JP3363994B2 - 薄膜の製造方法 - Google Patents
薄膜の製造方法Info
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- JP3363994B2 JP3363994B2 JP08497594A JP8497594A JP3363994B2 JP 3363994 B2 JP3363994 B2 JP 3363994B2 JP 08497594 A JP08497594 A JP 08497594A JP 8497594 A JP8497594 A JP 8497594A JP 3363994 B2 JP3363994 B2 JP 3363994B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、色素などの機能材料
等の薄膜の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、簡便な手段で、基板に疎水性物質の薄
膜を効率良く製造する方法に関するものである。
等の薄膜の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、簡便な手段で、基板に疎水性物質の薄
膜を効率良く製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び本発明が解決しようとする課題】従
来、疎水性物質の薄膜の製造方法として、塗布法、スピ
ンコート法、蒸着法、スパッタリング法、プラズマCV
D法などが利用されている。しかしながら、これらの製
造方法には様々な制限や課題がある。すなわち、塗布
法、スピンコート法などの湿式法の場合、有機溶媒を使
用するため、付帯設備に多額の投資を必要とする。ま
た、湿式法においては、バインダー樹脂を共存させる方
法が広く採用されているが、得られる薄膜に、このバイ
ンダー樹脂が共存することとなり、薄膜中の機能材料の
濃度が低減するという問題がある。一方、蒸着法、スパ
ッタリング法、プラズマCVD法などの乾式法の場合、
疎水性物質のみを薄膜化できるという利点があるが、気
化により分解する物質には適用出来ないという制限があ
る。また、乾式法の場合、真空装置を使用するため、高
価な大規模な装置が必要になる。
来、疎水性物質の薄膜の製造方法として、塗布法、スピ
ンコート法、蒸着法、スパッタリング法、プラズマCV
D法などが利用されている。しかしながら、これらの製
造方法には様々な制限や課題がある。すなわち、塗布
法、スピンコート法などの湿式法の場合、有機溶媒を使
用するため、付帯設備に多額の投資を必要とする。ま
た、湿式法においては、バインダー樹脂を共存させる方
法が広く採用されているが、得られる薄膜に、このバイ
ンダー樹脂が共存することとなり、薄膜中の機能材料の
濃度が低減するという問題がある。一方、蒸着法、スパ
ッタリング法、プラズマCVD法などの乾式法の場合、
疎水性物質のみを薄膜化できるという利点があるが、気
化により分解する物質には適用出来ないという制限があ
る。また、乾式法の場合、真空装置を使用するため、高
価な大規模な装置が必要になる。
【0003】また、近年、この発明者らによってフェロ
セン残基または芳香族アゾ残基を含有するアゾ界面活性
剤の電解を利用する疎水性化合物の薄膜を形成する方法
(国際公開WO88/07538、特願平5−2343
01)が提案されているが、薄膜の製造には電解工程が
欠かせないため、専門知識と電解設備が必要となる。そ
の後、フェロセン残基を含有する界面活性剤を用いて、
電解の代わりに酸化剤を付着させた基板を侵せきする方
法(特公平3−23227)が開発されているが、酸化
剤を基板に均一に付着させねばならず、製造工程がが複
雑であるという欠点がある。さらに、アゾ界面活性剤を
用いて、卑金属を浸せきしてアゾ界面活性剤を還元する
方法(特願平6−28698)もこの発明者により提案
されているが、この方法では卑金属以外の基板上に薄膜
を製造できない。
セン残基または芳香族アゾ残基を含有するアゾ界面活性
剤の電解を利用する疎水性化合物の薄膜を形成する方法
(国際公開WO88/07538、特願平5−2343
01)が提案されているが、薄膜の製造には電解工程が
欠かせないため、専門知識と電解設備が必要となる。そ
の後、フェロセン残基を含有する界面活性剤を用いて、
電解の代わりに酸化剤を付着させた基板を侵せきする方
法(特公平3−23227)が開発されているが、酸化
剤を基板に均一に付着させねばならず、製造工程がが複
雑であるという欠点がある。さらに、アゾ界面活性剤を
用いて、卑金属を浸せきしてアゾ界面活性剤を還元する
方法(特願平6−28698)もこの発明者により提案
されているが、この方法では卑金属以外の基板上に薄膜
を製造できない。
【0004】そこで、この発明は、上記の従来の技術の
欠点を解消し、極めて容易な操作で高品質の機能性薄膜
を製造することのできる新しい薄膜の製造方法を提供す
ることを目的とした。
欠点を解消し、極めて容易な操作で高品質の機能性薄膜
を製造することのできる新しい薄膜の製造方法を提供す
ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、アゾ界面活性剤の共存下に疎水
性物質を水中へ可溶化又は微粒子として分散した液中
に、卑金属と基板を導線で結線して浸せきし、基板表面
でアゾ界面活性剤を還元し、基板表面近傍において、前
記の疎水性物質の可溶化状態または分散状態を破壊し
て、疎水性物質を基板表面へ付着させることを特徴とす
る薄膜の製造方法を提供するものである。
を解決するものとして、アゾ界面活性剤の共存下に疎水
性物質を水中へ可溶化又は微粒子として分散した液中
に、卑金属と基板を導線で結線して浸せきし、基板表面
でアゾ界面活性剤を還元し、基板表面近傍において、前
記の疎水性物質の可溶化状態または分散状態を破壊し
て、疎水性物質を基板表面へ付着させることを特徴とす
る薄膜の製造方法を提供するものである。
【0006】また、この発明は、疎水性部分が芳香族ア
ゾ化合物残基を含有することを特徴とする界面活性剤
が、下記の一般式[I]
ゾ化合物残基を含有することを特徴とする界面活性剤
が、下記の一般式[I]
【0007】
【化2】
【0008】(ここで、φ1 およびφ2 は炭素原子でア
ゾ基に結合する1価の芳香族炭化水素基又は複素環基
(置換基を有しても良い)を表わし、Xは酸素原子、原
子団−NH−、原子団−COO−、または原子団−OC
O−、原子団>P(O)−、または原子団−OCO−C
H2 O−を表わし、aは0又は1を表わし、Aはメチレ
ン基を表わし、bは0又は1以上の整数を表わし、Zは
酸素原子、窒素原子、原子団−NH−,−COO−、原
子団−OCO−、原子団>P(O)−、または原子団−
OCO−CH2 O−を表わし、cは0または1を表わ
し、Eは原子団−CH2 CH2 O−、原子団−CH(C
H3 )CH2 O−、または−CH2 CH(CH3 )O−
を表わし、nは6以上の整数もしくはその平均値を表わ
し、dは1または2、mは1または2を表わし、Rは水
素原子又はメチル基を表わし、eは1または2を、各々
表わす)で示されるアゾ化合物を用いることを特徴とす
る薄膜の製造方法をその態様として提供する。
ゾ基に結合する1価の芳香族炭化水素基又は複素環基
(置換基を有しても良い)を表わし、Xは酸素原子、原
子団−NH−、原子団−COO−、または原子団−OC
O−、原子団>P(O)−、または原子団−OCO−C
H2 O−を表わし、aは0又は1を表わし、Aはメチレ
ン基を表わし、bは0又は1以上の整数を表わし、Zは
酸素原子、窒素原子、原子団−NH−,−COO−、原
子団−OCO−、原子団>P(O)−、または原子団−
OCO−CH2 O−を表わし、cは0または1を表わ
し、Eは原子団−CH2 CH2 O−、原子団−CH(C
H3 )CH2 O−、または−CH2 CH(CH3 )O−
を表わし、nは6以上の整数もしくはその平均値を表わ
し、dは1または2、mは1または2を表わし、Rは水
素原子又はメチル基を表わし、eは1または2を、各々
表わす)で示されるアゾ化合物を用いることを特徴とす
る薄膜の製造方法をその態様として提供する。
【0009】
【作用】以上のこの発明の方法により、疎水性物質が色
素、電荷発生材、電荷輸送材、感光性色素、フォトクロ
ミック材料、ガスセンシング材料、イオンセンシング材
料、レジスト材料、エレクトロクロミック材料などの機
能性材料からなる薄膜、及びその薄膜を用いることを特
徴とする着色金属、電子写真感光体、太陽電池、フォト
クロミック薄膜、ガスセンサー、イオンセンサー、光メ
モリー、表示デバイス、液晶表示用カラーフィルター、
エレクトロルミネッセンス素子等をも提供する。
素、電荷発生材、電荷輸送材、感光性色素、フォトクロ
ミック材料、ガスセンシング材料、イオンセンシング材
料、レジスト材料、エレクトロクロミック材料などの機
能性材料からなる薄膜、及びその薄膜を用いることを特
徴とする着色金属、電子写真感光体、太陽電池、フォト
クロミック薄膜、ガスセンサー、イオンセンサー、光メ
モリー、表示デバイス、液晶表示用カラーフィルター、
エレクトロルミネッセンス素子等をも提供する。
【0010】さらに詳細に説明すると、まず、この発明
で使用することの出来る疎水性物質としては、界面活性
剤の水溶液に可溶化又は微粒子として分散することので
きる疎水性化合物ならば各種のものを用いることができ
る。たとえば色素の具体例としては、「染料便覧」丸
善、1970年7月20日発行の839〜878ページ
に列挙されているC.I.ソルベントイエロー2、C.
I.ソルベントレッド3などの油溶性染料、「染料便
覧」の987〜1109ページ「カラーケミカル事典」
シーエムシー、1988年3月28日発行に列挙されて
いるC.I.ピグメントブルー15などの有機顔料や、
「カラーケミカル事典」542〜591ページに列挙さ
れているエレクトロニクス用色素、記録用色素、環境ク
ロミズム用色素、写真用色素、エネルギー用色素のうち
の疎水性化合物等が挙げられる。また、電子写真感光体
用の電荷発生材の具体例としては、x型フタロシアニ
ン、α型オキシチタニウムフタロシアニン、α型オキシ
パナジウムフタロシアニンなどが挙げられる。更に、水
に不溶なポリマー、例えば、ポリスチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリロニ
トリル、ポリピロール、ポリアニリン、アセチルセルロ
ース、ポリビニルアセテート、ポリビニールブチラー
ル、あるいはコポリマー(メタクリル酸メチルとメタク
リル酸とのポリマー)を挙げることができる。
で使用することの出来る疎水性物質としては、界面活性
剤の水溶液に可溶化又は微粒子として分散することので
きる疎水性化合物ならば各種のものを用いることができ
る。たとえば色素の具体例としては、「染料便覧」丸
善、1970年7月20日発行の839〜878ページ
に列挙されているC.I.ソルベントイエロー2、C.
I.ソルベントレッド3などの油溶性染料、「染料便
覧」の987〜1109ページ「カラーケミカル事典」
シーエムシー、1988年3月28日発行に列挙されて
いるC.I.ピグメントブルー15などの有機顔料や、
「カラーケミカル事典」542〜591ページに列挙さ
れているエレクトロニクス用色素、記録用色素、環境ク
ロミズム用色素、写真用色素、エネルギー用色素のうち
の疎水性化合物等が挙げられる。また、電子写真感光体
用の電荷発生材の具体例としては、x型フタロシアニ
ン、α型オキシチタニウムフタロシアニン、α型オキシ
パナジウムフタロシアニンなどが挙げられる。更に、水
に不溶なポリマー、例えば、ポリスチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリロニ
トリル、ポリピロール、ポリアニリン、アセチルセルロ
ース、ポリビニルアセテート、ポリビニールブチラー
ル、あるいはコポリマー(メタクリル酸メチルとメタク
リル酸とのポリマー)を挙げることができる。
【0011】疎水性物質の可溶化又は分散した液を調製
するには種々の方法がある。具体的には臨界ミセル濃度
以上の一般式[I]で表わされるアゾ界面活性剤の水溶
液に、疎水性物質を加えて超音波処理、攪拌などにより
可溶化又は分散した液を調製すればよい。また、前記の
一般式[I]等で表わされるアゾ界面活性剤の具体例と
しては、たとえば、以下の化学構造で示される化合物群
を挙げることができる。
するには種々の方法がある。具体的には臨界ミセル濃度
以上の一般式[I]で表わされるアゾ界面活性剤の水溶
液に、疎水性物質を加えて超音波処理、攪拌などにより
可溶化又は分散した液を調製すればよい。また、前記の
一般式[I]等で表わされるアゾ界面活性剤の具体例と
しては、たとえば、以下の化学構造で示される化合物群
を挙げることができる。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】このようにして調製した可溶化した液又は
分散液に、卑金属と基板を導線でつなぎ、両者を浸せき
することにより、疎水性化合物の薄膜を基板上に製造で
きる。ここで、卑金属としては、卑な酸化還元電位を有
するであるものであれば使用できる。このような金属と
しては亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどが使用で
きる。また、基板としては上記のアゾ界面活性剤の酸化
還元電位より貴な金属である白金、金、銀、パラジウ
ム、ステンレススチール等が使用できる。また、金属以
外の導電性基板であるすずをドープした酸化インジウム
(ITO)を被覆した透明ガラスまたは高分子フィル
ム、アンチモンをドープした酸化すずを被覆した透明ガ
ラスまたは高分子フィルム、酸化チタン等の半導体等が
使用できる。
分散液に、卑金属と基板を導線でつなぎ、両者を浸せき
することにより、疎水性化合物の薄膜を基板上に製造で
きる。ここで、卑金属としては、卑な酸化還元電位を有
するであるものであれば使用できる。このような金属と
しては亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどが使用で
きる。また、基板としては上記のアゾ界面活性剤の酸化
還元電位より貴な金属である白金、金、銀、パラジウ
ム、ステンレススチール等が使用できる。また、金属以
外の導電性基板であるすずをドープした酸化インジウム
(ITO)を被覆した透明ガラスまたは高分子フィル
ム、アンチモンをドープした酸化すずを被覆した透明ガ
ラスまたは高分子フィルム、酸化チタン等の半導体等が
使用できる。
【0017】このような基板と卑金属を導線でつなぎ、
両者を前記の疎水性物質を水中へ可溶化又は微粒子とし
て分散した液に浸せきすることにより、極めて容易に薄
膜を製造することができる。このような浸せきによっ
て、容易に薄膜が形成される理由は、金属とアゾ界面活
性剤との間で酸化還元反応を伴う電池反応が起こること
による。すなわち、本発明は、卑金属上で金属が金属イ
オンと電子に分離し、金属イオンは水溶液中へ溶出し、
電子は導線を通して基板に移動して、アゾ界面活性剤を
還元し、基板表面近傍において、前記の疎水性物質の可
溶化状態又は分散状態が破壊される。すなわち、この反
応により金属が酸化されて金属イオンとなり、アゾ界面
活性剤は還元されて可溶化能と分散能が失われ、疎水性
化合物が基板上に析出して薄膜が形成される。
両者を前記の疎水性物質を水中へ可溶化又は微粒子とし
て分散した液に浸せきすることにより、極めて容易に薄
膜を製造することができる。このような浸せきによっ
て、容易に薄膜が形成される理由は、金属とアゾ界面活
性剤との間で酸化還元反応を伴う電池反応が起こること
による。すなわち、本発明は、卑金属上で金属が金属イ
オンと電子に分離し、金属イオンは水溶液中へ溶出し、
電子は導線を通して基板に移動して、アゾ界面活性剤を
還元し、基板表面近傍において、前記の疎水性物質の可
溶化状態又は分散状態が破壊される。すなわち、この反
応により金属が酸化されて金属イオンとなり、アゾ界面
活性剤は還元されて可溶化能と分散能が失われ、疎水性
化合物が基板上に析出して薄膜が形成される。
【0018】この浸せきのときの条件は特にないが、温
度はアゾ界面活性剤の曇点以下であれば良く、浸せき時
間は1〜180分程度の範囲で選べば良い。
度はアゾ界面活性剤の曇点以下であれば良く、浸せき時
間は1〜180分程度の範囲で選べば良い。
【0019】
【実施例】以下、この発明の薄膜、その製造方法の実施
例を説明する。実施例1 [白金板上のβ型銅フタロシアニンの薄膜] 0.1mol/l塩酸、1.0mmol/l AZPE
G(下記式)の水溶液に10mmol/lのβ型銅フタ
ロシアニンを加えた後、10分間超音波照射し、3昼夜
攪拌して分散液を調製した。
例を説明する。実施例1 [白金板上のβ型銅フタロシアニンの薄膜] 0.1mol/l塩酸、1.0mmol/l AZPE
G(下記式)の水溶液に10mmol/lのβ型銅フタ
ロシアニンを加えた後、10分間超音波照射し、3昼夜
攪拌して分散液を調製した。
【0020】
【化7】
【0021】幅10mm、長辺30mm、厚さ0.1m
mの白金板と同じ大きさのアルミニウム板を重ね、両者
の上部を金属製のクリップで挟み、先端15mmを分散
液に、25℃にて、20分間浸せきし、白金板上に緑青
色の薄膜(幅10mm、長さ15mm)を製造した。製
造終了後、白金板を引上げ、エタノールで洗浄し製造し
た。
mの白金板と同じ大きさのアルミニウム板を重ね、両者
の上部を金属製のクリップで挟み、先端15mmを分散
液に、25℃にて、20分間浸せきし、白金板上に緑青
色の薄膜(幅10mm、長さ15mm)を製造した。製
造終了後、白金板を引上げ、エタノールで洗浄し製造し
た。
【0022】得られた膜を5mmol/lのBrij3
5の水溶液に分散した溶液の可視紫外吸収スペクトルパ
ターン(図1)は使用したβ型銅フタロシアニンを5m
mol/lのBrij水溶液に分散したものと一致して
いた。従って、使用する粒子の化学構造を維持したまま
薄膜を製造出来ることが確かめられた。比較例1 実施例1に用いた界面活性剤の代わりに典型的な非イオ
ン性界面活性剤であるBrij35を用いた実施例1と
同様に調製したβ型銅フタロシアニンの分散液に実施例
1と同様に導線で結線したアルミニウムと白金板を20
分間浸したが、薄膜は得られなかった。比較例2 実施例1に用いた分散液に幅10mm、長辺30mm、
厚さ0.1mmの白金板の先端15mmを分散液に、2
5℃にて、20分間浸せきしたが、薄膜は得られなかっ
た。実施例2 [銀板上のβ型銅フタロシアニンの薄膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺30mm、厚さ0.
5mmの銀板を用いた以外は実施例1と同様にして、銀
板上に緑青色の薄膜を製造した。実施例3 [ステンレス板上のβ型銅フタロシアニンの薄
膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺35mm、厚さ1.
0mmのステンレス板を用いた以外は実施例1と同様に
して、ステンレス板上に緑青色の薄膜を製造した。実施例4 [ITO透明ガラス板上のβ型銅フタロシアニ
ンの薄膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺30mm、厚さ1m
mのITO透明ガラス板を用いた以外は実施例1と同様
にして、ITO透明ガラス板上に緑青色の薄膜を製造し
た。実施例5 [ITO透明ガラス板上のペリレンバーミリオ
ンの薄膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺30mm、厚さ1m
mのITO透明ガラス板を用い、β型銅フタロシアニン
の代りにペリレンバーミリオンを用いた以外は実施例1
と同様にして、ITO透明ガラス板上に赤色の薄膜を製
造した。実施例6 [ITO透明ガラス板上のβ型銅フタロシアニ
ンの薄膜] 0.1mol/l塩酸、1.0mmol/l AZPE
G(下記式)の水溶液に15mmol/lのβ型銅フタ
ロシアニンを加えた後、10分間超音波照射し、3昼夜
攪拌して分散液を調製した。幅10mm、長辺30m
m、厚さ1mmのITO透明ガラスと同じ大きさのアル
ミニウム板を重ね、両者の上部を金属製のクリップで挟
み、先端15mmをこの分散液に、25℃にて、20分
間浸せきし、ITO透明ガラス板上に緑青色の薄膜(幅
10mm、長さ15mm)を製造した。製造終了後、I
TO透明ガラス板を引上げ、蒸留水で洗浄し製造した。
5の水溶液に分散した溶液の可視紫外吸収スペクトルパ
ターン(図1)は使用したβ型銅フタロシアニンを5m
mol/lのBrij水溶液に分散したものと一致して
いた。従って、使用する粒子の化学構造を維持したまま
薄膜を製造出来ることが確かめられた。比較例1 実施例1に用いた界面活性剤の代わりに典型的な非イオ
ン性界面活性剤であるBrij35を用いた実施例1と
同様に調製したβ型銅フタロシアニンの分散液に実施例
1と同様に導線で結線したアルミニウムと白金板を20
分間浸したが、薄膜は得られなかった。比較例2 実施例1に用いた分散液に幅10mm、長辺30mm、
厚さ0.1mmの白金板の先端15mmを分散液に、2
5℃にて、20分間浸せきしたが、薄膜は得られなかっ
た。実施例2 [銀板上のβ型銅フタロシアニンの薄膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺30mm、厚さ0.
5mmの銀板を用いた以外は実施例1と同様にして、銀
板上に緑青色の薄膜を製造した。実施例3 [ステンレス板上のβ型銅フタロシアニンの薄
膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺35mm、厚さ1.
0mmのステンレス板を用いた以外は実施例1と同様に
して、ステンレス板上に緑青色の薄膜を製造した。実施例4 [ITO透明ガラス板上のβ型銅フタロシアニ
ンの薄膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺30mm、厚さ1m
mのITO透明ガラス板を用いた以外は実施例1と同様
にして、ITO透明ガラス板上に緑青色の薄膜を製造し
た。実施例5 [ITO透明ガラス板上のペリレンバーミリオ
ンの薄膜] 白金板の代わりに幅10mm、長辺30mm、厚さ1m
mのITO透明ガラス板を用い、β型銅フタロシアニン
の代りにペリレンバーミリオンを用いた以外は実施例1
と同様にして、ITO透明ガラス板上に赤色の薄膜を製
造した。実施例6 [ITO透明ガラス板上のβ型銅フタロシアニ
ンの薄膜] 0.1mol/l塩酸、1.0mmol/l AZPE
G(下記式)の水溶液に15mmol/lのβ型銅フタ
ロシアニンを加えた後、10分間超音波照射し、3昼夜
攪拌して分散液を調製した。幅10mm、長辺30m
m、厚さ1mmのITO透明ガラスと同じ大きさのアル
ミニウム板を重ね、両者の上部を金属製のクリップで挟
み、先端15mmをこの分散液に、25℃にて、20分
間浸せきし、ITO透明ガラス板上に緑青色の薄膜(幅
10mm、長さ15mm)を製造した。製造終了後、I
TO透明ガラス板を引上げ、蒸留水で洗浄し製造した。
【0023】
【化8】
【0024】実施例7[ITO透明ガラス板上のペリレ
ンバーミリオンの薄膜] β型銅フタロシアニンの代りにペリレンバーミリオンを
用いた以外は実施例6と同様にして、ITO透明ガラス
板上に赤色の薄膜を製造した。実施例8 [ITO透明ガラス板上のモノクロロ銅フタロ
シアニンの薄膜] 15mmol/lのβ型銅フタロシアニンの代りに10
mmol/lのモノクロロ銅フタロシアニンを用いた以
外は実施例6と同様にして、ITO透明ガラス板上に青
色の薄膜を製造した。実施例9 [ITO透明ガラス板上のインダンスレンブル
ーの薄膜] β型銅フタロシアニンの代りにインダンスレンブルーを
用いた以外は実施例1と同様にして、ITO透明ガラス
板上に青色の薄膜を製造した。
ンバーミリオンの薄膜] β型銅フタロシアニンの代りにペリレンバーミリオンを
用いた以外は実施例6と同様にして、ITO透明ガラス
板上に赤色の薄膜を製造した。実施例8 [ITO透明ガラス板上のモノクロロ銅フタロ
シアニンの薄膜] 15mmol/lのβ型銅フタロシアニンの代りに10
mmol/lのモノクロロ銅フタロシアニンを用いた以
外は実施例6と同様にして、ITO透明ガラス板上に青
色の薄膜を製造した。実施例9 [ITO透明ガラス板上のインダンスレンブル
ーの薄膜] β型銅フタロシアニンの代りにインダンスレンブルーを
用いた以外は実施例1と同様にして、ITO透明ガラス
板上に青色の薄膜を製造した。
【0025】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
り機能性材料等の有機薄膜が簡便な手段で効率的に製造
される。
り機能性材料等の有機薄膜が簡便な手段で効率的に製造
される。
【図1】実施例としての薄膜の分散水溶液の可視紫外吸
収スペクトルパターン図である。
収スペクトルパターン図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
B05D 7/14 101 B05D 7/14 101Z
7/24 301 7/24 301C
301E
301Z
303 303E
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23C 18/54
B05D 5/08
B05D 7/14
B05D 7/14 101
B05D 7/24 301
B05D 7/24 303
Claims (3)
- 【請求項1】 芳香族アゾ化合物残基を含有するアゾ界
面活性剤の共存下に疎水性物質を水中へ可溶化又は微粒
子として分散した液中に、導線で結線した卑金属と基板
を浸せきし、疎水性物質を基板表面へ付着させることを
特徴とする薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、アゾ界面活性剤が、
下記の一般式[I] 【化1】 (ここで、φ1 およびφ2 は炭素原子でアゾ基に結合す
る1価の芳香族炭化水素基又は複素環基(置換基を有し
ても良い)を表わし、Xは酸素原子、原子団−NH−、
原子団−COO−、又は原子団−OCO−、原子団>P
(O)−、または原子団−OCO−CH2 O−を表わ
し、aは0又は1を表わし、Aはメチレン基を表わし、
bは0又は1以上の整数を表わし、Zは酸素原子、窒素
原子、原子団−NH−,−COO−、原子団−OCO
−、原子団>P(O)−、または原子団−OCO−CH
2 O−を表わし、cは0または1を表わし、Eは原子団
−CH 2 CH2 O−、原子団−CH(CH3 )CH2 O
−、または−CH2 CH(CH 3 )O−を表わし、nは
6以上の整数もしくはその平均値を表わし、dは1また
は2、mは1または2を表わし、Rは水素原子又はメチ
ル基を表わし、eは1または2を、各々表わす)で示さ
れるアゾ化合物を用いることを特徴とする薄膜の製造方
法。 - 【請求項3】 請求項1または2の方法により製造され
た薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08497594A JP3363994B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08497594A JP3363994B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07292478A JPH07292478A (ja) | 1995-11-07 |
JP3363994B2 true JP3363994B2 (ja) | 2003-01-08 |
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ID=13845629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP08497594A Expired - Fee Related JP3363994B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 薄膜の製造方法 |
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JP (1) | JP3363994B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108355580B (zh) * | 2018-01-25 | 2020-04-10 | 西安石油大学 | 一种橙色表面活性剂的制备方法 |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP08497594A patent/JP3363994B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07292478A (ja) | 1995-11-07 |
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