JP3132996B2 - ネットワークの経路設定方法及びネットワークの経路設定装置 - Google Patents

ネットワークの経路設定方法及びネットワークの経路設定装置

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JP3132996B2
JP3132996B2 JP4486596A JP4486596A JP3132996B2 JP 3132996 B2 JP3132996 B2 JP 3132996B2 JP 4486596 A JP4486596 A JP 4486596A JP 4486596 A JP4486596 A JP 4486596A JP 3132996 B2 JP3132996 B2 JP 3132996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信網などのト
ポロジー的な構造を持つネットワークにおいて、発信地
から着信地までの最適経路を設計する方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図57(a)は、特開平1−12514
7に示された従来のルーチング方式によって、呼設定を
行う通信ネットワークを示す図である。図において、1
は呼設定を行う通信ネットワーク、11は通信信号の発
着中継を行うノードNi(i=1,2,・・・9)、1
2はノードNi,N(i+1)間の物理接続回線である
リンク、各ノード11の円内に記載されている番号は各
々のノードの番号で、ノードNiの添字iがこれに対応
する。各々のノード11は、テーブルTと処理部Pから
構成されている。図57(a)ではノードN1,N4,
N9の構成が図示されているが、その他のノードの構成
も同様である。各ノードのテーブルTは、図57(b)
に示すように入力リンク記憶部TI、出力リンク記憶部
TO、入出力リンク記憶部TIOから構成されている。
【0003】次に、従来のルーチング方式の作用及び動
作について説明する。図57(a)の通信ネットワーク
において、発信ノードN1と着信ノードN9の2ノード
間に通信パスを設定する場合を考える。図58は、この
手順を示すフローチャート、図59は、図58中のSJ
2の処理を示すフローチャートである。図58におい
て、まずSJ1で発信ノードから全ての方向に呼設定パ
ケットを送信する。次に、各ノードはテーブルに記録を
とりながら呼設定パケットを中継送出し(SJ2)、最
初の呼設定パケットが着信ノードに到達するまで(SJ
3)、これを続ける。次に、着信ノードは、呼設定パケ
ットが最初にに到達した方向に、応答パケットを送信す
る(SJ4)。次に、応答パケットを受信した各ノード
は、テーブル内の入力リンクの論理チャネル番号対応の
記憶内容に従って、最初に呼設定パケットが到着した方
向に応答パケットを送信し、この入力リンクと出力リン
クの対応関係を入出力リンク記憶部TIOに設定する
(SJ5)。このSJ5を、応答パケットが発信ノード
に到達するまで(SJ6)続けた後、応答パケットが発
信ノードに到達した経路を設定する(SJ7)。ステッ
プSJ2では、呼設定パケットが到着した際の(SJ2
1)各ノードの処理を示す。SJ22で、最初に到着し
た呼設定パケットの発信ノード番号と着信ノード番号
を、入力リンクの論理チャネル番号(LCN)対応に入
力リンク記憶部に記憶させ、同一の呼設定パケットか否
かを識別するために使用する。SJ23で、最初に到着
した呼設定パケットの入力方向以外の全ての方向に、そ
の呼設定パケットを送信する。SJ24で、送信した呼
設定パケットの発着ノード番号を、出力リンクの論理チ
ャネル番号(LCN)対応に出力リンク記憶部に記憶さ
せる。呼設定パケットの送信方向から同一の呼設定パケ
ットが到着した場合には(SJ25)、そのリンクは最
適でないことになるので、SJ26で、その呼設定パケ
ットを送信した方向の出力リンクの論理チャネル番号対
応の記憶内容をクリアし、その呼設定パケットは廃棄す
る。即ち、入力リンク記憶部TIにおける呼設定パケッ
トの送出方向について不適当であることを書き込み、出
力リンク記憶部TOにおける再到着方向の出力リンクに
関連する記憶内容をクリアする。
【0004】なお、経路の設計という広義の技術として
は、上述のものの他、ロボット移動の際の経路設計があ
った。文献(M.Lemmon:”2−Degree−
of−freedom Robot Path Pla
nning using Cooperative N
eural Fields”,Neural Comp
utation,Vol.3,No.3pp.350−
362,1991)に記述されているロボットの経路設
計法では、ロボットが移動できる領域を、直行座標で碁
盤の目の様に幾何学的に区分けし、この碁盤の目のうち
障害があるところを避けて、二地点間を移動する最短経
路を設計する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来方法
では、次のような複雑な作業、および記憶容量の確保が
必要であるという問題点があった。 1)各ノードで到着した呼設定パケットを中継送出する
際に、最初に到着した呼設定パケットの入力方向を除外
するという処理が必要であった。 2)また、呼設定パケットの送信方向から再度同一の呼
設定パケットが到着した場合は、その呼設定パケットを
送信した方向の出力リンクの論理チャネル番号対応の記
憶内容をクリアし、その呼設定パケットは廃棄するとい
う処理が必要であった。 3)上記処理のために、各ノードでは、呼設定パケット
の入力リンクと出力リンクを全て記憶する必要があり、
記憶のための多数のテーブルを設けて、呼設定パケット
送受のたびに、それらを更新する必要があった。 4)また、従来方法は、実際の呼設定パケットの伝送遅
延を基準とした最小遅延経路を求めるものであるが、最
適経路選択の基準としてリンクの品質、ノードの混雑度
など他のパラメータを考慮することができなかった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、上記従来方法に対応付ければ、
下記の特徴をもつ経路設定方法及びその装置を得ること
を目的としている。 1)各ノードで到着した呼設定パケットを中継送出する
際に、最初に到着した呼設定パケットの入力方向を除外
する必要がない。 2)また、呼設定パケットの送信方向から再度同一の呼
設定パケットが到着した場合にも、特別な処理は必要な
い。 3)従って、各ノードでは、呼設定パケットの入力リン
クと出力リンクを記憶する必要はなく、記憶のための多
数のテーブルも不要で、呼設定パケット送受のたびに、
それらを更新する必要もない。 4)また、最適経路選択の基準として、リンクおよびノ
ードの容量・距離・遅延・品質等種々の要因を考慮でき
る。 なお、この発明の方法は、上記従来例での各ノードでの
処理を、後述する管理センタ内の各ユニットで行う場合
も含むが、本質的な目的は上記の通りである。なお、本
明細書ではネットワークの経路設定方法を、以後、適宜
ルーチング方法と記す。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、ネットワー
クの複数個のノードに関し、ノードの隣接関係を用い
て、発信ノードと着信ノードとのノード間の経路を設定
する方法であって、以下のステップを含む、ネットワー
クの経路設定方法である。設定される経路中に含まれる
複数個のノードに対し、ノードの隣接関係を予め記憶す
る記憶ステップ;始点ノードである発信ノード及び終点
ノードである着信ノードを指定するノード指定ステッ
プ;ノード指定ステップによるノード指定に応答して、
自ノードの状態数の値と隣接するノードの状態数の値に
基づき、経時的に変化する状態数を、上記複数個のノー
ドに対して生成する状態数生成ステップ;上記複数個の
ノードにつき状態数の経時的変化を検出する検出ステッ
プ;上記検出ステップにおける検出結果に基づき、当該
ノードに隣接するノードの中から、経路を設定するノー
ドを、逐次、着信ノード及び発信ノードのうち一方のノ
ード側から他方のノード側に向かって選定する選定ステ
ップ。
【0008】上記状態数生成ステップは、以下の初期化
ステップと経時的変化ステップとから構成されることを
特徴とする。複数個のノードに対する状態数を初期化し
て初期値に設定する初期化ステップ;複数個のノードに
対し、初期化された状態数を経時的に変化させるととも
に、発信ノード及び着信ノードのうちの一方のノードに
対する状態数の経時的変化に対応して、上記一方のノー
ド以外のノードに対する状態数を経時的に変化させる経
時的変化ステップ。
【0009】上記選定ステップは、以下の第1の選定ス
テップと第2の選定ステップとから構成されることを特
徴とする。着信ノード及び発信ノードのうち一方のノー
ドについて、隣接するノードの状態数の経時的変化に基
づき、上記隣接するノードの中から、上記一方のノード
との接続を設定する設定ノードを選定する第1の選定ス
テップ;設定ノードとして選定されたノードについて、
隣接するノードの状態数の経時的変化に基づき、隣接す
るノードの中から自ノードとの接続を設定するノードを
選定することを、着信ノード及び発信ノードのうち他方
のノードが選定される迄、逐次遂行する第2の選定ステ
ップ。
【0010】上記状態数生成ステップは、以下の状態数
算出ステップから構成されることを特徴とする。自ノー
ドに対する単位時間前の状態数の値と隣接ノードに対す
る単位時間前の状態数の値と自ノードと隣接ノードとの
相互間の結合係数とに基づき、状態数を算出する状態数
算出ステップ。
【0011】この発明は、更に、予め記憶ステップで記
憶されたノードの隣接関係をノード間リンク要求容量に
基づき修正し、修正隣接関係を作成する修正隣接関係作
成ステップを含み、かつ、状態数生成ステップ及び選定
ステップで用いられる隣接するノードは、上記修正隣接
関係に基づく隣接ノードであることを特徴とする。
【0012】この発明は、更に、設定される経路中に含
まれる複数個のノード間のリンクの属性に基づき、ネッ
トワークモデルとしてのモデルノードを挿入するモデル
ノード挿入ステップと、モデルノード挿入ステップに対
応して、挿入されたモデルノードと上記記憶ステップで
予め記憶されたノードとを含むノードに対し、新たな隣
接関係を作成する隣接関係生成ステップとを含み、か
つ、状態数生成ステップ及び選定ステップで用いられる
隣接するノードは、上記隣接関係生成ステップで作成さ
れた新たな隣接関係に関く隣接ノードであることを特徴
とする。
【0013】また、この発明は、モデルノード挿入ステ
ップにおいて、ノード間のリンクな距離に基づき、モデ
ルノードを挿入することを特徴とする。
【0014】また、この発明は、モデルノード挿入ステ
ップにおいて、ノード間のリンクの伝送品質に基づき、
モデルノードを挿入することを特徴とする。
【0015】また、この発明は、更に、以下の選定ノー
ド記憶ステップと表示ステップを含むことを特徴とす
る。選定ステップで逐次選定されたノードを、当該ノー
ドの選定の都度、記憶する選定ノード記憶ステップ;選
定ノード記憶ステップにおいて記憶されたノードに基づ
き、発信ノード及び着信ノードのうち一方のノードから
他方のノードに至るまでの設定経路を表示する表示ステ
ップ。
【0016】この発明は、ネットワークの複数個のノー
ドに関し、ノードの隣接関係を用いて、発信ノードと着
信ノードとのノード間の経路を設定する装置であって、
以下のステップを含む、ネットワークの経路設定装置で
ある。設定される経路中に含まれる複数個のノードに対
し、ノードの隣接関係を予め記憶する記憶手段;始点ノ
ードである発信ノード及び終点ノードである着信ノード
を指定するノード指定手段;ノード指定手段によるノー
ド指定に応答して、自ノードの状態数の値と隣接するノ
ードの状態数の値に基づき、経時的に変化する状態数
を、上記複数個のノードに対して生成する状態数生成手
段;上記複数個のノードにつき状態数の経時的変化を検
出する検出手段;上記検出手段による検出結果に基づ
き、当該ノードに隣接するノードの中から、経路を設定
するノードを、逐次、着信ノード及び発信ノードのうち
一方のノード側から他方のノード側に向かって選定する
選定手段。
【0017】上記状態数生成手段は、以下の初期化手段
と経時的変化手段とから構成されることを特徴とする。
複数個のノードに対する状態数を初期化して初期値に設
定する初期化手段;複数個のノードに対し、初期化され
た状態数を経時的に変化するとともに、発信ノード及び
着信ノードのうちの一方のノードに対する状態数の経時
的変化に対応して、上記一方のノード以外のノードに対
する状態数を経時的に変化にする経時的変化手段。
【0018】上記選定手段は、以下の第1の選定手段と
第2の選定手段とから構成されることを特徴とする。着
信ノード及び発信ノードのうち一方のノードについて、
隣接するノードの状態数の経時的変化に基づき、上記隣
接するノードの中から、上記一方のノードとの接続を設
定する設定ノードを選定する第1の選定手段;設定ノー
ドとして選定されたノードについて、隣接するノードの
状態数の経時的変化に基づき、隣接するノードの中から
自ノードとの接続を設定するノードを選定することを、
着信ノード及び発信ノードのうち他方のノードが選定さ
れる迄、逐次遂行する第2の選定手段。
【0019】上記状態数生成手段は、以下の状態数算出
手段から構成されることを特徴とする。自ノードに対す
る単位時間前の状態数の値と隣接ノードに対する単位時
間前の状態数の値と自ノードと隣接ノードとの相互間の
結合係数とに基づき、状態数を算出する状態数算出手
段。
【0020】この発明は、更に、予め記憶手段で記憶さ
れたノードの隣接関係をノード間リンク要求容量に基づ
き修正し、修正隣接関係を作成する修正隣接関係作成手
段を含み、かつ、状態数生成手段及び選定手段で用いら
れる隣接するノードは、上記修正隣接関係に基づく隣接
ノードであることを特徴とする。
【0021】この発明は、更に、設定される経路中に含
まれる複数個のノード間のリンクの属性に基づき、ネッ
トワークモデルとしてのモデルノードを挿入するモデル
ノード挿入手段と、モデルノード挿入手段に基づき、挿
入されたモデルノードと上記記憶手段で予め記憶された
ノードとを含むノードに対し、新たな隣接関係を作成す
る隣接関係生成手段とを含み、かつ、状態数生成手段及
び選定手段で用いられる隣接するノードは、上記隣接関
係生成手段で作成された新たな隣接関係に関く隣接ノー
ドであることを特徴とする。
【0022】上記モデルノード挿入手段は、ノード間の
リンクな距離に基づき、モデルノードを挿入することを
特徴とする。
【0023】上記モデルノード挿入手段は、ノード間の
リンクの伝送品質に基づき、モデルノードを挿入するこ
とを特徴とする。
【0024】この発明は、更に、以下の選定ノード記憶
手段と表示手段を含むことを特徴とする。選定手段で逐
次選定されたノードを、当該ノードの選定の都度、記憶
する選定ノード記憶手段;選定ノード記憶手段において
記憶されたノードに基づき、発信ノード及び着信ノード
のうち一方のノードから他方のノードに至るまでの設定
経路を表示する表示手段。
【0025】この発明は、上記記憶手段、状態数生成手
段、選定手段が各ノードに対し個別に設けられた演算ユ
ニットからなることを特徴とする。
【0026】上記記憶手段は、各ノードに対する共通の
テーブルからなり、かつ、状態数生成手段及び選定手段
は各ノードに対する共通の演算処理部からなることを特
徴とする。
【0027】この発明は、ネットワークの複数個のノー
ドとノード間のリンクに関し、ノードの隣接関係とリン
クの属性を用いて、発信ノードと宛先ノードのノード間
の経路を設定する方法であって、以下のステップを含
む、ネットワークの経路設定方法である。設定される経
路中に含まれる複数個のノードに対し、ノードの隣接関
係とノード間のリンクの属性を予め記憶する記憶ステッ
プ;始点ノードである発信ノード及び終点ノードである
宛先ノードを指定するノード指定ステップ;ノード指定
ステップによるノード指定に応答して、自ノードの状態
数の値と隣接するノードの状態数の値と自ノードと隣接
するノードの間のリンクの属性に基づき、経時的に変化
する状態数を、上記複数個のノードに対して生成する状
態数生成ステップ;上記複数個のノードにつき状態数の
経時的変化を検出し、変化を誘引した隣接ノードを検出
する検出ステップ;上記検出ステップにおける検出結果
に基づき、当該ノードに隣接するノードの中から、経路
を設定するノードを、逐次、宛先ノード及び発信ノード
のうち一方のノード側から他方のノード側に向かって選
定する選定ステップ。
【0028】上記状態数生成ステップは、以下の初期化
ステップと経時的変化ステップとから構成されることを
特徴とする。複数個のノードに対する状態数を初期化し
て初期値に設定する初期化ステップ;複数個のノードに
対し、初期化された状態数を経時的に変化させるととも
に、発信ノード及び宛先ノードのうちの一方のノードに
対する状態数の経時的変化に対応して、上記一方のノー
ド以外のノードに対する状態数を経時的に変化させる経
時的変化ステップ。
【0029】上記選定ステップは、以下の第1の選定ス
テップと第2の選定ステップとから構成されることを特
徴とする。宛先ノード及び発信ノードのうち一方のノー
ドについて、隣接するノードの状態数の経時的変化に基
づき、上記隣接するノードの中から、上記一方のノード
との接続を設定する設定ノードを選定する第1の選定ス
テップ;設定ノードとして選定されたノードについて、
上記検出ステップに基づき、隣接するノードの中から自
ノードとの接続を設定するノードを選定することを、宛
先ノード及び発信ノードのうち他方のノードが選定され
る迄、逐次遂行する第2の選定ステップ。
【0030】上記状態数生成ステップは、以下の状態数
算出ステップから構成されることを特徴とする。隣接ノ
ードに対するリンク属性に基づく時間前の状態数の値に
基づき、状態数を算出する状態数算出ステップ。
【0031】この発明は、更に、予め記憶ステップで記
憶されたリンクの属性をリンクの他の属性及びリンク端
のノードの属性に基づき修正し、修正リンク属性関係を
作成する修正リンク属性作成ステップを含み、かつ、状
態数生成ステップ及び選定ステップで用いられるリンク
属性は、上記修正リンク属性に基づくリンク属性である
ことを特徴とする。
【0032】この発明は、修正リンク属性作成ステップ
において、予め記憶ステップで記憶されたリンクの属性
をリンク端のノードの属性に基づき修正することを特徴
とする。
【0033】この発明は、修正リンク属性作成ステップ
において、予め記憶ステップで記憶されたリンクの属性
をノード間リンク容量と設定経路の要求容量に基づき修
正することを特徴とする。
【0034】この発明は、更に、ネットワークをニュー
ラルネットワークに、ネットワークの複数個のノードを
ニューラルネットワークの複数個のニューロンに、ノー
ド間のリンクをニューロン間のシナプス結合に、リンク
属性をシナプス結合荷重に対応付けるニューラルネット
ワーク対応付けステップを含み、かつ、ニューロン及び
シナプス結合の属性は、それぞれノード及びリンクの属
性と等しいことを特徴とする。
【0035】この発明は、ネットワークの複数個のノー
ドとノード間のリンクに関し、ノードの隣接関係とリン
クの属性を用いて、発信ノードと宛先ノードのノード間
の経路を設定する装置であって、以下の手段を含む、ネ
ットワークの経路設定装置である。設定される経路中に
含まれる複数個のノードに対し、ノードの隣接関係とノ
ード間のリンクの属性を予め記憶する記憶手段;始点ノ
ードである発信ノード及び終点ノードである宛先ノード
を指定するノード指定手段;ノード指定手段によるノー
ド指定に応答して、自ノードの状態数の値と隣接するノ
ードの状態数の値と自ノードと隣接するノードの間のリ
ンクの属性に基づき、経時的に変化する状態数を、上記
複数個のノードに対して生成する状態数生成手段;上記
複数個のノードにつき状態数の経時的変化を検出し、変
化を誘引した隣接ノードを検出する検出手段;上記検出
手段における検出結果に基づき、当該ノードに隣接する
ノードの中から、経路を設定するノードを、逐次、宛先
ノード及び発信ノードのうち一方のノード側から他方の
ノード側に向かって選定する選定手段。
【0036】上記状態数生成手段は、以下の初期化手段
と経時的変化手段とから構成されることを特徴とする。
複数個のノードに対する状態数を初期化して初期値に設
定する初期化手段;複数個のノードに対し、初期化され
た状態数を経時的に変化させるとともに、発信及び宛先
ノードのうちの一方のノードに対する状態数の経時的変
化に対応して、上記一方のノード以外のノードに対する
状態数を経時的に変化させる経時的変化手段。
【0037】上記選定手段は、以下の第1の選定手段と
第2の選定手段とから構成されることを特徴とする。宛
先ノード及び発信ノードのうち一方のノードについて、
隣接するノードの状態数の経時的変化に基づき、上記隣
接するノードの中から、上記一方のノードとの接続を設
定する設定ノードを選定する第1の選定手段;設定ノー
ドとして選定されたノードについて、上記検出手段に基
づき、隣接するノードの中から自ノードとの接続を設定
するノードを選定することを、宛先ノード及び発信ノー
ドのうち他方のノードが選定される迄、逐次遂行する第
2の選定手段。
【0038】上記状態数生成手段は、以下の状態数算出
手段から構成されることを特徴とする。隣接ノードに対
するリンク属性に基づく時間前の状態数の値に基づき、
状態数を算出する状態数算出手段。
【0039】この発明は、更に、予め記憶手段で記憶さ
れたリンクの属性をリンクの他の属性及びリンク端のノ
ードの属性に基づき修正し、修正リンク属性関係を作成
する修正リンク属性作成手段を含み、かつ、状態数生成
手段及び選定手段で用いられるリンク属性は、上記修正
リンク属性に基づくリンク属性であることを特徴とす
る。
【0040】この発明は、修正リンク属性作成手段にお
いて、予め記憶手段で記憶されたリンクの属性をリンク
端のノードの属性に基づき修正することを特徴とする。
【0041】この発明は、修正リンク属性作成手段にお
いて、予め記憶手段で記憶されたリンクの属性をノード
間リンク容量と設定経路の要求容量に基づき修正するこ
とを特徴とする。
【0042】この発明は、更に、ネットワークをニュー
ラルネットワークに、ネットワークの複数個のノードを
ニューラルネットワークの複数個のニューロンに、ノー
ド間のリンクをニューロン間のシナプス結合に、リンク
属性をシナプス結合荷重に対応付けるニューラルネット
ワーク対応付け手段を含み、かつ、ニューロン及びシナ
プス結合の属性は、それぞれノード及びリンクの属性と
等しいことを特徴とする。
【0043】この発明は、上記記憶手段、状態数生成手
段、選定手段は各ノードに対し個別に設けられた演算ユ
ニットからなることを特徴とする。
【0044】上記記憶手段は、各ノードに対する共通の
テーブルからなり、かつ、状態数生成手段及び選定手段
は各ノードに対する共通の演算処理部からなることを特
徴とする。
【0045】この発明は、上記状態数生成手段と検出手
段とをハードウエア論理回路で実現することを特徴とす
る。
【0046】上記状態数生成手段と検出手段は、記憶手
段に記憶された各ノード毎に異なるノードの隣接関係と
ノード間のリンク属性の利用を複数の同一のハードウエ
ア回路で実現することを特徴とする。
【0047】この発明は、ネットワークの複数個のノー
ドとノード間のリンクに関し、ノードの隣接関係とリン
クの属性を用いて、発信ノードと宛先ノードのノード間
の経路を設定する方法であって、以下のステップを含む
ネットワークの経路設定方法である。ネットワークに設
定する呼を広帯域呼と狭帯域呼とに分類する分類ステッ
プ;広帯域呼に関しては最適な経路設計を行う広帯域呼
経路設計ステップ;狭帯域呼に関しては段階的な経路設
計を行う狭帯域呼経路設計ステップ。
【0048】上記狭帯域呼経路設計ステップは、以下の
経路候補群作成ステップと経路選択ステップとから構成
されることを特徴とする。ネットワークに関する過去の
蓄積データに基づいて、発信ノードと宛先ノード間の複
数の経路候補を経路候補群としてあらかじめ作成する経
路候補群作成ステップ;経路設定要求時に、上記経路候
補群から経路を選択する経路選択ステップ。
【0049】この発明は、ネットワークの複数個のノー
ドとノード間のリンクに関し、ノードの隣接関係とリン
クの属性を用いて、発信ノードと宛先ノードのノード間
の経路を設定する装置であって、以下の手段を含むネッ
トワークの経路設定装置である。ネットワークに設定す
る呼を広帯域呼と狭帯域呼とに分類する分類手段;広帯
域呼に関しては最適な経路設計を行う広帯域呼経路設計
手段;狭帯域呼に関しては段階的な経路設計を行う狭帯
域呼経路設計手段。
【0050】上記狭帯域呼経路設計手段は、以下の経路
候補群作成手段と経路選択手段とから構成されることを
特徴とする。ネットワークに関する過去の蓄積データに
基づいて、発信ノードと宛先ノード間の複数の経路候補
を経路候補群としてあらかじめ作成する経路候補群作成
手段;経路設定要求時に、上記経路候補群から経路を選
択する経路選択手段。
【0051】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この発明の実施の形態1によるルーチン
グ方法を用いた最適経路設計例についてまず説明する。
図1は、経路設計を行う通信ネットワークの例である。
図において、1は経路設計の対象となる通信ネットワー
ク、11は通信信号の発着中継を行うノードNi(i=
1,2,・・・,9)、12はノードNi,N(i+
1)間の物理接続回線であるリンク、各ノード11の円
内に記載されている番号は各々のノードの番号で、ノー
ドNiの添字iがこれに対応する。ここでは、便宜上、
全てのリンク12の距離を単位距離1、リンク容量を単
位容量1としている。13は最適経路設計を行う管理セ
ンタである。13の管理センタでは、通信ネットワーク
1に対応したネットワークシミュレーションモデル2
(以下、ネットワークモデルと適宜略記する)を使用す
る。ネットワークモデル2は最適経路設計に使用する仮
想的なネットワークで、モデルノード11Mがノード1
1に対応している。通信ネットワーク1におけるノード
Niに対応したモデルノードをモデルノードMiと呼ぶ
(i=1,2,・・・,9)。モデルノードMiはノー
ドNiと同じ属性を持つ。本実施の形態においては、最
適経路設計の手順は全てこの管理センタ13内で行わ
れ、実際のノード11で行われるものではない。なお、
この実施の形態では、例えば各ノード11を区別して表
現する場合にはノードNi(i=1,2,・・・,9)
というように添字iを付して表記することとし、この点
についてはモデルノード11MとMi、後述のユニット
11UとUi、テーブルTとTi、処理部PとPi、水
路交差点11PとPNi等々に関しても同様である。
【0052】管理センタ13内のハードウエア構成は次
のようになっている。各ノードNiに対応したユニット
11Uがあり、各々のユニット11Uはそれぞれテーブ
ルTと処理部Pで構成されている。テーブルT及び処理
部Pの構成は各ユニット同一である。テーブルTはRA
M等のメモリで、また処理部Pはマイクロプロセッサ等
で実現される。テーブルTには各ノード即ちモデルノー
ドの後述する特性・状態を示すパラメータが記憶され、
モデルノードMiに対応するテーブルTiが含む情報と
しては、隣接ノードAi、状態数Xi、変動数カウンタ
Wi、発着ノード識別子Zi、サーチフラグViがあ
る。
【0053】管理センタ13の中には、ユニット11U
の他に最適経路テーブル17、入出力装置18、同期用
クロック19がある。最適経路テーブル17は、後述す
る探索によって得られた最短経路のユニット番号を、着
信ユニットから発信ユニットへ向かう方向に、後述のよ
うに順次書き込むテーブルである。入出力装置18は、
発信ユニット番号および着信ユニット番号を外部から入
力するためのキーボード部Kと、経路設計後にはその経
路を構成するノード番号を表示する表示装置Dを持つ。
同期用クロック19は、各ユニットの動作の同期用の共
通クロックである。各ユニットの同期動作については後
述する。
【0054】ここでネットワーク1内の総ノード数をn
t個、発信ノードのノード番号をNs、着信ノードのノ
ード番号をNdとし、発信ノードNsと着信ノードNd
が入出力装置18から与えられた場合に、ノードNsと
ノードNdの間の最短経路を探索することを考える。こ
こで最短経路とは、経路内のリンク数が最小の経路とす
る。図1の例では、総ノード数nt=9、発信ノードN
s=N1、着信ノードNd=N9である。ゆえに対応す
るモデルノードについても、総モデルノード数=9、発
信モデルノード=M1、着信モデルノード=M9とな
り、また、対応するユニットについても、総ユニット数
=9、発信ユニット=U1、着信ユニット=U9とな
る。
【0055】以下、この実施の形態を具体的に説明する
に先立ち、この実施の形態における最短経路計画の方法
の原理につき、概念的な直観イメージを示す図2に基づ
き、概念的に述べる。この図2は、プールP0の内側に
島ISが水路WWを形成するように配置されたものであ
る。プールP0は図1の通信ネットワークの水路モデル
であり、水路WWがリンク12とトポロジー的に同じ構
成となるように、島ISが配置されている。ノード11
に対応するのは、水路の交差点11Pであり、ノード番
号N1,N2,・・・,N9に対応して番号PN1,P
N2,・・・,PN9が付されている。水路交差点11
Pは、以下適宜、交差点と略記する。各水路交差点11
Pにはカウンタ機能を持った電光掲示板ESが配置され
ている。図2ではカウンタ機能付き電光掲示板ESが配
置された位置、即ち水路交差点11PをX印で示し、そ
のX印に符号11Pを付してある。また、各水路交差点
11Pの電光掲示板ESのところには、図示されていな
いが、水先案内人MAがいる。図2の例では、水路交差
点11PはPN1からPN9の9個あり、それぞれに水
先案内人MAがいるので、その数は全部で9人である。
【0056】ここで、プール周縁部の地点PN1(発信
ノードN1に対応)には子供CHが、地点PN9(着信
ノードN9に対応)には犬DGがおり、この犬DGは水
路WWを泳いで子供CHに会いに行きたいと考えてい
る、という状況を想定する。この犬DGは、一つの水路
WWをまっすぐに泳ぎ進む能力は持っているが、水路交
差点11Pに来た場合に、そこで交差する複数の水路W
Wの内から自分の進むべき進路を選択する能力は持た
ず、これについては各水路交差点11Pにいる水先案内
人MAに教えを請うよう訓練されている。水先案内人M
Aは、自分の水路交差点に犬が来た場合に、後述するよ
うに犬が次に進むべき水路を選択して、犬をその方向へ
誘導する任務を持つ。なお、図示されていないが、犬D
Gは首に札をかけており、水先案内人MAは、犬を誘導
した際には、この札に自分の交差点番号を順次書き込
む。
【0057】次に、図3に基き、犬DGが子供CHに会
いに行く手順を説明する。最初、水面は静まっていて平
らである。ここで子供CHが、糸でつるした石STを水
面で揺らして、波を発生させる(SCH1)。するとこ
の波は水路WWを伝播していく。各水路交差点11Pに
ある電光掲示板ESのカウンタは、通過した波の数を数
える(SES1)。波の中心PN1に近い点ほど多くの
波が通過するので、通過した波が多くなる方向へ進め
ば、最初に石を降ろした地点PN1に到達できる。犬D
Gは、着信ノードにあたる地点PN9で、波が伝播して
くるのを発見しようと水面を見ている(SDG1)。波
が犬DGのいる地点PN9に到達した時点で、犬DGが
ワンと一回吠える(SDG2)。この声が聞こえたと
き、各水路交差点11Pの電光掲示板ESはカウントを
停止し、それまでに通過した波の数を電光掲示板ESに
表示する(SES2,SES3)。子供CHは石を引き
上げ、波の発生を止める(SCH2)。各水路交差点1
1Pにいる水先案内人MAは、犬DGが自分の水路交差
点11Pに来るのを待ち、犬DGが来た場合には、電光
掲示板ESの表示数最大の隣接水路交差点の方向に進路
をとるように、犬DGを誘導するべく、待機している
(SMA1,SMA2)。
【0058】次に、犬DGは水路WWを泳いで子供CH
に会いに行こうとする。この時PN9にいる犬DGは、
自分の進むべき進路について、水先案内人MAに教えを
請う(SDG3,SDG5,SDG6)。PN9にいる
水先案内人MAは、PN7とPN8の電光掲示板ESに
表示された数を見て(SMA5)、その数の大きい方の
進路に犬DGを誘導する(SMA6,SMA7)。図2
の場合、後述するようにPN7の表示は2、PN8の表
示は1となるので、PN7の方向へ犬DGを誘導すると
ともに、番号9を首の札に書き込む(SMA4)。
【0059】そこで、犬DGは、PN9からPN7の方
向へ泳ぎ始める(SDG7)。この後、一般に水路WW
の交差点11Pに来た時(SDG3)、犬DGはそこに
いる水先案内人MAに教えを請う(SDG6)。それぞ
れの水先案内人MAは、全ての隣接する水路交差点11
Pの電光掲示板ESの表示を見回して(SMA5)、表
示されている数値が最大の方向を判断し(SMA6)、
その方向を犬DGに示して誘導するとともに(SMA)
7、犬DGの首の札に自分の交差点番号を書き込む(S
MA4)。犬DGは教えられた方向へ向かって水路WW
を泳ぐ(SDG7)。水路交差点11Pに来るたびにこ
の様な作業を繰り返しながら(SDG3−7,SMA2
−7)、各水路交差点11Pで進行方向を選択して行
き、最終的に子供CHのいるPN1に泳ぎ着く(SDG
5)。この時、子供CHに会えた犬DGは、喜んでワン
ワンワンと複数回吠える(SDG8)。
【0060】この喜びの声が聞こえたとき、水先案内人
MAは、自分の任務が終わったことを知り、犬の待機を
止め、電光掲示板ESも消灯する(SES4,SMA
3)。このとき、犬DGが泳いできた水路の組み合わせ
が最短コースとなっており、このコース中の経由交差点
番号が、首の札に記されている。図2の場合の最短コー
スは、後述するように交差点PN9,PN7,PN4,
PN1を経由するので、犬DGの首の札には9,7,
4,1が記されることになる。
【0061】次に、図1の各ユニット11Uに設けられ
たテーブルTの各パラメータについて具体的に説明す
る。テーブルTiの各パラメータは、ノードNi、即
ち、モデルノードMi、またはユニットUiに対応す
る。テーブルTiのパラメータは、図4に示している。
【0062】次に、各パラメータを詳細に説明する。ノ
ードNiの隣接ノードAiは、ノードNiとリンクで接
続されているノード番号の集合である。例えばノードN
1はノードN2およびノードN4と接続されているの
で、A1={2,4}となる。同様にA2={1,3,
4,5,6},A3={2,6,8},A4={1,
2,5,7},A5={2,4,6,7},A6=
{2,3,5,7,8},A7={4,5,6,8,
9},A8={3,6,7,9},A9={7,8}と
なる。隣接ノードAiはネットワークの構成と一義的に
対応しており、ネットワークの構成が変化しない限りは
固定である。モデルノードMiの隣接モデルノード、お
よびユニットUiの隣接ユニットは隣接ノードAiと等
しい。
【0063】モデルノードMiの状態数Xiは、この実
施の形態の中心となるパラメータである。状態数Xiは
時刻tに依存する可変パラメータであり、時刻依存性を
明確にしたい場合は状態数Xi(t)と記す。ここで時
刻tは、離散的な値t=0,1,2,3,・・・をと
る。状態数Xi(t)は下記の様な特徴を持つ。 ・状態数Xi(t)は0と1の2値のみをとる。 ・状態数Xi(t)の値は、0が遮断、1が導通等の物
理的な状態に対応するパラメータではないが、前述の直
観イメージを示した図2では、0が波の谷、1が波の山
に相当する。また、状態数Xiの値が0から1となるこ
とを以下適宜活性化と表現する。 ・時刻tにおけるモデルノードMiの状態数Xi(t)
は、以下の式1に示すように、1個前の時刻t−1の当
該モデルノードの状態数Xi(t−1)、および1個前
の時刻t−1の隣接ノードAiの状態数Xk(t−1)
によって決定する(但しkは集合Aiの要素、即ち、隣
接ノードである)。
【0064】換言すれば、一単位時間分前(t−1)の
状態数に基き、式1により、当該時刻(t)の状態数は
一義的に定められる。なお、式1における各符号Σ,ス
テップ関数G,外乱Yi,結合係数Dkについては後述
の通りである。 ・時刻tにおけるモデルノードMiの状態数Xi(t)
は、2個前以前の状態数Xi(t−2),状態数Xi
(t−3),・・・、あるいは隣接しないモデルノード
の状態数Xj(t−1)の影響は直接は受けない(但し
jは隣接しないモデルノード)。 ・全ての状態数Xiを0に初期化した後、一度1になっ
て活性化した状態数Xiは、1,0,1,0・・・と周
期2の振動を続ける。これは式1の隣接ノードと結合係
数Dkが振動を起こすように設定されているためであ
り、数学的帰納法により証明できる。(M.Lemmo
n:”2−Degree−of−freedom Ro
bot Path Planning using C
ooperative Neural Field
s”,Neural Computation,Vo
l.3,No.3pp.350−362,1991)
【0065】前述のことを示したものが、次の漸化式で
ある。 Xi(t+1)=G[Xi(t)+Yi+Σ{Dk×G{Xk(t)}}]( i=sの場合) Xi(t+1)=G[Xi(t)+Σ{Dk×G{Xk(t)}}](i≠s の場合) ・・・(式1) 但し、G(X)は、式2のようなステップ関数である。 G(X)=1(X>0の場合) G(X)=0(X≦0の場合) ・・・(式2) また、式1中のΣは、kがEiの要素である場合につい
て加算することを示す。ここでEiはEi={i,A
i}、即ち、モデルノードi自身およびその隣接ノード
の集合Aiからなる集合である。図1のネットワークの
場合は各Aiが各テーブルTiにそれぞれ示されている
集合となるので、EiはE1={1,2,4},E2=
{1,2,3,4,5,6},E3={2,3,6,
8},E4={1,2,4,5,7},E5={2,
4,5,6,7},E6={2,3,5,6,7,
8},E7={4,5,6,7,8,9},E8=
{3,6,7,8,9},E9={7,8,9}とな
る。Dkは、隣接ノードとの間の結合係数である。結合
係数Dkは、隣接するノードNi相互間の影響の強さを
示す一種の重み付けの値である。C2はAiの要素の数
より大きい定数である。図1のネットワークの場合は、
Aiの要素の数は2個から5個なので、C2はC2>5
なる任意の定数とする。結合係数Dkはk=iの場合は
Dk=−C2、kがAiの要素の場合はDk=1とお
く。
【0066】結合係数Dkは、例えば、後述する図8に
示すように、一度変化した状態数Xiが周期2で振動
し、全体を見れば変化の波が伝播するように見えるよう
に決定する。この波の伝播については、状態数Xiと変
動数カウンタWiの遷移について述べる箇所において詳
述する。Yiは、発信モデルノードに与えられる外乱
で、発信モデルノードsではYs=1、発信モデルノー
ド以外のモデルノードではゼロとする。外乱は、一旦Y
s=1とした後、1の値を継続する。例えば、i=1の
場合、つまりユニットU1の状態数X1については、Σ
はk=1,2,4について、つまり自己のノードの1
と、隣接するノード番号の2,4について加算し、式1
は次のようになる。 X1(t+1)=G[X1(t)+1+C2×G{X1
(t)}+G{X2(t)}+G{X4(t)}]
【0067】つまり、図2の例において、一度子供CH
がプールPOに石STを入れ込んだ後、再びその石ST
を引き上げて再度石STを入れ込むという、一連の石S
Tの入れ込み・引き上げの動作を続けること(図3のS
CH1)に相当する。なお、一回の石の入れ込み動作に
より生ずる第一回目の波動と、第二回目の波動とが干渉
して、第一の波と第二の波とが相互に補完して合成され
た波が定在波となるように、石の入れ込み・引き出し動
作を行い、第三回目以降の石の入れ込み・引き出し操作
によって、すでに形成された合成・定在波がさらに助長
された合成・定在波となるように、順次石の入れ込み、
引き出し動作を繰り返す。この入れ込みと引き上げの一
回の動作の時間周期は、例えば、後述する図8の時刻t
の0,1,2,3の各時間周期(単位時間)等の、単位
時間に相当する。
【0068】変動数カウンタWiは、状態数Xiの変化
の回数を計数するカウンタ関数で、状態数Xiが0から
1または1から0に変化した場合に、つまり、状態数X
iが変化する毎に、1だけ加算する(状態数Xiは0と
1の2値しかとらないので、上述の変化以外の変化はな
い)。変動数カウンタWiの加算動作、前述の直観イメ
ージでは、図2において各水路交差点11Pに配置して
ある電光掲示板ESのカウンタにあたり、その水路交差
点11Pを通過した波の数を数えること(図3のSES
1)に相当する。発着ノード識別子Ziは、発信ユニッ
トと着信ユニットに付ける目印であり、当該ユニットU
iが発信モデルノードMs対応の場合、発着ノード識別
子Zs=1とし、着信モデルノードMd対応の場合、発
着ノード識別子Zd=2とし、どちらでもない場合、発
着ノード識別子Zi=0とする。サーチフラグViは、
後述の図5に関して述べるフェーズ2で当該ユニットが
処理中か否かを示すフラグである。フェーズ2実施中は
全ユニットの内、1個のユニットのみでオン(Vi=
1)であり、その他のユニットではオフ(Vi=0)で
ある。このサーチフラグViの具体的機能の説明は、後
述する。
【0069】以下に、この実施の形態における最短経路
設計の手順を説明する。この手順は、全体フローチャー
ト(図5)、フェーズ1のフローチャート(図6)、フ
ェーズ1のサブフローチャート(図7)、フェーズ2の
フローチャート(図10)等々の各フローチャートに示
される手順により構成される。説明は、まず管理センタ
13で実行される処理について述べ、次に手順全体の概
略説明を行った後、細かい手順の詳細な説明を行う。こ
の実施の形態の手順は、図1の管理センタ13で遂行さ
れる。管理センタ13内には、前述の如く、通信ネット
ワーク1の各ノード11に対応した9個のユニット11
Uがあるが、それぞれのユニットは独立しており、各自
のプロセッサによる処理部P、およびメモリによるテー
ブルTを所有している。本手順処理の大部分はこれらの
ユニット11Uで行われる。ユニット11U以外で行わ
れるのは、入出力装置18による発着信ユニット番号の
通知、入出力装置18での最短経路の表示等、後述する
少数の処理のみである。また、テーブルについても、ユ
ニット11U外にあるのは、設計結果の最短経路を示す
最適経路テーブル17のみである。各々のユニット11
Uに設けられている機能は同一であるが、設計中の経路
の発信ユニット(図1の場合はU1)、および着信ユニ
ット(図1の場合はU9)は、その他のユニット(U2
からU8)とは異なる手順に従って処理を行う。
【0070】図5は、本手順全体の概略を示すフローチ
ャートである。図中、同一処理には同一の番号が付けら
れており、類似の処置であるが発信ユニット特有の変形
があるものにはs、着信ユニット特有の変形があるもの
にはdの添字がつけられている。図5には入出力装置1
8の手順(PH0,IO1,IO2,IO3)、発信ユ
ニットU1の手順(PH0,PH1s,PH2s)、そ
の他のユニットU2−U8の手順(PH0,PH1,P
H2)、着信ユニットU9の手順(PH0,PH1d,
PH2d)が示されている。これらの手順は、実際上は
ソフトウエアにより実行される。
【0071】また、これらの手順は、管理センタ13の
各ユニットUiが経路設計を行っていない休止状態にあ
るフェーズ0(PH0)、各ユニットUiが分布生成を
行うフェーズ1(PH1)、各ユニットUiが分布探索
を行うフェーズ2(PH2)の3個のフェーズに大別で
きる。なお、各ユニットUi(i=1,・・・9)は、
ある特定の時点では全てのユニットが同一のフェーズに
あり、複数個のユニットのフェーズが互いに異なること
はない。各フェーズの詳細手順は後述する。前述の直観
イメージでいえば、図2の石を降ろす前の静かな状態
は、休止状態のフェーズ0(PH0)に、図2の子供が
石を降ろしてから犬が波の到達を検知して吠えるまで
(図3のSCH1−2,SDG1−2,SES1−3,
SMA1)は、分布生成を行うフェーズ1(PH1)
に、図2の犬が泳ぎだしてから子供の所へ到着するまで
(図3のSDG3−8,SES3−4,SMA2−7)
は、分布探索を行うフェーズ2(PH2)にそれぞれ対
応し、犬が一回吠える声(図3のSDG2)が、フェー
ズ1からフェーズ2への切り替えの合図に相当する。
【0072】各ユニット11Uは、フェーズ内の処理は
それぞれ独立に行うが、フェーズ1,2の開始命令・終
了命令は、入出力装置18または他のユニットから伝達
され、この命令により開始・終了動作が行われる。次
に、フェーズ1,2の開始、終了の手順を述べる。
【0073】経路設計の開始は、入出力装置18を用い
て、人間によって命令される。まず人間がキーボードか
ら入出力装置18に、発信ユニットU1の番号1と着信
ユニットU9の番号9を入力する。これを受けた入出力
装置18は、ユニットU1に発信ユニットであること、
ユニットU9に着信ユニットであることを知らせる(I
O1)。次に入出力装置18は、発信ユニットU1がフ
ェーズ1を開始するように経路設計の開始命令を出す
(IO2)。発信ユニットU1はこれを受けて、ユニッ
トU1内でのフェーズ1の動作を開始するとともに、そ
の他の各ユニットU2−U9にフェーズ1開始命令を出
す(PH1s)。その他の各ユニットU2−U9では、
これを受けてフェーズ1を開始する(PH1,PH1
d)。
【0074】フェーズ1は、全ユニットで、後述するよ
うに1時刻単位毎に同期して遂行される。着信ユニット
U9でフェーズ1が終了するときは、ユニットU9は、
凍結命令を各ユニットU1−U8に出力する。このU9
からの凍結命令を受けて、ユニットU1とU2−U9は
フェーズ1を終了する(PH1s,PH1,PH1
d)。
【0075】フェーズ2は、着信ユニットU9側から開
始され始める(PH2d)。このユニットU9のフェー
ズ2の開始のタイミングについて述べると、凍結命令を
U9が発信した後に、各ユニットU1−U8がフェーズ
1の動作を終了させるに必要な予め定められた時間経過
後、ユニットU9のフェーズ2が開始される。フェーズ
2はフェーズ1と異なり、全ユニットで同期的に遂行さ
れるわけではなく、待ち状態と、処理状態が含まれる。
サーチフラグViがオン(1)になっている1個のユニ
ットのみがその処理部Pで実質的な処理を行い、その他
の全てのユニットは待ち状態、つまりそのユニットの処
理部Pは実質的には待機状態となる。処理部Pが実質的
な処理を行っている動作ユニットは、サーチフラグがオ
ン(1)になっており、この動作ユニットの次に処理を
行うユニットのサーチフラグをオン(1)にして動作を
開始し、自ユニットのサーチフラグをオフ(0)にして
自ユニットの処理を終了する。
【0076】発信ユニットU1が動作状態に移った後、
発信ユニットU1が全ユニットU2−U9、および入出
力装置18に終了命令を出して(PH2s,PH2,P
H2d)、フェーズ2は終了する。このフェーズ2の終
了までの各ユニットの処理部Pの処理動作により、U1
からU9に到る最短経路が完成され、それは最適経路テ
ーブル17に記憶される。入出力装置18は、最適経路
テーブル17を参照して、得られた最短経路を表示装置
Dに表示する(PH2s,IO3)。
【0077】次に、各フェーズ内の手順を説明する。図
6は、フェーズ1の手順を示すフローチャートである。
発信ユニットU1の手順(ST11sからST17)、
その他のユニットU2−U8の手順(ST12からST
17)、着信ユニットU9の手順(ST12からST1
7)の3種類の手順が示されている。ST14の状態数
Xi,変動数カウンタWi更新の手順の詳細は、図7の
フローチャートに示されている。各々のユニットは独立
に動作するが、時刻t=0,1,2,・・・毎に同期用
クロック19からの同期信号に同期する。
【0078】図6において、入出力装置18からの指示
入力に基き、まず発信ユニットU1がその他のユニット
U2−U8へ開始命令を出す(ST11s)。次に、時
刻t=0で全ユニットU1−U9は状態数Xi=0、変
動数カウンタWi=0に初期化する(ST12)。これ
は前述の直観イメージでは、水面を静めて平にすること
にあたる。
【0079】時刻t=1では、発信ユニットU1で式1
の外乱Yiを外乱Yi=1として、外乱投入を開始する
(ST13s)。これは、直観イメージでは、子供が石
を水面に降ろして波を起こし始めること(図3のSCH
1)にあたる。このときその他のユニットU2−U9で
は、式1に従った状態数Xi,変動数カウンタWiの値
の更新を開始する(ST14)。更新後、着信ユニット
U9では、変動数カウンタWiの値が変化したかを判断
し(ST15d)、変化していない場合はST14へ戻
る。その他のユニットU2−U8では、着信ユニットU
9から凍結命令が来たか否かを判断し(ST15)、来
ていない場合はST14へ戻る。時刻tの1単位時間、
具体的には時刻tが2から3に変化するまでの期間に相
当する単位時間で、ST14の更新とST15の判断を
行い、その後これを繰り返す。発信ユニットU1では、
時刻t=2からこの更新を開始し、他のユニットと同様
にこれを繰り返す(ST14,ST15)。このST1
4とST15の繰り返しは、着信ユニットU9の変動数
カウンタWiの変化がおこるまで(これは同ユニットU
9での状態数Xiの初めての変化がおこるまでと等価で
ある)、つまり、着信ユニットから凍結命令が来るまで
続けられる。
【0080】着信ユニットU9の変動数カウンタW9が
変化したならば(時刻t=tfの時点、ST15d)、
このユニットU9はその他の全ユニットU1−U8へフ
ェーズ1の凍結命令を出す(ST16d)。凍結命令を
受け取ったユニットU1−U8は、着信ユニットU9と
供に、そのときの変動数カウンタWiの値を保持して
(ST17)、フェーズ1を終了する。
【0081】前述の直観イメージに例えれば、状態数X
iの値は、当該ユニットが波の山(Xi=1)にあるか
谷(Xi=0)にあるかを表し、変動数カウンタWiの
値は通過した山・谷の数を示す。状態数Xi,変動数カ
ウンタWiの値の更新は、波の伝播を示す。着信ユニッ
トU9が変動数カウンタWiあるいは状態数Xiの変化
を検出することは、水面に波が伝播してきたことを犬が
検出すること(図3のSDG1)にあたる。その他のユ
ニットU1−U8への凍結命令は、犬が一回吠えて他の
水路交差点へ波の検出を知らせること(図3のSDG
2)に対応し、各ユニットU1−U9の変動数カウンタ
Wiの値保持は、電光掲示板ESが各水路交差点PN1
−PN9で、波の通過数を表示すること(図3のSES
3)に対応する。
【0082】ST14の状態数Xi(t+1),変動数
カウンタWi(t+1)更新の詳細手順は、図7に示さ
れている。まず、例えばユニットU1は、隣接ユニット
U2とU4の、一つ前の時刻(t)の状態数Xi(t)
の値、つまり状態数X2(t)と状態数X4(t)を、
それぞれテーブルT2とテーブルT4から読出す(ST
14a)。次に、その値を用いて、式1に従って、状態
数X1(t+1)の値を計算する(ST14b)。式1
に基づくと、隣接ノードの状態数Xi(t)の値つまり
状態数X2(t)と状態数X4(t)を重み付け加算し
たものと、当該ユニットの状態数Xi(t)の値、つま
り状態数X1(t)とを加算したもののステップ関数G
をとって新しい状態数X1(t+1)を計算する。次
に、計算した状態数X1(t+1)の値を自ユニットU
1のテーブルT1に書き込んで更新する(ST14
c)。この手順のためには、時刻t+1において、各テ
ーブルTiの状態数Xiの値として、その時の状態数X
i(t+1)の値と、一つ前の状態数Xi(t)の値の
2種類を記憶しておく必要がある。しかし、2個前の状
態数Xi(t−1)の値は必要ないので、捨ててよい。
次に、新しい状態数X1(t+1)の値と、前の状態数
X1(t)の値を比較し、状態数X1(t)の値が変化
したかどうかをユニットU1の処理部Pで判断し(ST
14d)、状態数X1(t)の値が変化した場合には変
動数カウンタをW1(t+1)=W1(t)+1として
加算する(ST14e)。このような動作が、各ユニッ
トU2からU9まで逐次行われる。
【0083】図8は、図1のネットワークでの経路探索
の際の状態数Xiと、変動数カウンタWiの値の遷移を
示した表である。図8の時刻t=0では、ST12の初
期化によって、状態数Xi=0,変動数カウンタWi=
0(i=1,2,3,・・・,9)である。時刻t=1
では、ST13sで発信ユニットU1に外乱Yi=1を
与えるが、この外乱はまだ状態数Xiの値に影響をおよ
ぼしていないので、全ての状態数Xi,変動数カウンタ
Wiの値はゼロのままである。時刻t=2になると、ユ
ニットU1の状態数Xiに外乱の影響があらわれて状態
数X1=1となり、同時に変動数カウンタW1=1とな
る。時刻t=3では、ユニットU1と隣接しているユニ
ットU2とU4に影響が及び、状態数X2=1,状態数
X4=1となり、同時に変動数カウンタW2=1,変動
数カウンタW4=1となる。時刻t=4では、ユニット
U2とU4に隣接しているユニットU3,U5,U6,
U7に影響が及び、状態数X3=1,状態数X5=1,
状態数X6=1,状態数X7=1となり、同時に変動数
カウンタW3=1,変動数カウンタW5=1,変動数カ
ウンタW6=1,変動数カウンタW7=1となる。ま
た、一度活性化したユニットU1の状態数X1の値は振
動を続け、状態数X1=1,変動数カウンタW1=1と
なる。時刻t=5では、外乱の影響はユニットU8、U
9に及び、状態数X8=1,状態数X9=1,変動数カ
ウンタW8=1,変動数カウンタW9=1となる。ここ
で着信ユニットU9である。ユニットU9の変動数カウ
ンタW9=1となって変化したので、ユニットU9は他
の全ユニットに凍結命令を出し、各ユニットUiでは変
動数カウンタWiの値を保持する。
【0084】ここで、図8から明らかなように、例えば
ユニットU1の状態数X1については、時刻t=2で状
態数X1=1となり、その後は時刻t=3で状態数X1
=0、時刻t=4で状態数X1=1、時刻t=5で状態
数X1=0となるように、時刻の経過とともに、状態数
X1=1と状態数X1=0の値を交互にとる。また、ユ
ニットU1と隣接するユニットU2の状態数X2につい
ては、時刻t=3において状態数X2=1となり、その
後0と1の値を交互にとる。さらに、ユニットU2と隣
接するユニットU3の状態数X3については、時刻t=
4において状態数X3=1となり、その後0と1の値を
交互にとる。
【0085】この様にして、状態数X1の時刻t=2、
時刻t=3、時刻t=4、時刻t=5における値の一連
のパターンが、状態数X2においては時刻t=3、時刻
t=4、時刻t=5の一連のパターンとなり、状態数X
3においては時刻t=4、時刻t=5のパターンとなっ
ている。つまり、状態数X1の値のパターンが、一単位
時間分遅れて状態数X2の値のパターンとなり、さらに
一単位時間分遅れて状態数X3の値のパターンというよ
うに、あたかも波が伝播するように状態数Xiが変化し
ていく様子が示されている。図9は、図8の状態数X
i,変動数カウンタWiの値を図6のフローチャートの
手順に添えて示した遷移フローチャートであり、遷移の
様子は上記図8の説明と同様である。
【0086】図10は、フェーズ2の詳細手順を示すフ
ローチャートである。フェーズ2では、各ユニットUi
の処理は並列に進行するのではなく、逐次的に進行す
る。現在処理を行っているユニットUiは、自己のテー
ブルTiのサーチフラグViのオン状態によって示され
る。また、フェーズ2では全てのユニットで処理が行わ
れるわけではなく、最短経路上にあるユニットのみで処
理が行われる。
【0087】まず、着信ユニットU9では自ユニットの
サーチフラグをオン(V9=1)にして、フェーズ2を
開始する(ST21d)。次に、最適経路テーブル17
に自ユニットの番号U9を書き込み(ST22)、隣接
ユニットU7とU8の変動数カウンタW7=2と変動数
カウンタW8=1を読む(ST23)。隣接ユニットの
中で、変動数カウンタWiの値が最大のユニットU7を
選択し(ST24)、ユニットU7に処理を移す。即
ち、自ユニットU9のテーブルT9のサーチフラグV9
をオフ(V9=0)にし、ユニットU7のテーブルT7
のサーチフラグV7をオン(V7=1)にする(ST2
5)。
【0088】着信ユニットU9以外のユニットU2から
U8では、自ユニットUiのサーチフラグViがオンに
なったか否かを監視していて、オン(Vi=1)を検出
したならば、自ユニットの処理を開始する(ST2
1)。そして着信ユニットU9の場合と同様に、ST2
2からST25までを繰り返す。発信ユニットU1のテ
ーブルT1のサーチフラグV1がオン(V1=1)にな
ったことを検出したときに(ST21)、発信ユニット
U1は最適経路テーブル17に自ユニット番号U1を書
き込み(ST22)、フェーズ2終了の作業を開始す
る。即ち、自ユニットU1のテーブルT1のサーチフラ
グV1をオフ(V1=0)にし(ST25s)、他の全
ユニットおよび入出力装置18へフェーズ2終了命令を
出す(ST26s)。これに基づき、管理センタ13内
全体としてのフェーズ2終了が、実行されていく。ま
た、ST25sの時点またはST26sの時点のいずれ
か後に適時、入出力装置18は最適経路テーブル17を
参照し、その最短経路テーブル17に記された最短経路
を、表示装置Dに表示する(IO3)。
【0089】前述の直観イメージでは、水路の交差点に
おける水先案内人の任務(図3のSMA1−7)が各ユ
ニットの処理に対応する。自分の交差点に犬が来ている
状態(図3のSMA2−7)が、サーチフラグオンの状
態に対応し、犬が子供の所へ泳ぎ着くこと(図3のSD
G5)が、発信ユニットのフラグがオンになることに対
応する。図11は、フェーズ1終了時の変動数カウンタ
Wiの分布と、フェーズ2の処理の移行を表している。
【0090】以上のように、この発明によれば、ネット
ワークの経路設定にあたり複雑な作業を行わず、かつ、
記憶する必要がある情報量が少なくて済むという効果が
ある。
【0091】なお、上記実施の形態では全てのリンク1
2の距離を1とし、最適経路を最短距離経路、即ち、距
離経路内のリンク数が最小の経路としたが、各リンク1
2の距離を設定して総距離長が最小の経路を最適経路と
するなど、最適経路の規準として他のものを用いてもよ
い。また、最適経路設計を行う管理センタ13をノード
N4に付属して配置したが、この必要はなく、管理セン
タ13を他のノードに付属させても、いずれのノードか
らも独立して配置しても良い。また、発信ノードNsと
着信ノードNd間の最短経路を、呼発生時に設計するの
ではなく、あらかじめ設計しておく場合には、管理セン
タ13は、通信ネットワーク1から完全に切り離されて
いても良い。
【0092】また、発信ノードをノードN1、着信ノー
ドをノードN9としたが、この必要はなく、ネットワー
ク内の任意のノードを発信ノードあるいは着信ノードと
して良い。図8および図9で、状態数Xi,変動数カウ
ンタWiの値の伝播がほぼユニット番号の昇順になって
いるのは、発信ユニットをU1、着信ユニットをU9と
したためで、一般にはこのようなことはない。また、発
着ノード識別子Ziの値を、発信ユニットsの場合Zs
=1、着信ユニットdの場合Zd=2、どちらでもない
場合Zi=0としたがこの必要はなく、3種のユニット
が識別できればどの様な値を割り当てても良い。また、
サーチフラグViの値を、オンの場合Vs=1、オフの
場合Vi=0としたがこの必要はなく、オンとオフとが
識別できれば、どの様な値を割り当てても良い。また、
経路設計開始時の発信ノード番号sと着信ノード番号d
の指定IO1は、人間がキーボードから入出力装置18
に入力しているが、この限りではなく、他の機械から自
動的に書き込むなど、他の方法で入力してもよい。ま
た、経路探索開始命令IO2は、入出力装置18から発
信ユニットU1を経由してその他のユニットU2−U8
に出されるが、この必要はなく、入出力装置18から各
ユニットU1−U9に直接通達してもよい。また、状態
数Xiの変化の伝播において、まず外乱Yiを発信ノー
ドN1に対応する状態数X1に与えて変化を起こし、そ
の変化が着信ノードN9に到達した時点で変化の伝播を
凍結したが、逆の場合も同様に作用する。即ち、着信ノ
ードN9側に外乱を与え、その変化が発信ノードN1側
に到達した時点で変化の伝播を凍結してもよい。尚、こ
の場合には、発信ノード側から着信ノード側に向かって
フェーズ2を実行していくことになる。
【0093】上記実施の形態1では、各ノードに対する
処理を実施する処理部P、各ノードに対するテーブルT
等からなるユニット11Uを各ノードに対し用意し、そ
れら各ユニット11Uを管理センタ13に纏め、管理セ
ンタ13により集中してネットワークの設定動作を実行
させているが、例えば各ノード側にそれぞれ対応して別
個に各ユニット11Uを設け、各ノードでのフェーズ2
におけるノードの選定結果を選定結果記載用テーブルに
書込んで、このテーブルを選定されたノードに送り、逐
次、ノードの選定、テーブルへの書込み、テーブルの伝
送の一連の動作を発信ノード側に向かって実行すること
により、発信ノードに上記テーブルが到達したときに、
発信ノードから着信ノードまでの最適経路が設定される
ようにしてもよい。
【0094】実施の形態2.実施の形態1に示した最短
経路設計方法において、ノードNiの隣接ノードAi
は、ネットワークの構成と一義的に対応しており、ネッ
トワークの構成が変化しない限りは固定であった。しか
し、次にに述べるようにこれを可変としてもよい。図1
2(a)は、の1リンク容量を考慮した通信ネットワー
クの例である。図1に示す通信ネットワーク1では、便
宜上、全てのリンク12の距離を単位距離1、リンク容
量を単位容量1としていた。図12(a)に示す通信ネ
ットワーク1では、各々のリンク12は、それぞれリン
ク容量を有するものとし、図のリンク12上に容量の数
値を記してある。ここでノードNiとノードNj間のリ
ンクをリンクLijと記す。例えばノードN1とN2の
間のリンクL12の容量は110である。なお、ここで
も、全てのリンク12の距離は単位距離1とする。ネッ
トワーク1のノードNiの隣接ノードを物理隣接ノード
APiと呼ぶ。これは実施の形態1の隣接ノードAiに
対応し、ネットワークの物理的な構成と一義的に対応し
ており、ネットワークの構成が変化しない限りは固定で
ある。実施の形態1の隣接ノードAiが、接続のあるノ
ードのノード番号の集合(1次元)であったのに対し、
本実施の形態の物理隣接ノードAPiは、それぞれのノ
ードの容量も併記した、(ノード番号、容量)なる2次
元の数の集合である(図13)。
【0095】上記ネットワーク1で、発信ノードN1、
着信ノードN9、要求容量Rの最短経路を設計すること
を考える。この場合、リンク12のうち、容量がR以上
のリンクのみが要求容量Rを通すことができるが、容量
R以下のリンクは要求容量を通すことができず、存在し
ないのと等価になる。複数の経路を同時に設定して要求
容量Rを分割して通すことを考えれば、この限りではな
いが、ここではこのような分割は考えないこととする。
本実施の形態では、隣接ノードAiが、設計経路の要求
容量Rの関数となる。図13のテーブルTの物理隣接ノ
ードAPiのうち、設計中の経路の要求容量Rより大き
な容量を持つものが、その時の隣接ノードAiとなる。
【0096】例えば、図12(b)に、要求容量R=3
0の場合のネットワークモデル2、および各々のモデル
ノードMiでの隣接ノードAiを示す。この場合、図1
2(a)の通信ネットワーク1内のリンク12のうち、
容量が30以上のもののみが、要求容量Rを通すことが
できる。図12(b)のネットワークモデル2は、図1
2(a)の通信ネットワーク1内のリンク12のうち、
容量がR=30以上のもののみで構成されている。この
場合の隣接ノードAiを、表TBに示す。例えば、ネッ
トワーク1のリンクL12は容量110でR=30より
大きいので、ネットワークモデル2の構成リンクにも含
まれているが、リンクL14は容量25でR=30より
小さいため、ネットワークモデル2の構成リンクには含
まれていない。そこで、この場合のモデルノードM1の
隣接ノードは、A1={2}となる。他の例として、図
12(c)に、要求容量R=70の場合のネットワーク
モデル2と、隣接ノード値TBを示す。例えば、リンク
L57は、容量が45であるので、図12(b)のR=
30のケースでは、ネットワークモデル2の構成リンク
には含まれているが、図12(c)のR=70のケース
では、ネットワークモデル2の構成リンクに含まれてい
ない。このため、図12(b)の隣接ノードA5にはノ
ード番号7が含まれているが、図12(c)の隣接ノー
ドA5にはノード番号7が含まれていない。
【0097】次に、本実施の形態による最短経路設計の
手順を説明する。本手順のうち下記の部分を除いた部分
は実施の形態1による手順と同様である。図14は、本
手順の全体を示すフローチャートである。この図は、実
施の形態1の全体手順を示すフローチャート(図3)と
大部分等しく、点線で囲まれた手順CPのみが異なって
いる。本手順では、人間による発着ユニット指定IO1
の後、人間が入出力装置18に要求容量Rを指定し、入
出力装置18は、全ユニットU1−U9へ要求容量Rを
知らせる(IO1c)。これを受けた全ユニットU1−
U9は、それぞれの隣接ノードA1−A9を設定する
(SET)。要求容量RのときのユニットUiの隣接ノ
ードAiは、前述のように、物理隣接ノードAPiのノ
ードのうち容量がR以上のものである。なお、上記の手
順CPは、発着ユニット指定IO1の前に行っても良
い。
【0098】実施の形態3.実施の形態1に示した最短
経路設計方法において、管理センタ13内のハードウエ
ア構成は、図1に示すように、各ノードNiに対応した
独立のユニット11Uがあり、各々のユニット11Uは
それぞれテーブルTと処理部Pで構成されていたので、
処理部Pを実現するマイクロプロセッサ等の機器、およ
びテーブルTを実現するメモリは、それぞれネットワー
ク1内のノードの数だけ必要であった。しかし、次に述
べるように、ユニット毎による独立処理を行わずに、処
理部PとテーブルTを集中してもよい。
【0099】図15は、管理センタ13内にノード対応
の独立ユニットを設けずに、処理部PとテーブルTを集
中した場合の例である。図1では各ユニットに独立に設
けられていたテーブルTi(i=1,・・・,9)を一
個のメモリによるテーブルTに集中的に配置し、ユニッ
ト毎に独立に設けられていた9個の処理部Pは、一個の
処理部Pにまとめている。この一個の処理部Pが各ユニ
ットの処理部で行われていた処理を、時分割的に行っ
て、実施の形態1と同様の作業を行う。ここで、図15
の管理センタ13のハードウエア構成を見ると、処理部
P、テーブルT、最適経路テーブル17、入出力装置1
8、同期用クロック19から構成されており、このいず
れも汎用のパーソナルコンピュータまたはワークステー
ション等に具備されている機能であることがわかる。ゆ
えに、この実施の形態における管理センタ13は、汎用
のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等
で容易に実現でき、専用のハードウエアの構築を必要と
しない。
【0100】実施の形態4.実施の形態1に示した最短
経路設計方法、つまり図1に示す通信ネットワークにお
いては、便宜上、全てのリンク12の距離を単位距離
1、リンク容量を単位容量1としていた。しかし、次に
述べるように、リンク12の距離は1でなくてもよい。
図16に、リンクの距離を1に限定しない場合の通信ネ
ットワーク1の例を示す。図16の通信ネットワーク1
におけるリンク12の距離が、リンク上に記してある。
ここでノードNiとノードNj間のリンクをリンクLi
jと記す。例えば、ノードN1とN2の間のリンクL1
2の距離は2である。なお、ここでも、全てのリンク1
2の容量は単位容量1とする。ネットワークモデル2
は、最適経路設計に使用する仮想的なネットワークで、
最適経路設計においては、実際の通信ネットワーク1で
はなく、ネットワークモデル2のみを参照する。実施の
形態1においては、図1の通信ネットワーク1とネット
ワークモデル2は、トポロジー的に同じ構造を持ち、ノ
ード11(N1,N2,・・・,N9)とモデルノード
11M(M1,M2,・・・,M9)のNiとMiが一
対一に対応していた。
【0101】一方、この実施の形態では、通信ネットワ
ーク1からネットワークモデル2を作成する際に、距離
が1でないリンクを、距離が1のリンクを直列に接続し
たものと等価的に扱うことにより、距離が1でないリン
クを含む通信ネットワーク1を、距離が1のリンクのみ
を含むネットワークモデル2に変換して、距離が1でな
いリンクの扱いを可能にする。これを具体的に説明する
と、次のようになる。図16の通信ネットワーク1のノ
ード11(N1,N2,・・・,N9)は、全てネット
ワークモデル2のモデルノード11M(M1,M2,・
・・,M9)に対応するが、ネットワークモデル2では
この他に、M10からM16のモデルノードを設ける。
【0102】これらのモデルノードは、距離が1でない
リンクを距離が1のリンクの直列接続と等価変換する際
に、接続リンクの間に挿入するモデルノードである。例
えば、通信ネットワーク1のノードN1とノードN2間
のリンクL12は、距離が2であるので、ネットワーク
モデル2のモデルノードM1とM2の間にモデルノード
M10を挿入して、2個の直列接続されたリンクに置き
換える。その他のリンクについても同様の等価変換を行
う。この結果、モデルノードiの隣接ノードAiは、図
16の隣接ノード値TBに示すようになる。この実施の
形態のその他の手順は、実施の形態1と同様である。
【0103】実施の形態5.実施の形態4に示した最短
経路設計方法、つまり図16に示す通信ネットワーク1
においては、リンク12の距離を1に限定せずに、2、
3等の値を許容し、距離が1でないリンクは、間にモデ
ルノード11Mを挿入して、距離が1のリンクの直列接
続と等価変換し、距離が1のリンクのみから構成される
ネットワークモデル2を作成し、実施の形態1と同様の
手順で最短経路設計を行うものであった。これは換言す
れば、全体として最も距離の短いの経路を設計するとい
う目的に対して、距離が2のリンクは、距離が1のリン
クに比べて、距離が2倍なので選択の優先度が低く、定
量的には優先度が1/2のであるというのことを表現す
るのに、通信ネットワーク1からネットワークモデルを
2作成する時に、距離が2のリンク12にモデルノード
11Mを挿入して、距離が1のリンクを2個直列接続し
たものと置き換えることによって実現したものである。
【0104】上記の重み付けの手法は、リンク12の優
先度および経路設計の目的が距離以外に依存している場
合にも応用可能である。つまり一般に、経路設計の目的
に対して、リンク選択の優先度が1/PR(PR分の
1)となる様に各リンクに重み付けをしてある通信ネッ
トワーク1において、ネットワークモデル2を作成する
際に、優先度1/PRのリンクには(PR−1)個のモ
デルノードを挿入して、PR個のリンクを直列接続した
ものと置き換えることによって、実施の形態1と同様の
手順で最適経路設計をすることが可能である。
【0105】例えば、図17の通信ネットワーク1は、
リンク12の伝送品質として1,1/2,1/3のもの
があり、全体として伝送品質が良いとともに最短の経路
を設計する場合を示す図であり、各リンク12の伝送品
質1/PRがリンク12上に記されている。この通信ネ
ットワーク1のネットワークモデル2は、図16のネッ
トワークモデル2と同様におくことができる。すなわ
ち、ネットワークモデル2を作成する際に、優先度1/
PRのリンクには(PR−1)個のモデルノードを挿入
して、PR個のリンクを直列接続したものと置き換える
ことによる。このネットワークモデル2に基いて、実施
の形態1と同様の手順で最適経路設計をすることが可能
である。
【0106】実施の形態6.実施の形態1に示した最短
経路設計方法においては、発信ノードと着信ノードが1
個ずつの場合の、2地点間の最短経路設計について述べ
た。ここでは発信ノードが1個、着信ノードが複数個の
マルチキャスト通信の場合の、一対多地点間の最短経路
設計について考える。
【0107】図18は、経路設計を行う通信ネットワー
クの例である。図18における通信ネットワーク1、ネ
ットワークモデル2、管理センタ13の構成は、実施の
形態1の図1と同様である。しかし管理センタ13内の
最適経路テーブル17の構成は、図1のものとは異な
る。また、管理センタ13内の各ユニットU1−U9の
中のテーブルTは、図4のものとは一部異なり、これを
図20に示す。この実施の形態では、図1の通信ネット
ワーク1において、発信ノードがN1、着信ノードがN
6とN9の2個の場合の最短経路設計について、具体的
に説明する。
【0108】以下、この実施の形態を具体的に説明する
に先立ち、この実施の形態における最短経路計画の方法
の原理につき、実施の形態1との差異を中心に、概念的
な直観イメージを示す図2に基づき、概念的に述べる。
図2に示す設備の構成、つまりプールP0があり、その
内側に島IS、水路WWが設けられ、水路交差点11P
には、カウンタ機能を持った電光掲示板ESがあり、か
つ、水先案内人MAがいる点については、実施の形態1
の場合と同様である。
【0109】しかし、この実施の形態では、子供CHに
会いに行きたいと考えている犬DGが、一匹ではなく二
匹いるとする。具体的には、プール周縁部の地点PN1
(発信ノードN1に対応)には一人の子供CHが、地点
PN6(着信ノードN6に対応)には第一の犬DG1
が、地点PN9(着信ノードN9に対応)には第二の犬
DG2がおり、これらの犬DG1及びDG2(いずれか
を特定しない場合は以下犬DGと略記する)は、水路W
Wを泳いで子供CHに会いに行きたいと考えている、と
いう状況を想定する。犬DGが、一つの水路WWをまっ
すぐに泳ぎ進む能力を持っていて、水路交差点11Pで
の進路選択については、各水路交差点11Pにいる水先
案内人MAに教えを請うよう訓練されている点は実施の
形態1と同様である。
【0110】また、犬DGの吠える声について、実施の
形態1では、波を検出した時の声と、子供に会えた時の
喜びの声を、吠える回数で区別していたが、この実施の
形態においては、両者の声の高低等から明確に区別でき
るものとし、かつ、複数の犬が同時に吠えても、その声
の主の数及び声の意味(波検出/喜び)を区別できるも
のとする。水先案内人MAが犬DGを誘導して、犬の首
の札に交差点番号を書き込む任務を持つことは実施の形
態1と同様である。
【0111】次に、図19に基づき、犬DGが子供CH
に会いに行く手順を、実施の形態1の図3との差異を中
心に説明する。図19において、図3と同様の処理を示
すステップには、同一のステップ番号を付し、処理の記
述を簡略化している。二匹の犬DG1とDG2は、同一
の手順SDG1−8に従う。犬DGの手順SDG1,
2,3,4,5,6,7,8は図3と同様であるが、S
DG2で波検出の声をあげた後、すぐに子供CHに会い
に行こうとするのではなく、自分の水路交差点11Pに
いる水先案内人MAから出発の合図(SMA1x)を受
けるまで待つ(SDG2x)手順が付加されている。犬
DG以外の子供CH、カウンタ付電光掲示板ES、水先
案内人MAの手順では、図3で犬DGがワンという波検
出の声をあげた(SDG2)のが聞こえたか否かの判断
が1段階であったのに対し(SCH2,SES2,SM
A1)、図8では二匹の犬DG1とDG2の両方の声が
聞こえたか否かの2段階の判断となっている(SCH2
a,SCH2b,SES2a,SES2b,SMA1
a,SMA1b)。同様に、図3では犬DGが子供CH
に会えた時にワンワンワンと複数回あげる喜びの声(S
DG8)を聞く判断(SES4,SMA3)が1段階だ
ったのに対し、図8では2段階(SES4a,SES4
b,SMA3a,SMA3b)となっている。
【0112】なお、図19では、子供CH、カウンタ付
電光掲示板ES、水先案内人MAが犬DGの声を聞く2
段階の判断(SCH2a,SCH2b,SES2a,S
ES2b,SES4a,SES4b,SMA1a,SM
A1b,SMA3a,SMA3b)のうち、一回目の声
が第一の犬から聞こえ(SCH2a,SES2a,SE
S4a,SMA1a,SMA3a)、二回目の声が第二
の犬から聞こえ(SCH2b,SES2b,SES4
b,SMA1b,SMA3b)ることになっているが、
これはフローチャートを判りやすくするために便宜上仮
定したことで、この順番の組み合せが異なってもよく、
更に、犬の声からその主が判別できなくてもよい。ま
た、上記2段階判断のうちSCH2a,SCH2b,S
ES2a,SES2b,SES4a,SES4b,SM
A3a,SMA3bは、犬の声が聞こえないうちは前の
ステップを続ける判断であるが、それぞれの判断は、そ
の時までに既に犬の声が聞こえたか否かの経験を問う判
断であって、その時に丁度聞こえたか否かの判断ではな
い。ゆえに1回目の犬の声を聞いてから、2回目の犬の
声を聞くまでの間も、前のステップを続ける。例えば、
子供CHは1回目の犬の声を聞いてから(SCH2aは
「はい」、2回目の犬の声を聞くまでの間(SCH2a
は「いいえ」)も、石の入込み、引上げ(SCH1)を
行う。
【0113】次に、図20(a)に示す、テーブルTの
各パラメータについて説明する。テーブルTiの各パラ
メータのうち、隣接ノードAi、状態数Xi、変動数カ
ウンタWiは図4の実施の形態1の場合と同様である。
図4とは異なる発信ノード識別子Ziについては図20
(b)に、サーチフラグViについては図20(c)に
示す。この実施の形態では、発信ノード識別子Ziは、
1個の発信ユニットと複数個の着信ユニットに目印をつ
ける機能の他、全てのユニットで、設計中のマルチキャ
スト通信の着信ユニットの数、すなわち経路数を示す機
能を持つ。具体的には、図20(b)に示すように、バ
イト1,2,3がそれぞれ機能を分担する。
【0114】バイト1は、発信ユニットと着信ユニット
に付ける目印であり、当該ユニットUiが発信ユニット
の場合は1、着信ユニットの場合は2、どちらでもない
場合は0とする。バイト2は、着信ユニットの順番を示
す。この実施の形態では、マルチキャスト通信の着信ノ
ードすなわち着信ユニットとして最大8個まで設定でき
るとし、複数個の着信ユニットには1,2,・・・,8
の順番を付すこととする。着信ユニットの順序番号は、
人間が入出力装置18に入力した順序とする。この順番
は、複数個の着信ユニットを区別するために便宜的に付
けるもので、実際の処理の順序と直接は関係なく、ま
た、ユニット番号U1,U2,・・・,U9とも独立で
ある。この実施の形態では、ユニットU6が着信ユニッ
ト1番で、発信ノード識別子Z6のバイト1,2はそれ
ぞれ2,1となっており、ユニットU9が着信ユニット
2番で、発着ノード識別子Z9のバイト1,2は、それ
ぞれ2,2となっている。発信ノード識別子Ziのバイ
ト2は、着信ユニット以外のユニット、すなわちバイト
1が2以外のユニットでは意味を持たない。発信ノード
識別子Ziのバイト3は、設計中のマルチキャスト通信
の着信ユニットの数、すなわち設計すべき経路数を示
す。この実施の形態では、着信ユニット数は2個なの
で、全てのZiのバイト3は2とする。
【0115】次に、サーチフラグViについて説明す
る。サーチフラグViは、実施の形態1の場合と同様
に、図5のフェーズ2で当該ユニットが処理中か否かを
示すフラグである。この実施の形態では、着信ノードの
数だけの経路を設計するため、後述のようにフェーズ2
の処理は、着信ノードの数だけ行う必要があり、サーチ
フラグViも着信ノードの数だけ必要となる。ゆえに図
20(c)に示すようにサーチフラグViをフラグF1
からF8の8ビットで構成する。サーチフラグの特定ビ
ット、例えばフラグF1は、フェーズ2実施中は全ユニ
ットの内、1個のユニットのみでオン(Vi=1XXX
XXX)であり、その他のユニットではオフ(Vi=0
XXXXXXX)である。但しXは0か1どちらでもよ
いことを示す。このサーチフラグViの具体的機能の説
明は、後述する。
【0116】以下に、この実施の形態における最短経路
設計の手順を、実施の形態1との差異を中心にして説明
する。この実施の形態の手順は、全体フローチャート
(図21)、フェーズ1のフローチャート(図22)、
フェーズ1のサブフローチャート(図7)、フェーズ2
のフローチャート(図23)等々の各フローチャートに
示される手順により構成される。
【0117】まず、この実施の形態におけるフェーズの
構成について、図21に基づいて説明する。各フェーズ
の詳細手順については後述する。図21は、この手順全
体の概略を示すフローチャートであり、図5と対応して
いる。図21には、入出力装置18の手順(PH0,1
01,102,103)、発信ユニットU1の手順(P
H0,PH1s,PH2as,PH2bs,PH2
c)、その他のユニットU2,3,4,5,7,8の手
順(PH0,PH1,PH2a,PH2b,PH2
c)、着信ユニットU6の手順(PH0,PH1d,P
H2ad1,PH2bd1,PH2c)、着信ユニット
U9の手順(PH0,PH1d,PH2ad2,PH2
bd2,PH2c)が示されている。これらの手順がフ
ェーズ0(PH0)、フェーズ1(PH1)、フェーズ
2(PH2)の3個のフェーズに大別できることは、図
5と同様であるが、ここではフェーズ2がフェーズ2−
1(PH2a)とフェーズ2−2(PH2b)の2のサ
ブフェーズから構成される。これは、着信ユニットが2
個あるためである。各ユニットUi(i=1,・・・,
9)は、ある特定の時点では全てのユニットが同一のフ
ェーズ0または1または2にあり、複数個のユニットの
フェーズ0,1,2が互いに異なることはない。しか
し、フェーズ2のサブフェーズであるフェーズ2−1と
フェーズ2−2は、同時に並行して遂行される。
【0118】前述の直観イメージでいえば、この実施の
形態では、図2の犬が二匹いることになるので、犬DG
が泳ぎだしてから子供の所へ到着するまで(図19のS
DG2x−8,SES3−4b,SMA1x−7)に対
応するフェーズ2(PH2)が、第一の犬DG1が泳ぎ
だしてから子供の所へ到着するまで(図19の第一の犬
のSDG2x−8)に対応するフェーズ2−1(PH2
a)と、第二の犬DG2が泳ぎだしてから子供の所へ到
着するまで(図19の第二の犬のSDG2x−8)に対
応するフェーズ2−2(PH2b)との、2個のサブフ
ェーズから構成されることになる。二匹の犬が波を検出
してあげる声(図19のSDG2)が、フェーズ1から
フェーズ2への切り替えの合図に相当し、子供に会えた
喜びの声(図19のSDG8)がフェーズ2の終了の合
図(PH2as,PH2bs)に相当する。
【0119】次に、フェーズ1の開始手順について、図
21に基づき説明する。各ユニット11Uは、フェーズ
内の処理はそれぞれ独立に行うが、フェーズ1,2の開
始命令・終了命令は、入出力装置18または他のユニッ
トから伝達され、この命令により開始・終了動作が行わ
れる。経路設計の開始は、入出力装置18を用いて、人
間によって命令される。まず人間がキーボードから入出
力装置18に、発信ユニットU1の番号1を入力し、次
に着信ユニットU6とU9の番号6と9を入力する。こ
れを受けた入出力装置18は、ユニットU1に発信ユニ
ットであること、ユニットU6に着信ユニットの1番で
あること、ユニットU9に着信ユニットの2番であるこ
とを知らせるとともに、全てのユニットに、設計するべ
き経路数すなわち着信ユニット数が2であることを知ら
せる(IO1)。着信ユニットの順序番号は、人間が入
出力装置18に入力した順序である。
【0120】次に、入出力装置18は、発信ユニットU
1がフェーズ1を開始するように経路設計の開始命令を
出す(IO2)。発信ユニットU1はこれを受けて、ユ
ニットU1内でのフェーズ1の動作を開始するととも
に、その他の各ユニットU2−U9にフェーズ1開始命
令を出す(PH1s)。その他の各ユニットU2−U9
では、これを受けてフェーズ1を開始する(PH1,P
H1d)。フェーズ1は、全ユニットで、実施の形態1
の場合と同様に1単位時間毎に同期して遂行される。
【0121】次に、フェーズ1内の手順について、図2
2に基づき説明する。図22は、フェーズ1の手順を示
すフローチャートである。発信ユニットU1の手順(S
T11sからST17)、その他のユニットU2−U
5,U7−U8の手順(ST12からST17)、着信
ユニットU6の手順(ST12からST17)、着信ユ
ニットU9の手順(ST12からST17)の4種類の
手順が示されている。ST14の状態数Xi,変動数カ
ウンタWi更新の手順の詳細は、実施の形態1の図7の
フローチャートに示されているものと同様であるので、
ここでは説明を省略する。各々のユニットは独立に動作
するが、時刻t=0,1,2,・・・毎に同期用クロッ
ク19からの同期信号に同期する。
【0122】図22に示すこの実施の形態のフェーズ1
の手順のうち、図6に示される実施の形態1のフェーズ
1の手順と異なっているのは、着信ユニットがU6とU
9の2個になったのに伴い、非着信ユニットU1−U
5,U7−U8において、着信ユニットからの凍結命令
が着たか否かを判断するステップが、1段階から(図6
のST15)、2段階となった(図22のST15a,
ST15b)こと、及び着信ユニットU6とU9におい
て、自ユニットから凍結命令を出した(図6と図22の
ST16d)後に、そのまま次のステップ(図6と図2
2のST17)へ進むのではなく、他方の着信ユニット
からの凍結命令を受けていなければ(図22のST16
xは「いいえ」)、状態数Xi,変動数カウンタWiの
更新を繰り返し(図22のST14)、他方の着信ユニ
ットからの凍結命令を待ってから(図22のST16x
の「はい」)、次のステップ(図6と図22のST1
7)へ進むという二点である。
【0123】なお、図22では、非着信ユニットU−U
5,U7−U8が、凍結命令の来非を判断する2段階の
ステップ(ST15a,ST15b)のうち、1回目の
凍結命令が着信ユニットU6からきて(ST15a)、
2回目の凍結命令が着信ユニットU9から来る(ST1
5b)ことになっているが、これはフローチャートを判
りやすくするために便宜上仮定したことで、この順番の
組み合わせが異なってもよく、更に、凍結命令からその
主が判別できなくてもよい。
【0124】また、図22の凍結命令来非の判断(ST
15a,ST15b,ST16x)は、その時までに凍
結命令を受けたか否かの経験を問う判断であって、その
時に丁度凍結命令を受けたか否かの判断ではない。ゆえ
に、非着信ユニットU1−U5,U7−U8では、1回
目の凍結命令を受けてから(ST15aは「はい」)、
2回目の凍結命令を受けるまでの間(ST15bは「い
いえ」)も、状態数Xi,変動数カウンタWiの更新
(ST14)を行う。また、着信ユニットU6とU9で
は、自ユニットから凍結命令を出した時点(ST16
d)で、既に他方の着信ユニットからの凍結命令を受け
取っていた場合でも、ステップST16xの判断は「は
い」となり、次のステップST17に進む。
【0125】次に、フェーズ1の終了手順について、図
21に基づき説明する。着信ユニットU6で自ユニット
のフェーズ1の処理が終了したときは、ユニットU6
は、凍結命令を自分以外の全ユニットU1−U5,U7
−U9に出力する。着信ユニットU9で自ユニットのフ
ェーズ1の処理が終了したときは、ユニットU9は、凍
結命令を自分以外の全ユニットU1−U8に出力する。
着信ユニット以外のユニットU1−U5,U7−U8
(以下適宜、非着信ユニットと記す)では、ユニットU
6とユニットU9から2回の凍結命令を受けたときに、
フェーズ1を終了する(PH1s,PH1)。着信ユニ
ットU6とU9では、自ユニットの処理が終了し、か
つ、自分以外のユニットU9とU6から1回の凍結命令
を受けたときに、フェーズ1を終了する(PH1d)。
【0126】非着信ユニットU1−U5,U7−U8
で、フェーズ1を終了するために必要な凍結命令の回数
である2回という数は、最初に入出力装置18から各ユ
ニットに通知され、各ユニットが後述のように保持して
いる経路数である2と等しい。着信ユニットU6とU9
では、自分のユニットの終了を1回の凍結命令と解釈し
て、自分以外のユニットからの1回の凍結命令との合計
回数が、上述の経路数の2と等しくなったとき、フェー
ズ1を終了する。なお、各ユニットU1−U9では、凍
結命令の受信に関して、その数だけを数えていればよ
く、凍結命令を発信した主がU6であるかU9であるか
を知る必要はない。これは前述の直観イメージ(図2及
び図19)で、電光掲示板ES及び水先案内人MAが、
犬DG1及びDG2があげる波検出の声(図19のSD
G2)の主を判別しなくてもよく、ただ声の数だけを数
えていればよいことに対応する。
【0127】図22の手順に従った場合の状態数Xiと
変動数カウンタWiの値の遷移は、結果的に図8に示す
実施の形態1の遷移表と同じになる。この実施の形態の
凍結は、変動数カウンタW6と変動数カウンタW9の両
方が1もしくは1以上となった時点で行われるので、結
果的には、変動数カウンタW6の変化(時刻t=4)よ
り後に0から1となった変動数カウンタW9の変化の時
点(時刻t=5)となり、実施の形態1の場合と同じに
なる。このため全ての状態数Xi,変動数カウンタWi
が実施の形態1の場合と同じ値となる。但し、図8の凍
結を示す矢印については、変動数カウンタW9に依存し
た一連のみで変動数カウンタW6を考慮していないの
で、この実施の形態にはそのままは当てはまらない。
【0128】次に、フェーズ2の構成について、図21
に基づき説明する。フェーズ2は、フェーズ2−1とフ
ェーズ2−2の2個のサブフェーズ2から構成される。
フェーズ2−1は着信ユニットU6を着信端とする経路
を探索するサブフェーズ、フェーズ2−2は着信ユニッ
トU9を着信端とする経路を探索するサブフェーズであ
り、それぞれのサブフェーズで図5の実施の形態1のフ
ェーズ2に相当する処理を行って、それぞれ1個の最短
経路を設計する。フェーズ2−1とフェーズ2−2は、
独立に並行して遂行される。図5の実施の形態1の場
合、フェーズ2は全ユニットで同期的に遂行されるわけ
ではなく、図4のサーチフラグViがオン(1)になっ
ている1個のユニットのみが実質的な処理を行い、その
他の全てのユニットは待ち状態にあった。この実施の形
態では、フェーズ2−1のためのフラグF1と、フェー
ズ2−2のためのフラグF2の2個のフラグを設けるこ
とによって、2個のサブフェーズの独立並行遂行を可能
とした。
【0129】次に、フェーズ2の開始手順について、図
21に基づき説明する。フェーズ2−1は、着信ユニッ
トの1番であるU6側から開始され始め(PH2a
d)、フェーズ2−2は、着信ユニットの2番であるU
9側から開始され始める(PH2d)。このユニットU
6のフェーズ2−1の開始のタイミングについて述べる
と、ユニットU6でフェーズ1が終了した後に、各ユニ
ットU1−U9がフェーズ1の動作を終了させるに必要
な予め定められた待機時間経過後、ユニットU6のフェ
ーズ2−1が開始される。ユニットU9のフェーズ2−
2の開始のタイミングも同様に、ユニットU9でフェー
ズ1が終了した後に、各ユニットU1−U8がフェーズ
1の動作を終了させるに必要な予め定められた待機時間
経過後、ユニットU9のフェーズ2−2が開始される。
ユニットU6によるフェーズ2−1の開始と、ユニット
U9のフェーズ2−2の開始のタイミングは、それぞれ
のフェーズ1の終了時刻と、それぞれの待機時間に依存
し、同期しない独立なものである。しかし、フェーズ1
の終了は全ユニットでほぼ同時となるので、ユニットU
6とU9の待機時間を等しくとれば、ユニットU6とU
9の待機時間はほぼ等しくなる。
【0130】次に、フェーズ2−1の手順について、図
21に基づき説明する。サブフェーズであるサブフェー
ズ2−1(PH2as,PH2a,PH2ad1,PH
2ad2)では、図5の実施の形態1のフェーズ2(P
H2s,PH2,PH2d)と同様に、全ユニットで同
期的に遂行されるわけではなく、待ち状態と、処理状態
が含まれる。サーチフラグViのフラグF1がオン
(1)になっている1個のユニットのみがその処理部P
で実質的な処理を行い、その他の全てのユニットは待ち
状態、つまりそのユニットの処理部Pは実質的に待機状
態となる。処理部Pが実質的な処理を行っている動作ユ
ニットは、サーチフラグのフラグF1がオン(1)にな
っており、この動作ユニットの次に処理を行うユニット
のサーチフラグのフラグF1をオン(1)にして動作を
開始し、自ユニットのサーチフラグのフラグF1をオフ
(0)にして自ユニットの処理を終了する。発信ユニッ
トU1のサーチフラグのフラグF1がオン(1)となっ
て動作状態に移った後、発信ユニットU1が全ユニット
U2−U9、及び入出力装置18にフェーズ2−1の終
了命令を出して(PH2as,PH2a,PH2ad
1,PH2ad2)、フェーズ2−1は終了する。この
フェーズ2−1の終了までの各ユニットの処理部Pの処
理動作により、ユニットU1からU6に到る最短経路が
完成され、それは最適経路テーブル17の経路1に記憶
される。
【0131】次に、フェーズ2−2の手順について、図
21と図22に基づき説明する。サブフェーズであるフ
ェーズ2−2(PH2bs,PH2b,PH2bd1,
PH2bd2)の処理も、サーチフラグViのフラグF
2を用いて、上述のフェーズ2−1の処理と同様に進め
られる。発信ユニットU1のサーチフラグのフラグF2
がオン(1)となって動作状態に移った後、発信ユニッ
トU1が全ユニットU2−U9、及び入出力装置18に
フェーズ2−2の終了命令を出して(PH2bs,PH
2b,PH2bd1,PH2bd2)、フェーズ2−2
は終了する。このフェーズ2−2の終了までの各ユニッ
トの処理部Pの処理動作により、ユニットU1からU9
に到る最短経路が完成され、それは最適経路テーブル1
7の経路2に記憶される。
【0132】図23は、サブフェーズであるフェーズ2
−2の詳細手順を示すフローチャートである。図23に
示すこの実施の形態のフェーズ2−2の手順のうち、図
10に示す実施の形態1のフェーズ2の手順と異なって
いる点は、実施の形態1で1ビットのサーチフラグVi
を使用したが、この実施の形態では8ビットのサーチフ
ラグViのフラグF2(図20(c))を使用している
点のみである。サブフェーズ2−1の詳細手順を示す図
は設けていないが、図23に示すフローチャートの、着
信ユニットU9を着信ユニットU6に、サーチフラグの
フラグF2をサーチフラグのフラグF1に、フェーズ2
−2をフェーズ2−1に読み替えた、同様の手順とな
る。
【0133】次に、フェーズ2の終了手順について、図
21に基づき説明する。発信ユニットU1は、フェーズ
2−1の終了命令(PH2as)と、フェーズ2−2の
終了命令(PH2bs)の両方を出し終わった後、フェ
ーズ2を終了し(PH2c)、フェーズ0の休止状態
(PH0)に移行する。発信ユニット以外の各ユニット
U2−U9は、フェーズ2−1の終了命令(PH2a
s,PH2a,PH2ad1,PH2ad2)と、フェ
ーズ2−2の終了命令(PH2bs,PH2b,PH2
bd1,PH2bd2)の両方を受信し終わった後、フ
ェーズ2を終了し(PH2c)、フェーズ0の休止状態
(PH0)に移行する。入出力装置18は、発信ユニッ
トU1からフェーズ2−1の終了命令(PH2as)及
びフェーズ2−2の終了命令(PH2bs)を受信した
後に適時、最適経路テーブル17の経路1と経路2を参
照して、その最短経路テーブル17に記された2個の最
短経路を、表示装置Dに表示する(103)。図24
は、フェーズ1終了時の変動数カウンタWiの分布と、
フェーズ2の処理の移行を表している。フェーズ2−1
の処理はモデルノードM6からM1への移行で、フェー
ズ2−2の処理はモデルノードM9からM1への移行
で、それぞれ示している。
【0134】なお、上記実施の形態では、着信ユニット
の順序番号は、人間が入出力装置18に入力した順序と
したが、この必要はなく、任意の順序で番号を付してよ
い。また、入出力装置18は、フェーズ2−1とフェー
ズ2−2の両方が終了してから2個の最短経路を表示装
置Dに表示したが(103)、この必要はなく、それぞ
れのサブフェーズが終了する度に、得られた経路を表示
装置Dに表示してもよい。
【0135】実施の形態7.この発明の実施の形態7に
よるルーチング方法を用いた最適経路設計例について、
まず説明する。図25は、経路設計を行う通信ネットワ
ークの例である。図において、1は経路設計の対象とな
る通信ネットワーク、11は通信信号の発着中継を行う
ノードNi(i=1,2,・・・,9)、12はノード
Ni,Nj間の物理接続回線であるリンク、各ノード1
1の円内に記載されている番号は各々のノードの番号
で、ノードNiの添字iがこれに対応する。ここでノー
ドNiとノードNj間のリンクには方向性があるものと
し、ノードNiからNjへ向かうリンクをリンクLij
と記す。一般には、リンクLijとリンクLjiは異な
るが、図25の例では、便宜上全てのリンク12は両方
向性とする。リンク12のそれぞれのコストが、リンク
上に記してある。リンクLijのコストをWijと記
す。コストは距離に代表されるリンクの属性を示す一般
的なパラメータで、距離の他には遅延、伝送品質等でも
よい。各リンク12の各コストWijがとり得る値は、
正の整数値0,1,2,・・・,VL−1,VLで、こ
の最大値VLをボリュームレベルとおく。ここでは、便
宜上、全てのリンク12の容量を単位容量1としてい
る。
【0136】各々のノード11には最適経路設計を行う
経路設計部13が設けられている。全てのノード11の
経路設計部13は同じ構造である。図25では、描図の
都合上、経路設計部13はノード11の外部に描かれて
いるが、実際にはノード11の内部に設けても良い。ノ
ードNiに付属する経路設計部13を経路設計部Kiと
呼ぶ(i=1,2,・・・,9)。それぞれの経路設計
部13では、通信ネットワーク1に対応したネットワー
クシミュレーションモデル2(以下、モデルと適宜略記
する)を使用する。全てのノード11の経路設計部13
で使用するネットワークモデル2は同一である。ネット
ワークモデル2は最適経路設計に使用する仮想的なネッ
トワークで、モデルノード11Mがノード11に対応し
ている。通信ネットワーク1におけるノードNiに対応
したモデルノードをモデルノードMiと呼ぶ(i=1,
2,・・・,9)。モデルノードMiはノードNiと同
じ属性を持つ。本実施の形態において、最適経路設計の
手順のうち、後述する水先案内平面群PPS生成は、こ
の経路設計部13内でネットワークモデル2に関して行
われ、実際のノード11で通信ネットワーク1に関して
行われるものではない。なお、この実施の形態では、例
えば、各ノード11を区別して表現する場合には、ノー
ドNi(i=1,2,・・・,9)というように、添字
iを付して表記することとし、この点についてはモデル
ノード11MとMi、経路設計部13とKi、後述のユ
ニット11UとUi、テーブルTとTi、処理部PとP
i、水路交差点11PとPNi等々に関しても同様であ
る。
【0137】経路設計部13内のハードウエア構成は、
K1からK9まで同一で、次のようになっている。各ノ
ードNiに対応したユニット11Uがあり、各々のユニ
ット11Uは、それぞれテーブルTと処理部Pで構成さ
れている。テーブルT及び処理部Pの構成は各ユニット
同一である。テーブルTはRAM等のメモリで、また処
理部Pはマイクロプロセッサ等で実現される。テーブル
Tには、各ノード、即ち、モデルノードの後述する特性
・状態を示すパラメータが記憶され、モデルノードMi
に対応するテーブルTiが含む情報としては、隣接ノー
ドAi、隣接ノードjとの間のリンクLijのコストW
ij、時刻t毎の状態数Xi、宛先ノード識別子Zi、
宛先ノードd毎の水先案内ベクトルPi(d)がある。
経路設計部13の中には、ユニット11Uの他に宛先指
定部DP、クロック発生部CLがある。宛先指定部DP
は、後述のように、宛先ユニットの番号dを各ユニット
に通達する機能を持つ。クロック発生部CLは、各ユニ
ットの動作の同期用の共通クロック信号を発生する。同
期用信号および各ユニットの同期動作については後述す
る。
【0138】ここで、ネットワーク1内の総ノード数を
nt個、発信ノードのノード番号をNs、宛先ノードの
ノード番号をNdとし、発信ノードNsと宛先ノードN
dの間の最小コスト経路を探索することを考える。ここ
で、最小コスト経路とは、経路内のリンクのコストの総
和が最小の経路とする。図25の例では、総ノード数n
t=9、宛先ノードNd=N1である。ゆえに、対応す
るモデルノードについても、総モデルノード数=9、宛
先モデルノードMd=M1となり、また対応するユニッ
トについても、総ユニット数=9、宛先ユニットUd=
U1となる。なお、宛先ノード番号=宛先モデルノード
番号=宛先ユニット番号=dなるdについて、以下適
宜、宛先dと略記する。同様に発信ノード番号について
も発信sと略記する。
【0139】この実施の形態における最適経路計画方法
は、必要が生じたときに個々の発信ノードNsと宛先ノ
ードNdを与えてその間の最適経路を求めるものではな
く、発信ノードと宛先ノードのあらゆる組合わせに適用
できる最適経路群を、各ノードN1−N9に付属する経
路設計部K1−K9であらかじめ求めておき、個々の経
路設定要求が発生したときにこれを使用するものであ
る。この最適経路群は、水先案内平面(pilot p
lane)という概念を用いて表される。次に、水先案
内平面PPの概念を、図26に基づき説明する。図25の
ネットワークモデル2において、宛先モデルノードをM
1とした場合の水先案内平面PPを図26に示す。水先
案内平面PPは、ネットワークモデル2から求められる
仮想的なネットワークで、宛先モデルノードMd毎に、
一面を構成する。水先案内平面PPは、各モデルノード
11Mから出ている矢印Pi(i=1,2,・・・,
9)、即ち、隣接する2モデルノード間の方向性のある
結合で構成される、方向性のあるネットワークである。
これは、各モデルノード11Mに水先案内人がいて、次
に進むべき方向を示している仮想的なイメージを表すも
のである。各モデルノードMiにいる水先案内人が示し
ている方向、即ち、図26のPPの矢印Pi(1,2,
・・・,9)の矢先が、モデルノードMiの宛先dの水
先案内ベクトルPi(d)である。水先案内ベクトルP
i(d)は、当該ノードNiから宛先dを目指す場合
に、次に進むべき方向の隣接ノードの番号である。記号
Pi(d)のiはノード番号、dは宛先を示す。宛先d
があきらかな場合は、以下適宜、宛先dを省略してPi
と略記する。モデルノードMd自身が宛先dの場合、水
先案内ベクトルPd(d)は定義されない。宛先dの水
先案内平面PPは、宛先モデルノードMdを除く全モデ
ルノードMi(i=1,2,・・・,9)の水先案内ベ
クトルPi(d)の集合である。
【0140】発信モデルノードMsから宛先モデルノー
ドMdまでの最適経路を求める際は、発信モデルノード
Msから出発して、順次モデルノード毎に水先案内平面
PP内の水先案内ベクトルPi(d)の指示に従って進
めば、最適経路を通って宛先Mdに到達することができ
る。図26において、モデルノードM8からM1までの
最適経路を求めるとすると、まずM8から出発して、水
先案内ベクトルP8に従ってM7に進む。次に、M7か
らは水先案内ベクトルP7に従って、M5に進む。同様
にして、水先案内ベクトルP5,P4に従って、M4,
M1と進んで宛先M1に到達する。この際に、通った経
路M8,M7,M5,M4,M1が、M8からM1への
最適経路である。
【0141】水先案内平面PPは、宛先モデルノードM
d毎に一面を構成するので、宛先Mdが複数ある場合に
は、複数面の水先案内平面PPを用いる。図26の水先
案内平面群PPSは、モデルノードM1からM9の各々
のモデルノードを宛先とした水先案内平面PPの集合で
ある。図26の水先案内平面群PPSの最上層の宛先1
の水先案内平面PPの内容は、図26の上部の宛先d=
1の水先案内平面PPに示すものである。水先案内平面
群PPS第2面以下の宛先2から9の水先案内平面PP
の内容は、個別には図示していない。水先案内平面群P
PSがあれば、発信モデルノード、宛先モデルノードと
して、M1からM9のうちのあらゆる2個の組み合わせ
について、最適経路を得ることができる。図26のPP
Sにおいて、各水先案内平面PPのモデルノードM5の
周辺部PP5を切り出し、縦方向に重ねて抜出したもの
がPPS5である。これをモデルノードM5、あるい
は、ノードN5の部分水先案内平面群PPS5と呼ぶ。
部分水先案内平面群PPS5においては、各水先案内平
面PPのモデルノードM5の水先案内ベクトルP5が示
されている。PPS5では、モデルノードM5から次に
進むべき方向を、宛先モデルノード別に示してあるの
で、ノードN5ではPPS5を参照すれば、どの宛先d
宛の経路にも対応できる。例えば、この実施の形態の最
適経路設計をパケット通信に利用する場合、通信ネット
ワーク1のノードN5は、この部分水先案内平面群PP
S5を保有していれば、到着したパケットの宛先に応じ
て、適切なパケット送出方向を指示できる。例えば、宛
先ノードがN1のパケットが到着した場合は、宛先1の
部分平面PP5に示されている水先案内ベクトルP5
(1)に従って、ノードN4方向にパケットを送り出
す。一般に、図26のPPSにおいて、各水先案内平面
PPのモデルノードMiの周辺部を切り出し、縦方向に
重ねて抜出したものを、モデルノードMi、あるいは、
ノードNiの部分水先案内平面群PPSiと呼ぶ。
【0142】水先案内平面PPを数字で表現する方法に
は、図27のPPT1のような行列形式、PPT2のよ
うな表形式等がある。図27のPPT1は、図26の宛
先1の水先案内平面PPを行列で表したもので、モデル
ノードMiの水先案内ベクトルPi(d)がjであるこ
とを、行列PPT1の要素(i,j)を1として表して
いる。例えば、モデルノードM5の水先案内ベクトルP
5(1)は4なので、行列PPT1の要素(5,4)は
1となっている。行列PPT1の1行めに1の要素がな
いのは、宛先1の水先案内平面PPでは、モデルノード
M1の水先案内ベクトルP1(1)が定義されていない
からである。図27のPPT2は、図26の宛先1の水
先案内平面PPを表で表したもので、モデルノードMi
の水先案内ベクトルPi(d)をi=1,2,・・・,
9について記している。P1=Xと記してあるのは、P
1(1)は定義されていないという意味である。水先案
内平面群PPSは、行列PPT1、あるいは、表PPT
2を宛先別に宛先数だけ使用して表現できる。図26の
PPS5は、図27のPPT3の行列、PPT4の表等
で表現できる。図27のPPT3は、図26のPPS5
を行列で表したもので、モデルノードM5の水先案内ベ
クトルP5(d)がjであることを、行列PPT3の要
素(d,j)を1として表している。例えば、宛先1の
水先案内ベクトルP5(1)は4なので、行列PPT3
の要素(1,4)は1となっている。行列PPT3の5
行目に1の要素がないのは、モデルノードM5では宛先
5の水先案内ベクトルP5(5)が定義されていないか
らである。また、行列PPT3の2,4,6,7列め以
外の列の要素が全てゼロなのは、モデルノードM5から
の水先案内ベクトルP5(d)の行先は隣接モデルノー
ドM2,M4,M6,M7のみに限られているからであ
る。図27のPPT4は、図26のPPS5を表で表し
たもので、モデルノードM5の水先案内ベクトルP5
(d)を宛先d=1,2,・・・,9について記してい
る。P5=Xと記してあるのは、P5(5)は定義され
ていないという意味である。
【0143】以下、この実施の形態の手順を具体的に説
明するに先立ち、この実施の形態における最短経路計画
の方法の原理につき、概念的な直観イメージを示す図2
8に基づき、概念的に述べる。この図28は、プールP
Oの内側に島ISが水路WWを形成するように配置され
たものである。プールPOは、図25の通信ネットワー
クの水路モデルであり、水路WWがリンク12とトポロ
ジー的に同じ構成となるように、島ISが配置されてい
る。ノード11に対応するのは、水路の交差点11Pで
あり、ノード番号N1,N2,・・・,N9に対応して
番号PN1,PN2,・・・,PN9が付されている。
水路交差点11Pは、以下適宜、交差点と略記する。図
28では、描画の都合上全ての水路WWの長さはほぼ等
しくなっているが、実際には、水路WWの長さは対応す
るリンク12のコストに比例させる。例えば、水路交差
点PN1とPN2の間の水路の長さは4単位長、PN1
とPN4間の水路の長さは1単位長となっている。ここ
で水路WWの長さは、2地点間の距離を表したものなの
で、数学的な距離の条件を満たす。即ち、同地点間の距
離はゼロ、2地点間の距離は両方向とも等しく、三角形
を形作る3個の水路WWの内の2個の長さの和は、他の
1個の水路WWの長さより大きくなる。一方リンク12
のコストは、距離・遅延・品質等の任意の属性でありう
るので、必ずしも上記距離の条件を満たさない。ゆえ
に、リンク12のコストが水路WWの長さに対応できな
い場合も生じる。例えば、図25の通信ネットワーク1
のノードN1,N2,N4による三角形は、上記距離の
条件を満たさないので、水路WWには対応できない。し
かし、図28に基づく直観イメージは、本実施の形態の
による最適経路設計の説明をわかり易くするための概念
的なものにすぎず、このイメージに対応できない場合で
も、最適経路設計方式は有効である。図28では、水路
交差点11PをX印で示し、そのX印に符号11Pを付
し、かっこ内に交差点番号(PN1,PN2,・・・,
PN9)を記してある。また、各水路交差点11PのX
印のところには、図示されていないが、水先案内人MA
がいる。図28の例では、水路交差点11PはPN1か
らPN9の9個あり、それぞれに水先案内人MAがいる
ので、その数は全部で9人である。
【0144】ここで、プール周縁部の地点PN1(宛先
ノードN1に対応)には子供CHがおり、この子供CH
は犬DGを飼っている。この犬DGは迷子になってしま
い、PN1からPN9までのいずれかの水路交差点11
Pにいることはわかっているが、いずれの交差点11P
にいるかは不明である。図28では、一例として交差点
PN9に犬DGが描かれているが、子供CHは犬DGの
所在地を知らない。迷子になった犬DGは、水路WWを
泳いで子供CHに会いに行きたいと考えている。子供C
Hは、犬DGが自分のところへ迷わず来られるように、
進むべき水路WWを教えてあげたいと考えている。この
際、子供CHは、犬DGが泳ぐ距離がなるべく短くてす
むようにしてあげたいと望んでいる、という状況を想定
する。この犬DGは、一つの水路WWをまっすぐに泳ぎ
進む能力は持っているが、水路交差点11Pに来た場合
に、そこで交差する複数の水路WWの内から自分の進む
べき進路を選択する能力は持たず、これについては各水
路交差点11Pにいる水先案内人MAに教えを請うよう
訓練されている。水先案内人MAは、自分の水路交差点
に犬が来た場合に、後述するように、犬が次に進むべき
水路を選択して、犬をその方向へ誘導する任務を持つ。
【0145】次に、図29に基づき、PN1からPN9
までのいずれかの水路交差点11Pで迷子になっている
犬DGが、最短距離を通って子供CHに会いに行かれる
ように、進むべき水路WWを教えてあげる手順を説明す
る。最初、水面は静まっていて平らである。ここで子供
CHが、石STを水面に落として、波を発生させる(S
CH1)。するとこの波は、水路WWを伝播していく。
各水路交差点11Pにいる水先案内人MAは、自分の水
路交差点11Pに波が伝播してくるのを発見しようと、
水面を見ている。自分の水路交差点11Pに波が最初に
伝播してきたとき(SMA1)、水先案内人MAは波が
伝播してきた水路WWの方向を記憶し、この方向を指で
指し示す(SMA2)。水先案内人MAは、犬DGが自
分の水路交差点11Pに来るのを待ち、犬DGが来た場
合には、指で指し示している水路WWの方向に進路をと
るように、犬DGを誘導するべく、待機している(SM
A3)。全ての水路交差点11Pに波が伝播したとき、
全ての水先案内人MAが波の最初の伝播方向を指し示
し、犬DGの待機状態になっている。このように、どの
水路交差点11Pから犬DGが出発しても良いように、
各水路交差点11Pで水先案内人MAが、犬DGが着た
場合に進むべき方向を指し示した状態が、図26の宛先
1の水先案内平面PPに対応する。以上のように、波が
最初に伝播した方向へ犬DGを誘導するのは、波の中心
PN1に近い点ほど早く波が伝播するので、波が早く伝
播した方向へ進めば、最初に石を落とした地点PN1に
到達できるからである。この理由の詳しい説明は、後述
する。
【0146】迷子になった犬DGが、水路WWを泳いで
子供CHに会いに行く場合には、順次、上記の水先案内
人MAの指示に従って進む。まず、犬DGは、自分がい
る水路交差点11Pの水先案内人MAが、進むべき水路
WWを指し示して犬DGを誘導する待機状態になるまで
待つ(SDG1)。自分の交差点11Pの水先案内人M
Aが待機状態になったならば(SDG1)、その水先案
内人MAに教えを請い(SDG5)、誘導された方向へ
泳ぐ(SMA4,SDG6,SDG3)。各水路交差点
11Pにくるたびに(SDG2)、そこの水先案内人M
Aに教えを請い(SDG5)、指し示す方向に誘導して
くれるのに従って進路をとり(SMA4,SDG6)、
水路WWを泳いで行けば(SDG3)、子供CHのいる
PN1に泳ぎ着く(SDG4)。例えば、犬DGが水路
交差点PN9にいた場合は、犬DGは、まず水路交差点
PN9で水先案内人MAが犬DGの待機状態になるのを
待ち(SDG1)、水先案内人MAに教えを請う(SD
G5)。次に、その指示に従って(SMA4)、水路交
差点PN8の方向に向かって水路WWを泳ぎ(SDG
6,SDG3)、次に、水路交差点PN8で水先案内人
MAの指示に従って、水路交差点PN7の方向へ進路を
変換し(SDG2,SDG5,SDG6,SMA4)、
また、水路WWを泳ぐ(SDG3)。同様にして、水路
交差点PN5,PN4を経由してPN1へ泳ぎ着く(S
DG4)。
【0147】次に、図25の各ユニット11Uに設けら
れたテーブルTの各パラメータについて具体的に説明す
る。テーブルTiの各パラメータは、ノードNi、即
ち、モデルノードMi、またはユニットUiに対応す
る。テーブルTiのパラメータは、図30に示してい
る。
【0148】次に、図30の各パラメータを詳細に説明
する。図30には、テーブルT1,T2,T4,T5の
例が抜粋されているが、他のテーブルT3,T6,T
7,T8,T9についても同様である。ノードNiの隣
接ノードAiは、ノードNiからリンクLijが出てい
る先のノードNjのノード番号jの集合である。一般に
は、リンクLijには方向性があるため、ノードjがノ
ードiの隣接ノードAiの要素であることと、ノードi
がノードjの隣接ノードAjの要素であることは等価で
はない。しかし、図25の例では、リンクは両方向性と
したので、ノードjがノードiの隣接ノードAiの要素
であれば、ノードiがノードjの隣接ノードAiの要素
となっている。例えば、ノードN1は、ノードN2およ
びノードN4と接続されているので、A1={2,4}
となる。同様に、A2={1,3,4,5,6},A3
={2,6,8},A4={1,2,5,7},A5
{2,4,6,7},A6={2,3,5,7,8},
A7={4,5,6,8,9},A8={3,6,7,
9},A9={7,8}となる。隣接ノードAiは、ネ
ットワークの構成と一義的に対応しており、ネットワー
クの構成が変化しない限りは固定である。モデルノード
Miの隣接モデルノードおよびユニットUiの隣接ユニ
ットは、隣接ノードAiと等しい。
【0149】さて、ノードNiの隣接ノードであるノー
ドNjの、ノードNiからのリンクLijのコストをW
ijと記す。例えば、ノードN1から隣接ノードN2へ
のリンクL12のコストW12は4、ノードN1から隣
接ノードN4へのリンクL14のコストW14は1であ
る。
【0150】宛先ノード識別子Ziは、宛先ユニットに
付ける目印であり、宛先モデルノードMd対応の場合Z
d=1、それ以外の場合Zi=0とする。水先案内ベク
トルPi(d)は、前述のように、当該ノードNiから
宛先dを目指す場合に、次に進むべき方向の隣接ノード
の番号である。各ノードの宛先d毎の水先案内ベクトル
を、テーブルTに保持する。ここで、ノードN5のユニ
ットU5のテーブルT5というのは、実は図26のPP
S5を表すものであり、図30のテーブルT5の水先案
内ベクトルP5のテーブルと図27のPPT4は、同じ
テーブルである。一般に、ノードNiのユニットUiの
テーブルTiというのは、図26のPPS5と同様の部
分平面群をモデルノードMiに作成したもの、即ち、水
先案内ベクトルPi(d)の集合をd=1,2,・・
・,9について集めたものを表す。ゆえに、実際に最適
経路を案内する際には、ノードNiで保有するテーブル
T1,T2,・・・,T9のうち、ノードNiで本当に
必要なテーブルは、Tiのみであり、他のテーブルは捨
ててしまっても良い。
【0151】モデルノードMiの状態数Xiは、この実
施の形態の中心となるパラメータである。状態数Xiは
時刻tに依存する可変パラメータであり、時刻依存性を
明確にしたい場合は状態数Xi(t)と記す。ここで時
刻tは、離散的な値t=0,1,2,3・・・をとる。
テーブルTには、現在の時刻t0の状態数Xi(t
0)、1単位時間前の時刻(t0−1)の状態数Xi
(t0−1)、2単位時間前の時刻(t0−2)の状態
数Xi(t0−2)と続いて、リンク12のコストWi
jの最大値であるボリュームレベルVL単位時間前の時
刻(t0−VL)の状態数Xi(t0−VL)まで保持
しておく。
【0152】状態数Xi(t)は、下記の様な特徴を持
つ。 ・状態数Xi(t)は、0と1の2値のみをとる。 ・状態数Xi(t)の値は、0が遮断、1が導通等の物
理的な状態に対応するパラメータではないが、前述の直
観イメージを示した図26では、0が最初の波が伝播し
てきていない状態、1が波がすでに伝播して水先案内人
MAが犬DGの待機を待機している状態に相当する。ま
た、状態数Xiの値が0のことを不活性、1のことを活
性、0から1となることを活性化と以下適宜表現する。 ・時刻tにおけるモデルノードMiの状態数Xi(t)
は、次の規則1,2に従って変化する。また、水先案内
ベクトルPi(d)は、次の規則3に従って決定する。 規則1)時刻t=0では、宛先モデルノードMdの状態
数Xd(0)=1、それ以外のモデルノードMiについ
ては状態数Xi(0)=0とする。 規則2)コストWij時刻前の状態数Xj(t−Wi
j)の値が1である隣接モデルノードMjが存在する場
合には(jはAiの要素)、状態数Xi(t)は1とす
る。それ以外の場合は、状態数Xi(t)は0とする。
宛先モデルノードMdの状態数は、常に状態数Xd
(t)=1とする。 規則3)規則1,2に従って、状態数Xi(t)の値が
0から1に活性化したとき、その変化の原因となった隣
接モデルノードMjのノード番号jを、水先案内ベクト
ルPi(d)とする。 ・なお、ここで(時刻t−コストWij)が負の数とな
る場合の状態数は、ゼロとする。即ち、時刻t<コスト
Wijならば、状態数Xi(t−Wij)=0。 ・ここで上記規則1,2に従って、全ての状態数Xi
(t)を0に初期化した後、一度1になって活性化した
状態数Xi(t)は、1のまま変化しない。
【0153】上記規則1,2に従って、状態数Xi
(t)を変化させ、規則3に従って水先案内ベクトルP
i(d)を求めることができる理由を、以下に証明す
る。なお、以下の証明においては、隣接ノードAiを集
合A(i)と表記するものとする。 証明.ノードNiから宛先ノードNdまでの最小コスト
経路を求める問題を考える。文献(D. Bertsekas, J.
Tsitsiklis:■Parallel and Distributed Computation
■, Prentice Hall, 1989, pp.293-295)によると、最
小コスト経路のコストXMi,(i=1,・・・,n
t)は、次のベルマン方程式によるシステムの唯一の解
である。 XMi=min(Wij+XMj),for i=1,・・・,d−1,d+ 1,・・・nt, XMd=0 但し、minは、集合A(i)の要素jの中での最小値とする。 ・・・(式P1) 更に、ベルマン・フォードアルゴリズムによれば、次
式、 Xi(t)=min(Wij+Xj(t−1)),for i=1,・・・, d−1,d+1,・・・nt, Xd(t)=0 但し、minは、集合A(i)の要素jの中での最小値とする。 ・・・(式P2) に従った繰り返しを行えば、Xiの初期値に関係なく、
式P1の解に集束する。ここでは、初期値としてXd
(0)=0,i≠dなるiについては、Xi(0)=∞
とおく。このアルゴリズムは、全てのiについてXi
(t)=Xi(t−1)となるtで終了する。
【0154】ここで次の仮定をおく。 仮定1.全てのリンクのコストを1とする。即ち、全て
のi,jについて、Wij=1とする。この場合、ベル
マン方程式(式P1)は、次のようになる。 XMi=min(1+XMj)=1+min(XMj),for i=1,・ ・・,d−1,d+1,・・・nt, XMd=0 但し、minは、集合A1(i)の要素jの中での最小値とする。 ・・・(式P3) ここでA1(i)は、リンクコスト=1のネットワーク
での隣接ノードとする。また、ベルマン・フォードアル
ゴリズム(式P2)は、次のようになる。 Xi(t)=min(1+Xj(t-1))=1+min(Xj(t-1)), for i=1,・・・,d−1,d+1,・・・nt, Xd(t)=0 但し、minは、集合A1(i)の要素jの中での最小値とする。 ・・・(式P4) 次に、i≠dなるiにおいて、Xi(t)が初めて初期
値から更新される時の繰り返し数tをtiと定義する。
即ち、 Xi(t)=∞,for all t≦ti−1 Xi(ti)≠∞ ・・・(式P5) また、td=0とする。tiは、次の命題に示す特徴を
もつ。
【0155】命題1.各々のノードNiで下式が成立す
る。 t<tiならば、Xi(t)=∞ ・・・(式P6) t≧tiならば、l≧tなる全てのlについて、Xi(l)=ti=XMi ・・・(式P7) 証明.式P6は、tiの定義により成立。式P7は、数
学的帰納法により証明する。まず、t=1の場合につい
て検証する。集合A1(i)にdが含まれる全ての要素
iについて、ti=1が成立する。ゆえに、式P3とP
4から、全てのl>tなるlについて、XMi=Xd
(l)=1となる。集合A1(d)の要素でない全ての
iについては、ti>1とXi(l)=∞が成立する。
ゆえに、式P7は、t=1のときに成立する。式P7が
t>1なるtについて、成立すると仮定する。t+1=
tiの場合について検証する。式P4とtiの定義によ
り、l≦tなる全てのlについて、Xi(t+1)=1
+min(X(t))≠∞、とXi(l)=1+min
(X(l−1))=∞が成立する。但し、minは、集
合A1(i)の要素jの中での最小値とする。ゆえに、
l≦tなる全てのlと、集合A1(i)の全ての要素j
ついて、Xj(l−1)=∞となる。更に、集合A1
(i)の要素中、l≦tなる全てのlと、集合A1
(i)の全ての要素jついて、Xj0(l−1)=∞、
かつ、Xj0(t)≠∞なるj0が存在する。tiの定
義から、tj0=tとなる。帰納法の仮定により、t<
tj0ならば、Xj0(t)=∞、かつt≧tj0なら
ば、全てのl≧tなるlについて、Xj0(l)=tj
0=XMj0となる。この式とXi(t+1)=1+X
j0(t)から、l≦t+1なる全てのlについて、X
i(l)=1+tj0=XMj0が成り立つ。t+1>
tiの場合は、帰納法の仮定により成立する。証明終。
【0156】後で使用するために、以下の補助定理を記
しておく。 補助定理1.Ni≠Ndなる全てのノードNiにおい
て、 集合A1(i)の全ての要素jついて、tj≧ti−1 ・・・(式P8) が成立し、tj=ti−1となる要素jが必ず存在す
る。 証明.式P3とtiの定義により成立。証明終。 補助定理2.全てのt≧1なるtと、集合{h1,h
2,・・・,h(nt−1)}={1,2,・・・,
(nt−1)}の要素であるiについて次式が成立す
る。 t(h1)≦t(h2)≦・・・t(h(nt−1))ならば、 X(h1)(t)≦X(h2)(t)≦・・・X(h(nt−1))(t) ・・・(式P9) 証明.繰り返し数t=tpのとき、tp≧tiaなる全
てのiaに対して、式P7からXia(t)=tiaが
得られ、式P9が成立する。tp<tibなる全てのi
bに対して、式P6からXib(t)=∞が得られ、X
ib(t)≧Xia(t)となり、全てのibに対して
も、式P9が成立する。ゆえに、全てのiについて式P
9が成立する。証明終。 補助定理3.Ni≠Ndなる各ノードで、次式を満たす
集合A1(i)の要素j0が存在する。 Xj0(t)=Xi(t)−1 ・・・(式P10) 証明.式P3とP7から、t≧tiなる全てのtについ
て、式P10が成立することがわかる。∞=∞−1とい
う場合を含めれば、式P3とP6から、全てのt≧1に
ついて、式P10は成り立つ。証明終。
【0157】次に、仮定1を緩めて、各リンクが任意の
正の整数のコストを保有できることとする。前述のリン
クコスト=1の場合の結果が使用できるようにするた
め、全てのi,jについて、リンクLijにダミーノー
ドi1,i2,・・・,imを挿入し、リンクLijを
リンクLi(i1),L(i1)(i2),・・・,L
(im)jなるリンクに分割して量子化する。ここでm
=Wij−1であり、量子化したそれぞれのリンクのコ
ストは1である。即ち、Wi(i1)=W(i1)(i
2)=・・・=W(i(m−1))m=W(im)j=
1となる。ダミーノードでは、リンクの枝分かれはない
ので、ダミーノードの挿入によってネットワークのトポ
ロジーは変化しない。更に、ノードにはコストが付与さ
れていないので、ダミーノードの挿入によっては、2ノ
ード間の経路のコスト合計も変化しない。この量子化さ
れたネットワークでは、仮定1のもとでの前述の議論が
成立する。
【0158】ベルマン・フォードアルゴリズムの変形と
して次式を示す。 命題2. Xi(t)=min(Wij+Xj(t−Wij)),for i=1,・・ ・,d−1,d+1,・・・nt, Xd(t)=0 但し、minは、集合A(i)の要素jの中での最小値とする。 ・・・(式P11) 証明.リンクLijに、ダミーノードi1,i2,・・
・,imを挿入し、リンクLijをリンクLi(i
1),L(i1)(i2),・・・L(im)jなるリ
ンクに分割して量子化する。但し、m=Wij−1。ま
た、ここでは、i0=i、i(m+1)=jと記す。式
P4から、Xi(t)=1+X((i1)c)(t−
1)なる、集合A1(i)の要素(i1)cが存在す
る。但し、A1(i)は、量子化されたネットワークに
おけるノードNiの隣接ノードである。これから、X
((i1)c)(t−1)=1+min(Xl(t−
2))を得る。但し、minは、集合A1((i1)
c)の要素lの中での最小値をとる。ダミーノードi
h,(h=1,2,・・・,m)は、枝分かれがなく2
個の隣接ノードしか持たないので、A1(ih)={i
(h−1),i(h+1)}となり、X((i1)c)
(t−1)=1+min(X((i2)c)(t−
2),Xi(t−2))となる。式P9とP10とXi
(t)=1+X(i1)c(t−1)から、X((i
2)c)(t−2)≦Xi(t−2)となり、X((i
1)c)(t−1)=1+X((i2)c)(t−2)
およびXi(t)=2+X((i2)c)(t−2)と
なる。同様の作業により、Xi(t)=m+X((i
m)c)(t−m)=Wij+Xj(t−Wij)を得
る。量子化前のネットワークの集合A(i)の全てのj
を考慮することにより、式11Pを得る。証明終。
【0159】次に、一般にリンクコスト≠1のネットワ
ークのtiが次式のようになることを示す。 命題3.Ni≠Ndなる各ノードにおいて、 ti=min(Wij+tj) 但し、minは、集合A(i)の要素jの最小値をとる。 ・・・(式P12) また、td=0。 証明.リンクLijにダミーノードi1,i2,・・
・,imを挿入し、リンクLijをリンクLi(i
1),L(i1)(i2),・・・L(im)jなるリ
ンクに分割して量子化する。但し、m=Wij−1。ま
た、ここでは、i0=i,i(m+1)=jと記す。式
P8から、l=0,2,・・・,mについて、t(i
(l+1))+1≧t(il)と、l=1,2,・・
・,m+1について、t(i(l−1))+1≧t(i
l)1が成り立つ。ここで、l=1,2,・・・,mに
ついては、少なくとも1個の等号が成り立つ。これらの
不等式を足し合わせることにより、l=0,1,・・
・,m+1−pについて、t(i(l+p))+1≧t
(il)と、l=p,p+1,・・・,m+1につい
て、t(i(l−p))+1≧t(il)とが成り立
つ。ここで、p=0,1,・・・,m+1で、l=p,
p+1,・・・,m+1−pについては、少なくとも1
個の等号が成り立つ。p=m+1とl=0の場合は、i
0=iかつi(m+1)=jなので、tj+Wij≧t
iを得る。量子化前のネットワークの集合A(i)の全
てのjを考慮することにより、tj+Wij=Tiを満
たすjが存在し、式12Pを得る。証明終。
【0160】以上のリンクコスト=1の議論において、
ノードNiから宛先ノードNdまでの最小コストXMi
は、繰り返し数tiの後はtiに等しくなり、最小コス
ト経路のコストと、繰り返し回数は一対一対応する。ゆ
えに、経路のコストと繰り返し回数の両方をフォローす
る必要はなく、繰り返し回数をフォローするならば、経
路コストは付随して求められる。ゆえに、Xi(t)の
値が∞から正整数に変化する時の繰り返し数tiにさえ
注意していれば、基本式P4において、Xi(t)やX
j(t−1)の値は、詳細にフォローする必要がない。
更に、初期値Xi(0)は∞である必要はなく、非初期
値と明確に区別できる任意の値とすることができる。重
要な点は、宛先Ndから出発した非初期値が、隣接ノー
ドを通して次々と伝播していく点である。ゆえに、我々
は、リンクコスト=1の場合のベルマン・フォードアル
ゴリズムの変形である次式を示す。 Xi(t)=活性(i≠dで、集合A1(i)の要素jの中に、Xj(t−1 )が活性なものが存在する場合) Xi(t)=不活性(i≠dで、上記以外の場合) Xd(t)=活性 ・・・(式P13) 但し、初期条件はXd(0)=活性、i≠dについては
Xi(0)=不活性とする。最小コスト経路のコスト
は、ti、即ち、Xi(t)が不活性から活性に変化す
る最初の繰り返し数と等しい。
【0161】一般に、リンクコスト≠1のネットワーク
においては、リンクの量子化により、リンクコストWi
jが繰り返し数に変換できることを、式11Pと12P
で示した。ゆえにこの場合も、リンクコスト=1の場合
と同様に、最小コスト経路のコストを繰り返し数から求
めることができる。一般に、リンクコスト≠1の場合の
ベルマン・フォードアルゴリズムの変形を次に示す。こ
こで、Wij=1とおけば、リンクコスト=1の場合と
なる。 命題4. Xi(t)=活性(i≠dで、集合A(i)の要素jの中に、Xj(t−Wi j)が活性なものが存在する場合) Xi(t)=不活性(i≠dで、上記以外の場合) Xd(t)=活性 ・・・(式P14) 但し、初期条件はXd(0)=活性、i≠dについては
Xi(0)=不活性とする。最小コスト経路のコスト
は、ti、即ち、Xi(t)が不活性から活性に変化す
る最初の繰り返し数と等しい。命題1より、命題4のX
i(t)は、一度活性化したら不活性には戻らないこと
がわかる。命題4に従って、Xi(t)の変換を繰り返
し、全てのiについてXi(t)が活性化したときに、
最小コストの分布が得られる。
【0162】命題4の方法で、各ノードNiから宛先ノ
ードNdまで、最小コスト経路のコストXMiの分布が
得られたとき、これらの最小コスト経路は、命題4でX
i(t)を活性化する要因となった隣接ノードをたどっ
て得られる。ノードNiにおいて、繰り返し数tiのと
き、Xi(t)が活性化する要因となった隣接ノード集
合A(i)の要素jをP(i)とおくと、これがノード
Niの水先案内の役割を果たし、これを順次たどれば、
各ノードから宛先ノードNdまでの最小コスト経路が得
られる。命題4およびP(i)を求める方法を言葉で述
べたものが、前述の規則1,2,3である。以上で一連
の証明を終わる。
【0163】以下に、この実施の形態における最適経路
設計の手順を説明する。この手順は、水先案内平面群P
PS生成の概略フローチャート(図31)、同詳細フロ
ーチャート(図35)、パケット送信時のフローチャー
ト(図32)等々の各フローチャートに示される手順に
より構成される。説明は、まず経路設計部13で実行さ
れる処理について述べ、次に概略手順の説明、クロック
と各部の同期の説明を行い、最後に詳細手順の説明を行
う。この実施の形態の手順は、図25の経路設計部13
で遂行される。経路設計部13内には、前述の如く、通
信ネットワーク1の各ノード11に対応した9個のユニ
ット11Uがあるが、それぞれのユニットは独立してお
り、各自のプロセッサによる処理部P、およびメモリに
よるテーブルTを所有している。本手順処理の大部分
は、これらのユニット11Uで行われる。ユニット11
U以外で行われるのは、宛先指定部DPによる宛先ユニ
ット番号の通知等後述する少数の処理のみである。各々
のユニット11Uに設けられている機能は同一である
が、順次、宛先指定部DPによって宛先ユニットに指定
されるユニット(図25の場合は、U1)は、その他の
ユニット(U2からU9)とは若干異なる手順に従って
処理を行う。
【0164】次に、この実施の形態における最適経路計
画方法の概略手順を述べる。この実施の形態における最
適経路計画方法は、前述したとおり、必要発生時に個々
の発信ノードNsと宛先ノードNdを与えてその間の最
適経路を求めるものではなく、全ての宛先ノードに対す
る水先案内平面群PPSを、全ノードに付属する経路設
計部13で予め求めておき、個々の経路設定要求が発生
したときに、これを使用するものである。前述の直観イ
メージでいえば、水先案内平面群PPS生成は、迷子に
なっている犬DGが最短距離を通って、子供CHに会い
に行かれるように進むべき進路を教えてあげる準備に相
当する。図26に示す水先案内平面群PPSは、前述の
ように、モデルノードM1からM9の各々のモデルノー
ドを宛先とした水先案内平面PPの集合である。ゆえ
に、水先案内平面群PPSを生成するためには、宛先モ
デルノード番号dを1から9まで一つずつ変化させて、
それぞれのdについての水先案内平面PPを求めればよ
い。この手順を図31に示す。
【0165】図31は、水先案内平面群PPS生成の概
略手順を示すフローチャートである。図31には、宛先
指定部DPの手順(SS1,SS3,SS5)、各ユニ
ットU1−U9の手順(SS2,SS4,SS6)が示
されている。宛先指定部DPでは、まず宛先d=1を各
ユニットU1−U9に指定し(SS1)、各ユニットU
1−U9ではそれぞれこれを受けて宛先1の水先案内平
面PPを作成する(SS2)。同様にして宛先d=2,
3,・・・,9の水先案内平面PPを作成する(SS
3,SS4,SS5,SS6)。こうして、宛先d=
1,2,・・・,9の水先案内平面群PPSが生成され
る。
【0166】次に、個々の経路設定要求が発生したとき
に、水先案内平面群PPSを使用して最適経路をとる方
法を、図32に基づき説明する。これは、前述の直観イ
メージでいえば、犬DGが水路WWを泳いで子供CHに
会いに行く手順に相当する。図32は、この実施の形態
の最適経路設計を、パケット通信に利用する場合の各ノ
ードN1−N9の手順と(SN1,SN2)、パケット
PKTの手順(SP1−SP5)を示したものである。
図33に、パケットPKTを示す。パケットPKTは任
意の長さでよいが、図33に示すように、個々のパケッ
トPKT内に、そのパケットの宛先ノード番号dが書き
込まれているものとする。パケットPKTは、発信ノー
ドNsから出発し、宛先ノードNdを目指す。パケット
PKTは、まず発信ノードNsの方向指示の準備が整っ
たならば(SP1)、ノードNsの指示の通りに次のノ
ードへ行く(SP5)。次のノードに到着するまでは、
リンク12を進む(SP3)。次のノードNiに到着し
たならば(SP2)、そのノードNiの指示の通りに、
更に次のノード向かってリンク12を進む(SP5,S
P3)。これを順次繰り返し、宛先ノードNdに到着す
るまで(SP4)続ける。図32のパケットPKTの手
順SP1−SP5は、図29の犬DGの手順SDG1−
SDG6に対応する。但し、図29の犬DGが、自分の
手足を動かして主体的に水路WWを泳いで行くのに対
し、パケットPKTは自分でリンク12上を走るわけで
はなく、ノードN1−N9に送出されるままにリンク1
2上を移動するだけである。しかし、説明上わかり易い
ように、パケットPKTを擬人化して主体性があるよう
に図32に示している。実際の動作としてパケットの送
受を行うのは、ノードN1−N9である。ノードNiで
は、水先案内平面群PPS生成後、パケットが到着する
のを待機し(SN1)、パケットが到着したならば、ユ
ニットUiのテーブルTiの宛先dの水先案内ベクトル
Pi(d)の方向へ、パケットを送出する(SN2)。
ノードNiのユニットUiのテーブルTiを参照すると
いうことは、換言すれば、部分水先案内平面群PPSi
を参照するということである。
【0167】水先案内平面群PPS生成の詳細手順を説
明する前に、クロック発生部CLから発生される同期用信
号および宛先指定部DPと各ユニット11Uの同期動作
について説明する。図34に、クロック発生部CLから
発生される同期用信号を示す。図34のCLKは、各部
同期の基準となる基本クロック信号であり、図の矩形波
の立ち上がりの部分を同期用に使用する。基本クロック
の速度は、後述する1単位時間(t=1,2,・・・の
tの1個分)内に処理するべき手順が終わる程度の時間
幅以上とする。図34の水先案内平面群生成要求信号P
PSRは、水先案内平面群PPS生成開始を宛先指定部
DPと各ユニットU1−U9に合図する信号である。図
34のtは、基本クロックCLKに同期した時刻t=
0,1,2,・・・を示す。時刻リセット信号RST
は、時刻tを0にリセットする信号で、各ユニット11
Uに送出される。宛先要求信号DPRは、宛先指定部D
Pに宛先の指定を要求する信号で、時刻リセット信号R
STより若干タイミング先立って送出される。どのくら
い先立つかの時間幅については後述する。ユニットU
i、あるいは、モデルノードMiの状態数Xiは、前述
のように、時刻tに依存するパラメータである。時刻t
の系列t=0,1,2,・・・とそれに依存する状態数
Xi(t)は、水先案内平面PPを一面作成する手順の
なかで有効なものであり、別の水先案内平面PPを作成
するときには、状態数Xi(t)を初期化し、また新た
に時系列t=0,1,2,・・・を開始する必要があ
る。この新たな時系列の開始を通知するのが、時刻リセ
ット信号RSTである。時刻リセット信号RSTは、各
ユニットU1−U9に対する、新たな水先案内平面PP
作成開始の合図でもある。
【0168】水先案内平面PP一面は、前述のように宛
先d毎に求められるものであり、新たな水先案内平面P
Pの対象となる宛先dは、水先案内平面PP作成開始に
先立って、各ユニットU1−U9に通知されている必要
がある。宛先指定部DPに対してこれを指示するのが宛
先要求信号DPRである。新たな宛先dに対する水先案
内平面PPを作成する場合は、まずクロック発生部CL
から宛先指定部DPに対して宛先要求信号DPRを送出
して、宛先dを各ユニットU1−U9に通知するよう要
求する。これを受けた宛先指定部DPは、各ユニットU
1−U9に宛先dを通知する。これを受けた各ユニット
U1−U9は、状態数Xi(t)を初期化するなど、新
たな水先案内平面PP作成の準備をする。次に、各ユニ
ットU1−U9は、時刻リセット信号RSTを待ち、時
刻リセット信号RST受信を合図に新しい時系列t=
0,1,2,・・・を開始し、新たな水先案内平面PP
作成を開始する。宛先要求信号DPRと時刻リセット信
号RSTの間の時間は、宛先指定部DPが各ユニットU
1−U9へ宛先dを指定し、各ユニットU1−U9がこ
れを受信し、新たな水先案内平面PP作成を開始する準
備を行うのに十分な時間をとる。
【0169】クロック発生部CLが、一つの水先案内平
面PPの宛先要求信号DPRを送出してから、次の水先
案内平面PP宛先要求信号DPRを送出するまでの最小
時間(単位時間数)は、各ユニットU1−U9が水先案
内平面PPを一面作成するのに必要な時間と、作成平面
を切換える手続きに必要な時間との和である。このう
ち、各ユニットU1−U9が水先案内平面PPを一面作
成するのに必要な時間(単位時間数)、即ち、時刻tを
ゼロにリセットする前の最大のtの値は、原理的に全ノ
ード数ntを越えないことがわかっている。これは前述
のBertsekas の文献の296−297ページに証明され
ている。また、作成平面を切り換える手続に必要な時間
は、一定の短い時間で十分であるので、宛先要求信号D
PR間の最小間隔は、予め推定することができる。全ノ
ード数ntが大きい場合には、DPR間最小間隔をnt
単位時間とほぼ等しいとしてもよい。
【0170】水先案内平面群PPSは、前述のように全
ノード数nt個の水先案内平面PPから構成されている
ので、1個の水先案内平面群PPSを生成するのにかか
る時間(単位時間数)は、1面の水先案内平面PP作成
にかかる時間のおよそnt倍となる。1個の水先案内平
面PP作成に必要な時間は、およそ全ノード数nt(単
位時間)なので、1個の水先案内平面群PPSを生成す
るのにかかる時間は、およそntの2乗(単位時間)と
してよい。もし、リンク12のコストが変化した等の理
由で、連続して水先案内平面群PPSを生成する必要が
あるばあいは、クロック発生部CLは、宛先指定部DP
と各ユニットU1−U9に対して、ntの2乗(単位時
間)以上の間隔をあけて、水先案内平面群生成要求信号
PPSRを送出して、連続的に水先案内平面群PPSを
生成することができる。
【0171】次に、この実施の形態による最適経路設計
方法における、水先案内平面群PPS生成の詳細手順
を、図35のフローチャートに基づき説明する。水先案
内平面群PPSの生成法は、全ノード付属経路設計部K
1−K9で共通である。図35には、宛先指定部DPの
手順(SDP1−SDP6)、各ユニット11Uの手順
(SU1−SU16,SUD4−SUD5)が示されて
いる。これらの手順は、実際上はソフトウエアにより実
行される。各ユニット11Uは、それぞれ独立に図35
の手順の処理を行うが、これらの処理は、クロック発生
部CLからの同期用信号に同期して行われる。
【0172】図35において、宛先指定部DPが、宛先
ユニット番号dを変化させる役割を担う。宛先指定部D
Pは、クロック発生部CLからの水先案内平面群生成要
求信号PPSRを受信したときに、以下の手順を開始す
る(SDP1)。宛先指定部DPは、まず宛先dをd=
1に初期設定する(SDP2)。ここでクロック発生部
CLからの宛先要求DPRを待ち(SDP3)、これを
受信したならば、各ユニットU1−U9へ宛先d=1を
知らせる(SDP4)。そして、全てのユニットを宛先
ユニットに指定したかどうか、即ちd=9か否かを判断
する(SDP5)。ここでdが9より小さく、宛先ユニ
ットに指定されていないユニットがある場合には(SD
P5−いいえ)、dを1だけ加算して(SDP6)、ク
ロック発生部CLからの宛先要求DPRを待ち(SDP
3)、次の宛先d=2を各ユニットに知らせる(SDP
4)。このようにして、d=9となって全てのユニット
が宛先ユニットに指定されるまで(SDP5−はい)、
宛先dの指定を続ける(SDP3,SDP4,SDP
5,SDP6)。
【0173】図35において、各ユニットU1−U9
が、水先案内平面群PPSを生成する。各ユニットU1
−U9は、クロック発生部CLからの水先案内平面群生
成要求信号PPSRを受信したときに、以下の手順を開
始する(SU1)。各ユニットU1−U9は、次に宛先
指定部DPからの宛先dを受信する(SU2)。ここで
は、宛先d=1の場合の手順を説明する。各ユニットU
1−U9では、SU2で受信した宛先dが自分のユニッ
ト番号であるか否かを判断し(SU3)、自ユニットが
宛先ユニットであった場合にはSUD4へ、宛先ユニッ
トでなかった場合にはSU4へ進む。
【0174】ここでは、ユニットU1が宛先ユニットな
ので、ユニットU1はSUD4へ進む。SUD4では、
状態数X1(t)をX1(0)=1と初期化する。次
に、SUD5で時刻リセット信号RSTを受信したなら
ば、時刻tをt=0にリセットする。以下のステップで
は、状態数X1(t)の値は変化しないが、時刻tはク
ロック発生部CLからの基本クロックCLKに同期し
て、1ずつ加算していく。即ち、SU13で基本クロッ
クCLKを受信したならば、SU14で時刻tに1だけ
加算する。SU15では、新たな時刻tにおける状態数
をX1(t)=1とおく。その後、SU13,SU1
4,SU15を繰返す。この繰返し中に、宛先指定部D
Pから新たな宛先dの指定を受信したら(SU16)、
次の水先案内平面PPを作成するために、SU3へ戻
る。
【0175】ユニットU2−U9は、宛先ユニットでは
ないので、SU3からSU4へ進む。SU4では、状態
数Xi(t)をXi(0)=0と初期化する。次に、S
U5で時刻リセット信号RSTを受信したならば、時刻
tをt=0にリセットする。以下のステップでは、時刻
tをクロック発生部CLからの基本クロックCLKに同
期して、1ずつ加算していくとともに、状態数Xi
(t)の値を更新していく。まず、SU6で基本クロッ
クCLKを受信したならば、SU7で時刻tに1だけ加
算する。SU8では、ユニットUiの全ての隣接ユニッ
トjについて(jはAiの要素)、コストWij時刻前
の隣接ユニットの状態数Xj(t−Wij)を読出す。
SU9では、SU8で読み出した状態数Xj(t−Wi
j)のなかに値が1のものがあるか否かを判断する。状
態数Xj(t−Wij)に値が1のものがない場合に
は、時刻tでのユニットUiの状態数Xi(t)は、ゼ
ロのままXi(t)=0とする(SU10)。その後S
U6へ戻り、SU6からSU9を繰返す。SU9で、状
態数Xj(t−Wij)に値が1のものがある場合に
は、時刻tでのユニットUiの状態数Xi(t)をXi
(t)=1とし(SU11)、状態数Xj(t−Wi
j)=1となっている隣接ユニットjのユニット番号j
を、ユニットiの宛先1の水先案内ベクトルP1iと
し、テーブルTに書込む(SU12)。以下のステップ
では、状態数Xi(t)の値は1のままで変化しない
が、時刻tはクロック発生部CLからの基本クロックC
LKに同期して、1ずつ加算していく。即ち、SU13
で基本クロックCLKを受信したならば、SU14で時
刻tに1だけ加算する。SU15では、新たな時刻tに
おける状態数をX1(t)=1とおく。その後、SU1
3,SU14,SU15を繰返す。この繰返し中に、宛
先指定部DPから新たな宛先dの指定を受信したら(S
U16)、次の水先案内平面PPを作成するために、S
U3へ戻る。
【0176】図36は、図25のネットワークで、宛先
1の水先案内平面PP作成の際の各状態数Xiの値の遷
移を示した表である。時刻t=0では、SUD4とSU
4の初期化によって、X1=1,i=2,・・・,9に
ついては、状態数Xi=0である。時刻t=1では、ユ
ニットU4において、隣接ユニットU1との間のリンク
L41のコストW41が1なので、1単位時間前の状態
数X1(t−1)を見るが、この値が1なので、自ユニ
ットの状態数を1とする(X4(t)=1)。ユニット
U2では、隣接ユニットU1との間のリンクL21のコ
ストW21が4なので、4単位時間前の状態数X1(t
−4)を見るが、状態数Xiの定義から負の時刻の状態
数は、ゼロなのでX1(t−4)=0となり、自ユニッ
トの状態数はゼロのままである(X2(t)=0)。そ
の他のユニットでは、時刻t=0までの隣接ユニットの
状態数が全てゼロなので、時刻t=1での自ユニットの
状態数もゼロのままとなる。時刻t=2では、ユニット
U2とU5が、それぞれコストW24=1、W54=1
で、ユニットU4と隣接しているので、1単位時間前の
ユニットU4の状態数X4(t−1)が1であることか
ら、自ユニットの状態数が1となっている。以下時刻t
=3,4では、同様にして各ユニットの状態数が変化し
てゆき、時刻t=5では全てのユニットの状態数が1と
なる。
【0177】以上のように、水先案内平面群PPSを生
成して、各ノード11付属の経路設計部13で保持して
おく。個々の経路設定要求が生じたときには、図32に
示した手順に従って、この水先案内平面群PPSを参照
して次に進むべき経路を案内する。
【0178】以上のように、この発明によれば、最適経
路選択の基準として、リンクの距離・遅延・品質等種々
の属性を考慮できるという効果がある。
【0179】なお、上記実施の形態では、図26に示す
水先案内平面群PPSは、宛先d=1,2,・・・,9
の全てのモデルノードM1−M9に対する水先案内平面
PPの集合であったが、この必要はなく、一部のモデル
ノードのみを宛先とした水先案内平面PPの集合として
も良い。例えば、実際に宛先となる可能性の低いノード
を宛先とする水先案内平面PPは、水先案内平面群PP
Sに含めなくても良い。
【0180】また、上記実施の形態では、図26に示す
水先案内平面群PPS生成の対象となる宛先dがd=
1,2,・・・,9と連続した数であったため、宛先指
定部DPが全てのdを、順次指定する際に、図35のS
DP1,SDP5,SDP6に示すように、d=1から
d=9まで順次dを1ずつ加算した。しかし、水先案内
平面群PPS生成の対象となる宛先dが連続した数でな
い場合には、対象宛先番号dをテーブルに納めて、これ
を順次参照するようにしても良い。例えば、対象宛先番
号dがd=1,5,6,9の場合は、1,5,6,9を
宛先テーブルに納めて、図35のSPD2を「宛先dを
宛先テーブルの最初の値に設定」、SDP5を「宛先d
が宛先テーブルの最後の値に達した?」、SDP6を
「宛先テーブルの次の値に進む?」と変更して、順次d
=1,d=5,d=6,d=9と設定しても良い。
【0181】また、上記実施の形態では、図26に示す
水先案内平面群PPSを生成した後、これを保存してお
き、個々の経路設定要求が発生したときに、図32に従
って、各ノードで順次パケットを誘導していくため、例
えば、発信ノードN7、宛先ノードN1の場合の最適経
路は、N7−N5−N4−N1というように、最適経路
をテーブル等に保管しておくことはない。しかし、発信
s、宛先dを指定して、この間の最適経路を予め求め
て、テーブル等に保管しておくことも可能である。この
場合は、図32の手順を実際のノードではなくモデルノ
ードで行い、経由する経路をテーブルを設けて保存すれ
ば良い。
【0182】また、上記実施の形態では、各ノード付属
の経路設計部K1−K9において、全てのユニットU1
−U9のテーブルT1−T9で、宛先d=1,2,・・
・,9の水先案内ベクトルP1(d)−P9(d)を保
持しているが、この必要はなく、図33に示すパケット
の通信の場合は、ノードNiでは、ユニットUiのテー
ブルTiの水先案内ベクトルPi(d)のみ保持してい
れば良い(d=1,2,・・・,9)。これは換言すれ
ば、全てのノードで水先案内平面群PPS全体を保持し
ている必要はなく、自ノードNiの部分水先案内平面群
PPSiのみ保持していれば良いということである。図
26でいえば、ノードN5は、水先案内平面群PPS全
体を保持していなくても、部分水先案内平面群PPS5
さえ保持していれば良い。
【0183】また、上記実施の形態では、図35のSU
8において、ユニットUiの全ての隣接ユニットjにつ
いて(jはAiの要素)、Wij時刻前の隣接ユニット
の状態数Xj(t−Wij)を読出し、SU9では、S
U8で読み出した状態数Xj(t−Wij)のなかに、
値が1のものがあるか否かを判断している。しかし、S
U8の読出しとSU9の判定は、隣接ユニットjのうち
の1つについて、それぞれ1つずつ読み出し、繰返し判
定しても良い。この場合、SU9の判定が「はい」とな
る隣接ユニットが1個でもある場合は、SU11に進
み、1個もない場合はSU10に進む。
【0184】また、上記実施の形態では、図30に示す
ように、状態数Xi(t)をテーブルTiに保持する際
に、現在の時刻t0を基準にして、現在の時刻t0の状
態数Xi(t0)、1単位時間前の時刻(t0−1)の
状態数Xi(t0−1)と続いて、ボリュームレベルV
L単位時間前の時刻(t0−VL)の状態数Xi(t0
−VL)まで保持している。しかし、このように現在の
時刻t0との相対時刻で保持する必要はなく、初期化か
らの絶対値時刻t=0,1,2,3,・・・をもとにし
て状態数Xi(0),Xi(1),・・・を保持しても
良い。また、保持する状態数Xi(t)の数は、ボリュ
ームレベルVL単位時間以上でも良い。
【0185】また、上記実施の形態では、宛先ノード識
別子Ziの値を、宛先ユニットsの場合Zd=1、その
他の場合Zi=0としたが、この必要はなく、2種のユ
ニットが識別できればどの様な値を割り当てても良い。
【0186】実施の形態8.実施の形態7に示した最適
設計方法において、経路設計部13内のハードウエア構
成は、図25に示すように、各ノードNiに対応した独
立のユニット11Uがあり、各々のユニット11Uは、
それぞれテーブルTと処理部Pで構成されていたので、
処理部Pを実現するマイクロプロセッサ等の機器、およ
びテーブルTを実現するメモリは、それぞれネットワー
ク1内のノードの数だけ必要であった。各ユニットU1
−U9を分離したのは、それぞれのユニットの処理は独
立に行うことができ、従って並列化が可能であることを
明らかにするためであり、使用可能なプロセッサの数等
を考えて、ユニットU1−U9は適宜合併しても良い。
次に、ユニット毎による独立処理を行わずに、処理部P
とテーブルTを集中した例を示す。図37は、経路設計
部13内にノード対応の独立ユニットを設けずに、処理
部PとテーブルTを集中した場合の例である。図25で
は各ユニットに独立に設けられていたテーブルTi(i
=1,・・・,9)を一個のメモリによるテーブルTに
集中的に配置し、ユニット毎に独立に設けられていた9
個の処理部Pは、一個の処理部Pにまとめている。この
一個の処理部Pが各ユニットの処理部で行われていた処
理を、時分割的に行って、実施の形態7と同様の作業を
行う。ここで、図37の経路設計部13のハードウエア
構成を見ると、処理部P、テーブルT、クロック発生部
CL、宛先指定部DPから構成されており、このいずれ
も汎用のパーソナルコンピュータまたはワークステーシ
ョン等に具備されている機能で実現できることがわか
る。ゆえに、この実施の形態における経路設計部13
は、汎用のパーソナルコンピュータまたはワークステー
ション等で容易に実現でき、専用のハードウエアの構築
を必要としない。
【0187】実施の形態9.実施の形態7に示した最適
設計方法において、図35の水先案内平面群PPS生成
の手順は、図34に示すクロック発生部CLからの同期
信号に同期して進められたが、このような完全同期の必
要はなく、非同期的に水先案内平面群PPSを生成する
こともできる。実施の形態7の図35の水先案内平面群
PPS生成の手順は、宛先dと時刻tの2個のパラメー
タに依存して、各ユニットの状態数Xi(t)を変化さ
せることが特徴となっている。次に、宛先dと時刻tに
ついてそれぞれ説明する。 1)宛先dについて 宛先dは、図26に示す水先案内平面PPの一面を作成
する毎に、宛先指定部DPによって変化されるパラメー
タである。図31では、SS1のd=1,SS3のd=
2と進み、SS5のd=9で終了する。水先案内平面P
P作成時は、現在作成中の水先案内平面PPは、宛先d
がどこのものであるのかを明確にし、あるユニットで
は、宛先d=1の水先案内平面PPを作成しているが、
別のユニットでは宛先d=2の水先案内平面PPを作成
しているという具合に、混在しないようにする必要があ
る。これは、同じ状態数Xi(t)でも、宛先dが異な
れば値が異なるからである。図34では、宛先要求信号
DPRおよび時刻リセット信号RSTが宛先dの更新の
基準となる。 2)時刻tについて 時刻tは、図26に示す水先案内平面PPの一面を作成
する毎に、ゼロに初期化されるパラメータで、水先案内
平面PP一面作成中にのみ有効である。この時刻tとい
うのは、文字通りの時刻ではなく、パラメータtを初期
化した時点からのパラメータtおよび状態数Xi(t)
の更新の繰返し回数である。ゆえに、(時刻t,状態数
Xi(t))の2値を表で示すなど、何らかの形で状態
数Xi(t)が繰返し回数tのときの値であることを明
らかにする必要がある。図34では、基本クロックCL
Kが時刻t更新の基準となり、時刻リセット信号RST
が時刻tをゼロに初期化する。
【0188】以上から次のことが言える。各ユニットの
状態数Xiは、宛先dおよび時刻tに依存するパラメー
タである。実施の形態7では、1個の宛先dの範囲内で
の時間依存性を明確にするために状態数Xi(t)と記
したが、ここでは宛先dへの依存性も明確にするため、
状態数Xi(d,t)と記す。状態数Xi(d,t)の
dおよびtは、全ユニットU1−U9で共通でなければ
ならない。各ユニットUiは独立しているので、何らか
の工夫により、それぞれのユニットで現在処理中の状態
数Xi(d,t)のdとtが混乱しないようにしなけれ
ばならない。さもないと、図35のSU8で隣接ユニッ
トの状態数を読み出す際に、隣接ユニットの時刻tと自
ユニットの時刻tが同じ時刻を指していなかったり、異
なる宛先dを扱っていたりする等の問題が生じてしま
う。実施の形態1では、このために、クロック発生部C
Lからの同期信号により、全ユニットU1−U9の宛先
dと時刻tを同期させていた。しかし、別の方法で宛先
dと時刻tの混乱を防止すれば、全ユニット同期の必要
はない。以下に代換え方法の一例を示す。
【0189】ユニットU1−U9の状態数Xi(d,
t)が、混乱しないようにする一つの方法は、全ての
i,d,tについての状態数Xi(d,t)をテーブル
に保持することである。図38のTTは、この総合状態
数テーブルを示す。総合状態数テーブルTTは、宛先d
毎の宛先別状態数テーブルTDの集合である。図38の
宛先d=1の宛先別状態数テーブルTDは、実は実施の
形態7の図36の状態数遷移表と同じものである。図3
6の表は時刻tの範囲が0から5までであるのに対し、
図38のTTでは0から9までであるのは、次の理由に
よる。図36の表は、宛先d=1の水先案内平面PP作
成時の状態数Xi(1,t)をi=1,2,・・・,
9、t=0,1,2,・・・,5について示したもので
ある。t=6以上の場合については、t=5の場合と同
様であるので記していない。全ての状態数Xi(d,
t)が1となり、それ以上変化しなくなる時刻tは、宛
先dによって異なるが、前述のように、原理的に全ノー
ド数ntを越えないことがわかっている。ゆえに、図3
8の総合状態数テーブルTTでは、tを全ノード数nt
=9までとっている。図38の総合状態数テーブルTT
では、状態数X1,X2,・・・,X9を1個の表に記
してあるが、実際には状態数X1はユニットU1のテー
ブルT1、状態数XiはユニットUiのテーブルTiに
記すことになる。
【0190】次に、この実施の形態における水先案内平
面群PPS作成の手順を、図39に基づき説明する。図
39は、実施の形態7の図35と対応しており、図中、
同一の処理には同一の番号がつけられている。図39中
の処理で、図35中の処理にない新規のものは、SUX
1とSUX2のみである。図39の手順を図35の手順
とを比べた違いは、宛先指定部DPがないこと、同期信
号受信の判定がないことである。図35では、クロック
発生部CLからの同期信号に同期し、宛先指定部DPか
らの宛先d指定を受け取って行っていたdの更新を、図
39では各々のユニットで自前で行う。図39では、パ
ラメータtの更新も、各々のユニットで自前で行う。こ
の場合、tは時刻というより繰返し回数のイメージに近
い。図39の新規の処理SUX1では、SU8で読み出
そうとした隣接ユニットの状態数Xj(d,t−Wi
j)が、既に設定されていて、読み出しが成功したか否
かを判定する。図35では、各ユニットは同期していた
ので、自ユニットで現在時刻がtの時は、隣接ユニット
でも時刻はtで、それ以前の時刻t−Wijの状態数が
設定されていないという現象は、発生し得なかった。し
かし、図39の場合は、各々のユニットが非同期的に動
作するので、読み出そうとする隣接ユニットの時刻(繰
返し回数)がt−Wijまで進んでおらず、状態数Xi
(d,t−Wij)が未設定という事態も起こり得る。
このような場合には、SU8の読み出しを繰り返し、隣
接ユニットの時刻(繰返し回数)がt−Wijまで進ん
で、状態数Xi(d,t−Wij)が設定されるまで待
つ。図39のもう一つの新規処理SUX2では、時刻
(繰返し回数)tが最大値tmaxに達して、次の宛先
dに進んでよいか否かを判定する。最大値tmaxは、
前述のように、全ノード数ntに等しい。図39の場合
は、tmax=9である。図39からわかるように、こ
の実施の形態においては、図25の経路設計部13内の
宛先指定部DPとクロック発生部CLは不要となる。
【0191】実施の形態10.実施の形態7に示した最
適経路設計方法においては、図26に示すように、水先
案内ベクトルPi(d)、水先案内平面PP、水先案内
平面群PPSはいずれも宛先dを基準にしたものであっ
た。これを図40に示すように、発信sを基準にして、
水先案内ベクトルPi(s)、水先案内平面PP、水先
案内平面群PPSを考えても良い。但し、経路設計の対
象となる通信ネットワーク(図25の1)のリンク12
が方向性を持っているため、発信sを基準にする場合に
は、後述のように、実施の形態7の方法と若干の変更が
必要となる。発信sを基準にすると、1個の発信モデル
ノードMsから多数のモデルノードを宛先とする最適経
路が、水先案内平面PP一面から求めることができる。
この特徴を利用すれば、1対多のマルチキャスト通信、
同報通信等における最適経路設計の時間を短縮すること
ができる。
【0192】実施の形態7では、ノードNiの隣接ノー
ドAi(図30)として、ノードNiからリンクLij
が出ている先のノードNjのノード番号jの集合を考え
たが、ここではその他に、S隣接ノードASiを定義す
る。ノードNiのS隣接ノードASiは、ノードNiに
リンクLjiが入っている元のノードNjのノード番号
jの集合である。一般には、リンクLijには方向性が
あるため、ノードjがノードiの隣接ノードAiの要素
であることと、ノードjがノードiのS隣接ノードAS
jの要素であることは等価ではない。しかし、図25の
例では、リンクは両方向性としたので、ノードjがノー
ドiの隣接ノードAiの要素であれば、S隣接ノードA
Sjの要素にもなっている。モデルノードMiのS隣接
モデルノード、およびユニットUiのS隣接ユニット
が、S隣接ノードASiと等しいことは、実施例1の場
合と同様である。また、実施の形態7では、宛先ユニッ
トに付ける目印として、宛先モデルノードMd対応の場
合にZd=1、それ以外の場合にZi=0なる宛先ノー
ド識別子Zi(図30)を用いたが、ここではその代わ
りに、発信ユニットに付ける目印として、発信モデルノ
ードMs対応の場合にZs=1、それ以外の場合にZi
=0なる発信ノード識別子Ziを用いる。
【0193】実施の形態7では、水先案内平面PP(図
26)は、各モデルノード11Mから出ている矢印Pi
(i=1,2,・・・,9)で構成され、各モデルノー
ド11Mに水先案内人がいて、次に進むべき方向を示し
ている仮想的なイメージを表すものであった。この実施
の形態の水先案内平面PPは、図40に示すように、図
26の水先案内平面PPの矢印の矢先と矢元を反転した
ものになっている。ゆえに、対応する仮想的イメージ
は、各モデルノード11Mの水先案内人が、前モデルノ
ードから進んでくるべき方向を示していることになり、
現実的な水先案内人とは少し違ったものとなる。同様
に、水先案内ベクトルPi(s)は、発信sから当該ノ
ードNiを目指す場合に、前モデルノードから進んでく
るべき方向のS隣接ノードの番号である。
【0194】実施の形態7では、発信ノードNsから宛
先ノードNdへパケットPKTを送信する場合には、予
め求めておいた水先案内平面群PPSに従って、図32
に示すように、発信ノードNsから、順次パケットPK
Tを導いた。これは、ノードNiにおいては、次に進む
べきノードPi(d)さえわかっていれば、宛先dまで
の最適経路全体がわからなくても、パケットPKTを誘
導できたからである。一方、本実施の形態の場合は、ノ
ードNiにおいて、そこに進んでくるべき前ノードPi
(s)がわかっていても、パケットPKTを誘導するこ
とはできない。ゆえに、発信ノードNsから宛先ノード
Ndへパケットを送信する場合は、予めNsからNdへ
の経路を求めておく必要がある。図40に示す発信s=
1の水先案内平面PPの、各モデルノードM2−M9を
宛先dとした場合の、経路を記す経路テーブルKTを図
41に示す。経路テーブルKTは、図25の経路設計部
13内に、ユニットU1−U9とは独立に設ける。例え
ば、宛先d=3の場合は、経路テーブルKTで3,2,
4,1と記されており、これは発信モデルノードMs=
M1からM4,M2と進んでM3に至る経路が最適であ
ることを示す。
【0195】次に、図40の発信s=1の水先案内平面
PPから、図41の経路テーブルKTを求める手順を、
図42に従って説明する。図42は、実施の形態7の図
32に対応している。実施の形態7では、発信ノードN
sから宛先ノードNdに、実際にパケットPKTを送り
ながら、遂行した図32の手順を、図42ではモデルノ
ードMsからに対応するユニットUsから、モデルノー
ドMdに対応するユニットUdに、疑似パケットPPK
Tを送ることにより経路をたどり、これを経路テーブル
KTに記す。図42には各ユニットU1−U9の手順と
(SUN1−SUN2)、疑似パケットPPKTの手順
(SPP1−SPP5)を示したものである。疑似パケ
ットPPKTは、その名の通り疑似的なもので、実体は
ないが、疑似的なイメージは、図43に示すように、発
信モデルノード番号sと宛先モデルノード番号dが書き
込まれている。実際には、疑似パケットPPKTを送る
ということは、発信sと宛先dを知らせることであり、
疑似パケットPPKTを受取るということは、発信sと
宛先dを受取ることである。疑似パケットPPKTは、
宛先ユニットUdから出発し、発信ユニットUsを目指
す。疑似パケットPPKTは、まず宛先ユニットUdの
方向指示の準備が整ったならば(SPP1)、ユニット
Udの指示の通りに前のユニットへ戻る(SPP5)。
前のユニットに到着するまでは、リンク12を進む(S
PP3)。前のユニットUiに到着したならば(SPP
2)、そのユニットUiの指示の通りに、更にもう一つ
前のユニット向かってリンク12を進む(SPP5,S
PP3)。これを順次繰り返し、発信ユニットUsに到
着するまで(SP4)続ける。図42の疑似パケットP
PKTの手順SPP1−SPP5は、それぞれ図32の
パケットPKTの手順SP1−SP5に対応する。疑似
パケットPPKTは、自分でリンク12上を走るわけで
はなく、ユニットU1−U9に送出されるままにリンク
12上を移動するだけであるが、説明上わかり易いよう
に、疑似パケットPPKTを擬人化して主体性があるよ
うに、図42に示しているのも、図32の場合と同様で
ある。実際の動作として、疑似パケットの送受、即ち発
信sと宛先dの送受を行うのはユニットU1−U9であ
る。ユニットUiでは、疑似パケットが到着する、即
ち、sとdが到着するのを待機し(SUN1)、到着し
たならば、経路テーブルKTの発信s、宛先dのところ
に自ユニットの番号を書き加える(SUN3)。次に、
テーブルTiの発信sの水先案内ベクトルPi(s)の
方向へ、疑似パケットを送出する(SUN2)。
【0196】時刻tにおけるモデルノードMiの状態数
Xi(t)の変化を支配する規則は、次の規則1S,2
Sのようになる。また、水先案内ベクトルPi(s)決
定の規則は、次の規則3Sのようになる。 規則1S)時刻t=0では、発信モデルノードMsの状
態数Xs(0)=1、それ以外のモデルノードMiにつ
いては状態数Xi(0)=0とする。 規則2S)Wji時刻前の状態数Xj(t−Wji)の
値が1である隣接モデルノードMjが存在する場合には
(jはAiの要素)、状態数Xi(t)は1とする。そ
れ以外の場合は、状態数Xi(t)は0とする。発信モ
デルノードMsの状態数は、常に状態数Xs(t)=1
とする。 規則3S)規則1,2に従って状態数Xi(t)の値が
0から1に活性化したとき、その変化の原因となった隣
接モデルノードMjのノード番号jを水先案内ベクトル
Pi(s)とする。 ・なお、ここで(t−Wji)が負の数となる場合の状
態数はゼロとする。即ち、t<Wjiならば、状態数X
i(t−Wji)=0。 ・ここで上記規則1S,2Sに従って、全ての状態数X
i(t)を0に初期化した後、一度1になって活性化し
た状態数Xi(t)は、1のまま変化しない。
【0197】この実施の形態における水先案内平面群P
PS生成の手順は、基本的には、図31と図35の実施
の形態7の手順において、「宛先d」を「発信s」に、
「隣接ノードAi」を「S隣接ノードASi」に、「W
ij」を「Wji」にそれぞれ読み代えたものとなる。
【0198】実施の形態11.実施の形態7に示した最
適経路設計方法においては、図25に示すように、コス
トはリンク12にのみ与えられ、ノード11はコストを
持たなかった。しかし、実施の形態1の方法に若干の修
正を加えれば、ノード11にコストを与えることもでき
る。図44の通信ネットワーク1は、リンク12とノー
ド11の両方にコストを付与したネットワークの例であ
る。ここでノードNiのコストをWNi、リンクLij
のコストをWLijと記すこととする。例えば、ノード
N2のコストWN2=1、リンクL26のコストWL2
6=2となる。一般には、リンク12は方向性を持つの
でLijとLjiは異なるが、図44のリンク12は、
図25と同様に両方向性とし、コストはWLij=WL
jiとなる。なお、図44の通信ネットワーク1でも、
図25の場合と同様に、ノードN1−N9は経路設計部
K1−K3が付属するが、描画の都合上省略されてい
る。
【0199】この実施の形態による最適経路設計方法の
ポイントは、次の式3で示すようにノードNiのコスト
WNiとリンクLijのコストWLijを足したものを
コストWijとおけば、実施の形態7の方法がそのまま
適用できる点である。式3のWijを、図44のネット
ワークモデル2に示す。 Wij=WNi+WLij ・・・(式3) 式3は、ノードNiのコストWNiは、ノードNiから
出ていくリンクLijには加算されるが、入ってくるリ
ンクLjiには加算されないと説明付けられる。即ち、
ノードコストWNiは、ノードNiを通過したときに加
算されるということである。これは例えば、コストを遅
延とおき、ノードコストWNiをノードNiにおける交
換機による遅延とした場合のイメージとよく合う。も
し、発信ノードNsではコストWNsが加算されないほ
うが良い場合には、WNs=0と定義すれば良い。この
実施の形態による最適経路設計方法の手順は、式3でW
ijを計算した後は、実施例1の図31,図32,図3
5の手順と同様である。以上のように、この発明によれ
ば、最適経路選択の基準として、ノードの遅延・品質等
種々の属性をコストとして考慮できるという効果があ
る。
【0200】実施の形態12.実施の形態7に示した最
適経路設計方法においては、図25に示すように、リン
ク12にはコストが付与されているが、便宜上、全ての
リンク12の容量を単位容量1としていた。しかし、実
施の形態1の方法に若干の修正を加えれば、リンク12
に容量を与えることもできる。図45の通信ネットワー
ク1は、リンク12に容量を付与したネットワークの例
である。図45のリンク12上の数値は、(容量、コス
ト)となっている。ここでリンクLijの容量をCij
と記すこととする。例えば、リンクL12の容量C12
=110となる。一般には、リンク12は方向性を持つ
のでLijとLjiは異なるが、図45のリンク12
は、図25と同様に両方向性とし、図示の容量はCij
=Cjiとする。なお、図45の通信ネットワーク1で
も、図25の場合と同様に、ノードN1−N9は、経路
設計部K1−K3が付属するが、描画の都合上省略され
ている。
【0201】容量Cijとは、リンクLijの属性を示
す一般的なパラメータで、次の性質を持つ。 ・Cij>CrまたはCij=Crの場合に、ノードN
iからノードNjのリンクLijは有効となる。 ・Cij<Crの場合に、ノードNiからノードNjの
リンクLijは無効となる。但し、Crは要求容量であ
る。要求容量は、通信ネットワーク1全体に与えられる
パラメータである。リンクLijの容量Cijが要求容
量Cr以上ならば、リンクLijはその要求を通すこと
ができるが、要求容量Cr以下ならば、リンクLijは
その要求を通すことができない。後者の場合は、リンク
Lijは存在しないのと等価になる。 上記の性質を満たすパラメータであれば、一般に、容量
Cijは何でも良い。
【0202】この実施の形態による最適経路設計方法の
ポイントは、次の式4で示すように、リンクLijの容
量Cijが要求容量Cr以上の場合のみコストWijが
有効であるとすれば、実施の形態7の方法がそのまま適
用できる点である。 Wij=Wij(Cij>CrまたはCij=Crの場合) Wij=0(Cij<Crの場合) ・・・(式4) 要求容量Cr=30の場合の式4のWijを、図45の
ネットワークモデル2に示す。この実施の形態による最
適経路設計方法の手順は、式3でWijを計算した後
は、実施例1の図31,図32,図35の手順と同様で
ある。以上のように、この発明によれば、最適経路選択
の基準として、リンクの容量を考慮できるという効果が
ある。
【0203】以上のように、実施の形態7〜12の発明
によれば、最適経路選択の基準として、リンク及びノー
ドの容量・距離・遅延・品質等種々の要因を考慮できる
という効果がある。
【0204】実施の形態13.実施の形態7から実施の
形態12に示した最適経路設計方法においては、図25
に示すように、通信ネットワーク1のノード11、リン
ク12をそれぞれネットワークモデル2のモデルノード
11M、リンク12と対応つけていた。しかし、図46
に示すように、通信ネットワーク1のノード11、リン
ク12をそれぞれニューラルネットワーク3のニューロ
ン11R、シナプス結合12Rと対応付けてもよい。通
信ネットワーク1のノードNiからノードNj間へのリ
ンクLij上の数字は、当該リンクのコストWijを示
し、ニューラルネットワーク3のニューロンRiからニ
ューロンRjへのシナプス結合上の数字は、当該シナプ
ス結合の結合荷重Wijを示す。このように対応付ける
と、実施の形態7から実施の形態12までの最適経路設
計方法は、そのまま、ニューラルネットワークを利用し
た方法と言い換えることもできる。
【0205】この実施の形態では、実施の形態7場合と
同様の次のような問題を考え、ニューラルネットワーク
を用いて解く方法を示す。即ち、通信ネットワーク1
は、nt個のノード11と、ノード間のリンク12で構
成されるとする。ノードNi,Nj間のリンクLijに
は方向性があり、そのコストをWijとする。コストは
距離、遅延、品質等何でも良い。隣接ノードAiを、ノ
ードNiからリンクLijが出ているノードNjの集合
と定義する。ここで、発信ノードNsと宛先ノードNd
間の総コストが、最小となる経路を設計する問題を考え
る。
【0206】各々のノードNiにニューロンRiを配置
し、ニューロンRi,Rj間のシナプス結合荷重Wij
は、コストWijと等しいとする。以下に、このニュー
ラルネットのダイナミクスを神経方程式(式5)に示
し、記憶のメカニズムを記憶方程式(式6)に示す。式
5は実施の形態7の規則2、式6は実施の形態7の規則
3に対応する。実施の形態7の規則2、規則3は、それ
ぞれ式5、式6を言葉で表したものである。 Xi(t)=G[ΣWij×Xj(t−Wij)] (i≠dの場合) Xd(t)=1 但し、Σはj=1,・・・nの範囲のjについて、Σの右の項の総計をとる。 また、x>0の場合は、G(x)=1、x≦0の場合は、G(x)=0とする 。 ・・・(式5) WWij=G[ΣΣ|Xi(t)−Xi(t−1)|×Wij×Xj(t−W ij)] 但し、左側のΣは、t=0,1,2・・・の全てのtについて、右側のΣは、 j=1,・・・nの範囲のjについて、Σの右の項の総計をとる。 また、|x|はxの絶対値を表す。 また、x>0の場合は、G(x)=1、x≦0の場合は、G(x)=0とする 。 ・・・(式6)
【0207】このニューラルネットによる最適経路設計
アルゴリズムは、以下の通り。 1)ノードNiにニューロンRiを配置し、結合荷重を
コストと等しく設定。各ニューロンの出力をXd(0)
=1(活性)、i≠dの場合は、Xi(0)=0(不活
性)と初期化する。 2)各ニューロンの出力Xi(t)を式5に従って更新
した後、シナプス結合荷重Wijを式6に従って更新
し、交互にこれを繰返す。 3)全ニューロンが活性化されたら更新を停止。そこ
で、宛先dの水先案内平面の結合荷重WWijが得られ
る。 4)発信sから宛先dへの個々の最適経路は、水先案内
平面を発信sから宛先dへノード毎にたどることによっ
て得られる。 5)異なる宛先dについては、ステップ1から3、異な
る発信sについては、ステップ4を繰返す。
【0208】水先案内平面(pilot plane)
は、宛先d毎に求められる方向性のあるネットワーク
で、各ノードに水先案内人(pilot)がいて、次に
進むべき方向を示しているイメージを表す。発信sから
出発してノード毎に水先案内人の指示に従って進めば、
最適経路を通って宛先dに達することができる。このニ
ューラルネットの直観的な説明は、次の通り。シナプス
結合荷重Wijは、ニューロンRiからRjへの結合の
有無と強さを示す。ダイナミクスでは、まず全ニューロ
ンを不活性化し、宛先d対応のニューロンに刺激を与え
る。この刺激はシナプス結合を通して伝播し、ニューロ
ンを次々と活性化していく。それぞれの結合のシナプス
において伝播は遅延し、遅延量は荷重係数に比例する。
刺激伝播時に、各ニューロンは、自分が活性化する原因
となった隣接ニューロンとの結合を強化して、これを記
憶する。その結果として水先案内平面を得る。
【0209】上記のニューラルネットでは、最適化の指
標としてリンクコストWijのみを考えた。しかし、結
合荷重Wijを変形することにより、各種の指標を加味
できる。例えば、リンクLijに容量Cijがあり、こ
れが要求容量Crより大きい場合のみ、そのリンクが有
効である場合を考える。シナプス結合荷重Wijは、C
ij≧Crの場合リンクコストWijと等しく、Cij
<Crの場合、Wij=0とする。これは、実施の形態
12の式4と同じである。この場合のネットワークの例
を、図47のa,b,cに示す。この他、ノードにコス
トを付加すること、発信s毎に水先案内平面を求めるこ
とも簡単な変形で実現できる。ノードにコストを付加す
る場合は、実施の形態11の式3に習ってシナプス結合
荷重Wijを変形し、発信元毎に水先案内平面を求める
場合は、実施の形態10に習った方法で行えば良い。こ
の実施の形態では、ニューラルネットによる最適経路設
計法を示した。この方法によれば、多種要因を考慮でき
る。また並列処理により高速化できるので、ニューロチ
ップ等を用いることにより、実用的なスピードでの処理
が可能である。
【0210】実施の形態14.この実施の形態では、実
施の形態7から実施の形態13に示した最適経路設計方
法を、ハードウエア論理回路を用いて実現する方法を示
す。実施の形態7で示した方法のポイントは、時刻tに
おけるモデルノードMiの状態数Xi(t)が規則1、
2に従って変化し、水先案内ベクトルPi(d)が規則
3に従って生成される点であった。ここで、状態数Xi
(t)は0と1の2値のみをとり、規則1、2、3はハ
ードウエア論理回路で実現可能であるので、実施の形態
7に示した方法は、ハードウエア論理回路で実現可能で
ある。
【0211】図48は、図25に示す通信ネットワーク
1において、規則1、2、3をハードウエア論理回路で
実現した例であり、図49はそのタイミングを示した図
である。図48において、DFFはD−フリップフロッ
プを示し、基本クロックCLKに同期して、入力データ
を出力する。これはLS74等の素子で実現できる。ま
た、SRFFはSR−フリップフロップを示し、LS1
12等の素子で実現できる。その他の、ANDゲート、
ORゲート、XORゲートについても、一般的な論理
積、論理和、排他的論理和の素子で実現できる。図48
及び図49において、X1、X2、...X9は、モデ
ルノードMiの状態数Xiを示す。図49の状態数Xi
の変化の様子は、図36の遷移表と等しくなっている。
図48において、KAIRO2(X2)は、規則2に従
って、状態数X2を更新する回路であり、KAIRO3
(X2)は、規則3に従って、水先案内行列PM2jを
生成する回路である。水先案内行列PMijとは、水先
案内平面PPを行列形式で表現したもので、一例が図2
7のPPT1に示されている。モデルノードMiの水先
案内ベクトルPi(d)がjのときPMij=1とな
り、それ以外のjについてはPMij=0となる。ま
た、KAIRO2(X3)は、規則2に従って、状態数
X3を更新する回路であり、KAIRO3(X3)は、
規則3に従って、水先案内行列PM3jを生成する回路
である。また、KAIRO1(X1)は規則1と2に従
って、宛先モデルノードの状態数X1(t)を1に固定
する回路である。但しこの場合の宛先はd=1とする。
【0212】次に図48のKAIRO2(X2)が規則
2を実現しているしくみを説明する。図25の通信ネッ
トワーク1あるいは図30のテーブルT2に示すよう
に、ノードN2の隣接ノード(とそのコスト)は、1
(4)、3(1)、4(1)、5(1)、6(2)とな
っている。一方、規則2は、コストWij時刻前の状態
数Xi(t−Wij)の値が1である隣接モデルノード
Mjが存在する場合には、状態数Xi(t)は1とし、
それ以外の場合には0とする、というものである。故に
ノードN2の場合、X1(t−4)、X3(t−1)、
X4(t−1)、X5(t−1)、X6(t−2)のい
ずれかが1であれば、Xi(t)は1となるということ
である。これは、図48のKAIRO2で実現されてい
る。即ち、4時刻前のX1の値は、X1の値をフリップ
フロップDFFで4回遅延されることによって得られ、
1時刻前のX3、X4、X5の値は、各々の値をフリッ
プフロップDFFで1回遅延させることによって得ら
れ、2時刻前のX6の値は、X6の値をフリップフロッ
プDFFで2回遅延されることによって得られる。これ
らの値のいずれかが1であった場合は、ORの出力が1
となり、状態数X2の値を保持するDFFがセットさ
れ、状態数X2の値が1となる。
【0213】次に図48のKAIRO3(X2)が規則
3を実現しているしくみを説明する。規則3は、状態数
Xi(t)の値が0から1に活性化したとき、その変化
の原因となった隣接モデルノードMjのノード番号jの
水先案内行列PMijをPMij=1とするというもの
である。図48のKAIRO3(X2)では、XORで
状態数X2の変化を検知し、信号CHANGE2で示
す。これにより、1時刻前に状態数が1であった隣接ノ
ードを調べ、その隣接ノードjの水先案内行列PMij
を1にセットする。このタイミングは、図49に示され
ている。以上、図48のKAIRO2(X2)が状態数
X2について実施の形態7の規則2を実現し、KAIR
O3(X2)が規則3を実現することを示した。同様に
して、状態数X3についての規則2は図48のKAIR
O2(X3)によって実現され、規則3はKAIRO3
(X3)によって実現される。
【0214】次に、上記の要素技術を利用して、ネット
ワーク全体の経路設定を行う方法を述べる。図45の通
信ネットワーク1は、実施の形態12で示した最適経路
設計方法の通信ネットワークを示しており、リンク12
にコストWijと容量Cijが付与されているという特
徴を持つ。図45の通信ネットワーク1の経路設計にお
いて、各リンク12のコストWijと容量Cijを、図
50に示すコスト行列Wijと容量行列Cijで表すこ
とにする。コスト行列Wijは、要素ijがノードNi
からノードNjへのコストを表す。図45の通信ネット
ワーク1では、各リンク12に方向性がないものとして
いるので、図50のコスト行列Wijは、対称になって
いる。同様に、容量行列Cijでは、要素ijがノード
NiからノードNjへの容量を表す。各リンク12のコ
ストWij、容量Cij、経路の要求容量Crが与えら
れた場合の実効的なコストJWijは、実施の形態12
の式4に示した規則に従って求める。即ち、 JWij=Wij (Cij>CrまたはCij=Crの場合) JWij=0 (Cij<Crの場合) ...(式4’) 実効コスト行列JWijの例を図51に示す。
【0215】コスト行列Wijと容量行列Cijとから
実効コスト行列JWijを求め、それから水先案内行列
PMijを求める回路のブロック図を図52に示す。図
において、白い四角形は行列データを示し、網掛けした
四角形は回路ブロックを示す。入力処理ブロックNSB
LOCKは、上式4’を実現する回路ブロックで、その
内容を図53に示す。図53において、アドレスカウン
タADRCNTはコスト行列Wijと容量行列Cijの
要素を一つずつ読み出すために、回すカウンタであり、
LS161等の素子で実現できる。比較器COMPAR
ATORは、容量行列Cijの要素と要求容量Crの値
を比較する回路で、LS85などの素子で実現できる。
比較器COMPARATORの出力と、コスト行列Wi
jの論理和をとることにより、実効コスト行列JWij
が得られる。
【0216】次に、図52の分布生成ブロックKAIR
O2と、水先案内行列生成ブロックKAIRO3につい
て説明する。これらのブロックは、基本的には図48の
KAIRO2とKAIRO3と同様の回路で実現でき
る。図48のKAIRO2では、ノードNiとノードN
jの隣接関係は、状態数X1からX9の値を保持するD
FFの出力線と固定的に結線されており、コストWij
は遅延用フリップフロップDFFの個数で、固定的に決
められている。しかし図54に示すボリューム回路VO
LUME等を用いることにより、KAIRO2に汎用性
を持たせることが可能となる。図54のボリューム回路
では、シフトレジスタSFTRGTを用いて、図48の
遅延用DFFによる遅延を代替している。遅延する時間
は、ボリューム信号VLijにより指定する。シフトレ
ジスタSFTRGTは、LS164等の素子で実現でき
る。図48のKAIRO2(X2)の場合、状態数X1
は4段遅延されてX1Dとなるので、図54のボリュー
ム回路VOLUMEを用いる場合は、ボリューム信号V
L21の1、2、3、をlow、4をhighにして、
状態数X1を4段遅延した信号がX1Dに出力されるよ
うにする。ここでボリューム信号VLijは、図51の
実効コスト行列JWijに等しい。図54の例では、ボ
リューム信号VLijのレベルは4となっているが、こ
れはほかの数でも良い。同様にKAIRO3において
も、ボリューム信号VLijを用いることにより、柔軟
な配線で水先案内行列の要素PMijを求めることがで
きる。図48のKAIRO3(X2)の場合、SRFF
に接続されている隣接ノードの状態数X1、X3、X
4、X5、X6は固定であるが、図54ではボリューム
信号VLijの1から4までのどれかがhighの場合
は、状態数XjをSRFFに接続し、状態数Xiの変化
を示す信号CHANGEiがhighとなった場合に、
PMijをセットするようになっている。図54に示す
ボリューム回路は、図48の状態数X1からX9の値を
保持するDFFの出力線と接続され、図30に示すテー
ブルから得られるコストをボリューム信号として入力す
ることにより、遅延された状態数と水先案内行列を出力
する。このように、ボリューム回路という複数の同一の
ハードウェア回路をDFFと接続することにより共通の
ハードウェア回路を用いてノードの隣接関係をあらわす
ことができる。また、ボリューム回路という複数の同一
のハードウェア回路に対してコスト(遅延時間)に相当
するボリューム信号をそれぞれ入力することにより各ノ
ード毎に異なる値をもつコスト(遅延時間)というノー
ド間のリンク属性を共通のハードウェア回路を用いて利
用することができる。
【0217】次に、この実施の形態で示したハードウエ
ア論理回路を、通信ネットワークの経路設計に適用する
場合の回路規模の試算を示す。図55の1は、日本の主
要都市間の通信ネットワークを示しており、各都市をノ
ード11とし、ノード11間の接続をリンク12とす
る。この通信ネットワーク1では、都市数即ちノード数
は56個である。この通信ネットワーク1において、最
適経路設計をする場合の回路規模を考える。通信ネット
ワーク1の構造、即ちノード11間のリンク接続の有無
が固定で、リンク12のコストWijの段階数即ちボリ
ュームレベルVLが1ならば、回路規模は非常に小さく
なるが、リンクの接続に柔軟性を持たせると、回路規模
は増大する。例えば、ノード数64で、全てのノードか
ら全てのノードへの接続を可能とすると、64の2乗す
なわち約4キロ個のノード間接続について、接続するか
否かを指定する回路要素が必要となる。しかし、例え
ば、図55の通信ネットワーク1の接続を見てみると、
東京に対応するノードNA、大阪に対応するノードND
等の少数の大都市を除けば、リンクの接続は周辺の都市
に限られており、接続するノードの番号は当該ノードの
番号に近い番号を持つことが多い。故にこの検討では、
ノード番号1、9、17、25、33、41、49、5
7の8ノードのそれぞれのノードのみ、他の63個のノ
ードと自由に接続可とし、その他の56ノードでは、自
ノード番号Niと番号の近いノード番号(Ni−8)か
らノード番号(Ni+8)の最大16ノードのみ接続可
とした。図55の通信ネットワーク1において、図45
の通信ネットワーク1のように、各リンク12がコスト
Wijと容量Cijを持つとした場合、全ノード数6
4、ボリューム信号レベルVLが4段の場合の総ゲート
数は約460キロゲートとなる。一例として、現在の
0.5ミクロンのゲートアレイでは、1チップに200
キロゲート程度の回路を収容できることから、この実施
の形態で示す方法によれば、図55の通信ネットワーク
1で、リンクにコストと容量を付与した場合の最適経路
設計を、ゲートアレイ2〜3個で実現できることがわか
る。
【0218】次に、この実施の形態で示したハードウエ
ア論理回路が経路設計に要する時間の試算を示す。上記
と同様の、全ノード数64、ボリューム信号レベルVL
が4段の場合、水先案内行列を一面求めるのに要する時
間は、基本クロックの周期の256倍程度となってい
る。これは、例えば、現在一般に実用化されているゲー
トアレイの動作速度である20メガヘルツを基本クロッ
クとした場合(1周期=50ナノ秒)、12.8マイク
ロ秒となる。これは従来のソフトウエアによる経路設定
方法に比べて、非常に高速である。
【0219】実施の形態15.実施の形態7から実施の
形態12に示した最適経路設計方法は、そのまま、実施
の形態13に示すニューラルネットワークを利用した方
法と言い換えることもできることを、実施の形態13に
おいて述べた。また、これらの方法は実施の形態14に
述べた方法でも実現できることを、実施の形態14にお
いて述べた。この実施の形態15では、実施の形態13
に示した最適経路設計方法(すなわち実施の形態7から
12及び実施の形態14に示した最適経路設計方法)
を、実際のATM(Asynchronous Tra
nsfer Mode)網へ適用する場合の一方法を示
す。
【0220】実施の形態13に示した最適経路設計方法
の主な特長は次の通りである。 (1)柔軟性:シナプス結合荷重Wijを変化させるこ
とにより、リンク12およびノード11の多種の属性を
考慮できる。 (2)並列処理による高速化可能性:総ノード数ntの
場合の処理量は、組み合わせ問題による解ではntの階
乗のオーダーであるのに対し、動的計画法ではntの2
乗のオーダーとなる。さらに組み合わせ問題では並列処
理ができないのに対し、動的計画法では並列処理が可能
で、nt並列にすれば処理量はntのオーダーとなり、
ソフトウエアでの処理が実用上可能となる。この際、並
列処理を実現するためのプロセッサとしては、ニューロ
チップが利用できる。例えば、文献(”特集:ニューラ
ルネットワーク応用技術”、三菱電機技Vol.68,
No8,’94/8)に示す、ニューロチップによるニ
ューロシステムでは、1ボードに48個の処理ユニット
を搭載しており、高度な並列処理が可能となっている。
実施の形態13に示した最適経路設計方法ををこのよう
な高度ニューロシステムに搭載すれば、アルゴリズムの
高速性とプロセッサの並列性により、従来は処理量が多
すぎて不可能であったような細やかな制御を現実的な時
間で行うことができると考えられる。
【0221】ところで、単一メディア通信網の場合と比
べてATM網のルーチングが解決するべき課題には、次
のようなものがある。 (1)ATM網では、電話等の狭帯域通信(例えば、6
4Kbps前後の帯域通信)とテレビ会議などの広帯域
通信(例えば、1Mbps以上の帯域通信)との速度比
が数十〜数百倍と非常に大きく、両者を同一のアルゴリ
ズムで処理するのは無理がある。 (2)ATM網では、新メディアのデータ蓄積が乏し
く、トラヒックのバースト性などの統計的性質が不明確
であり、需要予測も困難である。 (3)これらの条件のもとで網資源の有効利用を図るた
めには、網の負荷状況に対応して経路を変更するダイナ
ミックルーチング(DR)の必要性が増す。
【0222】以下に説明するルーチング方法は、前述し
た課題を踏まえて、実施の形態13に示した最適経路設
計方法を応用したものである。網資源を最も効率的に利
用するためには、コネクションの接続要求発生毎に最適
経路を設計すればよいが、経路設計の処理量および網状
態の情報転送の量が増加しすぎるので、全ての呼に対し
てこのような経路設計を行うことは現実的に不可能であ
る。そこで何らかの制約を設けて最適な経路を設計する
方式が必要となる。文献(横井他、”B−ISDNにお
けるダイナミックルーチングの役割”、電子情報通信学
会技術報告、SSE93−97)に述べられているよう
に、ATM網では、広帯域呼は呼損率が高いが生起回数
は少なく、狭帯域呼は生起回数が多いが呼損率は少ない
という特性がある。故に広帯域呼に関しては丁寧な最適
経路設計を行い、狭帯域呼に関しては緩い最適化にとど
めるというのが現実的な方法である。この実施の形態で
は、図56に示すように、広帯域呼と狭帯域呼をクラス
分けして制御を行う方式を提案する。この方式では、広
帯域呼に関しては呼発生毎に最適経路設計を行い、狭帯
域呼は経路候補群作成と経路選択という制御周期の異な
る2段階の制御を組み合わせることにより、緩い最適化
を実現している。すなわち、経路候補群作成は、通信網
の時間帯による蓄積データ等からあらかじめ経路候補群
を作成する制御であり、経路選択は、これらの候補の中
から経路を選択する制御である。なお従来の技術でこの
2段階制御を用いたものには、文献(井上他、”ダイナ
ミックルーチング−最近の実用化動向−”、電子情報通
信学会誌、Vol.76,No.9,’93/9)ある
いは文献(横井他、”B−ISDNルーチング方式の検
討”、NTT−R&D、Vol.44,No.4,’9
5/4)等に記されているSTR(State and
Time dependent Routing)が
ある。STRは電話単一メディアの場合には既に実用化
されているが、ATM網等複数メディアの混在するネッ
トワークに対してSTRを実現しようとする場合には、
制御が複雑化するにもかかわらず最適化ができないとい
う問題点があり、実用的でなかった。一方、この実施の
形態で述べる方法は、前述した実施の形態13の方法の
(1)柔軟性、及び(2)並列処理による高速化可能性
等の特長を利用することにより、以下に述べるように、
従来のSTRでは不可能であった細やかな制御を実現す
ることができる。
【0223】図56に示した各々の制御の方法につい
て、図55の例を参照しながら、以下に説明する。前述
したように、図55の1は、日本の主要都市間の通信ネ
ットワークを示しており、各都市をノード11とし、ノ
ード11間の接続をリンク12としている。図には記さ
れていないが、各ノード11には経路設計部13が設け
られている。図55では、説明を簡単にするため各リン
ク12のコストを1としているが、以下に述べる方法は
この制約を取り払った場合でも有効である。 経路候補群作成(CN1):まず、通信ネットワーク1
の過去の蓄積データを参照し、各リンク12の呼損率に
注目する。この呼損率に重み付けして、空いている可能
性の低いリンクほどコストが大きくなるように、各リン
ク12のコストWijを決定する。ここで各リンク12
の呼損率をそのままコストWijにしてもよいが、呼損
率は通常10のマイナス2乗あるいは3乗というような
小さい値をとるので、適当な重み付けをして整数値とし
たほうが代数計算が容易になるため、重み付けしたほう
がよい。次に、実施の形態13に示した最適経路設計方
法を用い、網内の各ノード11を宛先dとした水先案内
平面群PPSを求める。これに従って、経路選択の第一
候補を決定する。実施の形態7で述べたように、水先案
内平面群PPSは発信元と宛先のあらゆる組合わせに対
応できる最適経路群であるので、特定の発信元sと宛先
dの間の最適経路は、水先案内平面群PPSに従って求
めることができる。図55では、ノードNAとノードN
Fの間の最短経路を求めているが、経路の第一候補はR
OUTE1となっている。これは図55の経路候補群の
表TABRに記してある。次に第一候補の経路中の各リ
ンクが使用不可となった場合の迂回路を求める。図55
の場合は、第一候補のROUTE1は経路NA−NB−
NC−ND−NE−NFとなっているが、この中の各リ
ンクが使用不可となった場合の水先案内平面PPを求
め、これに従って迂回路を決定する。これらの迂回路を
使用不可のリンクと対応させて、経路候補群の表TAB
Rに加える。図55の例では、ノードND、NE間のリ
ンクが使用不可の場合の迂回路はDETOUR1、ノー
ドNB、NC間のリンクあるいはノードNC、ND間の
リンクが使用不可の場合の迂回路はDETOUR2、ノ
ードNA、NB間のリンクあるいはノードNE、NF間
のリンクが使用不可の場合の迂回路はDETOUR3で
ある。このようにして、ネットワーク1内で設定される
可能性のある発信元sと宛先dの各組について、経路候
補群の表TABRを求める。各ノードでは自ノードと関
係する経路候補群を、宛先別に保持する。このように経
路候補分を予め各ノードにおいて保持しておき、経路設
定要求時に予め保持しておいた経路候補分から経路を選
択する。通常は第一候補の経路を選択する。もしこの第
一候補の経路がなんらかの理由により設定できない場合
は、第一候補の経路中のいずれのリンクが使用不可とな
っているかを認識する。使用不可となったリンクの認識
結果に基づいて迂回路を選択する。例えば、ノードN
D,NE間のリンクが使用不可の場合は、迂回路1を選
択する。使用不可となっているリンクの認識方法は、既
に知られている技術を用いて行うことができるので、こ
こでは特にその詳細については述べない。以上のよう
に、予め経路候補分を作成し、経路設定要求時に経路を
選択するという段階的な経路設計を行うことにより狭帯
域呼に対して最適な経路を設計することができる。な
お、通常のSTRでは第一候補として直通路(ノードを
経由しない、1リンクのみの経路)があるとしてこれを
選択し、迂回路は2つのリンクが存在している経路に限
定しているが、この方式では経路内のリンク数は限定し
ない。また、コスト決定の元となるデータには、通信網
の状態の観測データをフィードバックし、コストを更新
する。経路候補群の更新間隔は、数十分から数時間を目
標としている。
【0224】経路選択(CN2):呼発生時には、経路
候補群作成(CN1)で作成した経路候補群の中から、
経路を選択する。まず最初は、第一候補の経路ROUT
E1を選択する。この接続に失敗した場合は、経路候補
群の表TABRを参照し、失敗の原因となった障害リン
クに対応した迂回路を、DETOUR1、DETOUR
2またはDETOUR3の中から選択する。
【0225】最適経路設計(CB):広帯域呼に関して
は、呼発生毎に最適経路設計を行う。即ち、実施の形態
13に示す最適経路設計方法に従い、宛先dに基くパイ
ロット平面を求め、発信元sから宛先dまでの最適経路
を求める。コストは、経路候補群作成(CN1)と同様
に呼損率を重み付けして使用する。
【0226】ここで、この実施の形態に示す方法が、従
来の技術であるSTRと異なり細やかな制御を実現でき
る点についてまとめると、以下のようになる。 (1)STRでは、全ての呼について一律に2段階の制
御を行うが、この実施の形態に示す方法では、呼を広帯
域呼と狭帯域呼に分類し、広帯域呼に関しては呼発生毎
に最適経路設計を行い、狭帯域呼にのみ2段階の制御を
行っている。 (2)経路候補群作成(CN1)において、STRで
は、発信元sと宛先dの間には必ず直通路(ノードを経
由しない、1リンクのみの経路)が存在するものとし、
第一候補としては固定的にこの直通路を選択することに
決まっている。また、迂回路は2リンクの経路に限定し
ている。この理由は、これらの制限をつけないと、経路
設計の処理量が大きくなりすぎて現実的な処理ができな
くなるからである。一方、この実施の形態に示す方法で
は、経路内のリンク数は限定しない。これは前述のよう
なこの方法の(1)柔軟性や(2)並列処理により高速
化可能性という特長によって、リンク数に制限をつけな
い場合でも現実的な処理が可能となるからである。 (3)この実施の形態の経路選択(CN2)の方法は、
STRの最小負荷経路選択方式に近い。STRの最小負
荷経路選択方式とは、迂回路候補群の中から未使用帯域
がもっとも大きい迂回路を選択する方式である。しかし
ATM網では、VBR(Variable Bit R
ate)サービスの存在により、実質的な帯域使用量を
定義し難い、という問題点がある。また、STRの最小
負荷経路選択方式では、候補の経路が接続できないと
き、どのリンクが原因となったのかを認識しない、とい
う問題点がある。STRが経路の接続ができない原因と
なったリンクを認識しないのは、STRでは第1候補が
一つのリンクしか存在していないからである。一つのリ
ンクしか存在していない経路において、経路が接続でき
ない場合にはそのリンク自身が原因となったことは明ら
かであり、どのリンクが原因となったかを認識する必要
はなく、どのリンクが原因となったかを認識するための
アルゴリズムは必要ない。第一の候補により経路が接続
できない時にどのリンクが原因となっかを認識しないと
いう問題点は、STRでは第一候補が1リンク、迂回路
が2リンクという制限のもとでは許容できるが、経路の
リンク数が増加した場合には不便を生ずる。この実施の
形態の経路選択(CN2)の方法は、これらの問題点を
解決するためのもので、経路候補が接続不可となった際
に、原因となったリンクを認識して特定するので、この
リンクを含まない迂回路を選択することができるという
特長を持つ。以上のように、この実施の形態では、実施
の形態13に示した最適経路設計方法を、ATM網のル
ーチング方式に応用する一例を提案した。
【0227】なお、上記実施の形態では、経路設計部1
3は各ノード11毎に設けられており、それぞれのノー
ド11において経路候補群作成(CN1)、経路選択
(CN2)、最適経路設計(CB)を行っているがこの
必要はなく、通信ネットワーク1内に一カ所の集中経路
設計部を設けて、ここで経路候補群作成(CN1)、経
路選択(CN2)及び最適経路設計(CB)を行っても
良い。但し経路選択(CN2)は経路設定要求時に実行
されるので、経路選択(CN2)は各ノードにおいて実
行することが望ましい。
【0228】また、上記実施の形態では、各リンク12
のコストWijを決定する際に、通信網の過去の蓄積デ
ータのうち、各リンク12の呼損率に注目したがこの必
要はなく、リンクの他の属性に注目してリンクのコスト
Wijを決定してもよい。この際、「リンクのコストW
ijの値がが大きければ大きいほど、そのリンクを経路
として選択するのは好ましくない」というコストの性質
に注意しさえすれば、自由にコストを決定してよい。
【0229】また、上記実施の形態では、ATM網のル
ーチング方式を示したが、ATMセルヘッダの様式等A
TM網特有の性質に依存しているわけではないので、他
のマルチメディアパケット通信網にも適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による最適経路設計
の対象となる通信ネットワークの図である。
【図2】 実施の形態1に係る最適経路設計方法の直観
イメージを示す図である。
【図3】 実施の形態1に係る最適経路設計方法の直観
イメージによる犬が子供に会いに行く手順を示すフロー
チャート図である。
【図4】 実施の形態1に係る最適経路設計方法の管理
センタ13内のテーブルを示す図である。
【図5】 実施の形態1に係る最適経路設計の手順の全
体を示すフローチャート図である。
【図6】 実施の形態1に係る最適経路設計のフェーズ
1の手順を示すフローチャート図である。
【図7】 実施の形態1に係る最適経路設計のフェーズ
1のST14の手順を示すフローチャート図である。
【図8】 実施の形態1に係る最適経路設計のフェーズ
1における状態数Xi,変動数カウンタWiの遷移表を
示す図である。
【図9】 実施の形態1に係る最適経路設計のフェーズ
1における状態数Xi,変動数カウンタWiの遷移フロ
ーチャートを示す図である。
【図10】 実施の形態1に係る最適経路設計のフェー
ズ2の手順を示すフローチャート図である。
【図11】 実施の形態1に係る最適経路設計の変動数
カウンタWiの分布とフェーズ2の進み方を示すフロー
チャート図である。
【図12】 実施の形態2に係る最適経路設計の対象と
なる通信ネットワークの図である。
【図13】 実施の形態2に係る最適経路設計方法の管
理センタ13内のテーブルを示す図である。
【図14】 実施の形態2に係る最適経路設計の手順の
全体を示すフローチャート図である。
【図15】 実施の形態3に係る最適経路設計の対象と
なる通信ネットワークの図である。
【図16】 実施の形態4に係る最適経路設計の対象と
なる通信ネットワークの図である。
【図17】 実施の形態5に係る最適経路設計の対象と
なる通信ネットワークの図である。
【図18】 実施の形態6に係る最適経路設計の対象と
なる通信ネットワークの図である。
【図19】 実施の形態6に係る最適設計方法の直観イ
メージによる犬が子供に会いに行く手順を示すフローチ
ャート図である。
【図20】 実施の形態6に係る最適経路設計方法の管
理センタ13内のテーブルを示す図である。
【図21】 実施の形態6に係る最適経路設計の手順の
全体を示すフローチャート図である。
【図22】 実施の形態6に係る最適経路設計のフェー
ズ1の手順を示すフローチャート図である。
【図23】 実施の形態6に係る最適経路設計のフェー
ズ2の手順を示すフローチャート図である。
【図24】 実施の形態6に係る最適経路設計の変動数
カウンタWiの分布とフェーズ2の処理の進み方を示す
図である。
【図25】 この発明の実施の形態7による最適経路設
計の対象となる通信ネットワークの図である。
【図26】 実施の形態7に係る最適経路設計方法にお
ける水先案内平面群PPSを示す図である。
【図27】 実施の形態7に係る最適経路設計方法にお
ける水先案内平面群PPSの数字による表現方法の例を
示す図である。
【図28】 実施の形態7に係る最適経路設計方法の直
観イメージを示す図である。
【図29】 実施の形態7に係る最適経路設計方法の直
観イメージによる子供が犬に最短経路を知らせる手段と
犬が子供に会いに行く手順を示すフローチャート図であ
る。
【図30】 実施の形態7に係る最適経路設計方法の経
路設計部13内のテーブルを示す図である。
【図31】 実施の形態7に係る最適経路設計における
水先案内平面群PPS生成の概略手順を示すフローチャ
ート図である。
【図32】 実施の形態7に係る最適経路設計における
パケットの最適経路誘導手順を示すフローチャート図で
ある。
【図33】 実施の形態7に係る最適経路設計における
宛先dのパケットの構造を示す図である。
【図34】 実施の形態7に係る最適経路設計における
クロック発生部CLの同期信号を示す図である。
【図35】 実施の形態7に係る最適経路設計における
水先案内平面群PPS生成の詳細手順を示すフローチャ
ート図である。
【図36】 実施の形態7に係る最適経路設計における
水先案内平面群PPS生成の際の状態数Xiの遷移を示
す図である。。
【図37】 実施の形態8に係る最適経路設計の対象と
なる通信ネットワークの図である。
【図38】 実施の形態9に係る最適経路設計における
総合状態数テーブルTTを示す図である。
【図39】 実施の形態9に係る最適経路設計における
水先案内平面群PPS生成の手順を示すフローチャート
図である。
【図40】 実施の形態10に係る最適経路設計方法に
おける水先案内平面群PPSを示す図である。
【図41】 実施の形態10に係る最適経路設計方法に
おける経路テーブルKTを示す図である。
【図42】 実施の形態10に係る最適経路設計方法に
おける疑似パケットの最適経路誘導手順を示すフローチ
ャート図である。
【図43】 実施の形態10に係る最適経路設計におけ
る発信s・宛先dの疑似パケットの構造を示す図であ
る。
【図44】 実施の形態11に係る最適経路設計の対象
となる通信ネットワークとネットワークモデルの図であ
る。
【図45】 実施の形態12に係る最適経路設計の対象
となる通信ネットワークとネットワークモデルの図であ
る。
【図46】 実施の形態13に係る最適経路設計の対象
となる通信ネットワークとニューラルネットワークの図
である。
【図47】 実施の形態13に係るニューラルネットワ
ークによる最適経路設計において、リンクが容量とコス
トを保有している場合の通信ネットワークとニューラル
ネットワークと水先案内平面の図である。
【図48】 実施の形態14に係るハードウエア論理回
路による経路設計の実現方法を示す回路図である。
【図49】 実施の形態14に係るハードウエア論理回
路による経路設計のタイミングを示す図である。
【図50】 実施の形態14に係る最適経路設計におけ
るコスト行列と容量行列を示す図である。
【図51】 実施の形態14に係る最適経路設計におけ
る実効コスト行列を示す図である。
【図52】 実施の形態14に係るハードウエア論理回
路による通信ネットワークの経路設計の実現方法を示す
ブロック図である。
【図53】 実施の形態14に係るハードウエア論理回
路による通信ネットワークの経路設計における入力処理
ブロックの内容を示す回路図である。
【図54】 実施の形態14に係るハードウエア論理回
路による通信ネットワークの経路設計におけるボリュー
ム回路の内容を示す図である。
【図55】 実施の形態14に係るハードウエア論理回
路による通信ネットワークの経路設計、及び実施の形態
15に係るATM網での最適経路設計の設計対象となる
通信ネットワークを示す図である。
【図56】 実施の形態15に係るATM網での最適経
路設計の経路候補を示す図である。
【図57】 従来例に係る呼設定制御の対象となる通信
ネットワークの図である。
【図58】 従来例に係る呼設定制御の手順を示すフロ
ーチャート図である。
【図59】 従来例に係る呼設定制御のステップSJ2
の手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 通信ネットワーク、2 ネットワークモデル、3
ニューラルネットワーク、11 ノード、11M モデ
ルノード、11R ニューロン、11U ユニット、1
2 リンク、12R シナプス結合、13 管理センタ
又は経路設計部、17 最適経路テーブル、18 入出
力装置、19 クロック、ES 電光掲示板、T テー
ブル、P 処理部、CL クロック発生部、DP宛先指
定部、PPS 水先案内平面群、PP 水先案内平面、
i(d) 水先案内ベクトル、PO プール、WW 水
路、IS 島、11P 水路交差点、CH 子供、DG
犬、MA 水先案内人、PKT パケット、TT 総合
状態数テーブル、KT経路テーブル、PPKT 疑似パ
ケット、KAIRO2 規則2に従って状態数Xiを更
新する回路、KAIRO3 規則3に従って水先案内行
列を生成する回路、VOLUME ボリューム回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−104349(JP,A) 特開 平5−6446(JP,A) 信学全大95B925 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/56

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットワークの複数個のノードに関し、
    ノードの隣接関係を用いて、発信ノードと着信ノードと
    のノード間の経路を設定する方法であって、以下のステ
    ップを含む、ネットワークの経路設定方法 複数個のノードに対し、ノードの隣接関係を予め記憶す
    る記憶ステップ; 始点ノードである発信ノード及び終点ノードである着信
    ノードを指定するノード指定ステップ;上記複数個のノードに対し、二値からなる状態数のうち
    いずれか一方の値の状態数を設定する初期化ステップ; 上記発信ノード及び着信ノードのいずれか一方のノード
    に設定された状態数の値を二値の間で経時的に変化さ
    せ、上記一方のノードに隣接するノードから順に、その
    他の各ノードに設定された状態数の値を、上記その他の
    各ノードに隣接するノードの状態数の値の経時的変化に
    基づいて、二値の間で経時的に変化させる状態数変化ス
    テップ; 上記その他の各ノードにつき状態数の値の 経時的変化を
    検出し、上記その他の各ノードの状態数の値の変化数を
    カウントする検出ステップ上記その他の各ノードに隣接するノードの上記変化数の
    カウント結果を比較し、比較結果に基づき、その他の各
    ノードに 隣接するノードの中から、経路を設定するノー
    ドを、逐次、着信ノード及び発信ノードのうち一方のノ
    ード側から他方のノード側に向かって選定する選定ステ
    ップ。
  2. 【請求項2】 上記選定ステップは、以下の第1の選定
    ステップと第2の選定ステップとから構成されることを
    特徴とする請求項1に記載のネットワークの経路設定方
    法 着信ノード及び発信ノードのうち一方のノードについ
    て、隣接するノードの上記状態数のカウント結果の比較
    結果に基づき、上記隣接するノードの中から、上記状態
    数のカウント結果が最大のノードを、上記一方のノード
    との接続を設定する設定ノードとして選定する第1の選
    定ステップ; 設定ノードとして選定されたノードについて、隣接する
    ノードの上記状態数のカウント結果の比較結果に基づ
    隣接するノードの中から、上記状態数のカウ ント結
    果が最大のノードを、自ノードとの接続を設定するノー
    ドを選定することを、着信ノード及び発信ノードのうち
    他方のノードが選定される迄、逐次遂行する第2の選定
    ステップ。
  3. 【請求項3】 上記状態数変化ステップは、以下の状態
    数算出ステップから構成されることを特徴とする請求項
    または請求項のいずれかに記載のネットワークの経
    路設定方法 自ノードに対する単位時間前の状態数の値と隣接ノード
    に対する単位時間前の状態数の値と自ノードと隣接ノー
    ドとの相互間の結合係数とに基づき、状態数を算出する
    状態数算出ステップ。
  4. 【請求項4】 更に、予め記憶ステップで記憶されたノ
    ードの隣接関係をノード間リンク要求容量に基づき修正
    し、修正隣接関係を作成する修正隣接関係作成ステップ
    を含み、 かつ、状態数変化ステップ及び選定ステップで用いられ
    る隣接するノードは、上記修正隣接関係に基づく隣接ノ
    ードであることを特徴とする請求項1ないし請求項
    いずれかに記載のネットワークの経路設定方法。
  5. 【請求項5】 更に、設定される経路中に含まれる複数
    個のノード間のリンクの属性に基づき、ネットワークモ
    デルとしてのモデルノードを挿入するモデルノード挿入
    ステップと、 モデルノード挿入ステップに対応して、挿入されたモデ
    ルノードと上記記憶ステップで予め記憶されたノードと
    を含むノードに対し、新たな隣接関係を作成する隣接関
    係生成ステップとを含み、 かつ、状態数変化ステップ及び選定ステップで用いられ
    る隣接するノードは、上記隣接関係生成ステップで作成
    された新たな隣接関係に関く隣接ノードであることを特
    徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載のネ
    ットワークの経路設定方法。
  6. 【請求項6】 モデルノード挿入ステップにおいて、ノ
    ード間のリンク距離に基づき、モデルノードを挿入す
    ることを特徴とする請求項に記載のネットワークの経
    路設定方法。
  7. 【請求項7】 モデルノード挿入ステップにおいて、ノ
    ード間のリンクの伝送品質に基づき、モデルノードを挿
    入することを特徴とする請求項に記載のネットワーク
    の経路設定方法。
  8. 【請求項8】 更に、以下の選定ノード記憶ステップと
    表示ステップを含むことを特徴とする請求項1ないし請
    求項のいずれかに記載のネットワークの経路設定方法 選定ステップで逐次選定されたノードを、当該ノードの
    選定の都度、記憶する選定ノード記憶ステップ; 選定ノード記憶ステップにおいて記憶されたノードに基
    づき、発信ノード及び着信ノードのうち一方のノードか
    ら他方のノードに至るまでの設定経路を表示する表示ス
    テップ。
  9. 【請求項9】 ネットワークの複数個のノードに関し、
    ノードの隣接関係を用いて、発信ノードと着信ノードと
    のノード間の経路を設定する装置であって、以下の手段
    を含む、ネットワークの経路設定装置 複数個のノードに対し、ノードの隣接関係を予め記憶す
    る記憶手段; 始点ノードである発信ノード及び終点ノードである着信
    ノードを指定するノード指定手段;上記複数個のノードに対し、二値からなる状態数のうち
    いずれか一方の値の状態数を設定する初期化手段; 上記発信ノード及び着信ノードのいずれか一方のノード
    に設定された状態数の値を二値の間で経時的に変化さ
    せ、上記一方のノードに隣接するノードから順に、その
    他の各ノードに設定された状態数の値を、上記その他の
    各ノードに隣接するノードの状態数の値の経時的変化に
    基づいて、二値の間で経時的に変化させる状態数変化手
    段; 上記その他の各ノードにつき状態数の値の 経時的変化を
    検出し、上記その他の各ノードの状態数の値の変化数を
    カウントする検出手段上記その他の各ノードに隣接するノードの上記変化数の
    カウント結果を比較し、比較結果に基づき、その他の各
    ノードに 隣接するノードの中から、経路を設定するノー
    ドを、逐次、着信ノード及び発信ノードのうち一方のノ
    ード側から他方のノード側に向かって選定する選定手
    段。
  10. 【請求項10】 上記選定手段は、以下の第1の選定手
    段と第2の選定手段とから構成されることを特徴とする
    請求項に記載のネットワークの経路設定装置 着信ノード及び発信ノードのうち一方のノードについ
    て、隣接するノードの上記状態数のカウント結果の比較
    結果に基づき、上記隣接するノードの中から、上記状態
    数のカウント結果が最大のノードを、上記一方のノード
    との接続を設定する設定ノードとして選定する第1の選
    定手段; 設定ノードとして選定されたノードについて、隣接する
    ノードの上記状態数のカウント結果の比較結果に基づ
    隣接するノードの中から、上記状態数のカウント結
    果が最大のノードを、自ノードとの接続を設定するノー
    ドを選定することを、着信ノード及び発信ノードのうち
    他方のノードが選定される迄、逐次遂行する第2の選定
    手段。
  11. 【請求項11】 上記状態数変化手段は、以下の状態数
    算出手段から構成されることを特徴とする請求項9また
    請求項10のいずれかに記載のネットワークの経路設
    定装置 自ノードに対する単位時間前の状態数の値と隣接ノード
    に対する単位時間前の状態数の値と自ノードと隣接ノー
    ドとの相互間の結合係数とに基づき、状態数を算出する
    状態数算出手段。
  12. 【請求項12】 更に、予め記憶手段で記憶されたノー
    ドの隣接関係をノード間リンク要求容量に基づき修正
    し、修正隣接関係を作成する修正隣接関係作成手段を含
    み、 かつ、状態数変化手段及び選定手段で用いられる隣接す
    るノードは、上記修正隣接関係に基づく隣接ノードであ
    ることを特徴とする請求項ないし請求項11のいずれ
    かに記載のネットワークの経路設定装置。
  13. 【請求項13】 更に、設定される経路中に含まれる複
    数個のノード間のリンクの属性に基づき、ネットワーク
    モデルとしてのモデルノードを挿入するモデルノード挿
    入手段と、 モデルノード挿入手段に基づき、挿入されたモデルノー
    ドと上記記憶手段で予め記憶されたノードとを含むノー
    ドに対し、新たな隣接関係を作成する隣接関係生成手段
    とを含み、 かつ、状態数変化手段及び選定手段で用いられる隣接す
    るノードは、上記隣接関係生成手段で作成された新たな
    隣接関係に関く隣接ノードであることを特徴とする請求
    ないし請求項11のいずれかに記載のネットワーク
    の経路設定装置。
  14. 【請求項14】 上記モデルノード挿入手段は、ノード
    間のリンク距離に基づき、モデルノードを挿入するこ
    とを特徴とする請求項13に記載のネットワークの経路
    設定装置。
  15. 【請求項15】 上記モデルノード挿入手段は、ノード
    間のリンクの伝送品質に基づき、モデルノードを挿入す
    ることを特徴とする請求項14に記載のネットワークの
    経路設定装置。
  16. 【請求項16】 更に、以下の選定ノード記憶手段と表
    示手段を含むことを特徴とする請求項ないし請求項
    のいずれかに記載のネットワークの経路設定装置 選定手段で逐次選定されたノードを、当該ノードの選定
    の都度、記憶する選定ノード記憶手段; 選定ノード記憶手段において記憶されたノードに基づ
    き、発信ノード及び着信ノードのうち一方のノードから
    他方のノードに至るまでの設定経路を表示する表示手
    段。
  17. 【請求項17】 上記記憶手段、状態数変化手段、選定
    手段は各ノードに対し個別に設けられた演算ユニットか
    らなることを特徴とする請求項ないし請求項16のい
    ずれかに記載のネットワークの経路設定装置。
  18. 【請求項18】 上記記憶手段は、各ノードに対する共
    通のテーブルからなり、かつ、状態数変化手段及び選定
    手段は各ノードに対する共通の演算処理部からなること
    を特徴とする請求項ないし請求項16のいずれかに記
    載のネットワークの経路設定装置。
  19. 【請求項19】 ネットワークの複数個のノードとノー
    ド間のリンクに関し、ノードの隣接関係とリンクの属性
    を用いて、発信ノードと着信ノードのノード間の経路を
    設定する方法であって、以下のステップを含む、ネット
    ワークの経路設定方法 複数個のノードに対し、ノードの隣接関係とノード間の
    リンクの属性を予め記憶する記憶ステップ; 始点ノードである発信ノード及び終点ノードである着信
    ノードを指定するノード指定ステップ;上記発信ノード及び上記着信ノードのいずれか一方のノ
    ードに対し、二値からなる状態数のうちいずれか一方の
    値の状態数を設定し、その他の各ノードに対して、他方
    の値の状態数を設定する初期化ステップ; 上記一方のノードに設定された一方の値の状態数と、上
    記その他の各ノードに設定された他方の値の状態数とを
    変化させずに経時的に推移させて、状態数の経時的な推
    移を記録し、 上記一方のノードに隣接するノードから順に、上記その
    他の各ノードと各ノードに隣接するノードとの間のリン
    クの属性に基づいて、上記その他の各ノードに隣接する
    ノードに対する状態数の記録の中からリンクの属性に対
    応する一つの状態数の記録を参照し、参照した状態数の
    値が上記一方の値である場合に、上記その他の各ノード
    の状態数を上記他方の値から上記一方の値に変化させ、 上記その他の各ノードに設定された状態数の値を上記他
    方の値から上記一方の値へ変化させる迄は上記他方の値
    にて状態数を経時的に推移させて記録し、状態数を上記
    他方の値から上記一方の値へ変化させた後は上記一方の
    値にて状態数を経時的に推移させて記録する状態数変化
    ステップ; 上記その他の各ノードに設定された状態数の上記一方の
    値への変化を検出し、変化を誘引した隣接ノードを検出
    する検出ステップ; 上記検出ステップにおける検出結果に基づき、上記変化
    を誘引した隣接ノードを経路を設定するノードとして
    逐次、着信ノード及び発信ノードのうち一方のノード側
    から他方のノード側に向かって選定する選定ステップ。
  20. 【請求項20】 上記選定ステップは、以下の第1の選
    定ステップと第2の選定ステップとから構成されること
    を特徴とする請求項19に記載のネットワークの経路設
    定方法着信 ノード及び発信ノードのうち一方のノードについ
    て、隣接するノードの状態数の上記一方の値への変化
    基づき、上記隣接するノードの中から、上記一方のノー
    ドとの接続を設定する設定ノードを選定する第1の選定
    ステップ; 設定ノードとして選定されたノードについて、上記検出
    ステップに基づき、隣接するノードの中から自ノードと
    の接続を設定するノードを選定することを、着信ノード
    及び発信ノードのうち他方のノードが選定される迄、逐
    次遂行する第2の選定ステップ。
  21. 【請求項21】 上記状態数変化ステップは、以下の状
    態数算出ステップから構成されることを特徴とする請求
    19または請求項20のいずれかに記載のネットワー
    クの経路設定方法 隣接ノードに対するリンク属性に基づく時間前の状態数
    の値に基づき、状態数を算出する状態数算出ステップ。
  22. 【請求項22】 更に、予め記憶ステップで記憶された
    リンクの属性をリンクの他の属性及びリンク端のノード
    の属性に基づき修正し、修正リンク属性関係を作成する
    修正リンク属性作成ステップを含み、 かつ、状態数変化ステップ及び選定ステップで用いられ
    るリンク属性は、上記修正リンク属性に基づくリンク属
    性であることを特徴とする請求項19ないし請求項21
    のいずれかに記載のネットワークの経路設定方法。
  23. 【請求項23】 修正リンク属性作成ステップにおい
    て、予め記憶ステップで記憶されたリンクの属性をリン
    ク端のノードの属性に基づき修正することを特徴とする
    請求項22に記載のネットワークの経路設定方法。
  24. 【請求項24】 修正リンク属性作成ステップにおい
    て、予め記憶ステップで記憶されたリンクの属性をノー
    ド間リンク容量と設定経路の要求容量に基づき修正する
    ことを特徴とする請求項22に記載のネットワークの経
    路設定方法。
  25. 【請求項25】 更に、ネットワークをニューラルネッ
    トワークに、ネットワークの複数個のノードをニューラ
    ルネットワークの複数個のニューロンに、ノード間のリ
    ンクをニューロン間のシナプス結合に、リンク属性をシ
    ナプス結合荷重に対応付けるニューラルネットワーク対
    応付けステップを含み、 かつ、ニューロン及びシナプス結合の属性は、それぞれ
    ノード及びリンクの属性と等しいことを特徴とする請求
    19ないし請求項24のいずれかに記載のネットワー
    クの経路設定方法。
  26. 【請求項26】 ネットワークの複数個のノードとノー
    ド間のリンクに関し、ノードの隣接関係とリンクの属性
    を用いて、発信ノードと着信ノードのノード間の経路を
    設定する装置であって、以下の手段を含む、ネットワー
    クの経路設定装置 複数個のノードに対し、ノードの隣接関係とノード間の
    リンクの属性を予め記憶する記憶手段; 始点ノードである発信ノード及び終点ノードである着信
    ノードを指定するノード指定手段;上記発信ノード及び上記着信ノードのいずれか一方のノ
    ードに対し、二値からなる状態数のうちいずれか一方の
    値の状態数を設定し、その他の各ノードに対して、他方
    の値の状態数を設定する初期化手段; 上記一方のノードに設定された一方の値の状態数と、上
    記その他の各ノードに設定された他方の値の状態数とを
    変化させずに経時的に推移させて、状態数の経時的な推
    移を記録し、 上記一方のノードに隣接するノードから順に、上記その
    他の各ノードと各ノードに隣接するノードとの間のリン
    クの属性に基づいて、上記その他の各ノードに隣接する
    ノードに対する状態数の記録の中からリンクの属性に対
    応する一つの状態数の記録を参照し、参照した状態数の
    値が上記一方の値である場合に、上記その他の各ノード
    の状態数を上記他方の値から上記一方の値に変化させ、 上記その他の各ノードに設定された状態数の値を上記他
    方の値から上記一方の値へ変化させる迄は上記他方の値
    にて状態数を経時的に推移させて記録し、状態数を上記
    他方の値から上記一方の値へ変化させた後は上記一方の
    値にて状態数を経時的に推移させて記録する状態数変化
    手段; 上記その他の各ノードに設定された状態数の上記一方の
    値への変化を検出し、変化を誘引した隣接ノードを検出
    する検出手段; 上記検出手段における検出結果に基づき、上記変化を誘
    引した隣接ノードを経路を設定するノードとして、逐
    次、着信ノード及び発信ノードのうち一方のノード側か
    ら他方のノード側に向かって選定する選定手段。
  27. 【請求項27】 上記選定手段は、以下の第1の選定手
    段と第2の選定手段とから構成されることを特徴とする
    請求項26に記載のネットワークの経路設定装置着信 ノード及び発信ノードのうち一方のノードについ
    て、隣接するノードの状態数の上記一方の値への変化
    基づき、上記隣接するノードの中から、上記一方のノー
    ドとの接続を設定する設定ノードを選定する第1の選定
    手段; 設定ノードとして選定されたノードについて、上記検出
    手段に基づき、隣接するノードの中から自ノードとの接
    続を設定するノードを選定することを、着信ノード及び
    発信ノードのうち他方のノードが選定される迄、逐次遂
    行する第2の選定手段。
  28. 【請求項28】 上記状態数変化手段は、以下の状態数
    算出手段から構成されることを特徴とする請求項26ま
    たは請求項27のいずれかに記載のネットワークの経路
    設定装置 隣接ノードに対するリンク属性に基づく時間前の状態数
    の値に基づき、状態数を算出する状態数算出手段。
  29. 【請求項29】 更に、予め記憶手段で記憶されたリン
    クの属性をリンクの他の属性及びリンク端のノードの属
    性に基づき修正し、修正リンク属性関係を作成する修正
    リンク属性作成手段を含み、 かつ、状態数変化手段及び選定手段で用いられるリンク
    属性は、上記修正リンク属性に基づくリンク属性である
    ことを特徴とする請求項26ないし請求項28のいずれ
    かに記載のネットワークの経路設定装置。
  30. 【請求項30】 修正リンク属性作成手段において、予
    め記憶手段で記憶されたリンクの属性をリンク端のノー
    ドの属性に基づき修正することを特徴とする請求項29
    に記載のネットワークの経路設定装置。
  31. 【請求項31】 修正リンク属性作成手段において、予
    め記憶手段で記憶されたリンクの属性をノード間リンク
    容量と設定経路の要求容量に基づき修正することを特徴
    とする請求項29に記載のネットワークの経路設定装
    置。
  32. 【請求項32】 更に、ネットワークをニューラルネッ
    トワークに、ネットワークの複数個のノードをニューラ
    ルネットワークの複数個のニューロンに、ノード間のリ
    ンクをニューロン間のシナプス結合に、リンク属性をシ
    ナプス結合荷重に対応付けるニューラルネットワーク対
    応付け手段を含み、 かつ、ニューロン及びシナプス結合の属性は、それぞれ
    ノード及びリンクの属性と等しいことを特徴とする請求
    26ないし請求項31のいずれかに記載のネットワー
    クの経路設定装置。
  33. 【請求項33】 上記記憶手段、状態数変化手段、選定
    手段は各ノードに対し個別に設けられた演算ユニットか
    らなることを特徴とする請求項26ないし請求項32
    いずれかに記載のネットワークの経路設定装置。
  34. 【請求項34】 上記記憶手段は、各ノードに対する共
    通のテーブルからなり、かつ、状態数変化手段及び選定
    手段は各ノードに対する共通の演算処理部からなること
    を特徴とする請求項26ないし請求項32のいずれかに
    記載のネットワークの経路設定装置。
  35. 【請求項35】 上記状態数変化手段と検出手段とをハ
    ードウエア論理回路で実現することを特徴とする請求項
    26ないし請求項34のいずれかに記載のネットワーク
    の経路設定装置。
  36. 【請求項36】 上記状態数変化手段と検出手段は、記
    憶手段に記憶された各ノード毎に異なるノードの隣接関
    係とノード間のリンク属性の利用を複数の同一のハード
    ウエア回路で実現することを特徴とする請求項35に記
    載のネットワークの経路設定装置。
  37. 【請求項37】 更に、以下のステップを含むことを特
    徴とする請求項19に記載のネットワークの経路設定方
    ネットワークに設定する呼を広帯域呼と狭帯域呼とに分
    類する分類ステップ; 上記分類ステップにより狭帯域呼に分類された呼に対し
    て、ネットワークに関する過去の蓄積データに基づい
    て、発信ノードと着信ノード間の複数の経路候補を経路
    候補群としてあらかじめ作成する経路候補群作成ステッ
    プ; 経路設定要求時に、上記経路候補群作成ステップにより
    作成された上記経路候補群から経路を選択する経路選択
    ステップ。
  38. 【請求項38】 更に、以下の手段を含むことを特徴と
    する請求項26に記載のネットワークの経路設定装置 ネットワークに設定する呼を広帯域呼と狭帯域呼とに分
    類する分類手段; 上記分類手段により狭帯域呼に分類された呼に対して、
    ネットワークに関する過去の蓄積データに基づいて、発
    信ノードと着信ノード間の複数の経路候補を経路候補群
    としてあらかじめ作成する経路候補群作成手段; 経路設定要求時に、上記経路候補群作成手段により作成
    された上記経路候補群から経路を選択する経路選択手
    段。
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