JP3368236B2 - 超磁歪素子を用いたマーキング装置の制御方法 - Google Patents
超磁歪素子を用いたマーキング装置の制御方法Info
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Description
マークを印すマーキング装置の制御方法に関する。
グ装置として、大別して加圧・弁開閉方式と圧力パルス
方式とが知られている。
液体を弁の開閉により吐出させるものである。つまり、
液体を吐出させる力は、液体に常時加えられている圧力
である。加圧されたペイントを充満されている室に近接
して連結されているノズルを有し、ノズルへの通路を球
形のバルブの後退前進で開閉することによりペイントを
吐出するガンが知られており(本出願人による実開昭5
8−128658号)、これの複数を一列に配置したオ
ンデマンド方式の印字装置が実用されている。
によって振動板、振動棒などを振動させることにより圧
力波を作って液滴を作る。この方式では弁構造がないの
で閉じた構造でなく、従ってノズルと液面との相対位置
(重力方向に対する)を自由に選ぶことは出来ない。ま
た、圧力波による力は比較的弱いので、比較的短い距離
(1〜2mm)のみ液体を飛翔させうる。従って、プリ
ンターでの使用には適している。また、吐出させうる液
体の量も小さいので、小さいドット(0.1〜0.5m
m)のマークにのみ用いられうる。
式のマーキング装置を、本出願人は先に出願した(特願
平10−85110号)。その一態様を図2に示す。
給される加圧されている液体を充満されている室(1)
が壁(2)により構成されている。該室(1)に近接し
て通路(4)を介して、たとえば内径70〜200μm
のノズル(3)が室(1)に連通されている。通路
(4)は、弁座(5)及び該弁座に対向する弁(6)に
より開閉される。弁(6)は可動ヨーク(7)に連結さ
れている。好ましくは、可動ヨーク(7)は超磁歪素子
(9)をはさんで固定ヨーク(20)の位置調整により
弁(6)方向に常時付勢され、従って弁(6)は弁座を
押して閉じている。スプリング(8)は可動ヨーク
(7)を超磁歪素子(9)に押し付けており、超磁歪素
子(9)の振動を効率的に可動ヨークに伝えている。弁
(6)と可動ヨーク(7)が一体に作られていてもよい
(以下の態様でも同じ)。
固定ヨーク(20)に固定され、固定ヨークはネジによ
って素子ホルダー(21)に固定され、一方、素子ホル
ダー(21)は、壁(2)に固定されている。従って、
超磁歪素子(9)の一端(9´)は、弁座(5)に相対
的に固定されている。
対して寸法が増加する正の超磁歪素子、及び寸法が減少
する負の磁歪素子がある(たとえば、工業材料、199
6年10月号、vol.44,No.11)。この態様
では負の超磁歪素子を用いる。素子の形状は、円柱、角
柱、円筒などであることができ、円柱が好ましい。
ドコイル(10)が配置されており、ソレノイドコイル
に通電すると超磁歪素子の軸方向寸法が収縮し、通電を
切ると寸法が元に戻る。従って、ソレノイドコイルへの
通電をオン・オフすることによって、弁(6)を開閉さ
せることができる。
い状態において、弁(6)が弁座(5)に当接して通路
を閉じる。固定ヨークをネジにより前進後退させて位置
決めできることが好ましい。ソレノイドコイル(10)
に通電すると、負の超磁歪素子(9)が軸方向に収縮し
て、弁(6)が弁座(5)から離れる。この変位はたと
えば10μmのオーダ、好ましくは10〜40μmであ
る。この瞬間に、加圧されているペイントが通路の方向
に流れ、次の瞬間にソレノイドコイル(10)への通電
を切って弁(6)を閉じる。結局、液滴がノズル(3)
の先端から飛び出す。この態様において、素子(9)の
他端(9″)の変位を弁(6)を開ける方向の動きとし
て弁(6)に伝える伝達機構は、素子の他端(9″)と
弁(6)とを直接に連結する可動ヨーク(7)である。
超磁歪素子は、たとえば5kHzの高速でオンオフさせ
ることができ、高速でオンデマンドのマーキングが可能
である。
場合には、通電時の素子の伸長変位を、弁を開ける動き
として弁に伝えることが必要である。図3において、符
号は図2と対応させている(以下の図においても同
じ)。素子(9)の他端(9″)は可動ヨーク(7)の
一端(7´)と連結され、可動ヨーク(7)の他端
(7″)にはレバー(12)の一端が連結される。そし
て、レバー(12)の他端に弁(6)が連結されてい
る。弁(6)とレバー(12)が一体に作られていても
よい。レバー(12)の両端の間に、弁座(5)に相対
的に固定されている支点(13)がある。かくして、そ
の軸方向が弁座とノズルの方向に略平行に配置された素
子(9)に通電したときに素子(9)が伸長することに
よる他端(9″)の変位は、てこの原理によって弁
(6)を開ける動きへと変換される。スプリング(8
´)は、弁(6)を閉じる方向に付勢する。
示す。素子(9)は中空であり、外形はたとえば円筒形
である。その一端(9´)は弁座(5)に相対的に固定
されている。素子の他端(9″)は弁座と逆方向に向い
ており、固定用部材(22)(たとえばナット)によ
り、素子(9)の中空部を貫通している可動ヨーク
(7)と連結される。従って、ソレノイドコイル(1
0)に通電したときに素子(9)が伸長して起る他端
(9″)の変位は、弁(6)を開ける動きとなる。可動
ヨーク(7)は剛性の物体であるが、この代わりにワイ
アを用いてもよい。ワイアとは、一本又は複数の細長い
金属線からなるもののみでなく、チェーンなどを包含
し、要するに引張力に抗するものであればよく、その素
材は金属であることが好ましいが、これに限定されな
い。
に示す。図5において、可動ヨーク(7)と素子(9)
の他端(9″)がワイア(14)で連結されている。加
圧ペイントの室(1)と素子(9)のホールダー(2
1)とは分離されており、但し、図示しないフレームに
より相対的位置が固定されている。室(1)は、シール
材(12)により閉じられている。可動ヨークと素子と
が可撓性のワイア(14)で連結されているので、可動
ヨークの動きの方向と、素子の他端(9″)の動きの方
向を一致させる必要はない。素子の他端(9″)による
引張りの力の方向を、偏向部材(15)たとえば上記フ
レームに対して固定されたガイドローラによって、可動
ヨークを引張る方向に変えることができる。偏向部材
は、ワイア(14)を収容している円筒形ガイドであっ
てもよい。この態様においては、ノズル部と超磁歪素子
部とが別れているので、夫々を小型化でき、かつその相
対的位置を自由に選べる。従って複数のノズル部をコン
パクトに密集して、小型の印字ヘッドを構成することが
容易である。
の方式のマーキング装置を本出願人は先に出願し、特許
されている(特許第2868756号)。そこでは、加
圧した液体を弁の開閉により吐出させるのではなく、超
磁歪素子がゴム弾性体を押圧して、ゴム弾性体が囲む液
体室の体積を急に減少することにより液体を吐出させる
ものである。これを図6に示す。図6においてソレノイ
ドコイル(66)に通電されていない状態において、被
振動体の前端(64´)がゴム弾性体(67)に密着し
て液体通路(63)を閉じる。この際、被振動体の前端
(64´)がゴム弾性体を押して少しへこませているこ
とが好ましい。ソレノイドコイルに通電すると、超磁歪
素子(65)が軸方向に伸長する。従って、被振動体
(64)がゴム弾性体(67)を押圧して更にへこま
せ、ノズル(61)の先端から液体が吐出される。次
に、ソレノイドコイルへの通電を切ると、超磁歪素子
(65)の寸法が元に戻ることにより、被振動体(6
4)の前端(64´)が元の位置へと復帰する。この
際、ゴム弾性体の変形戻りの速さよりも速く被振動体を
動作させることによってゴム弾性体と被振動体の前端の
間に間隙が生じる。従って、この間隙を通して、次の吐
出のために液体が液体通路(63)に補給される。現在
入手できる超磁歪素子とシリコーンゴムOリングは、こ
のために必要な応答速度を十分に満たす。
子の伸長又は伸縮変位により液体を吐出させてマークを
記すところのマーキング装置を、より高速で応答させる
ことを本発明は目的とする。
より生じる磁界の強さにほぼ比例する。立ち上り応答を
早くする、即ち短時間で所定の歪み量を得るためには、
大きい電流をパルス状にソレノイドコイルに流せばよい
訳であるが、するとソレノイドコイルが発熱し、従って
また超磁歪素子の温度も上がるという問題が生じる。
超磁歪素子は急速に元位置へ復帰するのであるが、慣性
により元位置を越えて変位し(余振)、弾性体より出来
ている弁座(5)を過度に押圧し、又は図6におけるゴ
ム弾性体(67)の押圧が不足する。すなわち、超磁歪
素子は、予定しているようなきれいなパルス変位をせ
ず、不規則な動きをする。従って、高速で繰り返し応答
させることが困難になる。
とを目的とする。
ところのマーキング装置であって、ノズル(1)、前端
が該ノズル(1)と通じ、後端(3’)が、液体が充満
されている液体室(2)に向いて開いている液体通路
(3)、液体室(2)内にあり、その前端(4’)が液
体通路(3)の該後端(3’)に対向している被振動体
(4)、該被振動体(4)の後端に結合されている超磁
歪素子(5)、及び該超磁歪素子(5)の軸方向を取り
囲んで配置されているソレノイドコイル(6)、を該装
置が有し、かつ上記液体通路(3)の後端(3’)と上
記被振動体(4)の前端(4’)との間に、液体通路の
該後端(3’)の開口を取り囲んでブム弾性体(7)が
設けられ、ソレノイドコイル(6)に通電されていない
状態において被振動体の上記前端(4’)がゴム弾性体
(7)に密着して液体通路(3)を閉じており、ソレノ
イドコイル(6)に通電して磁界を生じると、超磁歪素
子(5)の軸方向寸法が増加することにより、被振動体
(4)の前端(4’)がゴム弾性体(7)を押圧して更
にへこませ、従ってノズル(1)の先端から液体が吐出
し、次にソレノイドコイル(6)への通電を切ると、、
超磁歪素子(5)の寸法が元に戻ることにより被振動体
(4)の前端(4’)が元の位置へと復帰し、この際、
ゴム弾性体(7)の変形戻りの速さよりも速く被振動体
(4)を動作させることによってゴム弾性体(7)と被
振動体(4)との間に間隙を生じさせ、該間隙を通して
液体が液体通路(3)に補給されるところの装置の制御
方法において、ソレノイドコイルに少なくとも2の駆動
パルス電流(P1、P2)を通電することにより超磁歪
素子の所要の変位ピークをもたらすこと、続いて超磁歪
素子が変位ピークの後に元位置に達する直前に、ソレノ
イドコイルに制動パルス電流(P3)を通電することに
より、超磁歪素子が慣性により元位置を越えて変位する
余振を制動することを特徴とする方法である。
御方法である。ソレノイドコイルにa0アンペアの電流
を短時間パルス(P0)状に流すと、ソレノイドコイル
はパルス状に磁化され、それに応じて超磁歪素子の自由
端はhμmだけ急に変位し、続いて元位置方向に急に戻
るが、慣性により元位置を越えてしまい、減衰振動して
停止する。図は、元位置に弁座がない場合における余振
状態を示しているが、弁座(弾性体)がある場合にはよ
り複雑な動きをする。この余振が減衰しないうちに次の
パルス電流をソレノイドコイルに流すと、素子の立ち上
がりが不規則になる。これを避けるためには、パルスと
パルスの間の時間間隔をとる必要があり、従って、高速
マーキングが出来ない。
ルス(P0)の電流(a0アンペア)よりも小さい電流
(a1)を印加し(P1)、これにより超磁歪素子が立
ち上がってから、次の電流(a2アンペア)を通電する
(P2)。a1とa2は同じでも、異なっていてもよ
い。好ましくは、P1により起きる素子の変位ピークの
50〜80%、より好ましくは60〜70%に相当する
変位が生じた時点にP2による変位が開始するように、
P1とP2の間隔を空ける。図1の(A)における磁化
状態及び素子動作は、これを示している。2つの変位の
合成の結果として、所定の変位(hμm)が生じる。こ
のタイミングをはずしてP2を印加すると、変位合成の
効果がほとんどない。
ように2つのピーク電流P1及びP 2により所定の変位
(hμm)が生じた後に素子が元位置に復帰していく途
上で、ソレノイドコイルに電流パルス(P3)を印加し
て、復帰動作にブレーキをかける。これにより、余振が
著しく減じられる。好ましくは、素子が変位ピーク(h
μm)の60〜0%、より好ましくは50〜10%の位
置まで復帰した時点で制動パルス(P3)による制動が
始まるタイミングで制動パルス(P3)を印加する。制
動パルス(P3)をかけるタイミングが早すぎると減衰
が短くならず、タイミングが遅すぎると制動パルス(P
3)自体が余振を生じてしまう。
mmの正の超磁歪素子を、図4に示すようにスプリング
により長手方向に圧縮するように付勢(6Kgf)して
取付けた。素子を取り囲むように、ソレノイドコイル
(900回巻)を配置した。時点ゼロにおいて4アンペ
アのパルス電流(P1)をソレノイドコルに通電し始め
(パルス幅25μ秒)、時点70μ秒において4アンペ
アのパルス電流(P2)をスタートさせた(パルス幅2
0μ秒)。時点140μ秒において、3アンペアの制動
パルス電流をスタートさせた(パルス幅15μ秒)。こ
のようにして、比較的小さい電流4アンペアで所定の変
位(50μm)を達成し、かつ減衰をほとんどゼロに出
来た。次のパルス電流(P1)は、時点160μ秒以降
にはスタートさせることができる。従って、高速応答が
可能である。
定の電流を流すことはCPUを用いて簡単に行うことが
でき、当業者にとって明らかであり、特に説明を要しな
いであろう。
図。
図。
図。
図。
図。
Claims (3)
- 【請求項1】 液体を噴出させてマークを印すところの
マーキング装置であって、 ノズル(1)、 前端が該ノズル(1)と通じ、後端(3’)が、液体が
充満されている液体室(2)に向いて開いている液体通
路(3)、 液体室(2)内にあり、その前端(4’)が液体通路
(3)の該後端(3’)に対向している被振動体
(4)、 該被振動体(4)の後端に結合されている超磁歪素子
(5)、及び該超磁歪素子(5)の軸方向を取り囲んで
配置されているソレノイドコイル(6)、 を該装置が有し、かつ上記液体通路(3)の後端
(3’)と上記被振動体(4)の前端(4’)との間
に、液体通路の該後端(3’)の開口を取り囲んでブム
弾性体(7)が設けられ、ソレノイドコイル(6)に通
電されていない状態において被振動体の上記前端
(4’)がゴム弾性体(7)に密着して液体通路(3)
を閉じており、 ソレノイドコイル(6)に通電して磁界を生じると、超
磁歪素子(5)の軸方向寸法が増加することにより、被
振動体(4)の前端(4’)がゴム弾性体(7)を押圧
して更にへこませ、従ってノズル(1)の先端から液体
が吐出し、次にソレノイドコイル(6)への通電を切る
と、、超磁歪素子(5)の寸法が元に戻ることにより被
振動体(4)の前端(4’)が元の位置へと復帰し、こ
の際、ゴム弾性体(7)の変形戻りの速さよりも速く被
振動体(4)を動作させることによってゴム弾性体
(7)と被振動体(4)との間に間隙を生じさせ、該間
隙を通して液体が液体通路(3)に補給されるところの
装置の制御方法において、ソレノイドコイルに少なくと
も2の駆動パルス電流(P1、P2)を通電することに
より超磁歪素子の所要の変位ピークをもたらすこと、続
いて超磁歪素子が変位ピークの後に元位置に達する直前
に、ソレノイドコイルに制動パルス電流(P3)を通電
することにより、超磁歪素子が慣性により元位置を越え
て変位する余振を制動することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 最初の駆動パルス電流(P1)により生
じるべき超磁歪素子の振幅の50〜80%に相当する変
位が生じた時点で第二の駆動パルス電流(P 2)による
変位が始まるタイミングで第二のパルス電流(P2)を
通電する請求項1の方法。 - 【請求項3】 超磁歪素子が、変位ピークを過ぎて変位
ピークの60〜0%の位置まで復帰した時点で制動パル
ス(P3)による制御が始まるタイミングで制動パルス
(P3)を通電する請求項1又は2の方法。
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JP25788999A JP3368236B2 (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 超磁歪素子を用いたマーキング装置の制御方法 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3368236B2 (ja) |
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