JP3367871B2 - ネットワークの経路設定装置 - Google Patents

ネットワークの経路設定装置

Info

Publication number
JP3367871B2
JP3367871B2 JP21024997A JP21024997A JP3367871B2 JP 3367871 B2 JP3367871 B2 JP 3367871B2 JP 21024997 A JP21024997 A JP 21024997A JP 21024997 A JP21024997 A JP 21024997A JP 3367871 B2 JP3367871 B2 JP 3367871B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
node
state value
nodes
destination
pilot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21024997A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1155312A (ja
Inventor
晴子 河東
健一 田中
一能 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP21024997A priority Critical patent/JP3367871B2/ja
Publication of JPH1155312A publication Critical patent/JPH1155312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3367871B2 publication Critical patent/JP3367871B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信網などのト
ポロジー的な構造を持つネットワークにおいて、発信地
から着信地までの最適経路を設計する装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】特願平8−44865号によるルーチン
グ方法を用いた従来の最適経路設計例について、まず説
明する。図7は、経路設計を行う通信ネットワークの例
である。図において、1は経路設計の対象となる通信ネ
ットワーク、11は通信信号の発着中継を行うノードN
i(i=1,2,・・・,9)、12はノードNi,N
j間の物理接続回線であるリンク、各ノード11の円内
に記載されている番号は各々のノードの番号で、ノード
Niの添字iがこれに対応する。ここでノードNiとノ
ードNj間のリンクには方向性があるものとし、ノード
NiからNjへ向かうリンクをリンクLijと記す。一
般には、リンクLijとリンクLjiは異なるが、図7
の例では、便宜上全てのリンク12は両方向性とする。
リンク12のそれぞれのコストが、リンク上に記してあ
る。リンクLijのコストをWijと記す。コストは距
離に代表されるリンクの属性を示す一般的なパラメータ
で、距離の他には遅延、伝送品質等でもよい。各リンク
12の各コストWijがとり得る値は、正の整数値0,
1,2,・・・,VL−1,VLで、この最大値VLを
ボリュームレベルとおく。ここでは、便宜上、全てのリ
ンク12の容量を単位容量1としている。
【0003】各々のノード11には最適経路設計を行う
経路設計部13が設けられている。全てのノード11の
経路設計部13は同じ構造である。図7では、描図の都
合上、経路設計部13はノード11の外部に描かれてい
るが、実際にはノード11の内部に設けても良い。ノー
ドNiに付属する経路設計部13を経路設計部Kiと呼
ぶ(i=1,2,・・・,9)。それぞれの経路設計部
13では、通信ネットワーク1に対応したネットワーク
シミュレーションモデル2(以下、ネットワークモデル
又はモデルと適宜略記する)を使用する。全てのノード
11の経路設計部13で使用するネットワークモデル2
は同一である。ネットワークモデル2は最適経路設計に
使用する仮想的なネットワークで、モデルノード11M
がノード11に対応している。通信ネットワーク1にお
けるノードNiに対応したモデルノードをモデルノード
Miと呼ぶ(i=1,2,・・・,9)。モデルノード
MiはノードNiと同じ属性を持つ。本方式において、
最適経路設計の手順のうち、後述する水先案内平面群P
PS生成は、この経路設計部13内でネットワークモデ
ル2に関して行われ、実際のノード11で通信ネットワ
ーク1に関して行われるものではない。なお、ここで
は、例えば、各ノード11を区別して表現する場合に
は、ノードNi(i=1,2,・・・,9)というよう
に、添字iを付して表記することとし、この点について
はモデルノード11MとMi、経路設計部13とKi、
後述のユニット11UとUi、テーブルTとTi、処理
部PとPi、水路交差点11PとPNi等々に関しても
同様である。
【0004】経路設計部13内のハードウェア構成は、
K1からK9まで同一で、次のようになっている。各ノ
ードNiに対応したユニット11Uがあり、各々のユニ
ット11Uは、それぞれテーブルTと処理部Pで構成さ
れている。テーブルT及び処理部Pの構成は各ユニット
同一である。テーブルTはRAM等のメモリで、また処
理部Pはマイクロプロセッサ等で実現される。テーブル
Tには、各ノード、即ち、モデルノードの後述する特性
・状態を示すパラメータが記憶され、モデルノードMi
に対応するテーブルTiが含む情報としては、隣接ノー
ドAi、隣接ノードjとの間のリンクLijのコストW
ij、時刻t毎の状態値Xi、宛先ノード識別子Zi、
宛先ノードd毎の水先案内ベクトルPi(d)がある。
経路設計部13の中には、ユニット11Uの他に宛先指
定部DP、クロック発生部CLがある。宛先指定部DP
は、後述のように、宛先ユニットの番号dを各ユニット
に通達する機能を持つ。クロック発生部CLは、各ユニ
ットの動作の同期用の共通クロック信号を発生する。同
期用信号および各ユニットの同期動作については後述す
る。
【0005】ここで、通信ネットワーク1内の総ノード
数をnt個、発信ノードのノード番号をNs、宛先ノー
ドのノード番号をNdとし、発信ノードNsと宛先ノー
ドNdの間の最小コスト経路を探索することを考える。
ここで、最小コスト経路とは、経路内のリンクのコスト
の総和が最小の経路とする。図7の例では、総ノード数
nt=9、宛先ノードNd=N1である。ゆえに、対応
するモデルノードについても、総モデルノード数=9、
宛先モデルノードMd=M1となり、また対応するユニ
ットについても、総ユニット数=9、宛先ユニットUd
=U1となる。なお、宛先ノード番号=宛先モデルノー
ド番号=宛先ユニット番号=dなるdについて、以下適
宜、宛先dと略記する。同様に発信ノード番号について
も発信sと略記する。
【0006】この最適経路計画方法は、必要が生じたと
きに個々の発信ノードNsと宛先ノードNdを与えてそ
の間の最適経路を求めるものではなく、発信ノードと宛
先ノードのあらゆる組合わせに適用できる最適経路群
を、各ノードN1−N9に付属する経路設計部K1−K
9であらかじめ求めておき、個々の経路設定要求が発生
したときにこれを使用するものである。この最適経路群
は、水先案内平面(pilot plane)という概
念を用いて表される。次に、水先案内平面PPの概念
を、図8に基づき説明する。図7のネットワークモデル
2において、宛先モデルノードをM1とした場合の水先
案内平面PPを図8に示す。水先案内平面PPは、ネッ
トワークモデル2から求められる仮想的なネットワーク
で、宛先モデルノードMd毎に、一面を構成する。水先
案内平面PPは、各モデルノード11Mから出ている矢
印Pi(i=1,2,・・・,9)、即ち、隣接する2
モデルノード間の方向性のある結合で構成される、方向
性のあるネットワークである。これは、各モデルノード
11Mに水先案内人がいて、次に進むべき方向を示して
いる仮想的なイメージを表すものである。各モデルノー
ドMiにいる水先案内人が示している方向、即ち、図8
のPPの矢印Pi(1,2,・・・,9)の矢先が、モ
デルノードMiの宛先dの水先案内ベクトルPi(d)
である。水先案内ベクトルPi(d)は、当該ノードN
iから宛先dを目指す場合に、次に進むべき方向の隣接
ノードの番号である。記号Pi(d)のiはノード番
号、dは宛先を示す。宛先dがあきらかな場合は、以下
適宜、宛先dを省略してPiと略記する。モデルノード
Md自身が宛先dの場合、水先案内ベクトルPd(d)
は定義されない。宛先dの水先案内平面PPは、宛先モ
デルノードMdを除く全モデルノードMi(i=1,
2,・・・,9)の水先案内ベクトルPi(d)の集合
である。
【0007】発信モデルノードMsから宛先モデルノー
ドMdまでの最適経路を求める際は、発信モデルノード
Msから出発して、順次モデルノード毎に水先案内平面
PP内の水先案内ベクトルPi(d)の指示に従って進
めば、最適経路を通って宛先Mdに到達することができ
る。図8において、モデルノードM8からM1までの最
適経路を求めるとすると、まずM8から出発して、水先
案内ベクトルP8に従ってM7に進む。次に、M7から
は水先案内ベクトルP7に従って、M5に進む。同様に
して、水先案内ベクトルP5,P4に従って、M4,M
1と進んで宛先M1に到達する。この際に、通った経路
M8,M7,M5,M4,M1が、M8からM1への最
適経路である。
【0008】水先案内平面PPは、宛先モデルノードM
d毎に一面を構成するので、宛先Mdが複数ある場合に
は、複数面の水先案内平面PPを用いる。図8の水先案
内平面群PPSは、モデルノードM1からM9の各々の
モデルノードを宛先とした水先案内平面PPの集合であ
る。図8の水先案内平面群PPSの最上層の宛先1の水
先案内平面PPの内容は、図8の上部の宛先d=1の水
先案内平面PPに示すものである。水先案内平面群PP
S第2面以下の宛先2から9の水先案内平面PPの内容
は、個別には図示していない。水先案内平面群PPSが
あれば、発信モデルノード、宛先モデルノードとして、
M1からM9のうちのあらゆる2個の組み合わせについ
て、最適経路を得ることができる。図8のPPSにおい
て、各水先案内平面PPのモデルノードM5の周辺部P
P5を切り出し、縦方向に重ねて抜出したものがPPS
5である。これをモデルノードM5、あるいは、ノード
N5の部分水先案内平面群PPS5と呼ぶ。部分水先案
内平面群PPS5においては、各水先案内平面PPのモ
デルノードM5の水先案内ベクトルP5が示されてい
る。PPS5では、モデルノードM5から次に進むべき
方向を、宛先モデルノード別に示してあるので、ノード
N5ではPPS5を参照すれば、どの宛先d宛の経路に
も対応できる。例えば、この最適経路設計をパケット通
信に利用する場合、通信ネットワーク1のノードN5
は、この部分水先案内平面群PPS5を保有していれ
ば、到着したパケットの宛先に応じて、適切なパケット
送出方向を指示できる。例えば、宛先ノードがN1のパ
ケットが到着した場合は、宛先1の部分平面PP5に示
されている水先案内ベクトルP5(1)に従って、ノー
ドN4方向にパケットを送り出す。一般に、図8のPP
Sにおいて、各水先案内平面PPのモデルノードMiの
周辺部を切り出し、縦方向に重ねて抜出したものを、モ
デルノードMi、あるいは、ノードNiの部分水先案内
平面群PPSiと呼ぶ。
【0009】水先案内平面PPを数字で表現する方法に
は、図9のPPT1のような行列形式、PPT2のよう
な表形式等がある。図9のPPT1は、図8の宛先1の
水先案内平面PPを行列で表したもので、モデルノード
Miの水先案内ベクトルPi(d)がjであることを、
行列PPT1の要素(i,j)を1として表している。
例えば、モデルノードM5の水先案内ベクトルP5
(1)は4なので、行列PPT1の要素(5,4)は1
となっている。行列PPT1の1行めに1の要素がない
のは、宛先1の水先案内平面PPでは、モデルノードM
1の水先案内ベクトルP1(1)が定義されていないか
らである。図9のPPT2は、図8の宛先1の水先案内
平面PPを表で表したもので、モデルノードMiの水先
案内ベクトルPi(d)をi=1,2,・・・,9につ
いて記している。P1=Xと記してあるのは、P1
(1)は定義されていないという意味である。水先案内
平面群PPSは、行列PPT1、あるいは、表PPT2
を宛先別に宛先数だけ使用して表現できる。図8のPP
S5は、図9のPPT3の行列、PPT4の表等で表現
できる。図9のPPT3は、図8のPPS5を行列で表
したもので、モデルノードM5の水先案内ベクトルP5
(d)がjであることを、行列PPT3の要素(d,
j)を1として表している。例えば、宛先1の水先案内
ベクトルP5(1)は4なので、行列PPT3の要素
(1,4)は1となっている。行列PPT3の5行目に
1の要素がないのは、モデルノードM5では宛先5の水
先案内ベクトルP5(5)が定義されていないからであ
る。また、行列PPT3の2,4,6,7列め以外の列
の要素が全てゼロなのは、モデルノードM5からの水先
案内ベクトルP5(d)の行先は隣接モデルノードM
2,M4,M6,M7のみに限られているからである。
図9のPPT4は、図8のPPS5を表で表したもの
で、モデルノードM5の水先案内ベクトルP5(d)を
宛先d=1,2,・・・,9について記している。P5
=Xと記してあるのは、P5(5)は定義されていない
という意味である。
【0010】以下、この方式の手順を具体的に説明する
に先立ち、この最短経路計画の方法の原理につき、概念
的な直観イメージを示す図10に基づき、概念的に述べ
る。この図10は、プールPOの内側に島ISが水路W
Wを形成するように配置されたものである。プールPO
は、図7の通信ネットワークの水路モデルであり、水路
WWがリンク12とトポロジー的に同じ構成となるよう
に、島ISが配置されている。ノード11に対応するの
は、水路交差点11Pであり、ノード番号N1,N2,
・・・,N9に対応して番号PN1,PN2,・・・,
PN9が付されている。水路交差点11Pは、以下適
宜、交差点と略記する。図10では、描画の都合上全て
の水路WWの長さはほぼ等しくなっているが、実際に
は、水路WWの長さは対応するリンク12のコストに比
例させる。例えば、水路交差点PN1とPN2の間の水
路の長さは4単位長、PN1とPN4間の水路の長さは
1単位長となっている。ここで水路WWの長さは、2地
点間の距離を表したものなので、数学的な距離の条件を
満たす。即ち、同地点間の距離はゼロ、2地点間の距離
は両方向とも等しく、三角形を形作る3個の水路WWの
内の2個の長さの和は、他の1個の水路WWの長さより
大きくなる。一方リンク12のコストは、距離・遅延・
品質等の任意の属性でありうるので、必ずしも上記距離
の条件を満たさない。ゆえに、リンク12のコストが水
路WWの長さに対応できない場合も生じる。例えば、図
7の通信ネットワーク1のノードN1,N2,N4によ
る三角形は、上記距離の条件を満たさないので、水路W
Wには対応できない。しかし、図10に基づく直観イメ
ージは、本方式による最適経路設計の説明をわかり易く
するための概念的なものにすぎず、このイメージに対応
できない場合でも、最適経路設計方式は有効である。図
10では、水路交差点11PをX印で示し、そのX印に
符号11Pを付し、かっこ内に交差点番号(PN1,P
N2,・・・,PN9)を記してある。また、各水路交
差点11PのX印のところには、図示されていないが、
水先案内人MAがいる。図10の例では、水路交差点1
1PはPN1からPN9の9個あり、それぞれに水先案
内人MAがいるので、その数は全部で9人である。
【0011】ここで、プール周縁部の地点PN1(宛先
ノードN1に対応)には子供CHがおり、この子供CH
は犬DGを飼っている。この犬DGは迷子になってしま
い、PN1からPN9までのいずれかの水路交差点11
Pにいることはわかっているが、いずれの水路交差点1
1Pにいるかは不明である。図10では、一例として交
差点PN9に犬DGが描かれているが、子供CHは犬D
Gの所在地を知らない。迷子になった犬DGは、水路W
Wを泳いで子供CHに会いに行きたいと考えている。子
供CHは、犬DGが自分のところへ迷わず来られるよう
に、進むべき水路WWを教えてあげたいと考えている。
この際、子供CHは、犬DGが泳ぐ距離がなるべく短く
てすむようにしてあげたいと望んでいる、という状況を
想定する。この犬DGは、一つの水路WWをまっすぐに
泳ぎ進む能力は持っているが、水路交差点11Pに来た
場合に、そこで交差する複数の水路WWの内から自分の
進むべき進路を選択する能力は持たず、これについては
各水路交差点11Pにいる水先案内人MAに教えを請う
よう訓練されている。水先案内人MAは、自分の水路交
差点に犬が来た場合に、後述するように、犬が次に進む
べき水路を選択して、犬をその方向へ誘導する任務を持
つ。
【0012】次に、図11に基づき、PN1からPN9
までのいずれかの水路交差点11Pで迷子になっている
犬DGが、最短距離を通って子供CHに会いに行かれる
ように、進むべき水路WWを教えてあげる手順を説明す
る。最初、水面は静まっていて平らである。ここで子供
CHが、石STを水面に落として、波を発生させる(S
CH1)。するとこの波は、水路WWを伝播していく。
各水路交差点11Pにいる水先案内人MAは、自分の水
路交差点11Pに波が伝播してくるのを発見しようと、
水面を見ている。自分の水路交差点11Pに波が最初に
伝播してきたとき(SMA1)、水先案内人MAは波が
伝播してきた水路WWの方向を記憶し、この方向を指で
指し示す(SMA2)。水先案内人MAは、犬DGが自
分の水路交差点11Pに来るのを待ち、犬DGが来た場
合には、指で指し示している水路WWの方向に進路をと
るように、犬DGを誘導するべく、待機している(SM
A3)。全ての水路交差点11Pに波が伝播したとき、
全ての水先案内人MAが波の最初の伝播方向を指し示
し、犬DGの待機状態になっている。このように、どの
水路交差点11Pから犬DGが出発しても良いように、
各水路交差点11Pで水先案内人MAが、犬DGが着た
場合に進むべき方向を指し示した状態が、図8の宛先1
の水先案内平面PPに対応する。以上のように、波が最
初に伝播した方向へ犬DGを誘導するのは、波の中心P
N1に近い点ほど早く波が伝播するので、波が早く伝播
した方向へ進めば、最初に石を落とした地点PN1に到
達できるからである。この理由の詳しい説明は、後述す
る。
【0013】迷子になった犬DGが、水路WWを泳いで
子供CHに会いに行く場合には、順次、上記の水先案内
人MAの指示に従って進む。まず、犬DGは、自分がい
る水路交差点11Pの水先案内人MAが、進むべき水路
WWを指し示して犬DGを誘導する待機状態になるまで
待つ(SDG1)。自分の水路交差点11Pの水先案内
人MAが待機状態になったならば(SDG1)、その水
先案内人MAに教えを請い(SDG5)、誘導された方
向へ泳ぐ(SMA4,SDG6,SDG3)。各水路交
差点11Pにくるたびに(SDG2)、そこの水先案内
人MAに教えを請い(SDG5)、指し示す方向に誘導
してくれるのに従って進路をとり(SMA4,SDG
6)、水路WWを泳いで行けば(SDG3)、子供CH
のいるPN1に泳ぎ着く(SDG4)。例えば、犬DG
が水路交差点PN9にいた場合は、犬DGは、まず水路
交差点PN9で水先案内人MAが犬DGの待機状態にな
るのを待ち(SDG1)、水先案内人MAに教えを請う
(SDG5)。次に、その指示に従って(SMA4)、
水路交差点PN8の方向に向かって水路WWを泳ぎ(S
DG6,SDG3)、次に、水路交差点PN8で水先案
内人MAの指示に従って、水路交差点PN7の方向へ進
路を変換し(SDG2,SDG5,SDG6,SMA
4)、また、水路WWを泳ぐ(SDG3)。同様にし
て、水路交差点PN5,PN4を経由してPN1へ泳ぎ
着く(SDG4)。
【0014】次に、図7の各ユニット11Uに設けられ
たテーブルTの各パラメータについて具体的に説明す
る。テーブルTiの各パラメータは、ノードNi、即
ち、モデルノードMi、またはユニットUiに対応す
る。テーブルTiのパラメータは、図12に示してい
る。
【0015】次に、図12の各パラメータを詳細に説明
する。図12には、テーブルT1,T2,T4,T5の
例が抜粋されているが、他のテーブルT3,T6,T
7,T8,T9についても同様である。ノードNiの隣
接ノードAiは、ノードNiからリンクLijが出てい
る先のノードNjのノード番号jの集合である。一般に
は、リンクLijには方向性があるため、ノードjがノ
ードiの隣接ノードAiの要素であることと、ノードi
がノードjの隣接ノードAjの要素であることは等価で
はない。しかし、図7の例では、リンクは両方向性とし
たので、ノードjがノードiの隣接ノードAiの要素で
あれば、ノードiがノードjの隣接ノードAiの要素と
なっている。例えば、ノードN1は、ノードN2および
ノードN4と接続されているので、A1={2,4}と
なる。同様に、A2={1,3,4,5,6},A3=
{2,6,8},A4={1,2,5,7},A5
{2,4,6,7},A6={2,3,5,7,8},
A7={4,5,6,8,9},A8={3,6,7,
9},A9={7,8}となる。隣接ノードAiは、ネ
ットワークの構成と一義的に対応しており、ネットワー
クの構成が変化しない限りは固定である。モデルノード
Miの隣接モデルノードおよびユニットUiの隣接ユニ
ットは、隣接ノードAiと等しい。
【0016】さて、ノードNiの隣接ノードであるノー
ドNjの、ノードNiからのリンクLijのコストをW
ijと記す。例えば、ノードN1から隣接ノードN2へ
のリンクL12のコストW12は4、ノードN1から隣
接ノードN4へのリンクL14のコストW14は1であ
る。
【0017】宛先ノード識別子Ziは、宛先ユニットに
付ける目印であり、宛先モデルノードMd対応の場合Z
d=1、それ以外の場合Zi=0とする。水先案内ベク
トルPi(d)は、前述のように、当該ノードNiから
宛先dを目指す場合に、次に進むべき方向の隣接ノード
の番号である。各ノードの宛先d毎の水先案内ベクトル
を、テーブルTに保持する。ここで、ノードN5のユニ
ットU5のテーブルT5というのは、実は図8のPPS
5を表すものであり、図12のテーブルT5の水先案内
ベクトルP5のテーブルと図9のPPT4は、同じテー
ブルである。一般に、ノードNiのユニットUiのテー
ブルTiというのは、図8のPPS5と同様の部分平面
群をモデルノードMiに作成したもの、即ち、水先案内
ベクトルPi(d)の集合をd=1,2,・・・,9に
ついて集めたものを表す。ゆえに、実際に最適経路を案
内する際には、ノードNiで保有するテーブルT1,T
2,・・・,T9のうち、ノードNiで本当に必要なテ
ーブルは、Tiのみであり、他のテーブルは捨ててしま
っても良い。
【0018】モデルノードMiの状態値Xiは、この方
式の中心となるパラメータである。状態値Xiは時刻t
に依存する可変パラメータであり、時刻依存性を明確に
したい場合は状態値Xi(t)と記す。ここで時刻t
は、離散的な値t=0,1,2,3・・・をとる。テー
ブルTには、現在の時刻t0の状態値Xi(t0)、1
単位時間前の時刻(t0−1)の状態値Xi(t0−
1)、2単位時間前の時刻(t0−2)の状態値Xi
(t0−2)と続いて、リンク12のコストWijの最
大値であるボリュームレベルVL単位時間前の時刻(t
0−VL)の状態値Xi(t0−VL)まで保持してお
く。
【0019】状態値Xi(t)は、下記の様な特徴を持
つ。 ・状態値Xi(t)は、0と1の2値のみをとる。 ・状態値Xi(t)の値は、0が遮断、1が導通等の物
理的な状態に対応するパラメータではないが、前述の直
観イメージを示した図8では、0が最初の波が伝播して
きていない状態、1が波がすでに伝播して水先案内人M
Aが犬DGの待機を待機している状態に相当する。ま
た、状態値Xiの値が0のことを不活性、1のことを活
性、0から1となることを活性化と以下適宜表現する。 ・時刻tにおけるモデルノードMiの状態値Xi(t)
は、次の規則1,2に従って変化する。また、水先案内
ベクトルPi(d)は、次の規則3に従って決定する。 規則1)時刻t=0では、宛先モデルノードMdの状態
値Xd(0)=1、それ以外のモデルノードMiについ
ては状態値Xi(0)=0とする。 規則2)コストWij時刻前の状態値Xj(t−Wi
j)の値が1である隣接モデルノードMjが存在する場
合には(jはAiの要素)、状態値Xi(t)は1とす
る。それ以外の場合は、状態値Xi(t)は0とする。
宛先モデルノードMdの状態値は、常に状態値Xd
(t)=1とする。 規則3)規則1,2に従って、状態値Xi(t)の値が
0から1に活性化したとき、その変化の原因となった隣
接モデルノードMjのノード番号jを、水先案内ベクト
ルPi(d)とする。 ・なお、ここで(時刻t−コストWij)が負の数とな
る場合の状態値は、ゼロとする。即ち、時刻t<コスト
Wijならば、状態値Xi(t−Wij)=0。 ・ここで上記規則1,2に従って、全ての状態値Xi
(t)を0に初期化した後、一度1になって活性化した
状態値Xi(t)は、1のまま変化しない。
【0020】以下に、この方式の最適経路設計の手順を
説明する。この手順は、水先案内平面群PPS生成の概
略フローチャート(図13)、同詳細フローチャート
(図17)、パケット送信時のフローチャート(図1
4)等々の各フローチャートに示される手順により構成
される。説明は、まず経路設計部13で実行される処理
について述べ、次に概略手順の説明、クロックと各部の
同期の説明を行い、最後に詳細手順の説明を行う。この
方式の手順は、図7の経路設計部13で遂行される。経
路設計部13内には、前述の如く、通信ネットワーク1
の各ノード11に対応した9個のユニット11Uがある
が、それぞれのユニットは独立しており、各自のプロセ
ッサによる処理部P、およびメモリによるテーブルTを
所有している。本手順処理の大部分は、これらのユニッ
ト11Uで行われる。ユニット11U以外で行われるの
は、宛先指定部DPによる宛先ユニット番号の通知等後
述する少数の処理のみである。各々のユニット11Uに
設けられている機能は同一であるが、順次、宛先指定部
DPによって宛先ユニットに指定されるユニット(図7
の場合は、U1)は、その他のユニット(U2からU
9)とは若干異なる手順に従って処理を行う。
【0021】次に、この方式の最適経路計画方法の概略
手順を述べる。この方式における最適経路計画方法は、
前述したとおり、必要発生時に個々の発信ノードNsと
宛先ノードNdを与えてその間の最適経路を求めるもの
ではなく、全ての宛先ノードに対する水先案内平面群P
PSを、全ノードに付属する経路設計部13で予め求め
ておき、個々の経路設定要求が発生したときに、これを
使用するものである。前述の直観イメージでいえば、水
先案内平面群PPS生成は、迷子になっている犬DGが
最短距離を通って、子供CHに会いに行かれるように進
むべき進路を教えてあげる準備に相当する。図8に示す
水先案内平面群PPSは、前述のように、モデルノード
M1からM9の各々のモデルノードを宛先とした水先案
内平面PPの集合である。ゆえに、水先案内平面群PP
Sを生成するためには、宛先モデルノード番号dを1か
ら9まで一つずつ変化させて、それぞれのdについての
水先案内平面PPを求めればよい。この手順を図13に
示す。
【0022】図13は、水先案内平面群PPS生成の概
略手順を示すフローチャートである。図13には、宛先
指定部DPの手順(SS1,SS3,SS5)、各ユニ
ットU1−U9の手順(SS2,SS4,SS6)が示
されている。宛先指定部DPでは、まず宛先d=1を各
ユニットU1−U9に指定し(SS1)、各ユニットU
1−U9ではそれぞれこれを受けて宛先1の水先案内平
面PPを作成する(SS2)。同様にして宛先d=2,
3,・・・,9の水先案内平面PPを作成する(SS
3,SS4,SS5,SS6)。こうして、宛先d=
1,2,・・・,9の水先案内平面群PPSが生成され
る。
【0023】次に、個々の経路設定要求が発生したとき
に、水先案内平面群PPSを使用して最適経路をとる方
法を、図14に基づき説明する。これは、前述の直観イ
メージでいえば、犬DGが水路WWを泳いで子供CHに
会いに行く手順に相当する。図14は、この方式の最適
経路設計を、パケット通信に利用する場合の各ノードN
1−N9の手順と(SN1,SN2)、パケットPKT
の手順(SP1−SP5)を示したものである。図15
に、パケットPKTを示す。パケットPKTは任意の長
さでよいが、図15に示すように、個々のパケットPK
T内に、そのパケットの宛先ノード番号dが書き込まれ
ているものとする。パケットPKTは、発信ノードNs
から出発し、宛先ノードNdを目指す。パケットPKT
は、まず発信ノードNsの方向指示の準備が整ったなら
ば(SP1)、ノードNsの指示の通りに次のノードへ
行く(SP5)。次のノードに到着するまでは、リンク
12を進む(SP3)。次のノードNiに到着したなら
ば(SP2)、そのノードNiの指示の通りに、更に次
のノード向かってリンク12を進む(SP5,SP
3)。これを順次繰り返し、宛先ノードNdに到着する
まで(SP4)続ける。図14のパケットPKTの手順
SP1−SP5は、図11の犬DGの手順SDG1−S
DG6に対応する。但し、図11の犬DGが、自分の手
足を動かして主体的に水路WWを泳いで行くのに対し、
パケットPKTは自分でリンク12上を走るわけではな
く、ノードN1−N9に送出されるままにリンク12上
を移動するだけである。しかし、説明上わかり易いよう
に、パケットPKTを擬人化して主体性があるように図
14に示している。実際の動作としてパケットの送受を
行うのは、ノードN1−N9である。ノードNiでは、
水先案内平面群PPS生成後、パケットが到着するのを
待機し(SN1)、パケットが到着したならば、ユニッ
トUiのテーブルTiの宛先dの水先案内ベクトルPi
(d)の方向へ、パケットを送出する(SN2)。ノー
ドNiのユニットUiのテーブルTiを参照するという
ことは、換言すれば、部分水先案内平面群PPSiを参
照するということである。
【0024】水先案内平面群PPS生成の詳細手順を説
明する前に、クロック発生部CLから発生される同期用
信号および宛先指定部DPと各ユニット11Uの同期動
作について説明する。図16に、クロック発生部CLか
ら発生される同期用信号を示す。図16のCLKは、各
部同期の基準となる基本クロック信号であり、図の矩形
波の立ち上がりの部分を同期用に使用する。基本クロッ
クの速度は、後述する1単位時間(t=1,2,・・・
のtの1個分)内に処理するべき手順が終わる程度の時
間幅以上とする。図16の水先案内平面群生成要求信号
PPSRは、水先案内平面群PPS生成開始を宛先指定
部DPと各ユニットU1−U9に合図する信号である。
図16のtは、基本クロックCLKに同期した時刻t=
0,1,2,・・・を示す。時刻リセット信号RST
は、時刻tを0にリセットする信号で、各ユニット11
Uに送出される。宛先要求信号DPRは、宛先指定部D
Pに宛先の指定を要求する信号で、時刻リセット信号R
STより若干タイミング先立って送出される。どのくら
い先立つかの時間幅については後述する。ユニットU
i、あるいは、モデルノードMiの状態値Xiは、前述
のように、時刻tに依存するパラメータである。時刻t
の系列t=0,1,2,・・・とそれに依存する状態値
Xi(t)は、水先案内平面PPを一面作成する手順の
なかで有効なものであり、別の水先案内平面PPを作成
するときには、状態値Xi(t)を初期化し、また新た
に時系列t=0,1,2,・・・を開始する必要があ
る。この新たな時系列の開始を通知するのが、時刻リセ
ット信号RSTである。時刻リセット信号RSTは、各
ユニットU1−U9に対する、新たな水先案内平面PP
作成開始の合図でもある。
【0025】水先案内平面PP一面は、前述のように宛
先d毎に求められるものであり、新たな水先案内平面P
Pの対象となる宛先dは、水先案内平面PP作成開始に
先立って、各ユニットU1−U9に通知されている必要
がある。宛先指定部DPに対してこれを指示するのが宛
先要求信号DPRである。新たな宛先dに対する水先案
内平面PPを作成する場合は、まずクロック発生部CL
から宛先指定部DPに対して宛先要求信号DPRを送出
して、宛先dを各ユニットU1−U9に通知するよう要
求する。これを受けた宛先指定部DPは、各ユニットU
1−U9に宛先dを通知する。これを受けた各ユニット
U1−U9は、状態値Xi(t)を初期化するなど、新
たな水先案内平面PP作成の準備をする。次に、各ユニ
ットU1−U9は、時刻リセット信号RSTを待ち、時
刻リセット信号RST受信を合図に新しい時系列t=
0,1,2,・・・を開始し、新たな水先案内平面PP
作成を開始する。宛先要求信号DPRと時刻リセット信
号RSTの間の時間は、宛先指定部DPが各ユニットU
1−U9へ宛先dを指定し、各ユニットU1−U9がこ
れを受信し、新たな水先案内平面PP作成を開始する準
備を行うのに十分な時間をとる。
【0026】クロック発生部CLが、一つの水先案内平
面PPの宛先要求信号DPRを送出してから、次の水先
案内平面PP宛先要求信号DPRを送出するまでの最小
時間(単位時間数)は、各ユニットU1−U9が水先案
内平面PPを一面作成するのに必要な時間と、作成平面
を切換える手続きに必要な時間との和である。このう
ち、各ユニットU1−U9が水先案内平面PPを一面作
成するのに必要な時間(単位時間数)、即ち、時刻tを
ゼロにリセットする前の最大のtの値は、原理的に全ノ
ード数ntを越えないことがわかっている。これは前述
のBertsekas の文献の296−297ページに証明され
ている。また、作成平面を切り換える手続に必要な時間
は、一定の短い時間で十分であるので、宛先要求信号D
PR間の最小間隔は、予め推定することができる。全ノ
ード数ntが大きい場合には、DPR間最小間隔をnt
単位時間とほぼ等しいとしてもよい。
【0027】水先案内平面群PPSは、前述のように全
ノード数nt個の水先案内平面PPから構成されている
ので、1個の水先案内平面群PPSを生成するのにかか
る時間(単位時間数)は、1面の水先案内平面PP作成
にかかる時間のおよそnt倍となる。1個の水先案内平
面PP作成に必要な時間は、およそ全ノード数nt(単
位時間)なので、1個の水先案内平面群PPSを生成す
るのにかかる時間は、およそntの2乗(単位時間)と
してよい。もし、リンク12のコストが変化した等の理
由で、連続して水先案内平面群PPSを生成する必要が
あるばあいは、クロック発生部CLは、宛先指定部DP
と各ユニットU1−U9に対して、ntの2乗(単位時
間)以上の間隔をあけて、水先案内平面群生成要求信号
PPSRを送出して、連続的に水先案内平面群PPSを
生成することができる。
【0028】次に、この方式による最適経路設計方法に
おける、水先案内平面群PPS生成の詳細手順を、図1
7のフローチャートに基づき説明する。水先案内平面群
PPSの生成法は、全ノード付属経路設計部K1−K9
で共通である。図17には、宛先指定部DPの手順(S
DP1−SDP6)、各ユニット11Uの手順(SU1
−SU16,SUD4−SUD5)が示されている。こ
れらの手順は、実際上はソフトウェアにより実行され
る。各ユニット11Uは、それぞれ独立に図17の手順
の処理を行うが、これらの処理は、クロック発生部CL
からの同期用信号に同期して行われる。
【0029】図17において、宛先指定部DPが、宛先
ユニット番号dを変化させる役割を担う。宛先指定部D
Pは、クロック発生部CLからの水先案内平面群生成要
求信号PPSRを受信したときに、以下の手順を開始す
る(SDP1)。宛先指定部DPは、まず宛先dをd=
1に初期設定する(SDP2)。ここでクロック発生部
CLからの宛先要求DPRを待ち(SDP3)、これを
受信したならば、各ユニットU1−U9へ宛先d=1を
知らせる(SDP4)。そして、全てのユニットを宛先
ユニットに指定したかどうか、即ちd=9か否かを判断
する(SDP5)。ここでdが9より小さく、宛先ユニ
ットに指定されていないユニットがある場合には(SD
P5−いいえ)、dを1だけ加算して(SDP6)、ク
ロック発生部CLからの宛先要求DPRを待ち(SDP
3)、次の宛先d=2を各ユニットに知らせる(SDP
4)。このようにして、d=9となって全てのユニット
が宛先ユニットに指定されるまで(SDP5−はい)、
宛先dの指定を続ける(SDP3,SDP4,SDP
5,SDP6)。
【0030】図17において、各ユニットU1−U9
が、水先案内平面群PPSを生成する。各ユニットU1
−U9は、クロック発生部CLからの水先案内平面群生
成要求信号PPSRを受信したときに、以下の手順を開
始する(SU1)。各ユニットU1−U9は、次に宛先
指定部DPからの宛先dを受信する(SU2)。ここで
は、宛先d=1の場合の手順を説明する。各ユニットU
1−U9では、SU2で受信した宛先dが自分のユニッ
ト番号であるか否かを判断し(SU3)、自ユニットが
宛先ユニットであった場合にはSUD4へ、宛先ユニッ
トでなかった場合にはSU4へ進む。
【0031】ここでは、ユニットU1が宛先ユニットな
ので、ユニットU1はSUD4へ進む。SUD4では、
状態値X1(t)をX1(0)=1と初期化する。次
に、SUD5で時刻リセット信号RSTを受信したなら
ば、時刻tをt=0にリセットする。以下のステップで
は、状態値X1(t)の値は変化しないが、時刻tはク
ロック発生部CLからの基本クロックCLKに同期し
て、1ずつ加算していく。即ち、SU13で基本クロッ
クCLKを受信したならば、SU14で時刻tに1だけ
加算する。SU15では、新たな時刻tにおける状態値
をX1(t)=1とおく。その後、SU13,SU1
4,SU15を繰返す。この繰返し中に、宛先指定部D
Pから新たな宛先dの指定を受信したら(SU16)、
次の水先案内平面PPを作成するために、SU3へ戻
る。
【0032】ユニットU2−U9は、宛先ユニットでは
ないので、SU3からSU4へ進む。SU4では、状態
値Xi(t)をXi(0)=0と初期化する。次に、S
U5で時刻リセット信号RSTを受信したならば、時刻
tをt=0にリセットする。以下のステップでは、時刻
tをクロック発生部CLからの基本クロックCLKに同
期して、1ずつ加算していくとともに、状態値Xi
(t)の値を更新していく。まず、SU6で基本クロッ
クCLKを受信したならば、SU7で時刻tに1だけ加
算する。SU8では、ユニットUiの全ての隣接ユニッ
トjについて(jはAiの要素)、コストWij時刻前
の隣接ユニットの状態値Xj(t−Wij)を読出す。
SU9では、SU8で読み出した状態値Xj(t−Wi
j)のなかに値が1のものがあるか否かを判断する。状
態値Xj(t−Wij)に値が1のものがない場合に
は、時刻tでのユニットUiの状態値Xi(t)は、ゼ
ロのままXi(t)=0とする(SU10)。その後S
U6へ戻り、SU6からSU9を繰返す。SU9で、状
態値Xj(t−Wij)に値が1のものがある場合に
は、時刻tでのユニットUiの状態値Xi(t)をXi
(t)=1とし(SU11)、状態値Xj(t−Wi
j)=1となっている隣接ユニットjのユニット番号j
を、ユニットiの宛先1の水先案内ベクトルP1iと
し、テーブルTに書込む(SU12)。以下のステップ
では、状態値Xi(t)の値は1のままで変化しない
が、時刻tはクロック発生部CLからの基本クロックC
LKに同期して、1ずつ加算していく。即ち、SU13
で基本クロックCLKを受信したならば、SU14で時
刻tに1だけ加算する。SU15では、新たな時刻tに
おける状態値をX1(t)=1とおく。その後、SU1
3,SU14,SU15を繰返す。この繰返し中に、宛
先指定部DPから新たな宛先dの指定を受信したら(S
U16)、次の水先案内平面PPを作成するために、S
U3へ戻る。
【0033】図18は、図7のネットワークで、宛先1
の水先案内平面PP作成の際の各状態値Xiの値の遷移
を示した表である。時刻t=0では、SUD4とSU4
の初期化によって、X1=1,i=2,・・・,9につ
いては、状態値Xi=0である。時刻t=1では、ユニ
ットU4において、隣接ユニットU1との間のリンクL
41のコストW41が1なので、1単位時間前の状態値
X1(t−1)を見るが、この値が1なので、自ユニッ
トの状態値を1とする(X4(t)=1)。ユニットU
2では、隣接ユニットU1との間のリンクL21のコス
トW21が4なので、4単位時間前の状態値X1(t−
4)を見るが、状態値Xiの定義から負の時刻の状態値
は、ゼロなのでX1(t−4)=0となり、自ユニット
の状態値はゼロのままである(X2(t)=0)。その
他のユニットでは、時刻t=0までの隣接ユニットの状
態値が全てゼロなので、時刻t=1での自ユニットの状
態値もゼロのままとなる。時刻t=2では、ユニットU
2とU5が、それぞれコストW24=1、W54=1
で、ユニットU4と隣接しているので、1単位時間前の
ユニットU4の状態値X4(t−1)が1であることか
ら、自ユニットの状態値が1となっている。以下時刻t
=3,4では、同様にして各ユニットの状態値が変化し
てゆき、時刻t=5では全てのユニットの状態値が1と
なる。
【0034】以上のように、水先案内平面群PPSを生
成して、各ノード11付属の経路設計部13で保持して
おく。個々の経路設定要求が生じたときには、図14に
示した手順に従って、この水先案内平面群PPSを参照
して次に進むべき経路を案内する。
【0035】前述した最適経路設計方法を、ハードウェ
ア論理回路を用いて実現する方法を示す。前述した方法
のポイントは、時刻tにおけるモデルノードMiの状態
値Xi(t)が規則1、2に従って変化し、水先案内ベ
クトルPi(d)が規則3に従って生成される点であっ
た。ここで、状態値Xi(t)は0と1の2値のみをと
り、規則1、2、3はハードウェア論理回路で実現可能
であるので、前述した方法は、ハードウェア論理回路で
実現可能である。
【0036】図19は、図7に示す通信ネットワーク1
において、規則1、2、3をハードウェア論理回路で実
現した例であり、図20はそのタイミングを示した図で
ある。図19において、DFFはD−フリップフロップ
を示し、基本クロックCLKに同期して、入力データを
出力する。これはLS74等の素子で実現できる。ま
た、SRFFはSR−フリップフロップを示し、LS1
12等の素子で実現できる。その他の、ANDゲート、
ORゲート、XORゲートについても、一般的な論理
積、論理和、排他的論理和の素子で実現できる。図19
及び図20において、X1、X2、...X9は、モデ
ルノードMiの状態値Xiを示す。図20の状態値Xi
の変化の様子は、図18の遷移表と等しくなっている。
図19において、KAIRO2(X2)は、規則2に従
って、状態値X2を更新する回路であり、KAIRO3
(X2)は、規則3に従って、水先案内行列PM2jを
生成する回路である。水先案内行列PMijとは、水先
案内平面PPを行列形式で表現したもので、一例が図9
のPPT1に示されている。モデルノードMiの水先案
内ベクトルPi(d)がjのときPMij=1となり、
それ以外のjについてはPMij=0となる。また、K
AIRO2(X3)は、規則2に従って、状態値X3を
更新する回路であり、KAIRO3(X3)は、規則3
に従って、水先案内行列PM3jを生成する回路であ
る。また、KAIRO1(X1)は規則1と2に従っ
て、宛先モデルノードの状態値X1(t)を1に固定す
る回路である。但しこの場合の宛先はd=1とする。
【0037】次に図19のKAIRO2(X2)が規則
2を実現しているしくみを説明する。図7の通信ネット
ワーク1あるいは図12のテーブルT2に示すように、
ノードN2の隣接ノード(とそのコスト)は、1
(4)、3(1)、4(1)、5(1)、6(2)とな
っている。一方、規則2は、コストWij時刻前の状態
値Xi(t−Wij)の値が1である隣接モデルノード
Mjが存在する場合には、状態値Xi(t)は1とし、
それ以外の場合には0とする、というものである。故に
ノードN2の場合、X1(t−4)、X3(t−1)、
X4(t−1)、X5(t−1)、X6(t−2)のい
ずれかが1であれば、Xi(t)は1となるということ
である。これは、図19のKAIRO2で実現されてい
る。即ち、4時刻前のX1の値は、X1の値をフリップ
フロップDFFで4回遅延されることによって得られ、
1時刻前のX3、X4、X5の値は、各々の値をフリッ
プフロップDFFで1回遅延させることによって得ら
れ、2時刻前のX6の値は、X6の値をフリップフロッ
プDFFで2回遅延されることによって得られる。これ
らの値のいずれかが1であった場合は、ORの出力が1
となり、状態値X2の値を保持するDFFがセットさ
れ、状態値X2の値が1となる。
【0038】次に図19のKAIRO3(X2)が規則
3を実現しているしくみを説明する。規則3は、状態値
Xi(t)の値が0から1に活性化したとき、その変化
の原因となった隣接モデルノードMjのノード番号jの
水先案内行列PMijをPMij=1とするというもの
である。図19のKAIRO3(X2)では、XORで
状態値X2の変化を検知し、信号CHANGE2で示
す。これにより、1時刻前に状態値が1であった隣接ノ
ードを調べ、その隣接ノードjの水先案内行列PMij
を1にセットする。このタイミングは、図20に示され
ている。以上、図19のKAIRO2(X2)が状態値
X2について規則2を実現し、KAIRO3(X2)が
規則3を実現することを示した。同様にして、状態値X
3についての規則2は図19のKAIRO2(X3)に
よって実現され、規則3はKAIRO3(X3)によっ
て実現される。
【0039】図19のKAIRO2では、ノードNiと
ノードNjの隣接関係は、状態値X1からX9の値を保
持するDFFの出力線と固定的に結線されており、コス
トWijは遅延用フリップフロップDFFの個数で、固
定的に決められている。しかし図21に示すボリューム
回路VOLUME等を用いることにより、KAIRO2
に汎用性を持たせることが可能となる。図21のボリュ
ーム回路では、シフトレジスタSFTRGTを用いて、
図19の遅延用DFFによる遅延を代替している。遅延
する時間は、ボリューム信号VLijによりgateで
指定する。シフトレジスタSFTRGTは、LS164
等の素子で実現できる。図19のKAIRO2(X2)
の場合、状態値X1は4段遅延されてX1Dとなるの
で、図21のボリューム回路VOLUMEを用いる場合
は、ボリューム信号VL21の1、2、3、をlow、
4をhighにして、状態値X1を4段遅延した信号が
X1Dに出力されるようにする。同様にKAIRO3に
おいても、ボリューム信号VLijを用いることによ
り、柔軟な配線で水先案内行列の要素PMijを求める
ことができる。図19のKAIRO3(X2)の場合、
SRFFに接続されている隣接ノードの状態値X1、X
3、X4、X5、X6は固定であるが、図21ではボリ
ューム信号VLijの1から4までのどれかがhigh
の場合は、状態値XjをSRFFに接続し、状態値Xi
の変化を示す信号CHANGEiがhighとなった場
合に、PMijをセットするようになっている。図21
に示すボリューム回路は、図19の状態値X1からX9
の値を保持するDFFの出力線と接続され、図12に示
すテーブルから得られるコストをボリューム信号として
入力することにより、遅延された状態値と水先案内行列
を出力する。このように、ボリューム回路という複数の
同一のハードウェア回路をDFFと接続することにより
共通のハードウェア回路を用いてノードの隣接関係をあ
らわすことができる。また、ボリューム回路という複数
の同一のハードウェア回路に対してコスト(遅延時間)
に相当するボリューム信号をそれぞれ入力することによ
り各ノード毎に異なる値をもつコスト(遅延時間)とい
うノード間のリンク属性を共通のハードウェア回路を用
いて利用することができる。図19に示すネットワーク
経路設定装置に、図21に示すボリューム回路を挿入し
たものは、図22で示すことができる。図22ではKA
IRO2の部分を中心に示してあり、KAIRO3の内
部及び入出力信号は省略されている。
【0040】図23は、図19あるいは図22に示すネ
ットワーク経路設定装置においてノードN1,N
2,...,N9に対応する状態値X1,X2,...
X9の時刻t=0,1,..9における値を示したもの
である。図24は、図19に示す回路を拡張して全ノー
ドの状態値を更新するようにした回路において、シフト
レジスタに保持しておく情報を模式的に示したものであ
る。図24のa)はノードN1に対応する状態値X1を
求めるために必要な保持情報SRINF(X1)、図2
4のb)はノードN2に対応する状態値X2を求めるた
めに必要な保持情報SRINF(X2)、図24のc)
はノードN3に対応する状態値X3を求めるために必要
な保持情報SRINF(X3)、図24のd)はノード
N4に対応する状態値X4を求めるために必要な保持情
報SRINF(X4)を示している。図7の通信ネット
ワーク1において、ノードN1はノードN2とコスト4
で、ノードN4とコスト1で接続されている。これは、
図24のa)のSRINF(X1)において、X1の値
を求めるために、4タイミング前までのX2及び1タイ
ミング前までのX4の情報が必要であることに対応して
いる。図19はノードN1を宛先ノードとした場合の回
路例なのでX1の値はHigh固定となっているが、ノ
ードN1が宛先でない場合は図24のa)のSRINF
(X1)に示す情報の保持が必要となる。図24のb)
のSRINF(X2)では、4タイミング前までのX
1、1タイミング前までのX3、1タイミング前までの
X4、1タイミング前までのX5、2タイミング前まで
のX6を保持しているが、これは図1の通信ネットワー
ク1において、ノードN2がノードN1とコスト4、ノ
ードN3とコスト1、ノードN4とコスト1、ノードN
5とコスト1、ノードN6とコスト2で接続されている
ことに対応する。また、これは図19のKAIRO2
(X2)とも対応している。図24のc)のSRINF
(X3)、図24のd)のSRINF(X4)と図1の
通信ネットワーク1の関係も、同様である。X5,X
6,...X9は図24に示してないが、これらについ
ても同様である。
【0041】さて、図19のように隣接ノードとの接続
関係が固定的に接続されている回路においては、シフト
レジスタ保持情報SRINFは図24のSRINF(X
1),...,SRINF(X4)に示すように隣接ノ
ードに関する情報のみでよいが、図22のように汎用性
を持たせた回路では、隣接ノードとなる可能性のあるノ
ードの情報を全て保持できるようにしておく必要があ
る。図24のSRINF(X1),...,SRINF
(X4)のそれぞれに汎用性を持たせた場合を模式的に
示したものが図25である。ノードiからリンクLij
が出ているノードjの集合を隣接ノードA(i)と定義
する。シフトレジスタに保持しておく情報SRINF
は、ボリュームレベルVLと隣接ノードA(i)に対応
する状態値に依存している。隣接ノードとして全てのノ
ードを設定できるようにするためには、自ノードを除く
全ノードNi(i=1,2,...,nt)に対応する
状態値Xi(i=1,2,...,nt)の、ボリュー
ムレベルVL時間前までの値を保持しておく必要があ
る。例えば、ボリュームレベルVLが4である場合、S
RINF(X1)として状態値X2〜X9の4タイミン
グ前までの値をシフトレジスタに保持しておく必要があ
る。図25の場合は、時刻t=6の時、時刻t=2〜5
の自ノードを除く全ノードに対応する状態値XiがSR
INFとしてシフトレジスタに保持されなければならな
いことを示している。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】図19に示すような従
来方法では、ノードiからノードjへのリンクLij毎
にそのコストの最大値であるボリュームレベルVLに対
応した数のシフトレジスタ(KAIRO2内のDFF)
を設定する必要があるという問題点があった。図21に
示すボリューム回路を用いても、ノードiからノードj
へのリンクLij毎にシフトレジスタ(SFTRGT)
を設定する必要があることには変わりなかった。
【0043】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ノードiに対応する状態値Xi
をシフトするシフトレジスタは、接続するノード数にか
かわらず1式でよい装置を得ることを目的としている。
【0044】
【課題を解決するための手段】この発明は、ネットワー
クの複数個のノードとノード間のリンクに関し、ノード
の隣接関係とリンクの属性を用いて、発信ノードと宛先
ノードのノード間の経路を設定する装置であって、始点
ノードである発信ノード及び終点ノードである宛先ノー
ドの指定に応答し、自ノードの状態値と隣接するノード
の状態値と自ノードと隣接するノードの間のリンクの属
性に基づき、経時的に変化する状態値を、上記複数個の
ノードに対して更新する状態値更新手段を備え、上記状
態値更新手段は、各ノードに対して隣接するノードの状
態値を保持するレジスタをひとつ備えたことを特徴とす
る。
【0045】上記状態値更新手段は、各ノードの状態値
を保持する状態値保持部を備え、上記レジスタは、各状
態値保持部に対して個別に接続されていることを特徴と
する。
【0046】上記レジスタは、状態値更新の際に使用す
る隣接するノードの過去の状態値を保持するシフトレジ
スタを備えたことを特徴とする。
【0047】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この発明の実施の形態1によるネットワ
ークの経路設定装置について説明する。図1は経路設計
を行う通信ネットワークの例である。図1は前述した図
7と同じものであるが、あらめて説明する。図におい
て、1は経路設計の対象となる通信ネットワーク、11
は通信信号の発着中継を行うノードNi(i=1,
2,...9)、12はノードNi,Nj間の物理接続
回線であるリンク、各ノード11の円内に記載されてい
る番号は各々のノードの番号で、ノードNiの添字iが
これに対応する。ここでノードNiとノードNj間のリ
ンクには方向性があるものとし、ノードNiからNjへ
向かうリンクをリンクLijと記す。一般には、リンク
LijとリンクLjiは異なるが、図1の例では、便宜
上全てのリンク12は両方向性とする。リンク12のそ
れぞれのコストが、リンク上に記してある。リンクLi
jのコストをWijと記す。コストは距離に代表される
リンクの属性を示す一般的なパラメータで、距離の他に
は遅延、伝送品質等でもよい。リンク12のコストがと
り得る値は、正の整数値0,1,2,..,VL−1,
VLで、この最大値VLをボリュームレベルとおく。ノ
ードiからリンクLijが出ているノードjの集合を隣
接ノードA(i)と定義する。ここで全ノードから宛先
ノードNdへ向けた最小コスト経路である水先案内平面
を求める問題を考える。水先案内平面に関してはすでに
説明したとおりであるし、河東晴子、田中健一、大島一
能:「ATM網ルーチング方式へのニューラルネットの
応用」、1995年電子情報通信学会通信ソサエティ大
会講演論文集分冊2、B−557、pp.224、19
95年9月にも記されている。
【0048】図2は、この発明の実施の形態1によるネ
ットワークの経路設定装置を示す図である。図2は従来
のネットワークの経路設定装置を示す図22に対応した
図であり、図1に示す通信ネットワーク1において、前
述した規則1、2、3をハードウェア論理回路で実現し
た例である。規則1、2、3は、次の通りである。
【0049】図1に示す通信ネットワーク1において、
各ノードNiに状態値Xiを対応させる。状態値Xiは
時刻tに依存し、次の規則1、2に従って変化する。ま
た、宛先dに対応する最適経路を示す水先案内ベクトル
Pi(d)は次の規則3に従って決定する。 規則1)時刻t=0では、宛先ノードNdに対応したX
d(0)=1、それ以外のノードNiについてはXi
(0)=0とする。 規則2)Wij時刻前の状態値Xj(t−Wij)の値
が1である隣接ノードMjが存在する場合には(jはA
(i)の要素)、Xi(t)は1とする。それ以外の場
合は、Xi(t)は0とする。宛先ノードNdの状態値
は、常にXd(t)=1とする。 規則3)規則1,2に従ってXi(t)の値が0から1
に活性化したとき、その変化の原因となった隣接ノード
Njのノード番号jを水先案内ベクトルPi(d)とす
る。 ・なお、ここで(t−Wij)が負の数となる場合の状
態値はゼロとする。即ちt<WijならばXi(t−W
ij)=0。 ・ここで上記規則1,2に従って、全てのXi(t)を
0に初期化した後、一度1になって活性化したXi
(t)は、1のまま変化しない。
【0050】図2において、DFFはD−フリップフロ
ップを示し、X1、X2、...X9は、ノードNiに
対応する状態値Xiを示す。SFTRGTはシフトレジ
スタを示し、gateはシフトレジスタの複数の出力か
ら一つを選択する回路、ボリューム信号VLijは、ど
の出力を選択するかを指示する信号を示す。KAIRO
2(X2)は、規則2に従って、ノードN2に対応する
状態値X2を更新する回路であり、KAIRO3(X
2)は、規則3に従って、最適経路を表す水先案内行列
PM2jを生成する回路である。図2ではKAIRO2
の部分を中心に示してあり、KAIRO3の内部及び入
出力信号は省略されている。図2を従来例を示す図22
と比較してみると、図22では各ノード対応の状態値X
1、X2、X3・・・を更新する回路KAIRO(X
1)、KAIRO(X2)、KAIRO(X3)・・・
毎に設けられているシフトレジスタSFTRGTが、図
2では共有化されていることがわかる。これにより、状
態値更新回路の部品点数を削減でき、回路規模を大幅に
縮小することができる。
【0051】図3は、この発明の実施の形態1によるネ
ットワークの経路設定装置において、シフトレジスタに
保持しておく情報を模式的に示した図である。図におい
て、SRINFはシフトレジスタに保持しておく情報で
あり、ボリュームレベルVLと隣接ノードA(i)に対
応する状態値に依存している。隣接ノードとして全ての
ノードを設定できるようにするためには、全ノードNi
(i=1,2,...,nt)に対応する状態値Xi
(i=1,2,...,nt)の、ボリュームレベルV
L時間前までの値をシフトレジスタに保持しておく必要
がある。例えば、ボリュームレベルVLが4である場
合、図4に示すように、SRINFとして状態値X1〜
X9の4タイミング前までの値をシフトレジスタに保持
しておく必要がある。図4の場合は、時刻t=6の時、
時刻t=2〜5の全ノードに対応する状態値XiがSR
INFとしてシフトレジスタに保持されなければならな
いことを示している。図3は従来例のシフトレジスタの
保持情報を模式的に示した図25に対応した図である。
図3では、従来例の回路では重複して保持していた情報
SRINFを単一に保持することにより、回路規模が大
幅に縮小していることがわかる。例えば、図22のSF
TRGT31,32,…,39は、図24のC)の状態
値X3をシフトするレジスタであり同じ値を重複して保
持してシフトしていたのに対し、図2では、SFTRG
T3だけになり図4の状態値X3を単一に保持してシフ
トする。
【0052】図5は、シフトレジスタ共有化の効果を示
すグラフである。従来例の図22のようにシフトレジス
タSFTRGTを各ノードに対応する状態値毎に更新回
路を設けた場合の回路規模を破線で、この発明の実施の
形態1の図2のようにシフトレジスタSFTRGTを共
有化した場合の回路規模を実線で示してある。回路規模
試算の範囲は、図6に示すように、状態値保持部(図2
2或いは図2で示されている状態値X1、X2・・・を
保持するD−フリップフロップDFFに対応する)、シ
フトレジスタSFTRGT、ゲートgate、経路設計
部(図22或いは図2ではKAIRO2(X1、X2・
・・)の一部及びKAIRO3(X1、X2・・・)に
対応)、入力データであるコスト行列及び宛先dの保持
及び書き込み回路、出力データである水先案内平面行列
の保持及び書き込み回路を含む。図5に示す回路規模
は、最適経路設計の対象となるネットワークの総ノード
数ntとリンクコストの段階数であるボリュームレベル
VLに依存する。図5の試算は、全ノードNi(i=
1,2,...nt)から他の全ノード全ノードNj
(j=1,2,...nt)に向けてリンクLijを設
定することができ、各リンクLijのコストWijは、
Wij=1,2,...,VLの任意の整数値をとるこ
とができるようにした場合のものである。図5では、横
軸にノード数nt、縦軸に回路をゲートアレイ等のLS
Iで実現する場合の回路規模の目安となるゲート数をと
る。パラメータとして、ボリュームレベルVLを4、
8、16、32、64と変化させている。図において、
全てのボリュームレベルの場合において、従来例の回路
規模を示す破線のグラフよりも、この実施の形態の例の
回路規模を示す実線のグラフのほうが下側にあり、この
実施の形態によって示されるネットワークの経路設定装
置を用いることにより、大幅に回路規模を縮小すること
ができることがわかる。
【0053】以上のように、この実施の形態では、ネッ
トワークの複数個のノードとノード間のリンクに関し、
ノードの隣接関係とリンクの属性を用いて、発信ノード
と宛先ノードのノード間の経路を設定する装置におい
て、始点ノードである発信ノード及び終点ノードである
宛先ノードの指定に応答し、状態値保持部(DFF)に
保持された自ノードの状態値と、シフトレジスタSFT
RGTに保持された隣接するノードの状態値とコスト行
列から入力される自ノードと隣接するノードの間のリン
クの属性(ボリュームレベルVL)に基づき、経時的に
変化する状態値を、上記複数個のノードに対して生成し
て更新する状態値更新手段を備え、上記状態値更新手段
をハードウェア論理回路で実現するうえで、状態値更新
の際に使用する隣接するノードの過去の状態値を保持す
るシフトレジスタを、リンクの両端の全ノード・ノード
間の組み合わせ毎に設置せずに、シフトレジスタを各ノ
ードに1対1に対応させて設置することによりリンクの
片方のノードに対応する状態値について共通化すること
を特徴とするネットワークの経路設定装置を説明した。
【0054】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、従来例
の回路では重複して保持していた情報を単一に保持する
ことにより、部品点数が削減でき回路規模を大幅に縮小
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による最適経路設計
の対象となる通信ネットワークの図である。
【図2】 実施の形態1に係るハードウェア論理回路に
よる経路設計の実現方法を示す図である。
【図3】 実施の形態1に係るハードウェア論理回路に
よるネットワークの経路設定装置において、シフトレジ
スタに保持しておく必要のある情報を模式的に示したも
のを示す図である。
【図4】 実施の形態1に係るハードウェア論理回路に
よるネットワークの経路設定装置において、シフトレジ
スタに保持しておく必要のある情報を具体的に示したも
のを示す図である。
【図5】 実施の形態1に係るハードウェア論理回路に
よるネットワークの経路設定装置の回路規模と、従来例
に係るネットワークの経路設定装置の回路規模とを比較
したグラフ図である。
【図6】 図5の回路規模試算の回路範囲を示すブロッ
ク図である。
【図7】 従来例による最適経路設計の対象となる通信
ネットワークの図である。
【図8】 従来例に係る最適経路設計方法における水先
案内平面群PPSを示す図である。
【図9】 従来例に係る最適経路設計方法における水先
案内平面群PPSの数字による表現方法の例を示す図で
ある。
【図10】 従来例に係る最適経路設計方法の直観イメ
ージを示す図である。
【図11】 従来例に係る最適経路設計方法の直観イメ
ージによる子供が犬に最短経路を知らせる手段と犬が子
供に会いに行く手順を示すフローチャート図である。
【図12】 従来例に係る最適経路設計方法の経路設計
部13内のテーブルを示す図である。
【図13】 従来例に係る最適経路設計における水先案
内平面群PPS生成の概略手順を示すフローチャート図
である。
【図14】 従来例に係る最適経路設計におけるパケッ
トの最適経路誘導手順を示すフローチャート図である。
【図15】 従来例に係る最適経路設計における宛先d
のパケットの構造を示す図である。
【図16】 従来例に係る最適経路設計におけるクロッ
ク発生部CLの同期信号を示す図である。
【図17】 従来例に係る最適経路設計における水先案
内平面群PPS生成の詳細手順を示すフローチャート図
である。
【図18】 従来例に係る最適経路設計における水先案
内平面群PPS生成の際の状態値Xiの遷移を示す図で
ある。
【図19】 従来例に係るハードウェア論理回路による
ネットワークの経路設定装置を示す図である。
【図20】 従来例に係わるハードウェア論理回路によ
る経路設計のタイミングを示す図である。
【図21】 従来例に係るハードウェア論理回路による
ネットワークの経路設定装置に汎用性を持たせるために
用いられるボリューム回路を示す図である。
【図22】 図19に示すネットワーク経路設定装置
に、図21に示すボリューム回路を挿入したものを示す
図である。
【図23】 図19あるいは図22に示すネットワーク
経路設定装置において、ノードN1,N2,...,N
9に対応する状態値X1,X2,...X9の時刻t=
0,1,..9における値を示す図である。
【図24】 図19に示す回路を拡張して全ノードの状
態値を更新するようにした回路において、シフトレジス
タに保持しておく情報を具体的に示した図である。
【図25】 従来例に係るハードウェア論理回路による
ネットワークの経路設定装置において、シフトレジスタ
に保持しておく必要のある情報を模式的に示したものを
示す図である。
【符号の説明】
1 通信ネットワーク、2 ネットワークモデル、11
ノード、11M モデルノード、11U ユニット、
12 リンク、13 管理センタ又は経路設計部、17
最適経路テーブル、18 入出力装置、19 クロッ
ク、ES 電光掲示板、T テーブル、P 処理部、C
L クロック発生部、DP 宛先指定部、PPS 水先
案内平面群、PP 水先案内平面、i(d) 水先案内
ベクトル、PO プール、WW 水路、IS 島、11
P 水路交差点、CH 子供、DG 犬、MA 水先案
内人、PKT パケット、TT 総合状態値テーブル、
KT 経路テーブル、PPKT 疑似パケット、KAI
RO2 規則2に従って状態値Xiを更新する回路、K
AIRO3 規則3に従って水先案内行列を生成する回
路、VOLUME ボリューム回路、SFTRGT シ
フトレジスタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−116573(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットワークの複数個のノードとノード
    間のリンクに関し、ノードの隣接関係とリンクの属性を
    用いて、任意に指定された発信ノードと宛先ノードのノ
    ード間の経路を設定するネットワークの経路設定装置で
    あって、 前記複数個のノードに対し、ノード間のリンクの属性を
    予め記憶する記憶手段と、 活性化状態を示す所定の状態値と初期状態を示す所定の
    状態値とのいずれかを経時的に記録するために、前記複
    数個のノードに各々1つずつ対応して設けられた複数個
    のレジスタと、 前記発信ノードに対応するレジスタに活性化状態を示す
    所定の状態値を最初の経時的な記録として設定するとと
    もに、その他のノードに対応するレジスタに初期状態を
    示す所定の状態値を設定する初期化手段と、 複数個のノードの各ノードを注目ノードとしてこの注目
    ノードとこれに隣接する1以上の隣接ノードの各隣接ノ
    ードとの間について、各隣接ノードに対応するレジスタ
    に経時的に記録された過去の状態値の中から、上記記憶
    手段により記憶された両ノード間のリンクの属性に対応
    している1つの状態値を参照して、参照した該状態値が
    前記活性化状態を示す状態値である場合には、前記注目
    ノードに対応するレジスタに活性化状態を示す状態値を
    経時的な記録として設定し、参照した該状態値が前記初
    期状態を示す所定の状態値である場合には、前記注目ノ
    ードに対応するレジスタに初期状態を示す状態値を経時
    的な記録として設定する設定処理を行うとともに、上記
    設定処理を経時的に繰り返して複数個のノードに各々対
    応する複数のレジスタに状態値の経時的な記録を行う状
    態値更新手段と、 上記状態値更新手段による各注目ノードに対応する各レ
    ジスタの状態値の活性化状態への変化を検出し、各注目
    ノードに対応する各レジスタの状態値の活性化状態への
    変化を誘因した隣接ノードを経路ノードとして順次特定
    して、前記発信ノードと宛先ノードとのノード間の経路
    を設定する検出設定手段とを備えるネットワークの経路
    設定装置。
  2. 【請求項2】 上記状態値更新手段は、各ノードの状態
    値を保持する状態値保持部を備え、上記レジスタは、各
    状態値保持部に対して個別に接続されていることを特徴
    とする請求項1記載のネットワークの経路設定装置。
  3. 【請求項3】 上記レジスタは、状態値更新の際に使用
    する隣接するノードの過去の状態値を保持するシフトレ
    ジスタを備えたことを特徴とする請求項1記載のネット
    ワークの経路設定装置。
JP21024997A 1997-08-05 1997-08-05 ネットワークの経路設定装置 Expired - Fee Related JP3367871B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21024997A JP3367871B2 (ja) 1997-08-05 1997-08-05 ネットワークの経路設定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21024997A JP3367871B2 (ja) 1997-08-05 1997-08-05 ネットワークの経路設定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1155312A JPH1155312A (ja) 1999-02-26
JP3367871B2 true JP3367871B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=16586257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21024997A Expired - Fee Related JP3367871B2 (ja) 1997-08-05 1997-08-05 ネットワークの経路設定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3367871B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1155312A (ja) 1999-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6794336B2 (ja) ニューラルネットワーク装置
Chlamtac et al. Distributed nodes organization algorithm for channel access in a multihop dynamic radio network
JPS60500934A (ja) 自己方路指定交換ネツトワ−ク
JPS63501672A (ja) 向上されたメッシュベ−ス交換網
EP2393015B1 (en) Information processing system, information processing device, control method for information processing device, control program for information processing device, and computer-readable recording medium
CN102685017A (zh) 一种基于fpga的片上网络路由器
CN102170402A (zh) Torus网络中的无死锁自适应路由算法
CN109391547B (zh) 一种网络拓扑系统及其拓扑建立与路由表建立方法
Kurbanov et al. Deadlock-free routing in spacewire onboard network
Lee et al. Delay-insensitive computation in asynchronous cellular automata
JP3367871B2 (ja) ネットワークの経路設定装置
JP3907385B2 (ja) データ駆動型情報処理装置およびその実行制御方法
CN103856402A (zh) 一种数据中心网络结构及其路由方法
CN105224501B (zh) 改进圆环面网络及其确定数据包传输路径的方法和装置
US9170979B2 (en) Converging interconnect node controlling operation related to associated future item in dependence upon data predicted based on current transaction data item passing through
JP3132996B2 (ja) ネットワークの経路設定方法及びネットワークの経路設定装置
JP2976675B2 (ja) アレイプロセッサのルーティング方法
EL MASTAPHA Performance Evaluation of DTN Routing Protocols on Map-Based Social Mobility Models for DTN Networks
Momeni et al. A low latency routing algorithm for irregular mesh network-on-chip
JP3758523B2 (ja) 双方向リングネットワーク、ノード装置および双方向リングネットワーク制御方法
Rezazadeh et al. An enhanced fault-tolerant routing algorithm for mesh network-on-chip
Gu et al. Enhanced fault tolerant routing algorithms using a concept of “balanced ring”
JP2018207396A (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
Zhang et al. The research and improvement of AntNet algorithm
Ariffin et al. Shortest Path Technique for Switching in a Mesh Network

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021022

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111108

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131108

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees