところが、共鳴
ラベルを単に小さくすると、共鳴ラベルの有効面積が減
少し、併せて信号強度が極端に弱くなって、検出感度が
低下してしまう。このため、大幅に検出感度を改善しな
くては、共鳴ラベルを小型化することができないという
問題がある。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、外部からのノイズの影響を受け難くして検出
感度を改善し、安定した電波状態を実現することによ
り、送受信アンテナの間隔を広げるとともに、共鳴ラベ
ルを小型化し、応答信号を識別する受信機器の構成を簡
略化して低コスト化できる電子セキュリティーシステム
を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、上記
課題を解決するため、一定の周波数を持った電波に対し
て共振する共鳴ラベルの有無を検出する電子セキュリテ
ィーシステムにおいて、前記共鳴ラベルを共振させる質
問信号を発生する質問信号発生手段と、前記質問信号を
広帯域の信号に拡散変調するためのランダムな拡散符号
を発生する拡散符号発生手段と、前記拡散符号発生手段
の拡散符号に基づいて拡散変調する拡散変調手段と、前
記広帯域に拡散変調された変調信号を質問電波として空
中に放射する送信用アンテナと、前記質問電波とその質
問電波により共鳴ラベルが共振して発生した応答電波と
を受信する受信用アンテナと、前記受信用アンテナに受
信された電波を前記拡散変調時と同じ拡散符号に基づい
て拡散復調する拡散復調手段と、前記拡散復調手段によ
り拡散復調された復調信号の信号レベルによって共鳴ラ
ベルの有無を判別するレベル検出器と、を備えたことを
特徴とする。
【0014】また、本発明の電子セキュリティーシステ
ムは、例えば、請求項2に記載されるように、前記レベ
ル検出器は、拡散復調された復調信号のうちの特定の周
波数帯域の信号成分のみを通過させる帯域制限フィルタ
を備え、該帯域制限フィルタを通過した復調信号の信号
レベルを検出するようにしてもよい。
【0015】
【作用】本発明の電子セキュリティーシステムでは、送
信系の質問信号発生手段で共鳴ラベルを共振させる質問
信号を発生し、拡散符号発生手段ではその質問信号を広
帯域の信号に拡散変調するためのランダムな拡散符号
(PN符号:疑似ランダム雑音符号)を発生して、その
拡散符号に基づいて拡散変調手段で質問信号を拡散変調
(スペクトル拡散)を行って、その拡散変調された変調
信号を質問電波として送信用アンテナから放射される。
【0016】他方、受信系では、受信用アンテナで質問
電波とその質問電波によって共鳴ラベルを共振させて発
生した応答電波とを受信し、拡散復調手段により受信用
アンテナで受信された電波を前記した拡散変調時と同じ
拡散符号に基づいて拡散復調し、その拡散復調された復
調信号に基づいて共鳴ラベルが発生する応答電波成分を
応答電波検出手段が検出する。
【0017】このように、送信系で質問信号を、例えば
PN符号のようなランダムな拡散符号を用いて拡散変調
すると、広帯域の信号にスペクトル拡散される。そし
て、無線送信中に他の機器の電波やノイズ成分が混入し
て受信系に受信されたとしても、変調時と同じ拡散符号
を用いて拡散復調することにより、質問信号は元の信号
に復元されるが、逆に他の機器の電波やノイズ成分は広
い帯域に拡散されることになる。このため、ノイズや他
の機器の電波に影響されることなく質問信号とそれ以外
の信号成分とを明確に識別できることから、大幅に検出
感度を向上させることができる。
【0018】また、上記のように検出感度が向上したた
め、応答電波成分を検出して共鳴ラベルの有無を判別す
る応答電波検出手段に、高精度なノイズ除去器などが不
要となり、低コスト化することができる。
【0019】さらに、送信する拡散変調された広帯域の
信号は、スペクトル帯域が広くなって電力レベルが下が
り、通常はノイズと区別がつきにくいことから、システ
ムの秘匿性が高い上、変調時と同じ複雑な拡散符号を使
って復調しなければ元の信号が抽出できないことから、
他の機器の信号やノイズと明確に区別可能となり、高感
度でノイズに強く、かつ干渉にも強いシステムとするこ
とができる。
【0020】また、上記構成によってノイズの影響が低
減化され、感度が向上した結果、電波状態が安定するた
め、送受信アンテナの間隔を広げることができるととも
に、面積が小さくて、安価な共鳴ラベルを使って正確に
共鳴ラベルの検出を行うことができる。
【0021】請求項2記載の電子セキュリティーシステ
ムでは、応答電波検出手段として、帯域制限フィルタで
拡散復調された復調信号の所定の周波数帯域の信号成分
のみを通過させ、レベル検出器で帯域制限フィルタを通
過した復調信号の信号レベルを検出するようにしたた
め、S/N比が大幅に向上して、一層ノイズ等に強くな
り、高感度化できることから、簡易なレベル検出器で共
鳴ラベルの有無が正確に判別できるため、低コスト化が
図れる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の電子セキュリティーシステム
を図面に基づいて説明する。
【0023】本実施例では、商品毎に共鳴ラベルを貼付
けて、店の出入口に所定間隔を隔てて送信アンテナと受
信アンテナとを配置し、共鳴ラベルの有無を検出するこ
とにより、無断で商品が持出されるのを防止する電子セ
キュリティーシステムとして実施したものである。
【0024】まず、構成を説明する。
【0025】図1は、本発明の電子セキュリティーシス
テムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【0026】図1に示すように、本実施例の電子セキュ
リティーシステム21は、送信系22と受信系23の2
つに分けることができる。そして、これら送信系22と
受信系23とは、送受信信号を変調あるいは復調する際
に用いるPN符号(PseudoRandom Noise Code:疑似ラ
ンダム雑音符号)発生器24を共通に持っている。
【0027】まず、送信系22は、共通に使用するPN
符号発生器24の他、質問信号発生器25、拡散変調器
26、送信アンテナ27などを備えている。
【0028】質問信号発生器25は、例えば、共鳴ラベ
ル32の共振周波数(8.2MHz)に一致した周波数
の搬送波を±10%FM変調した質問信号を発生させ
る。もちろん、この構成以外に、単に共鳴ラベルの共振
周波数に一致した周波数の周波数の搬送波をそのまま質
問信号とすることもできる。
【0029】拡散変調器26は、上記質問信号発生器2
5から入力される質問信号を、PN符号発生器24によ
って発生される疑似ランダム雑音符号(以下、PN符号
という)を用いて広帯域に拡散変調する。
【0030】送信アンテナ27は、その拡散変調された
スペクトル拡散信号を電磁波として空中に放射する。
【0031】また、送信系22及び受信系23で共通に
用いられるPN符号発生器24は、本発明の特徴である
スペクトル拡散通信(Spread Spectrum:以下、SS通
信という)を行うために必要なランダムな拡散符号を発
生するものであり、送信時の拡散変調と受信時の拡散復
調に同じPN符号を用いて信号を処理することにより、
妨害波やノイズ等の影響を受けにくくすることができる
とともに、拡散変調後の電力密度が低くなることから、
他の無線局や無線装置に与える影響を少なくすることが
できる。このPN符号としては、ゴールド系列符号やM
系列符号(Maximum Length Code:最長符号系列)など
を用いることができる。
【0032】次に、受信系23は、共通に使用するPN
符号発生器24の他、受信アンテナ28、拡散復調器2
9、レベル検出器30などを備えている。
【0033】受信アンテナ28は、上記送信アンテナ2
7から放射された質問電波を受信する。
【0034】拡散復調器29は、受信アンテナ28で受
信された質問信号を、PN符号発生器24によって発生
されるPN符号を用いて復調するスペクトル逆拡散を行
う。ここでは、上記拡散変調器26で用いたのと同じP
N符号を使って復調するため、同一のPN符号で変調さ
れた電波のみが元の電波に復調される。このとき、外乱
や他の電子セキュリティーシステム、あるいは、他のP
N符号を用いた電子セキュリティーシステム等のノイズ
(又は、電波)を受信したとしても、この拡散復調器2
9により非常に広い周波数帯域に拡散されるため、本質
的にノイズに強い構成とすることができる。
【0035】レベル検出器30は、ここではBPF(バ
ンドパスフィルタ:帯域制限フィルタ)を含んでおり、
所定の帯域の信号を選択的に取り出して、その信号レベ
ルを判別するものである。本実施例の場合は、SS通信
を用いているため、他の電波やノイズ等の影響を受けに
くいことから、システムの検出感度(S/N比)が向上
し、単に信号レベルを判別する簡単なレベル検出器30
だけで構成しても共鳴ラベル32の有無を正確に判別す
ることができ、システムを安価とすることができる。
【0036】また、図1には、図示していないが、レベ
ル検出器30で共鳴ラベル32の有無の判別結果に応じ
て、アラーム駆動信号をアラーム回路等に送出すること
により、盗難防止用の警告音を鳴らすように構成するこ
ともできる。
【0037】図2は、図1のPN符号発生器24の構成
図であり、7段のシフトレジスタ41と、排他的論理和
回路(EX−OR)42などを備えている。
【0038】本実施例の電子セキュリティーシステムお
けるSS通信の拡散符号として用いるPN符号は、完全
にランダムな信号が理想であるが、送信系22だけでな
く、受信系23においても同じ拡散符号が必要なため、
ある周期を持った乱数コードを作成して使っている。こ
の拡散符号には、M系列符号の他、ゴールド系列符号な
どがある。
【0039】例えば、M系列符号の場合は、符号の
「1」(正電圧が対応する)と「0」(負電圧が対応す
る)の組合せによる周期性循環信号である。そして、符
号長(符号周期)Pは、シフトレジスタの段数をnとし
た場合に、P=2n−1で表わされ、本例の7段のシフ
トレジスタ41では、P=127となる。すなわち、1
27個の信号を発生すると1周期が完了し、この周期が
繰り返される循環信号となる。
【0040】このように、M系列符号は、図2のPN符
号発生器26を用いて発生させており、ここでは、タッ
プをSR1とSR7としている。このタップは、組合せ
を変えることによって発生する符号を変化させることが
できる。
【0041】次に、図1の共鳴ラベル32は、質問電波
31の周波数と一致する共振周波数を持った共振回路で
ある。例えば、アルミ箔(Al)によりCPP絶縁フィ
ルム面に閉回路型LC共振回路を構成して共鳴ラベル3
2とし、盗難を防止したい商品等に貼付ける。このよう
に構成された共鳴ラベル32は、特定の周波数(共振周
波数)の電磁波に対して共振回路が共振して送信アンテ
ナ27から放射される質問電波31を散乱させて応答電
波33を発生する。このため、共鳴ラベル32が貼付け
られた商品を不正に店外に持ち出そうとすると、店舗等
の出入口等に配置された電子セキュリティーシステム2
1の送信アンテナ27から発せられる一定周波数の電磁
波に共鳴ラベル32が共振し、その共振によって発生す
る電磁波(応答電波33)を電子セキュリティーシステ
ム21の受信系23で検出する。
【0042】例えば、図3は、本実施例で用いる共鳴ラ
ベル32の上面図であり、図4は、図3に示す共鳴ラベ
ル32の下面図であり、図5は、図3及び図4に示す共
鳴ラベル32のA−A線断面図である。
【0043】上記図3〜図5に示すように、本実施例の
共鳴ラベル32は、絶縁性の担体層51を一対の導体よ
りなるコンデンサープレート52,53で挟んでコンデ
ンサーC50を形成している。そして、担体層51の上
面51a側のコンデンサープレート53と、担体層51
の下面51bに形成した誘導コイル54とを、担体層5
1の隅部に設けられたスルーホールよりなる短絡部55
において電気的に接続されて共振回路を構成している。
【0044】本実施例の電子セキュリティーシステム
は、上記のように構成されており、以下、その作用につ
いて説明する。
【0045】まず、図1に示すように、店の出入口に
は、2〜3mの間隔を隔てて送信アンテナ27と受信ア
ンテナ28とが配置されていて、それぞれ、送信系22
と受信系23に各アンテナが接続されている。
【0046】また、共鳴ラベルは、各商品毎に貼付けら
れた状態で店内に陳列されている。
【0047】そこで、お客が店内で購入あるいは、レン
タル目的で店内に入ったり、店内で商品を選んでいる間
は、上記共鳴ラベル32が送受信アンテナ27,28の
間を通過していないので、送受信アンテナ27,28の
間には、共鳴ラベルが存在しない状態が続いている。
【0048】図6は、本実施例においてスペクトル拡散
を行う送受信信号とPN符号とを示す図である。
【0049】そこで、共鳴ラベル32が存在しない状態
では、電子セキュリティーシステム21の送信系22の
質問信号発生器25で発生した図6(a)に示す質問信
号を、PN符号発生器24で発生した図6(b)のPN
符号に基づいて、拡散変調器26にて広帯域に拡散変調
するスペクトル拡散を行う。このスペクトル拡散方法
は、図6(a),(b),(c)に示すように、図6
(b)のPN符号が「0」のときは、同図(a)の質問
信号をそのままとし、PN符号が「1」のときは、質問
信号の「0」と「1」とを入れ替えるように処理して、
図6(c)のスペクトル拡散信号を作成する。そして、
このようにスペクトル拡散されたスペクトル拡散信号
は、電磁波として送信アンテナ27から空中に放射され
る。そして、受信アンテナ28では、スペクトル拡散さ
れた図6(c)に示す質問電波31を受信して、拡散復
調器29により変調時における図6(b)と全く同じ図
6(d)に示すPN符号を用いて復調(スペクトル逆拡
散)すると、送信系22で変調された質問信号が復元さ
れて、図6(a)のスペクトル拡散前の元の信号と同じ
図6(e)に示す信号を得ることができる。そして、レ
ベル検出器30で狭帯域のBPFを通過させることで、
さらに妨害波やノイズ成分を除去することにより、S/
N比を大幅に向上させることができる。このようにし
て、レベル検出器30は、復調された質問信号の信号レ
ベルを検出して、信号レベルが一定レベル以下の場合
は、アラーム駆動信号を送出しない。
【0050】ところが、共鳴ラベル32が貼付けられた
商品を持って無断で店外に持出そうとすると、共振回路
が形成された共鳴ラベル32が送受信アンテナ27,2
8間を通過する。このため、共鳴ラベル32は、その共
振周波数と一致する周波数の質問電波31に対して共振
することから、質問電波31を散乱させて、応答電波3
3を発生する。この共鳴ラベル32の共振現象は、広帯
域にスペクトル拡散された質問電波31に対して、狭い
共振周波数帯域の信号成分を付加するのではなく、その
共振周波数帯域の信号をあたかも拡散変調した場合のよ
うに、広い帯域に拡散された信号として付加され、受信
アンテナ28で受信される。
【0051】このため、受信系23で受信される受信信
号をスペクトル逆拡散すると、広帯域に拡散されていた
質問電波31の信号成分が狭帯域の元の信号に復元され
るとともに、応答電波33の信号成分も拡散されるので
はなく、元の信号に近い狭帯域の信号として復元され
る。
【0052】従って、レベル検出器30では、BPFを
通過させて信号レベルを検出すると、共鳴ラベル32が
無いときの受信信号レベルよりも、共鳴ラベル32が送
受信アンテナ間を通過するときの共振時の受信信号レベ
ルの方が高く検出されるため、信号レベルを検出するだ
けで共鳴ラベル32の有無を正確に判別することができ
る。
【0053】また、本実施例では、SS通信を採用して
いるため、信号成分はスペクトル拡散時に広い帯域に拡
散された状態で、狭帯域のノイズや他の信号が混入され
る。しかし、受信後のスペクトル逆拡散時に信号成分
は、狭帯域の元の信号成分に復元されるが、狭い帯域で
混入されたノイズや他の信号は、スペクトル逆拡散によ
って、逆に、広い帯域に拡散されることになり、ノイズ
や他の信号電波の影響を効率良く排除することができ
る。
【0054】なお、上記図6に示したスペクトル拡散を
行う信号波形やPN符号の波形は、実際にはこのような
矩形波ではないが、ここでは説明の便宜上、矩形波を用
いて説明している。
【0055】次に、図7は、スペクトル拡散法を用いて
質問信号の送信中に妨害波が加わった場合の質問信号の
電力レベルと周波数との関係を示す図である。
【0056】図7(a)は、送信する質問信号60のス
ペクトルを示すもので、この質問信号60を拡散変調器
26でPN符号を使ってスペクトル拡散すると、帯域幅
が広がって図7(b)に示すようなスペクトル拡散信号
61が得られる。
【0057】そして、スペクトル拡散信号61の伝送中
に妨害波70が加わると図7(c)に示すような状態と
なり、このスペクトル拡散信号61と妨害波70が加わ
った状態で受信側の受信アンテナ28に受信される。
【0058】受信後に、スペクトル逆拡散により復調処
理を受信信号に対して行うと、スペクトル拡散信号61
は、元の質問信号60と同じ質問信号62を復元するこ
とができる。
【0059】他方、伝送中にスペクトル拡散信号61に
加わった妨害波70は、スペクトル逆拡散により、逆に
スペクトル拡散されて、広帯域に広がった妨害波71と
することができるため、妨害波70を妨害波71のよう
に分散することにより、信号成分に与える影響を少なく
して、S/N比を向上させ、高感度化を図ることができ
る。
【0060】また、図8は、スペクトル拡散法を用いて
質問信号の送信中にノイズが加わった場合の質問信号の
電力レベルと周波数との関係を示す図である。
【0061】図8(a)は、送信する質問信号60のス
ペクトルを示すもので、この質問信号60を拡散変調器
26でPN符号を使ってスペクトル拡散すると、帯域幅
が広がって図8(b)に示すようなスペクトル拡散信号
61が得られる。このように、スペクトル拡散信号61
は、帯域が広がる代わりに、帯域あたりの電力レベルが
低下している。
【0062】ここで、図8(b)に示すようなスペクト
ル拡散信号61を電波として送信するとき、伝送の途中
でノイズ80が加わって、これを受信側で受信した場合
に、ノイズ80の電力レベルがスペクトル拡散信号61
の電力レベルを上回ることがある。この場合、信号レベ
ルよりもノイズレベルの方が上回っているため、通常で
は、質問信号60が認識できなくなるはずである。しか
し、送信側と受信側とで同じ拡散符号を使ってSS通信
を行うことにより、ノイズレベル以下に埋もれていたス
ペクトル拡散信号61をスペクトル逆拡散することで、
ノイズレベルを超える質問信号62として、復元して取
り出すことができる。
【0063】また、従来では、図3〜図5に示すよう
に、共鳴ラベル32の面積を小さくしようとすると、共
鳴ラベル32の誘導コイル54の面積から誘導コイル5
4で囲まれるコイル窓部56内に形成されたコンデンサ
ーC50の面積を差し引いた有効面積が減少することか
ら、回路の共振周波数特性の尖鋭度を表すQ値が低下す
るため、それらの相乗効果により信号強度が極端に弱く
なってしまい、確実に共鳴ラベルを検出することができ
ないという問題があった。しかし、本実施例では、上記
したようなSS通信を採用した結果、ノイズの影響が少
なくなり、共鳴ラベルの検出感度を大幅に向上すること
ができたため、共鳴ラベルの検出性能を犠牲にすること
なく、共鳴ラベルの小型化を図って、低コスト化し、ユ
ーザの要望である安価な商品にも使用できるようになっ
た。
【0064】
【0065】このように構成することによって、S/N
比が大幅に向上して、受信感度が一層良好となることか
ら、送受信アンテナの間隔をさらに広げることができる
ようになり、店の出入口に置かれた電子セキュリティー
システム用のゲートを目立たなくすることができる(店
の美観の保護)。
【0066】また、これまで以上に受信感度を上げるこ
とができることから、使用する共鳴ラベルの面積がさら
に小さくて安価なものが使用可能となり、できるだけ共
鳴ラベルが目立たず(商品の美観の保護)、安価な商品
に対しても応用したいというユーザの要望に応えること
ができる。
【0067】以上述べたように、本実施例の電子セキュ
リティーシステムは、SS通信を採用したことによっ
て、S/N比が向上したため、ノイズ等の影響が受けに
くくなり、高感度化することができる。これにより、応
答電波成分を検出して共鳴ラベルの有無を判別する応答
電波検出手段として、高精度なノイズ除去器などが不要
となり、低コスト化できる。
【0068】さらに、送信する拡散変調された広帯域の
信号は、スペクトル帯域が広くなって電力レベルが下が
り、通常はノイズと区別がつきにくいことから、システ
ムの秘匿性が高くなる上、ノイズや干渉にも強い電子セ
キュリティーシステムとすることができる。
【0069】また、ノイズの影響が低減化され、感度が
向上した結果、電波状態が安定するため、送受信アンテ
ナの間隔を広げることができるとともに、面積が小さく
て、安価な共鳴ラベルを使って正確に共鳴ラベルの検出
を行うことができる。
【0070】なお、上記実施例では、送信系22と受信
系23とを一体化して構成しているが、送信機と受信機
とに分離して、それぞれに同じPN符号発生器24を設
けるように構成してもよい。
【0071】
【発明の効果】本発明の電子セキュリティーシステムに
よれば、質問信号発生手段から質問信号を発生し、拡散
符号発生手段からは広帯域の信号に拡散変調するための
ランダムな拡散符号を発生し、その拡散符号に基づいて
拡散変調手段で質問信号をスペクトル拡散して、送信用
アンテナから電波として放射する。他方、受信用アンテ
ナでは質問電波と応答電波とを受信して、拡散復調手段
により受信信号を拡散符号に基づいて拡散復調し、その
拡散復調された復調信号に基づいて応答電波成分の有無
を検出するようにする。
【0072】このため、質問信号や応答信号は、スペク
トル拡散により広帯域に拡散され、周波数帯域あたりの
電力レベルが低くなり、他の機器に与える影響が少なく
できる。そして、無線伝送中に他の機器の電波やノイズ
成分が混入しても、スペクトル拡散時と同じ拡散符号を
用いてスペクトル逆拡散を行うことにより、質問信や応
答信号は元の信号に復元されるが、他の機器の電波やノ
イズ成分は逆に広い帯域に拡散されるため、他の機器の
電波やノイズ等に影響されることがなくなり、S/N比
が向上して、検出感度を大幅に向上させることができ
る。
【0073】また、検出感度が向上したため、応答電波
成分を検出して共鳴ラベルの有無を判別する応答電波検
出手段として、高精度なノイズ除去器などが不要とな
り、単に信号レベルを判別する簡単なレベル検出器だけ
で構成しても共鳴ラベルの有無を正確に判別することが
でき、低コスト化できる。
【0074】さらに、送信する拡散変調された広帯域の
信号は、スペクトル帯域が広くなって電力レベルが下が
り、通常はノイズと区別がつきにくいことから、システ
ムの秘匿性が高い上、変調時と同じ複雑な拡散符号を使
って復調しなければ元の信号が抽出できないことから、
他の機器の信号やノイズと明確に区別可能となり、高感
度でノイズに強く、かつ干渉にも強いシステムとするこ
とができる。
【0075】また、上記構成によってノイズの影響が低
減化され、感度が向上した結果、電波状態が安定するた
め、送受信アンテナの間隔を広げることができるととも
に、面積が小さくて、安価な共鳴ラベルを使って正確に
共鳴ラベルの検出を行うことができる。
【0076】請求項2記載の電子セキュリティーシステ
ムによれば、応答電波検出手段として、帯域制限フィル
タで所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させた後、
レベル検出器で信号レベルを検出するようにしたので、
S/N比が大幅に向上して、ノイズ等により強くなり、
高感度化できることから、簡易なレベル検出器で共鳴ラ
ベルの有無を正確に判別できるため、低コスト化が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子セキュリティーシステムの一実施
例の構成を示すブロック図。
【図2】図1のPN符号発生器の構成図。
【図3】本実施例で用いる共鳴ラベルの上面図。
【図4】図3に示す共鳴ラベルの下面図。
【図5】図3及び図4に示す共鳴ラベルのA−A線断面
図。
【図6】本実施例においてスペクトル拡散を行う送受信
信号とPN符号とを示す図。
【図7】スペクトル拡散法を用いて質問信号の送信中に
妨害波が加わった場合の質問信号の電力レベルと周波数
との関係を示す図。
【図8】スペクトル拡散法を用いて質問信号の送信中に
ノイズが加わった場合の質問信号の電力レベルと周波数
との関係を示す図。
【図9】従来の電子セキュリティーシステムの構成を示
すブロック図。
【符号の説明】
21 電子セキュリティーシステム 22 送信系 23 受信系 24 PN符号発生器 25 質問信号発生器 26 拡散変調器 27 送信アンテナ 28 受信アンテナ 29 拡散復調器 30 レベル検出器 31 質問電波 32 共鳴ラベル 33 応答信号 41 シフトレジスタ 42 排他的論理和回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−284479(JP,A) 特開 平4−27803(JP,A) 特開 平6−195573(JP,A) 特開 平5−266369(JP,A) 実開 平1−64792(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/00 - 15/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の周波数を持った電波に対して共振
    する共鳴ラベルの有無を検出する電子セキュリティーシ
    ステムにおいて、前記共鳴ラベルを共振させる質問信号
    を発生する質問信号発生手段と、前記質問信号を広帯域
    の信号に拡散変調するためのランダムな拡散符号を発生
    する拡散符号発生手段と、前記拡散符号発生手段の拡散
    符号に基づいて拡散変調する拡散変調手段と、前記広帯
    域に拡散変調された変調信号を質問電波として空中に放
    射する送信用アンテナと、前記質問電波とその質問電波
    により共鳴ラベルが共振して発生した応答電波とを受信
    する受信用アンテナと、前記受信用アンテナに受信され
    た電波を前記拡散変調時と同じ拡散符号に基づいて拡散
    復調する拡散復調手段と、前記拡散復調手段により拡散
    復調された復調信号の信号レベルによって共鳴ラベルの
    有無を判別するレベル検出器と、を備えたことを特徴と
    する電子セキュリティーシステム。
  2. 【請求項2】 前記レベル検出器は、拡散復調された復
    調信号のうちの特定の周波数帯域の信号成分のみを通過
    させる帯域制限フィルタを備え、該帯域制限フィルタを
    通過した復調信号の信号レベルを検出することを特徴と
    する請求項1記載の電子セキュリティーシステム。
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