JP3368396B2 - 地層の沈下量測定装置 - Google Patents

地層の沈下量測定装置

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博司 中根
亨介 夏川
義文 蜂須賀
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中央復建コンサルタンツ株式会社
綜合計測株式会社
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
  • Details Of Measuring And Other Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基礎地盤内の地層の沈
下量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基礎地盤内の地層の沈下量を測定
するには、地盤に施したボーリング孔内に基準パイプを
挿入し、その下端をボーリング孔底面にケミカルアンカ
ーなどで固定し、その外周に遊嵌した地上から測定すべ
き地層まで達する長さの測定パイプを該ボーリング孔内
に挿入し、その測定すべき地層まで降ろし、その位置
で、その対向するボーリング孔壁面に、後記する種々の
手段で定着せしめ、この状態で、該地層の沈下量を該測
定パイプを介して測定することが行われている。而し
て、その測定パイプの固定手段には次の方式がある。 a.リンク式:測定パイプの下端部にクイックモーショ
ンリンクを取付け、地上から測定パイプを挿通した挿入
棒で、該クイックモーションリンクを操作してこれを開
き、該リンクにより測定パイプの先端部を該ボーリング
孔壁面に押圧定着させるもの。 b.スプリング式:測定パイプの先端部に熔断片を介し
て固定した渦巻バネを取付け、該熔断片を電気的に熔断
してバネの一端を開拡させて該ボーリング孔壁面に押圧
定着させるもの。 c.ハイドロリック式:測定パイプの先端部にブルドン
管を設け、該ブルドン管に逆止弁を介して地上から圧力
水を注入してこれを拡張させ該ボーリング孔壁面に押圧
定着させるもの。 d.モルタル式:測定パイプの先端部に生ゴム製の袋を
取付け、該袋内に地上からモルタルを圧入膨脹化させ
て、該測定パイプの先端部を該ボーリング孔壁面に押圧
定着させるもの。 e.ピストン式:測定パイプの先端部にリング状の固定
枠を設け、これに3〜4個の小型のピストンを取付け、
地上から油圧でピストンを押出して、測定パイプの先端
部を測定地層に押圧定着させるもの。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記の測
定パイプをその測定する地層に定着せしめるには、その
いずれの方式も地上から何等かの操作手段が必要である
ため、その定着作業は煩わしい。また、その実用設置深
度は、リンク式では20m程度であり、スプリング式で
は50m程度までの限度があり、またその定着の信頼性
は低く、それ以上の深い深度には不適である。また、上
記のいずれの方式も定着を行うための諸設備が必要とな
り、測定装置のコストを増大し、煩わしく、而もその準
備作業や定着操作に熟練を要するなどの不都合を伴っ
た。従って、地上からの定着操作を要せず、簡単な作業
で高能率に測定パイプの定着ができ、製造コストの安価
な地層の沈下測定装置が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決し、上記の要望を満足する地層の沈下量測定装
置を提供するもので、基礎地盤に施したボーリング孔内
に挿入される基準パイプと、その外周に遊嵌される地上
から測定すべき地層まで達する長さを有する少なくとも
1本の測定パイプとから成り、該測定パイプの外周面
に、複数個の形状記憶合金製のウイングを該測定パイプ
に対し開拡した状態に取り付けて成り、加熱により閉じ
た状態となり、常温又は常温近傍まで温度が低下したと
き再び開拡するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【作用】該測定パイプの外周面に配設した夫々のウイン
グを加熱昇温させ、該パイプ面に対し閉じた状態とした
後、該測定パイプを該ボーリング孔内に挿入し、その測
定すべき柔軟な地層の所定位置に達した所まで降ろし、
その位置で各該ウイングの温度が常温又は常温付近まで
下がった時点で、自動的に開拡するので、その開拡力に
より、その先端部はその対向するボーリング孔壁内に突
入係着する。かくして、地上からの定着操作を必要とし
ないで、該測定パイプのしっかりした定着が自動的に行
われる。
【0006】地盤の複数層の層別の沈下量の測定を行う
には、その夫々に対応する長さを有する複数本の測定パ
イプを該基準パイプの外周に夫々遊嵌し、その夫々の測
定パイプに複数個の形状記憶合金製のウイングを上記の
ように配設して成る測定装置を用いることにより達成さ
れる。
【0007】該ウイングは、長矩形板から成るときは、
その機械的強度が大きく、該測定パイプの安定堅牢な定
着が得られ、その複数個を、その外周面に等間隔に配設
するときは、該測定パイプを垂直に安定保持でき、ま
た、そのウイングの基部を固定部材で固定するときは、
その遊離部の閉じ又は開拡作動が円滑に行われる。
【0008】
【実施例】図1〜図3は、本発明の実施の1例の地層の
沈下量測定装置を示す。該測定装置は、地層別の沈下量
測定装置の1例であり、基礎地盤Aに施したボーリング
孔Bに挿入し、該地盤Aの最下層の固い地層C層、例え
ば沖積層から成るC層の上に堆積する例えば砂層から成
る測定すべき柔軟な地層A層と、例えば粘土層から成る
柔軟な地層B層の沈下量を夫々測定する場合に適用した
ものである。更に詳細には、その装置は、例えば長さ1
00m、径150mmの基準パイプ1とその外周に長さ
60m、径175mmの測定パイプ2と長さ40m、径
200mmの測定パイプ2′とを内外に遊嵌したテレス
コピカル式となし、その内側の測定パイプ2の先端部の
外周面とその外側の測定パイプ2′の先端部の外周面に
夫々複数個の図示の例では、4個の形状記憶合金製のウ
イング3,3,3,3及び3′,3′,3′,3′を円
周状に等間隔に位置して、即ち、前後、左右に配置し、
リベットや鉄帯などの適当な固定具4で、図示の例で
は、リベットで固定して設けた。形状記憶合金として
は、Ni−Ti合金、Cu−Al−Ni合金などの適当
な合金が使用される。各ウイング3又は3′としては、
機械的強度の大きい長矩形板状の常温又は常温付近に変
態温度を有する例えば、変態温度20〜60℃の範囲に
ある所望の形状記憶合金が一般に使用され、例えば、約
25℃の変態温度を有し、常温では所定の角度で折れ曲
がった状態にあり、加熱により平板状となるように作ら
れた形状記憶合金板を使用する。而して、その各板状ウ
イング3又は3′は、所定の角度曲がった状態で、その
基部で各測定パイプ2又は2′の先端部に取り付けら
れ、従って、常温では、該測定パイプ2又は2′に対
し、その所定角度でその先端部が開拡した状態で取り付
けられ、加熱によって該測定パイプ2又は2′に対し、
閉じるように設計されている。該板状ウイング3又は
3′は、図2又は図3示のように、その先端には爪3a
又は3a′を設けておくことが好ましい。尚、各パイプ
1,2,2′は、ステンレスパイプから成り、その表面
は、摩擦を軽減するためにテフロンチューブをライニン
グをしておくことが好ましい。
【0009】該基礎地盤Aには、ボーリングにより例え
ば、深さ99m、径250mmの固いC層に達するボー
リング孔Bを施し、該ボーリング孔Bの中心に前記の基
準パイプ1を挿入し、その下端は、ボーリング孔Bの底
面の堅い基盤に公知のケミカルアンカー5を介して固定
し、該基準パイプ1は、その基端即ち上端部1aが地上
から1m上方に位置せしめるようにする。その上端には
フランジ1aを取り付けることができる。該基準パイプ
の外周に遊嵌した内側の測定パイプ2は、その先端部外
周面に開拡状態に取り付けた4個の板状ウイング3を加
熱し、例えば100℃以上に昇温させ、図2の仮想線で
示すように、閉じ状態とした後、ボーリング孔B内に挿
入し、柔軟な地層B層の下部まで降ろし、その位置にお
いて、各ウイング3の温度がその変態温度以下の常温に
低下すると、その仮想線の閉じ位置から実線示のもとの
形状になるべく実線の状態に開拡する。然るときは、そ
の開拡力によりその対向する柔軟な粘土層から成るボー
リング孔壁内にその前後左右の4枚の板状ウイング3の
先端部は突入するので、該測定パイプ2は、該B層に安
定した垂直状態で係止定着される。この場合、爪3a
は、その係止定着状態を良好に維持するに役立つ。この
場合に、該測定パイプ2は、その上端部2aは地上から
上方に基準パイプ1の上端のフランジ1aの下方にS1
の間隔を存して位置するように設置される。その上端に
は、フランジ2aを付設することができる。同様にし
て、その外側の測定パイプ2′をその先端部の各ウイン
グ3′を加熱し、充分に昇温させて閉じ状態として、該
ボーリング孔B内に挿入し柔軟な該A層の下部まで降ろ
し、この位置に保持した状態において、その前後左右の
板状ウイング3′が常温まで低下したとき、各ウイング
3′の先端部は開拡してその対向するボーリング孔壁内
に突入するので、該測定パイプ3′は、安定した垂直状
態で該A層に係止定着される。この場合、爪3a′は、
その係止定着状態を良好に維持するに役立つ。この場
合、該測定パイプ2′は、その上端部2a′が地上から
上方に基準パイプ1の上端のフランジ1aの下方にS2
の間隔を存して位置するように設置される。その該上端
には、フランジ2a′を取り付けることができる。
【0010】このように、本発明の測定パイプ2,2′
の夫々の測定すべき地層には、従来のような地上からの
定着操作を全く必要としないで、測定パイプの挿入によ
り自動的に定着される。而も、その定着は、夫々の地層
内に各ウイング3a又は3a′の突入による係止状態で
あるので、極めて信頼性が高く、また定着用の設備や準
備が不要となり、簡単に設置でき且つ安価な層別の測定
装置が安価に得られる。
【0011】かくして、本発明の測定装置は、上記の設
置状態において、地層A層及びB層の圧密沈下に伴い、
その夫々に定着している測定パイプ3′,3は沈下する
ので、その地上におけるその夫々の上端2a′,2a
は、これに応じ沈下し、該基準パイプ1の基端1aとの
間隔S1 ,S2 の距離は夫々変化する。この夫々の沈下
量を読み取り、A層、B層の夫々の深さH1 ,H2 に対
する圧密比として得られる。このように、そのA層、B
層の沈下量は、地上S1 ,S2 の変化量として地上で任
意の手段で読み取ることができる。好ましくは、その変
化量を光学式変位測定器を用いて自動的に読み取り、こ
れをエンコーダによって電気信号に変換し、これをA/
D変換器でデジタル化してメモリーに記憶させ、又は発
信器によって遠隔地に伝送するようにしても良い。
【0012】上記の実施例から明らかなように、基礎地
盤内の測定すべき柔軟な層の数に応じて、形状記憶合金
製のウイングを備えた少なくとも1本の測定すべき層に
対応する長さを有する測定パイプを該基準パイプの外周
に設ければ良い。また、本発明の測定装置は、基礎地盤
に施すべきボーリング孔の深さは、浅い場合は勿論、1
00m又はそれ以上深い場合のものにも適用でき有利で
ある。
【0013】
【発明の効果】このように、本発明の地層の沈下量の測
定装置は、測定パイプに、加熱により閉じる複数個の形
状記憶合金製ウイングを開拡状態で取り付けたので、ボ
ーリング孔への挿入に当たり、該ウイングを加熱するこ
とにより挿入でき、その温度が常温又は常温付近まで低
下することにより、その所定の深さ位置で自動的に開拡
して、その測定すべき柔軟な地層に突入係止定着でき、
従来のような測定パイプの定着に当たり、定着に必要な
地上からの定着作業を不要とし、その定着作業を簡便に
し、安価に製造し得られる等の効果を有する。また、複
数本の長さの異なる測定パイプに夫々複数個のウイング
を配設するときは、その夫々に対応した複数の柔軟な地
層の層別沈下量を測定できる。この場合、該ウイングは
板状ウイングとし、その測定パイプの外周面に等間隔に
取り付けるときは、安定良好に測定パイプを定着するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の1例の測定装置の裁断側面図であ
る。
【図2】図1の測定装置の一部の拡大側面図である。
【図3】図2のIII−III線裁断面図である。
【符号の説明】
1 基準パイプ 2,2′ 測定
パイプ 3,3′ 形状記憶合金製ウイング A 基礎地盤 B ボーリング孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蜂須賀 義文 大阪府吹田市寿町2丁目26番5号 綜合 計測株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−229907(JP,A) 特開 平3−153907(JP,A) 特開 平6−26030(JP,A) 特開 平7−189250(JP,A) 実開 昭59−913(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 21/00 E02D 1/00 E21B 47/01 G12B 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎地盤に施したボーリング孔内に挿入
    される基準パイプと、その外周に遊嵌される地上から測
    定すべき地層まで達する長さを有する少なくとも1本の
    測定パイプとから成り、該測定パイプの外周面に、複数
    個の形状記憶合金製のウイングを該測定パイプに対し開
    拡した状態に取り付けて成り、該ウイングを加熱により
    閉じた状態となり、常温又は常温近傍まで温度が低下し
    たとき再び開拡するようにしたことを特徴とする地層の
    沈下量測定装置。
  2. 【請求項2】 該基準パイプの外周に、測定すべき複数
    の地層に対応して長さを異にする複数本の径の異なる測
    定パイプを遊嵌配置し、その夫々の測定パイプの先端部
    の外周面に複数個の該形状記憶合金製のウイングを取り
    付けて成る請求項1記載の地層の沈下量測定装置。
  3. 【請求項3】 該ウイングは、長矩形板から成り、その
    複数個を該測定パイプの外周面に等間隔に配置し、その
    基部を固定部材で結着して成る請求項2記載の地層の沈
    下量測定装置。
  4. 【請求項4】 基礎地盤に施したボーリング孔内に、基
    準パイプを挿入し、その下端をボーリング孔の底面に固
    定すると共に、その上端部を地上から上方に位置せしめ
    て設置し、少なくとも1本の測定パイプをその外周面に
    配設した該ウイングを加熱し、閉じた状態としてボーリ
    ング孔内に挿入し、所定の測定すべき柔軟な地層の所定
    位置まで降ろし、その位置で、各ウイングの温度が常温
    又は常温付近まで低下したとき開拡し、その先端部をボ
    ーリング孔壁内に突入せしめて定着させ、その測定パイ
    プの上端部は、該基準パイプの上端部との間に所定の間
    隔を存せしめて地上から上方に位置せしめたことを特徴
    とする請求項1記載の地層の沈下量測定装置。
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CN103266589B (zh) * 2013-05-24 2015-05-13 浙江大学宁波理工学院 土体分层沉降监测设备的整体式沉降板安装装置
CN106049397B (zh) * 2016-07-08 2017-12-15 四川建筑职业技术学院 一种在深厚压缩性土层中安装分层沉降仪的施工方法
CN110565615B (zh) * 2019-08-28 2024-10-01 中交天津港湾工程研究院有限公司 旋转叶片式沉降环及基于该沉降环的分层沉降观测装置及其埋设方法

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