JP3366113B2 - 試料吸引装置 - Google Patents

試料吸引装置

Info

Publication number
JP3366113B2
JP3366113B2 JP14984794A JP14984794A JP3366113B2 JP 3366113 B2 JP3366113 B2 JP 3366113B2 JP 14984794 A JP14984794 A JP 14984794A JP 14984794 A JP14984794 A JP 14984794A JP 3366113 B2 JP3366113 B2 JP 3366113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin tube
moving member
holding member
sample
tube holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14984794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0815279A (ja
Inventor
宏 朝倉
克彦 陳東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sysmex Corp filed Critical Sysmex Corp
Priority to JP14984794A priority Critical patent/JP3366113B2/ja
Publication of JPH0815279A publication Critical patent/JPH0815279A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3366113B2 publication Critical patent/JP3366113B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、試料吸引装置に関す
るものであり、さらに詳しくは、血液などの試料が入れ
られキャップにより密封された試料容器のキャップに試
料吸引用細管を突き刺して同容器内の試料を細管で吸引
するための試料吸引装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の試料吸引装置として、従来、実
開平3−70357号公報や実開平3−74359号公
報に記載されたものが知られている。すなわち、前者
は、試料容器をそのキャップ側と容器底側との両方から
挟んで保持する動作を1つの駆動機構(たとえばエアシ
リンダ)で行うようにしたものである。また、後者は、
サンプラ(試料容器をラックに載せて分析装置へ自動的
に供給する装置)に、試料攪拌装置とともに組み込まれ
たものである。
【0003】これらの装置においては、通常、金属から
なる細管をゴムやプラスチックなどからなるキャップに
繰り返し突き刺すと細管の表面が次第に磨耗してくるた
め、細管を定期的に交換する必要がある。
【0004】そこで、細管の交換操作時に細管によって
怪我をすることなく安全に交換操作を行うことができる
ように考慮したものとして、特表平5−509170号
公報に開示された試料吸引装置(取り外し交換可能な吸
引ニードルカートリッジ組立体)がある。
【0005】この試料吸引装置は、ベースにニードル
(細管)を取り付け、上部支持体にそのベースを組み付
け、ベースと支持体との間をベローズ(洗浄室)で覆う
ことで、カートリッジを構成したものである。このカー
トリッジには、ベースにロック装置としての保持クリッ
プが取り付けられており、通常はニードルの先端が洗浄
室から出ないようにしている。つまり、ベースと支持体
との距離が縮まることのないようにしている。
【0006】カートリッジを支持構造に取り付けた状態
では保持クリップの位置がずれることによりロックが解
除され、ニードルの先端が洗浄室から出て試料の蓋を突
き刺すことができるようになる。つまり、ベースと支持
体との距離が縮まる。また、この試料吸引装置ではセン
サが設けられ、センサにより状態の監視が行われるよう
にされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この試料吸引
装置においては、電気系統や制御系統などのトラブルに
より、装置に取り付けられたニードルがその先端を突出
させたまま停止状態になるという事態も起こりうる。ニ
ードルは装置に取り付けられているときはロック解除状
態にある。このため、ニードルがその先端を突出させた
まま停止した状態においてもカートリッジの取り外しを
することができる。その場合、ニードルの交換操作中
に、突出したニードルの先端により怪我をするおそれが
あった。
【0008】また、ニードルの先端が突出していなくて
も空圧源や電源などの駆動源がOFFになっている場
合、駆動源に連結されたニードル駆動機構(エアシリン
ダ)が動作フリーになり、交換操作中に操作者が誤って
自力でニードルの先端を突出させてしまい怪我をするお
それがあった。
【0009】この発明は、以上のような点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、ニードルすなわち細管の
交換に関して従来よりもさらに安全性を向上させた試料
吸引装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、試料
が入れられキャップにより密封された試料容器を、その
キャップ側に位置し試料容器の長手方向へ移動可能にか
つ取り外し可能に設けられた第1移動部材と、試料容器
を介して第1移動部材の反対側に位置し前記方向へ移動
可能に設けられた第2移動部材とで挟んで保持し、第1
移動部材を貫通して前記方向へ移動可能に設けられた試
料吸引用細管を試料容器のキャップに突き刺して同容器
内の試料を細管で吸引する試料吸引装置であって、前記
方向に対し略垂直に設けられた貫通孔を有し細管を基端
側で保持する細管保持部材と、この細管保持部材の貫通
孔に遊嵌され、一端側に第1雄ねじ部を有し、長さ中間
箇所に前記貫通孔よりも大径の第2雄ねじ部を有し、他
端側に第2雄ねじ部よりも小径の突出部を有する連結部
材と、この連結部材の第1雄ねじ部にねじ合う雌ねじ部
を有しそれらのねじ合わせにより細管保持部材に連結さ
れて駆動源からの駆動力で細管を移動させる細管移動部
材と、第1移動部材に設けられかつ細管保持部材側へ細
管に沿って延びる延設部とを備え、細管は、細管移動部
材に連結された細管保持部材の移動により、先端が第1
移動部材の内部にありかつ細管保持部材と第1移動部材
との距離が最大である待機位置と、先端が第1移動部材
の外部にありかつ細管保持部材と第1移動部材との距離
が最小である突刺位置との間を移動することが可能であ
り、前記延設部に、細管に沿って延びかつ前記方向に対
し略垂直な貫通状長孔が設けられ、この長孔が、細管保
持部材の移動の際に連結部材の突出部の移動を可能にす
る孔本体部と、この孔本体部の細管保持部材側の端に連
なりかつ前記待機位置において前記第1雄ねじ部を前記
雌ねじ部からねじ外す際にのみ第1雄ねじ部を細管保持
部材の貫通孔内に位置させた状態で前記第2雄ねじ部に
ねじ合い、それによって細管保持部材の移動を阻止して
細管を待機位置にロックする雌ねじ部とからなっている
試料吸引装置が提供される。
【0011】
【作用など】試料容器としてはたとえば、ガラス製ある
いはプラスチック製の試験管状容器が用いられる。キャ
ップとしてはたとえば、容器の開口に嵌めかぶせられる
ゴム製あるいはプラスチック製のものが用いられる。
【0012】第1移動部材としてはたとえば、直方体状
であって内部に洗浄液を入れるための空間を有する洗浄
槽が用いられる。第2移動部材としてはたとえば、試験
管状試料容器の底部に当接して同容器を底部側で押さえ
る容器押さえ部材が構成要素の1つとして用いられる。
第1移動部材には、同部材を貫通して試料容器の長手方
向へ移動可能となるように試料吸引用細管が配設され
る。この細管としてはたとえば、金属製であって注射針
状のものが用いられる。
【0013】細管保持部材は細管を基端側で保持してい
る。細管保持部材には、前記方向に対し略垂直に貫通孔
が設けられている。連結部材は、細管保持部材の貫通孔
に遊嵌され、細管保持部材を次に説明する細管移動部材
に連結する。連結部材は、一端側に第1雄ねじ部を有
し、長さ中間箇所に前記貫通孔よりも大径の第2雄ねじ
部を有し、他端側に第2雄ねじ部よりも小径の突出部を
有している。細管移動部材は、連結部材の第1雄ねじ部
にねじ合う雌ねじ部を有しており、その雌ねじ部に連結
部材の第1雄ねじ部がねじ合わされると、細管保持部材
に連結される。そして、駆動源からの駆動力で細管を移
動させる。
【0014】第1移動部材には、その一部としてあるい
は別部材から、延設部が設けられている。この延設部は
細管保持部材側へ細管に沿って延びている。延設部には
前記方向に対し略垂直な貫通状長孔が設けられている。
【0015】細管は、細管移動部材に連結された細管保
持部材の移動により移動することが可能である。その移
動範囲は、細管の先端が第1移動部材の内部にありかつ
細管保持部材と第1移動部材との距離が最大である待機
位置と、細管の先端が第1移動部材の外部にありかつ細
管保持部材と第1移動部材との距離が最小である突刺位
置との間である。
【0016】延設部に設けられた長孔は孔本体部と雌ね
じ部とからなっている。この孔本体部は、細管保持部材
の移動の際に連結部材の突出部の移動を可能にする。雌
ねじ部は、孔本体部の細管保持部材側の端に連なって形
成されている。この雌ねじ部は、前記待機位置において
連結部材の第1雄ねじ部を細管移動部材の雌ねじ部から
ねじ外す際にのみ、第1雄ねじ部を細管保持部材の貫通
孔内に位置させた状態で連結部材の第2雄ねじ部にねじ
合う。すると、細管保持部材が第1移動部材の延設部に
固定されるので細管保持部材の移動が阻止される。すな
わち、細管はその先端が第1移動部材の内部に位置した
まま前記待機位置にロックされる。
【0017】細管がその待機位置にロックされた状態
で、第1移動部材を取付箇所から取り外しかつ連結部材
の第1雄ねじ部を細管移動部材の雌ねじ部からねじ外し
ても、第1移動部材と細管保持部材とが細管の先端を第
1移動部材の内部に位置させたまま一体化されているの
で、細管の先端により怪我をするおそれがない。
【0018】したがって、この発明に係る試料吸引装置
において、延設部の設けられた第1移動部材、細管、細
管保持部材および連結部材を1つのユニット(たとえば
カートリッジユニット)として構成しておけば、細管の
先端により怪我をするおそれなく旧い同ユニットを取り
外して新たな同ユニットを取り付けることで、細管の交
換を安全に行うことが可能になる。
【0019】この発明に係る試料吸引装置は、ロック機
構がさらに設けられているのが好ましい。このロック機
構は可動部材と係合部とを備えている。すなわち、可動
部材は、空圧源や電源などの駆動源がOFFのときには
ロック位置をとり駆動源がONのときにはロック位置か
ら突出したロック解除位置をとる。係合部は、細管移動
部材に設けられ可動部材にロック状態およびロック解除
状態に係合する。
【0020】ロック機構は、駆動源がONのときには可
動部材と係合部とがロック解除状態に係合して細管保持
部材の往復移動を許容する。そして、駆動源がOFFの
ときには可動部材と係合部とがロック状態に係合して細
管保持部材の第1移動部材側への移動を阻止することで
細管を待機位置にロックする。
【0021】したがって、駆動源がOFFになって駆動
源に連結された細管駆動機構が動作フリーになった場合
であっても、細管はその先端が第1移動部材の内部に位
置したまま第1移動部材側への移動を阻止されているた
め、操作者が自力で第1移動部材から細管の先端を突出
させることはできず、怪我をするおそれを防止すること
が可能になる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の1つの実施例を図面に基づ
いて詳しく説明する。なお、これによってこの発明が限
定されるものではない。
【0023】図1および図2において、試料吸引装置D
は、ベース部材5に2つのビス6・7で取り外し可能に
取り付けられた第1移動部材1と、所定方向に向けて配
されるガラス製の試験管状試料容器4を介して第1移動
部材1の反対側に設けられた第2移動部材2とを備えて
いる。試料容器4は、試料としての血液が入れられゴム
製キャップ3により密封されている。第1移動部材1
は、試料容器4の長手方向(図1および図2では水平左
右方向)へ移動可能に設けられている。ベース部材5
は、試料容器4のキャップ3側に位置した第1スライド
テーブル8に取り付けられている。第2移動部材2は、
試料容器4の底部側に位置した第2スライドテーブル9
に取り付けられている。
【0024】第1スライドテーブル8および第2スライ
ドテーブル9はいずれも、垂直な基板10の上縁に取り
付けられた1本の直線状ガイドレール11にまたがって
左右方向へスライド移動することができる。なお、基板
10は、ガイドレール11が図1の状態(ガイドレール
水平状態)から右下がりに45度傾斜した状態(ガイド
レール傾斜状態)になるように回動させることができ
る。
【0025】第2移動部材2は、空洞部12に遊嵌され
かつ窪みを有する容器押さえ部材13と、この容器押さ
え部材13を試料容器4の方向へ付勢する圧縮コイルバ
ネ14と、この圧縮コイルバネ14を押さえる押さえ板
15と、この押さえ板15に取り付けられたケース16
の内部に配されたスイッチ17とを備えている。
【0026】基板10の前面側には小エアシリンダ18
が配されている。すなわち、小エアシリンダ18のシリ
ンダ本体19は取付部材21によりベース部材5に固定
されている。そして、シリンダ本体19は基板10の前
面から離れており、基板10に沿って移動可能とされて
いる。小エアシリンダ18のピストンロッド20は、そ
の突出端(左端)側が基板10の前面に固定されたガイ
ド板22のガイド孔22aに遊嵌されており、その突出
端で第2移動部材2に連結固定されている。ピストンロ
ッド20には、シリンダ本体19とガイド板22のガイ
ド孔22aとの間に圧縮コイルバネ23が取り付けられ
ている。第1移動部材1および第2移動部材2は、駆動
源としての空圧源(図示略)からの駆動力で小エアシリ
ンダ18を作動させることで移動する。
【0027】基板10の後面側には大エアシリンダ24
が配されている。すなわち、大エアシリンダ24のシリ
ンダ本体25は取付部材27によりベース部材5に連結
固定されている。そして、シリンダ本体25は基板10
の後面から離れており、基板10に沿って移動可能とさ
れている。大エアシリンダ24のピストンロッド26
は、その突出端(右端)で細管移動部材28に連結固定
されている。細管移動部材28は第3スライドテーブル
29に取り付けられている。第3スライドテーブル29
は、ガイドレール11にまたがって左右方向へスライド
移動することができる。
【0028】30は試料吸引用細管であり、31は通気
用細管である。2本の細管30・31はいずれも、ステ
ンレス鋼製であって注射針状のものである。図3に示す
ように、これらの細管30・31の先端は斜めにそがれ
て鋭利な状態となっている。また、細管30・31の内
部通路は基端から先端側へ延びているが、先端に達する
ことなく先端寄りの側壁に開口している。30aおよび
31aはそれらの開口である。
【0029】2本の細管30・31は互いに平行に配さ
れて基端側で細管保持部材32に固定保持されている。
これらの細管30・31は、その長手軸が細管保持部材
32の長手軸と平行になるようにかつ細管保持部材32
に対して同じ高さになるように配されている。細管保持
部材32の前側壁には、細管30・31の基端30b・
31bが突出している。
【0030】図4に示すように、細管保持部材32に
は、細管30・31に対して垂直に貫通孔32aが形成
されている。この貫通孔32aには連結部材33が遊嵌
されている。連結部材33は、一端(下端)側に第1雄
ねじ部33aを有し、長さ中間箇所に前記貫通孔32a
よりも大径の第2雄ねじ部33bを有し、他端(上端)
側に第2雄ねじ部33bよりも小径の突出部33cを有
している。連結部材33の他端には、ねじ回し用の一字
穴を有する頭部33dが設けられている。
【0031】細管移動部材28は細管保持部材32の下
方に配されている。細管移動部材28は、連結部材33
の第1雄ねじ部33aにねじ合う雌ねじ部28aを有し
ており、連結部材33の第1雄ねじ部33aが雌ねじ部
28aにねじ合わされることにより細管保持部材32に
連結されている。細管移動部材28は、駆動源としての
空圧源(図示略)からの駆動力で大エアシリンダ24を
作動させて細管保持部材32をその長手軸方向に移動さ
せることで細管30・31を長手軸方向に移動させる。
【0032】第1移動部材1は洗浄槽を兼ねている。す
なわち、第1移動部材1には空洞部1aが形成されてお
り、また、細管30・31が移動するための細孔1c・
1dおよび空洞部1aへ洗浄液を供給するための口金1
eが形成されている。ベース部材5には洗浄液を排出さ
せるための排出口5aが設けられている。
【0033】次に、この試料吸引装置Dの基本的な動作
について説明する。試料としての血液の攪拌が済んだ試
料容器4は、基板10が前記ガイドレール傾斜状態にな
るように回動されることでキャップ3側が試料容器4の
底部よりも下方に位置するように傾けられる。そして、
第2移動部材2が右斜め下方へ移動して試料容器4の底
部に当接し、次いで第1移動部材1が左斜め上方へ移動
してキャップ3に当接する。これにより、試料容器4
は、第2移動部材2と第1移動部材1とに挟まれて、し
っかりと保持される。このとき、細管30・31は図4
に示す待機位置、すなわち先端が第1移動部材1の内部
(細孔1c・1d内)にありかつ細管保持部材32と第
1移動部材1との距離が最大である位置にある。
【0034】その後、細管保持部材32が第1移動部材
1の方へ移動することで、細管30・31が左斜め上方
へ移動してキャップ3を突き刺し、試料容器4内に入
る。このとき、細管30・31は図5に示す突刺位置、
すなわち先端が第1移動部材1の外部にありかつ細管保
持部材32と第1移動部材1との距離が最小である位置
にある。次いで、細管30の基端30bに接続された吸
引部材(図示略)が作動することで試料容器4内の血液
が細管30から吸引される。吸引された血液は定量部
(図示略)において定量される。
【0035】吸引が終わると、細管30・31を保持し
た細管保持部材32、第1移動部材1および第2移動部
材2がこれらの順で元の位置に戻る。すると、細管30
・31はキャップ3から抜けて、その先端が第1移動部
材1の細孔1c・1d内に位置する。次いで、細管30
・31に接続された洗浄液供給装置(図示略)から洗浄
液が細管30・31の内部に供給される。また、その洗
浄液供給装置から第1移動部材1の口金1eを経て空洞
部1aへも洗浄液が供給される。これらにより、細管3
0・31の内壁および外壁が洗浄される。洗浄後の廃液
は第1移動部材1が取り付けられたベース部材5の排出
口5aから排出される。
【0036】次に、小エアシリンダ18の動作について
説明する。ピストンロッド20がシリンダ本体19から
突出しきった状態では、図1および図2に示すように、
シリンダ本体19は圧縮コイルバネ23の付勢力により
押されて、基板10の前面に設けられたストッパ35に
当接した状態になっている。このとき、ガイド板22に
取り付けられたゴム製の緩衝板36と第2移動部材2と
の間はあいている。
【0037】ピストンロッド20がシリンダ本体19内
に一部没する場合、つまり緩衝板36と第2移動部材2
との間隔が狭くなる場合について考える。シリンダ本体
19およびベース部材5を図1および図2において左方
へ移動させるためには、圧縮コイルバネ23の付勢力に
抗して圧縮コイルバネ23を縮ませるための比較的大き
な力が必要である。これに対して、第2移動部材2を右
方へ移動させるためには、そのような比較的大きな力を
必要とせず、比較的小さい力で充分である。
【0038】このため、ピストンロッド20がシリンダ
本体19内に一部没するときには、まず負荷のより小さ
い方から動く。すなわち、シリンダ本体19がストッパ
35に当接したまま、ピストンロッド20および第2移
動部材2が右方へ移動し、第2移動部材2が緩衝板36
に当接する。ここで、第2移動部材2が試料容器4の底
部に当接する際、その底部が容器押さえ部材13の窪み
に嵌まり込むので、試料容器4の位置が少しずれていて
も正しい位置に矯正される。
【0039】次いで、負荷のより大きい方が動く。すな
わち、第2移動部材2が緩衝板36に当接したまま、ピ
ストンロッド20の没する力が圧縮コイルバネ23の付
勢力に打ち勝ち、シリンダ本体19およびベース部材5
が左方へ移動する。そして、第1移動部材1を試料容器
4のキャップ3に当接させて、試料容器4を第2移動部
材2と第1移動部材1との間に保持する。
【0040】逆に、ピストンロッド20が突出するとき
には、圧縮コイルバネ23の付勢力によりまずシリンダ
本体19が右方へ移動し、その後にピストンロッド20
が左方へ移動する。
【0041】図1および図2において37はメカニカル
バルブである。このメカニカルバルブ37にはスイッチ
37aが設けられている。メカニカルバルブ37は、細
管保持部材32に保持された細管30・31がキャップ
3から抜けて待機位置に来ると細管移動部材28により
スイッチ37aが押されてONとなり、細管30・31
が待機位置にあることを検知する。
【0042】この試料吸引装置Dにおいて、第1移動部
材1、細管30・31、細管保持部材32および連結部
材33から構成された部分は、交換可能な1つのカート
リッジユニットCとされている。
【0043】次に、このカートリッジユニットCの詳し
い構成について説明する。図1、図2および図4に示す
ように、第1移動部材1には延設部38が設けられてい
る。この延設部38は細管保持部材32側へ細管30・
31に沿って平行に延びている。延設部38は第1移動
部材1に一体に設けられている。すなわち、延設部38
はビス39により第1移動部材1に取り付けられた後、
ビス39の頭部におけるねじ回し用の一字穴に接着剤が
充填されており、ビス39をねじ回しでねじ外すことが
できないようになっている。
【0044】延設部38には、垂直な貫通状長孔40が
1つ設けられている。この長孔40は細管30・31に
沿って平行に延びている。長孔40は、第1移動部材1
に近い孔本体部40aと、この孔本体部40aの細管保
持部材32側の端に連なった雌ねじ部40bとからなっ
ている。
【0045】孔本体部40aの幅は、細管保持部材32
の移動の際に連結部材33の突出部33cの移動を可能
にするとともに連結部材33の第2雄ねじ部33bの移
動を不可能にする寸法にされている。雌ねじ部40b
は、前記待機位置において連結部材33の第1雄ねじ部
33aを細管移動部材28の雌ねじ部28aからねじ外
す際にのみ、第1雄ねじ部33aを細管保持部材32の
貫通孔32a内に位置させた状態で前記第2雄ねじ部3
3bにねじ合う。このねじ合いによって、細管保持部材
32の移動が阻止され、細管30・31は待機位置にロ
ックされる。
【0046】このようにロックされた状態でカートリッ
ジユニットCを取り外しても、細管30・31の先端に
より怪我をするおそれがない。すなわち、図6に示すよ
うに、ビス6・7をねじ回しでゆるめて第1移動部材1
をその取付箇所であるベース部材5から取り外しかつ連
結部材33の第1雄ねじ部33aを細管移動部材28の
雌ねじ部28aからねじ外しても、細管30・31の先
端により怪我をするおそれがない。なぜなら、第1移動
部材1と細管保持部材32とは、細管30・31の先端
を第1移動部材1の内部(細孔1c・1d内)に位置さ
せたまま一体化されているからである。
【0047】したがって、この試料吸引装置Dによれ
ば、細管30・31の先端により怪我をするおそれなく
旧いカートリッジユニットCを取り外して新たなカート
リッジユニットCを取り付けることで、細管30・31
の交換を安全に行うことが可能になる。
【0048】試料吸引装置Dには、図7および図8に示
すようなロック機構Lがさらに設けられている。そのロ
ック機構Lは、図2に示すように、基板10に前方張出
状に取り付けられた保持板41に保持された可動部材4
2と、細管移動部材28の前部に設けられた係合部28
bとを備えている。可動部材42は、駆動源としての空
圧源(図示略)がOFFのときには図7に示すロック位
置をとり、空圧源がONのときにはロック位置から基板
10側へ突出した図8に示すロック解除位置をとる。係
合部28bは、細管移動部材28の前部に円形貫通孔が
開けられ、さらに細管移動部材28の前縁が同貫通孔ま
で一部切り欠かれてなるものである。係合部28bは、
可動部材42にロック状態およびロック解除状態に係合
する。
【0049】より詳しく説明すると、ロック機構Lは、
空圧源がONのときには可動部材42と係合部28bと
がロック解除状態に係合して細管保持部材32の往復移
動を許容する(図8)。そして、空圧源がOFFのとき
には可動部材42と係合部28bとがロック状態に係合
して細管保持部材32の第1移動部材1側への移動を阻
止することで細管30・31を待機位置にロックする
(図7)。
【0050】したがって、この試料吸引装置Dによれ
ば、空圧源がOFFになって空圧源に連結された細管駆
動機構(細管移動部材28)が動作フリーになった場合
であっても、細管30・31はその先端が第1移動部材
1の内部(細孔1c・1d内)に位置したまま第1移動
部材1側への移動を阻止されているため、操作者が自力
で第1移動部材1から細管30・31の先端を突出させ
ることはできず、怪我をするおそれを防止することが可
能になる。
【0051】
【発明の効果】この発明に係る試料吸引装置は、上記の
ように構成されているので、次のような顕著な効果を奏
する。
【0052】すなわち、請求項1記載の試料吸引装置に
あっては、細管がその待機位置にロックされた状態で、
第1移動部材を取付箇所から取り外しかつ連結部材の第
1雄ねじ部を細管移動部材の雌ねじ部からねじ外して
も、第1移動部材と細管保持部材とが細管の先端を第1
移動部材の内部に位置させたまま一体化されるようにな
っている。したがって、延設部の設けられた第1移動部
材、細管、細管保持部材および連結部材を1つのユニッ
トとして構成しておけば、細管の先端により怪我をする
おそれなく旧い同ユニットを取り外して新たな同ユニッ
トを取り付けることで、細管の交換を安全に行うことが
可能になる。
【0053】請求項2記載の試料吸引装置にあっては、
駆動源がONのときには可動部材と係合部とがロック解
除状態に係合して細管保持部材の往復移動を許容し、駆
動源がOFFのときには可動部材と係合部とがロック状
態に係合して細管保持部材の第1移動部材側への移動を
阻止することで細管を待機位置にロックするロック機構
がさらに備わっている。したがって、請求項1記載の試
料吸引装置における前記効果に加えて、駆動源がOFF
になって駆動源に連結された細管駆動機構が動作フリー
になった場合であっても、細管はその先端が第1移動部
材の内部に位置したまま第1移動部材側への移動を阻止
されているため、操作者が自力で第1移動部材から細管
の先端を突出させることはできず、怪我をするおそれを
防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例に係る試料吸引装置を正面
から見た構成説明図。
【図2】その試料吸引装置を平面から見た構成説明図。
【図3】その試料吸引装置の構成部材である細管の部分
構成説明図。
【図4】その試料吸引装置の構成部材であるカートリッ
ジユニットにおける、細管の待機位置を説明する構成説
明図。
【図5】その試料吸引装置の構成部材であるカートリッ
ジユニットにおける、細管の突刺位置を説明する構成説
明図。
【図6】その試料吸引装置の構成部材であるカートリッ
ジユニットを取り外したときの細管の位置を説明する構
成説明図。
【図7】その試料吸引装置の構成部材であるロック機構
におけるロック状態を説明する部分構成説明図。
【図8】その試料吸引装置の構成部材であるロック機構
におけるロック解除状態を説明する部分構成説明図。
【符号の説明】
1 第1移動部材 2 第2移動部材 3 キャップ 4 試料容器 28 細管移動部材 28a 雌ねじ部 28b 係合部 30 試料吸引用細管 31 通気用細管 32 細管保持部材 32a 貫通孔 33 連結部材 33a 第1雄ねじ部材 33b 第2雄ねじ部材 33c 突出部 38 延設部 40 長孔 40a 孔本体部 40b 雌ねじ部 42 可動部材 C カートリッジユニット L ロック機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−70357(JP,U) 実開 平4−41662(JP,U) 実開 昭54−43382(JP,U) 特表 平5−509170(JP,A) 特表 平7−505716(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10 G01N 1/00 - 1/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料が入れられキャップにより密封され
    た試料容器を、そのキャップ側に位置し試料容器の長手
    方向へ移動可能にかつ取り外し可能に設けられた第1移
    動部材と、試料容器を介して第1移動部材の反対側に位
    置し前記方向へ移動可能に設けられた第2移動部材とで
    挟んで保持し、第1移動部材を貫通して前記方向へ移動
    可能に設けられた試料吸引用細管を試料容器のキャップ
    に突き刺して同容器内の試料を細管で吸引する試料吸引
    装置であって、 前記方向に対し略垂直に設けられた貫通孔を有し細管を
    基端側で保持する細管保持部材と、この細管保持部材の
    貫通孔に遊嵌され、一端側に第1雄ねじ部を有し、長さ
    中間箇所に前記貫通孔よりも大径の第2雄ねじ部を有
    し、他端側に第2雄ねじ部よりも小径の突出部を有する
    連結部材と、この連結部材の第1雄ねじ部にねじ合う雌
    ねじ部を有しそれらのねじ合わせにより細管保持部材に
    連結されて駆動源からの駆動力で細管を移動させる細管
    移動部材と、第1移動部材に設けられかつ細管保持部材
    側へ細管に沿って延びる延設部とを備え、 細管は、細管移動部材に連結された細管保持部材の移動
    により、先端が第1移動部材の内部にありかつ細管保持
    部材と第1移動部材との距離が最大である待機位置と、
    先端が第1移動部材の外部にありかつ細管保持部材と第
    1移動部材との距離が最小である突刺位置との間を移動
    することが可能であり、 前記延設部に、細管に沿って延びかつ前記方向に対し略
    垂直な貫通状長孔が設けられ、 この長孔が、細管保持部材の移動の際に連結部材の突出
    部の移動を可能にする孔本体部と、この孔本体部の細管
    保持部材側の端に連なりかつ前記待機位置において前記
    第1雄ねじ部を前記雌ねじ部からねじ外す際にのみ第1
    雄ねじ部を細管保持部材の貫通孔内に位置させた状態で
    前記第2雄ねじ部にねじ合い、それによって細管保持部
    材の移動を阻止して細管を待機位置にロックする雌ねじ
    部とからなっている試料吸引装置。
  2. 【請求項2】駆動源がOFFのときにはロック位置をと
    り駆動源がONのときにはロック位置から突出したロッ
    ク解除位置をとる可動部材と、前記細管移動部材に設け
    られ可動部材にロック状態およびロック解除状態に係合
    する係合部とを備え、駆動源がONのときには可動部材
    と係合部とがロック解除状態に係合して細管保持部材の
    往復移動を許容し、駆動源がOFFのときには可動部材
    と係合部とがロック状態に係合して細管保持部材の第1
    移動部材側への移動を阻止することで細管を待機位置に
    ロックするロック機構がさらに設けられている請求項1
    記載の試料吸引装置。
JP14984794A 1994-06-30 1994-06-30 試料吸引装置 Expired - Fee Related JP3366113B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14984794A JP3366113B2 (ja) 1994-06-30 1994-06-30 試料吸引装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14984794A JP3366113B2 (ja) 1994-06-30 1994-06-30 試料吸引装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0815279A JPH0815279A (ja) 1996-01-19
JP3366113B2 true JP3366113B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=15483958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14984794A Expired - Fee Related JP3366113B2 (ja) 1994-06-30 1994-06-30 試料吸引装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3366113B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3687019B2 (ja) * 1996-10-16 2005-08-24 アークレイ株式会社 サンプリング装置
US8992856B2 (en) 2008-07-14 2015-03-31 Koninklijke Philips N.V. Device for use in molecular diagnostics testing
JP7305846B2 (ja) * 2018-03-30 2023-07-10 アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッド ポイント・オブ・ケア診断システム及びその容器
CN113607505B (zh) * 2021-08-24 2023-06-23 鲁东大学 一种医学空气中病毒检测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0815279A (ja) 1996-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11382608B2 (en) Disposable biopsy unit
US8206318B2 (en) Blood test apparatus
WO2004010871A1 (ja) 穿刺用ユニット、穿刺用部材の取り外し具および穿刺装置
US6019004A (en) Detachable pipette barrel
KR20020087411A (ko) 복귀 스프링이 없는 인체공학적 수동 공기 변위 피펫
JP3366113B2 (ja) 試料吸引装置
US20080208235A1 (en) Tattoo Machine Tip
JP2000140655A (ja) 吸引装置の先端具
US11253143B2 (en) Endoscope reprocessor
US6482361B1 (en) Suction Device
WO1998017198A1 (en) Dental spray syringe with disposable nozzle assembly
JP3660211B2 (ja) 試料吸引装置
US4361253A (en) Liquid transfer device
US5507193A (en) Pipette device
CN219763464U (zh) 一种骨环取出器
US20210038206A1 (en) Ergonomic multi-part quick release disposable base for medical instruments
US20210039244A1 (en) Ergonomic quick release plastic disposable base for medical instruments
CN109480973B (zh) 穿刺针夹装装置
JP4122478B2 (ja) 分注装置
CN221014029U (zh) 一种耗材盒安装底座、耗材盒以及废弃物收集设备
CN220759295U (zh) 一种移液器
JPH11248715A (ja) 分注ヘッドおよび分注チップ
CN218139934U (zh) 一种微孔通针器
JP3512515B2 (ja) 液体分注装置
JPS6315818Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees