JP3369034B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP3369034B2 JP29416695A JP29416695A JP3369034B2 JP 3369034 B2 JP3369034 B2 JP 3369034B2 JP 29416695 A JP29416695 A JP 29416695A JP 29416695 A JP29416695 A JP 29416695A JP 3369034 B2 JP3369034 B2 JP 3369034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関する。特に、かぶり及び感度及び階調等が改
良されたハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀写真感
光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料に使用するハ
ロゲン化銀乳剤は、通常、所望の感度、階調等を得るた
めに各種の化学物質を用いて化学増感を施す。その代表
的方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増感、
金等の貴金属増感、還元増感及び、これらの組合わせに
よる、各種の増感法が知られている。近年、ハロゲン化
銀写真感光材料における高感度、優れた粒状性や高い鮮
鋭度、更に、現像進行等を速めた迅速処理等々への所望
は強く、上記増感法の種々の改良がなされてきた。
【0003】中でも、セレン増感、テルル増感は当業界
で行われている硫黄増感よりは大きな増感効果を示す場
合があるが、かぶりの発生が大きく、また、軟調化し易
く、保存時の感度変化が大きいという傾向が多々ある。
これまで開示された特許の多くは、こういった欠点を改
良するものであるが、未だ不十分な結果にとどまってお
り、特に、より一層かぶりの発生を抑える基本的な改善
が熱望されてきた。また、特に硫黄増感、セレン増感、
テルル増感に金増感を併用するとそれぞれ著しい感度増
加が得られるが、同時にかぶりも上昇する。金−硫黄増
感に比べ、金−セレン増感、金−テルル増感は特にかぶ
りの上昇が大きく、また、軟調化しやすいため、かぶり
の発生の少ない硬調なセレン増感剤、及びテルル増感剤
の開発が強く望まれていた。
【0004】また一方で、ある種のセレン化合物及びテ
ルル化合物は、かぶり防止効果、安定化効果、ハロゲン
化銀溶剤としての性質を示すことが知られている。この
ような化合物は、セレン増感剤、テルル増感剤としては
有用でない場合が多い。セレン増感剤、テルル増感剤
は、乳剤中で、ハロゲン化銀と反応し、セレン化銀やテ
ルル化銀を形成することにより、増感作用を発揮してい
る。一方、かぶり防止効果、安定化効果、ハロゲン化銀
溶剤としての性質を示すセレン化合物及びテルル化合物
は、安定な炭素−セレン(又はテルル)結合をもった化
合物であることが多く、セレン化銀やテルル化銀を形成
することができず、増感剤として機能できないと考えら
れる。このような、かぶり防止効果や安定化効果、ハロ
ゲン化銀溶剤としての性質をもつセレン化合物、テルル
化合物として、特開昭52−119314、特開昭64
−42644、特公昭47−51897、特公昭49−
37846号各公報にはセレニド類が開示されている。
また、特開昭53−57817、特開平2−11856
6、特開平2−158730、特開平3−91735、
特開平6−175258号各公報にはテルリド類が開示
されている。これらの公報に具体的に開示されている化
合物は、後熟時に単独で添加した場合、化学増感剤とし
ての性質を示さない。したがって、これらはセレン増感
剤、テルル増感剤ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かぶ
りの少ない、階調の優れた高感度のハロゲン化銀写真感
光材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下に
要約される手段(1)〜(5)によって達成される。 (1)支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層
を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲ
ン化銀乳剤層の少なくとも一層が下記一般式(I)で表
される少なくとも一種の化合物を含有することを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(I) R1 −Ch1 −M−Ch2 −R2 (式中、R1 、R2 は夫々同一かもしくは異なるアシル
基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルフィニル基を表し、Ch1
はS,Se,Teを表し、Ch2 はSe,Teを表し、
Mはメチレン鎖を表す)。 (2)上記一般式(I)で表される少なくとも一種の化
合物で化学増感されたハロゲン化銀乳剤を含むことを特
徴とするハロゲン化銀乳剤感光材料。
【0007】(3)上記一般式(I)で表される化合物
が、下記一般式(II)表される化合物であることを特徴
とする請求項2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(II) R21−S−M−Ch3 −R22 (式中、R21、R22は夫々同一かもしくは異なるアシル
基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルフィニル基を表し、Ch3
はSe,Teを表し、Mはメチレン鎖を表す)。 (4)下記一般式(II)で表される化合物。 一般式(II) R21−S−M−Ch3 −R22 (式中、R21、R22は夫々同一かもしくは異なるアシル
基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルフィニル基を表し、Ch3
はSe,Teを表し、Mはメチレン鎖を表す)。 (5)一般式R21−Xで表されるハロゲン化合物〔Xは
ハロゲンを表し、R21は一般式(II)におけるR21と同
義〕をNa2 Sと溶剤の存在下で反応させ、反応生成物
をメチレンジハライドと反応させて一般式R21−S−M
−X〔R21,M,は夫々一般式(II)と同義、Xは上記
と同義〕で表される化合物を得、更に得られた化合物
を、一般式R22−X〔R22,は一般式(II)のものと同
義、Xは上記と同義〕で表される化合物とNa2 Ch3
〔Ch3 は一般式(II)におけるCh 3 と同義〕で表さ
れる化合物との反応生成物と反応させて一般式(II)で
表される化合物を生成させることを特徴とする請求項4
に記載の化合物の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、支持体上に少なくとも
一層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感
光材料において、該ハロゲン化銀写真層の少なくとも一
層が下記一般式(I)で表される少なくとも一種の化合
物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料を提供するものであり、この構成により従来の技術で
は困難であったセレン増感、テルル増感のもつ増感作用
を十分に生かすことが可能になった。
【0009】一般式(I) R1 −Ch1 −M−Ch2 −R2 (式中、R1 、R2 は夫々同一かもしくは異なるアシル
基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルフィニル基を表し、Ch1
はS,Se,Teを表し、Ch2 はSe,Teを表し、
Mはメチレン鎖を表す)。
【0010】以下本発明を具体的に説明するが、先ず一
般式(I)について詳細に説明する。一般式(I)にお
いて、R1 、R2 で表されるアシル基としては、例えば
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリ
ル基、バレリル基、ピバロイル基、オクタノイル基、ア
クリロイル基、ピルボイル基、ベンゾイル基、1−ナフ
トイル基、m−トルオイル基、アニソイル基、シンナモ
イル基等が挙げられ、カルバモイル基としては、例えば
無置換カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N
−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイ
ル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニル
カルバモイル基等が挙げられ、スルファモイル基として
は、例えば無置換スルファモイル基、N−メチルスルフ
ァモイル基、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジ
メチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモ
イル基、N−フェニルスルファモイル基等が挙げられ、
スルホニル基としては、例えばメシル基、トシル基、タ
ウリル基等が挙げられ、スルフィニル基としては、例え
ばメチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等が
挙げられる。
【0011】一般式(I)において、R1 、R2 で表さ
れるオキシカルボニル基としては、例えばアルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基が挙げられ、
アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられ、
アリールオキシカルボニル基としては、例えばフェノキ
シカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げ
られる。
【0012】一般式(I)において、Mで表されるメチ
レン鎖、及びR1 、R2 で表される各基は置換されてい
てもよい。置換基としては以下のものが挙げられる。脂
肪族基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子(例えば、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、
アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基)、アル
キニル基(例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基
等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル
基、4−メチルフェニル基等)、ヘテロ環基(例えば、
ピリジル基、フリル基、イミダゾリル基、ピペリジル
基、モルホリノ基等)、アルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシ基、2−ナフチルオキシ基等)、
アミノ基(例えば、無置換アミノ基、ジメチルアミノ
基、エチルアミノ基、アニリノ基等)、アシルアミノ基
(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基
等)、ウレイド基(例えば、無置換ウレイド基、N−メ
チルウレイド基、N−フェニルウレイド基等)、ウレタ
ン基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキ
シカルボニルアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例え
ば、メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルア
ミノ基等)、スルファモイル基(例えば、無置換スルフ
ァモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−
フェニルスルファモイル基等)、カルバモイル基(例え
ば、無置換カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモ
イル基、N−フェニルカルバモイル基等)、スルホニル
基(例えば、メシル基、トシル基等)、スルフィニル基
(例えば、メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニ
ル基等)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリー
ルオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル
基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル
基、ホルミル基、ピバロイル基等)、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、リ
ン酸アミド基(例えば、N,N−ジエチルリン酸アミド
基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチ
ルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ
基等)、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキ
シ基、メルカプト基、ホスホノ基、ニトロ基、スルフィ
ノ基、アンモニオ基(例えばトリメチルアンモニオ基
等)、ホスホニオ基、ヒドラジノ基、シリル基(例えば
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチル
ジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等)
等である。これらの基はさらに置換されていてもよい。
また置換基が二つ以上あるときは同じでも異なっていて
もよい。
【0013】ここで、M、及びR1 及びR2 で表される
各基の置換基としての脂肪族基は好ましくは、炭素数1
〜30のものであって特に炭素数1〜20の直鎖、分岐
又は環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アラルキル基である。ここで分岐のものはその中に一つ
又はそれ以上のヘテロ原子を含んだ飽和のヘテロ環を形
成するように環化されていてもよい。アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アラルキル基としては例え
ば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル
基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、アリル基、
2−ブテニル基、3−ペンテニル基、プロパルギル基、
3−ペンチニル基、ベンジル基等である。
【0014】また、M、及びR1 及びR2 で表される各
基の置換基としての芳香族基は好ましくは、炭素数5〜
30のものであって、特に炭素数6〜20の単環又は縮
環のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基
等である。また、M、及びR1 及びR2 で表される各基
の置換基としての複素環基は、窒素原子、酸素原子及び
硫黄原子のうち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽
和もしくは不飽和の複素環基である。これらは単環状で
あってもよいし、さらに他の芳香環と縮合環を形成して
もよい。複素環基としては、好ましくは5〜6員環の芳
香族複素環基であり、例えばピリジル基、イミダゾリル
基、キノリル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジル
基、ピラゾリル基、イソキノリニル基、チアゾリル基、
チエニル基、フリル基、ベンゾチアゾリル基等である。
【0015】一般式(I)で表される化合物のうち、本
発明に用いられる化合物としては一般式(II)で表され
る化合物が好ましい。次に一般式(II)について詳細に
説明する。一般式(II)において、R21及びR22で表さ
れるアシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、
スルホニル基、スルファモイル基、スルフィニル基は、
一般式(I)において、R1 及びR2 で表されるアシル
基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルフィニル基と同意義であ
る。また一般式(II)において、Mで表されるメチレン
鎖は、一般式(I)において、Mで表されるメチレン鎖
と同意義である。
【0016】また、一般式(II)においてR21及び
22、及びMで表される基は置換されていてもよい。こ
れらの置換基は、一般式(I)においてR1 、R2 、M
で表される各基の置換基と同意義である。一般式(II)
においてより好ましくは、R21、R22がアシル基、オキ
シカルボニル基、スルホニル基であるものである。一般
式(II)において最も好ましくは、R21、R22がアシル
基であり、Ch3がSeであるものである。
【0017】以下に本発明の化合物の具体例(化合物1
〜19)を示すが、本発明の化合物はこれに限定される
ものではない。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】一般式(I)及び(II)で表される化合物
は既に知られている次の文献、S. Patai, Z. Rappoport
編、ザ ケミストリー オブ オルガニック セレニウ
ムアンド テルリウム コンパウンズ(The Chemistry o
f Organic Selenium and Tellurium Compounds) 、第1
巻(1986年)、同、第2巻(1987年)、D.Liot
ta 著、オルガノセレニウム ケミストリー(Organosele
nium Chemistry)、(1987年)、C. Paulmier 著、
セレニウム リエイジェンツ アンド インターミディ
エイツ イン オルガニック シンセシス(Selenium Re
agents and Intermediates in Organic Synthesis)、
(1986年)、等に記載の方法を準じて合成すること
ができる。
【0021】本発明の化合物の合成法の概要を以下に説
明する。溶媒(例えばテトラヒドロフラン等)に溶かし
た、R1 −X(Xはハロゲンを表し、R1 は一般式
(I)におけるR1 を表す)に一当量のNa2 S,又は
Na 2 Se又はNa2 Teを加え、およそ室温〜60℃
で数時間反応させる。この反応液を大過剰のメチレンジ
ハライド(ジハロメタン)中に加え反応させると、R 1
−Ch1 −M−Xで表される化合物が得られる(ここ
で、各記号は一般式(I)における記号と同意義を表
す)。ここでR2 −X(Xはハロゲンを表し、R2は一
般式(I)におけるR2 を表す)に一当量のNa2 S,
又はNa2 Teを加え反応させ、ついで前述のR1 −C
1 −M−Xを加え反応させることにより、本発明の一
般式(I)の化合物が得られる。なお、メチレンジハラ
イドを大過剰に用いず、1/2当量を用いると、R1
Ch1 とR2 −Ch2 が同一である対称形の、本発明の
一般式(I)の化合物が得られる。
【0022】これまで、一般式(I)の化合物をセレン
増感剤又はテルル増感剤として用いた具体的な例は報告
されていない。よってこれらの化合物による増感作用及
びカブリ、その他の写真作用を予測することはきわめて
困難であったが、本発明の化合物を用いることにより、
顕著な効果を得ることができた。これらの本発明で用い
るセレン増感剤、テルル増感剤の使用量は、使用するセ
レン化合物、テルル化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟
成条件等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
り10-8〜10-4モル、好ましくは10-7〜10 -5モル
程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は、特に制限はないが、pAgとしては6〜11、好ま
しくは7〜10、より好ましくは7〜9.5であり、温
度としては40〜95℃、好ましくは50〜85℃であ
る。
【0023】本発明においては、金、白金、パラジウ
ム、イリジウム等の貴金属増感剤を併用することが好ま
しい。特に、金増感剤を併用することは好ましく、具体
的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウ
ムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド等が挙
げられ、ハロゲン化銀1モル当り、10-7〜10-2モル
程度を用いることができる。
【0024】本発明において、更に、硫黄増感剤を併用
することも好ましい。具体的には、チオ硫酸塩(例え
ば、ハイポ)、チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿
素、トリエチルチオ尿素、アリルチオ尿素等)、ローダ
ニン類等の公知の不安定硫黄化合物が挙げられ、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-7〜10-2モル程度を用いること
ができる。
【0025】本発明においては、更に、還元増感剤を併
用することも可能であり具体的には、塩化第1スズ、ア
ミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボ
ラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物、等が挙
げられる。
【0026】また、本発明においては、ハロゲン化銀溶
剤の存在下で、セレン増感剤を行うのが好ましい。具体
的には、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸カリウ
ム等)、チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3,
021,215号、同3,271,157号各明細書、
特公昭58−30571号、特開昭60−136736
号各公報等に記載の化合物、特に、3,6−ジチア−
1,8−オクタンジオール等)、四置換チオ尿素化合物
(例えば、特公昭59−11892号公報、米国特許第
4,221,863号明細書等に記載の化合物、特に、
テトラメチルチオ尿素等)、更に、特公昭60−113
41号公報に記載のチオン化合物、特公昭63−297
27号公報に記載のメルカプト化合物、特開昭60−1
63042号公報に記載のメソイオン化合物、米国特許
第4,782,013号明細書に記載のセレノエーテル
化合物、特開平2−118566号公報に記載のテルロ
エーテル化合物、亜硫酸塩等が挙げられる。特に、これ
らの中で、チオシアン酸塩、チオエーテル化合物、四置
換チオ尿素化合物とチオン化合物は好ましく用いること
ができる。使用量としては、ハロゲン化銀1モル当り1
-5〜10-2モル程度用いることができる。
【0027】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀及び塩化銀が
好ましい。本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は、立
方体、八面体のような規則的(regular) な結晶形を有す
るもの、また球状、板状等のような変則的(irregular)
な結晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の複合形
をもつものである。また種々の結晶形の粒子の混合から
成るものも使用できるが、規則的な結晶形を使用するの
が好ましい。本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は内
部と表層とが異なる相をもっていても、均一な相から成
っていてもよい。また潜像が種として表面に形成される
ような粒子(例えばネガ型乳剤)でもよく、粒子内部に
主として形成されるような粒子(例えば、内部潜像型乳
剤、予めかぶらせた直接反転型乳剤)であってもよい。
好ましくは、潜像が主として表面に形成されるような粒
子である。本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、厚
みが0.5ミクロン以下、好ましくは0.3ミクロン以
下で、径が好ましくは0.6ミクロン以上であり、平均
アスペクト比が5以上の粒子が全投影面積の50%以上
を占めるような平均粒子乳剤か、統計学上の変動係数
(投影面積を円近似した場合の直径で表した分布におい
て、標準偏差Sを直径dで除した値S/d)が20%以
下である単分散乳剤が好ましい。また平均粒子乳剤及び
単分散乳剤を2種以上混合してもよい。
【0028】本発明に用いられる写真乳剤はピー・グラ
フキデス(P. Glafkides)著、シミー・エ・フィジーク・
フォトグラフィーク(Chimie et Physique Photographiq
ue)(ポールモンテル社刊、1967年)、ジー・エフ
・ダフィン(G. F. Duffin)著、フォトグラフィック・エ
マルション・ケミストリー(Photographic Emulsion Che
mistry) (フォーカルプレス刊、1966年)、ブイ・
エル・ゼリクマン(V.L. Zelikman)ら著、メーキング・
アンド・コーティング・フォトグラフイック・エマルシ
ョン(Making and Coating Photographic Emulsion)(フ
ォーカルプレス刊、1964年)等に記載された方法を
用いて調製することができる。
【0029】またこのハロゲン化銀粒子の形成時には粒
子の成長をコントロールするために、ハロゲン化銀溶剤
として例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモ
ン、チオエーテル化合物(例えば米国特許第3,27
1,157号、同第3,574,628号、同第3,7
04,130号、同第4,297,439号、同第4,
276,374号各明細書等)、チオン化合物(例えば
特開昭53−144319号、同53−82408号、
同55−77737号各公報等)、アミン化合物(例え
ば特開昭54−100717号公報等)等を用いること
ができる。ハロゲン化銀粒子形成又は物理熟成の過程に
おいて、カドミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウ
ム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又は
その鉄錯塩等を共存させてもよい。
【0030】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロ
イドも用いることができる。例えばゼラチン誘導体、ゼ
ラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、
澱粉誘導体等の糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリア
クリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピ
ラゾール等の単一あるいは共重合体の如き種々の合成親
水性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとして
は汎用の石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや日
本科学写真協会誌(Bull. Soc. Phot. Japan),No.1
6,30頁(1966)に記載されたような酵素処理ゼ
ラチンを用いても良く、また、ゼラチンの加水分解物を
用いることができる。
【0031】本発明の感光材料は、写真感光層あるいは
バック層を構成する任意の親水性コロイド層に無機ある
いは有機の硬膜剤を含有せしめてもよい。例えば、クロ
ム塩、アルデヒド塩(ホルムアルデヒド、グリオキザー
ル、グルタルアルデヒド等)、N−メチロール系化合物
(ジメチロール尿素等)が具体例として挙げられる。活
性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ
−1,3,5−トリアジン及びそのナトリウム塩等)及
び活性ビニル化合物(1,3,−ビスビニルスルホニル
−2−プロパノール、1,2−ビス(ビニルスルホニル
アセトアミド)エタン、ビス(ビニルスルホニルメチ
ル)エーテルあるいはビチルスルホニル基を側鎖に有す
るビニル系ポリマー等)はゼラチン等親水性コロイドを
早く硬化させ安定な写真特性を与えるので好ましい。N
−カルバモイルピリジニウム塩類((1−モルホリノカ
ルボニル−3−ピリジニオ)メタンスルホナート等)や
ハロアミジニウム塩類(1−(1−クロロ−1−ピリジ
ノメチレン)ピロリジニウム−2−ナフタレンスルホー
ト等)も硬化速度が早く優れている。
【0032】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、メチン色素類その他によって分光増感されてもよ
い。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン
色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロ
ポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色
素及びヘミオキソノール色素が包含される。特に有用な
色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合メ
ロシアニン色素に属する色素である。これらの色素類に
は、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用さ
れる核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン核
は、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核等;これらの核に
脂環式炭化水素環が融合した核;及びこれらの核に芳香
族炭化水素環が融合した核、すなわち、インドレニン
核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキ
サゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール
核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベン
ズイミダゾール核、キノリン核等が適用できる。これら
の核は炭素原子上に置換基を有していてもよい。メロシ
アニン色素又は複合メロシアニン色素にはケトメチレン
構造を有する核としてピラゾリン−5−オン核、チオヒ
ダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,4−ジオ
ン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニン
核、チオバルビツール酸核等の5〜6員異節環核を適用
することができる。
【0033】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合
わせは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増
感色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素
あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強
色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、含
窒素異節環核基であって置換されたアミノスチルベンゼ
ン化合物(例えば米国特許第2,933,390号、同
3,635,721号各明細書に記載のもの)、芳香族
有機酸ホルムアルデヒド縮合物(例えば米国特許第3,
743,510号明細書に記載のもの)、カドミウム
塩、アザインデン化合物等を含んでもよい。米国特許第
3,615,613号、同3,615,641号、同
3,617,295号、同3,635,721号各明細
書に記載の組合わせは特に有用である。
【0034】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中の
カブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させる等の
目的で、種々の化合物を含有させることができる。すな
わちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロ
イミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロ
ベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、
メルカプトチアゾール類、メルカプトベンズチアゾール
類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチア
ジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾ
ール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテト
ラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾール)等;メルカプトピリミジン類;メルカプトトリ
アジン類;例えばオキサドリンチオンのようなチオケト
化合物;アザインデン類、例えばトリアザインデン類、
テトラトリアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換
(1,3,3a,7)テトラトリアザインデン類)、ペ
ンタアザインデン類等;ベンゼンチオスルフォン酸、ベ
ンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド等の
ようなカブリ防止剤又は安定剤として知られた、多くの
化合物を加えることができる。
【0035】本発明の感光材料は塗布助剤、静電防止、
スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良
(例えば現像促進、硬調化、増感)等種々の目的で一種
以上の界面活性剤を含んでもよい。
【0036】本発明によって感光材料は、フィルター染
料として、又はイラジェーションもしくはハレーション
防止その他種々の目的のために親水性コロイド層中に水
溶性染料を含有してもよい。このような染料として、オ
キソノール染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染
料、メロシアニン染料、アトラキノン染料、アゾ染料が
好ましく使用され、この他にシアニン染料、アゾメチン
染料、トリアリールメタン染料、フタロシアニン染料等
も有用である。油溶性染料を水中油滴分散法により乳化
して親水性コロイド層に添加することもできる。
【0037】本発明は支持体上に少なくとも2つの異な
る分光感度を有する多層多色写真材料に適用できる。多
層天然色カラー写真材料は、通常支持体上に赤感性乳剤
層、緑感性乳剤層及び青感性乳剤層をそれぞれ少なくと
も一つ有する。これらの層の配列順序は必要に応じて任
意に選べる。好ましい層配列は支持体側から赤感性、緑
感性及び青感性の順、青感層、緑感層及び赤感層の順又
は青感性、赤感性及び緑感性の順である。また任意の同
じ感色性の乳剤層を感度の異なる2層以上の乳剤層から
構成して到達感度を向上してもよく、3層構成としてさ
らに粒状性を改良してもよい。また同じ感色性をもつ2
つ以上の乳剤層の間に非感光性層が存在していてもよ
い。ある同じ感色性乳剤層の間に異なった感色性の乳剤
層が挿入される構成としてもよい。高感度層、特に高感
度青感層の下に微粒子ハロゲン化銀等の反射層を設けて
感度を向上してもよい。赤感性乳剤層にシアン形成カプ
ラーを、緑感性乳剤層にマゼンタ形成カプラーを、青感
性乳剤層にイエロー形成カプラーをそれぞれ含むのが一
般的であるが、場合により異なる組合わせをとることも
できる。例えば赤外感光性の層を組合わせて擬似カラー
写真や半導体レーザ露光用としてもよい。
【0038】本発明の写真材料には種々のカラーカプラ
ーを使用することができ、その具体例は前出のリサーチ
・ディスクロージャー(RD)No.17643,VII
−C〜Gに記載された特許明細書に記載されている。イ
エローカプラーとしては、例えば米国特許第3,93
3,501号、同第4,022,620号、同第4,3
26,024号、同第4,401,752号各明細書、
特公昭58−10739号公報、英国特許第1,42
5,020号、同第1,476,760号各明細書に記
載のものが好ましい。
【0039】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、例えば
米国特許第4,310,619号、同第4,351,8
97号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,0
61,432号、同第3,725,067号各明細書、
リサーチ・ディスクロージャーNo.24220(19
84年6月)、特開昭60−33552号公報、リサー
チ・ディスクロージャーNo.24230(1984年
6月)、特開昭60−43659号公報、米国特許第
4,500,630号、同第4,540,654号各明
細書に記載のものが好ましい。シアンカプラーとして
は、フェノール系及びナフトール系カプラーが挙げら
れ、例えば米国特許第4,052,212号、同第4,
146,396号、同第4,228,233号、同第
4,296,200号、同第2,369,929号、同
第2,801,171号、同第2,772,162号、
同第2,895,826号、同第3,772,002
号、同第3,758,308号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、欧州特許第121,365A号、米
国特許第3,446,622号、同第4,333,99
9号、同第4,451,559号、同第4,427,7
67号、欧州特許第161,626A号各明細書に記載
のものが好ましい。
【0040】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、例えばリサーチ・ディスクロージャ
ーNo.17643のVII −G項、米国特許第4,16
3,670号明細書、特公昭57−39413号公報、
米国特許第4,004,929号、同第4,138,2
58号、英国特許第1,146,368号各明細書に記
載のものが好ましい。発色色素が適度な拡散性を有する
カプラーとしては、例えば米国特許第4,366,23
7号、英国特許第2,125,570号、欧州特許第9
6,570号、西独特許(公開)第2,234,533
号各明細書に記載のものが好ましい。ポリマー化された
色素形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,
820号、同第4,080,211号、同第4,36
7,282号、英国特許第2,102,173号各明細
書等に記載されている。
【0041】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーもまた本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、VII 〜F項に記載された特許、特開昭5
7−151944号、同57−154234号、同60
−184248号各公報、米国特許第4,248,96
2号明細書に記載されたものが好ましい。現像時に画像
状に造核剤もしくは現像促進剤を放出するカプラーとし
ては、例えば英国特許第2,097,140号、同第
2,131,188号各明細書、特開昭59−1576
38号、同59−170840号各公報に記載のものが
好ましい。その他、本発明の感光材料に用いることので
きるカプラーとしては、例えば米国特許第4,130,
427号明細書に記載の競争カプラー、米国特許第4,
283,472号、同第4,338,393号、同第
4,310,618号各明細書等に記載の多当量カプラ
ー、特開昭60−185950号、特開昭62−242
52号各公報等に記載のDIRレドックス化合物もしく
はDIRカプラー放出カプラー、欧州特許第173,3
02A号明細書に記載の離脱後復色する色素を放出する
カプラー、R.D.No.11449、同24241、
特開昭61−201247号公報等に記載の漂白促進剤
放出カプラー、米国特許第4,553,477号明細書
に記載のリガンド放出カプラー等が挙げられる。
【0042】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号明細書等に記載されている。水中油滴分散法に
用いられる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶
剤の具体例としては、フタル酸エステル類(例えば、ジ
ブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−
2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビ
ス(2,4−ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビ
ス(2,4−ジ−t−アミルフェニル)イソフタレー
ト、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート、リ
ン酸又はホスホン酸のエステル類(例えば、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチ
ルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシ
ルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェー
ト、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホ
スフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2
−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エ
ステル類(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、
ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒド
ロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジ
エチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミ
ド、N−テトラデシルピロリドン)、アルコール類又は
フェール類(例えば、イソステアリルアルコール、2,
4−ジ−tert−アミルフェノール)、脂肪族カルボ
ン酸エステル類〔例えば、ビス(2−エチルヘキシル)
セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリ
ブチレート、イソステアリルラクテート、トリオクチル
シトレート〕、アニリン誘導体、(例えばN,N−ジブ
チル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリ
ン)、炭化水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベン
ゼン、ジイソプロピルナフタレン)等が挙げられる。ま
た補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは
50℃以上約160℃以下の有機溶剤等が使用でき、典
型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エ
チル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エ
トキシエチルアセテート、ジメチルホルムアミド等が挙
げられる。
【0043】ラテックス分散法の工程、効果及び含浸用
のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,36
3号、西独特許出願(OLS)第2,541,274号
及び同第2,541,230号各明細書等に記載されて
いる。
【0044】本発明の写真感光材料において写真乳剤層
その他の層は写真感光材料に通常用いられているプラス
チックフィルム、紙、布等の可撓性支持体又はガラス、
陶器、金属等の剛性の支持体に塗布される。可撓性支持
体として有用なものは、硝酸セルロース、酢酸セルロー
ス、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等
の半合成又は合成高分子から成るフィルム、バライタ層
又はα−オレフィンポリマー(例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等を塗布又
はラミネートした紙等である。支持体は染料や顔料を用
いて着色されてもよい。遮光の目的で黒色にしてもよ
い。これらの支持体の表面は一般に、写真乳剤層等との
接着をよくするために、下塗処理される。支持体表面は
下塗処理の前又は後に、グロー放電、コロナ放電、紫外
線照射、火焔処理等を施してもよい。
【0045】写真乳剤層その他の親水性コロイド層の塗
布には、例えばディップ塗布法、ローラー塗布法、カー
テン塗布法、押し出し塗布法等の公知の種々の塗布法を
利用することができる。必要に応じて米国特許第2,6
81,294号、同第2,761,791号、同第3,
526,528号及び同第3,508,947号各明細
書に記載された塗布法によって、多層を同時に塗布して
もよい。
【0046】本発明は種々のカラー及び白黒の感光材料
に適用することができる。一般用もしくは映画用のカラ
ーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー
反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルム、
及びカラー反転ペーパー、カラー拡散転写型感光材料及
び熱現像型カラー感光材料等を代表例として挙げること
ができる。リサーチ・ディスクロージャー、No.17
123(1978年7月)等に記載の三色カプラー混合
を利用することにより、又は米国特許第4,126,4
61号及び英国特許第2,102,136号各明細書等
に記載された黒発色カプラーを利用することによりX線
用等の白黒感光材料にも本発明を適用できる。リスフィ
ルムもしくはスキャナーフィルム等の製版用フィルム、
直接・間接医療用もしくは工業用X線フィルム、撮影用
ネガ白黒フィルム、白黒印画紙、COM用もしくは通常
マイクロフィルム、銀塩拡散転写型感光材料及びプリン
トアウト型感光材料等にも本発明を適用できる。
【0047】本発明の写真要素をカラー拡散転写写真法
に適用するときには、剥離(ピールアパート)型あるい
は特公昭46−16356号、同48−33697号、
特開昭50−13040号各公報及び英国特許第1,3
30,524号明細書に記載されているような一体(イ
ンテグレーテッド)型、特開昭57−119345公報
に記載されているような剥離不要型のフィルムユニット
の構成をとることができる。上記いずれの型のフォーマ
ットに於いても中和タイミング層によって保護されたポ
リマー酸層を使用することが、処理温度の許容巾を広く
する上で有利である。カラー拡散転写写真法に使用する
場合も、感材中のいずれの層に添加して用いてもよい
し、あるいは、現像液成分として処理液容器中に封じ込
めて用いてもよい。
【0048】本発明の感光材料には種々の露光手段を用
いることができる。感光材料の感度波長に相当する幅射
線を放射する任意の光源を照明光源又は書き込み光源と
して使用することができる。自然光(太陽光)、白熱電
灯、ハロゲン原子封入ランプ、水銀灯、蛍光灯及びスト
ロボもしくは金属燃焼フラッシュバルブ等の閃光光源が
一般的である。紫外から赤外域にわたる波長域で発光す
る、気体、染料溶液もしくは半導体のレーザー、発光ダ
イオード、プラズマ光源も記録用光源に使用することが
できる。また電子線等によって励起された蛍光体から放
出される蛍光面(ORT等)、液晶(LCD)やランタ
ンをドープしたチタンジルコニウム亜鉛(PLZT)等
を利用したマイクロシャッターアレイに線状もしくは面
状の光源を組合わせた露光手段も使用することができ
る。必要に応じて色フィルターで露光に用いる分光分布
を調整できる。
【0049】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例として3−メチル−4−アミノ−N,
N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチ
ル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホン
アミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの
硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩等が
挙げられる。これらのジアミン類は遊離状態よりも塩の
方が一般に安定であり、好ましく使用される。
【0050】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物、
沃化物、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類も
しくはメルカプト化合物のような現像抑制剤又はカブリ
防止剤等を含むのが一般的である。また必要に応じて、
ヒドロキシルアミン又は亜硫酸塩のような保恒剤、トリ
エタノールアミン、ジエチレングリコールのような有機
溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、
四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色
素形成カプラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイ
ドライドのような造核剤、1−フェニル−3−ピラゾリ
ドンのような補助現像薬、粘性付与剤、アミノポリカル
ボン酸、アミノポリスルホン酸、アルキルホスホン酸、
ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレート
剤、西独特許出願(OLS)第2,622,950号明
細書に記載の酸化防止剤等を発色現像液に添加してもよ
い。
【0051】反転カラー感光材料の現像処理では、通常
黒白現像を行ってから発色現像する。この黒白現像液に
は、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、1−
フェニル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類又
はN−メチル−p−アミノフェノール等のアミノフェノ
ール類等公知の黒白現像薬を単独であるいは組合わせて
用いることができる。発色現像後の写真乳剤層は通常漂
白処理される。漂白処理は定着処理と同時に行われても
よいし、個別に行われてもよい。更に処理の迅速化を計
るため、漂白処理後、漂白定着処理する処理方法でもよ
い。漂白剤としては例えば鉄(III) 、コバルト(III) 、
クロム(IV)、銅(II)、等の多価金属の化合物、過酸類、
キノン類、ニトロン化合物等が用いられる。代表的漂白
剤としてフェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) も
しくはコバルト(III) の有機錯塩、例えばエチレンジア
ミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロト
リ酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸等
のアミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、
リンゴ酸等の有機酸の錯塩;過硫酸塩;マンガン酸塩;
ニトロソフェノール等を用いることができる。これらの
うちエチレンジアミン四酢酸鉄(III) 塩、ジエチレント
リアミン五酢酸鉄(III) 塩及び過硫酸塩は迅速処理と環
境汚染の観点から好ましい。さらにエチレンジアミン四
酢酸鉄(III) 錯塩は独立の漂白液においても、一浴漂白
定着液においても特に有用である。
【0052】漂白液、漂白定着液及びされらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次に明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、同2,059,988号各明細
書、特開昭53−32736号、同53−57831
号、同53−37418号、同53−65732号、同
53−72623号、同53−95630号、同53−
95631号、同53−104232号、同53−12
4424号、同53−141623号、同53−284
26号各公報、リサーチ・ディスクロージャーNo.1
7129号(1978年7月)等に記載のメルカプト基
又はジスルフィド基を有する化合物;特開昭50−14
0129号公報に記載されている如きチアゾリジン誘導
体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832
号、同53−32735号各公報、米国特許第3,70
6,561号明細書に記載のチオ尿素誘導体;西独特許
第1,127,715号明細書、特開昭58−1623
5号公報に記載の沃化物;西独特許第966,410
号、同2,748,430号明細書に記載のポリエチレ
ンオキサイド類;特公昭45−8836号公報に記載の
ポリアミン化合物;その他の特開昭49−42434
号、同49−59644号、同53−94927号、同
54−35727号、同55−26506号及び同58
−163940号各公報記載の化合物及び沃素、臭素イ
オンも使用できる。なかでもメルカプト基又はジスルフ
ィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好まし
く、特に米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号各明細書、特開昭53−9563
0号公報に記載の化合物が好ましい。更に、米国特許第
4,552,834号明細書に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮
影用のカラー感光材料を漂白定着するときに、これらの
漂白促進剤は特に有効である。定着剤としてはチオ硫酸
塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物チオ尿素
類、多量の沃化物等を挙げる事ができるが、チオ硫酸塩
の使用が一般的である。漂白定着液や定着液の保恒剤と
しては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩あるいはカルボニル重亜
硫酸塩付加物が好ましい。
【0053】漂白定着処理もしくは定着処理の後は通
常、水洗処理及び安定化処理が行われる。水洗処理工程
及び安定化工程には、沈澱防止や、節水の目的で、各種
の公知化合物を添加しても良い。例えば沈澱を防止する
ためには、無機リン酸、アミノポリカルボン酸、有機ア
ミノポリホスホン酸、有機リン酸等の硬水軟化剤、各種
のバクテリアや藻やカビの発生を防止する殺菌剤や防バ
イ剤、マグネシウム塩やアルミニウム塩ビスマス塩に代
表される金属塩、あるいは乾燥負荷やムラを防止するた
めの界面活性剤、及び各種硬膜剤等を必要に応じて添加
することができる。あるいはウエスト著フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング誌(L. E.
West, Phot. Sci. Eng.) 、第6巻、344〜359ペ
ージ(1965)等に記載の化合物を添加しても良い。
特にキレート剤や防バイ剤の添加が有効である。
【0054】水洗工程の2槽以上の槽を向流水洗にし、
節水するのが一般的である。更には、水洗工程のかわり
に特開昭57−8543号公報に記載のような多段向流
安定化処理工程を実施してもよい。本工程の場合には2
〜9槽の向流浴が必要である。本安定化浴中には前述の
添加剤以外に画像を安定化する目的で各種化合物が添加
される。例えば膜pHを調整する(例えばpH3〜9)
ための各種の緩衝剤(例えば、ホウ酸塩、メタホウ酸
塩、ホウ砂、リン酸塩、炭酸塩、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、アンモニア水、モノカルボン酸、ジカル
ボン酸、ポリカルボン酸等を組合わせて使用)やホルマ
リン等のアルデヒドを代表例として挙げることができ
る。その他、必要に応じてキレート剤(無機リン酸、ア
ミノポリカルボン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、ア
ミノポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸等)、殺菌剤
(ベンゾイソチアゾリノン、イリチアゾロン、4−チア
ゾリンベンズイミダール、ハロゲン化フェノール、スル
ファニルアミド、ベンゾトリアゾール等)、界面活性
剤、蛍光増白剤、硬膜剤等の各種添加剤を使用してもよ
く、同一もしくは異種の目的の化合物を二種以上併用し
ても良い。
【0055】また、処理後の膜pH調整剤として塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アン
モニウム等の各種アンモニウム塩を添加するのが好まし
い。また撮影用カラー感材では、通常行われている定着
後の(水洗−安定)工程を前述の安定化工程及び水洗工
程(節水処理)に置き換えることもできる。この際、マ
ゼンタカプラーが2当量の場合には、安定浴中のホルマ
リンは除去しても良い。本発明の水洗及び安定化処理時
間は、感材の種類、処理条件によって相違するが通常2
0秒〜10分であり、好ましくは20秒〜5分である。
【0056】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的でカラー現像主薬を内蔵
しても良い。内蔵するためには、カラー現像主薬の各種
プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第
3,342,597号明細書記載のインドアニリン系化
合物、同第3,342,599号明細書、リサーチ・デ
ィスクロージャー14850号及び同15159号記載
のシツフ塩基型化合物、同13924号記載のアルドー
ル化合物、米国特許第3,719,492号明細書記載
の金属塩錯体、特開昭53−135628号公報記載の
ウレタン系化合物をはじめとして、特開昭56−623
5号、同56−16133号、同56−59232号、
同56−67842号、同56−83734号、同56
−83735号、同56−83736号、同56−89
735号、同56−81837号、同56−54430
号、同56−106241号、同56−107236
号、同57−97531号及び同57−83565号各
公報等に記載の各種塩タイプのプレカーサーをあげるこ
とができる。本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、カラー現像を促進する目的で、各種の1
−フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典
型的な化合物は、特開昭56−64339号、同57−
144547号、同57−211147号、同58−5
0532号、同58−50536号、同58−5053
3号、同58−50534号、同58−50535号及
び同58−11543号各公報等に記載されている。
【0057】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。33℃ないし38℃の温度が標
準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間を
短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液の
安定性を改良を達成することができる。また、感光材料
の節銀のため西独特許第2,226,770号又は米国
特許第3,674,499号各明細書に記載のコバルト
補力もしくは過酸化水素補力を用いた処理を行ってもよ
い。各種処理浴内には必要に応じて、ヒーター、温度セ
ンサー、液面センサー、循環ポンプ、フィルター、浮き
ブタ、スクイジー等を設けても良い。また、連続処理に
際しては、各処理液の補充液を用いて、液組成の変動を
防止することによって一定の仕上がりが得られる。補充
量は、コスト低減等のため標準補充量の半分あるいは半
分以下に下げることもできる。本発明の感光材料がカラ
ーペーパーの場合はきわめて一般的に、また撮影用カラ
ー写真材料である場合も必要に応じて漂白定着処理する
ことができる。以下、本発明を具体化例により更に詳細
に説明するが、これは本発明の限定を意図するものでは
ない。
【0058】次に本発明の化合物の合成法につき、代表
的なものについて合成例をあげて説明する。合成例1 化合物例4の合成 [S−ヨードメチル チオベンゾエートの合成]チオ安
息香酸(ベンゾイルクロライドとNa2 Sより容易に得
られ、市販もされている)0.06molとトリエチル
アミン0.06molをテトラヒドロフラン(THF)
30mlに溶かし、ジヨードメタン0.6molのTH
F(100ml)溶液に0℃で滴下した。15時間攪
拌、反応させたあと、500mlの酢酸エチルで抽出
し、有機層を取出し溶媒を留去し、赤色の粗生成物を得
た。シリカゲルカラムクロマト(ジクロロメタン/ヘキ
サン=1/2で溶離)により、生成物(Rf値=0.5
(ジクロロメタン/ヘキサン=1/2で展開、Merc
k製シリカゲルTLC使用))を単離し、赤色油状のS
−ヨードメチル チオベンエート4.4g=0.016
molを得た(収率26%)。核磁気共鳴スペクトル、
質量スペクトル、赤外吸収スペクトル、元素分析より目
的物であることを確認した。
【0059】[化合物例4の合成]p−トルオイルクロ
リド0.002molとNa2 Se0.002mol
を乾燥THFG中、アルゴンガス雰囲気下で反応(室
温、2時間)させ、前述のS−ヨードメチル チオベン
ゾエート0.02molの乾燥THF(20ml)溶液
に0℃で添加した。そのまま3時間反応させ、200m
lの酢酸エチルで抽出し、有機層をとりだし溶媒を留去
することにより、白色結晶2.3gを得た。酢酸エチル
/ヘキサン=1/3の混合溶媒15mlから再結晶し、
目的物を白色針状結晶として1.5g得た。収率54
%。核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル、赤外吸収
スペクトル、元素分析より目的物であることを確認し
た。以下に化合物例4の融点、元素分析値、質量分析値
を示す。 融点 104〜105℃ 元素分析値 C16142SSe=349.31として H C S 計算値(%) 4・04 55・02 9・18 実測値(%) 3・98 54.90 9・09 質量分析 m/z 350(M+80Se])
【0060】
【実施例】実施例1 75℃に保った臭化カリウム0.05gとゼラチン30
gを含み、硝酸でpH2に保った水溶液1リットルに攪
拌しながら、硝酸銀水溶液(1M)75mlと臭化カリ
ウム水溶液(1M)75mlとを同時に、銀電位を飽和
カロメル電極に対して0mVに保ちながら4分間で添加
した。その後更に、硝酸銀水溶液(1M)675mlと
臭化カリウム水溶液(1M)とを、銀電位を−30mV
に保ちながら36分間で添加した。粒子形成終了後、通
常のフロキュレーション法で脱塩、水洗したあと、ゼラ
チンと水を加えて、pH6.2に、pAgを8.4に調
整した。得られた臭化銀乳剤は、粒子直径が0.25μ
m、粒子直径の変動係数が11%の単分散八面体乳剤で
ある。この乳剤を小分けした後、60℃に昇温し、表1
に示す如く増感剤を加えて60分間科学熟成した。
【0061】その後、マゼンタカプラー;3−{3−
〔2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブ
チリルアミノ〕ベンゾイルアミノ}−1−(2,4,6
−トリクロロフェニル)ピラゾロン−5−オン、トリク
レジルフォスフェート、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン、ポリ−スチレン
スルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、1,2−ビス(ビニルスルホニルアセチルア
ミノ)エタンを添加して、ポリメチルメタクリレート粒
子を含むゼラチン保護層と共に、トリアセチルセルロー
スフィルム支持体上に同時押し出し法で塗布した。これ
らの試料に、光楔下で露光(10秒)し、下記のカラー
現像処理を行った。処理済の試料を緑色フィルターで濃
度測定した。得られた写真性能を表1に示した。相対感
度は、カブリ値+0.2の後学濃度を得るのに必要な露
光量の逆数の相対値で表し、試料1を100とした。
【0062】
【表1】
【0063】表より明らかなように、従来よく知られた
セレン増感剤(比較化合物C)に比べれば、感度は同等
以上であり、かつ極めて低かぶりであった。また、本発
明の化合物とやや類似の構造をもつ化合物(比較化合物
A,B)は本発明のものより、かぶりが同等かもしくは
高く、また感度も劣っていた。
【0064】(カラー現像処理方法) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 2分45秒 38℃ 漂 白 3分00秒 38℃ 水 洗 30秒 24℃ 定 着 3分00秒 38℃ 水洗(1) 30秒 24℃ 水洗(2) 30秒 24℃ 安 定 30秒 38℃ 乾 燥 4分20秒 55℃
【0065】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ) −2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0リットル pH 10.05
【0066】 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.08 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5ミリリットル 水を加えて 1.0リットル pH 6.0
【0067】 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸アンモニウム 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル)290.0ミリリットル 水を加えて 1.0リットル pH 6.7
【0068】 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5
【0069】実施例2 特開平2−838号公報記載の実施例6にしたがって、
平均粒子直径が1.05μm、粒子厚さが0.19μ
m、アスペクト比が5.8、粒子直径の変動係数が1
0.5%の単分散臭化銀乳剤を調製した。粒子形成後、
35℃に降温し常法のフロキュレーション法で脱塩、水
洗したあとゼラチン、水を加えて、pHを6.2に、p
Agを8.3に調整した。この乳剤を小分けしたあと、
表2に示す増感剤を添加し更に、塩化金酸(2.4×1
-5モル/モルAg)とチオシアン酸カリウム(4×1
-4モル/モルAg)を加え、55℃で60分間熟成し
た。
【0070】この後、増感色素アンヒドロ−5,5′−
ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ(3−スルホプロ
ピル)オキサカルボシアニンハイドロオキサイドナトリ
ウム塩と沃化カリウムを加え、さらにそのあと、ゼラチ
ン、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデン、ポリ−スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えて、
下塗り層を有するトリアセチルセルロースフィルム支持
体上に、ゼラチン、ポリメチルメタクリレート粒子、
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナ
トリウム塩を含む保護層と共に同時押し出し法で塗布し
た。
【0071】これらの試料に、センシトメトリー用露光
(1/100秒)を光学楔とイエローフィルターを介し
て与えたあと、下記処方のMAA−1現像液で20℃で
10分間現像したあと常法により停止、定着、水洗、乾
燥し、濃度を測定した。相対感度は、カブリ値+0.2
の光学濃度を得るのに必要な露光量の逆数の相対値で表
し、試料20の値を100とした。
【0072】
【表2】
【0073】(MAA−1現像液) メトール 2.5g アルコルビン酸 10 g ナボックス 35 g 臭化カリウム 1 g 水を加えて 1リットルに 表より明らかなように、本発明の化合物は、従来よく知
られたセレン増感剤(比較化合物C)に比べ、同等以上
の感度を示し、かつ著しく低かぶりであるという好まし
い結果が得られた。
【0074】実施例3 臭化カリウムを含むゼラチン水溶液を40℃に保ち攪拌
しながら、硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液を同時に
添加した。つぎに、75℃に昇温しアンモニアを添加し
て熟成した後、酢酸で中和し、さらに硝酸銀水溶液と沃
化カリウムと臭化カリウムとK3 IrCl6 (3×10
-6モル/モルAg)の混合水溶液を同時に添加して、次
に沃化カリウム水溶液を加えたあとさらに硝酸銀水溶液
と臭化カリウム水溶液でシェル付けした。
【0075】添加終了後、通常のフロキュレーション法
で脱塩、水洗したあとゼラチン、水を加えて、pHを
6.3にpAgを8.6に調製した。得られた平板状臭
化銀乳剤は、平均粒子直径が1.32μm、粒子厚さが
0.21μm、平均の直径/厚み比が6.3で、沃化銀
量が6モル%であった。この乳剤を小分けしたあと、5
6℃に昇温し、増感色素アンヒドロ−5−クロロ−5′
−フェニル−9−エチル−3,3′−ジ(3−スルホプ
ロピル)オキサカルボシアニンハイドロオキサイドナト
リウム塩を加え、チオ硫酸ナトリウム(1.2×10-5
モル/モルAg)及び表3に示す増感剤を加え、更に
塩化金酸(1.6×10-5 モル/モルAg)、チオシ
アン酸カリウム(1×10-3モル/モルAg)を添加し
て、30分間熟成した。その後、1−(3−スルホフェ
ニル)−5−メルカプトテトラゾールモノナトリウム塩
及び実施例1と同じ添加物を加えて同様に塗布し同様の
処理を行って(但し/1/100000秒露光)、表3
の結果を得た。
【0076】
【表3】
【0077】表より明らかなように、従来の化合物に比
べ、本発明の化合物は、低かぶりでかつ同等以上の感度
示すという優れた結果が得られた。
【0078】
【発明の効果】本発明の化合物を用いてセレン増感を施
したとき、従来の硫黄増感に比べ感度が高く、また従来
のセレン増感に比べ同等以上の感度であり、かつ低かぶ
りであるという好ましい効果を示すことが分かった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−91735(JP,A) 特開 平4−113349(JP,A) 特開 平5−303157(JP,A) 特開 平6−75328(JP,A) 特開 平6−180478(JP,A) 米国特許3994791(US,A) Kawahara Yasuyuki et ol,Syntesis of rubidium and cesi um tellurocarbox y lates and an s−ray structural analys is of heavy alkal i,Bulletin of the chemical Society o f Japan,日本,日本化学会, 1995年 6月 7日,68(12),3507− 17 Shimada Kazuaki e t ol,A convenient syntesis of unsymm etrical tellurides by a sequential r eductive cleavage of bis(N,N’−di,Che mistry Letters,米国, 1992年,7,1389−92 Ishihara Hideharu et ol,The synthes es of potassium se lenocarboxylates a nd their derivativ es,Chemical Lett., 日本,日本化学会 Guenther,Wolfgang H.;Salzman,Michae l N.,Method of sel enium chemistry.I V.Synthetic approa ches to polydisele nides,Ann.N.Y.Aca d.Sci.,米国,1972年,1972, 192,25−43 Jensen,K,a.;Boej e,Lars;henrikesen, Lars,organic selen ium conpounds.XVII I.Existence of mon oselenocarboxylic acids,Acta Chemica l Scand.,1972年,1972,26 (4),1465−70 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/00 - 11/00 CA(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層が下記一般式
    (I)で表される少なくとも一種の化合物を含有するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(I) R1 −Ch1 −M−Ch2 −R2 (式中、R1 、R2 は夫々同一かもしくは異なるアシル
    基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
    基、スルファモイル基、スルフィニル基を表し、Ch1
    はS,Se,Teを表し、Ch2 はSe,Teを表し、
    Mはメチレン鎖を表す)。
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)で表される少なくとも
    一種の化合物で化学増感されたハロゲン化銀乳剤を含む
    ことを特徴とするハロゲン化銀乳剤感光材料。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)で表される化合物が、
    下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(II) R21−S−M−Ch3 −R22 (式中、R21、R22は夫々同一かもしくは異なるアシル
    基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
    基、スルファモイル基、スルフィニル基を表し、Ch3
    はSe,Teを表し、Mはメチレン鎖を表す)。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)で表される化合物。 一般式(II) R21−S−M−Ch3 −R22 (式中、R21、R22は夫々同一かもしくは異なるアシル
    基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
    基、スルファモイル基、スルフィニル基を表し、Ch3
    はSe,Teを表し、Mはメチレン鎖を表す)。
  5. 【請求項5】 一般式R21−Xで表されるハロゲン化合
    物〔Xはハロゲンを表し、R21は一般式(II)における
    21と同義〕をNa2 Sと溶剤の存在下で反応させ、反
    応生成物をメチレンジハライドと反応させて一般式R21
    −S−M−X〔R21,M,は夫々一般式(II)と同義、
    Xは上記と同義〕で表される化合物を得、更に得られた
    化合物を、一般式R22−X〔R22,は一般式(II)のも
    のと同義、Xは上記と同義〕で表される化合物とNa2
    Ch3 〔Ch3 は一般式(II)におけるCh3 と同義〕
    で表される化合物との反応生成物と反応させて一般式
    (II)で表される化合物を生成させることを特徴とする
    請求項4に記載の化合物の製造方法。
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Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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Kawahara Yasuyuki et ol,Syntesis of rubidium and cesium tellurocarbox ylates and an s−ray structural analysis of heavy alkali,Bulletin of the chemical Society of Japan,日本,日本化学会,1995年 6月 7日,68(12),3507−17
Shimada Kazuaki et ol,A convenient syntesis of unsymmetrical tellurides by a sequential reductive cleavage of bis(N,N’−di,Chemistry Letters,米国,1992年,7,1389−92

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