JP3370734B2 - 通電式除草装置 - Google Patents

通電式除草装置

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JP3370734B2
JP3370734B2 JP14386793A JP14386793A JP3370734B2 JP 3370734 B2 JP3370734 B2 JP 3370734B2 JP 14386793 A JP14386793 A JP 14386793A JP 14386793 A JP14386793 A JP 14386793A JP 3370734 B2 JP3370734 B2 JP 3370734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除草装置に係り、特
に、雑草に電流を通すことにより除草を行う通電式除草
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雑草を除去する方法として、雑草
に除草剤等の化学薬品を噴霧又は散布し、雑草を化学的
に死滅させて除草を行う方法や、草刈機や草刈り用の鎌
等を使用して雑草を刈り取る、又は、人手や機械により
雑草を根本から抜き取ることで物理的に除草を行う方法
等があった。
【0003】前記除草剤等の化学薬品を噴霧又は散布す
ることにより除草を行う方法は、雑草の細胞内に悪影響
を及ぼす化学薬品を混入させて、雑草を死滅させるた
め、一度除草した雑草が蘇生する可能性が低いという利
点を備えている。また、前記化学薬品は、例えば、飛行
機や自動車等からの噴霧又は散布が可能であるため、一
度に多数の雑草を除草することができるという利点を備
えている。
【0004】一方、前記物理的に除草を行う方法は、雑
草を即座に除草することが可能であり、除草にかかる設
備費が比較的安価であるという利点を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記除
草剤等の化学薬品を噴霧又は散布して除草する方法は、
広大な領域に生存している雑草を除草する場合には特に
有効であるが、生存させておきたい植物が植えられてい
る田畑や森林、果樹園等が隣接している場合、これらの
植物にまで化学薬品が噴霧又は散布される危険性が大き
いという問題があった。また、雑草が生えている土壌
(地面)にも化学薬品がしみ込むため、この化学薬品が
土壌を介して、隣接した田畑や森林、果樹園等の土壌に
まで侵入し、田畑や森林、果樹園等に植えられている植
物にも悪影響を及ぼすという問題があった。さらに、前
記化学薬品は、植物の他、動物にも有害である場合が多
く、また、除草後に分解されて植物や動物等に対して無
害となることがないため、いずれは地下水等と混ざっ
て、川や海にまで悪影響を及ぼす等の環境汚染を引き起
こすという問題があった。
【0006】一方、前記草刈機や草刈り用の鎌等を使用
して雑草を刈り取る方法は、雑草の地上に出ている部
分、又は土壌内であるが地上に比較的近い部分までしか
刈り取ることができない。従って、除草後も土壌内に雑
草の根を残すことになる。このため、除草した雑草を完
全に死滅させることができず、短期間のうちに再び成長
する確立が非常に高いという問題があった。
【0007】また、前記雑草を根本から抜き取る方法
は、除草に手間と時間がかかるという問題があった。さ
らに、土壌内に根の一部を残してしまう場合もあり、除
草した雑草を完全に死滅させることが困難であるという
問題もあった。本発明は、このような従来の問題点を解
決することを課題とするものであり、除草すべき雑草以
外の動植物に悪影響を及ぼしたり、環境汚染を引き起こ
すことなく、効率良くしかも確実に雑草の除草を行うこ
とが可能な通電式除草装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、雑草に電流を通すことによ
り除草を行う通電式除草装置であって、交流電力発生手
段と、この交流電力発生手段が1次側に接続された変圧
器と、この変圧器の2次側に接続され且つ前記雑草を含
む電気回路を形成する一対の電極と、前記変圧器と一対
の電極との間に設けられ交流を直流に変換する整流手段
と、前記一対の電極及び雑草を含む電気回路に流れる電
流値を所定の値に一致するように又は所定の範囲内に収
まるように制御する電流値制御手段と、を備え 前記電
流値制御手段を、前記一対の電極及び雑草を含む電気回
路に流れる電流値を検出する電流値検出手段と、前記電
気回路内に前記雑草と直列関係に設けた消費電力可変の
負荷と、前記電流値検出手段の検出結果に応じて前記負
荷における消費電力量を制御する消費電力量制御手段
と、を含んで構成した通電式除草装置を提供するもので
ある。
【0009】
【0010】
【0011】また、上記目的を達成するために、請求項
記載の発明は、雑草に電流を通すことにより除草を行
う通電式除草装置であって、交流電力発生手段と、この
交流電力発生手段が1次側に接続された変圧器と、この
変圧器の2次側に接続され且つ前記雑草を含む電気回路
を形成する一対の電極と、前記変圧器と一対の電極との
間に設けられ交流を直流に変換する整流手段と、前記一
対の電極及び雑草を含む電気回路に流れる電流値を所定
の値に一致するように又は所定の範囲内に収まるように
制御する電流値制御手段と、を備え、 前記交流電力発生
手段を、発電量可変の発電機を含んで構成し、前記電流
値制御手段、前記一対の電極及び雑草を含む電気回路
に流れる電流値を検出する電流値検出手段と、この電流
値検出手段の検出結果に応じて前記発電機の発電量を制
御する発電量制御手段と、を含んで構成した通電式除草
装置を提供するものである。
【0012】そして、請求項記載の発明は、前記一対
の電極のうち、一方の電極を、雑草の地面よりも上の部
分に接するように配設し、他方の電極を、当該地面に接
するように配設した通電式除草装置である。そしてま
た、請求項記載の発明は、請求項に係る一方の電極
の高さ方向位置を可変とした通電式除草装置である。
【0013】さらに、請求項記載の発明は、請求項
又は請求項に係る一方の電極の雑草と接する先端部
を、複数の櫛状部材をそれらの先端を地面に向けた状態
で並設した形状とした通電式除草装置である。さらにま
た、請求項記載の発明は、前記一対の電極のうち、他
方の電極の地面と接する先端部を、回転自在に形成した
通電式除草装置である。
【0014】そしてまた、請求項記載の発明は、請求
に係る他方の電極の回転自在の先端に、回転方向に
沿って複数の凸部を形成した通電式除草装置である。ま
た、請求項記載の発明は、前記請求項1又は請求項2
に記載の発明において、前記一対の電極を、各々異なる
雑草の地面よりも上の部分に接するように配設した通電
式除草装置である。また、上記目的を達成するために、
請求項9記載の発明は、雑草に電流を通すことにより除
草を行う通電式除草装置であって、交流電力発生手段
と、この交流電力発生手段が1次側に接続された変圧器
と、この変圧器の2次側に接続され且つ前記雑草を含む
電気回路を形成する一対の電極と、を備え前記一対の
電極は、各々異なる雑草の地面よりも上の部分に接する
ように配設した通電式除草装置を提供するものである。
そして、請求項10記載の発明は、前記請求項9記載の
発明において、前記変圧器と一対の電極との間に、交流
を直流に変換する整流手段を設けた。 さらに、請求項1
1記載の発明は、上記請求項10記載の発明において、
前記一対の電極及び雑草を含む電気回路に流れる電流値
を所定の値に一致するように又は所定の範囲内に収まる
ように制御する電流値制御手段を設けた。そして、請求
項12記載の発明は、請求項8乃至請求項11のいずれ
か一項に係る一対の電極の高さ方向位置を可変とした通
電式除草装置である。
【0015】さらにまた、請求項13記載の発明は、請
求項8乃至請求項12のいずれか一項に係る一対の電極
の少なくとも一方の電極の水平方向位置を可変とした通
電式除草装置である。そしてまた、請求項14記載の発
明は、請求項乃至請求項13のいずれか一項に係る一
対の電極の雑草と接する先端部を、複数の櫛状部材をそ
れらの先端を地面に向けた状態で並設した形状とした通
電式除草装置である。
【0016】
【作用】本発明の通電式除草装置によれば、交流電力発
生手段から供給された交流は、先ず、変圧器に供給さ
れ、ここで、変圧比に応じた所定電圧まで昇圧された
後、前記一対の電極及び雑草を含む回路に電流が流れ
る。この通電により前記雑草は、その植物組織におい
て、ジュール効果によるエネルギー消散(熱消散)が起
こり、細胞液が蒸発されて生存に必要な水分を維持する
ことが困難となり、死滅に至る。また、細胞及び植物組
織のイオン均衡性が破壊され、非可逆的な一般電気泳動
現象が生じ、植物組織への栄養分や水等の吸収及び運搬
が阻害される。さらに、植物組織の生存に不可欠な酸素
や、核酸及び核タンパク質等の有機分子が変質され、雑
草は、死滅に至る。
【0017】そして、請求項1、、10のいずれか一
項に記載の発明によれば、極に直流が供給され、雑草
に直流が通電される。この直流が通電された雑草は、そ
の植物組織内において、特にジュール効果による発熱が
得られ易くなる。これは、直流は、常に一定の電流を供
給することができるため、ジュール効果を効率よく発揮
することができるためであると考えられる。
【0018】従って、雑草の植物組織における細胞液の
蒸発、イオン均衡性の破壊、非可逆的な一般電気泳動現
象の発生、植物組織への栄養分や水等の吸収及び運搬の
阻害、生存に不可欠な酸素や有機分子の変質等が、さら
に活発に起こり、雑草はさらに短時間で死滅に至る。そ
して、請求項1、2、11のいずれか一項に記載の発明
によれば、流値制御手段を設けたため、雑草の量(本
数)が増加したり、雑草の種類等に応じて、一度に大量
の電流が、電気回路を通過する状況となっても、当該電
気回路を流れる電流値は、常に所定の値又は所定の範囲
内となる。従って、交流電力発生手段、変圧器、整流手
段等に過大な負担がかかることがない。
【0019】しかも、請求項記載の発明によれば、電
流値検出手段から検出された電流値に応じて、前記負荷
の消費電力量が制御される。即ち、この負荷は、雑草と
直列となっているため、例えば、雑草の本数が増加し
て、一度に大量の電流が、雑草を含む電気回路を通過す
る状況となった際には、この電流値に応じて、消費電力
量制御手段にて、負荷における消費電力量を増加させる
ことで、電気回路に流れる電流値は、常に所定の値又は
所定の範囲内に収まるようになる。
【0020】また、請求項記載の発明によれば、電流
値検出手段により検出された電流値に応じて、交流電力
発電手段の発電機の発電量が制御される。即ち、例え
ば、雑草の本数が増加して、一度に大量の電流が、前記
電気回路を通過する状況となった際には、発電量制御手
段により、発電機の発電量を減少させることで、電気回
路に流れる電流値は、常に所定の値又は所定の範囲内に
収まるようになる。
【0021】ここで、請求項記載の電流値制御手段及
び請求項記載の電流制御手段を両方備えることで、前
記電気回路に流れる電流値の制御がさらに容易となる。
そしてまた、請求項記載の発明によれば、一方の電極
(雑草の地面より上の部分に接する電極)から、雑草の
当該一方の電極が接触した部分、該雑草の根及び他方の
電極を含む電気回路が形成される。従って、雑草がまば
らに生えていても雑草の根には、確実に通電が行われ
る。
【0022】また、請求項記載の発明によれば、請求
に係る一方の電極の高さ方向位置を可変としたた
め、一方の電極は、所望によりその高さが変更される。
このため、例えば、雑草の丈に応じて、一方の電極の高
さを、自動又は手動で変更することもできる。従って、
一方の電極は、常に雑草と接触し、一対の電極及び雑草
を含む電気回路が形成される。
【0023】そして、請求項記載の発明によれば、請
求項又は請求項に係る一方の電極の雑草と接する先
端部を、複数の櫛状部材をそれら先端を地面に向けた状
態で並設した形状としたため、一方の電極の雑草と接す
る先端部に、多数の針状の電極が存在した状態となる。
従って、一方の電極と雑草とが接触する面積が増大され
て、両者が接触する確率が増加する。このため、ランダ
ムに生えている雑草であっても、一方の電極と簡単に接
触し、常に前記一対の電極及び雑草を含む電気回路を形
成することができる。また、一方の電極が移動しても、
雑草は、一方の電極の先端部に形成された複数の櫛状部
材間を通過するため、雑草が電極にからまることがな
い。
【0024】さらに、請求項記載の発明によれば、請
求項乃至請求項のいずれか一項に係る他方の電極の
地面と接触する先端が、地面上を回転するため、地面と
の接触抵抗が低減される。また、地面上に、石等の障害
物があっても、電極の先端がこれらの上を回転して通過
するため、電極は、常に地面と接触した状態となる。従
って、一対の電極及び雑草を含む電気回路が常に形成さ
れる。
【0025】そして、請求項記載の発明によれば、請
求項に係る他方の電極の地面と接触する先端が地面上
を回転する際に、当該電極の先端は、電極の先端に形成
された凸部が順々に地面に食い込みながら回転する。従
って、他方の電極の先端部と地面との接触が、より確実
となる。そしてまた、請求項8乃至請求項11のいずれ
か一項に記載の発明によれば、一方の電極、雑草の当該
一方の電極が接触している部分、さらに当該雑草の根、
他方の電極が接触している雑草の根、この雑草の他方の
電極が接触している部分及び当該他方の電極を含む電気
回路が形成される。従って、各電極が接触している雑草
に、一度に通電が行われる。そして、特に、これらの雑
草の根には、確実に通電が行われる。
【0026】さらにまた、請求項12記載の発明によれ
ば、雑草の丈に応じて、請求項8乃至請求項11のいず
れか一項に係る一対の電極の高さ方向位置が変更され
る。従って、雑草の丈にかかわらず、常に、一方の電
極、これと接触した雑草、他方の電極と接触している雑
草、及び当該他方の電極からなる電気回路が形成され
る。そして、請求項13記載の発明によれば、前記請求
8乃至請求項12のいずれか一項に係る一対の電極の
少なくとも一方の電極の水平方向位置を可変としたた
め、一対の電極間の距離は、所望により変更される。こ
のため、例えば、一方の電極と接触している雑草と、他
方の電極と接触する雑草との距離が一定でなくても、こ
の距離に応じて、前記少なくとも一方の電極を、自動又
は手動で水平方向に移動することもできる。従って、一
対の電極は、常に雑草と接触し、一対の電極及び雑草を
含む電気回路が形成される。
【0027】また、請求項14記載の発明によれば、請
求項乃至請求項13のいずれか一項に係る電極の雑草
と接する先端部を、複数の櫛状部材をそれらの先端を地
面に向けた状態で並設した形状としたため、当該電極の
雑草と接する先端部の面積が増大される。従って、前記
電極の雑草と接する先端部と雑草とが接触する確立が増
加する。このため、ランダムに生えている雑草であって
も、前記電極と簡単に接触し、通電が行われる。
【0028】
【実施例】次に、本発明に係る実施例について、図面を
参照して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1に係る通電式除
草装置をトラクタに牽引させた状態を示す外観図、図2
は、図1に示す通電式除草装置の構成図、図3は、図1
に示す通電式除草装置の保護回路の構成図、図4は、図
1に示す通電式除草装置の電力値制御手段の構成図、図
5は、一方の電極の拡大図、図6は、図1に示す通電式
除草装置の他方の電極の拡大図である。
【0029】図1乃至図6に示す通電式除草装置1A
は、雑草4に電気を通すことにより除草を行う装置であ
って、トラクタ2に牽引されるトレーラ3に、特に、図
2に示すように、交流電力発生部10と、これの一方の
端子に接続された電力サイリスタ20と、電力サイリス
タ20及び交流電力発生部10の他方の端子に接続され
た変圧器30と、変圧器30に接続された整流装置40
と、整流装置40及び交流発電機13に接続された電流
値制御部50と、電流値制御部50に接続され、且つ雑
草4を含む電気回路を形成する棒状電極61及び円板電
極62からなる一対の電極60と、電力サイリスタ20
に接続された保護回路70と、が搭載された構造を備え
ている。
【0030】交流電力発生部10は、内燃モータ11
と、内燃モータ11の電力引出し口12に接続された8
極ポールの交流発電機13と、から構成されている。な
お、本実施例では、内燃モータ11として、常用回転2
800r.p.m.の100馬力のディーゼルエンジンを使用
した。保護回路70は、特に、図3に示すように、棒状
電極61、雑草4、地面5及び円板電極62を含む電気
回路の状態を常にモニタする電気回路モニタ装置71
と、トラクタ2の走行状態を常にモニタする走行状態モ
ニタ装置72と、を備えている。
【0031】電気回路モニタ装置71は、例えば、電流
値制御部50が備えている後述する電流値検出装置52
に接続されており、電気回路の状態を常にモニタしてい
る。そして、円板電極62と地面5との接触が解除され
た場合や、電気回路に故障が発生した場合、あるいは、
短絡による過剰電流の発生等、電気回路に異常が発生し
た場合には、直ちに、電力サイリスタ20に異常発生信
号を送信する。
【0032】また、走行状態モニタ装置72は、トラク
タ2に設置され、トラクタ2の速度を検出する速度検出
装置2Aに接続されており、この速度検出装置2Aから
送信される信号を常にモニタし、トラクタ2の走行が停
止した場合には、直ちに、電力サイリスタ20に異常発
生信号を送信する。電力サイリスタ20は、保護回路7
0から送信された異常発生信号により、ON状態からO
FF状態への切り替えを行い、電気回路への電力供給を
停止する。また、前記異常が解除された場合には、OF
F状態からON状態への切り替えを行い、電気回路への
電力供給を行う。
【0033】変圧器30は、交流発電機13から供給さ
れる交流の電圧を所定の値に変圧する装置である。整流
装置40は、交流を直流に変換する整流器から構成され
ている。電流値制御部50は、特に図4に示すように、
雑草4と直列に配設された抵抗値可変の可変抵抗51
と、棒状電極61、雑草4、及び円板電極62を含む電
気回路を流れる電流値を検出する電流値検出装置52
と、電流値検出装置52の検出結果に応じて、可変抵抗
51の抵抗値を変化させて、これにおける消費電力量を
制御する消費電力量制御装置53と、電流値検出装置5
2の検出結果に応じて、交流発電機13の回転数をコン
トロールし、発電量を制御する発電量制御装置54と、
から構成されている。
【0034】棒状電極61は、整流装置40側が棒状と
なっており、トレーラ3の外部に延出すると共に、地面
5より上方に位置し、雑草4の地面5よりも上の部分に
接するように懸架されている。この棒状電極61の雑草
4と接触する先端部は、特に図5に示すように、複数の
櫛状部材63が、その先端を地面に向けた状態で並設さ
れた形状となっている。また、棒状電極61には、その
高さ方向位置を自在に変更する図示しない高さ方向移動
装置が接続されており、その高さ方向位置を任意に変更
できるようになっている。
【0035】円板電極62は、整流装置40側が棒状と
なっており、トレーラ3の外部に延出すると共に、地面
5に接するように配設されている。この円板電極62の
地面と接する先端部は、特に図6に示すように、回転自
在な円板形状となっている。そして、この円板の外周に
は、回転方向に沿って複数の凸部65が形成されてい
る。この凸部65は、円板電極62の先端が回転する際
に、地面5に円板電極62を食い込ませ(入り込ませ)
易いように、地面5と最初に接触する先端に鋭利なカッ
トが施されている。
【0036】次に、本実施例に係る通電式除草装置1A
を用いて、地面5に生えている雑草4の除草を行う場合
の具体的動作について説明する。除草すべき雑草4が生
えている地面5にて、トラクタ2の走行を開始すると共
に、内燃モータ11を作動する。この内燃モータ11の
作動により得られた電力は、電力引出し口12を介して
交流発電機13に供給される。ここで、この電力は、内
燃モータ11の作動により得られるため、トラクタ2の
走行状態にかかわりなく、常に安定した電力量が得られ
る。
【0037】交流発電機13では、供給された電力から
交流を発生させる。ここで得られた交流は、変圧器30
に供給される。この時、電力サイリスタ20は、ON状
態となっている。変圧器30では、供給された交流の電
圧を所定の電圧に変換する。ここで所定の電圧に変換さ
れた交流は、整流装置40に供給される。
【0038】整流装置40では、供給された交流が直流
に変換される。ここで得られた直流は、電流値制御部5
0を介して、雑草4の上部と接触している棒状電極6
1、雑草4及び円板電極62を含む電気回路に供給され
る。ここで、通電が行われた雑草4は、その植物組織に
おいて、ジュール効果によるエネルギー消散が起こり、
細胞液が蒸発されて生存に必要な水分を維持することが
困難となる。また、細胞及び植物組織のイオン均衡性が
破壊され、非可逆的な一般電気泳動現象が生じ、植物組
織への栄養分や水等の吸収及び運搬が阻害される。さら
に、植物組織の生存に不可欠な酸素や、核酸及び核タン
パク質等の有機分子が変質される、等の理由により死滅
に至る。
【0039】この時、棒状電極61は、トラクタ2の走
行に合わせて移動するが、棒状電極61は、その先端部
が、常に雑草4と接触するように、図示しない高さ方向
移動装置により、その高さ方向の位置が変更される。さ
らに、棒状電極61は、その先端部に、複数の櫛状部材
63が形成されているため、雑草4との接触が容易とな
る。また、雑草4は、並設された櫛状部材63の間を通
過するため、棒状電極61が移動しても、雑草4が棒状
電極61にからまることがない。
【0040】また、円板電極62の先端部は、トラクタ
2の走行に合わせて、その先端部に形成された凸部65
を順々に地面に食い込ませながら、先端部を回転させ
る。このようにすることで、棒状電極61は、常に雑草
4との接触が可能となり、円板電極62は、常に地面5
との接触が可能となる。従って、棒状電極61、雑草
4、円板電極62を含む電気回路が、常に安定した状態
で形成され、特に雑草4の根に、完全な通電が行われる
ため、効率の良い除草が行われる。また、円板電極62
が地面5と接触する構造であるから、棒状電極61のみ
を、雑草4に接触させれば、電気回路が形成される。従
って、雑草4が、まばらに生えていても簡単に電気回路
を形成することができる。
【0041】この除草作業中、保護回路70の電気回路
モニタ装置71では、電流値検出装置52から送信され
る検出結果に基づいて、常に電気回路の状態がモニタさ
れている。そして、例えば、円板電極62と地面5との
接触状態や、電気回路の故障や、短絡による過剰電流の
発生等、電気回路に何らかのトラブルが発生した場合に
は、直ちに電力サイリスタ20に異常発生信号を送信す
る。
【0042】一方、保護回路70の走行状態モニタ装置
72では、速度検出装置2Aから送信される検出結果に
基づいて、常にトラクタ2の走行状態がモニタされてい
る。そして、トラクタ2の走行が停止した場合には、直
ちに、電力サイリスタ20に異常発生信号を送信する。
電力サイリスタ20では、このような異常発生信号に基
づいて、ON状態からOFF状態に切り替わるから、除
草作業が直ちに停止する。このため、常に安全な除草作
業が行える。
【0043】さらに、この除草作業中、電流値制御部5
0では、電流値検出装置52により電気回路を流れる電
流値を検出し、この検出結果に応じて、消費電力量制御
装置53にて、可変抵抗51における消費電力量が制御
される。即ち、雑草4の本数が増加して、一度に大量の
電流が、電気回路を通過する状況となった際には、この
電流値に応じて、消費電力量制御装置53にて、可変抵
抗51における消費電力量を増加させることで、電気回
路に流れる電流値は、常に所定の値又は所定の範囲内に
収まるように制御される。従って、交流電力発生部1
0、変圧器30、整流装置40に、過大な負担がかかる
ことがない。
【0044】また、同様に、電流値制御部50では、電
流値検出装置52から検出された電流値に応じ、交流発
電機13の回転数が発電量制御装置54にてコントロー
ルされ、交流発電機13における発電量が制御される。
即ち、雑草4の本数が増加して、一度に大量の電流が、
電気回路を通過する状況となった際には、発電量制御装
置54により、交流発電機13の発電量を減少させるこ
とで、電気回路に流れる電流値は、常に所定の値又は所
定の範囲内に収まるように制御される。
【0045】次に、本実施例に係る通電式除草装置1A
の整流装置40を取り除き、雑草4に交流を通電する通
電式除草装置を用い、以下の実験を行った。3種類の雑
草(試料1として『学名:Bideus Pilosa (タウコギ
等)』、試料2として『学名:Chenchrus Echinatos
』、試料3として『学名:Cyperus Rotundus(カヤツ
リグサ等)』を使用し、これに表1に示す周波数(H
z)の交流を通電した際に、完全な除草を行う(雑草を
完全に死滅に至らせる)ために必要な電力量(ジュー
ル)を調査した。
【0046】なお、この時の電圧は、14000V(ボ
ルト)とした。この結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から、雑草の種類に応じて、通電量
(消費電力量)を変化させることにより、ずべての種類
の雑草は、完全に死滅に至ったことが確認される。ここ
で、試料3のような多年草は、完全な除草を行うために
必要な通電量が他の雑草(試料1及び試料2)に比べ、
大きいことが判る。これは、多年草は、他の雑草に比
べ、根が丈夫であるからである。
【0049】次に、本実施例に係る通電式除草装置1A
を使用し、1種類の雑草(『学名:Amaranthus Hybridu
s (ヒユ属)』)を使用し、これに直流及び表2に示す
周波数(Hz)のパルス直流(矩形波)を通電した際
に、完全な除草を行うために必要な電力量(ジュール)
を調査した。なお、この時の電圧は、14000Vとし
た。この結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2から、直流及びパルス直流共に、雑草
は、完全に死滅に至ったことが確認される。また、特
に、直流では、少ない通電量(消費電力量)で、雑草を
完全に死滅させられることが判る。次に、本実施例に係
る通電式除草装置1Aを使用し、電極60に、供給する
電流の周波数(Hz)と、雑草を死滅に至らせる効率と
の関係を調査した。この結果を図7に示す。
【0052】図7から、周波数が0Hzである直流で
は、雑草を死滅に至らせる効率が高く、パルス直流及び
交流では、周波数が10kHzに近づくに従って、雑草
を死滅に至らせる効率が増加することが判る。しかしな
がら、周波数が10kHzを越えて大きくなると、雑草
を死滅に至らせる効率が徐々に低くなると考えられる。
これより、本発明に係る通電式除草装置1Aでは、直流
を使用するか、周波数が1〜10kHz程度の交流、あ
るいはパルス直流を使用することが、省エネルギーの点
から特に有効である。
【0053】また、本実施例に係る通電式除草装置1A
を使用し、印加する電圧と雑草を死滅に至らせる効率と
の関係を調査した。この結果を図8に示す。図8から、
電圧が0kVを越えてから15kV程度までは、雑草を
死滅に至らせる効率が増加することが判る。しかしなが
ら、高電圧であるほど、放電によるロスが大きくなるた
め、本発明に係る通電式除草装置1Aでは、3〜15k
V程度の電圧を印加することが好適である。
【0054】なお、実施例1では、交流電流発生部10
が、本発明に係る交流電力発生手段と対応し、整流装置
40が整流手段と対応し、電流値制御部50が電流値制
御手段と対応する。 (実施例2)次に、本発明に係る実施例2について説明
する。
【0055】図9は、本発明の実施例2に係る通電式除
草装置の構成図である。なお、実施例1と同様の構成部
分には、同一符号を記し、その説明を省略した。図9に
示す通電式除草装置1Bは、円板電極62の代わりに、
棒状電極61と同様の構成を備えた棒状電極66を備え
た構造を有している。棒状電極66は、棒状電極61と
接触しない程度の間隔をもって、トレーラ3の外部に延
出すると共に、地面5より上方に位置し、雑草4の地面
5よりも上の部分に接するように懸架されている。
【0056】さらに、棒状部材66には、棒状部材66
を水平方向に移動する図示しない水平方向移動装置が接
続されている。そして、この水平方向移動装置を作動す
ることにより、棒状電極61に対して、その水平方向位
置が任意に変更可能となっている。また、棒状電極61
及び66には、その高さ方向位置を自在に変更する図示
しない高さ方向移動装置が接続されており、その高さ方
向位置を任意に変更できるようになっている。
【0057】そして、棒状電極61、これと接触する雑
草4、棒状電極66と接触する雑草4、及び棒状電極6
6を含む電気回路が形成される。次に、実施例2に係る
通電式除草装置1Bを用いて、地面5に生えている雑草
4の除草を行う場合の具体的動作について説明する。実
施例1と同様に、整流装置40から供給された直流は、
電流値制御部50を介して、棒状電極61、雑草4及び
棒状電極66を含む電気回路に供給される。この動作に
より、各棒状電極61及び66に接触している2本の雑
草4に、一度に通電を行うことができ、2本の雑草4
は、根まで完全に通電が行われ、死滅に至る。
【0058】この時、棒状電極61及び66は、トラク
タ2の走行に合わせて移動するが、棒状電極61及び6
6は、その先端部が、常に雑草4と接触するように、図
示しない高さ方向移動装置により、その高さ方向の位置
が変更される。さらに、棒状電極66は、図示しない水
平方向移動装置により、その水平方向位置が変更され
る。
【0059】この除草作業中、実施例1と同様に、保護
回路70及び電流値制御部50が作動し、常に良好で安
全な除草作業が行われる。なお、実施例1及び実施例2
では、交流電力発生部10として内燃モータ11及び交
流発電機13を使用したが、これに限らず、交流電力発
生部10は、例えば、交流発電機13に、高電流ダイオ
ード等の整流手段を接続し、これにインバータを接続し
た構成や、内燃モータ11と交流発電機13との間に、
増速機を介在させた構造、あるいは、内燃モータ11に
直流発電機を接続し、この直流発電機にインバータを接
続した構造等、所望の構造とすることができる。発電機
に替えて、蓄電器を使用してもよい。
【0060】また、実施例1及び実施例2では、電極6
0に、直流を供給したが、これに限らず、整流装置40
を接続せずに、電極60に所望の周波数の交流を供給し
てもよく、また、整流装置40により、電極60に所望
の周波数のパルス直流を供給してもよい。そして、実施
例1及び実施例2では、可変抵抗51と、電流値検出装
置52と、消費電力量制御装置53と、発電量制御装置
54と、から構成された電流値制御部50を使用した
が、これに限らず、電流値制御部50は、可変抵抗51
と、電流値検出装置52と、消費電力量制御装置53
と、から構成してもよく、電流値検出装置52と、発電
量制御装置54と、から構成してもよい。また、本発明
に係る通電式除草装置は、必ずしも電流値制御部50を
備えなくてもよい。
【0061】また、実施例1及び実施例2では、消費電
力が可変な負荷として、可変抵抗51を設けたが、これ
に限らず、電気回路内であって、雑草4と直列関係且つ
消費電力可変であれば、他の部品を使用してもよい。ま
た、実施例1及び実施例2では、棒状電極61及び66
の雑草と接触する先端部を、複数の櫛状部材63が形成
された形状としたが、これに限らず、雑草4と高い確率
をもって接触が可能な形状であれば、他の形状としても
よい。
【0062】そしてまた、実施例1では、回転自在な円
板電極62を使用したが、これに限らず、地面5と接触
した状態を保持することが可能であれば、必ずしも回転
自在とする必要はなく、また、他の形状を備えていても
よく、凸部65が形成されていなくてもよい。そして、
実施例1及び実施例2では、棒状電極61及び66に、
高さ方向移動装置を接続し、棒状電極61及び66の高
さ方向位置を可変としたが、これに限らず、本発明に係
る通電式除草装置は、必ずしも高さ方向移動装置を備え
なくてもよい。また、高さ方向移動装置に、雑草4の高
さを検出し、この検出結果に応じて自動的に棒状電極6
1及び66の高さを調整する高さ調整装置を設けてもよ
い。
【0063】また、実施例2では、棒状電極66に水平
方向移動装置を接続し、その水平方向位置を可変とした
が、これに限らず、水平方向移動装置は、棒状電極61
及び66の両方に接続してもよい。また、本発明に係る
通電式除草装置は、必ずしも水平方向移動装置を備えな
くてもよい。さらに、水平方向移動装置に、雑草4の水
平方向の間隔を検出し、この検出結果に応じて自動的に
棒状電極61及び66の水平方向位置を調整する水平方
向位置調整装置を設けてもよい。
【0064】さらに、実施例1及び実施例2では、通電
式除草装置をトレーラ3に搭載し、トレーラ3をトラク
タ2にて牽引する方法について説明したが、これに限ら
ず、トレーラ3は、他の方法により牽引してもよく、ま
た、通電式除草装置を直接移動可能な自動車等に搭載し
てもよい。そして、雑草4に通電する電力量は、雑草4
の種類により、任意に決定すればよい。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る通電
式除草装置は、除草すべき雑草を含む電気回路を構成と
したため、除草すべき雑草以外の動植物に悪影響を及ぼ
したり、環境汚染を引き起こすことなく、効率良くしか
も確実に雑草の除草を行うことができるという効果があ
る。
【0066】そして、請求項1、、10に係る発明に
よれば、前記電極に、交流の他、直流及びパルス直流を
供給することができる構成としたため、前記効果に加
え、雑草の種類や本数、除草環境に応じて種々の電流を
使用することができ、装置の汎用性が増加するという効
果がある。また、直流を使用することで、一層省エネル
ギーを達成することができるという効果がある。
【0067】また、請求項1、2、11に係る発明によ
れば、電流値制御手段を備えたため、電気回路に、一度
に大量の電流が通過する状況となっても、該電気回路を
流れる電流値を常に所定の値又は所定の範囲内に収める
ことができる。この結果、前記効果に加え、交流電力発
生手段、変圧器、整流手段等に過大な負担がかかること
がなく、装置の寿命を向上することができるという効果
がある。
【0068】そしてまた、請求項記載の発明によれ
ば、電流値制御手段を、電流値検出手段と、負荷と、消
費電力量制御手段を含んで構成したため、電流値検出手
段から検出された電流値に応じて、前記負荷の消費電力
量が制御され、電気回路に流れる電流値を、常に所定の
値又は所定の範囲内に収めることができる。この結果、
交流電力発生手段、変圧器、整流手段等に過大な負担が
かかることがなく、装置の寿命を向上することができる
という効果がある。
【0069】さらに、請求項記載の発明によれば、電
流値制御手段を、電流値検出手段及び発電量制御手段
と、を含んで構成したため、電流値検出手段から検出さ
れた電流値に応じて、交流電力発電手段の発電機の発電
量が発電量制御手段により制御される。従って、電気回
路に流れる電流値を、常に所定の値又は所定の範囲内に
収めることができる。この結果、交流電力発生手段、変
圧器、整流手段等に過大な負担がかかることがなく、装
置の寿命を向上することができるという効果がある。
【0070】ここで、請求項記載の電流値制御部及び
請求項記載の電流制御手段を両方備えることで、電気
回路に流れる電流値の制御がさらに容易となる。この結
果、交流電力発生装置、変圧器、整流手段等に必要以上
の負担がかかることをさらに抑制でき、装置の寿命を一
層向上することができるという効果がある。また、請求
記載の発明によれば、一方の電極は、雑草の地上よ
りも上の部分に接するように配設し、他方の電極は、該
地面に接する構成としたため、一対の電極及び雑草を含
む電気回路が形成される。この結果、雑草の根には、確
実に通電が行われ、根の働きを完全に停止させることが
でき、雑草を確実に死滅させることができるという効果
がある。また、雑草がまばらに生えていても、一方の電
極を該雑草に接触させることが容易となる。
【0071】そしてまた、請求項記載の発明によれ
ば、一方の電極の高さ方向位置を可変としたため、一方
の電極は、常に雑草と接触することができる。このた
め、一対の電極及び雑草を含む電気回路が常に形成され
る。この結果、種々の雑草を確実に死滅させることがで
きるという効果がある。そして、請求項記載の発明に
よれば、一方の電極の雑草と接する先端部を、複数の櫛
状部材をそれら先端を地面に向けた状態で配設した形状
としたことで、電極の先端部と雑草とが接触する確率を
増加することができる。このため、ランダムに生えてい
る雑草であっても、前記電極と簡単に接触し、当該雑草
を含む電気回路を形成することができる。この結果、種
々の雑草を確実に死滅させることができるという効果が
ある。また、電極が移動した際には、雑草は、櫛状部材
間を通過するため、雑草が電極にからまることがなく、
スムーズな除草が行えるという効果がある。
【0072】さらに、請求項記載の発明によれば、他
方の電極の地面と接触する先端部を回転自在に構成した
ため、他方の電極は、常に地面と接触した状態となる。
この結果、常に一対の電極及び雑草を含む電気回路を形
成することができるという効果があるそして、請求項
記載の発明によれば、他方の電極の回転自在の先端
に、凸部を形成した構成としたため、他方の電極の先端
部は、より確実に地面との接触が保たれ、常に前記一対
の電極及び雑草を含む電気回路を形成することができる
という効果がある。
【0073】そしてまた、請求項8乃至11のいずれか
一項に記載の発明によれば、一対の電極を、各々異なる
雑草の地面より上の部分に接するように構成したため、
一対の電極及び雑草を含む電気回路が形成される。この
ため、各電極が接触している雑草に、一度に通電を行う
ことができると共に、これらの雑草の根には、確実に通
電が行われる。この結果、一度に2本の雑草を確実に死
滅させることができるという効果がある。
【0074】さらに、請求項12記載の発明によれば、
一対の電極の高さ方向位置可変としたため、一対の電極
は、常に雑草に接触することが可能となる。従って、一
対の電極及び雑草を含む電気回路を常に形成することが
できる。この結果、種々の雑草を確実に死滅させること
ができるという効果がある。そして、請求項13記載の
発明によれば、一対の電極の少なくとも一方の電極の水
平方向位置を可変としたため、一対の電極間の水平方向
距離を変更することができる。この結果、ランダムに生
えている雑草であっても、一対の電極は、この雑草と接
触することが可能となる。この結果、一対の電極及び雑
草を含む電気回路を常に形成することができ、雑草を確
実に死滅させることができるという効果がある。
【0075】また、請求項14記載の発明によれば、一
対の電極の雑草と接する先端部を、複数の櫛状部材をそ
れら先端を地面に向けた状態で配設した形状としたこと
で、電極の先端部と雑草とが接触する確率を増加するこ
とができる。このため、ランダムに生えている雑草であ
っても、前記電極と簡単に接触し、当該雑草を含む電気
回路を形成することができる。この結果、種々の雑草を
確実に死滅させることができるという効果がある。ま
た、電極が移動した際には、雑草は、櫛状部材間を通過
するため、雑草が電極にからまることがなく、スムーズ
な除草が行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る通電式除草装置をトラ
クタに牽引させた状態を示す外観図である。
【図2】図1に示す通電式除草装置の構成図である。
【図3】図1に示す通電式除草装置の保護回路の構成図
である。
【図4】図1に示す通電式除草装置の電力値制御手段の
構成図である。
【図5】一方の電極の拡大図である。
【図6】図1に示す通電式除草装置の他方の電極の拡大
図である。
【図7】本発明の実施例1に係る電極に供給した電流の
周波数(Hz)と、雑草を死滅に至らせる効率との関係
を示す図である。
【図8】本発明の実施例1に係る電極に印加する電圧と
雑草を死滅に至らせる効率との関係を示す図である。
【図9】本発明の実施例2に係る通電式除草装置の構成
図である。
【符号の説明】
1 通電式除草装置 2 トラクタ 3 トレーラ 4 雑草 5 地面 10 交流電力発生部 11 内燃モータ 12 電力引出し口 13 交流発電機 20 電力サイリスタ 30 変圧器 40 整流手段 50 電流値制御部 51 負荷 52 電流値検出装置 53 消費電力量制御装置 54 発電量制御装置 60 電極 61 棒状電極 62 円板電極 63 櫛状部材 65 凸部 66 棒状電極 70 保護回路 71 電気回路モニタ装置 72 走行状態モニタ装置

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雑草に電流を通すことにより除草を行う
    通電式除草装置であって、交流電力発生手段と、この交
    流電力発生手段が1次側に接続された変圧器と、この変
    圧器の2次側に接続され且つ前記雑草を含む電気回路を
    形成する一対の電極と、前記変圧器と一対の電極との間
    に設けられ交流を直流に変換する整流手段と、前記一対
    の電極及び雑草を含む電気回路に流れる電流値を所定の
    値に一致するように又は所定の範囲内に収まるように制
    御する電流値制御手段と、を備え 前記電流値制御手段を、前記一対の電極及び雑草を含む
    電気回路に流れる電流値を検出する電流値検出手段と、
    前記電気回路内に前記雑草と直列関係に設けた消費電力
    可変の負荷と、前記電流値検出手段の検出結果に応じて
    前記負荷における消費電力量を制御する消費電力量制御
    手段と、を含んで構成した ことを特徴とする通電式除草
    装置。
  2. 【請求項2】 雑草に電流を通すことにより除草を行う
    通電式除草装置であって、交流電力発生手段と、この交
    流電力発生手段が1次側に接続された変圧器と、この変
    圧器の2次側に接続され且つ前記雑草を含む電気回路を
    形成する一対の電極と、前記変圧器と一対の電極との間
    設けられ交流を直流に変換する整流手段と、前記一対
    の電極及び雑草を含む電気回路に流れる電流値を所定の
    値に一致するように又は所定の範囲内に収まるように制
    御する電流値制御手段と、を備え、 前記交流電力発生手段を、発電量可変の発電機を含んで
    構成し、前記電流値制御手段を、前記一対の電極及び雑
    草を含む電気回路に流れる電流値を検出する電流値検出
    手段と、この電流値検出手段の検出結果に応じて前記発
    電機の発電量を制御する発電量制御手段と、を含んで構
    成したことを特徴とする 通電式除草装置。
  3. 【請求項3】 一方の電極は、雑草の地面よりも上の部
    分に接するように配設し、他方の電極は、当該地面に接
    するように配設した請求項1又は請求項2記載の通電式
    除草装置。
  4. 【請求項4】 前記一方の電極の高さ方向位置を可変と
    した請求項3記載の通電式除草装置。
  5. 【請求項5】 前記一方の電極の雑草と接する先端部
    を、複数の櫛状部材をそれらの先端を地面に向けた状態
    で並設した形状とした請求項3又は請求項4記載の通電
    式除草装置。
  6. 【請求項6】 他方の電極の地面と接する先端部を、回
    転自在に形成した請求項乃至請求項5のいずれか一項
    に記載の通電式除草装置。
  7. 【請求項7】 前記方の電極の回転自在の先端に、回
    転方向に沿って複数の凸部を形成した請求項6記載の通
    電式除草装置。
  8. 【請求項8】 前記一の電極は、各々異なる雑草の地
    面よりも上の部分に接するように配設したことを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の通電式除草装置。
  9. 【請求項9】 雑草に電流を通すことにより除草を行う
    通電式除草装置であって、交流電力発生手段と、この交
    流電力発生手段が1次側に接続された変圧器と、この変
    圧器の2次側に接続され且つ前記雑草を含む電気回路を
    形成する一対の電極と、を備え前記一対の電極は、各々異なる雑草の地面よりも上の部
    分に接するように配設したことを特徴とする 通電式除草
    装置。
  10. 【請求項10】 前記変圧器と一対の電極との間に、交
    流を直流に変換する整流手段を設けた請求項9記載の通
    電式除草装置。
  11. 【請求項11】 前記一対の電極及び雑草を含む電気回
    路に流れる電流値を所定の値に一致するように又は所定
    の範囲内に収まるように制御する電流値制御手段を設け
    請求項10記載の通電式除草装置。
  12. 【請求項12】 前記一対の電極の高さ方向位置を可変
    としたことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいず
    れか一項に記載の通電式除草装置。
  13. 【請求項13】 前記一対の電極の少なくとも一方の電
    極の水平方向位置を可変とした請求項8乃至請求項12
    のいずれか一項に記載の通電式除草装置。
  14. 【請求項14】 前記一対の電極の雑草と接する先端部
    を、複数の櫛状部材をそれらの先端を地面に向けた状態
    で並設した形状とした請求項乃至請求項13のいずれ
    か一項に記載の通電式除草装置。
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