JP3368887B2 - 低NOxおよび低CO燃焼方法 - Google Patents

低NOxおよび低CO燃焼方法

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JP3368887B2 JP2000155693A JP2000155693A JP3368887B2 JP 3368887 B2 JP3368887 B2 JP 3368887B2 JP 2000155693 A JP2000155693 A JP 2000155693A JP 2000155693 A JP2000155693 A JP 2000155693A JP 3368887 B2 JP3368887 B2 JP 3368887B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、燃焼ガスを水管に対
する交叉線方向に直線的に流通させる形式の水管ボイラ
に適用される有害燃焼排気物を低減する燃焼方法に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、小型の多管式貫流ボイラーは、
円筒形の缶体構造をベースとして製作されている。これ
は、水管を環状に配置し、その内部を燃焼室とするのが
燃焼ガスとの熱交換効率を良くするために望ましいと考
えられていることによる。 【0003】しかし、このような缶体構造とすると、ボ
イラーの設置場所や配置状態によっては比較的大きなス
ペースを占有することになり易いため、近年では,所謂
角型缶体構造をベースとした種々の多管式貫流ボイラー
が提案されている。なお、ここでの角型缶体構造とは、
多数の水管を直列に配置してなる水管列を対向配置し
て、その間に燃焼室を形成したものをいい、バーナから
の燃焼ガスは、この水管列の間を交叉方向に通過するよ
うになっている。 【0004】また、近年では、環境汚染問題等により、
ボイラーからの有害燃焼排気物,とくにNOX ,CO等
のさらなる低減化が求められている。このような有害燃
焼排気物の低減化対策として、燃焼ガス温度を下げるこ
とにより、NOX ,とくにサーマルNOX (thermal N
X )の生成を抑制する方法並びに燃焼ガス温度を一定
の温度範囲に保つことにより、COをCO2 に酸化させ
てCOの残留を阻止する方法が知られている。より具体
的には、実公昭56ー47477号公報に見られるよう
に、バーナ炎を水冷壁などに当てたり、特公昭56ー4
6046号公報に見られるように、旋回する空気流の中
心部で過剰濃度の混合気を燃焼させたりして、燃焼温度
を調整するものや、また特開昭60ー78247号公報
に見られるように、バーナ近傍の冷体物によって燃焼ガ
ス温度を調整した後、熱交換器までの間の断熱空間内で
COを酸化させるもの等がある。この他、サーマルNO
X 低減化対策としては、排気ガスを再循環させる形式の
ものが公知である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、NOxの発
生を抑制してその排出量を低減し、COの排出量を低減
る低NOxおよび低CO燃焼方法を提供することを目
的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明は、上述の課題
を解決するためになされたもので、互いに間隔を存して
対向配置した一対の水管壁間に形成されその一端側に
バーナを設けた燃焼ガス通路のほぼ全域に互いに燃焼
ガスが流通する間隔を存して多数の水管を前記バーナの
直近まで設け、前記多数の水管を、伝熱面密度の異なっ
た複数群の水管群に構成し、これら複数群の水管群を、
前記燃焼ガス通路内における燃焼ガスの上流側から下流
側に向けて、伝熱面密度の小なるものから大なるものの
順に配置する一方、前記バーナから噴出される燃焼ガス
の温度を前記上流側の水管群により抑制して、サーマル
NOxの発生を低減すると共に前記燃焼ガス通路の上流
側にて発生したCOを酸化させることを特徴とする。 【0007】 【作用】この発明によれば、バーナからの燃焼ガスは直
ちに上流側の水管群により冷却されて、その温度がNO
x発生が防止される温度以下とされ、NOxの発生量が
大幅に低減されると共に、上流側の水管群における燃焼
ガス温度がCOが酸化する温度とされるので発生したC
Oが酸化され、COの排出量が低減される。 【0008】 【実施例】図1並びに図2は、この発明に係る角型多管
式貫流ボイラーの一実施例であって、缶体における水管
の配列状態を示したものである。これらの図面におい
て、1は水管壁、2,3,4は水管壁1,1間に2列に
配列した水管群、5はバーナを示す。 【0009】上記の水管壁1は、ほぼ直管状の水管1a
を等間隔で1列に整列配置してなるもので、各水管1a
同志をフィン状部材6で連結することにより、水管1a
同志の間隔を塞いだ状態とし、これを図示する実施例で
は、缶体の両側に、両者が互いにほぼ平行をなすように
配置してあり、両水管壁1,1間をバーナ5からの燃焼
ガスが流通する燃焼ガス通路としている。 【0010】各水管群2,3,4は、2列状態で、所定
本数ずつほぼ等間隔で配列し、互いに燃焼ガスが流通す
る間隔を存して前記燃焼ガス通路のほぼ全域に設けてあ
り、その各々を構成する水管2a,3a,4aは、それ
ぞれ直管,ヒレ付水管,エロフィン管としている。 【0011】バーナ5としては、たとえば表面燃焼バー
ナ等の予混合バーナを用いることができるが、このよう
なバーナは、水管群2の水管壁1端部間(図中上方)に
配置する。したがって、バーナ5からの燃焼ガスは、水
管壁1,1間を図中上方から下方に向けて流れることに
なり、これに関連して上記の水管群2,3,4は、この
流れ方向に沿って伝熱面密度(燃焼ガスの単位流路長さ
当りの伝熱面面積)の小さいものから大きいものへと配
列された状態としてある。 【0012】なお、図2において、参照番号10,11
は、それぞれ上記の各水管1a,2a,3a,4aの上
端並びに下端を連結する上下のヘッダを示す。この上下
のヘッダ10,11は、それぞれ缶体の長手方向に対し
て左右に独立した構成となっており、これら上部並びに
下部同志のものを外部配管等によって連結することによ
り、一体化してある。 【0013】以上のような角型多管式貫流ボイラーによ
れば、バーナ5からの燃焼ガスは、水管壁1,1間で直
管状の水管群2,横ヒレ状フィン付の水管群3並びにエ
ロフィン水管群4を通過し、エコノマイザーを介して,
あるいは直接煙突から流出する。 【0014】この燃焼ガスは、前述したように、上流側
では高温で体積も大きいが、下流側では水管への伝熱に
より低温となり、体積も減少し、伝熱効率も減少するけ
れども、この発明に係る缶体によれば、下流側ほど伝熱
面密度を高めてあるため、各水管1a,2a,3a,4
aにおける伝熱量は、上流側の水管2aから下流側の水
管4aにかけても低下することなく、全体的にほぼ均一
となる。 【0015】さらに、図示するような缶体構造とするこ
とにより、燃焼ガスの流通経路を直線状に比較的長く設
定でき、バーナ5からの燃焼ガスが水管群4の最後尾の
水管4aを通過するまでに要する時間を比較的長く設定
できる。すなわち、このような缶体構造では、燃焼ガス
がボイラー缶体内に滞留する時間を比較的長くすること
ができるようになり、燃焼ガスは、前述したように、こ
の流通経路において各水管1a,2a,3a,4aに伝
熱を行って温度が徐々に低下する。この結果、前述した
ような構造の缶体で、燃焼面負荷が600〜1200×
104 Kcal /m2 hのバーナを用いた場合、図中A点
で約1200℃,B点で約550℃,C点で約370℃
という結果が得られている。 【0016】したがって、この発明の缶体においては、
上流側の伝熱面密度の小なる水管群においても、燃焼ガ
ス温度が低く抑えられ、下流側の該密度の大なる水管群
においては、徐々に低下していくため、NOX , とくに
サーマルNOX の発生が防止でき、しかも上流側におい
ても燃焼ガス温度が1200℃程度であるため、COが
発生していても上流側でCO2 に酸化されてしまい、以
下下流側では徐々に温度が下がるため、CO2 が再び分
離してCOとなるのも防止できる。 【0017】この発明においては、バーナ5に空気比
1.3の予混合気を供給して燃焼させた場合、NO
X は、従来のものに比べて1/3から1/2程度まで低
減し、またCOは、十数ppm 以下までに低減するという
結果が得られた。このNOX ,CO値は、排ガス循環装
置付きのボイラーで循環率を10%としたものと同等で
あるが、この発明のボイラーでは、全く循環させず、1
方向にのみ燃焼ガスを流通させる形式でこのような有害
燃焼排気物の低減作用があり、しかも排ガス循環用の複
雑な配管が不要で、構造がきわめてシンプルになる。 【0018】図3は、この発明に係る角型多管式貫流ボ
イラーの他の実施例を示すものである。同図の実施例に
おいては、各水管壁1は、ボイラー本体の中程までの長
さで、下流側を狭くしてある。そして、この水管壁1,
1間に直列に直管状の水管2aを配列してなる水管群2
を位置させている。上記の水管群2より下流側には、た
とえばこの実施例のごとく断熱壁7を両側に配置し、こ
の断熱壁7間に、2列配置のエロフィン水管4aからな
る水管群4を配置する。 【0019】この貫流ボイラーにおいても、前掲の実施
例(図1及び図2)と同様に、燃焼ガスの流通方向上流
から下流に向けて、単位流路長さ当りの伝熱面面積が増
加しており、したがって、上述のごとき、缶体自体によ
る伝熱効率の向上や、NOX,CO等の有害排気物の低
減が図れることになる。 【0020】 【発明の効果】この発明によれば、特別な装置を用いる
こと無く、NOxの発生量が大幅に低減できると共に、
上流側の水管群において発生したCOが酸化され、CO
の排出量が低減され、有害燃焼排気物の排出量が大幅に
低減されるなど多大なる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明に係る水管ボイラーの一実施例を示す
概略的な横断面図である。 【図2】図1のボイラーの缶体をバーナ取付口から見た
正面図である。 【図3】他の実施例を示す概略的な横断面図である。 【符号の説明】 2 水管群 2a 水管 3 水管群 3a 水管 4 水管群 4a 水管 5 バーナ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−205105(JP,A) 実開 昭61−135106(JP,U) 特公 昭46−6442(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F22B 21/04 F23C 11/00 316

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 互いに間隔を存して対向配置した一対の
    水管壁間に形成されその一端側にバーナを設けた燃焼
    ガス通路のほぼ全域に互いに燃焼ガスが流通する間隔
    を存して多数の水管を前記バーナの直近まで設け、 前記多数の水管を、伝熱面密度の異なった複数群の水管
    群に構成し、これら複数群の水管群を、前記燃焼ガス通
    路内における燃焼ガスの上流側から下流側に向けて、伝
    熱面密度の小なるものから大なるものの順に配置する一
    方、 前記バーナから噴出される燃焼ガスの温度を前記上流側
    の水管群により抑制して、サーマルNOxの発生を低減
    すると共に前記燃焼ガス通路の上流側にて発生したCO
    を酸化させることを特徴とする水管ボイラーの低NOx
    及び低CO燃焼方法。
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