JP3364126B2 - 樹脂シート搬送装置 - Google Patents

樹脂シート搬送装置

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JP3364126B2 JP23843097A JP23843097A JP3364126B2 JP 3364126 B2 JP3364126 B2 JP 3364126B2 JP 23843097 A JP23843097 A JP 23843097A JP 23843097 A JP23843097 A JP 23843097A JP 3364126 B2 JP3364126 B2 JP 3364126B2
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C51/00Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor
    • B29C51/26Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C51/261Handling means, e.g. transfer means, feeding means
    • B29C51/262Clamping means for the sheets, e.g. clamping frames

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の成形天井
等の製造に使用される矩形の樹脂シートを加熱炉やプレ
ス機等に搬送する樹脂シート搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の成形天井は、樹脂の基材と表皮
を重ねて所定形状にプレス成形して製造され、その製造
設備例を図5乃至図7を参照して説明する。図5は製造
設備の概要を示す平面図で、矩形の基材1が品種別の基
材ストック部21、22のいずれかから基材供給部23
に図6に示すようなフィーダ24で移送されて、工程間
ワーク搬送用コンベア25の片端の基材セット部26に
移載される。コンベア25は平行な2条のチェーンコン
ベアで、矩形の基材1の両端の周縁部をコンベア25に
突設されたピン27に突き刺すことで、基材1がコンベ
ア25に水平に支持される。コンベア25に支持された
基材1は、予備加熱炉28と本加熱炉29に搬送されて
プレス成形のための加熱軟化処理が行われた後、プレス
機30に搬送される。一方、表皮2が品種別の表皮スト
ック部41、42のいずれかから表皮供給部43に図7
に示すようなフィーダ44で取出されると、後述する適
当な搬送装置で加熱炉45に送られ、ここで遠赤外線加
熱等されてからプレス機30に搬送される。
【0003】プレス機30は、上下動する下プレス金型
31及び上プレス金型32と、これらを上下駆動させる
シリンダ33、34を備える。上下プレス金型31、3
2の中間位置にコンベア25に支持された基材1と、こ
の基材1の真上に適当な搬送装置に保持された表皮2が
搬入されて位置決めされると、上下プレス金型31、3
2が相互に接近する方向に上下動して基材1と表皮2を
重ねてプレス成形する。プレス成形された基材1と表皮
2で2層構造となった樹脂成形品は冷却された後、トリ
ミングプレスされて周縁の不要部分が除去されて製品化
される。
【0004】基材1は、自動車の成形天井の剛性を確保
するもので、表皮2に比べ高剛性であることから、これ
の各製造工程間の搬送はコンベア25を使用した簡単な
構造の搬送装置で良好に行える。一方、表皮2は、成形
天井の外観を決める薄いレーザー調のTPOシート等で
あり、これを皺少なくして各製造工程間を搬送するため
には特別な工夫が必要である。この表皮2のような薄い
樹脂シートの搬送方式として図8に示すコンベア搬送方
式と、図9に示す枠搬送方式がある。
【0005】図8のコンベア搬送方式は、基材1を搬送
するコンベア25と同様なコンベア50を使用したもの
で、矩形の表皮2の両端の周縁部をコンベア50のピン
51に突き刺して加熱炉45とプレス機30に搬送す
る。図9の枠搬送方式は、矩形の表皮2より少しサイズ
の大きい矩形の搬送枠60で表皮2の4辺の周縁部を支
持して、搬送枠60と共に表皮2を加熱炉45とプレス
機30に搬送する。矩形の搬送枠60の4辺の枠部分に
は表皮2を脱着可能に支持する係止手段、例えば図9に
示すような上下開閉式のクランパー61が設置される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図8のコンベア搬送方
式の樹脂シート搬送装置は、構造が簡単で設備投資的な
有利さがあるが、矩形の表皮2の2辺の両端部しかコン
ベア50で支持しないため、コンベア50で支持されな
い2辺が少し垂れ下がる。この垂れ下りは加熱炉45で
の加熱により徐々に増大し、表皮2の垂れて湾曲した中
央部がプレス機30でプレスされるときに成形皺等が発
生し易く、プレス成形製品の歩留まりが悪くなる。ま
た、表皮2の原形サイズをプレスされる中央部のサイズ
より十分に大き目に設定して、表皮2のプレス成形され
る中央部での垂れ下り量を小さくしてプレス成形製品の
歩留まりを上げることも可能であるが、表皮2の原形サ
イズを大きくして製品の歩留まりを上げるほど、表皮2
のプレス成形されない周辺部の面積が大きくなって材料
歩留まりが悪くなり、プレス成形品の材料費が増大する
不具合があった。また、プレス機30で表皮2をプレス
成形する際に、上下プレス金型31、32のいずれかに
表皮2の周縁部を押さえて弛みを少しでも少なくする弛
み防止用突起物を設置することも行われているが、これ
では金型が複雑化してプレス機が高価となる。
【0007】また、図9の枠搬送方式の樹脂シート搬送
装置の場合は、矩形の表皮2の4辺が搬送枠60で支持
されているので、加熱やプレス時での表皮2の垂れ下り
が少なくなり、プレス成形製品の歩留まりが向上する。
しかし、表皮供給部43や加熱炉45の加熱工程、プレ
ス機30のプレス工程の各工程毎に搬送枠60が必要
で、樹脂シート搬送設備に多数の樹脂枠60を用意して
おく必要があること、及び、プレス工程でプレス完了し
た後、搬送枠60から表皮2が外されて搬送枠60が表
皮供給部43へと戻されるが、この搬送枠戻しのための
別のコンベア等の枠搬送装置とこれを設置する空間スペ
ースが必要となることから、樹脂シート搬送設備全体が
大型で複雑となり、設備投資費が多大となる問題があっ
た。また、搬送枠60はサイズの異なる複数品種の表皮
2に対応させて、サイズの異なる複数品種のものを用意
する必要があり、また、表皮品種切換え時に搬送枠の品
種切換えも行う必要があって、表皮品種切換えに多くの
労力と時間を要した。
【0008】本発明の目的は、上記表皮のような樹脂シ
ートを加熱工程やプレス工程等に搬送する用途に適した
構造簡単で設備投資的有利な樹脂シート搬送装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、略水平な矩形
の樹脂シートの周縁部を矩形の搬送枠で保持して、樹脂
シートを搬送枠と共に水平方向に搬送する搬送装置で、
搬送枠を次の構造にすることで、上記目的を達成するも
のである。即ち、搬送枠は、樹脂シートの1辺の周縁部
を脱着可能に支持する第1のシート辺クランプ手段を有
する本体枠部と、この本体枠部の両端から直交方向に延
在する同一長さで、かつ、全長が多段階に伸縮調整可能
な一対の伸縮枠部と、この伸縮枠部の先端に水平方向に
開閉可能に連結され、一対の伸縮枠部の各先端を結ぶ線
上に在る閉じ位置において樹脂シートの本体枠部で支持
される1辺周縁部と反対の1辺の周縁部を脱着可能に支
持する第2のシート辺クランプ手段を有する開閉枠部と
を備える。この搬送枠においては、樹脂シートの幅に対
応させた間隔で対向させた本体枠部と閉じ位置の開閉枠
部の各シート辺クランプ手段で樹脂シートの幅方向両端
の周縁部を支持すると共に、本体枠部と開閉枠部で樹脂
シートを幅方向に伸張させた状態で樹脂シート搬送を行
い、必要に応じて閉じ位置の開閉枠部を開いて搬送枠を
樹脂シートから離脱させるように使用される。
【0010】ここで、搬送枠の本体枠部と開閉枠部で樹
脂シートを幅方向に伸張させて樹脂シート搬送を行うこ
とで、水平な樹脂シートの両端部が本体枠部と開閉枠部
で反対方向に引っ張られて水平に保たれ、このような水
平に伸張された状態にある樹脂シートは加熱しても垂れ
量が少なくなり、また、水平な樹脂シートの中央部を上
下プレス金型でプレス成形すれば成形皺のない良好なプ
レス成形が行われる。また、搬送枠の本体枠部と開閉枠
部の間隔を樹脂シートの幅に対応させて調整可能とする
ことで、サイズの異なる複数品種の樹脂シートに1つの
搬送枠が共用される。
【0011】また、本発明においては、上記搬送枠で支
持された樹脂シートの周縁部を除く中央部を上下のプレ
ス金型でプレス成形するときに、搬送枠の開閉枠部を開
いてプレス成形されている樹脂シートから搬送枠を離脱
させる。このように搬送枠を使用した樹脂シート搬送装
置の場合、搬送枠をプレス工程にプレス完了時まで置か
ずにプレス工程の位置から別の位置に引き戻して次の樹
脂シートをセットするといった使用法が可能となり、樹
脂シート搬送経路に在る複数の工程間で使用する搬送枠
の数を可及的に少なくすることが可能となる。
【0012】また、本発明においては、上記搬送枠に、
伸縮枠部を伸縮させて本体枠部と閉じ位置の開閉枠部に
互いに接近離反させる枠伸縮駆動源と、開閉枠部を閉じ
位置と伸縮枠部の延長線に沿う開成位置の間で往復回転
させる枠開閉駆動源を付設することが、搬送枠自体を多
機能化して汎用性を高くする上で望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に示される実施形態の樹脂シ
ート搬送装置は、水平なガイドレール3に両側が支持さ
れた水平な搬送枠4を備える。この樹脂シート搬送装置
を、例えば図5の表皮2を表皮供給部43から加熱炉4
5、プレス機30へと水平搬送する表皮搬送装置に適用
して、その具体的構造を説明する。
【0014】図1の搬送枠4の平常時の形状は矩形で、
必要に応じてコ字状に変形する。搬送枠4は矩形の状態
で、図2乃至図4に示すように矩形の樹脂シートである
表皮2の幅方向の2周縁部を保持して、表皮2をその幅
方向に水平搬送する。自動車の成形天井に使用される表
皮2は、幅方向が短辺で長さ方向が長辺の長方形である
ことから、矩形状態の搬送枠4は図1上下方向が長辺で
左右方向が短辺な長方形で構成される。
【0015】搬送枠4は、表皮2の長辺より少し長い直
線枠の本体枠部5と、本体枠部5の両端から表皮幅方向
に延在する同一長さで、かつ、全長が多段階に伸縮調整
可能な一対の伸縮枠部6と、この各伸縮枠部6の先端に
水平方向に開閉可能に連結された一対の開閉枠部7を備
える。本体枠部5に表皮2の長辺の1周縁部を脱着可能
に支持する第1のシート辺クランプ手段、例えば上下開
閉式の第1クランパー8が設置され、各開閉枠部7に表
皮2の他の長辺の1周縁部を脱着可能に支持する第2の
シート辺クランプ手段の上下開閉式第2クランパー9が
設置される。
【0016】本体枠部5は、その両端部が一対のガイド
レール3に摺動可能に連結されて水平に支持され、この
本体枠部5に第1クランパー8を上下(図1紙面に垂直
方向)に略90゜の角度範囲で開閉駆動するクランプ開
閉シリンダ10が設置される。一対の開閉枠部7は、本
体枠部5の長さの約半分の長さを有する直線枠で、図1
実線に示す閉じ位置と図1鎖線に示す開成位置の間で開
閉駆動する。各開閉枠部7の閉じ位置は、一対の伸縮枠
部6の先端を結ぶ線上に各開閉枠部7が一直線に並ぶ位
置であり、このとき各開閉枠部7は本体枠部5と平行に
対向する。各開閉枠部7の開成位置は、各開閉枠部7が
対応する伸縮枠部6の延長線上に在るときの位置であ
る。各開閉枠部7上に第2クランパー9が上下開閉可能
に設置され、この第2クランパー9は各開閉枠部7に固
定されたクランプ開閉シリンダ11で上下(図1紙面に
垂直方向)に90゜の角度範囲で開閉駆動する。
【0017】一対の各伸縮枠部6は、本体枠部5の両端
から一体に延在する第1枠体6aと、開閉枠部7の基端
部を回転可能に支持する第2枠体6bを備える。各枠体
6a、6bはガイドレール3に摺動可能に支持され、こ
の一対の枠体6a、6bがガイドレール3にガイドされ
て接近離反することで伸縮枠部6の伸縮が行われる。一
対の伸縮枠部6は、同時に同方向同速で伸縮して図1の
実線と鎖線で示すように本体枠部5と閉じ位置の開閉枠
部7の間隔W1 を多段階に可変調整する。
【0018】搬送枠4には、伸縮枠部6を伸縮させる枠
伸縮駆動源12と、開閉枠部7を開閉させる枠開閉駆動
源13が付設される。枠開閉駆動源13は、例えば伸縮
枠部6の第2枠体6b上に固定された枠開閉シリンダ1
3である。枠伸縮駆動源12は、例えば伸縮枠部6の各
枠体6a、6bを貫通するボールネジ14を正逆回転さ
せる枠伸縮モータ12である。枠伸縮モータ12は、本
体枠部5と平行で一体化された支持枠15の中央部上に
固定される。支持枠15に平行に設置された回転シャフ
ト16を枠伸縮モータ12で正逆回転させ、この回転力
を傘歯車17を介してボールネジ14に伝達する。ボー
ルネジ14の両端部のネジは逆方向になっており、この
両端部に螺装された各枠体6a、6bは、ボールネジ1
4を正回転させることで図1鎖線で示すように互いに接
近する方向に同時移動し、ボールネジ14を逆回転させ
ることで互いに離反する方向に同時移動する。
【0019】搬送枠4は、ガイドレール3にガイドされ
て図1右の前進方向と図1左の後退方向に往復移動す
る。この搬送枠4の往復移動の駆動源は任意で、例えば
ガイドレール3に沿って設置されたチェーンコンベア
(図示せず)のチェーンで行うか、或いは、ガイドレー
ル3側に図示しないラックギヤを設置し、搬送枠4側に
ピニオンギヤとこれを正逆回転させる駆動モータを搭載
して、ラックギヤに噛合させたピニオンギヤを駆動モー
タで正逆回転させることで搬送枠4を前後に自走させ
る。
【0020】以上の搬送枠4による表皮2の搬送形態例
を、図2乃至図4に基づき説明する。搬送枠4が図5の
表皮供給部43に在るとき、開閉枠部7が閉じて図1実
線の閉じ位置に在り、各クランパー8、9が開いて搬送
枠4上に表皮2が図2(A)に示す要領で供給される。
【0021】図2(A)〜(B)は搬送枠4の本体枠部
5と閉じ位置に在る開閉枠部7の相対関係が示され、図
2(A)のときに本体枠部5と開閉枠部7の間隔W1
表皮2の幅W2 に対応させて調整される。即ち、図5の
2つの表皮ストック部41、42のいずれかから表皮供
給部43にフィーダ44で移送される表皮2の品種に応
じて搬送枠4の間隔W1 の調整が行われる。この間隔調
整は枠伸縮モータ12で自動的に行われ、間隔調整が完
了すると搬送枠4上に表皮2がフィーダ44で供給さ
れ、この後、本体枠部5と開閉枠部7の各クランパー
8、9が閉じて、図2(B)に示すように表皮2の幅方
向両端の長辺側周縁部が本体枠部5と開閉枠部7に支持
される。このとき、表皮2の長さ方向(図1上下方向)
の両周縁部は伸縮枠部6から離れた開放状態にある(図
4参照)。なお全長が短い車両用の表皮2は図4での上
下方向長さが短いが、この場合は表皮2の上下周縁部が
伸縮枠部6からより大きく離間することになるだけで、
共通の搬送枠4を問題なく使用可能である。このように
長方形の表皮2の長辺側周縁部を本体枠部5と開閉枠部
7で支持することで、表皮2の長辺方向での垂れ下りが
確実に防止される。一方、表皮2の幅方向である短辺方
向の周縁部は搬送枠4に支持されないので、この幅方向
で図2(B)に示すように少し垂れ下る。
【0022】そこで、図2(C)に示すように、間隔調
整された本体枠部5と開閉枠部7の間隔W’2 が広がる
ように本体枠部5と開閉枠部7を互いに離反する反対方
向に移動させて表皮2を幅方向に引っ張り、表皮2の垂
れを無くして表皮2を水平な伸張状態に保持する。この
表皮2の幅方向の伸張は、枠伸縮モータ12で伸縮枠部
6を伸ばすことにより自動で行われ、後の表皮搬送動作
中も継続して行われる。
【0023】図5の表皮供給部43で搬送枠4に表皮2
が供給されると、搬送枠4は図1右方向に前進移動して
表皮2を加熱炉45にピッチ送りする。加熱炉45で表
皮2が加熱されて垂れ始めると、図2(C)の要領で本
体枠部5と開閉枠部7が離反移動して表皮2の伸張が継
続して行われる。表皮2を伸張させたまま加熱すること
で、表皮2の均一加熱が容易となり、また、加熱炉45
内で表皮2が不本意に大きく垂れ下って加熱炉45内で
発火する等のトラブル発生が未然に防止されて、安定し
た加熱処理ができる。
【0024】表皮2を伸張させた搬送枠4が加熱炉45
を出てプレス機30に移動すると、図3に示す要領で表
皮2がプレス成形される。図3(A)はプレス機30の
上プレス金型32と下プレス金型31の中間位置に、コ
ンベア25に支持された基材1とその真上近くに搬送枠
4で伸張された表皮2を位置決めした状態が示される。
図3(A)の状態から各プレス金型31、32が上下動
して、図3(B)と図4(A)に示すように表皮2の中
央部(プレス成形部m)と基材1の中央部が重ねられて
プレス成形される。ここで、本発明においては、上下金
型31、32が表皮2と基材1をプレスした始めの段階
で、図3(C)に示すように搬送枠4の各クランパー
8、9を開き、次に、図4(B)に示すように開閉枠部
7を開いて、そのまま搬送枠4を図4(C)に示すよう
に表皮搬送(前進)方向と逆方向に後退させる。
【0025】つまり、上下プレス金型31、32を接近
させて表皮2と基材1をプレスしてから、プレス成形完
了後に上下プレス金型31、32が離脱するまでに数1
0秒以上の時間を要するのが通常であり、この場合、上
下プレス金型31、32が表皮2をプレスし始めた時点
から搬送枠4は表皮2を支持し続ける必要性がなくな
る。そこで、上下プレス金型31、32が表皮2をプレ
スし始めた時点で、クランパー8、9を開き、開閉枠部
7を開いて搬送枠4をプレス機30から後退させる。プ
レス機30から後退させた搬送枠4は、加熱炉45を通
過させて表皮供給部43まで移動させ、表皮供給部43
で開閉枠部7を閉じて次の別の表皮の供給のために待機
させる。搬送枠4がプレス機30から表皮供給部43に
後退して次の表皮供給を受ける間に、プレス機30で1
回のプレス成形が終了して、上記の搬送枠4による表皮
搬送が繰り返し行われる。
【0026】従って、図5の表皮供給部43とプレス機
30の間の表皮搬送経路の各工程で搬送枠4は一式を用
意するだけよく、また、この一式の搬送枠4の幅を表皮
2の幅に対応させて可変調整することで一式の搬送枠4
が幅の異なる複数品種の表皮2に共用でき、而も、この
一式の搬送枠4の表皮搬送経路での前進往路と後退復路
が同一となるので、搬送枠4を使用した表皮搬送装置を
含む製造設備の簡略化と省スペース化が可能となり、設
備投資費の低減化が可能となる。
【0027】更に、搬送枠4で伸張させた表皮2をプレ
ス成形することにより、表皮2のプレス成形品の品質と
材料歩留まりが向上する。即ち、搬送枠4は表皮2を常
時伸張させてプレス機30に搬送し、伸張させた表皮2
の中央部がプレス成形されるようにした結果、プレス成
形時に表皮2に皺が発生し難くなってプレス成形品の品
質が向上する。また、プレス機30内で表皮2は幅方向
に引き伸ばされた状態で、その中央の伸張されたプレス
成形部mがプレス成形されるため、図2(A)の原形の
表皮2の幅W1 は図2(C)のプレス成形されるときの
幅W’2 より小さく、その分、表皮材料が少なくて済
む。更に、表皮2の中央のプレス成形部mは大きく垂れ
下ること無くプレス成形されるので、表皮2のプレス成
形部mを除く周辺部の面積を小さくしてもプレス成形部
mの良好なプレス成形が可能となるので、原形の表皮2
のサイズ縮小化が可能であり、このサイズ縮小化で尚更
に表皮材料が少なくて済み、材料歩留まりが向上する。
実際、この表皮材料歩留まりは、図8のコンベア搬送方
式の表皮搬送装置を使用した場合の材料歩留まりに対し
て10%を超える改善効果が認知された。
【0028】また、搬送枠4で表皮2を伸張させてプレ
ス成形することにより、プレス機30のプレス金型3
1、32に表皮弛み防止用突起物を付設する必要が無く
なり、プレス金型31、32の構造簡略化、低コスト化
が可能となる。
【0029】尚、本発明は自動車の成形天井の表皮搬送
装置に限らず、熱処理やプレス成形等される際に垂れて
変形し易い樹脂シートであれば有効に適用できる。ま
た、上記実施形態における搬送枠の開閉枠部は、一対の
伸縮枠部の先端に1本ずつ設置したが、一対の伸縮枠部
のいずれか一方の先端に本体枠部と同一長さの1本を回
転可能に連結してもよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の樹脂シート搬送装置によ
れば、搬送枠の本体枠部と開閉枠部で樹脂シートを幅方
向に伸張させて樹脂シート搬送を行うので、樹脂シート
の垂れ下りを少なくして、樹脂シートの加熱やプレス成
形が高品質に行えるようになる。特に、搬送枠で伸張さ
れた樹脂シートをプレス成形すると、樹脂シートの原形
サイズを小さくしても良好なプレス成形が可能となっ
て、プレス成形製品の製造歩留まり、樹脂シートの材料
歩留まりが向上する。また、搬送枠の本体枠部と開閉枠
部の間隔を樹脂シートの幅に対応させて調整可能とする
ことで、サイズの異なる複数品種の樹脂シートに1つの
搬送枠が共用できて、汎用性の高い搬送枠を有する設備
投資的有利な樹脂シート搬送装置、樹脂シートの品種切
換えの対応性に優れた樹脂シート搬送装置が提供でき
る。
【0031】請求項2記載の樹脂シート搬送装置によれ
ば、搬送枠で支持された樹脂シートの中央部を上下のプ
レス金型でプレス成形する初期段階で樹脂シートから搬
送枠を離して次の樹脂シートをセットする等の別の用途
に使用することで、搬送枠が時間的無駄を少なくして有
効利用できる。
【0032】請求項3記載の樹脂シート搬送装置によれ
ば、搬送枠に伸縮枠部を伸縮させる枠伸縮駆動源と、開
閉枠部を開閉させる枠開閉駆動源を付設することで、搬
送枠が多機能化されて、搬送枠で樹脂シートの多様な搬
送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す搬送枠の平面図であ
る。
【図2】(A)(B)(C)は、図1搬送枠の本体枠部
と開閉枠部による樹脂シート(表皮)の各段階での支持
形態の概略を示す断面図である。
【図3】(A)(B)(C)は、図1搬送枠の本体枠部
と開閉枠部で支持された樹脂シートの各段階でのプレス
成形形態の概略を示す断面図である。
【図4】(A)(B)(C)は、図3のプレス成形時で
の各段階の樹脂シートと搬送枠の概略を示す平面図であ
る。
【図5】自動車の成形天井用樹脂シートのプレス成形設
備の概要を示す平面図である。
【図6】図5設備における樹脂シート(基材)搬送経路
の概要を示す側面図である。
【図7】図5設備における樹脂シート(表皮)基材搬送
経路の概要を示す側面図である。
【図8】図7の樹脂シート搬送装置の概要を示す斜視図
である。
【図9】図7の樹脂シートの他の搬送装置の概要を示す
斜視図である。
【符号の説明】
2 樹脂シート(表皮) 4 搬送枠 5 本体枠部 6 伸縮枠部 7 開閉枠部 8 第1のシート辺クランプ手段 9 第2のシート辺クランプ手段 12 枠伸縮駆動源 13 枠開閉駆動源 31 プレス金型 32 プレス金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 51/26 B29C 51/20 B65H 5/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平な矩形の樹脂シートの周縁部を矩
    形の搬送枠で保持して、樹脂シートを搬送枠と共に水平
    方向に搬送する搬送装置で、 前記搬送枠は、樹脂シートの1辺の周縁部を脱着可能に
    支持する第1のシート辺クランプ手段を有する本体枠部
    と、この本体枠部の両端から直交方向に延在する同一長
    さで、かつ、全長が多段階に伸縮調整可能な一対の伸縮
    枠部と、この伸縮枠部の先端に水平方向に開閉可能に連
    結され、一対の伸縮枠部の各先端を結ぶ線上に在る閉じ
    位置において樹脂シートの前記本体枠部で支持される1
    周縁部と反対の1辺の周縁部を脱着可能に支持する第2
    のシート辺クランプ手段を有する開閉枠部とを備え、 樹脂シートの幅サイズに対応させた間隔で対向させた本
    体枠部と閉じ位置の開閉枠部の各シート辺クランプ手段
    で樹脂シートの幅方向両端の周縁部を支持すると共に、
    本体枠部と開閉枠部で樹脂シートを幅方向に伸張させた
    状態で樹脂シートの搬送を行い、必要に応じて閉じ位置
    の開閉枠部を開いて搬送枠を樹脂シートから離脱させる
    ようにしたことを特徴とする樹脂シート搬送装置。
  2. 【請求項2】 上記搬送枠で支持された樹脂シートの周
    縁部を除く中央部を上下のプレス金型でプレス成形する
    ときに、搬送枠の開閉枠部を開いてプレス成形されてい
    る樹脂シートから搬送枠を離脱させることを特徴とする
    請求項1記載の樹脂シート搬送装置。
  3. 【請求項3】 上記搬送枠に、伸縮枠部を伸縮させて本
    体枠部と閉じ位置の開閉枠部を互いに接近離反させる枠
    伸縮駆動源と、開閉枠部を閉じ位置と伸縮枠部の延長線
    に沿う開成位置の間で往復回転させる枠開閉駆動源を付
    設したことを特徴とする請求項1記載の樹脂シート搬送
    装置。
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