JP3368153B2 - 課金装置およびその方法 - Google Patents

課金装置およびその方法

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JP3368153B2 JP20595196A JP20595196A JP3368153B2 JP 3368153 B2 JP3368153 B2 JP 3368153B2 JP 20595196 A JP20595196 A JP 20595196A JP 20595196 A JP20595196 A JP 20595196A JP 3368153 B2 JP3368153 B2 JP 3368153B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は課金装置およびその
方法に関し、例えば、動画像、静止画像、サウンド、コ
ンピュータプログラム、その他データを含む情報を伝送
し提供するマルチメディアネットワークにおける課金装
置およびその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、幹線通信網における光ファイバネ
ットワークの整備、ケーブルテレビシステムの普及、衛
星通信の実用化、ローカルエリアネットワークの普及な
どが急速に進んだ。さらに、これらの通信網の相互接続
も積極的になされている。これらの通信網を用いて、キ
ャラクタデータ、静止画、サウンド、動画などを含む所
謂マルチメディア情報が世界的な規模で交換されるよう
になった。
【0003】これに伴い、かかる通信網を利用して様々
な情報を提供し、その情報の内容および量に応じて料金
を徴収する、所謂情報サービス産業が増大している。こ
のようなサービスにおいては、提供した情報に対する課
金を適切に行うことが重要である。さらに、ディジタル
データであるマルチメディア情報は、編集や変形といっ
た情報の改変が容易であり、情報の配布や売買といった
流通だけでなく、提供情報の改変についても適切に課金
することができる技術が必要になる。
【0004】また、情報の保護は不完全であり、プログ
ラムやサウンドを含む映像情報の不正利用が問題になっ
ている。情報の不正利用を防ぐために、コピー防止機能
を付けたり、コンピュータなどに付与されているハード
ウェア機番に相当する番号をソフトウェアにも付与し
て、ソフトウェアの実行時に、二つの番号を照合する、
などの方法がある。しかし、コピー防止機能は、ソフト
ウェアをバックアップする際などに不便だし、番号を照
合する方法は、番号の管理や販売に関して不便であり、
あまり実用的ではない。
【0005】それに対して、「超流通」というソフトウ
ェア権利者(以後「情報提供者」という)の権利保護を
目指した概念が森亮一氏によって提案され、特開昭60-7
7218、特開昭60-191322、特開昭64-68835、特開平2-444
47、特開平4-64129などに示されている。
【0006】図1は特開平4-64129に示された超流通の概
念図である。情報提供者Pは、提供するソフトウェアPPi
(またはPPj)の利用可否を、ソフトウェアに固有のデ
ータPIDi(またはPIDj)と、利用者のUSER-IDごとの条
件によってCHECKで判定し、利用可ならばソフトウェア
の利用履歴をSHに記録する。そして、情報提供者Pは、
履歴に基づきソフトウェアの利用料金を請求する。な
お、図に示すSSUは、以上の各手段を含むソフトウェア
サービスユニットである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した技術
においては、次のような問題点がある。
【0008】(1)超流通は、情報提供者に情報の利用が
許可された利用者であるかどうかを利用者に固有のデー
タによって判定する。そのため、超流通の実現手段は、
少なくとも利用者に固有のデータを格納する格納手段を
有する。従って、情報を利用しようとする者は、予め情
報提供者に情報の利用を申し込み、USER-IDを得、利用
者固有データとして登録する必要がある。利用申し込み
手続や、多数の利用者固有データ(USER-ID)の管理は煩
雑である。
【0009】(2)情報の不正利用を防止するため、また
は、提供する情報の利用状況を情報提供者が把握するた
めに、超流通の実現手段は、情報の利用履歴を格納する
格納手段を備えている。情報提供者は、この履歴に基い
て利用者に料金を請求する。超流通においては、情報は
買い取りではなくレンタル的な扱いをするため、利用履
歴が必要になる。しかし、利用者がどのような情報を利
用したかという利用履歴は利用者のプライバシに関わ
り、利用者のプライバシをどのように保護するかという
課題がある。
【0010】(3)超流通は、提供情報の利用状態を正し
く把握する、すなわち料金を正しく課するための手段お
よび方式であるが、料金の支払いに関する手段や方式を
含んでいない。従って、情報提供者は超流通以外の手段
により料金の請求および徴収を行う必要がある。
【0011】(4)超流通によるソフトウェアに固有のデ
ータを用いた課金は、情報量は小さいが、それを利用す
ることに価値があるコンピュータプログラムのような情
報を目的にするものである。リアルタイムの動画像など
のように情報量が非常に大きい情報の提供においては、
その利用料金だけでなく、伝送に対する料金も大きくな
る。しかし、超流通は、回線使用料やマルチメディア端
末の使用料などに関する課金には対応していない。提供
情報だけでなく伝送路や端末の提供に対する課金も行え
る方式が望まれる。
【0012】(5)超流通は、提供する情報の利用可否を
判定するが、判定後の利用に関しては何の制限ももたな
い。利用の段階に応じて利用可否を判定し、その判定結
果に応じて情報の利用を制限することができる方式が望
まれる。
【0013】本発明は、上述した問題を個々に、また
は、まとめて解決するためのものであり、利用申し込み
手続や、多数の利用者固有データの管理が不要にするこ
とを目的とする。
【0014】また、利用者のプライバシを保護すること
を他の目的とする。
【0015】また、料金の請求および徴収を容易にする
ことを他の目的とする。
【0016】また、提供情報だけでなく伝送路や端末の
提供に対する課金をも可能にすることを他の目的とす
る。
【0017】また、提供情報の利用の段階に応じて利用
可否を判定し、その判定結果に応じて情報の利用を制限
し、課金を行うことを他の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成する一手段として、以下の構成を備える。本発明に
かかる課金装置は、マルチメディアネットワークを介し
て利用者の端末に提供されるマルチメディア情報に対し
て課金するための課金装置であって、前記マルチメディ
アネットワークを介して、有料のマルチメディア情報
と、そのマルチメディア情報の利用料金を示す第一の課
金情報とを受信する受信手段と、少なくとも前記マルチ
メディア情報に対して支払われる金銭と等価な情報であ
る金銭情報が記録された媒体の金銭情報を読み取る読取
手段と、前記第一の課金情報が示す利用料金と、前記金
銭情報が示す金額との比較に基づき、前記受信手段によ
り受信されたマルチメディア情報の利用可否を判定する
判定手段と、前記判定手段により利用可と判断される
と、前記第一の課金情報に応じて前記金銭情報を操作す
ることで、前記マルチメディア情報の利用に対して課金
する課金手段とを備え、前記第一の課金情報が示す利用
料金は、前記マルチメディア情報の使用条件に対応する
画像の解像度、暗号の処理速度、暗号の強度またはMPEG
ピクチャの組み合わせに応じて、その金額が段階的に設
定されたものであり、前記判定手段は、前記第一の課金
情報が示す利用料金および前記マルチメディア情報の使
用条件に基づき、前記マルチメディア情報の利用可否を
判定することを特徴とする。
【0019】本発明にかかる課金方法は、マルチメディ
アネットワークを介して利用者の端末に提供されるマル
チメディア情報に対して課金するための課金方法であっ
て、前記マルチメディアネットワークを介して、有料の
マルチメディア情報と、そのマルチメディア情報の利用
料金を示す第一の課金情報とを受信し、少なくとも前記
マルチメディア情報に対して支払われる金銭と等価な情
報である金銭情報が記録された媒体の金銭情報を読み取
り、前記第一の課金情報が示す利用料金と、前記金銭情
報が示す金額との比較に基づき、受信したマルチメディ
ア情報の利用可否を判定し、前記判定により利用可と判
断されると、前記第一の課金情報に応じて前記金銭情報
を操作することで、マルチメディア情報の利用に対して
課金する各ステップを備え、前記第一の課金情報が示す
利用料金は、前記マルチメディア情報の使用条件であ
る、画像の解像度、暗号の処理速度、暗号の強度または
MPEGピクチャの組み合わせに対応して、その金額が段階
的に設定されたものであり、前記判定は、前記第一の課
金情報が示す利用料金および前記マルチメディア情報の
使用条件に基づき、前記マルチメディア情報の利用可否
を判定することを特徴とする。
【0020】好ましくは、さらに、前記マルチメディア
ネットワークの利用料金を示す第二の課金情報を受信
し、前記第一および第二の課金情報と前記金銭情報とに
基づき、前記判定を行うことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施形態
の課金システムを図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
【第1実施形態】図2は本発明にかかる第1実施形態の課
金方式を示す図である。図2において、Pは情報提供者、
PPi(またはPPj)はPによって提供される有償の情報、P
IDi(またはPIDj)はPPiに固有の情報固有データ、PPC
は金銭情報、CHECKは利用可否の判定部である。
【0023】情報提供者Pは、PIDを含めた形で情報PPを
提供する。情報PPは、パーソナルコンピュータなどの利
用者端末において利用される際、必ず課金部を経由する
ように構成してあり、その課金部には金銭情報であるPP
Cの受け口がある。
【0024】情報PPの利用要求が生じると、利用可否判
定部CHECKは、PIDおよびPPCの少なくとも一部の情報に
基づいて、情報PPの利用の可否をチェックし、判定結果
を利用者端末に通知する。例えば、CHECKは、PIDに示さ
れた利用料金がPPCの金銭情報以内であるか否かなどの
チェックを行う。もし、CHECKの判定結果がOKであれ
ば、利用者端末において情報PPの利用が可能になる。こ
のときのPIDやPPCに関する情報、つまりPPの利用料金や
PPCの残高などは、表示部に表示される。また、CHECKに
よる判定結果も表示部に表示すことができる。
【0025】PPCには、現金、プリペイドカードなどが
利用できるが、記憶媒体(フロッピディスク、磁気カー
ド、ICカード、PCMCIAカードなど)に格納された金銭と
等価な電子的情報、所謂ディジキャッシュや電子マネー
と呼ばれるものであってもよい。
【0026】すなわち、本実施形態においては、利用者
ごとの固有データUSER-IDを用いる代わりに、利用者に
依存しない金銭情報PPCによって情報PPの利用可否を判
定する。従って、利用者は、USER-IDなどを得るための
申込手続をする必要がなく、実際の金銭、または金銭と
等価な金銭情報PPCをもつだけでよい。つまり、利用者
は、利用する情報PPの利用料を支払うだけである。ま
た、多数の利用者固有データを管理する必要がなく、前
述した課題(1)を解決することができる。
【0027】また、本実施形態においては、利用者固有
データを必要としないため、情報提供者Pは、どの利用
者が情報PPを利用したかを知ることはできない。しか
し、情報提供者Pは、情報PPの利用に応じた料金が支払
われさえすれば充分であり、どの利用者が情報PPを利用
したかという利用者のプライバシに関わる情報を知る必
要はない。従って、前述した課題(2)を解決することが
できる。
【0028】従って、本実施形態においては、どのUSER
-IDをもつ利用者が、どの情報PPを利用したかという利
用履歴を格納する格納部をもたないが、どの情報PPが何
度利用されたかという利用頻度を格納する格納部、また
は、情報PPを現在利用していることを知らせる利用通知
部を有することはできる。図2においては、点線で示す
経路により、利用通知が情報提供者Pに送られる。具体
的な利用頻度格納部または利用通知部は後述する実施形
態で詳細に説明する。
【0029】本実施形態においては、PPCは金銭と等価
な情報であるので、PPCを用いること自体が料金の支払
いに相当する。これにより、前述した課題(3)も解決さ
れるが、具体的なPPCの入手法と回収法、および料金の
分配法は、課題(2)と絡めて後述する実施形態に示す。
【0030】さらに、課題(4)に関しては、PIDの他に、
伝送路や端末の使用に関し、伝送路や端末の提供者など
が設定するTIDと呼ぶデータを情報PPに付加することに
よって解決することができる。なお、TIDをPIDの中に含
むこともできる。TIDに関する具体的な例も後述する実
施形態で詳細に説明する。
【0031】さらに、課題(5)に関しては、PID、TIDに
利用の段階に応じた利用料金を記述し、PPCが示す金額
がその利用料金以上ならば、CHECKは情報PPの利用を許
可する。利用者は情報PPの利用段階を、必要に応じて、
不図示のタッチパネルやキーボードなどによって設定す
る。CHECKは、時間や、その段階的な使用条件が設定ま
たは変更される度に、利用可否の判定を行う。なお、課
題(5)に関する具体例も後述する実施形態に示す。
【0032】
【第2実施形態】以下、本発明にかかる第2実施形態の課
金システムを説明する。なお、第2実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0033】図3は第2実施形態の課金方式を示す図で、
PPCが現金である場合を示している。
【0034】課金部は、情報PPのPIDに示された利用料
金を表示部に表示する。利用者は、利用料金表示に従
い、PPCの受け口に所定の金銭(例えばコインや紙幣)
を投入する。CHECKは、投入金額がPIDに示された料金を
超えたとき、情報PPの利用を許可する。
【0035】また、時間に応じて料金が更新される場
合、課金部は、その旨を表示部に表示し、利用者に追加
料金を投入させるようにする。また、不図示の入力部な
どにより使用条件を設定する場合、課金部は、それに応
じた料金を表示部に表示し、利用者に料金を投入させる
ようにする。つまり、CHECKは、時間や設定された使用
条件、追加投入された金額、PIDに記述された料金に基
づき、再判定を行うように構成されている。
【0036】投入された金銭は、COIN BOXに格納され、
情報提供者Pまたは料金の回収を行う機関により回収さ
れる。このとき、CNTに記録された情報PPごとの利用頻
度情報も回収され、その利用頻度情報に応じてCOIN BOX
から回収した金額が各情報提供者Pに分配される。勿
論、提供する情報PPが一つであるなど、利用頻度情報が
不要の場合は、CNTを省略することができる。
【0037】このように、本実施形態に示す現金を用い
た課金方式により、情報提供者または料金分配者が、例
えば、公衆電話ボックス、ゲームセンタ、喫茶店、図書
館などに利用者端末を設置すれば、設置された利用者端
末を、多数の人が現金を用いて利用することができる課
金システムを実現することができる。
【0038】
【第3実施形態】以下、本発明にかかる第3実施形態の課
金システムを説明する。なお、第3実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0039】図4は第3実施形態の課金方式を示す図で、
PPCがプリペイドカードの場合を示している。
【0040】利用者は、PPCの受け口にプリペイドカー
ドを挿入する。CHECKは、挿入されたプリペイドカード
の残高が、PIDに示される料金より多い場合には情報PP
の利用を許可する。この場合、情報PPの利用料金が時間
によって更新される場合も、プリペイドカードに充分な
残高があれば継続して利用可能であるように、課金部は
構成されている。
【0041】また、不図示の入力部などにより使用条件
が設定または変更された場合も、それに応じた金額をプ
リペイドカードから差し引くように、課金部は構成され
ている。このような利用の可否判定は、時間や使用条件
に応じて、CHECKが、プリペイドカードの残高およびPID
の記述に基づき再判定を行うように構成すればよい。
【0042】なお、プリペイドカードの初期金額にも限
界があるので、PPCの受け口はプリペイドカードを追加
挿入することができる構成にし、複数のプリペイドカー
ドを連続的に使用することができる構成にするのが望ま
しい。
【0043】テレホンカードなどと同様に、多種多様の
販売店などで販売するようにすれば、プリペイドカード
の入手は容易である。この場合、プリペイドカードの製
造または販売会社が料金の分配者になり、情報提供者P
は、料金の分配者に対して登録を行うことにより、情報
PPの利用に応じた料金の分配を受けることができる。勿
論、プリペイドカードの販売店は、料金の分配者に含ま
れる。
【0044】利用に応じた料金の分配に関しては、課金
部が通信インタフェイス(I/F)を用いて利用情報を料金
分配者に知らせる利用通知によって実現する。ただし、
利用通知は、課金部がプリペイドカードから利用料金を
差し引くときに限り出力されるように構成する。
【0045】通信I/Fは、情報PPを通信により入手する
場合にも利用することができる。従って、図5に示すよ
うに、料金分配者や、複数の情報提供者および利用者
は、ネットワーク接続されていることになり、料金分配
者は利用通知に応じて、所定の料金を所定の情報提供者
に分配する。
【0046】また、通信I/Fをもたない場合は、利用す
る情報PPに応じてプリペイドカードの種類を替えるとい
う方法もある。この場合、CHICKは、利用される情報PP
のPIDの記述と、プリペイドカードの種類とから利用可
否を判定し、適切なプリペードカードが挿入されていれ
ば、情報PPの利用を可能にする。
【0047】また、情報PPの利用記録をプリペイドカー
ドに記録する手段を課金部がもたせ、使用済みのプリペ
イドカードを回収することにより、利用に応じた料金の
分配を行うこともできる。この場合、プリペイドカード
の回収を促進するためには、例えば、プリペイドカード
を交換する場合のカード代金と、交換ではない場合のカ
ード代金とに差を付ける。つまり、交換の場合はカード
残高に見合ったカード代金とし、交換ではない場合のカ
ード代金はカード自体の代金を含むようにすればよい。
ただし、それでも回収できない利用記録に対応する料金
は、回収できた利用記録に応じた比率で分配するなどの
処置を取る。
【0048】このように、本実施形態に示すプリペイド
カードを用いた課金方式により、情報提供者はCD-ROM、
パソコン通信、インターネットなどを利用して、広範囲
に情報を配布し、一方、料金分配者となる所定機関がプ
リペイドカードを作製し販売すれば、利用者は販売店な
どを通じてプリペイドカードを購入し、入手した情報を
自宅その他の利用者端末で利用する課金システムが実現
できる。
【0049】
【第4実施形態】以下、本発明にかかる第4実施形態の課
金システムを説明する。なお、第4実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0050】図6は第4実施形態の課金方式を示す図で、
書換が比較的容易な電気的または/および磁気的なデバ
イス、例えばフロッピディスク、ICカード、磁気カード
をPPCに利用するものである。PPCに記録されている金銭
情報は、銀行などの金融機関によって保証されたデータ
や、販売店を含む料金分配者によってのみ加算処理でき
る特殊なデータである。
【0051】情報PPの利用者は、PPCの受け口にPPCを挿
入する。課金部のCHECKは、PPCから金銭情報を読出し、
その金額が情報PPのPIDに示された利用料金よりも多
く、かつ、そのPPCの発行元である料金分配者に利用料
金の請求が可能である場合に、情報PPの利用を許可す
る。勿論、情報PPの利用料金が時間単位の場合でも、PP
Cに残高がある限りは、継続して情報PPを利用すること
ができる。また、不図示の入力部などにより使用条件を
設定、変更する場合、課金部は、その設定、変更に応じ
てPPCから所定の料金を差し引く。つまり、CHECKは、時
間や設定された使用条件、追加投入された金額、PIDに
記述された料金に基づき、再判定を行うように構成され
ている。
【0052】この場合の金銭情報は、電子的に読み書き
可能な情報であるから、課金部は、通信I/Fを介して所
定の手続きを経て、料金分配者と金銭情報の入出力を行
うことができる。
【0053】前述した第1および第2実施形態と異なり、
本実施形態における情報PPの利用者は金銭を料金分配者
に直接支払うわけではない。利用者と契約を結んだ銀行
や金融機関(以後「料金立替者」と呼ぶ)が、料金分配
者に対して利用者の金銭支払いを保証するものである。
従って、図7に示すように、料金分配者、料金立替者、
複数の情報提供者および利用者は、ネットワーク接続さ
れていることになる。
【0054】さらに、前述した利用通知を、第3実施形
態と同様に、通信I/Fを介して料金分配者へ送ることが
でき、情報PPの利用に応じた料金の分配が可能になる。
この場合、利用料金を電子マネーとして、直接、料金分
配者や情報提供者に送ることもできる。
【0055】具体的には、次のような通信処理によって
電子マネーの入金出金を実現することができる。ただ
し、課金部は、後述するような暗号処理部および認証処
理部を有し、後述するTAなどで示すタイムスタンプを完
全に管理する管理部を有する必要がある。これは、書換
え可能なPPCを考慮して、金銭情報の不正な書き換えやP
PCの複製を防止するたの処置である。つまり、金銭情報
を認証可能にし、タイプスタンプの管理によって金銭情
報のコピーなどの不正に対抗するものである。
【0056】利用者をA、情報提供者をB、料金分配者を
C、料金立替者をDとし、それぞれは署名可能な秘密鍵を
秘密に保持し、通信相手はその署名を検査できる公開鍵
を知っている(例えば、Aの秘密鍵をsA、公開鍵をpAと
する)とする。ここで、AがBの提供する情報Piを利用す
る場合を考える。ただし、Xの鍵Yによる処理結果を{X}
∧Yで表し、利用者の各処理、および鍵やタイムスタン
プTAの管理は、課金部内の安全性が保証された手段、ま
たは、各人の記憶や記録によるとする。
【0057】[金銭情報入手処理] (1)利用者Aは、例えばa円分の金銭情報の入力要求に、
自分の登録情報iA(例えば口座番号やクレジット番号)
を付加し、その情報に秘密鍵sAで署名したメッセージMA
を料金分配者Cに送る。 MA = {A,{A, iA, a, TA}∧sA}
【0058】(2)料金分配者Cは、メッセージMAの署名を
利用者Aの公開鍵pAで検査し、正しい情報であることを
確認する。正しい情報であることを確認すると、メッセ
ージMAから取出した登録情報iAを用いて、料金立替者D
にa円の請求を行う。その請求が受入れられると、基本
単位e(例えば、情報PPが100円単位であれば100円)ご
とに、金銭情報に料金配分者Cの署名鍵sCで署名したメ
ッセージMCを利用者Aに送る。ただし、メッセージMCに
は、TAと異なるタイムスタンプTCiが付加される。 MC = Σ{TA,{C, e, TCi}∧sC}∧pA
【0059】(3)利用者端末の課金部は、メッセージMC
のそれぞれを鍵pAで復号し、さらに、料金分配者Cの公
開鍵pCで署名を検査し、正しい情報であることを確認す
ると、{C, e, TCi}∧sCをPPCに記録する。
【0060】ただし、TAやTCiはタイムスタンプであ
り、同じ送信者からの同じタイムスタンプをもつメッセ
ージは不正な情報であるといえる。また、TAやTCiは、
タイムスタンプでなくても、シリアル番号や、偶然に一
致することがない、または、少ない乱数でもよい。
【0061】[利用情報通知処理] (1)利用者Aが情報Piの利用を希望するとき、PPCの残高
がPIDiに示される利用料金より大きければ、課金部は情
報Piの利用を許可する。
【0062】(2)利用者Aが情報Piの利用を終了すると
き、または、利用中に、課金部は利用料金分の金額をPP
Cの残高から引き落とす。
【0063】(3)このとき、利用者Aは、利用通知MBを料
金分配者Cに送る。ただし、PPCから引き落とされた金額
をbとする。 MB = {A, B,{B, b, TB}∧sA}
【0064】(4)料金分配者Cは、メッセージMBを検査
し、正しい情報であることを確認すると、利用料b(ま
たはその一部を除いた金額)を情報提供者Bへの分配金
として支払う。
【0065】以上では、料金分配者と利用者の間におけ
る暗号方式は公開鍵暗号とする例を説明したが、予め鍵
が共有されていれば共通鍵暗号を用いてもよいことは明
らかである。また、タイムスタンプの時間によって、各
メッセージの有効期間を定めることもできる。以上にお
いて、メッセージ内の並び順は順不同であり、A, Bなど
で示す利用者の識別子やタイムスタンプは、必ずしも必
要でない場合がある。さらに、上記の金銭情報入手処理
および利用情報通知処理の手順は一例であり、電子的な
情報を金銭情報として、利用者固有データを用いずに課
金処理を行うものはすべて本発明に含まれる。
【0066】また、利用者端末が通信I/Fをもたない場
合、利用者は、販売店など料金分配者に出向き、PPCに
格納する金銭情報を入力してもらうことになる。また、
課金部は、利用通知MBのような情報の利用記録をPPCに
記録し、そのPPCに金銭情報を入力する際に、利用記録
が回収されることによって、情報の利用に応じた料金を
分配することができる。このような電子的な金銭情報
は、前述したように、料金分配者だけが処理できる特殊
なデータである。従って、通信I/Fをもたない利用者
は、PPCを用いるためには必ず販売店など料金分配者を
介する必要があるので、利用記録は必ず回収でき、利用
に応じた料金の分配が可能である。
【0067】このように、本実施形態に示すフロッピデ
ィスクなどを用いた課金方式により、フロッピディスク
ドライブを備えたパーソナルコンピュータなどのような
利用者端末では、PPCのための特別な受け口を必要とし
ない。さらに、金銭情報の通信によるやり取りによって
プリペードカードの販売店を省略可能にし、暗号および
認証処理をソフト的に行うことにより、既存のネットワ
ーク上で容易に実現可能な課金システムが構成できる。
【0068】
【第5実施形態】以下、本発明にかかる第5実施形態の課
金システムを説明する。なお、第5実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0069】図8は第5実施形態の課金方式を示す図で、
ICカードやPCMCIAのような電子的なカードをPPCに利用
するものである。PPCに記録されている金銭情報は、銀
行などの金融機関によって保証されたデータや、販売店
を含む料金分配者によってのみ加算処理できる特殊なデ
ータである。
【0070】情報PPの利用者は、PPCの受け口にPPCを挿
入し、所定の手続き(暗証番号の入力など)によってPP
Cを動作可能にする。課金部のCHECKは、PPCから金銭情
報を読出し、その金額が情報PPのPIDに示された利用料
金より多く、かつ、PPCの発行元である料金配分者に利
用料金を請求が可能である場合に、情報PPの利用を許可
する。勿論、情報PPの利用料金が時間単位の場合でも、
PPCに残高がある限りは、継続して情報PPを利用するこ
とができる。また、不図示の入力部などにより使用条件
を設定、変更する場合、課金部は、その設定、変更に応
じてPPCから所定の料金を差し引く。つまり、CHECKは、
時間や設定された使用条件、追加投入された金額、PID
に記述された料金に基づき、再判定を行うように構成さ
れている。
【0071】この場合の金銭情報は、電子的に読み書き
可能な情報であるから、課金部は、通信I/Fを介して所
定の手続きを経て、料金分配者と金銭情報の入出力を行
うことができる。
【0072】前述した第1および第2実施形態と異なり、
本実施形態における情報PPの利用者は金銭を料金分配者
に直接支払うわけではない。利用者と契約を結んだ銀行
や金融機関(料金立替者)が、料金分配者に対して利用
者の金銭支払いを保証するものである。従って、図7に
示したように、料金分配者、料金立替者、複数の情報提
供者および利用者は、ネットワーク接続されていること
になる。
【0073】さらに、前述した利用通知を、第3実施形
態と同様に、通信I/Fを介して料金分配者へ送ることが
でき、情報PPの利用に応じた料金の分配が可能になる。
この場合、利用料金を電子マネーとして、直接、料金分
配者や情報提供者に送ることもできる。
【0074】具体的には、次のような通信処理によって
電子マネーの入金出金を実現することができる。ただ
し、通信や処理に関する安全性を考慮して、PPCに用い
る電子的なカードは、セキュリティ機能としての暗証番
号による所有者確認や、アクセス条件によるデータメモ
リへのアクセス制御や、後述するような暗号方式による
暗号および認証を行う。このとき、暗号処理や認証処理
に用いる秘密鍵は、アクセス制御されたメモリ領域に書
込まれ、そのアクセス条件を満たす者(カード発行者や
料金分配者など)しかアクセスできない。また、以下の
課金動作もカード発行者または料金分配者以外は変更す
ることができない。
【0075】利用者をA、情報提供者をB、料金分配者を
C、料金立替者をDとし、料金分配者Cは各利用者に対し
て暗号通信のための秘密鍵を共有し(例えば、AとCの間
の秘密鍵をsA、BとCの間の秘密鍵をsBとする)、料金配
分者Cは署名のための秘密鍵sCを保持し、それに対応す
る署名の検査鍵pCを公開しているものとする。以下、利
用者Aが情報提供者Bにより提供される情報Piを利用する
場合を考える。ただし、平文Xの鍵Yによる暗号文を{X}
∧Yで表し、利用者Aの各処理は、すべて上述したような
セキュリティ機能をもつPPC内で行われるものとする。
【0076】[金銭情報入手処理] (1)利用者Aは、例えばa円分の金銭情報の入力要求に、
料金立替者Dに対応する自分の登録情報iA(例えば口座
番号やクレジット番号)を付加し、その情報を料金分配
者Cに送る。 MA = {A,{A, iA, a, TA}∧sA}
【0077】(2)料金分配者Cは、メッセージMAの暗号部
分を利用者Aと共有する秘密鍵sAで復号し、登録情報iA
を用いて、料金立替者Dにa円の請求を行う。その請求が
受入れられると、金銭情報に料金配分者Cの署名鍵sCで
署名したメッセージMCを利用者Aに送る。 MC = {TA,{C, a, TC}∧sC}∧sA
【0078】(3)利用者Aは、メッセージMCを署名鍵sAで
復号し、さらに、署名鍵sCに対応する公開鍵pCで署名を
検査し、正しい情報であることを確認すると、PPCにa円
分の金銭情報を加算する。
【0079】ただし、TAやTCiはタイムスタンプであ
り、同じ送信者からの同じタイムスタンプをもつメッセ
ージは不正な情報であるといえる。また、TAやTCiは、
タイムスタンプでなくても、シリアル番号や、偶然に一
致することがない、または、少ない乱数でもよい。
【0080】[利用情報通知処理] (1)利用者Aが情報Piの利用を希望するとき、PPCの残高
がPIDiに示される利用料金より大きければ、課金部は情
報Piの利用を許可する。
【0081】(2)利用者Aが情報Piの利用を終了すると
き、または、利用中に、課金部は利用料金分の金額をPP
Cの残高から引き落とす。
【0082】(3)このとき、課金部は、利用通知MBを料
金分配者Cに送る。ただし、PPCから引き落とされた金額
をbとする。 MB = {A,{A, B, b, TB}∧sA}
【0083】(4)料金分配者Cは、このメッセージMBを検
査し、正しい条であることを確認すると、利用料b(ま
たはその一部を除いた金額)を情報提供者Bへの分配金
として支払う。
【0084】次に、AとBの間の情報も暗号通信によって
やり取りする場合、次の処理を前述した金銭情報入手処
理と利用情報通知処理の間で行えばよい。ただし、料金
分配者Cは情報提供者Bとも秘密鍵を共有しているとす
る。
【0085】[利用情報処理] (1)利用者Aは、情報提供者Bとの会話鍵の生成を依頼す
るため、次のメッセージを料金分配者Cに送る。 MA' = {A, B, TA'}
【0086】(2)料金分配者Cは、会話鍵CKを生成し、次
のメッセージを利用者Aに送る。 MC' = {{TC', A, CK}∧sB, TA', B, CK}∧sA
【0087】(3)利用者Aは、メッセージMC'を秘密鍵sA
で復号し、{TC', A, CK}∧sBを情報提供者Bに送る。
【0088】(4)情報提供者Bは、受信メッセージを署名
鍵sBで復号し、会話鍵CKで暗号化した情報を利用者Aに
送る。
【0089】(5)利用者Aは、会話鍵CKで暗号化情報を復
号する。
【0090】以上では、処理を簡単にするために料金分
配者と利用者の間における暗号方式は共通鍵暗号とする
例を説明したが、前の実施形態と同様に、公開鍵暗号を
用いてもよいことは明らかである。また、タイムスタン
プの時間によって、各メッセージの有効期間を定めるこ
ともできる。以上において、メッセージ内の並び順は順
不同であり、A, Bなどで示す利用者の識別子やタイムス
タンプは、必ずしも必要でない場合がある。さらに、上
記の金銭情報入手処理および利用情報通知処理の手順は
一例であり、電子的な情報を金銭情報として、利用者固
有データを用いずに課金処理を行うものはすべて本発明
に含まれる。
【0091】また、利用者端末が通信I/Fをもたない場
合、利用者は、販売店など料金分配者に出向き、PPCに
格納する金銭情報を入力してもらうことになる。また、
課金部は、利用通知MBのような情報の利用記録をPPCに
記録し、そのPPCに金銭情報を入力する際に、利用記録
が回収されることによって、情報の利用に応じた料金を
分配することができる。このような電子的な金銭情報
は、前述したように、料金分配者だけが処理できる特殊
なデータである。従って、通信I/Fをもたない利用者
は、PPCを用いるためには必ず販売店など料金分配者を
介する必要があるので、利用記録は必ず回収でき、利用
に応じた料金の分配が可能である。
【0092】このように、本実施形態に示すICカードや
PCMCIAなどの電子的なカードを用いた課金方式により、
第4実施形態の課金システムをより安全にした課金シス
テムを実現することができる。
【0093】
【第6実施形態】以下、本発明にかかる第6実施形態の課
金システムを説明する。なお、第6実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0094】図9は第6実施形態の課金方式を示す図で、
第5実施形態と同様に電子的な金銭情報を用い、料金分
配者の不要な課金方式である。複数の利用者および情報
提供者と、料金立替者とは、図10に示すように、ネット
ワーク接続されている。さらに、PPCとして用いる電子
カードは、セキュリティ機能として暗証番号による所有
者確認や、アクセス条件によるデータメモリへのアクセ
ス制御や、後述するような暗号方式による暗号および認
証を行うことができる。このとき、暗号処理や認証処理
に用いる秘密鍵は、アクセス制御されたメモリ領域に書
込まれている。また、以下の課金動作もカード発行者ま
たは料金分配者以外は変更することができない。
【0095】利用者をA、情報提供者をB、料金立替者を
Dとし、それぞれは署名可能な秘密鍵を保持し、通信相
手は署名を検査することができる公開鍵を知っているも
のとする。例えば、利用者Aの秘密鍵をsA、公開鍵をpA
とする。ここで、利用者Aが情報提供者Bが提供する情報
Piを利用する場合を考える。ただし、Xの鍵Yによる処理
結果を{X}∧Yで表し、利用者Aにおける処理はすべて上
述したようなセキュリティ機能をもつPPC内で行われ
る。
【0096】[金銭情報入手処理] (1)利用者Aは、例えばa円分の金銭情報の入力要求に、
自分の登録情報iA(例えば口座番号やクレジット番号)
を付加し、その情報を料金立替者Dに送る。 MA = {A,{A, iA, a, TA}∧sA}
【0097】(2)料金立替者Dは、メッセージMAの署名を
利用者Aの公開鍵pAで検査し、登録情報iAが正しく、利
用者Aに対してa円を支払可能であれば、a円に対応する
金銭情報を秘密鍵sDで署名したメッセージMDを利用者A
に返す。 MD = {TA,{D, a, TD}∧sD}∧sA
【0098】(3)利用者Aは、メッセージMDを公開鍵pAで
検査し、さらに、料金立替者Dの公開鍵pDで署名を検査
し、正しい情報であることを確認すると、PPCにa円分の
金銭情報を加算する。
【0099】ただし、TAやTCiはタイムスタンプであ
り、同じ送信者からの同じタイムスタンプをもつメッセ
ージは不正な情報であるといえる。また、TAやTCiは、
タイムスタンプでなくても、シリアル番号や、偶然に一
致することがない、または、少ない乱数でもよい。
【0100】[利用情報通知処理] (1)利用者Aが情報Piの利用を希望するとき、PPCの残高
がPIDiに示される利用料金より大きければ、課金部は情
報Piの利用を許可する。
【0101】(2)利用者Aが情報Piの利用を終了すると
き、または、利用中に、課金部は利用料金分の金額をPP
Cの残高から引き落とす。
【0102】(3)このとき、利用者Aは、利用通知MBを情
報提供者Bに送る。ただし、PPCから引き落とされた金額
をbとする。 MB = {A, B,{B, b, TB}∧sA}
【0103】(4)情報提供者Bは、メッセージMBを検査
し、正しい情報であることを確認すると、利用者Aの署
名{B, b, TB}∧sAを料金立替者Dに示し、b円の料金を受
取る。
【0104】利用者と情報提供者の間の情報も暗号通信
によってやり取りする場合、直接、相手の公開鍵を用い
て暗号通信を行うこともできるが、情報量が多い場合
は、次のように共通鍵暗号による暗号通信を行うことも
できる。この場合、各利用者と情報提供者の間には、共
通鍵暗号手段が共有されているとする。ただし、(1)(2)
において、AとBは逆であってもよい。
【0105】[情報利用情報処理] (1)利用者Aは、情報提供者Bとの共通鍵CKの公開鍵pBで
暗号化したメッセージを送る。 MA' = {A, B, CK, TA'}∧pB
【0106】(2)情報提供者Bは、受信メッセージを秘密
鍵sBで復号する。(3)情報提供者Bは、共通鍵CKにより共
通鍵暗号化した情報を利用者Aに送る。(4)利用者Aは、
共通鍵CKで共通鍵暗号化された情報を復号する。
【0107】以上では、説明を簡単にするために料金立
替者、利用者、情報提供者の暗号方式は公開鍵暗号とす
る例を説明したが、前述したように共通鍵暗号を用いて
もよいことは明らかである。また、タイムスタンプの時
間によって、各メッセージの有効期間を定めることもで
きる。以上において、メッセージ内の並び順は順不同で
あり、A, Bなどで示す利用者の識別子やタイムスタンプ
は、必ずしも必要でない場合がある。さらに、上記の金
銭情報入手処理および利用情報通知処理の手順は一例で
あり、電子的な情報を金銭情報として、利用者固有デー
タを用いずに課金処理を行うものはすべて本発明に含ま
れる。
【0108】おのように、本実施形態に示す課金方式に
より、料金分配者が不要、すなわち利用者と情報提供者
とが料金立替者を通して直接取引をする課金システムを
実現することができる。また、この課金方式および課金
システムは、将来実用化されると思われる、ある特殊な
データを金銭と同様に扱う電子マネーあるいはディジキ
ャッシュに対しても適用可能であることは明らかであ
る。
【0109】
【第7実施形態】以下、本発明にかかる第7実施形態の課
金システムを説明する。なお、第7実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0110】情報提供者により異なる鍵で暗号化された
多くの情報が格納されたCD-ROMが、販売店を通じて安価
に販売され、そのCD-ROMを購入した利用者からの依頼に
応じて情報提供者が指定情報の暗号鍵を知らせる際に、
その情報の利用代金を請求する課金方式が知られてい
る。しかし、この方式は、CD-ROMを販売する販売店にと
って媒体の販売利益は得られても、CD-ROMに格納された
情報を販売したことに対する利益は得られないという問
題がある。本発明で示すPPCによる課金方式を、レンタ
ル的な情報の利用だけでなく、情報の買い取りに対して
も用いることにより上記の問題を解決することができ
る。
【0111】すなわち、利用者は、販売店でのCD-ROMを
購入すると同時に、プリペイドカードなどのPPCも購入
する。そして、利用者が、情報提供者との通信(電話な
どを含む)によって暗号鍵を知るときに、プリペイドカ
ードによる支払を指定することによって、情報提供者
は、プリペイドカードを販売した販売店から情報の利用
代金を回収することができる。この方法によれば、情報
の利用代金も販売店を経由することになるので、販売店
は情報利用に対する利益も得ることができる。
【0112】課金部は、PPCの残高を検査し、利用しよ
うとする情報の料金以上の残高がある場合、その情報に
対する暗号を復号し、かつ、PPCから料金を差し引くよ
うにする。さらに、PPCは、その残高は換金できるよう
にし、情報提供者ごとに製作され販売店を通じてCD-ROM
と同様に販売される。従って、この実施形態では料金分
配者は不要である。
【0113】また、上述した各実施形態における利用情
報通知処理を以下のようにすることで、プリペイドカー
ドの利用情報通知処理も安全にすることができる。ただ
し、プリペイドカードには、プリペイドカードごとの識
別番号iPと、それに対応した秘密鍵sPが登録されている
ものとする。
【0114】[利用情報通知処理] (1)利用者Aが情報Piの利用を希望するとき、PPCの残高
がPIDiに示される利用料金より大きければ、課金部は情
報Piの利用を許可する。
【0115】(2)利用者Aが情報Piの利用を終了すると
き、または、利用中に、課金部は利用料金分の金額をPP
Cの残高から引き落とし、その結果をPPCに書込む。
【0116】(3)このとき、CHECKは、利用通知MBを情報
提供者Bに送る。ただし、PPCから引き落とされた金額を
bとする。 MB = {iP,{B, b, iP, TB}∧sP}
【0117】(4)情報提供者Bは、メッセージMBを登録さ
れた秘密鍵sPで復号し、正しい情報であることを確認す
ると、利用料bの一部をを販売店への分配金として支払
う。
【0118】従って、プリペイドカードごとの識別番号
iPと、それに対応した秘密鍵sPとを知るもの以外、この
利用通知を生成することはできない。
【0119】
【第8実施形態】以下、本発明にかかる第8実施形態の課
金システムを説明する。なお、第8実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0120】マルチメディアネットワークにおいては、
情報提供者のほかに、図11に示すように、ネットワーク
そのものにあたる伝送路の提供者や、高品質な端末が要
求されるので端末の提供者なども存在することが予想さ
れる。従って、利用者は、情報の利用だけでなく、伝送
路や端末の利用についても料金を支払う必要がある。そ
れらは別々の課金体系により処理されていてもよいが、
一つの課金体系によって処理された方が便利であり、か
つ、使用する情報単位で課金される方が細かい課金が可
能である。
【0121】前述した各実施形態に示した課金方式は、
情報提供者が設定するPIDと金銭情報であるPPCに基づい
て課金され、その課金は利用に応じて直接、または、料
金分配者を通じて情報提供者に分配されるものである。
従って、伝送路や端末などの提供者がPIDに相当する情
報を提供情報に付加することができれば、同様の手法に
よって、情報提供者を含むすべての提供者に正しく料金
を分配することができる。
【0122】図12は第8実施形態のマルチメディアネッ
トワークに関するすべての提供者へ情報単位で料金を分
配する課金方式を示す図である。
【0123】図12において、Pは情報提供者、PPi(また
はPPj)は情報提供者Pにより提供される有償情報、PIDi
(またはPIDj)はPPiに固有の情報固有データ、PPCは金
銭情報、CHECKは情報の利用可否を判定する手段であ
る。さらに、TIDi(またはTIDj)は伝送路や端末の提供
者などによって設定される伝送路や端末の使用に関する
付加データである。
【0124】情報提供者Pおよび/または各提供者は、有
償情報PPにPIDをはじめTIDなどのデータを付加する。な
お、PIDやTIDはまとめて一つのデータにしてもよい。利
用者端末で情報PPを利用する際は、必ず課金部を経由す
るように構成され、その課金部には金銭情報が記録され
たPPCを挿入するためのPPCの受け口がある。
【0125】提供情報PPの利用要求が生じると、CHECK
は、PID, TID, PPCの少なくとも一部の情報に基づき情
報PPの利用可否を判定する。例えば、PIDとTIDに示され
た利用料金が、PPCの残高以内か否かなどのチェックで
ある。CHECKの判定結果が可を示せば、利用者端末によ
る情報PPの利用が可能になる。なお、情報PPの利用可否
およびPID, TID, PPCに関する情報(情報PPの利用料金
やPPCの残高など)は利用者端末に通知され、表示部に
表示される。勿論、PIDやTIDに示された利用料金が時間
単位の場合でも、PPCに残高がある限りは、継続して情
報PPを利用することができる。また、不図示の入力部な
どにより使用条件を設定、変更する場合、課金部は、そ
の設定、変更に応じてPPCから所定の料金を差し引く。
つまり、CHECKは、時間や設定された使用条件、PIDおよ
びTIDに記述された料金に基づき、再判定を行うように
構成されている。
【0126】本発明における金銭情報が記録されたPPC
は、現金であってもよいし、テレホンカードのようなプ
リペイドカードであってもよいし、フロッピディスク、
ICカードやPCMCIAなどに格納された金銭と等価な電子情
報であってもよい。
【0127】本発明では、利用者ごとの利用者固有デー
タUSER IDの代わりに、金銭情報が記録された利用者に
依存しないPPCによって情報PPの利用可否を判定する。
従って、前述した実施形態と同様に、課題(1)から課題
(3)を解決することができ。ただし、図12では、説明を
簡単にするために、通信I/Fに関する説明を省略とした
が、他の実施形態と同様に通信I/Fを付加し、料金分配
者や料金立替者と通信することもできる。
【0128】さらに、本実施形態によれば、TIDは提供
者が異なるだけでPIDと同じ意味をもち、利用者は上記
のようにTIDに関する料金もPPCから支払うの。従って、
料金分配者から、または通信により直接、伝送路や端末
などの使用に応じた料金を各提供者に分配すれば、マル
チメディアネットワークに関するすべての提供者に正当
な料金を支払うことができ、課題(4)を解決することが
できる。
【0129】具体的には、情報PPの回線使用時間に応じ
た料金をTIDに記述することで、伝送路の提供者は回線
使用時間に応じた料金を正当に得ることができる。さら
に、使用時間、使用回線などの種別に対応する料金をTI
Dに記述しておけば、より細かな課金も可能である。こ
のとき、伝送路の提供者は、情報提供者とネットワーク
とを接続する接続器などに、TIDを付加する処理を行わ
せればよい。なお、接続器はハブやゲートウェイのよう
な伝送路中にあるものも含む。また、CPUや端末の使用
料の場合も同様に、その使用時間や処理に応じた料金を
TIDに記述しておけば、端末の提供者などはCPUや端末の
使用料を正当に得ることができる。
【0130】以下では、種々の場合についての課金の具
体的実施例を説明する。
【0131】
【画像圧縮に関する課金の実施例1】異なる解像度をも
つ画像処理装置に対応したり、画像データベースでの画
像検索を効率的に行うための符号化方式として階層符号
化がある。以下、階層符号化についてその概要を説明す
る。
【0132】最初に、画像全体を大まかに表す縮小画像
を符号化し、続いて、縮小画像を順次拡大するための差
分情報を符号化する。その結果、異なる解像度に対応で
きるスケーラブルな符号化を実現することができる。例
えば、モニタでは画素数の少ない縮小画像を高速表示
し、プリンタではすべての情報を用いて画素数の多い詳
細な画像を形成するなどが可能になる。
【0133】図13は階層符号データの一般的な概念を示
す図である。図13において、「イメージの先頭」は一つ
の画像情報全体の始まりを示すヘッダ、「フレーム1の
ヘッダ」はフレーム1の始まりを示すビットパターン、
「フレーム1」は原画像の最も縮小された画像を符号化
した階層1の情報、「フレーム2のヘッダ」はフレーム2
の始まりを示すビットパターン、「フレーム2」は階層1
の画像を拡大するための差分情報である階層2の情報、
…、「フレームnのヘッダ」はフレームnの始まりを示す
ビットパターン、「フレームn」は階層n-1の画像を拡大
するための差分情報である階層nの情報、「イメージの
終端」は一つの画像情報全体の終わりを示す情報であ
る。
【0134】代表的な階層符号化方式として、JPEGの階
層符号化方式(ISO/IEC10918-1, 10918-2またはITU-TT.
81, T83)などが知られている。このような符号化技術
は、マルチメディアネットワークにおいてよく用いられ
る技術である。
【0135】以下では、このような階層符号化による解
像度に関する料金情報をTIDに記述する例を説明する。
【0136】解像度は、情報PPに固有でないデータであ
る。すなわち、同じ一つの情報であっても伝送路のトラ
フィックや、利用者端末のモニタの解像度や、データ検
索の精度などに応じて、伝送路を介して送られる情報の
階層符号化による解像度は異なる。
【0137】そこで、TIDには、情報PPが送られるとき
の階層符号化の解像度と、それに関する料金などを記述
する。例えば、同じ情報PPでも、階層1の荒い解像度で
伝送する場合と、階層nの精密な解像度で伝送する場合
とで、その料金は異なる。また、階層nの精密な解像度
まで送り、それを復号または表示するときに、復号器や
表示部の能力に応じた階層までの解像度とすることもで
きる。この場合、TIDには全階層に対する料金が記述さ
れ、使用した階層に応じて課金することもできる。
【0138】図14は本実施例における課金動作を説明す
る図である。図14において、Pは情報提供者、PPi(また
はPPj)は情報提供者Pによって提供される情報、PIDi
(またはPIDj)はPPiに固有の情報固有データ、TIDi
(またはTIDj)は情報PPiに固有ではない付加データ、P
PCは金銭情報、CHECKは情報PPの利用可否を判定する手
段である。
【0139】課金部のCHECKは、PPCの受け口に挿入され
たPPCから金銭情報を読出し、その残金がPID, TIDに示
された料金より多く、PPCに利用料金を請求可能である
場合に、情報PPの利用を許可する。ただし、全階層デー
タを受信し、指定された解像度で復号する場合は、指定
する解像度を課金部に入力するキーボードなどの入力部
があり、その指定解像度によりTIDに関する料金が決定
される。さらに、情報PPのPIDによる料金や、TIDによる
料金などが、時間や使用条件(利用解像度など)によっ
て更新される場合も、PPCの残金以内であれば、継続し
て利用可能であるように構成する。つまり、CHECKは、
時間や設定された使用条件、PID, TIDに記述された料金
に基づき、再判定を行うように構成されている。また、
PPCには、他の実施形態で説明したように、現金、プリ
ペイドカードなどの磁気カード、ICカードなどを利用す
ることができる。
【0140】CHECKにより情報PPの利用が許可された場
合、情報PPとともにTIDに記述された解像度に関するデ
ータが階層符号化処理部に送られ、階層符号化処理部
は、その解像度に対応した階層符号の復号処理を行う。
また、情報PPがすべての階層データを含み、利用者また
は端末が復号する解像度を指定する場合、情報PPととも
に指定された解像度が階層符号化処理部に送られ、階層
符号化処理部は、指定された解像度に対応する階層まで
の復号処理を行う。この階層符号化処理部は、前述した
JPEGの階層符号化方式に示されるような公知の処理装置
でよい。
【0141】また、料金の分配に関しても、他の実施形
態と同様の方法を用いることができ、そのために、図14
に通信I/Fを付加することもできる。
【0142】また、階層符号化処理部は、情報提供者P
と異なる伝送路の提供者などが開発することも多い。こ
の場合、伝送路の提供者は、TIDとともに階層符号化処
理部を情報提供者Pに提供する。TIDおよび階層符号化処
理部を提供された情報提供者Pは、それらをPIDと一緒に
情報PPに付属させて利用者に提供する。また、情報提供
者Pとネットワークとが、伝送路の提供者により提供さ
れる接続器などによって接続されるならば、その接続器
を介して、PIDを含む情報PPが伝送路に送り出されると
きに、その接続器で情報PPに階層符号化を施すととも
に、階層符号化を施した情報PPにTIDおよび階層符号化
処理部を付加することもできる。なお、接続器は、ハブ
のように伝送路の中にあってもよい。
【0143】また、情報センタのようなある機関が情報
提供者Pから情報PPを集め、一括して情報PPを提供する
場合、その情報センタが単独に、あるいは、伝送路の提
供者と共同して、情報PPに階層符号化を施しTIDを設定
することもできるなお、情報センタは、伝送路の提供者
や料金分配者を兼ねる場合もある。
【0144】料金の分配に関しては、利用者から料金分
配者へ、PIDに関する情報のほかに、TIDに関する情報も
通知すれば、他の実施形態と同様に、料金分配者は通知
されたTIDに関する情報に応じた料金を伝送路の提供者
などに分配する。従って、料金分配の仕組みは、他の実
施形態で述べた方法を用いることができる。勿論、階層
符号化処理部の開発者が伝送路の提供者でない場合、階
層符号化処理部の提供者である開発者にも、正当な料金
が分配されることは言うまでもない。
【0145】
【画像圧縮に関する課金の実施例2】動画情報を効率よ
く蓄積・伝送するための符号化方式としてMPEGが知られ
ている。MPEG符号化方式は、動画像の高能率符号化を行
うことを目的とする国際標準で、動画情報の周波数特性
や人間の視覚特性を利用するとともに、動画像特有の時
間軸方向の冗長度を利用して、いっそうの高能率符号化
を行う。MPEG方式には、ディジタルストレージメディア
用に転送レートを最大1.5MbpsとしたMPEG1と、伝送レー
トの上限をなくし、双方向ディジタルマルチメディア機
器、ディジタルVTR、ATV(Advanced TV)、光ファイバネ
ットワークなどのすべての伝送系で用いられることを企
図したMPEG2がある。MPEG1とMPEG2の基本的なアルゴリ
ズムはほぼ同じであるので、MPEG1をベースとしてその
符号化方式の原理およびデータ構造について説明する。
【0146】まず、MPEGによる高能率符号化方式の原理
について説明する。MPEG方式においては、フレーム間の
差分を取ることで時間軸方向の冗長度を落とし、これに
よって得られた差分データをDCTおよび可変長符号化処
理して空間方向の冗長度を落とす、ことによって全体と
して高能率符号化を実現する。時間軸方向の冗長度につ
いては、動画の場合は連続したフレームの相関が高いこ
とに着目し、符号化しようとするフレームと時間的に先
行または後行するフレームとの差分を取ることによって
冗長度を落とすことが可能になる。
【0147】そこで、MPEGでは、図15に示すように、専
らフレーム内で符号化するモードで得られるイントラ符
号化画像(I-ピクチャ)のほかに、時間的に先行するフ
レームとの差分値を符号化する前方予測符号化画像(P-
ピクチャ)と、時間的に先行するフレームまたは後行す
るフレームとの差分値、あるいは、それらフレームから
の補間フレームとの差分値の内、最もデータ量が少ない
ものを符号化する両方向予測符号化画像(B-ピクチャ)
とを有し、これらの符号化モードによる各フレームを所
定の順序で組み合わせている。
【0148】MPEGにおいては、上述したI-ピクチャ、P-
ピクチャ、B-ピクチャをそれぞれ一枚、四枚、十枚で一
単位(GOP)とし、先頭にI-ピクチャを配し、続いて、二
枚のB-ピクチャおよび一枚のP-ピクチャを繰返し配置す
る組み合わせを推奨している。一定周期でI-ピクチャを
配置することにより、動画の逆方向再生や、GOPを単位
とする部分再生を可能とするとともに、エラー伝播の防
止を図っている。なお、フレーム中で新たな物体が現れ
た場合は、時間的に先行するフレームとの差分を取るよ
りも後行するフレームとの差分を取った方が、その差分
値が少なくなる場合がある。そこで、MPEGでは上述のよ
うな両方向予測符号化を行い、より高能率な符号化を行
う。
【0149】さらに、MPEGでは動き補償を行う。すなわ
ち、8×8画素のブロックを輝度データについて4ブロッ
ク、色差データについて2ブロック集めた所定ブロック
(マクロブロック)単位に、先行または後行フレームの
対応ブロック近傍のマクロブロックとの差分をとり、一
番差が少ないマクロブロックを探索することによって動
きベクトルを検出し、この動きベクトルをデータとして
符号化する。復号の際は、この動きベクトルを用いて先
行または後行フレームの対応マクロブロックデータを抽
出し、これにより動き補償を用いて符号化された符号デ
ータの復号を行う。このような動き補償に際しては、時
間的に先行するフレームを一旦符号化した後、再度、復
号したフレームを得て先行フレームとし、このフレーム
におけるマクロブロックと符号化しようとするフレーム
のマクロブロックとを用いて動き補償を行う。なお、MP
EG1はフレーム間の動き補償を行うが、MPEG2はフィール
ド間の動き補償を行う。このような動き補償によって得
られた差分データおよび動きベクトルは、先に説明した
ようなDCTおよびハフマン符号化によって、さらに高能
率符号化される。
【0150】次に、このMPEGデータの構造について説明
する。MPEGデータは、ビデオシーケンス層、GOP層、ピ
クチャ層、スライス層、マクロブロック層、ブロック層
からなる階層構造で構成されている。以下、下層から順
に説明する。
【0151】まず、ブロック層は、先のJPEGと同様に、
輝度データおよび色差データごとに8×8画素でそれぞれ
構成され、この単位ごとにDCTが行われる。
【0152】マクロブロック層は、上述した8×8画素の
ブロックを輝度データについては4ブロック、色差デー
タについては各1ブロックにまとめ、マクロブロックヘ
ッダを付したもので、MPEG方式ではこのマクロブロック
を後述する動き補償および符号化の単位とする。マクロ
ブロックヘッダは、各マクロブロック単位の動き補償お
よび量子化ステップの各データ、および、各マクロブロ
ック内の六つのDCTブロック(Y0,Y1,Y2,Y3,Cr,Cb)がデー
タを有するのか否かのデータを含む。
【0153】スライス層は、画像の走査順に連なる一つ
以上のマクロブロックおよびスライスヘッダで構成さ
れ、同一スライス層内の一連のマクロブロックにおける
量子化ステップを一定とすることができる。なお、スラ
イスヘッダは、各スライス層内の量子化ステップに関す
るデータを有し、各マクロブロックに固有の量子化ステ
ップデータがない場合には、そのスライス層内の量子化
ステップを一定とする。また、先頭のマクロブロックは
直流成分の差分値をリセットする。
【0154】ピクチャ層は、スライス層を1フレーム単
位で複数集めたものであり、ピクチャスタートコードな
どからなるヘッダと、これに続く、一つまたは複数のス
ライス層とから構成される。また、ヘッダには、画像の
符号化モードを示すコード(符号化識別符号)や動き検
出の精度(画素単位か半画素単位か)を示すコードが含
まれる。
【0155】GOP層は、グループスタートコードや、シ
ーケンスの最初からの時間を示すタイムコードなどを含
むヘッダと、これに続く、複数のIフレーム、Bフレーム
またはPフレームから構成される。
【0156】ビデオシーケンス層は、シーケンススター
トコードから始まってシーケンスエンドコードで終了
し、その間に画像サイズやアスペクト比などの復号に必
要な制御データおよび画像サイズなどが同じ複数のGOP
に配列される。
【0157】上記のようなデータ構造をもつMPEG方式は
ビットストリームも規定されている。なお、このような
符号化技術は、マルチメディアネットワークにおいてよ
く用いられる技術である。
【0158】以下では、このようなMPEGによるピクチャ
情報がTIDに記述された例を説明する。
【0159】ピクチャ情報は情報PPに固有でないデータ
である。すなわち、同じ一つの情報であっても、伝送路
のトラフィックや、利用者のモニタの解像度などに応じ
て要求されるMPEGの符号化効率は異なる。そこで、TID
には、情報PPが送られるときのMPEGのピクチャに関する
情報と、それに関する料金などが記述されるものとす
る。例えば、同じ情報でも、P-ピクチャやB-ピクチャの
伝送を少なくしたコマ送り的な動画像の伝送に対する料
金と、すべてのピクチャを用いる動画像の伝送に対する
料金とでは、TIDに記述される料金は異なる。また、す
べてのピクチャを伝送し、それを復号または表示する際
に、復号器や表示部の能力に応じて指定されたピクチャ
による復号を行うこともできる。この場合、TIDには、
全ピクチャに対する料金が示され、使用したピクチャに
応じて課金されることになる。
【0160】図16は本実施例における課金動作を説明す
る図である。図16において、Pは情報提供者、PPi(また
はPPj)は情報提供者Pにより提供される情報、PIDi(ま
たはPIDj)は情報PPiに固有の情報固有データ、TIDi
(またはTIDj)は情報PPiに固有ではない付加データ、P
PCは金銭情報、CHECKは情報PPの利用可否を判定する手
段である。
【0161】利用者はPPCの受け口にPPCを挿入する。課
金部のCHECKは、PPCから金銭情報を読出し、PPCの残高
がPID,TIDに示された料金より多く、PPCに利用料金を請
求可能である場合に情報PPの利用を許可する。ただし、
全ピクチャが伝送され、指定ピクチャにより復号を行う
場合は、指定ピクチャを示す情報を課金部に入力するキ
ーボードなどの不図示の入力部があり、それによってTI
Dに関する料金が判定される。さらに、情報PPのPIDによ
る利用料金およびTIDによる利用料金が時間単位、ある
いは、使用条件(利用解像度など)が変わる場合も、PP
Cに残高がある限りは、継続して情報PPを利用すること
ができる。つまり、CHECKは、時間や設定された使用条
件、PID,TIDに記述された料金、PPCの残高に基づき、再
判定を行うように構成されている。また、PPCは、他の
実施形態で説明したように、現金、プリペイドカードな
どの磁気カード、ICカードなどでよい。
【0162】CHECKにより情報PPの利用が許可された場
合、情報PPとともにTIDに記されたピクチャに関するデ
ータがMPEG処理部に送られ、MPEG処理部はそのピクチャ
に対応した復号処理を行う。また、情報PPがすべてのピ
クチャを含み、利用者または端末から復号するピクチャ
が指定される場合も、情報PPとともにその指定情報がMP
EG処理部に送られ、MPEG処理部は指定ピクチャに対応す
る復号処理を行う。このMPEG処理部は公知の処理装置で
ある。
【0163】また、料金の分配に関しては、他の実施形
態と同様の方法を用いることができる。そのために、図
16に示す構成に通信I/Fを付加することもできる。
【0164】また、階層符号化処理部は、情報提供者P
と異なる伝送路の提供者などが開発することも多い。こ
の場合、伝送路の提供者は、TIDとともに階層符号化処
理部を情報提供者Pに提供する。TIDおよび階層符号化処
理部を提供された情報提供者Pは、それらをPIDと一緒に
情報PPに付属させて利用者に提供する。また、情報提供
者Pとネットワークとが、伝送路の提供者により提供さ
れる接続器などによって接続されるならば、その接続器
を介して、PIDを含む情報PPが伝送路に送り出されると
きに、その接続器で情報PPに階層符号化を施すととも
に、階層符号化を施した情報PPにTIDおよび階層符号化
処理部を付加することもできる。なお、接続器は、ハブ
のように伝送路の中にあってもよい。
【0165】また、情報センタのようなある機関が情報
提供者Pから情報PPを集め、一括して情報PPを提供する
場合、その情報センタが単独に、あるいは、伝送路の提
供者と共同して、情報PPに階層符号化を施しTIDを設定
することもできる。なお、情報センタは、伝送路の提供
者や料金分配者を兼ねる場合もある。
【0166】料金の分配に関しては、利用者から料金分
配者へ、PIDに関する情報のほかに、TIDに関する情報も
通知すれば、他の実施形態と同様に、料金分配者は通知
されたTIDに関する情報に応じた料金を伝送路の提供者
などに分配する。従って、料金分配の仕組みは、他の実
施形態で述べた方法を用いることができる。勿論、階層
符号化処理部の開発者が伝送路の提供者でない場合、階
層符号化処理部の提供者である開発者にも、正当な料金
が分配されることは言うまでもない。
【0167】また、本実施例では、符号化の例としてMP
EGを取り上げたが、時間軸上の差分を用いた符号化に関
して、PPCを用いて課金する方法は、すべて本実施形態
に含まれる。
【0168】
【暗号技術の課金に関する実施例】以下では、提供され
る情報を指定した利用者以外に利用させないための暗号
技術に対する課金に関して説明する。
【0169】マルチメディアネットワークは種々の情報
を取扱うために、情報の種類に応じて要求される処理速
度や安全性が大きく異なる。例えば、動画像のような大
容量で、高速リアルタイム性が要求されるデータの場合
は、高速な暗号処理が要求されるし、文書やソフトウェ
アに代表される小容量で、リアルタイム性が要求されな
いデータの場合は、暗号処理速度を遅くして、暗号処理
に関する負荷を軽減することが望まれる。また、動画像
のようなデータは、スクランブル程度の安全性の低い暗
号処理でよい場合が多く、文書やソフトウェアのような
データの場合は、安全性の高い暗号処理が望まれる場合
が多い。従って、要求される処理速度や安全性に対応し
た課金が実現されることが望まれる。
【0170】以下では、暗号の処理速度や強度に対する
料金がTIDに記述された例を説明する。
【0171】図17は本実施例における課金動作を説明す
る図である。図17において、Pは情報提供者、PPi(また
はPPj)は情報提供者Pにより提供される情報、PIDi(ま
たはPIDj)は情報PPiに固有の情報固有データ、TIDi
(またはTIDj)は情報PPiに固有ではない付加データ、P
PCは金銭情報、CHECKは情報PPの利用可否を判定する手
段である。
【0172】利用者はPPCの受け口にPPCを挿入する。課
金部のCHECKは、PPCから金銭情報を読出し、PPCの残高
がPID,TIDに示された料金より多く、PPCに利用料金を請
求可能である場合に情報PPの利用を許可する。ただし、
全ピクチャが伝送され、指定ピクチャにより復号を行う
場合は、指定ピクチャを示す情報を課金部に入力するキ
ーボードなどの不図示の入力部があり、それによってTI
Dに関する料金が判定される。さらに、情報PPのPIDによ
る利用料金およびTIDによる利用料金が時間単位、ある
いは、使用条件(暗号の処理速度や強度など)によって
変わる場合も、PPCに残高がある限りは、継続して情報P
Pを利用することができる。つまり、CHECKは、時間や設
定された使用条件、PID,TIDに記述された料金、PPCの残
高に基づき、再判定を行うように構成されている。ま
た、PPCは、他の実施形態で説明したように、現金、プ
リペイドカードなどの磁気カード、ICカードなどでよ
い。
【0173】CHECKにより情報PPの利用が許可された場
合、情報PPとともにTIDに記された暗号の処理速度や強
度に関するデータが暗号処理部に送られ、暗号処理部は
その処理速度や強度に対応した暗号処理を行う。異なる
処理速度や強度に応じて暗号処理を行う暗号処理部の構
成は、本出願人が先に出願した特願平7-165187号に詳述
されている。
【0174】また、料金の分配に関しては、他の実施形
態と同様の方法を用いることができる。そのために、図
17に示す構成に通信I/Fを付加することもできる。
【0175】また、暗号処理部は、情報提供者Pと異な
る伝送路の提供者などが開発することも多い。この場
合、伝送路の提供者は、TIDとともに暗号処理部を情報
提供者Pに提供する。TIDおよび暗号処理部を提供された
情報提供者Pは、それらをPIDと一緒に情報PPに付属させ
て利用者に提供する。また、情報提供者Pとネットワー
クとが、伝送路の提供者により提供される接続器などに
よって接続されるならば、その接続器を介して、PIDを
含む情報PPが伝送路に送り出されるときに、その接続器
で情報PPに暗号処理を施すとともに、暗号化した情報PP
にTIDおよび暗号処理部を付加することもできる。な
お、接続器は、ハブのように伝送路の中にあってもよ
い。
【0176】また、情報センタのようなある機関が情報
提供者Pから情報PPを集め、一括して情報PPを提供する
場合、その情報センタが単独に、あるいは、伝送路の提
供者と共同して、情報PPに暗号化を施しTIDを設定する
こともできるなお、情報センタは、伝送路の提供者や料
金分配者を兼ねる場合もある。
【0177】料金の分配に関しては、利用者から料金分
配者へ、PIDに関する情報のほかに、TIDに関する情報も
通知すれば、他の実施形態と同様に、料金分配者は通知
されたTIDに関する情報に応じた料金を伝送路の提供者
などに分配する。従って、料金分配の仕組みは、他の実
施形態で述べた方法を用いることができる。勿論、暗号
処理部の開発者が伝送路の提供者でない場合、暗号処理
部の提供者である開発者にも、正当な料金が分配される
ことは言うまでもない。
【0178】また、本実施例では、暗号処理部として本
出願人が先に出願した特願平7-165187号を取り上げた
が、異なる処理速度や強度に応じて暗号処理を行う暗号
処理部であればよく、PPCを用い、暗号の処理速度や強
度に応じて課金する方法は、すべて本実施形態に含まれ
る。
【0179】
【暗号の種類に応じた課金の実施例】前記の実施例では
暗号の処理速度や強度に応じて課金する方法を説明した
が、図18に示すように、暗号の処理速度や強度だけでな
く暗号の種類(RSA,FEAL,DES,…)も異なるネットワーク
の場合は、暗号の種類に応じた課金を実現することが重
要である。この場合、使用する暗号の種類に応じた料金
がTIDに記述されていれば、それに応じた料金をPPCから
徴収することにより、種々の暗号に応じた課金が実現で
きることは明らかである。ただし、情報PPはTIDに記さ
れた暗号によって暗号化されているものとする。
【0180】さらに、前記の実施例と同様に、各暗号に
ついて、暗号の処理速度や強度に応じた細かな設定がTI
Dに記述されていてもよい。この場合、図17に示した構
成により前記の実施例と同様に実現可能であることは明
らかである。ただし、図17に示す暗号処理部は、各利用
者端末が備える暗号処理部である。
【0181】また、各利用者端末が、情報PPの種類に応
じて、使用する暗号を選択できる場合に対応する課金も
考えられる。このような使用する暗号を選択できる暗号
処理部は、本出願人が先に出願した特願平7-165392号に
示されている。従って、図17に示す暗号処理部を特願平
7-165392号に示される暗号処理部にすれば、図17と同様
の構成により暗号を選択する場合に対応する課金も実現
できる。このとき、TIDには、すべての暗号の種類と、
それに対応する料金とが記述され、使用した暗号に応じ
てTIDに基づく課金が行われる。勿論、各暗号ごとに、
課金に関する細かな設定をTIDに記述することもでき
る。
【0182】
【画像品位に対する課金の実施例】本実施例は、情報PP
の画像品位に対して課金するものである。画像品位と
は、単位時間当りのフレーム数、画素数、画素それぞれ
の色度、彩度、明度、といった尺度のダイナミックレン
ジおよび階調などである。各項目が、より広いダイナミ
ックレンジと、より細かい階調とをもつほど、画像品位
は高くなる。以下では、画像品位の各項目をTIDに記述
する例を説明する。
【0183】画像品位を示すこれらの項目は情報に固有
でないデータである。すなわち、同じ一つの情報であっ
ても伝送路のトラフィックや、利用者端末のモニタの解
像度や、データ検索の精度などに応じて、伝送路を介し
て送られる情報の画像品位は異なる。
【0184】そこで、TIDには、情報PPが送られるとき
の画像品位と、それに関する料金などを記述する。例え
ば、同じ情報PPでも、解像度の荒い情報を伝送する場合
と、解像度の細かい情報を伝送する場合とで、その料金
は異なる。また、最高の画像品位で送り、必要に応じた
画像品位の画像を表示することもできる。この場合、TI
Dには全画像品位に対する料金が記述され、使用した画
像品位に応じて課金することもできる。
【0185】図19は本実施例における課金動作を説明す
る図である。図19において、Pは情報提供者、PPi(また
はPPj)は情報提供者Pによって提供される情報、PIDi
(またはPIDj)はPPiに固有の情報固有データ、TIDi
(またはTIDj)は情報PPiに固有ではない付加データ、P
PCは金銭情報、CHECKは情報PPの利用可否を判定する手
段である。
【0186】課金部のCHECKは、PPCの受け口に挿入され
たPPCから金銭情報を読出し、その残金がPID, TIDに示
された料金より多く、PPCに利用料金を請求可能である
場合に、情報PPの利用を許可する。ただし、全画像品位
のデータが伝送され、指定の画像品位で表示する場合
は、指定画像品位を示す情報を課金部に入力するキーボ
ードなどの不図示の入力部があり、それによってTIDに
関する料金が判定される。さらに、情報PPのPIDによる
利用料金およびTIDによる利用料金が時間単位、あるい
は、使用条件(画像品位など)が変わる場合も、PPCに
残高がある限りは、継続して情報PPを利用することがで
きる。つまり、CHECKは、時間や設定された使用条件、P
ID,TIDに記述された料金、PPCの残高に基づき、再判定
を行うように構成されている。また、PPCは、他の実施
形態で説明したように、現金、プリペイドカードなどの
磁気カード、ICカードなどでよい。
【0187】CHECKにより情報PPの利用が許可された場
合、情報PPとともにTIDに記された画像品位に関するデ
ータが画像表示部に送られ、画像表示部はその画像品位
の画像を表示する。また、情報PPがすべての画像品位の
データを含み、利用者または端末から表示する画像品位
が指定される場合も、情報PPとともにその指定情報が画
像表示部に送られ、画像表示部は指定画像品位の画像を
表示する。
【0188】また、料金の分配に関しては、他の実施形
態と同様の方法を用いることができる。そのために、図
19に示す構成に通信I/Fを付加することもできる。
【0189】また、画像表示部は、情報提供者Pと異な
る伝送路の提供者などが開発することも多い。この場
合、伝送路の提供者は、TIDとともに画像表示部を情報
提供者Pに提供する。TIDおよび画像表示部を提供された
情報提供者Pは、それらをPIDと一緒に情報PPに付属させ
て利用者に提供する。また、情報提供者Pとネットワー
クとが、伝送路の提供者により提供される接続器などに
よって接続されるならば、その接続器を介して、PIDを
含む情報PPが伝送路に送り出されるときに、その接続器
で情報PPにTIDおよび画像表示部を付加することもでき
る。なお、接続器は、ハブのように伝送路の中にあって
もよい。
【0190】また、情報センタのようなある機関が情報
提供者Pから情報PPを集め、一括して情報PPを提供する
場合、その情報センタが単独に、あるいは、伝送路の提
供者と共同して、情報PPに画像表示部およびTIDを設定
することもできる。なお、情報センタは、伝送路の提供
者や料金分配者を兼ねる場合もある。
【0191】料金の分配に関しては、利用者から料金分
配者へ、PIDに関する情報のほかに、TIDに関する情報も
通知すれば、他の実施形態と同様に、料金分配者は通知
されたTIDに関する情報に応じた料金を伝送路の提供者
などに分配する。従って、料金分配の仕組みは、他の実
施形態で述べた方法を用いることができる。勿論、階層
符号化処理部の開発者が伝送路の提供者でない場合、階
層符号化処理部の提供者である開発者にも、正当な料金
が分配されることは言うまでもない。
【0192】上述した実施例では、回線や利用者端末、
画像圧縮、暗号、画像品位などに関して課金する方法を
説明した。本発明にかかる課金方式は、TIDに課金され
る対象も記述するなど、TIDの形式を規定しておくこと
により、回線や利用者端末、画像圧縮、暗号、画像品位
などが混在するネットワークに対しても適用できる。
【0193】また、PIDやTIDに処理の種類を記述するな
どの形式を規定しておくことにより、本発明の課金方法
は、前述した処理以外の種々の処理に応用することがで
きることは明らかであり、前述した情報提供者以外の、
ネットワークに関する種々の情報を提供する提供者も自
由に参入できる柔軟性の高い課金方法であることは明ら
かである。
【0194】また、前述した実施例の暗号の処理速度に
応じた課金は、暗号だけでなく画像符号化などの種々の
処理における処理速度に適用できることは明らかであ
る。また、安全性も暗号の強度だけでなく、アクセス制
御など種々の安全性に対して適用できることも明らかで
ある。
【0195】また、TIDは、情報PPとともにやり取りし
なくても、特定の形式のデータとして単独にやり取り
し、TIDに示される料金がPPCの残高以下ならば、情報PP
を伝送した後、情報PPの利用に対してPIDに関する課金
が行われてもよい。
【0196】さらに、図20に示すように、PIDも特定の
形式のデータとして、TIDと同様に単独でやり取りして
もよい。この場合、PIDとTIDに関する料金がPPCの残高
以内のときだけ、情報PPが伝送されるようにすれば、伝
送路を効率的に使用することができる。
【0197】また、図21に示すように、例えばTIDが利
用者端末に固有のデータである場合、そのTIDは前述の
ようにネットワークを介してやり取りされなくても、そ
の利用者端末にTIDの格納部があり、CHECKが情報PPの利
用の可否を判定する際、格納されたTIDに関するデータ
をチェックすれば、同様の課金処理が実行できることも
明らかである。TIDは、情報PPに固有のデータではない
ので、これは利用者端末に限らず、TIDに固有の部分に
対しても有効である。
【0198】また、零(無料)というのも料金の中に含
まれる。従って、情報PPまたはその一部(階層符号化に
おける低解像度画像など)の中には、無料で利用するこ
ともできるものもある。
【0199】
【第9実施形態】以下、本発明にかかる第9実施形態の課
金システムを説明する。なお、第9実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0200】上述した各実施形態においては、情報ネッ
トワークの利用に関して、利用者により利用料が支払わ
れる課金システムを説明した。
【0201】しかし、現在のTVなどのネットワークで
は、利用者は、特定の局を除いて無料で情報を利用する
ことができ、その情報PPに関する費用(TV局の利益など
を含む)はスポンサと呼ばれる企業などが支払うシステ
ムになっている。これは、情報には、費用を負担しても
利用者に見せたい情報、例えばCMなどが存在することを
示している。以下では、利用者のほかに、情報PPの利用
料金を支払うスポンサが存在することが可能な、図22に
示すようなネットワークにおける課金システムを説明す
る。
【0202】情報提供者に費用が直接支払われる場合、
情報提供者は支払われた費用内で情報(番組)を制作す
る必要がある。しかし、スポンサが存在する場合い、情
報提供者は、スポンサから得られる費用に加え、利用者
への課金を考慮して情報を制作することができる。つま
り、情報の制作費とスポンサから得られる費用の差額
を、PIDおよびTIDを利用して利用者に課金するわけであ
る。これにより、情報提供者は、スポンサから得られる
費用だけに依存せずに情報を制作することができ、利用
者は比較的安価に、その情報を利用することができる。
【0203】スポンサは、費用とともにCMを情報提供者
に渡し、または、費用とともにCMの制作を情報提供者に
依頼する。情報提供者は、スポンサから得られた費用に
応じて、情報にCMを挿入する。
【0204】提供される情報には、スポンサのCMが含ま
れることになるが、PID,TIDにCMの量に応じた料金を設
定すれば、利用者は、高価だがCM抜きの密度の濃い情報
を利用することもできるし、CMは多いものの非常に安価
(極端な場合は無料)な情報を利用することもでき、種
々の場合を選択することができる。なお、情報提供者
が、利用者からPID,TIDに記された料金を徴収する仕組
みは、他の実施形態と同様である。
【0205】また、スポンサは、予め費用を支払わず
に、情報の利用、つまりCMが再生された数に応じて費用
を支払う場合、以下のような課金システムを構成するこ
とができる。なお、スポンサが設定することができるCM
視聴に関する負担額を示す情報をCIDとするが、これはT
IDと同様に提供情報に依存しないが付加されることので
きる情報である。この場合、スポンサのCIDに記述され
た料金は、情報提供者のPIDやTIDに記述された料金とは
異なり、PPCから徴収されるものではなく、むしろPPCに
加算されるものである。
【0206】図23は本実施形態における課金動作を説明
する図である。図23において、Pは情報提供者、PPi(ま
たはPPj)は情報提供者Pにより提供される情報、PIDi
(またはPIDj)は情報PPiに固有の情報固有データ、TID
i(またはTIDj)は情報PPiに固有ではない付加データ、
CIDi(またはCIDj)はスポンサが設定したCM視聴に関す
るデータ、PPCは金銭情報、CHECKは情報PPの利用可否を
判定する手段である。
【0207】利用者はPPCの受け口にPPCを挿入する。課
金部のCHECKは、PPCから金銭情報を読出し、PPCの残高
がPID+TID-CIDに示される料金より多く、PPCに利用料金
を請求可能である場合に情報PPの利用を許可する。さら
に、情報PPのPIDによる利用料金およびTIDによる利用料
金が時間単位、あるいは、使用条件が変わる場合も、PP
Cに残高がある限りは、継続して情報PPを利用すること
ができる。また、CMの再生(視聴)回数などによりCID
に記述された料金が、PPCに加算されるように構成する
こともできる。また、PPCは、他の実施形態で説明した
ように、現金、プリペイドカードなどの磁気カード、IC
カードなどでよい。
【0208】この課金システムにおいては、スポンサの
費用負担は、利用者が情報PPを利用する際に生じるの
で、利用頻度が高く宣伝効果の大きい情報PPにおけるス
ポンサの負担は多く、利用頻度が低く宣伝効果の小さい
情報PPにおけるスポンサの負担も少なくて済む、という
正当な費用負担を実現することができる。
【0209】情報PPへのCMの挿入は、利用者がCM付きの
安価な情報PPを望むとき、その情報PPの入手をネットワ
ークに接続されているスポンサ経由とすることにより、
スポンサがその情報PPにCIDを設定しCMを挿入すればよ
い。勿論、スポンサは、情報提供者PにCIDの設定および
CMの挿入を依頼することもできる。
【0210】
【第10実施形態】以下、本発明にかかる第10実施形態の
課金システムを説明する。なお、第10実施形態におい
て、第1実施形態と略同様の構成については、同一符号
を付して、その詳細説明を省略する。
【0211】PID,TID,CIDに関する料金の設定を、情報P
Pの利用回数のような利用履歴に依存させることもでき
る。すなわち、利用回数が多いほど、情報PPの利用料金
が安くなるなどの設定を、PID,TID,CIDに対して行えば
よい。
【0212】図24は本実施形態における課金動作を説明
する図である。図24において、Pは情報提供者、PPi(ま
たはPPj)は情報提供者Pにより提供される情報、PIDi
(またはPIDj)は情報PPiに固有の情報固有データ、TID
i(またはTIDj)は情報PPiに固有ではない付加データ、
CIDi(またはCIDj)はスポンサが設定したCM視聴に関す
るデータ、PPCは金銭情報、CHECKは情報PPの利用可否を
判定する手段である。また、MMは情報PPの利用に関する
履歴を記憶する記憶部である。利用履歴は、情報PPごと
の利用回数とし、利用者以外には知らされることはな
く、利用者の情報PPの利用に関するプライバシは保護さ
れる。
【0213】利用者はPPCの受け口にPPCを挿入する。課
金部のCHECKは、PPCから金銭情報を読出すとともに、MM
から情報PPの過去の利用回数を読出し、読出した利用回
数に応じてPID+TID-CIDに示される料金よりPPCの残高が
多く、PPCに利用料金を請求可能である場合に情報PPの
利用を許可する。さらに、情報PPのPIDによる利用料金
およびTIDによる利用料金が時間単位、あるいは、使用
条件が変わる場合も、PPCに残高がある限りは、継続し
て情報PPを利用することができる。また、CMの再生(視
聴)回数などによりCIDに記述された料金が、PPCに加算
されるように構成することもできる。また、PPCは、他
の実施形態で説明したように、現金、プリペイドカード
などの磁気カード、ICカードなどでよい。
【0214】上記の例では、利用回数を利用履歴とする
例を示したが、利用時間を利用履歴とする場合でも同じ
である。さらに、最終の利用結果を示す情報を利用履歴
としてMMに格納すれば、長時間の映画などを分割して鑑
賞することや、情報PPを分割して提供したり、何らかの
障害により情報PPが途切れた場合などにも対応すること
ができる課金システムになる。この場合、PID,TID,CID
に情報の部分または時間ごとの料金を記述しておけば、
図24と同様の構成により課金を実現できることは明らか
である。
【0215】
【共通鍵暗号方式】共通鍵暗号方式は、送信者と受信者
とが同一の暗号鍵を秘密に共有する暗号方式(秘密鍵暗
号方式、対称暗号方式、慣用暗号方式とも呼ばれる)で
ある。
【0216】共通鍵暗号方式は、適当な長さの文字列
(ブロック)ごとに同じ鍵で暗号化するブロック暗号
と、文字列またはビットごとに鍵を変えていくストリー
ム暗号とに分けることができる。ブロック暗号には、文
字の順序を書換えて暗号化する転置式暗号や、文字を他
の文字に換える換字式暗号などがある。この場合、転置
や換字の対応表が暗号鍵になる。ストリーム暗号として
は、多表を用いるビジネル暗号や、一回限りの使い捨て
の鍵を用いるバーナム暗号などが知られている。これら
は、池野、小山著「現代暗号理論」(電子情報通信学
会、1986)の第2章および第4章に詳しく説明されてい
る。
【0217】また、ブロック暗号のなかでもアルゴリズ
ムが公開されているDES(Data Encryption Standard)やF
EAL(Fast data Encipherment Algorithm)といった暗号
が商用暗号として広く用いられている。これらは、辻
井、笠原著「暗号と情報セキュリティ」(昭晃堂、199
0)の第2章に詳しく説明されている。
【0218】ただし、DESやFEALはアルゴリズムを公開
しているために暗号解読法も開発され、その解読法に対
抗するために種々の変形が行われていることがある。例
えば、後述する繰返し回数を増したり(C. H. Mayer an
d S. M. Matyas: "CRYPTOGRAPHY-A New Dimension in C
omputer Data Security", Wiley-Interscience, Append
ix D, pp.679-712, 1982)、鍵を頻繁に変える(山本、
岩村、松本、今井: "2乗型擬似乱数生成器とブロック暗
号を用いた実用的暗号方式", 信学技報, ISEC93-29, p
p.65-75, 1993)などの変形が提案されている。
【0219】
【公開鍵暗号方式】公開鍵暗号方式は、暗号鍵と復号鍵
とが異なり、暗号鍵を公開、復号鍵を秘密に保持する暗
号方式である。従って、暗号鍵を公開鍵、復号鍵を秘密
鍵と呼ぶこともある。
【0220】公開鍵暗号は共通鍵暗号にない次のような
特徴をもつ。
【0221】(1)暗号鍵と復号鍵とが異なり、暗号鍵を
公開することができるため、暗号鍵を秘密に配送する必
要がなく、鍵の配送が容易である。
【0222】(2)各利用者の暗号鍵は公開されているの
で、利用者は各自の復号鍵のみ秘密に記憶しておけばよ
く、鍵の管理が容易である。
【0223】(3)送られてきた通信文の送信者が偽者で
ないこと、および、その通信文が改竄されていないこと
を、受信者が確認するための認証機能を実現できる。
【0224】公開鍵暗号の暗号通信と認証通信、およ
び、認証機能付き暗号通信は、以下のようなプロトコル
によって実現される。以下では、送信者Aから受信者Bヘ
暗号通信、認証通信、認証機能付暗号通信を行う場合の
プロトコルを示す。Aの秘密鍵をksA、公開鍵をkpAと
し、Bの秘密鍵をksB、公開鍵をkpBとして、通信文Mに対
して公開鍵kpを用いた暗号化操作をE(kp, M)とし、秘密
の復号鍵ksを用いた復号操作をD(ks, M)と表す。
【0225】[暗号通信]AからBへ、通信文(平文)M
を秘密通信する場合は次の手順で行う。
【0226】ステップ1: Aは、Bの公開鍵kpBでMを暗号
化し、暗号文CをBに送る。 C = E(kpB, M)
【0227】ステップ2: Bは、自分の秘密鍵ksBで暗号
文Cを復号し、もとの平文Mを得る。 M = D(ksB, C)
【0228】受信者Bの公開鍵は、不特定多数に公開さ
れているので、Aに限らずすべての人がBへ秘密の通信文
を送ることができる。
【0229】[認証通信]AからBヘ、通信文(平文)M
を認証通信する場合は次の手順で行う。
【0230】ステップ1: Aは、自分の秘密鍵ksAで送信
文Sを生成しBに送る。 S = D(ksA, M)
【0231】ステップ2: Bは、Aの公開鍵kpAでSを復元
変換し、元の平文Mを得る。 M = E(kpA, S)
【0232】もし、通信文Mが意味のある文であること
が確認できれば、通信文Mが確かにAから送られてきたこ
とが認証される。Aの公開鍵は、不特定多数に公開され
ているので、Bに限らずすべての人がAの署名文を認証で
きる。このような認証をディジタル署名ともいう。
【0233】[署名付暗号通信]AからBヘ、通信文(平
文)Mを署名付秘密通信する場合は次の手順で行う。
【0234】ステップ1: Aは、自分の秘密鍵ksAでMに署
名し、署名文Sを作る。 S = D(ksA, M)
【0235】ステップ2: Aは、Bの公開鍵kpBで署名分S
を暗号化し、暗号文CをBに送る。 C = E(kpB, S)
【0236】ステップ3: Bは、自分の秘密鍵ksBでCを復
号し、署名文Sを得る。 S = D(ksB, C)
【0237】ステップ4: Bは、Aの公開鍵kpAでSを復元
変換し、元の平文Mを得る。 M = E(kpA, S)
【0238】もし、通信文Mが意味のある文であること
が確認できたならば、通信文Mが確かにAから送られてき
たことが認証される。なお、ステップ1と2、ステップ3
と4の順序はそれぞれ逆転してもよい。
【0239】代表的な公開鍵暗号方式の例を以下に挙げ
る。
【0240】暗号通信と認証通信ができる方式: RSA暗
号(R. L. Rivest, A. Shamir and L.Adleman: "A metho
d of obtaining digital signatures and public key c
ryptosytems", Comm. of ACM, 1978)、R暗号(M. Rabin:
"Digitalized signatures and public-key cryptosyst
ems", MIT/LCS/TR-212, Technical Report MIT, 197
9)、W暗号(H. C. Williams: "A modification of the R
SA public-key encryptionprocedure", IEEE Trans. In
f. Theory, IT-26, 6, 1980)、MI暗号(松本、今井: "公
開鍵暗号系の新しいアルゴリズム", 信学技報, IT82-8
4, 1982; T. Matsumoto and H.Imai: "A class of asym
metric cryptosystems based on polynomials over fin
ite rings", IEEE International Symp. on Informatio
n Theory, 1983)
【0241】暗号通信のみができる方式: MH暗号(R. C.
Merkle and M. E. Hellman: "Hiding information and
signatures in trapdoor knapsacks", IEEE Trans. In
f. Theory, IT-24, 5, 1978)、GS暗号(A. Shamir and
R. E. Zippel: "On the security of the Merkle-Hellm
an cryptographic scheme", IEEE Trans. Inf. Theory,
IT-26, 3, 1980)、CR暗号(B. Chor and R. L. Rivest:
"A knapsack type public key cryptosystem based on
arithmetric infinite field", Proc. Crypto84)、M暗
号(R. J. McEiece: "A public-key cryptosystem based
on algebraiccoding theory", DSN Progress Rep., Je
t Propulsion Lab., 1978)、E暗号(T.E. ElGamal: "A p
ublic key cryptosystem and a signature scheme base
d on discretre logarithm", Proc. Crypto 84, 198
4)、T暗号(辻井重男: "行列分解を利用した公開鍵暗号
の一方式", 信学技報, IT85-12, 1985)
【0242】認証通信のみができる方式: S暗号(A. Sha
mir: "A fast signature scheme",Report MIT/LCS/TM-1
07, MIT laboratory for computer science, Cambridg
e, Mass., 1978)、L暗号(K. Lieberherr: "Uniform com
plexity and digital signature", Lecture Notes in C
omputer Science 115 Automata, Language and Program
ming, Eighth Colloquium Acre, Israel, 1981)、GYM暗
号(S. Goldwasser, S.Micali and A.Yao: "Strong sign
ature schemes", ACM Symp. on Theory of Computing,
1983)、GMR暗号(S. Goldwasser, S. Micali and R. L.
Rivest: "A 'paradoxical' solution to the signature
problem", ACM Symp. on Foundationof Computer Scie
nce, 1984)、OSS暗号(H. Ong, C. P. Schnorr and A. S
hamir:"An efficient signature scheme based on quad
ratic equation", ACM Symp.on Theory of Computing,
1984)、OS暗号(岡本、白石: "多項式演算によるディジ
タル署名方式", 信学論(D), J68-D, 5, 1985; T. Okamo
to and A. Shiraisi:"A fast signature scheme based
on quadratic in equalities", IEEE Symp. on Theory
of Computing, 1984)
【0243】
【他の実施形態】本発明の目的は、前述した実施形態の
機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録
した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、その
システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMP
U)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し
実行することによっても、達成されることは言うまでも
ない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコ
ード自体が前述した実施形態の機能を実現することにな
り、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明
を構成することになる。プログラムコードを供給するた
めの記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハ
ードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD-ROM,
CD-R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなど
を用いることができる。
【0244】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレー
ティングシステム)などが実際の処理の一部または全部
を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実
現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0245】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その
処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合
も含まれることは言うまでもない。
【0246】このように、本発明にかかる各実施形態に
よれば、前述した課題(1)から(5)を解決する課金方式お
よび課金システムを実現することができる。
【0247】すなわち、利用者は種々の情報をレンタル
的に安価に利用し、利用者のプライバシも保護され、情
報提供者は利用者ごとの情報利用の管理を行うことな
く、情報の利用に応じて利用料金の分配を受けることが
できる。
【0248】また、販売店を含む料金分配者や料金立替
者を導入することにより、料金の支払いまでを含めて使
い勝手のよい課金システムを構成することができる。
【0249】また、情報に固有でない付属データによ
り、情報提供者以外の、ネットワークに関する種々の提
供者にも正当な料金を分配することができる柔軟な課金
システムを構築することができる。
【0250】また、利用者以外にも、スポンサが料金を
負担することができる、種々の用途に対応する課金シス
テムを実現することもできる。
【0251】さらに、時間や使用条件の段階に応じて情
報の利用可否を判定したり、課金条件を変えるなどが可
能であり、きめ細かな課金システムを実現することがで
きる。
【0252】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
利用申し込み手続や、多数の利用者固有データの管理を
不要にすることができる。
【0253】また、利用者のプライバシを保護すること
ができる。
【0254】また、料金の請求および徴収を容易にする
ことができる。
【0255】また、提供情報だけでなく伝送路や端末の
提供に対する課金も行うことができる。
【0256】また、提供情報の利用の段階に応じて利用
可否を判定し、その判定結果に応じて情報の利用を制限
し、課金を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超流通の概念図、
【図2】第1実施形態の課金方式を示す図、
【図3】第2実施形態の課金方式を示す図、
【図4】第3実施形態の課金方式を示す図、
【図5】第3実施形態におけるネットワークを示す図、
【図6】第4実施形態の課金方式を示す図、
【図7】第4実施形態におけるネットワークを示す図、
【図8】第5実施形態の課金方式を示す図、
【図9】第6実施形態の課金方式を示す図、
【図10】第6実施形態におけるネットワークを示す
図、
【図11】第8実施形態におけるネットワークを示す
図、
【図12】第8実施形態のマルチメディアネットワーク
に関するすべての提供者へ情報単位で料金を分配する課
金方式を示す図、
【図13】階層符号データの一般的な概念を示す図、
【図14】画像圧縮に関する課金の実施例1における課
金動作を説明する図、
【図15】MPEGにおけるI,P,B-ピクチャの組み合わせを
示す図、
【図16】画像圧縮に関する課金の実施例2における課
金動作を説明する図、
【図17】暗号技術の課金に関する実施例における課金
動作を説明する図、
【図18】暗号の種類に応じた課金の実施例における課
金動作を説明する図、
【図19】画像品位に対する課金の実施例における課金
動作を説明する図、
【図20】第8実施形態における第二の課金方式を示す
図、
【図21】第8実施形態における第三の課金方式を示す
図、
【図22】第9実施形態におけるネットワークを示す
図、
【図23】第9実施形態における課金動作を説明する
図、
【図24】第10実施形態における課金動作を説明する図
である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルチメディアネットワークを介して利
    用者の端末に提供されるマルチメディア情報に対して課
    金するための課金装置であって、 前記マルチメディアネットワークを介して、有料のマル
    チメディア情報と、そのマルチメディア情報の利用料金
    を示す第一の課金情報とを受信する受信手段と、 少なくとも前記マルチメディア情報に対して支払われる
    金銭と等価な情報である金銭情報が記録された媒体の金
    銭情報を読み取る読取手段と、 前記第一の課金情報が示す利用料金と、前記金銭情報が
    示す金額との比較に基づき、前記受信手段により受信さ
    れたマルチメディア情報の利用可否を判定する判定手段
    と、 前記判定手段により利用可と判断されると、前記第一の
    課金情報に応じて前記金銭情報を操作することで、前記
    マルチメディア情報の利用に対して課金する課金手段と
    を備え、 前記第一の課金情報が示す利用料金は、前記マルチメデ
    ィア情報の使用条件に対応する画像の解像度、暗号の処
    理速度、暗号の強度またはMPEGのピクチャの組み合わせ
    に応じて、その金額が段階的に設定されたものであり、
    前記判定手段は、前記第一の課金情報が示す利用料金お
    よび前記マルチメディア情報の使用条件に基づき、前記
    マルチメディア情報の利用可否を判定することを特徴と
    する課金装置。
  2. 【請求項2】 前記受信手段は、さらに、前記マルチメ
    ディアネットワークの利用料金を示す第二の課金情報を
    受信し、前記判定手段は、前記第一および第二の課金情
    報と前記金銭情報とに基づき、前記判定を行うことを特
    徴とする請求項1に記載された課金装置。
  3. 【請求項3】 マルチメディアネットワークを介して利
    用者の端末に提供されるマルチメディア情報に対して課
    金するための課金方法であって、 前記マルチメディアネットワークを介して、有料のマル
    チメディア情報と、そのマルチメディア情報の利用料金
    を示す第一の課金情報とを受信し、 少なくとも前記マルチメディア情報に対して支払われる
    金銭と等価な情報である金銭情報が記録された媒体の金
    銭情報を読み取り、 前記第一の課金情報が示す利用料金と、前記金銭情報が
    示す金額との比較に基づき、受信したマルチメディア情
    報の利用可否を判定し、 前記判定により利用可と判断されると、前記第一の課金
    情報に応じて前記金銭情報を操作することで、マルチメ
    ディア情報の利用に対して課金する各ステップを備え、 前記第一の課金情報が示す利用料金は、前記マルチメデ
    ィア情報の使用条件に対応する画像の解像度、暗号の処
    理速度、暗号の強度またはMPEGのピクチャの組み合わせ
    に応じて、その金額が段階的に設定されたものであり、
    前記判定は、前記第一の課金情報が示す利用料金および
    前記マルチメディア情報の使用条件に基づき、前記マル
    チメディア情報の利用可否を判定することを特徴とする
    課金方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記マルチメディアネットワー
    クの利用料金を示す第二の課金情報を受信し、前記第一
    および第二の課金情報と前記金銭情報とに基づき、前記
    判定を行うことを特徴とする請求項3に記載された課金
    方法。
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