JP3364652B2 - 歩行型管理機の走行装置 - Google Patents

歩行型管理機の走行装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農作業に用いる歩行
型管理機に関し、より詳しくは、機体下方に装着のクロ
ーラ走行装置により、機体を確実に牽引することができ
る歩行型管理機の走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明出願人は特願平11−26398
2号において、クローラ走行装置を有する歩行型管理機
に関する出願をしている。該出願は、走行装置を幅広の
クローラベルトにより形成することで該走行装置の接地
面積を拡張し、牽引力を向上すると共に、該クローラ走
行装置の接地面を前進方向に向けて所定角度上向きに傾
斜して取付けたことを特徴とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】該構成の歩行型管理機
においては、前進方向に上向き傾斜の接地面にて走行路
面を確実に踏込みながら走行し、優れた走破性を発揮す
るものであるが、走行路面の状態や機体の使用状態次第
で以下の如き問題が発生する場合がある。即ち、走行路
面が硬盤状である場合、走行装置がほとんど路面に喰込
むことがない為、前進方向に上向き傾斜した接地面はそ
の後端の一部分しか接地せず、十分な接地面積を得られ
ずに牽引力が不足するといった問題が発生する。又、歩
行型管理機においては、ハンドル杆の向きを機体の前方
向へ変更し、機体を逆走させながら作業を行う場合(以
下ハンドルフルターン作業という)があるが、この時走
行装置の接地面は機体進行方向に対して逆方向に上向き
傾斜した状態となる為、走破性が低下するといった問題
が発生する。そこで、本発明においては簡単な構成で上
記の問題を解決し、走行路面や機体の使用状態に関わら
ず十分な牽引力及び走破性を発揮することができる歩行
型管理機の走行装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】機体中央のギヤケース1
から下方に向けて延設した走行伝動ケース2下端部に
動スプロケット25を軸支し、該伝動ケース2に取着の
トラックフレーム29に複数の転輪26,26を軸架し
これら転輪26,26と駆動スプロケット25とに亘っ
てクローラベルト28を巻回して機体中央位置に単一の
クローラ走行装置3を装着し、該クローラ走行装置3の
後方にギヤケース1から延設する伝動ケース7を介して
ロータリ4を連結固着するとともに、機体上部からは機
体の操縦操作を行うハンドル杆5を延設してなる歩行型
管理機において、上記クローラ走行装置3のトラックフ
レーム29を駆動軸31を中心に前後方向に回動させ該
トラックフレーム29と伝動ケース2の相対位置を調節
固定することによって、耕耘作業時における該クローラ
走行装置3の接地面Xの上向き傾斜角θを変更可能に構
成した。又、前記クローラ走行装置3の接地面Xを、機
体の前進及び後進作業時において夫々前進方向A及び
進方向Bに対して上向き傾斜可能に角度θの変更範囲を
設定した。
【0005】
【発明の作用】本発明の歩行型管理機においては、クロ
ーラ走行装置3の接地面Xの上向き傾斜角θを変更可能
に構成したものであるから、走行路面Yや機体の使用状
態にあわせて該接地面Xの傾斜角θを調節し、常時十分
な牽引力及び走破性を得ることができる。
【0006】
【発明の効果】即ち、通常は図1に示す如く、クローラ
走行装置3をその接地面Xが前進方向Aに上向き傾斜θ
すべく装着することで図3に示す如く該接地面Xを前進
方向Aへ傾斜θさせた状態で走行移動し、走行路面Yを
確実にクローラ走行装置3下に踏込んで十分な牽引力及
び走破性を得ることができる。走行路面Yが硬盤状であ
る場合は、図2に示す如く該クローラ走行装置3をその
接地面Xが後方上方へ傾斜θすべく装着する。そして、
作業時に後方のロータリ4を路面に押圧すると、図4に
示す如く機体全体が後傾し、上記クローラ走行装置3の
接地面X全面が接地して十分な牽引力を発揮して走行す
ることができる。ハンドルフルターン作業を行う場合
も、図2に示す如く該クローラ走行装置3をその接地面
Xが後方上方へ傾斜θすべく装着することで、図5に示
す如く該接地面Xを進行方向Bへ上向き傾斜θさせた状
態で走行移動し、走行路面Yを確実にクローラ走行装置
3下に踏込んで十分な牽引力及び走破性を得ることがで
きるのである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明の走行装置を有する歩行型
管理機は、機体中央に設けたギヤケース1前方の原動機
6からの動力を下方の走行装置3及びロータリ4に伝動
し、走行及び農作業を行う。走行装置3はギヤケース1
から下方前方へ延設の走行伝動ケース2下端部に取付け
ており、又、ロータリ4をギヤケース1から下方後方へ
延設のロータリ伝動ケース7下端部に取付けて、該走行
装置3とロータリ4が機体左右中央で前後に配列される
べく構成している。ロータリ4上方で、ギヤケース1か
ら後方に延設の取付枠8には機体上方への土の飛散を防
止するロータリカバー9を取付けており、該ロータリカ
バー9前端に、前方への土の飛散を防止するフロントカ
バー16を取付けている。
【0008】10はロータリ4の土掻き深さを調節する
抵抗杆であり、上記取付枠8から下方へ向けて延設して
いる。ギヤケース1の上部には後方上方へ向けてハンド
ル杆5を立設しており、機体後方を歩く作業者が該ハン
ドル杆5の後端部を持った状態で操縦操作を行えるよう
にしている。11,11は該ハンドル杆5後端に取着の
グリップ、12はロータリ4への動力を断続する指クラ
ッチレバー、13はスタンド14の回動操作を行うスタ
ンドレバー、15は走行速度を切換える変速レバー、1
6はギヤケース1への動力を断続する主クラッチレバー
であり、該それぞれのレバー12,13,15,16を
ハンドル杆5後端のグリップ11,11近辺に設けて、
作業時の操縦操作に便利なようにしている。ハンドル杆
5は、ギヤケース1を中心として平面視放射状に延設し
た二本のパイプ杆で構成しており、その前後中間部で連
結杆17により該左右のパイプ杆を連結補強している。
【0009】18は該連結杆17中央に配置の安全スイ
ッチであり、該スイッチ18を押すことで原動機6の駆
動を停止させる。ギヤケース1前方には、原動機6取付
用の取付台19を形成しており、該取付台19上に搭載
の原動機6と前記ギヤケース1をベルトによって連結す
ることで動力伝動可能にしている。20は該ベルトによ
る動力伝動部を覆う伝動カバー、21は該原動機6の上
面を覆う原動機カバーである。ギヤケース1の左右片側
にはロータリ4の回転速度及び回転方向を操作するロー
タリレバー22を設けており、もう片側には走行速度及
び前後進方向を操作する走行操作レバー23を設けてい
る。機体前端には平面視門型状のバンパフレーム24を
取着しており、機体正面から衝突する障害物から機体を
保護する。
【0010】走行装置3は、走行伝動ケース2下端部に
て伝動力を受ける駆動スプロケット25と、接地側に位
置する二つの接地転輪26,26と、該二つの接地転輪
26,26よりも上方前方位置に取付けた上部転輪27
にクローラベルト28を巻掛けてクローラ走行装置3に
構成しており、該二つの接地転輪26,26によりその
下面に幅広の接地面Xを形成し、確実に機体を牽引して
走行する。上記三つの転輪26,26,27を支持する
トラックフレーム29は、該フレーム29上部に固着の
取付板30を走行伝動ケース2から突設の駆動軸31で
嵌通することで、該軸31を中心に前後に揺動自在に構
成しており、該取付板30と走行伝動ケース2を固定ボ
ルト32,32によって固定することで該揺動を固定す
る。
【0011】走行伝動ケース2には、図1,2に示す如
く複数の固定穴33,33を形成しており、該固定穴3
3,33を適宜選択して上記固定ボルト32,32を嵌
入することで、クローラ走行装置3を所定角度θに傾斜
固定する。以上の構成の歩行型管理機を用いて田畑の耕
耘、土上げ、畝立て等の農作業を行うには、機体下方に
形成したクローラ走行装置3により機体を牽引しなが
ら、後方のロータリ4で土を掻いていく。走行路面Yが
軟弱でクローラ走行装置3が該走行路面Yに十分喰込む
時は、図1に示す如く該クローラ走行装置3をその接地
面Xが前進方向Aに上向き傾斜θすべく装着する。この
時クローラ走行装置3は、図3に示す如く接地面Xを前
進方向Aへ傾斜θさせた状態で走行移動することになる
為、機体は作業場である走行路面Yを確実にクローラ走
行装置3下に踏込んで十分な牽引力及び走破性を発揮す
ることができる。走行路面Yが硬盤状でクローラ走行装
置3がほとんど該走行路面Yに喰込まない時は、図2に
示す如く該クローラ走行装置3をその接地面Xが後方上
方へ傾斜θすべく装着する。この時、作業者が後方のロ
ータリ4を路面Yに押圧して作業を行うと、該ロータリ
4が路面Yを耕耘し、図4に示す如く機体全体が後傾
し、上記クローラ走行装置3の接地面X全面が接地して
十分な牽引力を発揮することができる。
【0012】ハンドルフルターン作業を行う時も、図2
に示す如く該クローラ走行装置3をその接地面Xが後方
上方へ傾斜θすべく装着する。この時クローラ走行装置
3は、ロータリ4によって耕耘された柔かい路面Y上を
走行することになり、該クローラ走行装置3が路面Yに
喰込むことになるが、該クローラ走行装置3は、図5に
示す如く接地面Xを進行方向Bへ上向き傾斜θさせた状
態で走行移動することになる為、機体は作業場である走
行路面Yを確実にクローラ走行装置3下に踏込んで十分
な牽引力及び走破性を発揮することができる。
【0013】又、該ハンドルフルターン作業において
は、ロータリ4を路面Yに押圧すべく作業者がハンドル
杆5を持上げながら行う必要があるのだが、この時機体
は、上記クローラ走行装置3の接地面Xの傾斜θにより
自重でロータリ4を路面Yに押圧すべく傾くので、作業
者がハンドル杆5を持上げる力を軽減することができる
のである。又、請求項の範囲の項に図面との対象と便利
にする為に番号を記すが、この記入により本発明は添付
図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のクローラ走行装置の側面図。
【図2】本発明実施形態のクローラ走行装置の側面図。
【図3】作業状態を示す全体側面図。
【図4】強硬路面上での作業状態を示す全体側面図。
【図5】ハンドルフルターン作業状態を示す全体側面
図。
【図6】全体平面図。
【符号の説明】
1 ギヤケース 2 走行伝動ケース 3 クローラ走行装置 4 ロータリ 5 ハンドル杆 A 進行方向 B 進行方向 X 接地面 Y 走行路面 θ 傾斜角
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01B 33/00 - 33/08 B62D 51/06 B62D 55/07 B62D 55/10 B62D 55/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機体中央のギヤケース(1)から下方に向
    けて延設した走行伝動ケース(2)下端部に駆動スプロ
    ケット(25)を軸支し、該伝動ケース(2)に取着の
    トラックフレーム(29)に複数の転輪(26),(2
    6)を軸架しこれら転輪(26),(26)と駆動スプ
    ロケット(25)とに亘ってクローラベルト(28)を
    巻回して機体中央位置に単一のクローラ走行装置(3)
    を装着し、該クローラ走行装置(3)の後方にギヤケー
    ス(1)から延設する伝動ケース(7)を介してロータ
    リ(4)を連結固着するとともに、機体上部からは機体
    の操縦操作を行うハンドル杆(5)を延設してなる歩行
    型管理機において、上記クローラ走行装置(3)のトラ
    ックフレーム(29)を駆動軸(31)を中心に前後方
    向に回動させ該トラックフレーム(29)と伝動ケース
    (2)の相対位置を調節固定することによって、耕耘作
    業時における該クローラ走行装置(3)の接地面(X)
    の上向き傾斜角(θ)を変更可能に構成してなる歩行型
    管理機の走行装置。
  2. 【請求項2】前記クローラ走行装置(3)の接地面
    (X)を、機体の前進及び後進作業時において夫々前進
    方向(A)及び後進方向(B)に対して上向き傾斜可能
    に角度(θ)の変更範囲を設定してなる請求項1に記載
    の歩行型管理機の走行装置。
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