JP3366924B2 - 油だき式吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法 - Google Patents
油だき式吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法Info
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Description
置の窒素酸化物低減方法に関する。さらに詳しくは、既
設の油だき式吸収冷凍装置への適用が容易な窒素酸化物
低減方法に関する。なお、本明細書における冷凍装置に
は冷温水機も含むものとする。 【0002】 【従来の技術】従来より、油だき式吸収冷温水機におけ
る排ガス中の窒素酸化物(以下、単にNOXという)を
低減するために、燃焼装置にはいわゆる低NOXバーナ
ーが用いられ、それにより排ガス中のNOXがO2濃度
0%換算にて85ppm程度にまで低減されている。 【0003】しかしながら、都市部においてはNOXの
発生源が多く大気汚染が深刻であるところから、吸収冷
温水機からのNOX排出量がO2濃度0%換算にて60
ppm以下とするよう指導がされつつある。そして、こ
の指導は新設の吸収冷凍機や吸収冷温水機のみならず、
既設の吸収冷温水機にも適用が検討されているが、この
値を達成するには低NOXバーナーによるNOXの低減
だけでは不十分である。このため、排ガスインジェクシ
ョン(排ガス再循環)方式を併用することが提案されて
いる。例えば新設の油だき式吸収冷温水機100に対し
ては、図3に示すように、押込送風機(以下、単に送風
機という)101の空気吸入口102に第1制御ダンパ
103を設けるとともに、この空気吸入口102の第1
制御ダンパ103の下流側に、第2制御ダンパ111が
介装されている、排ガスダクト120のドラフト制御ダ
ンパ121の上流側から分岐された排ガス再循環ダクト
110の先端を接続し、この第1制御ダンパ103およ
び第2制御ダンパ111の開度を適宜調整することによ
り、NOXの排出量が前記値以下とできる排ガス再循環
方式が提案されている。なお、図3中、符号112は起
動時の安全を確保するための燃焼室内プレパージ用オン
・オフダンパを、符号104は空気制御ダンパを示す。
そして、このオン・オフダンパ112は、起動時にオフ
(全閉)されて燃焼ガス系統のパージがなされ、その後
の運転においてはオン(全開)されている。 【0004】しかしながら、前記提案にかかわる方式
は、新設の油だき式吸収冷温水機100に対するもので
あるところから、既設の油だき式吸収冷温水機に適用す
る場合、改造が大がかりとなるとともに、コスト高とも
なるという問題がある。 【0005】なお、既設の小型ボイラで燃焼制御が、オ
ン/オフあるいはハイ/ロー/オフとされるものにおい
ては、NOXの排出量の規制が緩やかで、NOXの低減
が少なくてよいために、図4に示すように、プレパージ
用オン・オフダンパ201が介装されている排ガス再循
環ダクト202を設け、運転時にこのオン・オフダンパ
201をオン(全開)して排ガス再循環ダクト202か
ら、燃焼用空気に排ガスをなりゆきに任せて混入させ、
NOXを低減させることがなされている。 【0006】しかしながら、前述したような厳しいNO
X規制がなされている油だき式吸収冷温水機に、前記既
設の小型ボイラのNOX低減に用いられている、いわゆ
るなりゆき方式をそのまま適用するには無理がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、既設の油だき式
吸収冷温水機などの吸収式冷凍装置の改造を最小限にし
ながら、排ガス中のNOXを著しく低減できる油だき式
吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法を提供することを目
的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、排ガスダクト
に介装されたドラフト制御ダンパと、該排ガスダクトの
前記ドラフト制御ダンパの上流において分岐された流量
調節ダンパを有する排ガス再循環ダクトとが備えられて
いる油だき式吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法であっ
て、ドラフト制御ダンパにより排ガスダクトの圧力を−
5mmAq以上であって運転可能な圧力に調整し、油だ
き式吸収冷凍装置の負荷領域を高負荷ゾーンと低負荷ゾ
ーンとに分割し、前記流量調節ダンパの開度を高負荷ゾ
ーンにおいては全開とし、前記流量調節ダンパの開度を
低負荷ゾーンにおいては半開とすることを特徴とする油
だき式吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法に関する。 【0009】 【0010】 【作用】本発明においては、排ガス再循環ダクトに設け
られた流量調節ダンパの開度を負荷ゾーンに応じて切り
替えているので、燃焼用空気中に必要量の排ガス循環量
が確保され、排ガス中のNOX値が負荷の全域にわたっ
て指導値を超えることはない。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施の形態について説明するが、本発明はかかる
実施の形態のみに限定されるものではない。なお、ここ
では油だき式吸収冷温水機について説明されているが、
他の油だき式吸収冷凍装置についても同様である。 【0012】本発明の窒素酸化物低減方法が適用される
油だき式吸収冷温水機の概略図を図1に示し、これは圧
力噴霧式油バーナーを有する従来より公知の油だき式吸
収冷温水機1に、排ガス再循環ダクト10を付加してな
るものである。また図1に示すように、この排ガス再循
環ダクト10には開度が2位置(中開、全開)に切り替
えができる流量調節ダンパ11、例えば電動ダンパ11
Aが介装されている。そして、この排ガス再循環ダクト
10は、定格最大負荷(MCR)にて流量制御ダンパ1
1が全開で、燃焼用空気中に15%程度の排ガス再循環
量が確保できる能力を有するものとされている。 【0013】また、この油だき式吸収冷温水機10の燃
焼系統は、従来からよく知られているように、燃焼用の
空気を油バーナーに供給する送風機2と、この送風機2
の風量を制御する空気制御ダンパ3と、圧力噴霧式油バ
ーナー4と、燃焼室内のドラフトを制御する排ガスダク
ト5に介装されたドラフト制御ダンパ51とを主要構成
要素としてなる。 【0014】なお、流量調節ダンパ11、送風機2等の
制御は、運転盤Cによりなされる。 【0015】次に、かかる構成とされている油だき式吸
収冷温水機1における窒素酸化物低減方法について説明
する。なお、ここでは負荷領域は、高負荷ゾーン(MC
R〜65%程度)および低負荷ゾーン(65%程度未
満)の2つのゾーンに分けられている。 【0016】(1)高負荷ゾーン この高負荷ゾーンでは、ドラフト制御ダンパ51の開度
を適宜調整して、排ガスダクト5のドラフトを−5mm
Aq以上で、かつ断火が生じない圧力(運転可能な圧
力)、例えば+2mmAqとし、その状態で排ガス再循
環ダクト10に介装されている流量調節ダンパ11の開
度を全開とする。これにより、排ガス中のNOX値は、
O2濃度0%換算(以下同様)にて、従来の70〜80
ppm程度から35〜40ppm程度に低減される。 【0017】(2)低負荷ゾーン この低負荷ゾーンでは、ドラフト制御ダンパ51の開度
を適宜調整して、排ガスダクト5のドラフトを−5mm
Aq以上で、かつ断火が生じない圧力、例えば+2mm
Aqとし、その状態で排ガス再循環ダクト10に介装さ
れている流量調節ダンパ11の開度を中開とする。これ
により、排ガス中のNOX値は従来の80〜90ppm
程度から40〜55ppm程度に低減される。 【0018】このように、この実施の形態によれば負荷
領域を2つのゾーンに分け、そのゾーンに応じて流量制
御ダンパを予め設定された開度に切り替えているので、
操作を煩雑にすることなく、負荷の全域において排ガス
中のNOX値をO2濃度0%換算にて60ppm以下と
することができる。 【0019】 【実施例】以下、より具体的な実施例に基づいて本発明
をより詳細に説明する。 【0020】シグマチル300型油だき式吸収冷温水機
(川重冷熱工業株式会社製、商品名)に流量調節ダンパ
を有する排ガス再循環ダクトを備えて排ガス中のNOX
値の変化を測定した。 【0021】この測定に用いたシグマチル300型油だ
き式吸収冷温水機および排ガス再循環ダクトの要目は次
のとおりである。 【0022】(1)シグマチル300型油だき式吸収冷
温水機 燃焼量(灯油):89.4リットル /H 冷凍能力:300USRT 油バーナ:圧力噴霧式油バーナ 【0023】(2)排ガス再循環ダクト 排ガス再循環量:MCR時15%(排ガスダクト内圧
力−5mmAq時) 流量調節ダンパ:バタフライ式1枚ダンパ(4インチ
サイズ) ダクト:丸形4インチダクト 【0024】測定例1 排ガスダクト内のドラフトを−5mmAqに調整して、
負荷を高負荷ゾーンおよび低負荷ゾーンへと順次変化さ
せた。またその際の流量調節ダンパの開度を、高負荷ゾ
ーンでは全開(100%開度)、および低負荷ゾーンで
は少開(約42%開度)と段階的に切り替えた。そし
て、そのときの排ガス中のNOX値の変化を測定し、そ
の結果を図2に示す。 【0025】測定例2 排ガスダクト内のドラフトを−5mmAqに調整して、
負荷を低負荷ゾーンから高負荷ゾーンへと変化させた。
また、その際の流量調節ダンパの開度を、低負荷ゾーン
では中開(約40%開度)、および高負荷ゾーンでは全
開(100%開度)と段階的に切り替えた。そして、そ
のときの排ガス中のNOX値の変化を測定し、その結果
を図2に併せて示す。 【0026】図2より明らかなように、いずれの負荷ゾ
ーンにおいても排ガス中のNOX値が40ppmを超え
ていないのがわかる。 【0027】以上、本発明を実施の形態および実施例に
基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施の形態お
よび実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能
である。例えば、実施の形態および実施例では、油だき
式吸収冷凍装置として油だき式吸収冷温水機が用いられ
たが、油だき式吸収冷凍機とされてもよい。また、既設
の油だき式吸収冷凍装置に限らず、新設の油だき式吸収
冷凍装置にも当然適用が可能である。 【0028】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
排ガス再循環ダクトに設けられた流量調節ダンパを、負
荷ゾーンに応じて予め設定されている開度とするという
簡単な操作で、排ガス中のNOX値をO2濃度0%換算
にて60ppm以下にできるという優れた効果が得られ
る。 【0029】また、流量調節ダンパを有する排ガス再循
環ダクトを油だき式吸収冷凍装置に付加し、その流量調
節ダンパの開度を負荷ゾーンに応じて段階的に切り替え
るだけでよいので、既設の油だき式吸収冷凍装置にも適
用が容易であるという効果も有している。
機の概略図である。 【図2】本発明の実施例における測定結果のグラフであ
る。 【図3】従来より提案されている窒素酸化物低減装置の
一例の概略図である。 【図4】既設の小型ボイラで採用されている窒素酸化物
低減装置の概略図である。 【符号の説明】 1 油だき式吸収冷温水機 2 押込送風機、送風機 3 空気制御ダンパ 4 圧力噴霧式油バーナー 5 排ガスダクト 51 ドラフト制御ダンパ 10 排ガス再循環ダクト 11 流量調節ダンパ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 排ガスダクトに介装されたドラフト制御
ダンパと、該排ガスダクトの前記ドラフト制御ダンパの
上流において分岐された流量調節ダンパを有する排ガス
再循環ダクトとが備えられている油だき式吸収冷凍装置
の窒素酸化物低減方法であって、ドラフト制御ダンパにより 排ガスダクトの圧力を−5m
mAq以上であって運転可能な圧力に調整し、 油だき式吸収冷凍装置の負荷領域を高負荷ゾーンと低負
荷ゾーンとに分割し、 前記流量調節ダンパの開度を高負荷ゾーンにおいては全
開とし、 前記流量調節ダンパの開度を低負荷ゾーンにおいては半
開 とすることを特徴とする油だき式吸収冷凍装置の窒素
酸化物低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34886795A JP3366924B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 油だき式吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34886795A JP3366924B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 油だき式吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09170710A JPH09170710A (ja) | 1997-06-30 |
JP3366924B2 true JP3366924B2 (ja) | 2003-01-14 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34886795A Expired - Fee Related JP3366924B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 油だき式吸収冷凍装置の窒素酸化物低減方法 |
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JP (1) | JP3366924B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-18 JP JP34886795A patent/JP3366924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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