JP3370291B2 - 耐熱硬質被膜被覆工具 - Google Patents

耐熱硬質被膜被覆工具

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JP3370291B2
JP3370291B2 JP12014399A JP12014399A JP3370291B2 JP 3370291 B2 JP3370291 B2 JP 3370291B2 JP 12014399 A JP12014399 A JP 12014399A JP 12014399 A JP12014399 A JP 12014399A JP 3370291 B2 JP3370291 B2 JP 3370291B2
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利彦 阿部
容浩 朴
等 橋本
正俊 櫻井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速度工具鋼、超
硬合金、サーメットまたはCBN焼結体などを母材とす
る工具の表面に耐熱性硬質被膜のコーティングを施した
耐熱硬質被膜被覆工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速度鋼、超硬合金、サーメットやセラ
ミックスなどを母材とした、エンドミル、ドリル、タッ
プ、フライス切削用スローアウェーチップなどの切削工
具では、その耐熱性や耐摩耗性の向上の為、物理蒸着法
(PVD法)によりTiN、TiCN、TiAlNとい
ったセラミックス硬質被膜を被覆したコーティング工具
が多く用いられるようになっている。PVD法は成膜温
度が500℃と低いため、高速度鋼製工具のコーティン
グに広く用いられている。また、スローアウェーチップ
も、従来のように化学蒸着法( CVD法) を用いると、
被膜と母材との間の界面に反応層が形成され、母材の強
度が低下するのに対し、PVD法では反応層が形成され
ないため母材の強度低下が無く、切れ刃に欠けが発生し
難くなるので、その適用割合が急速に増えつつある。
【0003】ところで、近年では環境保護への関心が高
まり、切削加工分野において切削油を産業廃棄物として
排出する量を削減するため、乾式切削へ急速に移行しつ
つある。また、高速切削や高硬度材切削に対する需要も
高まり、切削工具には高い耐熱性と耐摩耗性がますます
強く要求されるようになっている。
【0004】現在、最も広く用いられているTiNやT
iCNコーティングが施された工具では、上記のような
乾式切削などの高温切削では、耐酸化性や耐熱性が未だ
十分ではなく、被膜の酸化や硬度低下などによる急速な
摩耗が生じて、工具の切削寿命が短くなるといった問題
があった。このため、近年、耐酸化性に優れ且つ被膜の
硬さも高い(Ti,Al)N被膜が提案されて超硬合金
製切削工具を中心に普及し始めているが、高硬度材の乾
式切削や高速切削の分野では、そのような(Ti,A
l)N被膜でも十分な耐熱性や硬度が得られないという
課題が残されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、更に耐熱
性に優れた硬質被膜として(Ti、Al,V)N被膜や
(Ti,Al,Si)CN被膜などが提案されている。
たとえば、特公平5−88309号公報や特開平8−2
09336号公報に記載された硬質被膜がそれである。
しかしながら、上記のような(Ti、Al,V)N被膜
や(Ti,Al,Cr)N被膜では、添加元素が増える
につれて被膜の耐酸化性が低下するといった欠点があっ
た。この耐酸化性を向上させるために上記被膜中の元素
V或いはCrをSiに置換した(Ti,Al,Si)N
被膜が提案されているが、ある程度の耐酸化性の向上は
認められるものの、十分なものとはならないという欠点
があった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、さらに耐熱性お
よび耐酸化性に優れかつ高硬度で優れた耐摩耗性を有す
る硬質被膜を備えた耐熱硬質被膜被覆工具を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(Ti,
Al)N被膜の耐熱性をより向上させることを目的とし
てその(Ti,Al)Nを基本としてそれに各種元素や
化合物を添加する検討を重ねた結果、耐熱性向上に効果
のあると考えられる添加元素や化合物を検討するうち
に、(Ti,Al)Nに炭化珪素SiCを添加させる
と、硬さが高くかつ酸化開始温度も高くなることが見い
だされた。一般に、(Ti,Al)Nの耐酸化性は、T
iNよりは良好であるが、800℃以上の高温で急速に
酸化する。急速に酸化する原因は、被膜中のTiO2
成長が耐酸化性の優れたAl2 3 の成長より著しく速
い点にあることが知られている。TiO2 の基本的な成
長機構(成長メカニズム)は、その中の酸素空孔を介し
ての酸素の拡散であると考えられるので、本発明のよう
にSiCを添加するとTiO2 中の酸素空孔濃度が減少
し、その成長速度が遅くなってAl2 3 が形成され易
くなり、その結果、耐酸化性が向上したものと考えられ
るのである。本発明はそのような知見に基づいて為され
たものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨とするところは、
(Tix Al1-x-y SiCy )N(但し、0.3≦x≦
0.7、0.≦y≦0.2)の組成で示される耐熱硬
質被膜が、耐熱硬質被膜被覆工具の基材の表面に形成さ
れたことにある。
【0009】
【発明の効果】このようにすれば、耐熱硬質被膜が(T
x Al1-x-y SiCy )N(但し、0.3≦x≦0.
7、0.≦y≦0.2)の組成で構成されているの
で、耐熱性および耐酸化性に優れかつ高硬度で優れた耐
摩耗性を有する硬質被膜を備えた耐熱硬質被膜被覆工具
が得られる。したがって、その耐熱硬質被膜被覆工具で
は、乾式切削などの高温切削においても耐熱性および耐
酸化性に優れかつ高硬度で優れた耐摩耗性が得られる。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記耐熱硬質被
膜被覆工具の基材表面に形成された耐熱硬質被膜は、
0.1〜10μmの範囲内の厚さ、さらに好適には1〜
8μmの範囲内の厚さを有するものである。このように
すれば、耐摩耗性が確実に得られると同時に、基材表面
に対する耐熱硬質被膜の付着強度が十分に得られる。上
記耐熱硬質被膜の厚さが0.1μmを下回る場合にはそ
の耐熱硬質被膜を設けた効果すなわち耐熱耐摩耗性が十
分に得られないようになり、10μmを越えると耐熱硬
質被膜の付着強度が低下し、耐熱硬質被膜にクラックな
どが発生して欠けが発生し易くなる。特に、耐熱硬質被
膜が一層のコーティングにより構成される場合は、上記
と同様の理由により1〜8μmの範囲内の厚さが好まし
い。
【0011】また、好適には、前記(Tix Al1-x-y
(SiC)y )N(但し、0.3≦x≦0.7、0.
≦y≦0.2)耐熱硬質被膜において、SiCのTi、
Alに対する割合y、すなわちSiCの添加量yは、
〜20at%(アトミックパーセント)の範囲内とさ
れる。10at%を下まわるとSiCの添加効果すなわ
ち耐酸化性が十分に得られなくなり、20at%を越え
ると耐熱硬質被膜の基材表面に対する付着強度が低下す
る。
【0012】また、好適には、前記耐熱硬質被膜は、チ
タン粉末、アルミニウム粉末、およびSiC粉末から成
形されたターゲットを用いるアーク放電式イオンプレー
ティング法により前記基材の表面に固着されたものであ
る。一般に、蒸発物質としてのアルミニウムAlとチタ
ンTiとをイオン化状態で基材表面に向かって飛ばすこ
とによりイオンプレーティングするに際しては、たとえ
ばホローカソードを用いたイオンプレーティング法で
は、Ti、AlとSiCが溶解してしまうために相対的
に低融点のAl(660℃程度の融点)の方が相対的に
高融点のTi(1675℃程度の融点)よりも多量に飛
ばされる傾向にあってAl含有量のコントロールも困難
であるが、上記のように、チタン粉末、アルミニウム粉
末、およびSiC粉末からホットプレスなどにより成形
されたターゲットを陰極(エバポレータ)として用いる
アーク放電式イオンプレーティングでは、ターゲットの
アークが当たる部分(アークスポット)が飛ばされるの
で、そのターゲットの構成成分と略同様の成分の耐熱硬
質被膜が基材表面に固着される利点がある。すなわち、
(Ti,Al)Nの耐熱性をより向上させることを目的
とする本発明者らによる研究では、チタン粉末、アルミ
ニウム粉末、およびSiC粉末から成形されたターゲッ
トを用いるアーク放電方式イオンプレーティング法によ
り、工具基材の表面に硬質被膜を設けると、その硬質被
膜中には、ターゲットを構成する成分比(成分濃度)に
ほぼ等しい値でSiCが含有され、優れた耐熱性、耐酸
化性、および耐摩耗性を有する耐熱硬質被膜が容易に得
られるという事実が見いだされたのである。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】図1は、本発明の一実施例
の耐熱硬質被膜被覆工具10の一例を説明する要部拡大
断面図である。この耐熱硬質被膜被覆工具10は、フラ
イスカッタ、エンドミル、タップ、ダイスなどの切削工
具である。耐熱硬質被膜被覆工具10は、たとえば超硬
合金製(WC−10Coを主成分とするJISZ10相
当品)の基材12と、その基材12の表面上に固着され
た耐熱硬質被膜14とを備えている。この耐熱硬質被膜
14の材質は、(Tix Al1-x-y (SiC)y )N
(但し、0.3≦x≦0.7、0.≦y≦0.2)か
ら構成されることにより、耐熱性および耐酸化性に優れ
かつ高硬度で優れた耐摩耗性が備えられているので、乾
式切削などの高温切削においても耐熱硬質被膜被覆工具
10の耐熱性および耐酸化性に優れかつ高硬度で優れた
耐摩耗性が得られるようになっている。
【0014】上記(Tix Al1-x-y (SiC)y )N
から成る耐熱硬質被膜14は、0.1〜10μmの範囲
内の厚さ、さらに好適には1〜8μmの範囲内の厚さを
有するものであり、その耐摩耗性が確実に得られると同
時に、基材12の表面に対する耐熱硬質被膜の付着強度
が十分に得られるようになっている。また、上記耐熱硬
質被膜14において、SiCのTi、Alに対する割合
y、すなわちSiCの添加量(含有量)yは、10〜2
0at%(アトミックパーセント)の範囲内とされると
ともに、Tiの添加量(含有量)xは30〜70at%
の範囲内とされている。これにより、SiCの含有量y
に関連した耐熱硬質被膜14の耐酸化性および被膜付着
強度と上記Tiの含有量xに関連した耐熱硬質被膜14
の靱性および耐酸化性が両立させられている。
【0015】上記耐熱硬質被膜被覆工具10は、たとえ
ば以下に説明する工程を経て製造される。先ず、研削加
工などによって切削工具としての基本形状に成形された
基材12は、チタン粉末、アルミニウム粉末、およびS
iC粉末からホットプレスなどにより成形されたターゲ
ット(陰極或いはカソード電極)を用いるアーク放電式
イオンプレーティング装置の基板ホルダーに固定され
る。この基板ホルダーは自転可能に設けられているとと
もに基板加熱用に設けられたヒーターにより加熱される
ようになっている。次いで、上記基板ホルダおよびター
ゲットを収容するチャンバー内がたとえば6.70×10-3Pa
程度まで排気され、ヒーターにより基材12の温度が 5
00℃まで加熱される。その後、エンドミルに-1000V程度
の電位が印加され、アーク放電が開始されて基材12の
表面が十分に洗浄された後、電位が-200V 程度まで落さ
れるとともにN2 ガスが1000cc/minの割合でチャンパ内
へ流される。このようなプレーティング工程において
は、ターゲットにアークが飛ばされ、そのターゲットの
うちのアークが当たる部位(アークスポート)が蒸発さ
せられるとともにイオン化されて基材12に向かって飛
ばされ、その基材12の表面上にそのターゲットの構成
材料と同様の材質の耐熱硬質被膜14がたとえば0.1
〜10μmの範囲内の厚さ、さらに好適には1〜8μm
の範囲内の厚さで固着される。
【0016】図2は、上記(Tix Al1-x-y ( Si
C) y ) Nから成る耐熱硬質被膜14において、それに
含まれるSiCの値yすなわちその含有量at%(アト
ミックパーセント)と耐酸化性との間の関係を求めた実
験結果を示している。この実験例では、JIS Z10の
超硬合金製の基板上に、イオンプレーティング法により
Ti:Al=1:1(原子比、at比)でSiCの添加量
(at%)を、0、1、2、10、20、30とした耐
熱硬質被膜14を、バイアス電圧を―200V とし、チ
ャンバー内への窒素流量を1000cc/minとし
て、膜厚3.5〜3.8μm に成膜した6種類の試料を
作成し、それら6種類の試料の酸化開始温度を以下の酸
化試験条件を用いて決定したものである。この酸化試験
では、熱重量分析装置が用いられ、以下の試験条件下で
試料の重量変化の発生が判定されたときの温度がその試
料の酸化開始温度として求められたものである。
【0017】(酸化試験条件) 温度範囲:室温〜1400℃ 昇温速度:10℃/min 雰囲気:大気
【0018】図2に示す実験結果によれば、耐熱硬質被
膜14におけるSiCの添加量が0.1at%を上まわ
ると酸化開始温度が上昇し、2at%を越えると、酸化
開始温度はSiCの添加量が零である場合と比較して、
約100℃上昇した。さらに、SiCの添加量を10a
t%に増加させた場合には酸化開始温度は1190℃、
SiCの添加量を20at%に増加させた場合には酸化
開始温度は1240℃となり、その添加量を20at%
よりもさらに増加すると酸化開始温度が飽和傾向となっ
た。すなわち、耐熱硬質被膜14におけるSiCの添加
量が2.0at%を下回ると、SiCを含有させた効果
が十分に認められず、20at%を上回ると、SiCの
添加効果が飽和するのである。
【0019】図3は、前記(Tix Al1-x-y ( Si
C) y ) Nから成る耐熱硬質被膜14において、それに
含まれるSiCの値yすなわちその含有量at%(アト
ミックパーセント)と被膜付着強度(N)との関係を求
めた実験結果を示している。この実験例では、JIS Z
10の超硬合金製の基板上に、イオンプレーティング法
によりTi:Al=1:1(原子比、at比)でSiCの
添加量(at%)を、0、1、2、10、20、30と
した耐熱硬質被膜14を、バイアス電圧を―200V と
し、チャンバー内への窒素流量を1000cc/min
として、膜厚3.5〜3.8μm に成膜した6種類の試
料を作成し、それら6種類の試料の被膜付着強度を測定
したものである。この被膜付着強度では、スイス国CS
EM社製の被膜付着強度測定用センサ付自動スクラッチ
試験機を用いて測定が行われた。
【0020】図3に示す実験結果によれば、耐熱硬質被
膜14におけるSiCの添加量が0.1at%を上まわ
ると被膜付着強度が上昇した効果が認められ、20at
%を越えると、被膜付着強度が比較的急速に低下し、3
0at%となると、20at%の場合よりも75(N)
以上低下する。この被膜付着強度を十分に得るために
は、SiCの添加量が20at%以下の範囲とすること
が望まれる。したがって、耐酸化性および被膜付着強度
の両者を考慮すると、図2および図3に示す実験結果か
ら、耐熱硬質被膜14におけるSiCの添加量は10
20at%の範囲内が望まれる。このため、耐熱硬質被
膜14を構成する成分の組成は、(TixAl
1-x-y (SiC)y )Nにおいて、0.≦y≦0.2
という条件式を満足する事が必要である。
【0021】一方、前記(Tix Al1-x-y ( SiC)
y ) Nから成る耐熱硬質被膜14において、本発明者等
の実験によれば、Tiの含有量xは30at%未満では
耐熱硬質被膜14に十分な靱性が得られず、70at%
を超えると、その耐熱硬質被膜14に十分な耐酸化性が
得られない。このため、耐熱硬質被膜14を構成する成
分の組成は、(Tix Al1-x-y (SiC)y )Nにお
いて、0.3≦x≦0.7という条件式を満足する事が
必要である。したがって、前記SiCの含有量yに関連
した耐熱硬質被膜14の耐酸化性および被膜付着強度と
上記Tiの含有量xに関連した耐熱硬質被膜14の靱性
および耐酸化性を考慮すると、(TixAl1-x-y (S
iC)y )Nにおいて、0.3≦x≦0.7、0.
y≦0.2という条件式を満足する事が必要となる。
【0022】他方、前記(Tix Al1-x-y ( SiC)
y ) Nから成る耐熱硬質被膜14において、本発明者等
の実験によれば、その膜厚が0.1μm未満では十分な
耐摩耗性が得られず、10μmを超えると、耐熱硬質被
膜14の付着強度が低下し、かつその耐熱硬質被膜14
にクラックが入って欠けが発生し易くなる。このため、
基材12上にアーク放電式イオンプレーティング法によ
り固着される耐熱硬質被膜14の膜厚は、0.1〜10
μmの範囲内、さらに好適には、1〜8μmの膜厚範囲
内が望ましい。
【0023】表1は、発明の耐熱硬質被膜被覆工具10
の性能を従来例或いは比較例と比較して示す実験値であ
る。本実験例では、従来例1としてTi0.5 Al0.5
から成る被膜を備えた工具が、従来例2として(Ti
0.4 Al0.4 0.2 )Nから成る被膜を備えた工具が、
従来例3として(Ti0.4 Al0.4 Cr0.2 )Nから成
る被膜を備えた工具が、従来例4として(Ti0.48Al
0.48Si0.04)Nから成る被膜を備えた工具がそれぞれ
用意され、本発明の実施例1として(Ti0.49Al0.49
(SiC) 0.02 )Nから成る被膜を備えた工具が、実施
例2として(Ti 0.5 Al0.4 ( SiC) 0.1 ) Nから
成る被膜を備えた工具が、実施例3として(Ti0.3
0.6 ( SiC) 0.1 ) Nから成る被膜を備えた工具
が、実施例4として(Ti0.45Al0.45( SiC)
0.1 ) Nから成る被膜を備えた工具が、実施例5とし
て(Ti0.4 Al0.4(SiC) 0.2 ) Nから成る被膜を
備えた工具がそれぞれ用意され、比較例1として(Ti
0.495 Al0.495(SiC) 0.01) Nから成る被膜を備え
た工具が、比較例2として(Ti0.35Al0.35( Si
C) 0.3) Nから成る被膜を備えた工具がそれぞれ用意
されている。
【0024】上記11種類の工具(試料)は、WC−1
0Coの組成のJIS Z10相当の超硬合金製で、直
径10.0mm、刃長25.0mm、全長80.0m
m、4枚刃エンドミルに、アーク放電式イオンプレーテ
ィング法で表1に示すような膜厚の耐熱硬質被膜が形成
されている。表1には、これらの試料(エンドミル)の
被膜硬度の測定値、酸化開始温度、および以下の切削条
件で切削試験を行ったときの外周二番面の最大摩耗量が
0.1mmに達するまでの切削長さの測定値が示されて
いる。
【0025】(切削条件) 被削材:SKD 11(硬さ:60HRC ) 切削速度:118m/min 送り量:0.042mm/t 切込み量:AD(Axial depth) =10.0mm、RD(Radi
us depth)=0.1mm 切削油:乾式(エアーブロー) 切削長さ:39.2m
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、SiC添加量が
10at%以上20at%以下である実施例乃至5で
は、従来例1乃至4と同等以上の硬さおよび酸化開始温
度が得られると同時に、外周二番面の最大摩耗量が0.
1mmに達するまでの切削長さは従来例や比較例より延
び、寿命が延びることが分かる。
【0028】以上、本発明の一実施例である耐熱硬質被
膜被覆工具10を図面に基づいて説明したが、本発明は
その他の態様においても適用される。
【0029】たとえば、前述の耐熱硬質被膜被覆工具1
0の基材12は超硬合金製であったが、高速度工具鋼、
サーメット、CBN焼結体など種々の工具材料を採用す
ることができる。
【0030】また、前述の耐熱硬質被膜被覆工具10の
耐熱硬質被膜14は単層であったが、複数層が積層され
たものでもよい。
【0031】また、前述の耐熱硬質被膜被覆工具10の
耐熱硬質被膜14はアーク放電式イオンプレーティング
法を用いて基材12の表面に固着されていたが、他の形
式のイオンプレーティング法やスパッタリング法が用い
られてもよい。
【0032】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の
変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の耐熱硬質被膜被覆工具の構
成を説明する要部を拡大した断面図である。
【図2】図1の耐熱硬質被膜被覆工具の耐熱硬質被膜に
おいて、実験により得られたSiC添加量と酸化開始温
度との関係を示す図である。
【図3】図1の耐熱硬質被膜被覆工具の耐熱硬質被膜に
おいて、実験により得られたSiC添加量と被膜付着強
度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10:耐熱硬質被膜被覆工具 12:基材 14:耐熱硬質被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 正俊 愛知県豊川市白雲町三丁目21番地の27 (56)参考文献 特開 平7−310174(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 27/14 C23C 14/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (Tix Al1-x-y ( SiC) y ) N(
    但し、各々の構成比が、0.3≦x≦0.7、0.
    y≦0.2) の組成で示される耐熱硬質被膜が、基材の
    表面に形成された耐熱硬質被膜被覆工具。
  2. 【請求項2】 前記耐熱硬質被膜は、0.1〜10μm
    の厚みに形成されたものである請求項1の耐熱硬質被膜
    被覆工具。
  3. 【請求項3】 前記耐熱硬質被膜は、チタン粉末、アル
    ミニウム粉末、およびSiC粉末から成形されたターゲ
    ットを用いるアーク放電式イオンプレーティング法によ
    り前記基材の表面に固着されたものである請求項1また
    は2の耐熱硬質被膜被覆工具。
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Cited By (2)

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