JP3366276B2 - 電池の状態の表示装置を有する電池パック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電池残存容量等の
表示装置を有する電池パックに関し、特に構成が簡単で
正確な残存容量の表示が可能なリチウムイオン電池等の
電池パックに関する。

【０００２】

【従来の技術】携帯電話、ノート型パソコン、カメラ一
体型ビデオレコーダ等の電源としては、小型で大容量の
密閉型電池であるニッケル水素電池、リチウムイオン二
次電池等の非水電解液電池が用いられている。電池を電
源とした機器においては、電池の充電容量の検出と表示
の機能を有する機器も用いられているが、そのような機
器においても電池使用機器から電池パックを取り外した
場合には、電池パックの電池の残存容量を知ることはで
きなかった。

【０００３】そこで、電池パック側に、充放電電圧、充
放電電流、および残存容量の監視を行うための充放電制
御装置を設けるとともに、残存容量表示機能を設けた電
池パックが提案されている。例えば、特開平５−２９９
１２３号公報には、電池パック側に、電池の充放電制御
装置を有し、電池パックの端子部の短絡時に電池および
制御装置を保護する残存容量表示機能付き充電式二次電
池パック電池が記載されており、また、特開平１０−１
６２８６２号公報には、リチウムイオン電池の出力電
圧、電流や残存電流を監視したり、電池パックを取り付
けた電子機器との間で通信を行う等のために内蔵したＣ
ＰＵの暴走時のリセットスイッチを設けるとともに、残
存容量の表示をさせるためのスイッチを設けた電池パッ
クが記載されている。

【０００４】このような電池パックにおいては、従来、
残存容量の表示は、一般には、複数の発光ダイオードを
用いて行っており、発光ダイオードの発光個数によっ
て、電池容量を表示したり、容量に応じて発光色の異な
る複数の発光ダイオードを用いることが行われていた。
が、残存容量を他段階に表示するためには、発光ダイオ
ードを複数個備えたり、あるいは発光色の異なる発光ダ
イオードを複数個を備える等の手段がとられていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、電池の残存
容量の表示機能を有する電池パックにおいて、残存容量
の表示を１個の発光ダイオードのみによっても、多段階
に表示することができる残存容量表示装置を有する電池
パックを提供することを課題とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、電池の状態の
表示装置を有する電池パックにおいて、残存容量検出手
段によって検出した残存容量に応じたデューティー比を
有するパルス信号を発生するデューティー比可変パルス
信号発生手段、および該パルス信号によって輝度もしく
は発光周期の少なくともいずれか一方を残存容量に応じ
て変化して表示する電池の状態の表示装置を有する電池
パックである。また、表示装置として、満充電状態に所
定の時間以上放置した後に動作する満充電状態放置表示
装置を有する前記の電池の状態の表示装置を有する電池
パックである。表示装置として、電池使用履歴蓄積手段
が初期充電状態を示す際には初期充電状態を表示する電
池状態表示装置を有する前記の電池の状態の表示装置を
有する電池パックである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の、残存容量表示機能を有
する電池パックは、通電電気量に基づいて求められた残
存容量に応じたデューティー比で、表示手段の輝度変
化、あるいは点滅を行ったので、１個の表示素子のみで
も多段階の電池の残存容量の表示を可能としたものであ
る。

【０００８】以下に、図面を参照して本発明を説明す
る。図１は、本発明の電池パックの一実施例を説明する
図である。電池パック１には、少なくとも１個の電池２
を有しており、電池使用機器もしくは充電器との接続端
子３ａおよび３ｂが設けられており、接続端子には、電
池の充放電を制御し、残存容量の表示手段等の電池パッ
ク内のすべてを制御する主制御手段４が接続されてい
る。

【０００９】接続端子３ａおよび３ｂから充電電流が供
給されると、電池電流検出手段５によって電池に充電さ
れる電流を検出し、検出した電流値と充放電時間検出手
段６によって検出した充電時間から通電電気量演算手段
７において、通電電気量を演算し、残存容量記録手段８
の値を残存容量を現時点での残存容量に変更する。

【００１０】満充電後に、電池パックを電池使用機器に
取り付けて、放電を開始すると、電池電流検出手段５は
放電電流を検出し、充放電時間検出手段６は放電時間を
検出し、放電電流と放電時間から通電電気量演算手段７
において、放電した電気量を演算し、残存容量記録手段
８の残存容量を変更する。

【００１１】残存容量表示スイッチ９が投入されると、
残存容量信号出力手段１０は、デューティー比可変パル
ス信号発生手段１１に対して残存容量に応じた信号を発
生する。デューティー比可変パルス信号発生手段１１
は、残存容量に応じたデューティー比の矩形波パルス信
号を発生し、表示手段１２を駆動する。表示手段１２
は、パルス信号のデューティー比に応じて、発光輝度、
あるいは点滅周波数を変化させることによって、現時点
での残存容量を表示することができる。以上の説明で
は、残存容量表示手段は、残存容量表示スイッチが投入
された際に残存容量表示機能が動作する例について述べ
たが、表示手段の消費電力、電池容量によっては、常時
残存容量表示手段が動作するものであっても良い。

【００１２】また、デューティー比可変パルス発生手段
は、電池パックの制御装置に使用するマイコン等の電池
パック制御手段のパルス幅変調出力を利用し、出力信号
を発光ダイオード等の表示素子に接続することによって
デューティー比を可変した表示が可能となる。あるい
は、ＡＮＤゲート、ＯＲゲート回路を用いて基準パルス
から、７５％、５０％、２５％等のパルスを発生させて
も良い。

【００１３】また、電池の残存容量表示手段は、発光ダ
イオード、液晶表示装置のような電界駆動型の表示装置
を用いることができる。また、発光ダイオード等の表示
素子を１個用いるのみで輝度変化、あるいは点滅周期の
変化によって行うことができるが、複数個を用いて表示
個数あるいは表示色を変える等の方法と、輝度変化、あ
るいは点滅周期の変化とを組み合わせても良い。

【００１４】図１の電池パックでは、残存容量検出手段
２０は、電池電流検出手段５、充放電時間検出手段６か
ら通電電気量演算手段７によって構成され、通電電気量
の検出によって残存容量を検出したが、残存容量は、電
池の電圧の変化等の検出等に行うものであっても良い。
以下に、電池の残存容量と発光輝度、あるいは点滅間隔
の一例を表に示す。

【００１５】

【表１】 残存容量 発光輝度比 点滅間隔 ７５％以上 １００％ １．５秒 ５０％以上７５％未満 ７５％ １秒 ２５％以上５０％未満 ５０％ ０．５秒 ２５％未満 ２５％ ０．２５秒

【００１６】図２に、本発明における残存容量とデュー
ティー比の関係を説明する。本発明においては、デュー
ティー比は、満充電に相当する周期Ａに対して、残存容
量に相当する期間Ｂを意味し、デューティー比が、満充
電に対する残存容量の比に相当する。また、本発明によ
って、満充電時に発光ダイオードを点灯すると、発光ダ
イオードの点灯よって充電されたエネルギーを消費し
て、満充電状態で高温に放置された場合の電池の劣化等
を防止することが可能となる。

【００１７】また、図３には、本発明の他の実施例を説
明する図である。図３に示した電池パックは、図１に示
した電池パックにおいて、電池状態検出手段１３を有
し、電池状態検出手段１３が満充電後放置されているこ
とを検出した場合には、放置時間監視手段１４を駆動
し、満充電後の放置時間があらかじめ設定した値よりも
大きくなると、満充電放置表示手段１５を駆動して、満
充電になった後に長時間放置されていることを表示す
る。また、電池電圧測定手段１６によって電池電圧を監
視し、所定の電圧以下となった場合には、満充電経過時
間報知表示手段を消灯する。これにより満充電後長時間
放置された場合に注意を喚起することができる。

【００１８】また、図４には、本発明の他の実施例を説
明する図である。図４に示した電池パックは、図１に示
した電池パックにおいて、電池表示手段として、電池パ
ックの組立時の検査工程での状態報知機能をさらに付加
したものである。電池パックは、電池パック内に組み込
まれた電池の特性に応じて制御することによって、電池
を特性をより充分に発揮させることが可能となる。そこ
で、電池パックを組み立てて最初に充電された場合や、
電池パック内の制御装置がリセットされたような場合に
は、充電の後に充電終止電圧まで放電させることによっ
て、電池の特性を電池パック内の記憶手段に記憶させる
ことが必要となる。

【００１９】図４に示した、電池パックにおいては、電
池状態検出手段１３とともに電池使用履歴蓄積手段１７
を有し、電池使用履歴蓄積手段において、電池パック組
立後の初期充電、あるいは電池パックの電池使用履歴蓄
積手段のリセット後の初期充電である場合には、初期充
電表示手段１７を点灯、あるいは点滅して初期充電状態
であることを知らせ、一度放電終止電圧まで放電した後
に、初期充電表示手段１８を消灯する。これによって、
電池の充放電サイクルの試験を確実に完了したもののみ
を出荷することができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明の電池パックの電池の残存容量表
示装置は、表示素子１個で多段階の残存容量を表示する
ことができ、また満充電状態で長時間放置することを避
けることができ、さらに製造時において、充放電検査漏
れを表示することができるので、製造される電池パック
の信頼性が高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の電池パックの一実施例を説明
する図である。

【図２】図２は、本発明における残存容量とデューティ
ー比の関係を説明する図である。

【図３】図３は、本発明の電池パックの他の実施例を説
明する図である。

【図４】図４は、本発明の電池パックの他の実施例を説
明する図である。

【符号の説明】

１…電池パック、２…電池、３ａ，３ｂ…接続端子、４
…主制御手段、５…電池電流検出手段、６…充放電時間
検出手段、７…通電電気量演算手段、８…残存容量記録
手段、９…残存容量表示スイッチ、１０…残存容量信号
出力手段、１１…デューティー比可変パルス信号発生手
段、１２…表示手段、１３…電池状態検出手段、１４…
放置時間監視手段、１５…満充電放置表示手段、１６…
電池電圧測定手段、１７…電池使用履歴蓄積手段、１８
…初期充電表示手段、２０…残存容量検出手段、Ａ…満
充電に相当する周期、Ｂ…残存容量に相当する期間

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電池の状態の表示装置を有する電池パッ
   クにおいて、残存容量検出手段によって検出した残存容
   量に応じたデューティー比を有するパルス信号を発生す
   るデューティー比可変パルス信号発生手段、および該パ
   ルス信号によって輝度もしくは発光周期の少なくともい
   ずれか一方を残存容量に応じて変化して表示する表示装
   置を有することを特徴とする電池の状態の表示装置を有
   する電池パック。
2. 【請求項２】 表示装置として、満充電状態に所定の時
   間以上放置した後に、動作する満充電状態放置表示装置
   を有することを特徴とする請求項１記載の表示装置を有
   する電池パック。
3. 【請求項３】 表示装置として、電池使用履歴蓄積手段
   が初期充電状態を示す際には初期充電状態を表示する電
   池状態表示装置を有することを特徴とする請求項１また
   は２記載の電池の状態の表示装置を有する電池パック。